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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057311
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】具材入りオイルソースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/00 20160101AFI20230414BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20230414BHJP
【FI】
A23L23/00
A23L27/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166759
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 仁雄
【テーマコード(参考)】
4B036
4B047
【Fターム(参考)】
4B036LC01
4B036LC05
4B036LF03
4B036LH13
4B036LP09
4B036LP11
4B047LB09
4B047LG02
4B047LG65
4B047LG70
(57)【要約】
【課題】本発明は、喫食する際に、配合された呈味成分の発現に優れ、かつ液状部への水の分離が抑制された具材入りオイルソースの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを、前記水と前記乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満となるよう混合し、大きさ1.5mm以上の呈味成分含浸具材を得る工程と、前記呈味成分含浸具材と、液状油脂とを混合する工程とを含むことを特徴とする具材入りオイルソースの製造方法。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程1及び2を含むことを特徴とする具材入りオイルソースの製造方法。
工程1:水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを、前記水と前記乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満となるよう混合し、大きさ1.5mm以上の呈味成分含浸具材を得る工程
工程2:前記呈味成分含浸具材と、液状油脂とを混合する工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具材入りオイルソースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の嗜好の多様化が進むなか、消費者ニーズに対応したバリエーションに富んだ調味料商品が各社より販売されている。そのなかでも、オイルソースは、オイル中に野菜、香辛料等の具材や塩等の呈味成分が配合された調味料の一つであり、具材の風味とともに、よりコクがあり濃厚な味わいを食品へと手軽に付与することができるため、レストラン等の外食産業だけではなく家庭での需要も高まりを見せている。
一方で、オイルソースは、オイル中に塩等の呈味成分が配合されているため、水分を主体とするドレッシング等の調味料商品と比較すると、呈味成分を味覚として感じづらいという課題がある。よって、オイルソースの呈味成分の発現を向上させるためには、塩等の呈味成分を多めに添加する必要があるが、減塩への社会的要求やコストの抑制を考慮すると、できるだけ塩等の呈味成分の添加量を抑えることが求められる。オイルソースの呈味成分の発現を向上させるために、オイルに塩等の呈味成分を含む溶液等を添加する方法も考えられるが、水の分離が発生し好ましくない。このため、オイルソースの品質を維持しつつ、オイルソースの呈味成分の発現を向上させる技術が求められている。
【0003】
オイルソースに関する技術としては、例えば、顆粒塩、大きさが2mm以上7mm以下の固形具材及び食用油脂を含有し、水分含有量8重量%以下である容器入りオイルソースの液部の動的粘弾性を特定した容器入りオイルソース(特許文献1)、HLBが4より大きい可食性乳化剤及び乾燥調味料を含む食用オイルソース(特許文献2)、水分含量5%以下の容器入りオイルソースの製造方法であって、食用油脂と乾燥具材の一部又は全部とを混合し、含気率が5%以下かつ粘度が1000~10000mPa・s(品温25℃)の混合物を調製する混合工程と、混合工程により得られた混合物と粘度1000mPa・s未満(品温25℃)の食用油脂とを容器に充填する充填工程と、大きさ1~5mmかつ澱粉含有量10~50%の造粒塩を添加する添加工程とを有し、乾燥具材の含有量がオイルソース全体に対し0.5~30%である容器入りオイルソースの製造方法(特許文献3)等が開示されている。
【0004】
しかし、これらの技術は、オイルソースの具材の均質性、液状部の透明性、及び加熱調理時の焦付き防止に関する技術であり、オイルソースの呈味成分の発現に着目したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-187392号公報
【特許文献2】特開2016-152782号公報
【特許文献3】特開2019-97413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、喫食する際に、配合された呈味成分の発現に優れ、かつ液状部への水の分離が抑制された具材入りオイルソースの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題に対して鋭意検討を行った結果、水と呈味成分を含有する液状組成物と乾燥具材とを、水と乾燥具材の質量比が所定の値になるよう混合し、これにより得られた所定の大きさの呈味成分が含浸した具材と液状油脂とを混合することによって、前記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の構成から成っている。
下記工程1及び2を含むことを特徴とする具材入りオイルソースの製造方法。
工程1:水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを、前記水と前記乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満となるよう混合し、大きさ1.5mm以上の呈味成分含浸具材を得る工程
工程2:前記呈味成分含浸具材と、液状油脂とを混合する工程
【発明の効果】
【0009】
本発明の具材入りオイルソースの製造方法で得られる具材入りオイルソースは、喫食する際に、配合された呈味成分の発現に優れ、かつ具材入りオイルソースの液状部への水の分離を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の具材入りオイルソースの製造方法は、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを、前記水と前記乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満となるよう混合し、大きさ1.5mm以上の呈味成分含浸具材を得る工程(工程1)と、前記呈味成分含浸具材と、液状油脂とを混合する工程(工程2)の二つの工程を含むことを特徴とする。
【0011】
工程1で用いられる呈味成分は、塩味、うま味、酸味、甘味、苦味を呈する成分であれば特に制限はなく、例えば、塩、塩化カリウム、アミノ酸又はその塩、核酸又はその塩、有機酸又はその塩、糖類、糖アルコール、カフェイン、カテキン、ナリンジン等を挙げることができ、このなかでも、塩が好ましい。アミノ酸又はその塩としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸マグネシウム、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カルシウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム等を挙げることができる。核酸又はその塩としては、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、これらのナトリウム塩等を挙げることができる。有機酸又はその塩としては、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコン酸、乳酸、これらのナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等を挙げることができる。糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、キシロース、パラチノース、トレハロース等を挙げることができる。糖アルコールとしては、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール等を挙げることができる。本発明では、呈味成分を1種のみ、又は任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
工程1で用いられる水と呈味成分を含有する液状組成物は、水と呈味成分とが含まれる液状の組成物であれば特に制限はなく、水に呈味成分が溶解した溶液、水に呈味成分が分散した分散液、呈味成分を含む食品素材から抽出される液状の抽出物等を挙げることができ、例えば、醤油、魚醤、液状みそ、ソース、醸造酢、ワイン、みりん、たん白加水分解物、発酵調味料、チーズソース、かつおエキス、ほたてエキス、昆布エキス等の水産物エキス、ポークエキス、チキンエキス、ビーフエキス等の畜肉エキス、玉葱、葱、人参、大根、トマト、コーン、白菜、しそ、ごま、にんにく、しょうが、わさび等の野菜エキス、きのこエキス、酵母エキス、香辛料抽出物、果汁等もこれに含まれる。
【0013】
水と呈味成分を含有する液状組成物中に含まれる水の含有量は、50~95質量%が好ましく、75~90質量%がより好ましく、水と呈味成分を含有する液状組成物中に含まれる呈味成分の含有量は、5~50質量%が好ましく、10~25質量%がより好ましい。なお、水と呈味成分を含有する液状組成物中に含まれる水の含有量は、例えば、常圧加熱乾燥法(110℃、3~5時間乾燥)により測定することができる。水と呈味成分を含有する液状組成物の調整方法は、特に制限はないが、水に呈味成分を添加し攪拌する方法、水に呈味成分を含む食品素材を添加し加熱抽出する方法等を挙げることができる。
【0014】
工程1で用いられる乾燥具材は、食品素材から水分を減少させる工程を経て得られる固形状の具材をいい、例えば、クルトン、シリアル、天かす、麩、粒状大豆タンパク等の乾燥加工食品、乾燥玉葱、乾燥人参、乾燥パプリカ、乾燥大根、乾燥じゃがいも、乾燥さつまいも、乾燥キャベツ、乾燥にんにく、乾燥しょうが等の乾燥野菜、乾燥きのこ、乾燥穀物、乾燥豆、乾燥果実、乾燥海藻、乾燥魚介、乾燥肉、乾燥卵、乾燥チーズ等を挙げることができ、このなかでも乾燥野菜、乾燥加工食品が好ましく、乾燥玉葱、粒状大豆タンパクがより好ましく、乾燥玉葱がさらに好ましい。乾燥具材の大きさは、目開き4mm(4.7メッシュ)の篩を通過し、目開き0.5mm(30メッシュ)の篩を通過しない大きさが好ましく、目開き2.8mm(6.5メッシュ)の篩を通過し、目開き1.4mm(12メッシュ)の篩を通過しない大きさがより好ましい。乾燥具材の形状に特に制限はなく、立方体状、直方体状、円柱状、球状、不定形状等であってもよい。乾燥具材中に含まれる水の含有量は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましい。乾燥具材の製造方法は、特に制限はないが、食品素材を自然乾燥する方法、熱風乾燥する方法、凍結乾燥する方法、真空乾燥する方法、油ちょうする方法等を挙げることができる。本発明では、乾燥具材を1種のみ、又は任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
工程1では、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合することで、乾燥具材に水と呈味成分を含有する液状組成物を含浸させる。混合する際、水と呈味成分を含有する液状組成物中に含まれる水と、乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)は0.6以上3未満である必要があり、0.6以上2.5以下が好ましい。この範囲であると、乾燥具材に水と呈味成分を含有する液状組成物を十分に含浸させ、乾燥具材中に水と呈味成分を含有する液状組成物を保持することができる。混合時間は、乾燥具材に水と呈味成分を含有する液状組成物を十分に含浸させる点で、30秒以上が好ましく、3分以上がより好ましい。混合方法は、特に制限はなく、自体公知の方法を用いることができる。なお、含浸とは、乾燥具材の表面や内部に水と呈味成分を含有する液状組成物を染み込ませること又は吸収させることをいう。
【0016】
このようにして乾燥具材に水と呈味成分を含有する液状組成物を含浸させた固形状の具材を呈味成分含浸具材という。呈味成分含浸具材の大きさは、呈味成分の発現の点で、1.5mm以上である必要があり、2.5mm以上が好ましい。大きさの上限値は、特に制限はないが、オイルソースの流動性や食感等の点で、5mm以下が好ましい。なお、呈味成分含浸具材の大きさは、呈味成分含浸具材の最長部の長さの平均値のことをいう。呈味成分含浸具材の形状に特に制限はなく、立方体状、直方体状、円柱状、球状、不定形状等であってもよい。呈味成分含浸具材中に含まれる水の含有量は、38~75質量%が好ましく、50~65質量%がより好ましい。呈味成分含浸具材中に含まれる呈味成分の含有量は、5~30質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。
【0017】
工程2で用いられる液状油脂は、常温(15~25℃)で液体状態である油脂をいい、例えば、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油、紅花油、ごま油、えごま油、魚油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等を挙げることができる。本発明では、液状油脂を1種のみ、又は任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、最終的に常温(15~25℃)で液体状態であれば、常温(15~25℃)で固体状態である油脂を含んでもよい。このような固体状態の油脂としては、前記した油脂の硬化油脂、分別油脂や牛脂、豚脂等の動物性油脂、パーム油等の植物性油脂等を挙げることができる。
【0018】
工程2で用いられる液状油脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の任意の成分を含有させることができる。任意の成分としては、例えば、乳化剤等の液状油脂に粘度を付与する成分、抽出トコフェロール、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル等の酸化防止剤、色素、香料等を挙げることができる。なお、液状油脂にこれら任意の成分を含有させる場合、液状油脂とともに加熱溶解させることが好ましい。
【0019】
工程2では、呈味成分含浸具材と、液状油脂とを混合する。混合する際、呈味成分含浸具材と、液状油脂の質量比(呈味成分含浸具材/液状油脂)は0.1~0.8が好ましく、0.5~0.8がより好ましい。混合方法は、特に制限はなく、自体公知の方法を用いることができる。
【0020】
このように工程1及び2を含む製造方法で得られる具材入りオイルソースは、呈味成分含浸具材を含む固形状部と、固形状部以外の液状油脂を含む液状部で構成されている。具材入りオイルソース中に含まれる呈味成分の含有量は、0.1~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましく、5~10質量%がさらに好ましい。具材入りオイルソース中に含まれる水の含有量は、5~30質量%が好ましく、15~30質量%がより好ましい。具材入りオイルソース中に含まれる液状油脂の含有量は、50~90質量%が好ましく、60~70質量%がより好ましい。具材入りオイルソースの液状部中に含まれる水の含有量は、1質量%未満が好ましく、0.5質量%未満がより好ましい。なお、水の含有量は、例えば、常圧加熱乾燥法(110℃、3~5時間乾燥)により測定することができる。
【0021】
本発明の具材入りオイルソースの製造方法で得られる具材入りオイルソースは、その包装形態に特に制限はなく、紙、ガラス、ペットボトル、レトルトパウチ、口栓付きパウチ等の容器に充填した形態のものであってもよい。本発明の具材入りオイルソースの製造方法で得られる具材入りオイルソースは、その用途に特に制限はなく、パスタ、肉料理、魚料理、サラダ、和え物等に調味料として用いることができる。
【0022】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【実施例0023】
[具材入りオイルソースの作製1]
(1)乾燥具材の調製
1)乾燥玉葱A
乾燥玉葱(商品名:オニオンチョップ1-2mm;水分含有量 5質量%;ナイルインターナショナル社製)を目開き2.8mm(6.5メッシュ)の篩にかけ、篩を通過したものを得た。次に、前記篩を通過したものを目開き1.4mm(12メッシュ)の篩にかけ、篩を通過せず篩上に残った乾燥玉葱を、乾燥玉葱Aとして得た。
【0024】
2)乾燥玉葱B
乾燥玉葱(商品名:オニオンチョップグラニュール;水分含有量 5質量%;ナイルインターナショナル社製)を目開き1.4mm(12メッシュ)の篩にかけ、篩を通過したものを得た。次に、前記篩を通過したものを目開き0.85mm(18メッシュ)の篩にかけ、篩を通過せず篩上に残った乾燥玉葱を、乾燥玉葱Bとして得た。
【0025】
3)乾燥玉葱C
乾燥玉葱(商品名:オニオンチョップグラニュール;水分含有量 5質量%;ナイルインターナショナル社製)を目開き0.85mm(18メッシュ)の篩にかけ、篩を通過したものを得た。次に、前記篩を通過したものを目開き0.355mm(42メッシュ)の篩にかけ、篩を通過せず篩上に残った乾燥玉葱を、乾燥玉葱Cとして得た。
【0026】
(2)具材入りオイルソースの作製方法
1)実施例1
300mLビーカーに水6gと塩(商品名:ナイカイ食品;ナイカイ塩業社製)5gを投入のうえ、スパチュラで攪拌し、水と呈味成分を含有する液状組成物を得た。次に、乾燥玉葱A10gを投入のうえ、スパチュラで30秒間混合し、乾燥玉葱Aに水と呈味成分を含有する液状組成物を水気がなくなるまで十分に含浸させ、呈味成分含浸具材を得た。呈味成分含浸具材の大きさは、2.6mmであった。次に、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)79gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース1を得た。なお、呈味成分含浸具材の大きさは、呈味成分含浸具材10個の大きさを計測し、平均値として算出した。
【0027】
2)実施例2
水を8gに、菜種油を77gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース2を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.7mmであった。
【0028】
3)実施例3
水を10gに、菜種油を75gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース3を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.6mmであった。
【0029】
4)実施例4
水を20gに、菜種油を65gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース4を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。
【0030】
5)実施例5
水を22gに、菜種油を63gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース5を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。
【0031】
6)実施例6
水を9gに、乾燥玉葱Aを15gに、菜種油を71gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース6を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.5mmであった。
【0032】
7)実施例7
乾燥玉葱A10gを乾燥玉葱B10gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース7を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.5mmであった。
【0033】
8)実施例8
乾燥玉葱A10gを乾燥玉葱B10gに変更すること以外は、実施例5と同様な方法で、具材入りオイルソース8を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.6mmであった。
【0034】
9)実施例9
水を22gに、塩を2.5gに、菜種油を65.5gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース9を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.6mmであった。
【0035】
10)対照区1
300mLビーカーに塩(商品名:ナイカイ食品;ナイカイ塩業社製)5g、乾燥玉葱A10g、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)85gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース(対照品1)を得た。
【0036】
11)対照区2
塩を2.5gに、菜種油を87.5gに変更すること以外は、対照区1と同様な方法で、具材入りオイルソース(対照品2)を得た。
【0037】
12)比較例1
水を5gに、菜種油を80gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース10を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。
【0038】
13)比較例2
水を30gに、菜種油を55gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース11を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.7mmであった。
【0039】
14)比較例3
水を40gに、菜種油を45gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース12を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.7mmであった。
【0040】
15)比較例4
水を6gに、乾燥玉葱Aを15gに、菜種油を74gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース13を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.6mmであった。
【0041】
16)比較例5
乾燥玉葱A10gを乾燥玉葱B10gに変更すること以外は、比較例1と同様な方法で、具材入りオイルソース14を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.5mmであった。
【0042】
17)比較例6
乾燥玉葱A10gを乾燥玉葱C10gに変更すること以外は、比較例1と同様な方法で、具材入りオイルソース15を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.0mmであった。
【0043】
18)比較例7
水を6gに、菜種油を79gに変更すること以外は、比較例6と同様な方法で、具材入りオイルソース16を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.0mmであった。
【0044】
19)比較例8
水を22gに、菜種油を63gに変更すること以外は、比較例6と同様な方法で、具材入りオイルソース17を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.0mmであった。
【0045】
20)比較例9
水を4gに、塩を2.5gに、菜種油を83.5gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース18を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。
【0046】
21)比較例10
水を30gに、塩を2.5gに、菜種油を57.5gに変更すること以外は、実施例1と同様な方法で、具材入りオイルソース19を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.9mmであった。
【0047】
具材入りオイルソース1~9、対照品1、2それぞれに対する各原材料の含有量(質量%)、呈味成分含浸具材の大きさを表1に示す。また、具材入りオイルソース10~19それぞれに対する各原材料の含有量(質量%)、呈味成分含浸具材の大きさを表2に示す。
【0048】
(3)具材入りオイルソースの呈味成分の発現の評価
豆腐40gに具材入りオイルソース1~19、対照品1、2いずれか5gをかけ、次の評価基準に基づいて、呈味成分の発現をそれぞれについて評価した。「◎」及び「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表3に示す。
<具材入りオイルソース1~8、10~17の評価基準>
◎:対照品1と比較して塩味を非常に強く感じる
○:対照品1と比較して塩味を強く感じる
△:対照品1と比較して塩味をやや強く感じる
×:対照品1と比較して塩味の差がない
<具材入りオイルソース9、18、19の評価基準>
◎:対照品2と比較して塩味を非常に強く感じる
○:対照品2と比較して塩味を強く感じる
△:対照品2と比較して塩味をやや強く感じる
×:対照品2と比較して塩味の差がない
【0049】
(4)水の分離評価
具材入りオイルソース1~19それぞれについて、目開き0.15mm(100メッシュ)の篩に通過させ、具材入りオイルソースの液状部のみを分離した。次に、次の評価基準に基づいて、液状部に水が分離しているかをそれぞれについて目視で評価した。「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表3に示す。
<評価基準>
○:液状部への水の分離が見られない
×:液状部への水の分離が見られる
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
表3のとおり、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満であり、かつ呈味成分含浸具材の大きさが1.5mm以上である具材入りオイルソース1~9は、呈味成分の発現に優れ、かつ水の分離が抑制されていた。一方、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6未満、又は呈味成分含浸具材の大きさが1.5mm未満である具材入りオイルソース10、13~18は、呈味成分の発現が満足できるものではなかった。また、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が3以上である具材入りオイルソース11、12、19は、水の分離が見られた。
【0054】
[具材入りオイルソースの作製2]
(1)具材入りオイルソースの作製方法
1)実施例10
300mLビーカーに水6gとショ糖(商品名:NBCビートグラニュ糖;北海道糖業社製)5gを投入のうえ、スパチュラで攪拌し、水と呈味成分を含有する液状組成物を得た。次に、乾燥玉葱A10gを投入のうえ、スパチュラで30秒間混合し、乾燥玉葱Aに水と呈味成分を含有する液状組成物を水気がなくなるまで十分に含浸させ、呈味成分含浸具材を得た。呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。次に、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)79gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース20を得た。なお、呈味成分含浸具材の大きさは、呈味成分含浸具材10個の大きさを計測し、平均値として算出した。
【0055】
2)実施例11
水を22gに、菜種油を63gに変更すること以外は、実施例10と同様な方法で、具材入りオイルソース21を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.5mmであった。
【0056】
3)対照区3
300mLビーカーにショ糖(商品名:NBCビートグラニュ糖;北海道糖業社製)5g、乾燥玉葱A10g、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)85gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース(対照品3)を得た。
【0057】
4)比較例11
水を4gに、菜種油を81gに変更すること以外は、実施例10と同様な方法で、具材入りオイルソース22を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。
【0058】
5)比較例12
水を30gに、菜種油を55gに変更すること以外は、実施例10と同様な方法で、具材入りオイルソース23を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.6mmであった。
【0059】
具材入りオイルソース20~23、対照品3それぞれに対する各原材料の含有量(質量%)、呈味成分含浸具材の大きさを表4に示す。
【0060】
(2)具材入りオイルソースの呈味成分の発現の評価
豆腐40gに具材入りオイルソース20~23、対照品3いずれか5gをかけ、次の評価基準に基づいて、呈味成分の発現をそれぞれについて評価した。「◎」及び「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表5に示す。
<評価基準>
◎:対照品3と比較して甘味を非常に強く感じる
○:対照品3と比較して甘味を強く感じる
△:対照品3と比較して甘味をやや強く感じる
×:対照品3と比較して甘味の差がない
【0061】
(3)水の分離評価
具材入りオイルソース20~23それぞれについて、目開き0.15mm(100メッシュ)の篩に通過させ、具材入りオイルソースの液状部のみを分離した。次に、次の評価基準に基づいて、液状部に水が分離しているかをそれぞれについて目視で評価した。「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表5に示す。
<評価基準>
○:液状部への水の分離が見られない
×:液状部への水の分離が見られる
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
表5のとおり、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満であり、かつ呈味成分含浸具材の大きさが1.5mm以上である具材入りオイルソース20、21は、呈味成分の発現に優れ、かつ水の分離が抑制されていた。一方、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6未満である具材入りオイルソース22は、呈味成分の発現が満足できるものではなく、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が3以上である具材入りオイルソース23は、水の分離が見られた。
【0065】
[具材入りオイルソースの作製3]
(1)具材入りオイルソースの作製方法
1)実施例12
300mLビーカーに水6gとグルタミン酸ナトリウム(商品名:味の素(I)FC;味の素社製)5gを投入のうえ、スパチュラで攪拌し、水と呈味成分を含有する液状組成物を得た。次に、乾燥玉葱A10gを投入のうえ、スパチュラで30秒間混合し、乾燥玉葱Aに水と呈味成分を含有する液状組成物を水気がなくなるまで十分に含浸させ、呈味成分含浸具材を得た。呈味成分含浸具材の大きさは、3.0mmであった。次に、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)79gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース24を得た。なお、呈味成分含浸具材の大きさは、呈味成分含浸具材10個の大きさを計測し、平均値として算出した。
【0066】
2)実施例13
水を22gに、菜種油を63gに変更すること以外は、実施例12と同様な方法で、具材入りオイルソース25を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.0mmであった。
【0067】
3)対照区4
300mLビーカーにグルタミン酸ナトリウム(商品名:味の素(I)FC;味の素社製)5g、乾燥玉葱A10g、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)85gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース(対照品4)を得た。
【0068】
4)比較例13
水を4gに、菜種油を81gに変更すること以外は、実施例12と同様な方法で、具材入りオイルソース26を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.8mmであった。
【0069】
5)比較例14
水を30gに、菜種油を55gに変更すること以外は、実施例12と同様な方法で、具材入りオイルソース27を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、2.9mmであった。
【0070】
具材入りオイルソース24~27、対照品4それぞれに対する各原材料の含有量(質量%)、呈味成分含浸具材の大きさを表6に示す。
【0071】
(2)具材入りオイルソースの呈味成分の発現の評価
豆腐40gに具材入りオイルソース24~27、対照品4いずれか5gをかけ、次の評価基準に基づいて、呈味成分の発現をそれぞれについて評価した。「◎」及び「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表7に示す。
<評価基準>
◎:対照品4と比較してうま味を非常に強く感じる
○:対照品4と比較してうま味を強く感じる
△:対照品4と比較してうま味をやや強く感じる
×:対照品4と比較してうま味の差がない
【0072】
(3)水の分離評価
具材入りオイルソース24~27それぞれについて、目開き0.15mm(100メッシュ)の篩に通過させ、具材入りオイルソースの液状部のみを分離した。次に、次の評価基準に基づいて、液状部に水が分離しているかをそれぞれについて目視で評価した。「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表7に示す。
<評価基準>
○:液状部への水の分離が見られない
×:液状部への水の分離が見られる
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
表7のとおり、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満であり、かつ呈味成分含浸具材の大きさが1.5mm以上である具材入りオイルソース24、25は、呈味成分の発現に優れ、かつ水の分離が抑制されていた。一方、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6未満である具材入りオイルソース26は、呈味成分の発現が満足できるものではなく、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が3以上である具材入りオイルソース27は、水の分離が見られた。
【0076】
[具材入りオイルソースの作製4]
(1)乾燥具材の調製
1)粒状大豆タンパクA
粒状大豆タンパク(商品名:ニューソイミーS10;水分含有量 6.4質量%;日清オイリオグループ社製)を目開き1.4mm(12メッシュ)の篩にかけ、篩を通過したものを得た。次に、前記篩を通過したものを目開き0.85mm(18メッシュ)の篩にかけ、篩を通過せず篩上に残った粒状大豆タンパクを、粒状大豆タンパクAとして得た。
【0077】
2)粒状大豆タンパクB
粒状大豆タンパク(商品名:ニューソイミーS10;水分含有量 6.4質量%;日清オイリオグループ社製)を目開き0.85mm(18メッシュ)の篩にかけ、篩を通過したものを得た。次に、前記篩を通過したものを目開き0.5mm(30メッシュ)の篩にかけ、篩を通過せず篩上に残った粒状大豆タンパクを、粒状大豆タンパクBとして得た。
【0078】
3)粒状大豆タンパクC
粒状大豆タンパク(商品名:ニューソイミーS10;水分含有量 6.4質量%;日清オイリオグループ社製)を目開き0.5mm(30メッシュ)の篩にかけ、篩を通過した粒状大豆タンパクを、粒状大豆タンパクCとして得た。
【0079】
(2)具材入りオイルソースの作製方法
1)実施例14
300mLビーカーに水6gと塩(商品名:ナイカイ食品;ナイカイ塩業社製)5gを投入のうえ、スパチュラで攪拌し、水と呈味成分を含有する液状組成物を得た。次に、粒状大豆タンパクA10gを投入のうえ、スパチュラで30秒間混合し、粒状大豆タンパクAに水と呈味成分を含有する液状組成物を水気がなくなるまで十分に含浸させ、呈味成分含浸具材を得た。呈味成分含浸具材の大きさは、3.3mmであった。次に、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)79gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース28を得た。なお、呈味成分含浸具材の大きさは、呈味成分含浸具材10個の大きさを計測し、平均値として算出した。
【0080】
2)実施例15
水を8gに、菜種油を77gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース29を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.5mmであった。
【0081】
3)実施例16
水を10gに、菜種油を75gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース30を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.2mmであった。
【0082】
4)実施例17
水を20gに、菜種油を65gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース31を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.0mmであった。
【0083】
5)実施例18
水を22gに、菜種油を63gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース32を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.5mmであった。
【0084】
6)実施例19
水を9gに、粒状大豆タンパクAを15gに、菜種油を71gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース33を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.4mmであった。
【0085】
7)実施例20
粒状大豆タンパクA10gを粒状大豆タンパクB10gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース34を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.6mmであった。
【0086】
8)実施例21
粒状大豆タンパクA10gを粒状大豆タンパクB10gに変更すること以外は、実施例18と同様な方法で、具材入りオイルソース35を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.7mmであった。
【0087】
9)対照区5
300mLビーカーに塩(商品名:ナイカイ食品;ナイカイ塩業社製)5g、粒状大豆タンパクA10g、菜種油(商品名:ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)85gを投入のうえ、スパチュラで混合し、具材入りオイルソース(対照品5)を得た。
【0088】
10)比較例15
水を5gに、菜種油を80gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース36を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.0mmであった。
【0089】
11)比較例16
水を30gに、菜種油を55gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース37を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.5mmであった。
【0090】
12)比較例17
水を40gに、菜種油を45gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース38を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.4mmであった。
【0091】
13)比較例18
水を6gに、粒状大豆タンパクAを15gに、菜種油を74gに変更すること以外は、実施例14と同様な方法で、具材入りオイルソース39を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、3.0mmであった。
【0092】
14)比較例19
粒状大豆タンパクA10gを粒状大豆タンパクB10gに変更すること以外は、比較例15と同様な方法で、具材入りオイルソース40を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.8mmであった。
【0093】
15)比較例20
粒状大豆タンパクA10gを粒状大豆タンパクC10gに変更すること以外は、比較例15と同様な方法で、具材入りオイルソース41を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.1mmであった。
【0094】
16)比較例21
水を6gに、菜種油を79gに変更すること以外は、比較例20と同様な方法で、具材入りオイルソース42を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.2mmであった。
【0095】
17)比較例22
水を22gに、菜種油を63gに変更すること以外は、比較例20と同様な方法で、具材入りオイルソース43を得た。工程途中で得られる呈味成分含浸具材の大きさは、1.2mmであった。
【0096】
具材入りオイルソース28~35、対照品5それぞれに対する各原材料の含有量(質量%)、呈味成分含浸具材の大きさを表8に示す。また、具材入りオイルソース36~43それぞれに対する各原材料の含有量(質量%)、呈味成分含浸具材の大きさを表9に示す。
【0097】
(3)液状部中に含まれる水の含有量の測定
具材入りオイルソース28~43、対照品5それぞれについて、目開き0.15mm(100メッシュ)の篩に通過させ、具材入りオイルソースの液状部のみを分離し、液状部中に含まれる水の含有量を常圧加熱乾燥法(110℃、3時間乾燥)にて測定した。具材入りオイルソース28~35、対照品5の結果を表8に、具材入りオイルソース36~43の結果を表9に示す。
【0098】
(4)具材入りオイルソースの呈味成分の発現の評価
豆腐40gに具材入りオイルソース28~43、対照品5いずれか5gをかけ、次の評価基準に基づいて、呈味成分の発現をそれぞれについて評価した。「◎」及び「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表10に示す。
<評価基準>
◎:対照品5と比較して塩味を非常に強く感じる
○:対照品5と比較して塩味を強く感じる
△:対照品5と比較して塩味をやや強く感じる
×:対照品5と比較して塩味の差がない
【0099】
(5)水の分離評価
具材入りオイルソース28~43それぞれについて、目開き0.15mm(100メッシュ)の篩に通過させ、具材入りオイルソースの液状部のみを分離した。次に、次の評価基準に基づいて、液状部に水が分離しているかをそれぞれについて目視で評価した。「○」を本発明の効果を満足するものとした。結果を表10に示す。
<評価基準>
○:液状部への水の分離が見られない
×:液状部への水の分離が見られる
【0100】
【表8】
【0101】
【表9】
【0102】
【表10】
【0103】
表10のとおり、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6以上3未満であり、かつ呈味成分含浸具材の大きさが1.5mm以上である具材入りオイルソース28~35は、呈味成分の発現に優れ、かつ水の分離が抑制されていた。一方、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が0.6未満、又は呈味成分含浸具材の大きさが1.5mm未満である具材入りオイルソース36、39~43は、呈味成分の発現が満足できるものではなかった。また、水と呈味成分を含有する液状組成物と、乾燥具材とを混合する際の水と乾燥具材の質量比(水/乾燥具材)が3以上である具材入りオイルソース37、38は、水の分離が見られた。