(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057468
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】洗浄用アタッチメント、および洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20230414BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A61B1/12 510
A61B8/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167019
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥越 裕斗
【テーマコード(参考)】
4C161
4C601
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF36
4C161GG04
4C161LL02
4C601BB21
4C601BB22
4C601BB24
4C601EE17
4C601EE21
4C601FE02
4C601FF20
4C601GC02
4C601GC13
4C601LL40
(57)【要約】
【課題】作業者が洗浄対象に対して行う洗浄工程を削減することができる洗浄用アタッチメント、および洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法、を提供する。
【解決手段】本発明の洗浄用アタッチメントは、洗浄対象に装着する本体部と、ブラシ毛を有するブラシと、を備え、前記ブラシが、前記本体部に対し相対的に移動可能である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象に装着する本体部と、
ブラシ毛を有するブラシと、を備え、
前記ブラシが、前記本体部に対し相対的に移動可能である洗浄用アタッチメント。
【請求項2】
前記ブラシは、第1の軸に沿って流れる洗浄液および/または消毒液により前記本体部に対し相対的に移動する請求項1に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項3】
前記ブラシは、前記本体部を前記洗浄対象に装着した状態において、前記ブラシ毛が前記洗浄対象の洗浄箇所と接触するように設けられる請求項2に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項4】
前記ブラシは、前記ブラシ毛と接続する基台を備え、
前記基台は、前記第1の軸に沿って流れてきた流体を受ける水受け面を有する請求項3に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項5】
前記本体部は、前記洗浄対象を収容する洗浄空間と、前記基台の少なくとも一部を収容する空洞部と、を有する請求項4に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項6】
前記本体部は、中心軸が前記第1の軸と平行な管路を有する請求項5に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項7】
前記空洞は、前記基台の全部を収容し、前記管路と連通する請求項6に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項8】
前記洗浄対象は、内視鏡である請求項1に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項9】
前記ブラシは、前記本体部を前記内視鏡に装着した状態において、前記ブラシ毛が前記内視鏡の起上台と接触するように設けられる請求項8に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項10】
前記ブラシを複数備え、
前記ブラシのブラシ毛は、前記洗浄対象の洗浄箇所と接触する長さにそれぞれ調整される請求項3に記載の洗浄用アタッチメント。
【請求項11】
洗浄対象に洗浄用アタッチメントを装着し、
前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間に洗浄液および/または消毒液を送液、または前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間から洗浄液および/または消毒液を吸引し、
送液または吸引された前記洗浄液および/または消毒液をブラシに衝突させて、前記ブラシを前記本体部に対し第1の方向に移動させる洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法。
【請求項12】
前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間に洗浄液および/または消毒液を送液し、送液された前記洗浄液および/または消毒液を前記ブラシに衝突させて前記ブラシを前記本体部に対し第1の方向に移動させ、
前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間から洗浄液および/または消毒液を吸引し、吸引された前記洗浄液および/または消毒液を前記ブラシに衝突させて、前記ブラシを前記本体部に対し前記第1の方向と反対の第2の方向に移動させる、請求項11に記載の洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄用アタッチメント、および洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体内に挿入されて被検部位の観察等を行う内視鏡が知られており、医療分野等で広く利用されている。内視鏡は、使用されるたびに洗浄し、消毒する必要がある。例えば、特許文献1には、内視鏡の挿入部の最先端部分の外周に装着可能な筒状に形成されたノズル洗浄用ブラシを用いて、内視鏡の流体噴出用ノズルをブラッシングすることが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、内視鏡の挿入部の先端部に取り付け可能な洗浄具を用いて、確実に洗浄消毒を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4827517号
【特許文献2】特許第6731560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載された構成では、内視鏡の先端部のブラッシングと洗浄消毒とをそれぞれ独立に行う必要があるため、洗浄工程が多く、作業者にとって煩雑なものであった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作業者が洗浄対象に対して行う洗浄工程を削減することができる洗浄用アタッチメント、および洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、洗浄対象に装着する本体部と、ブラシ毛を有するブラシと、を備え、前記ブラシが、前記本体部に対し相対的に移動可能である。
【0008】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記ブラシは、第1の軸に沿って流れる洗浄液および/または消毒液により前記本体部に対し相対的に移動する。
【0009】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記ブラシは、前記本体部を前記洗浄対象に装着した状態において、前記ブラシ毛が前記洗浄対象の洗浄箇所と接触するように設けられる。
【0010】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記ブラシは、前記ブラシ毛と接続する基台を備え、前記基台は、第1の軸に沿って流れてきた流体を受ける水受け面を有する。
【0011】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記本体部は、前記洗浄対象を収容する洗浄空間と、前記基台の少なくとも一部を収容する空洞部と、を有する。
【0012】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記本体部は、中心軸が前記第1の軸と平行な管路を有する。
【0013】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記空洞は、前記基台の全部を収容し、前記管路と連通する。
【0014】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記洗浄対象は、内視鏡である。
【0015】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記ブラシは、前記本体部を前記内視鏡に装着した状態において、前記ブラシ毛が前記内視鏡の起上台と接触するように設けられる。
【0016】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントは、上記発明において、前記ブラシを複数備え、前記ブラシのブラシ毛は、前記洗浄対象の洗浄箇所と接触する長さにそれぞれ調整される。
【0017】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法は、洗浄対象に洗浄用アタッチメントを装着し、前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間に洗浄液および/または消毒液を送液、または前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間から洗浄液および/または消毒液を吸引し、送液または吸引された前記洗浄液および/または消毒液をブラシに衝突させて前記ブラシを前記本体部に対し第1の方向に移動させる。
【0018】
本発明の一態様に係る洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法は、上記発明において、前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間に洗浄液および/または消毒液を送液して、送液された前記洗浄液および/または消毒液を前記ブラシに衝突させて前記ブラシを前記本体部に対し第1の方向に移動させ、前記洗浄用アタッチメントの本体部の内部の空間から洗浄液および/または消毒液を吸引して、吸引された前記洗浄液および/または消毒液を前記ブラシに衝突させて前記ブラシを前記本体部に対し前記第1の方向と反対の第2の方向に移動させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、作業者が洗浄対象に対して行う洗浄工程を削減することができる洗浄用アタッチメント、および洗浄用アタッチメントを用いた洗浄方法、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントにより洗浄消毒される先端部を備える内視鏡を模式的に表す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す内視鏡の先端部を模式的に表す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントを模式的に表す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントの長手軸に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントの長手軸に直交する断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントのブラシを模式的に表す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントを内視鏡に装着した状態における、長手軸に沿った断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の変形例1に係る洗浄用アタッチメントの長手軸に沿った断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の変形例2に係る洗浄用アタッチメントの長手軸に直交する断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の変形例3に係る洗浄用アタッチメントの長手軸に沿った断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の変形例4に係る洗浄用アタッチメントを模式的に表す図である。
【
図12】
図12は、本発明の変形例4に係る洗浄用アタッチメントを内視鏡に装着した状態における、長手軸に沿った断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の変形例5に係る洗浄用アタッチメントを模式的に表す図である。
【
図14】
図14は、本発明の変形例5に係る洗浄用アタッチメントを内視鏡に装着した状態における、長手軸に沿った断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の変形例5に係る洗浄用アタッチメントのブラシを模式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0022】
(実施の形態)
図1から
図7を参照して、実施の形態における洗浄用アタッチメントについて説明する。ここではまず、洗浄対象である内視鏡および内視鏡の先端部の構成を説明し、次いで洗浄用アタッチメントの構成を説明する。
【0023】
(内視鏡)
図1は、内視鏡の一例である。
図1に示す内視鏡1は、観察対象である被検体へ超音波を送信し、被検体により反射された超音波を受信する超音波内視鏡である。なお、内視鏡の一例として超音波内視鏡を挙げたが、側視型内視鏡など光学撮像を行う内視鏡であってもよい。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントにより洗浄消毒される先端部を備える内視鏡を模式的に表す図である。
図1に示すように、内視鏡1は、被検体に挿入される管状の挿入部11と、挿入部11の基端に設けられ、ユーザーに把持されるとともに、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部12と、操作部12から伸びているユニバーサルコード13とを有する。
【0025】
挿入部11は、樹脂などにより構成される先端部110と、操作部12が受け付けた操作入力に応じて湾曲させられる湾曲部113と、可撓性を有する部材によって外装された可撓管部114とを備えている。また、挿入部11の内部には鉗子や穿刺針などの処置具を挿通する管路である処置具チャンネル115が形成されている。
【0026】
操作部12は、処置具を処置具チャンネル115に挿入するための処置具挿入口121を備えている。処置具挿入口121から挿入された処置具は、処置具挿通チャンネル115を通って、先端部110から外部に突出する。
【0027】
ユニバーサルコード13は、操作部12とは反対側の端部にコネクタ(図示せず)が設けられており、コネクタを介して超音波観測装置、カメラコントロールユニット、表示装置、送気送水装置、および光源装置などの周辺機器(図示せず)に接続される。
【0028】
図2は、
図1に示す内視鏡の先端部110を模式的に表す図である。
図2に示すように、先端部110は、先端側の第1先端構成部111と、基端側の第2先端構成部112とを備える。第1先端構成部111は、被検体に対し超音波を送信、また受信するコンベックス型の超音波プローブ111aを備える。
図2では、超音波プローブ111aは、コンベックス型であるが、コンベックス型に限らず、リニア型やラジアル型であってもよい。
【0029】
第2先端構成部112は、処置具チャンネル115に挿通された処置具が突出する処置具導出口112aと、挿入部11の軸方向に対して傾斜するように形成された傾斜部112bと、外部の光が入射する観察窓112cと、外部に光を照射する照明窓112dと、洗浄液や気体を放出する送気送水ノズル112eと、第1先端構成部111と第2先端構成部112とを連結する第1連結材112fと、超音波プローブ111aを覆うバルーン(図示せず)を留めるバルーン溝112gと、湾曲部113と第2先端構成部112とを連結する第2連結材112hと、を備える。
【0030】
処置具導出口112aは、第2先端構成部112を先端側から見たときに凹形状になるように形成した起上台収容部112iを含む。起上台収容部112iには、起上台112jが設けられる。起上台収容部112iは、処置具チャンネル115と連通するように形成されているため、処置具チャンネル115に挿通された処置具は、処置具導出口112aまで到達すると、処置具導出口112aから外部に突出する。起上台112jは、第2先端構成部112に対して回動可能に保持されており、ユーザーによって操作部12が操作入力を受け付けると回動し、先端の向きが変化する。この時、処置具を挿通させると、起上台112jの案内面112j1により処置具の突出方向を変化させることができる。
【0031】
観察窓112cは、透明な樹脂など、光を透過する部材により構成される。観察窓112cは、照明窓112dから出射した光が被検体にあたり、散乱した光などが入射する。第2先端構成部112の内部には、レンズ(図示せず)やイメージセンサー(図示せず)が配置されており、観察窓112cから入射した光はイメージセンサー上に結像され、周辺機器へと出力される。イメージセンサーはCCDやCMOSなどのセンサーである。
【0032】
照明窓112dは、透明な樹脂など、光を透過する部材により構成される。照明窓112dは、ユニバーサルコード13、操作部12、および挿入部11の内部に配置されたライトガイド(不図示)の先端に対し、第2先端構成部112の内側の表面が対向している。ライトガイドにより導光された光は照明窓112dから被検体に向けて照射することで、被検体を照明する。照明窓112dから照射される光は、ライトガイドにより導光された光であると説明したが、第2先端構成部112の内部にLED(Light Emission Diodo)を配置するように構成してもよい。
【0033】
送気送水ノズル112eは、観察窓112cを洗浄するための洗浄液が流れるノズルである。先端側の開口が観察窓112cに向くように配置され、基端側の開口は、ユニバーサルコード13、操作部12、および挿入部11の内部に配置された管路(図示せず)を介して送気送水装置につながっている。
【0034】
第1連結材112fは、筒状の部材であり、その内部には、超音波プローブ111aに接続されている信号ケーブル(図示せず)や、その信号ケーブルを覆う絶縁パイプなどが収容されている。バルーン溝112gは、第1連結材112fの外周に設けられた環状の溝である。
【0035】
第2連結材112hは、第2先端構成部112に設けられた非傾斜部であって、基端側から先端側に向かって延びる筒形状をなす。第2連結材112hは、傾斜部112bの基端側に配置され、一部に処置具導出口112aが配置される。
【0036】
(洗浄用アタッチメント)
図3は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメントを模式的に表す図である。
図3に示すように、洗浄用アタッチメント2は、内視鏡1の先端部110に装着する本体部20と、先端部111をブラッシングするブラシ23と、洗浄液を供給する管路24と、を有する。
【0037】
本体部20は、半円筒状の第1本体部21と第2本体部22とを有する。第1本体部21と第2本体部22とを半円筒状の側面で当接させることにより、円筒状の本体部20となる。本体部20を第1本体部21と第2本体部22とから構成することにより、洗浄対象である先端部110に装着しやすくなるが、必ずしも二体に形成する必要はなく、一体であっても、さらに分割してもよい。なお、本体部20の形状は円筒状に限定されるものではなく、矩形筒状、楕円筒状、多角形筒状とすることもできる。
【0038】
第1本体部21と第2本体部22は、公知の方法によって固定することができる。例えば、第1本体部21と第2本体部22との長手方向の当接部に沿ってヒンジを設けるようにして開閉できるようにし、閉じた状態で互いにスナップフィットするような構成を設けてもよいし、第1本体部21と第2本体部22との外周を抑えるようなバンドを取り付けるようにしてもよい。
【0039】
図4は、
図3に示す洗浄用アタッチメント2の長手軸(中心軸)に沿った断面図である。また
図5は
図3に示す洗浄用アタッチメント2の長手軸に直交する断面である。
図4、5に示すように、第1本体部21は、先端側と基端側に壁部211および壁部212を有する。第2本体部22は、基端側に壁部222を有する。第1本体部21と第2本体部22とを当接させることにより、第1本体部21の壁部211と第2本体部22とにより、先端部側に開口200が形成され、第1本体部21の壁部212と第2本体部22の壁部222とにより、基端部側に開口201が形成される。
【0040】
第1本体部21は、仕切り板204を有する。仕切り板204は、長手軸方向に沿って延びる平板状の部材であって、表面に複数の矩形状の穴2040を有している。仕切り板204は、壁部211および壁部212、ならびに第1本体部21の半円筒形状の内周壁面に固定され、第1本体部21に保持される。複数の穴2040は、仕切り板204の表面側からみて、格子状に配置され、矩形の一組の対向する辺が、本体部20の長手軸方向に平行、かつ他方の一組の対向する辺が長手軸方向に直交する方向に平行に配置されている。本実施形態では、仕切り板204の全長を本体部の長手方向の長さと略同じとして、壁部211および壁部212、ならびに第1本体部21の半円筒形状の内周壁面に固定しているが、仕切り板204の長さを本体部の長手方向の長さより短くし、第1本体部21の半円筒形状の内周壁面のみに固定してもよい。
【0041】
仕切り板204は、本体部20の内部の筒状の空間を、長手軸に平行な面で二つに分割している。仕切り板204により分割される第1本体部21側の空間は空洞部203であり、第2本体部22側の空間は、内視鏡1等の洗浄対象を収容する洗浄空間202である。本実施形態では、仕切り板204を第1本体部21で保持するが、第2本体部22で仕切り板204を保持してもよく、第1本体部21と第2本体部22に跨るように仕切り板204を配置してもよい。
【0042】
図6は、本発明の実施の形態に係る洗浄用アタッチメント2のブラシ23を模式的に表す図である。
図4から
図6に示すように、ブラシ23は、ブラシ毛230と、ブラシ毛230を保持するように、ブラシ毛230の根本に設けられた基台231とからなる。ブラシ毛230はナイロンなどの樹脂からなる繊維状の部材であり、基台231に接続する根本側から先端側にかけて細くなる形状である。基台231は、直方体の部材である。
【0043】
ブラシ23は、ブラシ毛230の先端が空洞部203側から仕切り板204の穴2040に挿入され、洗浄空間202側に突出する。ブラシ毛230は、根元部分のうち基台231に接続する部分の径dが、仕切り板204の穴2040の各辺の長さw1、w2より小さい。また、基台231の各辺の長さをa、b、cとしたとき、穴2040と対向する底面2311の辺の長さb、cは、矩形の穴2040の各辺の長さw1、w2より大きい。これにより、穴2040にブラシ毛230を挿通した際に、基台231は空洞部203に配置され、ブラシ毛230は洗浄空間202に配置される。ブラシ23を上記のように形成することで、ブラシ23は穴2040が伸びる方向、および穴2040の径の範囲内で移動可能に保持され、空洞部203から洗浄空間202への脱落が防止される。
【0044】
ブラシ毛230は、一本の繊維ではなく複数の繊維が束ねられたブラシ毛束であってもよい。すなわち、1つの基台231に対して複数のブラシ毛を設けていてもよい。また、一部のブラシ毛は、基台231を持たず仕切り板204に固定されていてもよい。なお、ブラシ毛230は、先端側が細いテーパー形状に限定されるものではなく、先端部が複数に枝分かれした形状、先端部の周囲に複数のひげ根状の突起を有する形状や、スポンジ部を有するものであってもよい。
【0045】
管路24は、中心軸が本体部20の長手軸方向と平行な管路であり、先端側の開口240が第1本体部21の壁部212に露出するように取り付けられている。すなわち、開口240は、空洞部203と連通している。管路24の基端側に設けられた送液装置(図示せず)から、洗浄液および/または消毒液が管路24を介して送液されると、洗浄液は、管路の中心軸方向(第1の軸)に沿って、開口240から空洞部203へ供給される。空洞部203に供給された洗浄液は、仕切り板204の穴2040を介して洗浄空間202へと供給される。また、管路24の基端側に吸引装置(図示せず)を接続し、洗浄用アタッチメント2内部及び外部の洗浄液を吸引することもできる。洗浄液を吸引した場合、洗浄液は、洗浄用アタッチメント2の外部から開口200、洗浄空間202、穴2040、空洞部203、開口240の順に流れる。なお、本実施形態では、管路24を第1本体部21の基端側の壁部212に配置しているが、管路24を第1本体部21の先端側の壁部211に配置してもよい。
【0046】
基台231は、矩形部の一面が水受け面2312となる。基台231の一面である水受け面2312は、管路24の開口240と対面するように配置される。このように形成されることにより、開口240から供給または開口240に吸引される洗浄液が水受け面2312に衝突し、ブラシ23が本体部20に対して相対的に移動する。
【0047】
図7は、内視鏡1に、洗浄用アタッチメント2を装着した状態を示している。洗浄用アタッチメント2の基端側の開口201は、内視鏡1の第2連結部材112hと略同一の形状をなしている。そのため、内視鏡1の先端部110を覆うように第1本体部21と第2本体部22とを合わせて固定すると、第2連結部材112hに開口201がフィットした状態になるため、先端部110の長手方向に沿った移動を規制することができる。
【0048】
続いて、洗浄用アタッチメント2を用いた内視鏡の洗浄方法について説明する。
上述したように、本体部20を、内視鏡1に装着、固定する。この状態で管路24から洗浄液を送液すると、管路の中心軸方向(第1の軸)に沿って洗浄液が空洞部203に供給される。供給された洗浄液はブラシ23の水受け面2312に衝突し、ブラシ23が本体部20に対し相対的に移動、すなわち内視鏡1に対してブラシ23のみが相対的に移動する。ブラシ23は、洗浄用アタッチメント2を内視鏡1に装着した状態で、内視鏡1の先端部110、特に構造が複雑になりやすい洗浄箇所である傾斜部112b、起上台収容部112i、起上台112jに先端が接触するように構成されているため、ブラシ23の相対移動に伴って、先端部110をブラッシングするように作用する。また、洗浄液は仕切り板204の穴2040から洗浄空間202に流れ出て、内視鏡1の先端部110上を流れ、開口200から外部に流出する。上記のように、洗浄液の送液のみで、ブラシ23の相対的な移動による先端部100のブラッシングおよび洗浄液による洗浄を行うことができる。
【0049】
また、洗浄用アタッチメント2を内視鏡1に装着し、洗浄用アタッチメント2の外部及び内部に洗浄液が存在する状態で管路24を介して洗浄液の吸引を行うと、洗浄空間202、穴2040、空洞部203、開口240の順に洗浄液が流れる。送液する場合と洗浄液が流れる向きが逆方向(第2の軸)向きになり、ブラシ23は、この流れに従って、送液する場合と逆方向に移動する。そのため吸引をした場合においても内視鏡1の先端部110をブラッシングするとともに洗浄液による洗浄を行うことができる。
【0050】
本実施形態では、1つの穴2040に対して、1つのブラシ毛230および基台231を有するブラシ23を挿通する。この形態では、各ブラシ23の重量を小さくすることができるため、洗浄液の送液や吸引によって生じる小さな乱流によりブラシ23がその影響を受けやすくなり、ブラシ23が摺動する回数が送液や吸引の回数よりも多くなることが期待できる。さらに、流体の流れる向きに沿って複数の基台231を配置するため、下流に位置する基台231は、それよりも上流に位置する基台231により発生するカルマン渦の影響を受けることが期待される。すなわち、下流に位置するブラシ23はブラッシングの効率が向上することが期待される。
【0051】
本実施形態では、内視鏡1に洗浄用アタッチメント2を装着した状態で、管路24に沿って洗浄液の送液、吸引を繰り返すことで、内視鏡1の先端部110の洗浄・消毒とブラッシングを同時に行うことができる。
【0052】
なお、上記の実施形態では、直方体の基台231について説明したが、これに限定するものではなく、水受け面2312を凹面にすることで水流を受けやすくしてもよいし、基台を球形、半円柱状、波板状など任意の形状にすることができる。
【0053】
なお、複数の穴2040の各辺は、仕切り板204の表面側から見て、本体部20の長手軸とこれに直交する方向と交差するような格子状に配置(菱形配置)してもよい。また、穴2040の形状は矩形に限定されるものではなく、円状等であってもよい。
【0054】
また、第2連結部材112hに開口201がフィットするように、開口201の内周に弾性部材など別の部材を設け、この弾性部材により第2連結部材112hを挟持するようにしてもよい。
【0055】
さらに、第1本体部21と第2本体部22とが当接する位置に弾性部材など、水密を確保できる部材を設け、第1本体部21と第2本体部22とでこれを挟むようにすることで、洗浄液等が漏れにくくするようにしてもよい。
【0056】
(変形例1、2)
また、上記実施形態では、同一形状の複数のブラシ23を使用するが、ブラシ毛の長さが異なるブラシを使用してもよい。
図8は、本発明の変形例1に係る洗浄用アタッチメント2dの長手軸に沿った断面図である。
図9は、本発明の変形例2に係る洗浄用アタッチメント2eの長手軸に直交する断面図である。洗浄用アタッチメント2d、洗浄用アタッチメント2eは、実施形態の洗浄用アタッチメント2に対し、ブラシ23d、ブラシ23eが相違し、それ以外については同様の構成を有する。実施の形態の洗浄用アタッチメント2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
変形例1の洗浄用アタッチメント2dは、
図8に示すように、ブラシ23dのブラシ毛230dの長さが、本体部20dの長手軸方向に沿って調整されている。基端側からバルーン溝112gに相対する位置のブラシ23dのブラシ毛230dの長さは、徐々に長くなるように形成されている。
【0058】
変形例2の洗浄用アタッチメント2eは、
図9に示すように、ブラシ23eのブラシ毛230eの長さが、本体部20dの長手軸方向と直交する方向に沿って調整されている。外周側から中央側にかけてブラシ23eのブラシ毛230eの長さは、徐々に長くなるように形成されている。
【0059】
洗浄用アタッチメント2dおよび洗浄用アタッチメント2eでは、ブラシ毛230dおよびブラシ毛230eを、内視鏡1の洗浄しにくい洗浄箇所、例えば、バルーン溝112gに接触する長さに調整することにより、ブラッシングの効率を向上することができる。
【0060】
(変形例3)
図10は、実施の形態の変形例3である洗浄用アタッチメント2aを示している。洗浄用アタッチメント2aは、実施の形態の洗浄用アタッチメント2に対し、ブラシ23aと仕切り板204aの構成が相違し、それ以外については同様の構成を有する。実施形態の洗浄用アタッチメント2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
ブラシ23aは、1つの基台231aに複数のブラシ毛230を有している。基台231aは、長手軸方向の長さが長く形成され、基台231aの長手軸方向に沿って複数のブラシ毛230を一列に配置している。
【0062】
仕切り板204aは、表面に本体部20aの長手軸と平行に並ぶ複数の穴2040aを有している。穴2040aは、長手軸方向の長さが長い穴である。穴2040aは、基台231aの長手軸方向の長さより小さく形成されているが、基台231aに一列に配置された複数のブラシ毛230のすべてが収まるような長さに設定されている。仕切り板204aの表面に複数形成された穴2040aには、それぞれブラシ23aのブラシ毛230が挿通される。
【0063】
変形例3に係る洗浄用アタッチメント2aは、管路24から供給または吸引された洗浄液が水受け面2312aに衝突することで、ブラシ23aが本体部20aに対して相対的に移動、すなわち洗浄用アタッチメント2aに収容する内視鏡1に対して相対的に移動することにより、内視鏡1の先端部110の洗浄とブラッシングを同時に行うことができる。また、洗浄用アタッチメント2aは、長手軸方向に1つの基台231aのみが配置されるため、送液や吸引の影響を受けやすい。すなわち、長手軸方向に沿って水受け面2312aは重なることがなく、送液や吸引による流れを直接受けることができるため、確実にブラシ23aを摺動させ、効率的にブラッシングすることができる。
【0064】
(変形例4)
図11は、実施の形態の変形例4に係る洗浄用アタッチメント2bを示し、
図12は、変形例4に係る洗浄用アタッチメント2bを内視鏡1に装着した状態における、長手軸に沿った断面図である。洗浄用アタッチメント2bは、洗浄用アタッチメント2に対し、開口200b、開口201bが相違する。また、管路24bの配置位置および本体部20bの長手軸方向の長さが洗浄用アタッチメント2と相違する。上記以外については同様の構成をしている。同様の構成をしているものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
洗浄用アタッチメント2bは、開口200bの高さhが内視鏡1のバルーン溝112gの位置における径(高さ)と略同一となるよう壁部211bで塞がれている。
図12に示すように、洗浄用アタッチメント2bは、本体部20bの長手軸方向の長さが短く、開口200bにバルーン溝112g、開口201bに第2連結部材112hが位置するように内視鏡1に装着、固定する。洗浄用アタッチメント2bは、開口200bの高さhを内視鏡1のバルーン溝112gの位置における径と略同一とし、開口200bで内視鏡1を固定し、内視鏡1の長手軸方向の移動を規制する。なお、本体部20bと内視鏡1との固定が可能であれば、開口200bとバルーン溝112gとの間に部分的に隙間があってもよい。
【0066】
一方、洗浄用アタッチメント2bの開口201bは、内視鏡1の第2連結部材112hの外形より大きく形成されている。すなわち、内視鏡1に洗浄用アタッチメント2bを装着した状態で、開口部201bと第2連結部材112hとの間に隙間ができるような大きさに形成されている。
【0067】
管路24bは、開口200b側、すなわち壁部211bに配置されている。開口200bは、内視鏡1に対して本体部20bを固定するようにバルーン溝112gと略同一の形状とするため、開口200bとバルーン溝112gとの隙間を十分に確保できない。一方、開口201bは、第2連結部材112hとの間に隙間を確保できる。そのため、管路24bを通して送液、吸引される洗浄液は、開口200bよりも、開口201bから洗浄用アタッチメント2b外部へ多く放出、吸引される。このような配置とすることにより、管路24bから開口201bに向かって、または開口201bから管路24bに向かって洗浄液が流れるため、第2先端構成部112全体を洗浄液が流れ、第2先端構成部112を集中的にブラッシングおよび洗浄することができる。
【0068】
変形例4に係る洗浄用アタッチメント2bは、管路24bから供給または吸引された洗浄液が水受け面2312に衝突し、ブラシ23が本体部20bに対して相対的に移動することにより、内視鏡1の第2先端構成部112の洗浄とブラッシングを同時に行うことができる。また、洗浄用アタッチメント2bを内視鏡1に装着するために、バルーン溝112gに篏合するように固定することができるため、本体部20bを確実に内視鏡1に対して装着することができる。
【0069】
なお、変形例4においても実施形態の開口201と同様に、開口200bの内周に弾性部材を設けて、この弾性部材でバルーン溝112gを挟持するようにしてもよい。また、管路24bを壁部211bに設けることにより効率よくブラッシング可能となるが、壁部212bに配置してもよい。
【0070】
(変形例5)
図13は、実施の形態の変形例5に係る洗浄用アタッチメント2cを示す。
図14は、変形例5に係る洗浄用アタッチメント2cを内視鏡1に装着した状態における、長手軸に沿った断面図である。変形例5に係る洗浄用アタッチメント2cは、実施形態に係る洗浄用アタッチメント2に対し、第1本体部21cとブラシ23cが相違している。また洗浄用アタッチメント2cは、管路24の代わりに、内視鏡1の処置具チャンネル115を用いて洗浄液および/または消毒液の送液と吸引を行う。その他の構成は、実施の形態と同様の構成を有する。同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
図14に示すように、洗浄用アタッチメント2cは、第1本体部21cの基端側の開口201cと内視鏡1の第2連結部材112hとが隙間を生じず、密着するように固定される。密着させることにより洗浄液の送液、吸引時に開口201cからの洗浄液の流出を防止する。送液、吸引の圧力が十分に強い場合、開口201cと第2連結部材112hとの間に隙間が生じても洗浄性の観点では問題はない。しかしながら、変形例5では処置具チャンネル115を用いて洗浄液の送液、吸引を行うため、必要以上の圧力を内視鏡1の内部にかけることを防ぐために、第2連結部材112hと開口201bとの隙間が生じないように開口201cと第2連結部材112hとを密着、固定している。
【0072】
図15は、本発明の変形例5に係る洗浄用アタッチメント2cのブラシ23cを模式的に表す図である。
図15に示すように、ブラシ23cは、基台231cとブラシ毛230とからなる。基台231cは、空洞部203に配置される基台頭232と、仕切り板204の穴2040に挿通される基台首233と、洗浄空間202に配置される基台胴234とを有し、基台胴234からブラシ毛230が伸びる。言い換えると、基台231cは、本体部20cの長手軸と直交する方向に基台首233が伸び、基台首233の両端にフランジ状の基台頭232および基台胴234を有する形状をなしている。
【0073】
基台頭232は、実施形態の基台231と同様の寸法、すなわち、基台頭232の各辺の長さをa、b、cとしたとき、穴2040と対向する底面2311の辺の長さb、cは、矩形の穴2040の各辺の長さw1、w2より大きい。これにより基台頭232は、仕切り板204の穴2040を介して、空洞部203から脱落しないように形成されている。
【0074】
基台首233は、径d2、長さlの柱状体であり、基台頭232および基台胴234と連結している。基台首233の径d2は、穴2040の各辺の長さw1、w2より小さく、長さlは穴2040の深さh1(仕切り板204の厚み)より長い。
【0075】
基台胴234は、直方体である。基台胴234の各辺の長さをa2、b2、c2としたとき、穴2040に対向する面2341の辺の長さb2、c2は、基台頭232の穴2040に対向する面2311の辺の長さb、cと同様に、穴2040の幅w1、w2より大きく、基台胴234が、穴2040を介する洗浄空間202から空洞203への脱落を防止する。
【0076】
基台頭232および基台胴234の一面は、水受け面2322および水受け面2342となる。水受け面2322および水受け面2342は、ブラシ23cを穴2040に挿通した際に、基端側または先端側に位置する基台頭232および基台胴234の一面である。
【0077】
続いて、洗浄用アタッチメント2cを用いた、内視鏡1の洗浄方法について説明する。
本体部20cを、内視鏡1に装着、固定し、内視鏡1の処置具挿通口121から洗浄液を送液すると、洗浄液は処置具挿通チャンネル115内を流通し、処置具導出口112aから洗浄空間202へと放出される。洗浄空間202へと放出された洗浄液は、水受け面2342に衝突する。これにより、本体部20cと固定された内視鏡1に対してブラシ23cが相対的に移動する。
【0078】
ブラシ23cは、洗浄用アタッチメント2cを内視鏡1に装着した状態で、内視鏡1の先端部110、特に構造が複雑になりやすい洗浄箇所である傾斜部112b、起上台収容部112i、起上台112jにブラシ毛230の先端が接触するように構成されているため、ブラシ23cの相対移動に伴って、先端部110をブラッシングするように作用する。
【0079】
洗浄空間202へと放出された洗浄液は、水受け面2342に衝突するが、一部は穴2040から空洞部203へと浸入する。空洞部203へ侵入した洗浄液は、穴2040から洗浄空間202へ戻ろうとするときに、水受け面2322に衝突する。これにより、内視鏡1に対してブラシ23cが相対的に移動することを助ける。
【0080】
また、洗浄用アタッチメント2cを内視鏡1に装着し、洗浄用アタッチメント2cの外部及び内部に洗浄液が存在する状態で処置具チャンネル115を介して吸引を行うと、洗浄液は、開口200から処置具導出口112aに向かって流れる。この時、洗浄液が流れる向きが送液する場合と逆向きになるため、ブラシ23cは、この流れに従って、送液する場合と逆方向に移動する。そのため吸引をした場合においても内視鏡1の先端部110をブラッシングするとともに洗浄液による洗浄を行うことができる。
【0081】
このように、内視鏡1に洗浄用アタッチメント2cを装着した状態で処置具チャンネル115に沿って洗浄液の送液、吸引を繰り返すことで、内視鏡1の先端部110の洗浄とブラッシングを同時に行うことができる。
【0082】
上述の実施形態およびいずれの変形例においても洗浄液を送液、吸引するものとして説明したが、洗浄液を送液する第1の送液を行う場合と、別の送液具を用いて第1の送液と逆方向に送液する第2の送液とを行うようにしても同様の洗浄効果が期待できる。
【0083】
また、上述した実施形態、変形例では、洗浄工程において洗浄用アタッチメント2等を先端部110に取り付ける場合について説明したが、内視鏡の消毒工程においても上記した実施形態、変形例の洗浄用アタッチメント2等を使用することができる。この場合、上述した説明について「洗浄液」を「消毒液体」と読み替えることができる。
【0084】
本発明は、特許請求の範囲に記載した思想的技術を逸脱しない範囲において、様々な実施の形態を含みるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 内視鏡
2、2a、2b、2c、2d、2e 洗浄用アタッチメント
11 挿入部
12 操作部
13 ユニバーサルコード
20、20a、20b、20c、20d、20e 本体部
21、21a、21b、21c、21d、21e 第1本体部
22、22b 第2本体部
23、23a、23b、23c、23d、23e ブラシ
24、24b 管路
110 先端部
111 第1先端構成部
111a 超音波プローブ
112a 処置具導出口
112b 傾斜部
112c 観察窓
112d 照明窓
112e 送気送水ノズル
112f 第1連結材
112g バルーン溝
112h 第2連結材
112i 起上台収容部
112j 起上台
112j1 案内面
112 第2先端構成部
113 湾曲部
114 南西部
115 処置具チャンネル
121 処置具挿入口
200、200a、200b 開口
201、201b、201c 開口
202 洗浄空間
203 空洞部
204、204a 仕切り板
211、211b 壁部
212、212b 壁部
230、230d、230e ブラシ毛
231、231a、231c 基台
232 基台頭
233 基台首
234 基台胴
240 開口
2311、2321 底面
2312、2312a、2322、2342 水受け面