(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057443
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/30 20180101AFI20230414BHJP
【FI】
G16H20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166976
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517304691
【氏名又は名称】株式会社Kitahara Medical Strategies International
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小阪 勇気
(72)【発明者】
【氏名】北原 茂実
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】患者課題が適切に設定されているか否かを効率的に確認することが可能な支援装置を提供する。
【解決手段】支援装置1は、予測部2、算出部4及び出力部6を有する。予測部2は、患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測する。算出部4は、予測された患者課題である予測患者課題と、患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題との一致度を算出する。出力部6は、算出された一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測する予測手段と、
前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出する算出手段と、
前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う出力手段と、
を有する支援装置。
【請求項2】
前記予測手段は、第1の時点を始点とした予め定められた第1の期間における前記予測患者課題を算出し、
前記算出手段は、前記第1の時点を始点とし前記第1の期間よりも短い予め定められた第2の期間において実際に取り組まれた前記実際患者課題と、前記予測患者課題との一致度を算出する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記実際患者課題に含まれる項目の総数に対する、前記実際患者課題に含まれる項目のうち前記予測患者課題に含まれる項目の数の割合を、前記一致度として算出する、
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記実際患者課題に含まれる項目のうち前記第2の期間で取り組まれた頻度が予め定められた第2の閾値以上である第1の項目の総数に対する、前記予測患者課題に含まれる前記第1の項目の数の割合を、前記一致度として算出する、
請求項2に記載の支援装置。
【請求項5】
前記患者課題に含まれる項目は、予め定められた複数の分類ごとに設定され、
前記算出手段は、前記分類ごとに前記一致度を算出し、
前記出力手段は、前記分類ごとに前記アラートが出力されるように制御を行う、
請求項1から4のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項6】
前記一致度が前記第1の閾値未満の場合に、前記実際患者課題に基づいて前記アラートの種類を判定する種類判定手段、
をさらに有し、
前記出力手段は、判定された前記アラートの種類ごとに異なる形態で前記アラートが出力されるように、制御を行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項7】
前記種類判定手段は、前記実際患者課題と、当該実際患者課題が取り組まれた期間よりも前の期間で実際に取り組まれた患者課題との比較に応じて、前記アラートの種類を判定する、
請求項6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記種類判定手段は、前記実際患者課題に含まれる項目の文字列と、前記目標に含まれる単語の文字列との比較に応じて、前記アラートの種類を判定する、
請求項6又は7に記載の支援装置。
【請求項9】
患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測し、
前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出し、
前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う、
支援方法。
【請求項10】
患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測するステップと、
前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出するステップと、
前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーション等の、身体機能を含む能力の向上を目的とする活動(以下、単に「活動」とも称す)を行う施設(リハビリテーション病院等)では、理学療法士などのセラピストが、医師の指示の下に、リハビリテーション等の治療を行うことが多い。これに関連し、特許文献1は、患者の日常時の状態を反映したリハビリテーション計画の更新を支援する医用情報表示装置を開示する。特許文献1にかかる装置は、患者がリハビリテーションを行っている時の状態を示すリハビリテーション情報と、当該患者が前記リハビリテーションを行っていない時の状態を示す日常情報とを取得する。また、特許文献1にかかる装置は、リハビリテーション情報と、日常情報とを時間的に同期させて表示するリハビリテーション画面を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セラピストは、患者に対してリハビリテーション等の治療(以下、単に「治療」とも称すことがある)を行う際に、例えば医師の指示の下、患者の活動の目標を達成するために解決すべき患者課題を設定した上で、リハビリテーションの内容を決定することが多い。ここで、患者課題が適切に設定されていないと、目標を達成するために必要な治療が行われないため、目標を達成できないおそれがある。したがって、患者課題が適切に設定されているか否かを確認することが必要となる。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、患者課題が適切に設定されているか否かを効率的に確認することが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる支援装置は、患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測する予測手段と、前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出する算出手段と、前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う出力手段と、を有する。
【0007】
また、本開示にかかる支援装置は、患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測し、前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出し、前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う。
【0008】
また、本開示にかかるプログラムは、患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測するステップと、前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出するステップと、前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、患者課題が適切に設定されているか否かを効率的に確認することが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態にかかる支援装置の概要を示す図である。
【
図2】本開示の実施の形態にかかる支援装置によって実行される支援方法を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態1にかかる支援システムを示す図である。
【
図4】実施の形態1にかかる支援装置の構成を示す図である。
【
図5】実施の形態1にかかる支援装置で行われる処理のタイミングについて説明するための図である。
【
図6】実施の形態1にかかる予測患者課題及び実際患者課題を例示する図である。
【
図7】実施の形態1にかかる患者情報を例示する図である。
【
図8】実施の形態1にかかる支援装置によって実行される支援方法を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1にかかる予測一致度算出部によって実行される予測一致度の算出方法の第1の例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態1にかかる予測一致度算出部によって実行される予測一致度の算出方法の第2の例を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1にかかるアラート種類判定部によって実行されるアラートの種類の判定方法を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1にかかるアラート出力部の制御によって出力されるアラートを例示する図である。
【
図13】実施の形態2にかかる支援装置によって実行される支援方法を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2にかかるアラート出力部の制御によって出力されるアラートを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示にかかる実施の形態の概要)
本開示の実施形態の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態の概要について説明する。
図1は、本開示の実施の形態にかかる支援装置1の概要を示す図である。支援装置1は、例えば、サーバ又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。
【0012】
支援装置1は、リハビリテーション等の、患者の能力の向上を目的とする活動(能力向上活動)の目標を達成するために解決すべき課題(患者課題)の設定に関する処理を行う。なお、以下の説明では、能力向上活動が、リハビリテーション等の治療である場合の例について説明するが、能力向上活動は、リハビリテーション(治療)に限られない。
【0013】
支援装置1は、予測部2と、算出部4と、出力部6とを有する。予測部2は、予測手段としての機能を有する。算出部4は、算出手段としての機能を有する。出力部6は、出力手段としての機能を有する。
【0014】
図2は、本開示の実施の形態にかかる支援装置1によって実行される支援方法を示すフローチャートである。予測部2は、患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測する(ステップS2)。算出部4は、予測された患者課題である予測患者課題と、患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題との一致度を算出する(ステップS4)。出力部6は、算出された一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う(ステップS6)。
【0015】
ここで、出力されるアラートは、患者課題が適切に設定されていない可能性があるため目標を達成できないおそれがある旨の警告に対応する。また、出力部6は、支援装置1に備えられた表示装置(ユーザインタフェース)にアラートを表示させるように制御を行ってもよい。あるいは、出力部6は、ユーザ端末等の支援装置1とは異なる装置にアラートを表示させるように制御を行ってもよい。また、出力部6は、音声等によってアラートが出力されるように制御を行ってもよい。
【0016】
例えば、リハビリテーション病院では、入院期間を適正化するために、退院時期、及び、目標とする退院時の患者状態(以降、単に「目標」と称する)を設定して、その目標に向けてリハビリテーションを進めている。しかしながら、予定通りに目標を達成できず、設定された退院時期に退院できない「退院遅延」が発生することがある。したがって、退院遅延を抑制することが望まれる。
【0017】
退院遅延が発生する原因の1つとして、目標達成のために解決すべき患者課題が適切に設定されていないことが挙げられる。一般的に、リハビリテーション病院では、医師の指示の下、理学療法士などのセラピスト等によって、患者に対してリハビリテーションが行われる。セラピストは、例えば、以下のような流れでリハビリテーション計画を行う。つまり、セラピストは、例えば、医師の指導の下、以下のような流れで、リハビリテーションを実施する。以下のように、リハビリテーションの流れでは、目標設定がなされてから、目標を達成するためのリハビリテーションが実施され得る。つまり、セラピストは、患者の入院時に策定されたリハビリテーションの目標(リハビリテーション目標)を確認した上で、目標を達成するためのリハビリテーションを実施する。
(1)患者の状態とニーズに沿った目標の設定
(2)目標達成のために解決すべき患者課題の設定
(3)その課題を解くためのリハビリテーションの決定
(4)リハビリテーションの実施
【0018】
例えば、ある患者について、「階段の昇降ができるようになる」という目標を設定した場合、階段の昇降のために妨げとなる要素を、患者課題として設定する。この例では、下肢機能の低下により階段の昇降ができないのであれば、「下肢機能」を患者課題として設定する。そして、下肢機能を向上させるためのリハビリテーションが設定される。そして、セラピストは、このリハビリテーションを実施することで、「下肢機能」の患者課題に取り組むこととなる。
【0019】
ここで、患者状態は日々変化するため、患者状態に応じて、日々、上記の(2)~(4)が繰り返し実行される。そして、上記のような順序でリハビリテーションが実施されるので、「患者課題の設定」が適切に行われないと、目標を達成することが困難となる。なぜならば、「患者課題の設定」が適切に行われないと、目標達成のために必要なリハビリテーションが患者に提供されないおそれがあるからである。したがって、患者課題の設定が適切に行われることが、重要である。
【0020】
一般的に患者課題の設定は経験則によって行われているため、特に経験の浅いセラピストには難しい。また、セラピストは多忙である。したがって、あるセラピストが、医師の指示の範囲内で、患者のリハビリテーション目標を達成するための患者課題を設定したとしても、その患者課題が、患者のリハビリテーション目標を達成する上で最良であるか否かを、別のセラピストに日々確認することは難しい。さらに、例えば、経験の浅いセラピストによって設定された患者課題が、患者のリハビリテーション目標を達成する上で最良であるかを他のセラピスト(チームリーダ等)が確認する場合、電子カルテに設定された患者課題を確認することが考えられる。その場合、他のセラピストは、電子カルテを操作する必要があるため、手間がかかる。したがって、患者課題が適切に設定されているかを、自動的に判断できるようにすることで、効率的に、患者課題が適切に設定されているか否かを確認することが、求められる。
【0021】
これに対し、本開示にかかる支援装置1は、上記のように構成されているので、予測患者課題と実際患者課題との一致度が小さい、つまり予測患者課題と実際患者課題との差が大きい場合に、アラートを出力させることができる。ここで、実際患者課題は、例えば医師の指示の下、セラピストによって設定された患者課題に沿って取り組まれた患者課題である。また、予測患者課題は、リハビリテーションを行う患者にとって適切なものである可能性が高い。したがって、予測患者課題と実際患者課題との差が大きい場合とは、設定された患者課題が適切でない可能性がある場合である。
【0022】
したがって、本開示にかかる支援装置1は、設定された患者課題が適切でない可能性がある場合に、自動的に、アラートが出力されるようにすることができる。これにより、本開示にかかる支援装置1は、患者課題が適切に設定されているか否かを効率的に確認することが可能となる。つまり、本開示にかかる支援装置1は、設定された患者課題の評価を支援することができる。なお、支援装置1で実行される支援方法及び支援方法を実行するプログラムを用いても、患者課題が適切に設定されているか否かを効率的に確認することが可能となる。
【0023】
このように、本実施の形態によれば、セラピストが手間をかけることなしに、設定された患者課題が、適切でない可能性があることを確認することができる。そして、このような場合に、セラピストは、適切な患者課題が設定されるように対処することができる。例えば、設定された患者課題が、医師の指示範囲内であっても、患者のリハビリテーション目標を達成する上で、最良でない可能性があることを確認することができる。そして、セラピストは、医師の指示範囲内で適切な患者課題が設定されるように対処することができる。その結果、予定通りに目標を達成することができ、退院遅延が抑制される。
【0024】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0025】
図3は、実施の形態1にかかる支援システム50を示す図である。支援システム50は、1つ以上のユーザ端末60と、支援装置100とを有する。支援装置100は、
図1に示した支援装置1に対応する。ユーザ端末60と支援装置100とは、有線又は無線のネットワーク52を介して、通信可能に接続されている。
【0026】
支援装置100は、例えばサーバ又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。支援装置100は、リハビリテーション(能力向上活動)における目標を達成するために解決すべき患者課題の設定に関する支援を行う。具体的には、支援装置100は、患者課題が適切に設定されていない可能性がある場合に、アラートが出力されるように、制御を行う。
【0027】
ユーザ端末60は、例えば、コンピュータである。ユーザ端末60は、例えば、セラピスト等のユーザのパーソナルコンピュータ(PC)、又は、タブレット端末又はスマートフォン等の携帯端末などである。ユーザは、ユーザ端末60を用いて、患者に関する情報である患者情報を入力してもよい。この場合、ユーザ端末60は、入力装置を介して患者情報を受け入れる。そして、ユーザ端末60は、支援装置100に患者情報を送信する。支援装置100は、患者情報を格納する。患者情報については後述する。また、ユーザは、ユーザ端末60を用いて、決定された目標、患者課題及びリハビリテーションを設定してもよい。この場合、ユーザ端末60は、設定された目標、患者課題及びリハビリテーションを示す情報を、支援装置100に送信する。また、ユーザは、ユーザ端末60を用いて、日々、患者状態、取り組んだ患者課題(実際患者課題)、及び、実施したリハビリテーションを入力してもよい。この場合、ユーザ端末60は、患者状態を示す情報、実際患者課題を示す情報、及び、実施したリハビリテーションを示す情報を、支援装置100に送信する。
【0028】
また、ユーザ端末60は、支援装置100の制御によって、アラートを出力するための命令を受信してもよい。この場合、ユーザ端末60は、ユーザ端末60に備えられた表示装置等の出力装置(ユーザインタフェース)に、支援装置100から受信された命令に対応するアラートを出力(表示)させる。
【0029】
なお、支援装置100は、支援装置100が備えるユーザインタフェースにアラートを出力させてもよい。また、アラートは、ディスプレイに画像によって表示されてもよい。あるいは、アラートは、ランプによって出力されてもよい。あるいは、アラートは、音声によって出力されてもよい。あるいは、アラートは、ユーザ端末60等の振動によって出力されてもよい。
【0030】
図4は、実施の形態1にかかる支援装置100の構成を示す図である。支援装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。なお、
図3に示したユーザ端末60も、
図4に示したハードウェア構成を有し得る。
【0031】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
【0032】
通信部106は、ユーザ端末60(及び他の装置)とネットワーク52を介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108(IF;Interface)は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、ユーザ(オペレータ)によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。
【0033】
実施の形態1にかかる支援装置100は、構成要素として、患者情報格納部110、患者課題予測部120、実際患者課題取得部130、予測一致度算出部140、アラート出力判定部150、アラート種類判定部160、及びアラート出力部170を有する。また、アラート種類判定部160は、過去比較部162及び目標比較部164を有する。
【0034】
患者情報格納部110は、患者情報格納手段としての機能を有する。患者課題予測部120は、
図1に示した予測部2に対応する。患者課題予測部120は、患者課題予測手段(予測手段)としての機能を有する。実際患者課題取得部130は、実際患者課題取得手段(取得手段)としての機能を有する。予測一致度算出部140は、
図1に示した算出部4に対応する。予測一致度算出部140は、予測一致度算出手段(算出手段、一致度算出手段)としての機能を有する。
【0035】
アラート出力判定部150は、アラート出力判定手段(出力判定手段)としての機能を有する。アラート種類判定部160は、アラート種類判定手段(種類判定手段)としての機能を有する。アラート出力部170は、
図1に示した出力部6に対応する。アラート出力部170は、アラート出力手段(出力手段)としての機能を有する。また、過去比較部162は、過去比較手段としての機能を有する。目標比較部164は、目標比較手段としての機能を有する。
【0036】
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。なお、各構成要素の具体的な機能については後述する。
【0037】
上述した構成要素により、支援装置100は、患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測する。また、支援装置100は、予測患者課題と、実際患者課題との一致度を算出する。さらに、支援装置100は、算出された一致度が予め定められた第1の閾値未満か否かを判定し(アラート出力判定)、一致度が第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う。
【0038】
図5は、実施の形態1にかかる支援装置100で行われる処理のタイミングについて説明するための図である。
図5は、リハビリテーションの時間経過(経過日数)を示す。患者が入院している場合、リハビリテーションの時間経過は、入院日数に対応し得る。
図5の例では、リハビリテーションの開始時点から、期間Taごとに、患者課題の予測が行われる。この、患者課題の予測が行われる時点を、時点Aとする。また、時点Aごとに(期間Taごとに)、目標を予定通り達成できるか否かの評価が行われてもよい。なお、期間Taは、予め定められた期間である。期間Taは、例えば10日間であるが、これに限られない。また、時点Aから期間Tb経過後に、アラート出力判定が行われる。この、時点Aから期間Tb経過後の時点を、アラート出力判定時点とする。つまり、アラート出力判定時点でアラートを出力するか否かかが判定され、アラートが出力される場合に、アラート出力判定時点でアラートが出力される。なお、期間Tbは、予め定められた期間であって、期間Taよりも短い期間である。期間Tbは、例えば7日間であるが、これに限られない。また、期間Tcは、アラート出力判定時点から次の時点Aまでの期間である。ここで、Tc=Ta-Tbであり得る。
【0039】
支援装置100は、時点A(第1の時点)において、時点Aから期間Ta(第1の期間)の間において取り組むべき患者課題を予測する。つまり、支援装置100は、時点Aを始点とした期間Taにおける予測患者課題を算出する。一方、支援装置100は、アラート出力判定時点において、時点Aを始点した期間Tb(第2の期間)において実際に取り組まれた患者課題(実際患者課題)を取得する。そして、支援装置100は、アラート出力判定時点において、予測患者課題と実際患者課題とを比較して、実際患者課題と予測患者課題との一致度(予測一致度)を算出する。そして、支援装置100は、予測一致度が予め定められた閾値未満であるか否かを判定する。支援装置100は、予測一致度が閾値未満である場合に、患者課題が適切に設定されていない可能性があるため目標を達成できないおそれがある旨のアラートが出力されるように、制御を行う。
【0040】
このような構成によって、支援装置100は、定期的にアラート出力判定を行うことができる。したがって、患者課題が適切に設定されているか否かの確認を、定期的にかつ効率的に行うことが可能となる。また、期間Taよりも短い期間Tbが経過後にアラート出力判定が行われるので、時点Aから期間Taが経過する前に、患者課題が適切に設定されているか否かの確認を行うことができる。したがって、時点Aごとに目標を予定通り達成できるか否かの評価が行われる場合に、その評価が行われる前に、患者課題が適切に設定されているか否かの確認を行うことができる。
【0041】
図6は、実施の形態1にかかる予測患者課題及び実際患者課題を例示する図である。
図6に例示されているように、患者課題(予測患者課題及び実際患者課題)は、複数の項目で構成されている。ここで、
図6に例示するように、患者課題に含まれる項目は、複数の分類ごとに設定されていてもよい。
【0042】
そして、患者課題に含まれる項目は、上位課題と下位課題とに分類されていてもよい。ここで、上位課題及び下位課題は、互いに、課題における上位概念及び下位概念の関係にある。つまり、下位課題は上位課題の下位概念であり、上位課題は下位課題の上位概念である。上位課題は、患者が日常生活において何の動作が課題となるかを示している。言い換えると、上位課題は、日常生活において患者が困難な動作を示している。また、下位課題は、上位課題で示された日常生活の動作を行うことが困難である原因に関する。下位課題は、身体の基本的な、低下している動作及び機能(運動機能及び認知機能等)を示している。つまり、患者は、下位課題に対応する動作及び機能が低下しているため、上位課題の動作を行うことが十分に行うことが難しいとされる。
【0043】
また、患者課題に含まれる項目は、大項目と小項目とに分類されていてもよい。つまり、上位課題及び下位課題に含まれる項目は、さらに、大項目と小項目とに分類されていてもよい。大項目は、大まかな課題を示し、小項目は、より具体的な課題を示している。大項目は、動作名及び身体機能名を示し、小項目は、大項目で示された課題が具体的にどのような場合に引き起こされるかを示している。
【0044】
図6に例示された実際患者課題は、上位課題の項目として、「大項目:歩行、小項目:右側」、「大項目:歩行、小項目:麻痺側」、及び「大項目:IADL、小項目:家事」を含む。また、
図6に例示された実際患者課題は、下位課題の項目として、「大項目:バランス、小項目:立位」、「大項目:バランス、小項目:座位」、及び「大項目:上肢機能、小項目:なし」を含む。この場合、実際患者課題に関する患者(対象患者)は、日常生活において、「右側(上位課題の小項目)」及び「麻痺側(上位課題の小項目)」について「歩行(上位課題の大項目)」が困難である。そして、その原因として、「立位(下位課題の小項目)」及び「座位(下位課題の小項目)」における「バランス(下位課題の大項目)」の機能が低下している。また、対象患者は、日常生活において、「家事(上位課題の小項目)」についての「IADL(上位課題の大項目)」が困難である。そして、その原因として、「上肢機能(下位課題の大項目)」が低下している。なお、IADLは、後述するように、手段的日常生活動作、つまり応用的な日常動作であり、複雑な動作及び判断が必要な動作である。
【0045】
また、
図6に例示された予測患者課題は、上位課題の項目として、「大項目:歩行、小項目:右側」、「大項目:歩行、小項目:麻痺側」、「大項目:IADL、小項目:趣味」、「大項目:IADL、小項目:家事」及び「大項目:IADL、小項目:移乗」を含む。また、
図6に例示された実際患者課題は、下位課題の項目として、「大項目:バランス、小項目:立位」、「大項目:バランス、小項目:座位」、「大項目:認知機能、小項目:認知機能」、「大項目:立ち上がり動作、小項目:なし」及び「大項目:上肢機能、小項目:なし」を含む。
【0046】
図7は、実施の形態1にかかる患者情報を例示する図である。患者情報は、対象患者の基本情報、患者状態、及び設定された目標を含み得る。また、患者情報は、設定された患者課題、及び、実際患者課題を含んでもよい。基本情報は、対象患者の属性を示し得る。例えば、基本情報は、対象患者の名前、年齢及び性別を示し得る。また、基本情報は、想定される入院期間と、現在までの入院日数とを含み得る。
【0047】
また、患者状態は、現在における、患者の運動機能及び認知機能等の機能レベルを示し得る。機能レベルは、例えば、患者の生活動作についての能力値(能力レベル)である。機能レベルは、例えば、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)又はIADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)についてのスコア(指標)であり得る。また、機能レベルは、例えば、FIM(Function Independence Measure:機能的自立度評価表)における評価項目毎の評価点で示されてもよい。あるいは、機能レベルは、GCS(Glasgow Coma Scale)又はJCS(Japan Coma Scale)によるスコアで示されてもよいし、ユーザの主観による言葉で示されてもよい。
【0048】
図7において、目標は、短期目標及び長期目標を含む。
図7の例では、短期目標として、「左股関節の痛み改善」及び「病棟内の自立歩行」が設定されている。また、長期目標として、「屋外で歩行自立」及び「おひとりで生活出来る」が設定されている。
【0049】
ここで、長期目標とは、リハビリテーション計画において退院直前において目標とする、患者の状態及び患者ができる動作を示す。つまり、長期目標は、退院時に実現されていて欲しい患者状態を表すとともに、患者の希望する退院先(自宅等)に退院可能になるために必要な患者状態及び患者が可能な動作を示す。一方、短期目標とは、リハビリテーション計画において予定入院期間の中間時点において目標とする、患者の状態及び患者ができる動作を示す。つまり、短期目標は、長期目標を達成するために、中間時点において達成しておくべき患者状態及び患者が可能な動作を示す。
【0050】
また、
図7の例では、患者状態が、現在のFIMによって示されている。具体的には、患者の状態を示す各項目(「ベッド車椅子移乗」等)について、以下に示すようなFIMのスコア(自立度)が対応付けられている。これにより、患者状態は、各項目について、患者が現在どの程度自立しているのかを示している。
7点:完全自立(時間、安全性を含めて)
6点:修正自立(補助具を使用して自立)
5点:監視(指示・促し・準備が必要)
4点:最小介助(25%以下の介助が必要)
3点:中等度介助(25%~50%の介助が必要)
2点:最大介助(50%~75%の介助が必要)
1点:全介助(75%以上の介助が必要)
【0051】
また、
図7に例示するように、患者情報は、後述する患者課題予測部120によって予測された予測患者課題と、実際に取り組まれた患者課題とを含んでもよい。
図7の例では、患者情報は、「前回の期間で取り組まれた患者課題」と、「次の期間の予測患者課題」とを含む。例えば、現時点が、リハビリテーション開始から20日目であるとすると、「前回の期間で取り組まれた患者課題」は、10日目から19日目で取り組まれた患者課題を示している。また、「次の期間の予測患者課題」は、20日目から29日目までに取り組むべきと予測された患者課題を示す。ここで、
図5において、現時点は「時点A(n)」に対応し、「前回の期間」は「時点A(n-1)」から「時点A(n)」までの期間Taに対応する。また、「次の期間」は、「時点A(n)」から「時点A(n+1)」までの期間Taに対応する。
【0052】
図7に示した例において、「次の期間の予測患者課題」は、
図6に例示したものと同様である。また、
図7に示した例では、「前回の期間で取り組まれた患者課題」は、上位課題の項目として、「大項目:歩行、小項目:右側」、「大項目:歩行、小項目:麻痺側」、「大項目:IADL、小項目:トイレ動作」及び「大項目:歩行、小項目:左側」を含む。また、「前回の期間で取り組まれた患者課題」は、下位課題の項目として、「大項目:バランス、小項目:立位」、「大項目:バランス、小項目:座位」、及び「大項目:立ち上がり動作、小項目:なし」を含む。この場合、対象患者は、日常生活において、「右側(上位課題の小項目)」、「麻痺側(上位課題の小項目)」及び「左側(上位課題の小項目)」について「歩行(上位課題の大項目)」が困難である。そして、その原因として、「立位(下位課題の小項目)」及び「座位(下位課題の小項目)」における「バランス(下位課題の大項目)」の機能が低下している。また、対象患者は、日常生活において、「トイレ動作(上位課題の小項目)」についての「IADL(上位課題の大項目)」が困難である。そして、その原因として、「立ち上がり動作(下位課題の大項目)」が低下している。
【0053】
なお、支援装置100は、
図7に例示した患者情報が表示されるように、制御を行ってもよい。この場合、支援装置100は、期間Taごとに、
図7に例示した患者情報が表示されるように、制御を行ってもよい。また、この場合、支援装置100は、アラートとは独立して、患者情報を表示させるようにしてもよい。また、支援装置100は、ユーザ端末60の表示装置(ユーザインタフェース)に患者情報が表示されるように、制御を行ってもよい。また、支援装置100は、インタフェース部108に患者情報が表示されるように、制御を行ってもよい。
【0054】
図8は、実施の形態1にかかる支援装置100によって実行される支援方法を示すフローチャートである。
図8に示したフローチャートは、処理対象である患者(対象患者)ごとに実行され得る。患者情報格納部110は、患者情報を格納する(ステップS100)。具体的には、患者情報格納部110は、記憶部104によって、患者情報を格納する。患者情報格納部110は、例えば、ユーザ端末60から受信された患者情報を格納してもよい。また、患者情報格納部110は、
図7に例示した患者情報を格納してもよい。
【0055】
患者課題予測部120は、患者課題を予測する(ステップS102)。具体的には、患者課題予測部120は、対象患者の患者情報と類似した患者情報に関する患者(過去患者)に対して過去に実際に取り組まれた患者課題を、予測された患者課題(予測患者課題)として算出する。なお、患者課題予測部120は、対象患者の患者情報と過去患者の患者情報との類似度が予め定めされた閾値以上である場合に、両者が類似していると判定してもよい。類似度は、例えば、対象患者の基本情報と過去患者の基本情報との比較、対象患者の目標と過去患者の目標との比較、及び、対象患者の患者状態と過去患者の患者状態との比較により、算出され得る。また、類似度は、対象患者の回復具合と過去患者の回復具合との比較によって算出されてもよい。
【0056】
また、
図5を用いて説明したように、患者課題予測部120は、時点A(第1の時点)を始点とした期間Ta(第1の期間)における予測患者課題を算出する。具体的には、患者課題予測部120は、時点Aにおける対象患者の患者情報と類似した患者情報に関する過去患者に対して、その過去患者の患者情報が得られた時点を始点とした期間Taにおいて実際に取り組まれた患者課題を、予測患者課題として算出する。
【0057】
なお、患者課題予測部120は、時点Aで必ずしも患者課題を予測しなくてもよい。患者課題予測部120は、アラート出力判定時点で、期間Taで取り組まれるべき患者課題を予測してもよい。この場合であっても、患者課題予測部120は、アラート出力判定時点より前の時点Aで得られる患者情報を用いて、患者課題を予測する。
【0058】
実際患者課題取得部130は、対象患者の実際患者課題を取得する(ステップS104)。具体的には、実際患者課題取得部130は、セラピストによって入力された実際患者課題を取得する。実際患者課題取得部130は、セラピストのユーザ端末60から実際患者課題を取得(受信)してもよい。あるいは、実際患者課題取得部130は、支援装置100に格納されている実際患者課題を取得(抽出)してもよい。この場合、実際患者課題は、患者情報格納部110に格納された患者情報に含まれていてもよい。また、
図5を用いて説明したように、実際患者課題取得部130は、アラート出力判定時点において、時点Aを始点した期間Tb(第2の期間)において実際に取り組まれた患者課題(実際患者課題)を取得する。なお、セラピストは、日々の業務において、予め設定された患者課題に実際に取り組み、取り組んだ患者課題をユーザ端末60等に入力している。したがって、実際患者課題は、設定された患者課題に対応し得る。
【0059】
予測一致度算出部140は、実際患者課題と予測患者課題との一致度である予測一致度Caを算出する(ステップS110)。具体的には、予測一致度算出部140は、
図5に示したアラート出力判定時点において、実際患者課題と予測患者課題とを比較して、予測一致度Caを算出する。なお、予測一致度Caは、実際患者課題の、予測患者課題との一致度合いを示す。つまり、予測一致度Caは、実際患者課題と予測患者課題とがどれだけ一致しているかを示している。つまり、予測一致度Caは、実際患者課題と予測患者課題との差分が大きい場合に小さくなり、実際患者課題と予測患者課題との差分が小さい場合に大きくなる。以下、予測一致度Caの算出方法の例について説明するが、予測一致度Caの算出方法は、以下の例に限られない。
【0060】
図9は、実施の形態1にかかる予測一致度算出部140によって実行される予測一致度Caの算出方法(S110)の第1の例を示すフローチャートである。予測一致度算出部140は、実際患者課題に含まれる項目の総数Na1を算出する(ステップS114A)。
図6の例では、例えば、予測一致度算出部140は、実際患者課題に含まれる項目の総数を、Na1=6(個)と算出する。なお、この例では、予測一致度を算出する際に比較の対象となる患者課題の項目は、大項目と小項目とを一括りにしたものであり得る。つまり、予測一致度を算出する際に比較の対象となる患者課題の項目は、大項目と小項目との組み合わせに対応し得る。
【0061】
次に、予測一致度算出部140は、実際患者課題に含まれる項目のうち、予測患者課題に含まれる項目の数Nb1を算出する(ステップS116A)。
図6の例では、実際患者課題に含まれる項目は、全て、予測患者課題に含まれるので、Nb1=6(個)と算出される。次に、予測一致度算出部140は、Nb1/Na1を予測一致度Caとして算出する(ステップS118A)。つまり、第1の例では、Ca=Nb1/Na1である。言い換えると、予測一致度算出部140は、実際患者課題に含まれる項目の総数Na1に対する、実際患者課題に含まれる項目のうち予測患者課題に含まれる項目の数Nb1の割合を、予測一致度Caとして算出する。
図6の例では、例えば、予測一致度算出部140は、予測一致度を、Ca=6/6=1.0と算出する。第1の例では、後述する第2の例よりも簡易な方法によって、予測一致度Caを算出することができる。
【0062】
図10は、実施の形態1にかかる予測一致度算出部140によって実行される予測一致度Caの算出方法(S110)の第2の例を示すフローチャートである。予測一致度算出部140は、実際患者課題に含まれる項目それぞれの、期間Tbで取り組まれた頻度を算出する(ステップS112B)。各項目の頻度は、期間Tbで多く取り組まれるほど、高くなる。
【0063】
実際患者課題に含まれる任意の項目Aの頻度の算出方法には、様々なものがある。例えば、頻度=(期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた日数)/(期間Tbの日数)であってもよい。つまり、項目Aの頻度は、期間Tbの全体の日数に対する項目Aが取り組まれた日数の割合であってもよい。この場合、例えば、期間Tbの日数が7日であって、期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた日数が4日である場合、項目Aの頻度は、4/7≒0.57と算出される。
【0064】
あるいは、項目Aの頻度の算出方法について、頻度=(期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた回数)/(期間Tbにおける総回数)であってもよい。つまり、項目Aの頻度は、期間Tbの全体の回数に対する項目Aが取り組まれた回数の割合であってもよい。なお、「期間Tbにおける総回数」とは、期間Tbにおいて任意の項目が取り組まれた回数の合計である。例えば、期間Tbの日数が7日である場合、7日間で毎日、何らかの患者課題が合計9回取り組まれるとすると、「期間Tbにおける総回数」は、9×7=63回となる。そして、期間Tbにおいて項目Aが21回取り組まれたとする。この場合、項目Aの頻度は、21/63≒0.33と算出される。
【0065】
次に、予測一致度算出部140は、頻度高項目の総数Na2を算出する(ステップS114B)。ここで、頻度高項目は、その頻度が予め定められた閾値Th2以上の項目である。例えば、実際患者課題の項目の総数が20個であって、そのうち5個の項目の頻度が閾値Th2以上である場合、頻度高項目(第1の項目)の総数は、Na2=5(個)と算出される。ここで、閾値Th2(第2の閾値)は、例えばTh2=0.5であるが、これに限られない。また、上記の頻度の算出方法の例において、頻度=(期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた日数)/(期間Tbの日数)の場合、Th2=0.5であってもよい。一方、頻度=(期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた回数)/(期間Tbにおける総回数)である場合、Th2=0.3であってもよい。
【0066】
なお、上述した例では、項目Aの頻度は、期間Tbの全体の日数(又は回数)に対する項目Aが取り組まれた日数(又は回数)の割合としたが、これに限られない。期間Tbの日数が予め定められている場合、頻度は、単に、期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた日数であってもよい。この場合、例えば、閾値Th2は、Th2=4(日)であってもよい。あるいは、期間Tbにおける総回数が予め定められている場合、頻度は、単に、期間Tbにおいて項目Aが取り組まれた回数であってもよい。この場合、例えば、閾値Th2は、Th2=20(回)であってもよい。
【0067】
次に、予測一致度算出部140は、頻度高項目のうち、予測患者課題に含まれる項目の数Nb2を算出する(ステップS116B)。例えば、5個の頻度高項目のうち、予測患者課題に含まれる項目が2個である場合、Nb2=2(個)と算出される。次に、予測一致度算出部140は、Nb2/Na2を予測一致度Caとして算出する(ステップS118B)。つまり、第2の例では、Ca=Nb2/Na2である。言い換えると、予測一致度算出部140は、実際患者課題に含まれる項目のうち期間Tbで取り組まれた頻度が閾値Th2以上である頻度高項目の総数Na2に対する、予測患者課題に含まれる頻度高項目の数Nb2の割合を、予測一致度Caとして算出する。上記の例では、予測一致度算出部140は、予測一致度を、Ca=2/5=0.4と算出する。
【0068】
図8のフローチャートの説明に戻る。アラート出力判定部150は、S110の処理で算出された予測一致度Caが閾値Th1未満であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、閾値Th1(第1の閾値)は、予め定められた値である。例えば、Th1=0.5であるが、これに限られない。
【0069】
予測一致度Caが閾値Th1未満でない場合(S120のNO)、アラート出力判定部150は、アラートを出力しないと判定する(ステップS122)。この場合、処理フローは終了してもよい。なお、このアラートは、患者課題が適切に設定されていない可能性があるため目標を達成できないおそれがある旨を示す警報に対応する。一方、予測一致度Caが閾値Th1未満である場合(S120のYES)、アラート出力判定部150は、アラートを出力すると判定する(ステップS124)。
【0070】
ここで、予測患者課題は、対象患者と状況が類似している過去患者について過去に取り組まれた患者課題である。したがって、予測患者課題に含まれる項目に取り組むことにより、対象患者の目標が達成される可能性が高いと予想される。したがって、予測患者課題は、いわば模範となる患者課題であり得る。これに対し、実際患者課題と予測患者課題との一致度(予測一致度)が小さい場合、実際患者課題が予測患者課題からずれてしまっているので、実際患者課題は、模範であり得る予測患者課題とかけ離れたものである可能性が高い。そして、上述したように、セラピストは、予め設定された患者課題に実際に取り組んでいるので、実際患者課題は、設定された患者課題に対応する。したがって、予測一致度が小さい場合、患者課題が適切に設定されていない可能性があり、このままでは目標を達成できないおそれがある。したがって、実施の形態1にかかる支援装置100は、予測一致度が小さい場合に、患者課題が適切に設定されていない可能性があるため目標を達成できないおそれがある旨のアラートを出力する。
【0071】
アラート種類判定部160は、アラートを出力すると判定された場合(S124)、アラートの種類を判定する(ステップS130)。ここで、「アラートの種類」とは、何故アラートを出力することになったかを示すものである。言い換えると、アラートの種類とは、実際患者課題と予測患者課題との間にずれが生じた原因に対応し得る。さらに、アラートの種類とは、どういった状況でアラートを出力することになったかを示すものである。言い換えると、アラートの種類とは、実際患者課題と予測患者課題との間にずれが生じてしまった状況の種類に対応し得る。
【0072】
図11は、実施の形態1にかかるアラート種類判定部160によって実行されるアラートの種類の判定方法(S130)を示すフローチャートである。アラート種類判定部160の過去比較部162は、実際患者課題と、当該実際患者課題が取り組まれた期間よりも前の期間で実際に取り組まれた患者課題(過去実際患者課題)との比較に応じて、アラートの種類を判定する(S132~S140)。また、アラート種類判定部160の目標比較部164は、実際患者課題に含まれる項目の文字列と、目標に含まれる単語の文字列との比較に応じて、アラートの種類を判定する(S142~S148)。
【0073】
過去比較部162は、時点Aから遡った期間Taにおける過去実際患者課題を取得する(ステップS132)。つまり、過去比較部162は、
図5において、時点A(n)から、期間Taだけ遡った時点A(n-1)までの間で、実際に取り組まれた患者課題(過去実際患者課題)を取得する。過去実際患者課題を取得する方法は、S104において実際患者課題を取得する方法と実質的に同様であってもよい。
【0074】
過去比較部162は、実際患者課題と過去実際患者課題との一致度(過去一致度Cb)を算出する(ステップS134)。過去一致度Cbの算出方法は、例えば、上述した予測一致度の算出方法の第1の例と実質的に同様の方法であってもよい。つまり、過去一致度Cbは、実際患者課題の、過去実際患者課題との一致度合いであってもよい。具体的には、過去比較部162は、実際患者課題に含まれる項目の総数Na3(=Na1)を算出する。過去比較部162は、実際患者課題に含まれる項目のうち、過去実際患者課題に含まれる項目の数Nb3を算出する。過去比較部162は、Nb3/Na3を過去一致度Cbとして算出する。つまり、過去比較部162は、実際患者課題に含まれる項目の総数に対する、実際患者課題の項目のうち過去実際患者課題に含まれる項目の数の割合を、過去一致度Cbとして算出する。
【0075】
過去比較部162は、過去一致度Cbが閾値Th3以上であるか否かを判定する(ステップS136)。ここで、閾値Th3(第3の閾値)は、予め定められた値である。例えば、Th3=0.5であるが、これに限られない。過去一致度Cbが閾値Th3以上である場合(S136のYES)、実際患者課題と過去実際患者課題とのずれは小さい。したがって、この場合、過去比較部162は、対象患者について、セラピストが「同じ患者課題を継続している」と判定する(ステップS138)。このS138のケースを「ケースA1」とする。一方、過去一致度Cbが閾値Th3未満である場合(S136のNO)、実際患者課題と過去実際患者課題とのずれが大きい。したがって、この場合、過去比較部162は、対象患者について、セラピストが「意図的に患者課題を変更した」と判定する(ステップS140)。このS140のケースを「ケースA2」とする。
【0076】
このように、過去比較部162は、実際患者課題と過去実際患者課題との比較に応じてアラートの種類を判定するように構成されている。これにより、同じ患者課題を継続していることによってアラートが出力されるのか、あるいは、意図的に患者課題を変更したことによってアラートが出力されるのかを、セラピスト等が容易に把握することが可能となる。
【0077】
目標比較部164は、実際患者課題の項目の文字列と目標に含まれる文字列との一致度(目標一致度Cc)を算出する(ステップS142)。目標一致度Ccの算出方法は、例えば、上述した予測一致度の算出方法の第1の例と実質的に同様の方法であってもよい。つまり、目標一致度Ccは、実際患者課題に含まれる項目の文字列の、目標に含まれる単語の文字列との一致度合い(類似度)であってもよい。
【0078】
また、目標比較部164は、実際患者課題に含まれる項目の文字列が、目標の単語に含まれているか否かを判定してもよい。例えば、
図6及び
図7の例では、実際患者課題の項目「歩行」という文字列は、
図7に例示された目標(短期目標及び長期目標)に含まれる。したがって、目標比較部164は、実際患者課題の項目「歩行」が、目標の単語と一致すると判定する。
【0079】
また、目標比較部164は、実際患者課題に含まれる項目の文字列と類似する文字列が、目標の単語に含まれているか否かを判定してもよい。例えば、
図6及び
図7の例では、実際患者課題の項目「IADL」という文字列は、
図7に例示された目標(短期目標及び長期目標)に含まれる単語「生活」に類似する。したがって、目標比較部164は、実際患者課題の項目「IADL」が、目標の単語と類似すると判定する。なお、単語が類似するか否かの判定は、既存の単語類似判定手法によってなされ得る。例えば、目標比較部164は、目標に対して形態素解析を行って、目標を単語に分解する。そして、目標比較部164は、目標及び実際患者課題の各単語をベクトル化して、得られた単語ベクトルの類似度(コサイン類似度)を求めることによって、単語が類似するか否かを判定してもよい。あるいは、目標比較部164は、予め作成された類似単語辞書を用いて、単語が類似するか否かを判定してもよい。
【0080】
目標比較部164は、実際患者課題に含まれる項目の総数Na4(=Na1)を算出する。また、目標比較部164は、実際患者課題の項目のうち、その文字列が目標に含まれる単語の文字列と一致する(あるいは類似する)ものの数Nb4を算出する。目標比較部164は、Nb4/Na4を目標一致度Ccとして算出する。つまり、目標比較部164は、実際患者課題に含まれる項目の総数に対する、実際患者課題の項目のうち目標に含まれる単語の文字列の数の割合を、目標一致度Ccとして算出する。
【0081】
目標比較部164は、目標一致度Ccが閾値Th4以上であるか否かを判定する(ステップS144)。ここで、閾値Th4(第4の閾値)は、予め定められた値である。例えば、Th4=0.3であるが、これに限られない。目標一致度Ccが閾値Th4以上である場合(S144のYES)、実際患者課題に含まれる項目の文字列又はそれに類似する文字列が、目標にも多く含まれている。したがって、この場合、目標比較部164は、対象患者について、セラピストが「目標に沿った患者課題に取り組もうとしている」と判定する(ステップS146)。このS146のケースを「ケースB1」とする。一方、目標一致度Ccが閾値Th4未満である場合(S144のNO)、実際患者課題に含まれる項目の文字列又はそれに類似する文字列が、目標にあまり含まれていない。したがって、セラピストの患者課題の取り組みの意図は分からない。したがって、目標比較部164は、「意図不明」と判定する(ステップS148)。このS148のケースを「ケースB2」とする。
【0082】
このように、目標比較部164は、実際患者課題に含まれる項目の文字列と目標に含まれる単語の文字列との比較に応じてアラートの種類を判定するように構成されている。これにより、目標に沿った患者課題に取り組もうとしているにも関わらずアラートが出力されてしまうのか否かを、セラピスト等が容易に把握することが可能となる。
【0083】
図8のフローチャートの説明に戻る。アラート出力部170は、アラートが出力されるように制御を行う(ステップS150)。ここで、アラート出力部170は、インタフェース部108にアラートを表示させるように制御を行ってもよい。あるいは、アラート出力部170は、ユーザ端末60にアラートを表示させるように制御を行ってもよい。この場合、アラート出力部170は、アラートを表示させるための命令(アラート出力命令)をユーザ端末60に送信してもよい。これにより、ユーザ端末60は、ユーザ端末60に備えられた表示装置等の出力装置(ユーザインタフェース)に、アラート出力命令に対応するアラートを表示させる。
【0084】
あるいは、アラート出力部170は、音声等によってアラートが出力されるように制御を行ってもよい。この場合でも、アラート出力部170は、インタフェース部108又はユーザ端末60に、音声等によってアラートを出力させるように制御を行ってもよい。この場合、アラート出力部170は、音声によってアラートを出力させるための命令(アラート出力命令)をユーザ端末60に送信してもよい。これにより、ユーザ端末60は、ユーザ端末60に備えられたスピーカを作動させることにより、アラート出力命令に対応するアラートを出力する。
【0085】
あるいは、アラート出力部170は、振動等によってアラートが出力されるように制御を行ってもよい。この場合、アラート出力部170は、振動によってアラートを出力させるための命令(アラート出力命令)をユーザ端末60に送信してもよい。これにより、ユーザ端末60は、ユーザ端末60に備えられたバイブレーション機能を作動させることにより、アラート出力命令に対応するアラートを出力する。
【0086】
また、アラート出力部170は、患者ごとにアラートが出力されるように制御を行ってもよい。また、アラート出力部170は、S130の処理で判定されたアラートの種類ごとに異なる形態でアラートが出力されるように、制御を行ってもよい。例えば、アラート出力部170は、アラートの種類ごとに表示が異なるようなアラートが出力されるように、制御を行ってもよい。
【0087】
図12は、実施の形態1にかかるアラート出力部170の制御によって出力されるアラートを例示する図である。
図12は、アラートが色表示によって出力される例を示している。つまり、
図12の例では、ディスプレイ又はランプ等に色によってアラートが表示される。そして、
図12の例では、アラートの種類ごとに異なる色でアラートが表示される。なお、
図12に例示するように、アラートは、患者ごとに出力されてもよい。つまり、アラートは、患者と対応付けて出力されてもよい。この場合、アラートは、
図7に例示した患者情報と共に出力されてもよい。例えば、
図7のように描画された画面で患者情報が表示される場合、患者情報を表示する画面の余白部分(例えば左上部分)にアラートを示す画像が表示されてもよい。
【0088】
図12の例では、患者Aについて、「アラートなし」を示すアラート画像Im0が表示されている。アラート画像Im0は、例えば青色で示されている。この場合、患者Aについて設定された患者課題は、適切に設定されている可能性がある。
【0089】
また、患者Bについて、「ケースA1かつケースB1」のアラートを示すアラート画像Im1が表示されている。アラート画像Im1は、例えば赤色で示されている。この場合、患者Bについて設定された患者課題は、「ケースA1かつケースB1」の状況で、適切に設定されていない可能性がある。
【0090】
また、患者Cについて、「ケースA1かつケースB2」のアラートを示すアラート画像Im2が表示されている。アラート画像Im2は、例えば橙色で示されている。この場合、患者Cについて設定された患者課題は、「ケースA1かつケースB2」の状況で、適切に設定されていない可能性がある。
【0091】
また、患者Dについて、「ケースA2かつケースB1」のアラートを示すアラート画像Im3が表示されている。アラート画像Im3は、例えば濃い赤色で示されている。この場合、患者Dについて設定された患者課題は、「ケースA2かつケースB1」の状況で、適切に設定されていない可能性がある。
【0092】
また、患者Eについて、「ケースA2かつケースB2」のアラートを示すアラート画像Im4が表示されている。アラート画像Im4は、例えば紫色で示されている。この場合、患者Eについて設定された患者課題は、「ケースA2かつケースB2」の状況で、適切に設定されていない可能性がある。
【0093】
なお、
図12の例では、アラートの種類ごとに異なる色でアラートが出力されるとしたが、このような構成に限られない。アラートは、文字列等のメッセージで表示されてもよい。この場合、
図12の例における患者Bについては、「患者BさんについてケースA1かつケースB1のアラートがあります」といったメッセージが表示されてもよい。また、音声でアラートが出力される場合、上述したメッセージが音声で出力されてもよい。また、警報音でアラートが出力される場合、アラートの種類ごとに異なる音で警報音が出力されるようにしてもよい。また、振動でアラートが出力される場合、アラートの種類ごとに異なる振動パターンで振動が発生するようにしてもよい。あるいは、「ケースA1かつケースB1」のアラートを音声で出力し、「ケースA1かつケースB2」のアラートを振動で出力してもよい。
【0094】
上述したように、実施の形態1にかかる支援装置100は、実際患者課題と予測患者課題との一致度が小さい場合にアラートを出力させるように構成されている。これにより、模範となり得る予測患者課題と実際患者課題とに差異があり、したがって患者課題が適切に設定されていない可能性がある場合に、アラートが出力される。したがって、患者課題が適切に設定されているか否かを効率的に確認することが可能となる。
【0095】
なお、アラートが出力された患者を担当するセラピストが、出力されたアラートを確認するのではなく、そのセラピストの指導者(チームリーダ等)がアラートを確認することが好ましい。つまり、アラートは、チームリーダのユーザ端末60に出力されることが好ましい。これにより、チームリーダは、担当セラピストに対して適切なアドバイス及び指導を行うことができる。また、アラートの種類ごとに異なる形態でアラートが出力されることにより、チームリーダは、アラートの種類をより容易に把握することができるので、より適切なアドバイス等を行うことができる。
【0096】
例えば、ケースA1に関するアラートが出力されている場合、チームリーダは、そのアラートが出力された患者の担当セラピストに対して、「同じ患者課題ばかり繰り返しているけど、他の患者課題に取り組まなくてもいいの?」などと指摘することができる。また、例えば、ケースA2に関するアラートが出力されている場合、チームリーダは、そのアラートが出力された患者の担当セラピストに対して、「前回と違う患者課題に取り組んでいるみたいだけど、なぜ?」などと指摘することができる。また、ケースB1に関するアラートが出力されている場合、チームリーダは、目標に沿った患者課題に取り組もうとしているにも関わらず患者課題が適切でない可能性があると、把握することができる。
【0097】
なお、アラートが担当セラピスト(特に経験の浅いセラピスト)のユーザ端末60に出力されると、担当セラピストは、そのアラートを妄信して、安易に患者課題を修正してしまうおそれがある。一方、セラピストは、患者との会話及び患者の様子の観察を通して、データには表れない患者の事情(患者の情報及び外部要因等)を加味して、患者課題を設定することが多い。このように、セラピストが、例えば医師の指示の下で、患者を目の前にして目標達成に必要と考えた患者課題は、極力尊重すべきともいえる。したがって、アラートがチームリーダのユーザ端末60に出力されるようにすることで、チームリーダが担当セラピストと話し合うことによって、より適切な患者課題が設定されるようになることが期待される。
【0098】
なお、本実施の形態では、過去のデータに基づいて患者課題を予測するように構成されているが、この予測結果は、以下の理由により、担当セラピストに提示されない方が好ましい。上述したように、セラピストが例えば医師の指示の下で患者の事情を加味して検討した患者課題は、極力尊重されるべきであるので、担当セラピストが予測結果を妄信して安易に患者課題を変更してしまうのは、好ましくない。また、担当セラピストに予測結果を提示すると、担当セラピストは、予測結果に沿って患者課題を設定してしまう可能性があるので、熟慮して患者課題を検討しなくなるおそれがある。したがって、特に経験の浅いセラピストには、教育上の観点からも、予測結果を提示しない方が好ましい。
【0099】
また、上述したように、予測一致度の算出方法の第2の例では、実際患者課題に含まれる項目のうち期間Tbで取り組まれた頻度が高い頻度高項目について、予測一致度を算出する。例えば、実際患者課題に5個の項目が含まれ、そのうち3個が頻度高項目であるとする。また、実際患者課題に含まれる5個の項目のうち、予測患者課題に含まれる項目は、頻度高項目のうちの2個の項目であるとする。また、閾値Th1=0.5とする。この場合、第1の例では、予測一致度は2/5=0.4となり、閾値Th1を下回るので、アラートが出力される。一方、第2の例では、予測一致度は2/3≒0.67となり、閾値Th1を上回るので、アラートは出力されない。このように、第1の例と第2の例とでは、同じ実際患者課題及び予測患者課題であっても、結果が異なり得る。
【0100】
ここで、頻度高項目は、担当セラピストが多く取り組もうとした項目であるため、担当セラピストの意図が反映されたものであり得る。したがって、頻度高項目について実際患者課題と予測患者課題との一致度を算出することで、担当セラピストの意図が、目標を達成するのに適切であるか否かを、より効果的に判定することができる。すなわち、頻度高項目について算出された予測一致度が小さい場合、効果的でない患者課題を何度も繰り返している可能性が高いので、担当セラピストの意図が目標を達成するのに適切でない可能性が高い。一方、頻度高項目について算出された予測一致度が大きい場合、効果的な患者課題を繰り返している可能性が高いので、担当セラピストの意図が目標を達成するのに適切である可能性が高い。したがって、第2の例のように予測一致度を算出することによって、セラピストの意図を反映しつつ、アラートを出力するか否かを判定することが可能となる。すなわち、セラピストの意図が目標を達成するのに適切でない可能性がある場合にアラートを出力するようにすることが、可能となる。
【0101】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。なお、実施の形態2にかかるシステム構成については、
図3に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。また、実施の形態2にかかる支援装置100の構成は、
図4に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0102】
図6に例示したように、患者課題に含まれる項目は、複数の分類ごとに設定され得る。実施の形態2にかかる支援装置100は、患者課題の分類ごとに一致度を算出し、患者課題の分類ごとにアラートが出力されるように制御を行う。つまり、実施の形態2にかかる予測一致度算出部140は、患者課題の分類ごとに一致度を算出する。また、実施の形態2にかかるアラート出力部170は、患者課題の分類ごとにアラートが出力されるように制御を行う。ここで、「上位課題の大項目」を「分類A」とし、「上位課題の小項目」を「分類B」とし、「下位課題の大項目」を「分類C」とし、「下位課題の小項目」を「分類D」とする。
【0103】
図13は、実施の形態2にかかる支援装置100によって実行される支援方法を示すフローチャートである。
図8のS100と同様に、患者情報格納部110は、患者情報を格納する(ステップS200)。
図8のS102と同様に、患者課題予測部120は、患者課題を予測する(ステップS202)。
図8のS104と同様に、実際患者課題取得部130は、対象患者の実際患者課題を取得する(ステップS204)。
【0104】
支援装置100は、上位課題の大項目(分類A)についてS110~S150を実行する(ステップS212)。具体的には、予測一致度算出部140は、分類Aについて、予測一致度Caを算出する(S110)。つまり、予測一致度算出部140は、実際患者課題の分類Aに含まれる項目と、予測患者課題の分類Aに含まれる項目との一致度を、予測一致度Caとして算出する。また、アラート出力判定部150は、分類Aについて、予測一致度Caが閾値Th1未満であるか否かを判定する(S120)。また、アラート種類判定部160は、分類Aについてアラートを出力すると判定された場合(S124)、分類Aについて、アラートの種類を判定する(S130)。過去比較部162は、実際患者課題の分類Aに含まれる項目と、過去実際患者課題の分類Aに含まれる項目との比較に応じて、アラートの種類を判定する。また、目標比較部164は、実際患者課題の分類Aに含まれる項目の文字列と、目標に含まれる単語の文字列との比較に応じて、アラートの種類を判定する。そして、アラート出力部170は、分類Aについてのアラートが出力されるように制御を行う(S150)。以下に説明するように、分類B、分類C及び分類Dについても同様の処理が行われる。
【0105】
支援装置100は、上位課題の小項目(分類B)についてS110~S150を実行する(ステップS214)。具体的には、予測一致度算出部140は、分類Bについて、予測一致度Caを算出する(S110)。また、アラート出力判定部150は、分類Bについて、予測一致度Caが閾値Th1未満であるか否かを判定する(S120)。また、アラート種類判定部160は、分類Bについてアラートを出力すると判定された場合(S124)、分類Bについて、アラートの種類を判定する(S130)。そして、アラート出力部170は、分類Bについてのアラートが出力されるように制御を行う(S150)。
【0106】
支援装置100は、下位課題の大項目(分類C)についてS110~S150を実行する(ステップS216)。具体的には、予測一致度算出部140は、分類Cについて、予測一致度Caを算出する(S110)。また、アラート出力判定部150は、分類Cについて、予測一致度Caが閾値Th1未満であるか否かを判定する(S120)。また、アラート種類判定部160は、分類Cについてアラートを出力すると判定された場合(S124)、分類Cについて、アラートの種類を判定する(S130)。そして、アラート出力部170は、分類Cについてのアラートが出力されるように制御を行う(S150)。
【0107】
支援装置100は、下位課題の小項目(分類D)についてS110~S150を実行する(ステップS218)。具体的には、予測一致度算出部140は、分類Dについて、予測一致度Caを算出する(S110)。また、アラート出力判定部150は、分類Dについて、予測一致度Caが閾値Th1未満であるか否かを判定する(S120)。また、アラート種類判定部160は、分類Dについてアラートを出力すると判定された場合(S124)、分類Dについて、アラートの種類を判定する(S130)。そして、アラート出力部170は、分類Dについてのアラートが出力されるように制御を行う(S150)。
【0108】
図14は、実施の形態2にかかるアラート出力部170の制御によって出力されるアラートを例示する図である。
図12と同様に、
図14は、アラートが色表示によって出力される例を示している。そして、
図12と同様に、
図14の例では、アラートの種類ごとに異なる色でアラートが表示される。
【0109】
図14の例では、患者Aについて、分類A、分類B、分類C及び分類Dのそれぞれについて、アラートが表示されている。
図14の例では、分類Aについて、「アラートなし」を示すアラート画像Im0が表示されている。また、分類Bについて、「ケースA1かつケースB1」のアラートを示すアラート画像Im1が表示されている。また、分類Cについて、「ケースA2かつケースB1」のアラートを示すアラート画像Im3が表示されている。また、分類Dについて、「ケースA1かつケースB1」のアラートを示すアラート画像Im1が表示されている。
【0110】
実施の形態2にかかる支援装置100は、患者課題の複数の分類ごとにアラートが出力されるように構成されている。これにより、患者課題の複数の分類のうちのどの分類に含まれる項目が適切に設定されていないかを、確認することが可能となる。したがって、よりきめ細かく、患者課題が適切に設定されているか否かを確認することが可能となる。つまり、より効率的かつ効果的に、患者課題が適切に設定されているか否かを確認することが可能となる。
【0111】
なお、
図14の例では、患者課題の全ての分類についてアラートが出力されるとしたが、このような構成に限られない。すなわち、患者課題の全ての分類についてアラートが出力される必要はない。言い換えると、患者課題の複数の分類のうちの一部の組み合わせのみについて、アラートが出力されるようにしてもよい。例えば、分類Aと分類Cのみについて、アラートが出力されるようにしてもよい。この場合、
図13のS214及びS218の処理は、省略され得る。また、例えば、分類A、分類B及び分類Cについて、アラートが出力されるようにしてもよい。この場合、
図13のS218の処理は、省略され得る。
【0112】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、
図8のS130の処理はなくてもよい。つまり、本実施の形態において、アラートの種類を判定する必要はない。
【0113】
また、上述した実施の形態にかかる支援装置100は、リハビリテーションの目標を達成可能な患者課題の設定に関する支援を行うとしたが、本実施の形態が適用される活動は、リハビリテーションに限られない。本実施の形態は、任意の、能力の向上を目的とする活動に対して適用可能である。例えば、本実施の形態は、ハビリテーションにも適用可能である。また、例えば、本実施の形態は、スポーツ能力の向上活動にも適用可能である。
【0114】
また、上述した実施の形態において、患者課題に含まれる項目は、上位課題と下位課題とに分類され、大項目と小項目とに分類されているが、このような構成に限られない。患者課題に含まれる項目は、上位課題と下位課題とに分類されていなくてもよい。同様に、患者課題に含まれる項目は、大項目と小項目とに分類されていなくてもよい。また、上述した実施の形態1においては、患者課題に含まれる項目は、複数の分類ごとに設定されていなくてもよい。また、実施の形態2においても、患者課題に含まれる項目が、任意の複数の分類ごとに設定されていればよいのであって、上位課題及び下位課題、あるいは大項目及び小項目に分類されている必要はない。
【0115】
また、予測一致度を算出する際に比較の対象となる患者課題の項目は、大項目と小項目とを一括りにしたものであってもよい。この場合、
図6の例では、実際患者課題は、上位課題の項目として、「歩行-右側」、「歩行-麻痺側」、及び「IADL-家事」を含み得る。また、
図6に例示された実際患者課題は、下位課題の項目として、「バランス-立位」、「バランス-座位」、及び「上肢機能」を含み得る。あるいは、予測一致度を算出する際に比較の対象となる患者課題の項目は、大項目と小項目とを分けたものであってもよい。この場合、
図6の例では、実際患者課題は、上位課題の項目として、「歩行」、「IADL」、「右側」、「麻痺側」、及び「家事」を含み得る。また、
図6に例示された実際患者課題は、下位課題の項目として、「バランス」、「上肢機能」、「立位」、及び「座位」を含み得る。予測患者課題についても同様である。また、過去一致度を算出する場合についても同様である。
【0116】
また、予測一致度は、実際患者課題に含まれる項目のうち予測患者課題にも含まれる項目の数であってもよい。つまり、予測一致度は、実際患者課題に含まれる項目の集合と予測患者課題に含まれる項目の集合との積集合の要素数であってもよい。過去一致度及び目標一致度についても同様である。つまり、過去一致度は、実際患者課題に含まれる項目のうち過去実際患者課題にも含まれる項目の数であってもよい。また、目標一致度は、実際患者課題に含まれる項目のうち、その文字列が目標に含まれる単語の文字列と一致又は類似するものの数であってもよい。
【0117】
また、予測一致度は、予測患者課題の、実際患者課題との一致度合いであってもよい。この場合、上述した予測一致度の算出方法の第1の例において、予測一致度は、予測患者課題に含まれる項目の総数に対する、予測患者課題の項目のうち実際患者課題に含まれる項目の数の割合であってもよい。第2の例においても同様である。なお、上記のように予測一致度を算出する場合、
図6の例のように、実際患者課題の項目が予測患者課題にも多く含まれていても、予測患者課題の項目数が実際患者課題の項目数よりも多い場合に、予測一致度が小さくなる可能性がある。つまり、予測患者課題の項目数が実際患者課題の項目数よりも多い場合であって、実際患者課題に含まれていないが予測患者課題に含まれる項目がある場合に、予測一致度が小さくなる可能性がある。一方、実際患者課題に含まれていないが予測患者課題に含まれる項目は、
図5の期間Tcで取り組まれる可能性もある。したがって、上記のように算出された予測一致度が小さいからといって、必ずしも適切に患者課題が設定されていないわけではないことに留意されたい。言い換えると、第1の例及び第2の例のように、予測一致度を、実際患者課題の項目の数に対する、実際患者課題と予測患者課題とで共通する項目の数の割合とすることで、実際に取り組まれた患者課題が適切であるか否かを、より効果的に評価することができる。
【0118】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0119】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測する予測手段と、
前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出する算出手段と、
前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う出力手段と、
を有する支援装置。
(付記2)
前記予測手段は、第1の時点を始点とした予め定められた第1の期間における前記予測患者課題を算出し、
前記算出手段は、前記第1の時点を始点とし前記第1の期間よりも短い予め定められた第2の期間において実際に取り組まれた前記実際患者課題と、前記予測患者課題との一致度を算出する、
付記1に記載の支援装置。
(付記3)
前記算出手段は、前記実際患者課題に含まれる項目の総数に対する、前記実際患者課題に含まれる項目のうち前記予測患者課題に含まれる項目の数の割合を、前記一致度として算出する、
付記2に記載の支援装置。
(付記4)
前記算出手段は、前記実際患者課題に含まれる項目のうち前記第2の期間で取り組まれた頻度が予め定められた第2の閾値以上である第1の項目の総数に対する、前記予測患者課題に含まれる前記第1の項目の数の割合を、前記一致度として算出する、
付記2に記載の支援装置。
(付記5)
前記患者課題に含まれる項目は、予め定められた複数の分類ごとに設定され、
前記算出手段は、前記分類ごとに前記一致度を算出し、
前記出力手段は、前記分類ごとに前記アラートが出力されるように制御を行う、
付記1から4のいずれか1項に記載の支援装置。
(付記6)
前記一致度が前記第1の閾値未満の場合に、前記実際患者課題に基づいて前記アラートの種類を判定する種類判定手段、
をさらに有し、
前記出力手段は、判定された前記アラートの種類ごとに異なる形態で前記アラートが出力されるように、制御を行う、
付記1から5のいずれか1項に記載の支援装置。
(付記7)
前記種類判定手段は、前記実際患者課題と、当該実際患者課題が取り組まれた期間よりも前の期間で実際に取り組まれた患者課題との比較に応じて、前記アラートの種類を判定する、
付記6に記載の支援装置。
(付記8)
前記種類判定手段は、前記実際患者課題に含まれる項目の文字列と、前記目標に含まれる単語の文字列との比較に応じて、前記アラートの種類を判定する、
付記6又は7に記載の支援装置。
(付記9)
患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測し、
前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出し、
前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行う、
支援方法。
(付記10)
第1の時点を始点とした予め定められた第1の期間における前記予測患者課題を算出し、
前記第1の時点を始点とし前記第1の期間よりも短い予め定められた第2の期間において実際に取り組まれた前記実際患者課題と、前記予測患者課題との一致度を算出する、
付記9に記載の支援方法。
(付記11)
前記実際患者課題に含まれる項目の総数に対する、前記実際患者課題に含まれる項目のうち前記予測患者課題に含まれる項目の数の割合を、前記一致度として算出する、
付記10に記載の支援方法。
(付記12)
前記実際患者課題に含まれる項目のうち前記第2の期間で取り組まれた頻度が予め定められた第2の閾値以上である第1の項目の総数に対する、前記予測患者課題に含まれる前記第1の項目の数の割合を、前記一致度として算出する、
付記10に記載の支援方法。
(付記13)
前記患者課題に含まれる項目は、予め定められた複数の分類ごとに設定され、
前記分類ごとに前記一致度を算出し、
前記分類ごとに前記アラートが出力されるように制御を行う、
付記9から12のいずれか1項に記載の支援方法。
(付記14)
前記一致度が前記第1の閾値未満の場合に、前記実際患者課題に基づいて前記アラートの種類を判定し、
判定された前記アラートの種類ごとに異なる形態で前記アラートが出力されるように、制御を行う、
付記9から13のいずれか1項に記載の支援方法。
(付記15)
前記実際患者課題と、当該実際患者課題が取り組まれた期間よりも前の期間で実際に取り組まれた患者課題との比較に応じて、前記アラートの種類を判定する、
付記14に記載の支援方法。
(付記16)
前記実際患者課題に含まれる項目の文字列と、前記目標に含まれる単語の文字列との比較に応じて、前記アラートの種類を判定する、
付記14又は15に記載の支援方法。
(付記17)
患者の目標を達成するために取り組まれるべき患者課題を予測するステップと、
前記患者に対して実際に取り組まれた患者課題である実際患者課題と、予測された患者課題である予測患者課題との一致度を算出するステップと、
前記一致度が予め定められた第1の閾値未満の場合にアラートが出力されるように制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0120】
1 支援装置
2 予測部
4 算出部
6 出力部
50 支援システム
52 ネットワーク
60 ユーザ端末
100 支援装置
110 患者情報格納部
120 患者課題予測部
130 実際患者課題取得部
140 予測一致度算出部
150 アラート出力判定部
160 アラート種類判定部
162 過去比較部
164 目標比較部
170 アラート出力部