(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005747
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】洗浄装置及び吐出装置
(51)【国際特許分類】
B65B 3/04 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
B65B3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107895
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】梶原 将太
(72)【発明者】
【氏名】山根 徳幸
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA07
3E118AB14
3E118BB15
3E118CA14
3E118CA20
3E118DA02
3E118DA05
3E118DA10
3E118EA03
3E118EA08
3E118FA11
(57)【要約】
【課題】タンクが有する収容部を効率良く洗浄するのに有利な洗浄装置及び吐出装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置10は、タンクが有する収容部を洗浄する。洗浄装置10は、洗浄液Lw及びガスGが流される配管流路13と、配管流路13に向かって突出し且つ洗浄液Lwを泡立てる突出部14と、を有する配管部11と、配管流路13に接続され、配管流路13を介して供給される洗浄液Lw及びガスGを吐出する複数の吐出口部16を有する洗浄液吐出部15と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクが有する収容部を洗浄する洗浄装置であって、
洗浄液及びガスが流される配管流路と、前記配管流路に向かって突出し且つ前記洗浄液を泡立てる突出部と、を有する配管部と、
前記配管流路に接続され、前記配管流路を介して供給される前記洗浄液及び前記ガスを吐出する複数の吐出口部を有する洗浄液吐出部と、を備える洗浄装置。
【請求項2】
前記突出部は、前記配管流路において、前記洗浄液及び前記ガスが流れる流れ方向と垂直を成す方向に延在する複数の突起体を含み、
前記複数の突起体のうちの2以上の突起体の延在方向は、お互いに異なる
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記複数の吐出口部から吐出される前記洗浄液の吐出方向は、水平面への投影で、前記水平面と垂直を成す中心軸線のまわりの全方位にわたる放射方向であり、
前記水平面への投影において、隣り合う前記吐出方向は、前記中心軸線まわりにおいて90度よりも小さい角度を成す請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
タンクと、
前記タンクに、流動性を有する内容物を供給する内容物供給部と、
前記タンクに吐出供給路を介して接続され、前記タンクから送られてくる流動体を吐出する吐出部と、
前記吐出供給路を流れる前記流動体の濁度及び色度のうちの少なくともいずれか一方を計測する流動体計測装置と、
前記流動体計測装置の計測結果に基づいて、前記吐出供給路を流れる前記流動体が、収容器に収容される内容物として適切か否かを判定する判定装置と、
を備える吐出装置。
【請求項5】
前記タンクに、流動性を有する洗浄液を供給する洗浄液供給部を備え、
前記吐出供給路には、内容物に先立って、前記洗浄液が流される
請求項4に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記吐出供給路を開閉する開閉バルブを備え、
前記流動体計測装置は、前記吐出供給路のうち開閉バルブと前記吐出部との間の部分を流れる前記流動体に対する計測を行う
請求項4又は5に記載の吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄装置及び吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
袋詰め包装機は、袋に液状の内容物を注入する液体充填装置を備えることがある。袋詰め包装機で用いられる液体充填装置は、通常、タンクから供給される液状内容物を吐出ノズルから間欠的に吐出させ、連続的に送られてくる複数の袋の各々に適量の液状内容物を注入する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液状内容物が貯留されるタンクは、衛生状態を保つため、適宜洗浄される。特に、タンクに貯留する液状内容物が変えられる際には、タンクを洗浄した後に、新たな液状内容物がタンクに貯留される。
【0005】
このようなタンク洗浄が行われている間、タンクから吐出ノズルに液状内容物を送ることができず、袋等の容器への液状内容物の供給を行うことができない。したがって生産性向上の観点からは、タンク洗浄を効率良く行って、短時間でタンクを適切に洗浄することが望まれる。
【0006】
一方、吐出ノズルから各袋に吐出される液状内容物は、安定的に、所望の品質を持つことが求められる。例えば、タンクから吐出ノズルに至る流路に残留物(例えば水等の洗浄液)があると、当該残留物が液状内容物に混ざり、結果的に、袋に注入される液状内容物の濃度が所望濃度よりも薄くなる。
【0007】
袋に液状内容物を注入するのに先立ち、吐出ノズルから液状内容物を吐出させるいわゆるダミー吐出を行うことで、残留物を液状内容物により洗い流すことができる。しかしながらこの場合、残留物の有無にかかわらずダミー吐出が行われるため、常に所定量の液状内容物がダミー吐出により消費され、ダミー吐出のために相応の時間がとられる。したがって、残留物が無い状態でダミー吐出が行われる場合には、内容物及び時間がダミー吐出によって無駄に消費されることになる。また、ダミー吐出によって残留物が十分に除去されているか否かの確認が行われないので、袋に注入される液状内容物に対する残留物の影響が十分に低減されていることについては必ずしも保証されない。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、タンクが有する収容部を効率良く洗浄するのに有利な技術を提供する。また本開示は、所望の品質を有する内容物を安定的に容器に供給するのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、タンクが有する収容部を洗浄する洗浄装置であって、洗浄液及びガスが流される配管流路と、配管流路に向かって突出し且つ洗浄液を泡立てる突出部とを有する配管部と、配管流路に接続され、配管流路を介して供給される洗浄液及びガスを吐出する複数の吐出口部を有する洗浄液吐出部と、を備える洗浄装置に関する。
【0010】
突出部は、配管流路において、洗浄液及びガスが流れる流れ方向と垂直を成す方向に延在する複数の突起体を含み、複数の突起体のうちの2以上の突起体の延在方向は、お互いに異なってもよい。
【0011】
複数の吐出口部から吐出される洗浄液の吐出方向は、水平面への投影で、水平面と垂直を成す中心軸線のまわりにおいて全方位にわたる放射方向であり、水平面への投影において、隣り合う吐出方向は、中心軸線まわりにおいて90度よりも小さい角度を成してもよい。
【0012】
本開示の他の態様は、タンクと、タンクに、流動性を有する内容物を供給する内容物供給部と、タンクに吐出供給路を介して接続され、タンクから送られてくる流動体を吐出する吐出部と、吐出供給路を流れる流動体の濁度及び色度のうちの少なくともいずれか一方を計測する流動体計測装置と、流動体計測装置の計測結果に基づいて、吐出供給路を流れる流動体が、収容器に収容される内容物として適切か否かを判定する判定装置と、を備える吐出装置に関する。
【0013】
吐出装置は、タンクに、流動性を有する洗浄液を供給する洗浄液供給部を備え、吐出供給路には、内容物に先立って、洗浄液が流されてもよい。
【0014】
吐出装置は、吐出供給路を開閉する開閉バルブを備え、流動体計測装置は、吐出供給路のうち開閉バルブと吐出部との間の部分を流れる流動体に対する計測を行ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、タンクが有する収容部を効率良く洗浄するのに有利である。また本開示によれば、所望の品質を有する内容物を安定的に容器に供給するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、洗浄装置の一例を示す側方図である。
【
図2】
図2は、
図1の矢印「II」の方向から見た洗浄液吐出部の平面図である。
【
図3】
図3は、吐出装置の一例を示す回路図である。
【
図4】
図4は、流動体計測装置の一例を示す拡大部分断面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す矢印「V」から見た吐出供給路の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[洗浄装置]
図1は、洗浄装置10の一例を示す側方図である。
【0018】
図1に示す洗浄装置10は、タンクの収容部(
図3の符号「32」参照)を洗浄するための装置であり、配管部11及び洗浄液吐出部15を備える。
【0019】
配管部11は、供給配管12により区画される配管流路13と、配管流路13に向かって突出する複数の突出部14とを有する。
【0020】
配管流路13には、洗浄液Lw及びガス(エアー)Gが流される。本実施形態では、供給配管12に対して洗浄液Lw及びガスGが別々に供給され、配管流路13の途中で洗浄液Lw及びガスGが混合され、ガスGにより泡立てられた洗浄液Lwが洗浄液吐出部15に供給される。
【0021】
図1に示す配管流路13は、
図1の横方向へ直線的に延びる部分(以下、「横方向配管流路」とも称する)と、当該横方向配管流路に接続され
図1の上下方向へ直線的に延びる部分(以下、「縦方向配管流路」とも称する)とを有する。配管流路13のうち横方向配管流路の一方の端部に洗浄液Lwが供給され、他方の端部にガスGが供給され、横方向配管流路の中央で洗浄液Lw及びガスGが合流して混合する。その後、洗浄液Lw及びガスGの混合流体は、横方向配管流路の中央に接続される縦方向配管流路の一方の端部に流入し、縦方向配管流路を通って、洗浄液吐出部15が取り付けられる他方の端部から流出する。
【0022】
複数の突出部14は、配管流路13のうち洗浄液Lw及びガスGが混合される箇所の下流側(本例では縦方向配管流路)に設けられる。
図1において、縦方向配管流路の上側部分に関しては供給配管12の外観状態が示されており、下側部分に関しては供給配管12の内側状態が示されている。
【0023】
各突出部14は、配管流路13において、洗浄液Lw及びガスGが流れる方向と垂直を成す方向に延在する突起体14aを有する。特に、複数の突起体14aのうちの2以上の突起体14aの延在方向は、お互いに異なる。このような配置構造を持つ突起体14aによって、ガスGと混合した状態で配管流路13を流れる洗浄液Lwは、より一層泡立てられる。
【0024】
図1に示す例では、
図1の同一横平面上に位置する2以上の突出部14から成る第1突出部群と、当該第1突出部群と
図1の縦方向にズレて位置する2以上の突出部14から成る第2突出部群と、が
図1の縦方向に交互に繰り返し設けられる。第1突出部群に含まれ且つ隣り合う2つの突起体14aの間に、第2突出部群に含まれる1つの突起体14aが位置する。すなわち、複数の突出部14の水平面(
図1の横方向平面)への投影において、第1突出部群に含まれる突起体14aと、第2突出部群に含まれる突起体14aとが、周方向に互い違いに配置される。
【0025】
ガスG及び各突出部14により泡立てられた洗浄液Lwは、配管流路13を通って、洗浄液吐出部15に供給される。
【0026】
洗浄液吐出部15は、配管流路13に接続される吐出流路(図示省略)と、当該吐出流路に接続される複数の洗浄液吐出口部16とを有する。各洗浄液吐出口部16は、吐出流路を介して配管流路13に接続され、配管流路13及び吐出流路を介して供給される洗浄液Lw及びガスGの混合流体を吐出する。
【0027】
図1に示す洗浄液吐出部15は、硬質の樹脂材料によって、球状のシャワーボールとして構成される。ただし洗浄液吐出部15は、任意の材料によって構成可能であり、任意の形状を有しうる。
【0028】
図1に示す複数の洗浄液吐出口部16は、洗浄液吐出部15の表面の全体にわたって離散的に配置され、円形(楕円形を含む)の開口形状を有する。ただし複数の洗浄液吐出口部16の配置態様は限定されず、各洗浄液吐出口部16の開口形状も限定されない。
【0029】
図2は、
図1の矢印「II」の方向から見た洗浄液吐出部15の平面図である。
【0030】
本実施形態では、複数の洗浄液吐出口部16から吐出される洗浄液Lwの吐出方向Dwは、水平面への投影で、当該水平面と垂直を成す中心軸線Axまわりの全方位にわたる放射方向である。
図1及び
図2に示す例において、中心軸線Axは、球形状の洗浄液吐出部15の中心を通り、且つ、配管流路13のうち洗浄液吐出部15に接続される部分(すなわち上述の縦方向配管流路)の中心を通る。
【0031】
水平面への投影において、隣り合う洗浄液Lwの吐出方向Dwは、中心軸線Axまわりにおいて90度よりも小さい角度αを成すことが好ましく、より好ましくは45度よりも小さい角度αを成し、より好ましくは30度よりも小さい角度αを成し、より好ましくは15度よりも小さい角度αを成し、より好ましくは10度よりも小さい角度を成す。
【0032】
上述の洗浄装置10によれば、泡立てられた洗浄液Lwを、中心軸線Axまわりの全方位方向(放射方向)に吐出することができる。そのため、後述のタンクなどの内側に洗浄液吐出部15を配置した状態で複数の洗浄液吐出口部16から洗浄液Lwを吐出することで、タンクの内周壁(収容部の区画壁)の全体にわたって泡立った洗浄液Lwを効率良く吹き付けることができる。その結果、タンクが有する収容部を洗浄液Lwによって効率良く洗浄することができる。
【0033】
なお、タンクの内周壁の広範囲にわたって洗浄液Lwを効率良く吹き付ける観点からは、複数の洗浄液吐出口部16から吐出される洗浄液Lwの吐出方向Dwは、中心軸線Axと垂直を成す水平面に対し、全体として広い角度範囲を持ち、様々な角度をそれぞれ有することが好ましい。
【0034】
以上説明したように本実施形態によれば、洗浄装置10は、洗浄液Lw及びガスGが流される配管流路13と、配管流路13に向かって突出し且つ洗浄液Lwを泡立てる突出部14とを有する配管部11と、配管流路13に接続され、配管流路13を介して供給される洗浄液Lw及びガスGを吐出する複数の洗浄液吐出口部16を有する洗浄液吐出部15と、を備える。
【0035】
この洗浄装置10によれば、タンクが有する収容部を効率良く洗浄することができる。
【0036】
また突出部14は、配管流路13において、洗浄液Lw及びガスGが流れる流れ方向と垂直を成す方向に延在する複数の突起体14aを含み、複数の突起体14aのうちの2以上の突起体14aの延在方向は、お互いに異なる。
【0037】
これにより、洗浄液Lwを効果的に泡立てて、洗浄力を向上させることができる。
【0038】
また、複数の洗浄液吐出口部16から吐出される洗浄液Lwの吐出方向Dwは、水平面への投影で、当該水平面と垂直を成す中心軸線Axのまわりにおいて全方位にわたる放射方向であり、当該水平面への投影において、隣り合う吐出方向Dwは、中心軸線Axまわりにおいて90度よりも小さい角度を成す。
【0039】
これにより、洗浄液Lwを様々な方向に吐出することができ、洗浄液吐出部15の周囲に位置するタンクの収容部の壁部に対して迅速且つ効果的に洗浄液Lwを付与することが可能である。
【0040】
[吐出装置]
次に、上述の洗浄装置10によって洗浄可能なタンクを具備する吐出装置の一例について説明する。
【0041】
【0042】
吐出装置30は、タンク31、内容物供給部33、洗浄液供給部37、吐出部41、流動体計測装置45及び制御装置50を備える。
【0043】
内容物供給部33は、流動性を有する内容物Cを、タンク31の内側に設けられる収容部32に供給する。
【0044】
図3に示す内容物供給部33は、内容物供給路36を介してタンク31(特に収容部32)に接続される内容物供給源34と、制御装置50の制御下で内容物供給路36を開閉する内容物供給バルブ35とを有する。内容物供給源34は、制御装置50の制御下で作動してもよいし、制御装置50により制御されることなく作動してもよい。内容物供給バルブ35は、制御装置50の制御下で、内容物供給路36を全開及び全閉するように設けられてもよいし、内容物供給路36の開度を調整できるように設けられてもよい。
【0045】
内容物Cは、流動性を有する任意の物質により構成可能である。例えば、内容物Cの全体が液体やペースト体などの流動体であってもよい。また内容物Cは、流動体(例えば液体)だけではなく非流動体(例えば固体(粉体や微粒子を含む))も含み、全体として流動性を有していてもよい。内容物Cは、典型的には食材や日用品(洗剤等)であるが、その種類及び用途は限定されない。
【0046】
洗浄液供給部37は、流動性を有する洗浄液Lwを、タンク31の内側に設けられる収容部32に供給する。
【0047】
図3に示す洗浄液供給部37は、洗浄液供給路40を介してタンク31(特に収容部32)に接続される洗浄液供給源38と、制御装置50の制御下で洗浄液供給路40を開閉する洗浄液供給バルブ39とを有する。洗浄液供給源38は、制御装置50の制御下で作動してもよいし、制御装置50により制御されることなく作動してもよい。洗浄液供給バルブ39は、制御装置50の制御下で、洗浄液供給路40を全開及び全閉するように設けられてもよいし、洗浄液供給路40の開度を調整できるように設けられてもよい。
【0048】
洗浄液Lwは限定されず、単なる水(例えば水道水)であってもよいし、洗浄成分を含有してもよい。
【0049】
吐出部41は、タンク31に吐出供給路42を介して接続され、タンク31の収容部32から送られてくる流動体Fを吐出する。ここで言う流動体Fは、内容物C及び洗浄液Lwを含みうる。
【0050】
吐出供給路42には、吐出流量計46、吐出供給バルブ47及び流動体計測装置45が、上流側(タンク31側)から下流側(吐出部41側)に向かって順次設けられる。
【0051】
吐出流量計46は、吐出供給路42を流れる流動体Fの流量を計測し、計測結果を制御装置50に送信する。
【0052】
吐出供給バルブ47は、制御装置50の制御下で作動し、吐出供給路42を開閉する。吐出供給バルブ47は、制御装置50の制御下で、吐出供給路42を全開及び全閉するように設けられてもよいし、吐出供給路42の開度を調整できるように設けられてもよい。
【0053】
流動体計測装置45は、吐出供給路42を流れる流動体Fの濁度及び色度のうちの少なくともいずれか一方を計測し、計測結果を制御装置50に送信する。
図1に示す流動体計測装置45は、吐出供給路42のうち吐出供給バルブ(開閉バルブ)47と吐出部41との間の部分を流れる流動体Fに対する計測を行う。
【0054】
流動体計測装置45の計測手法は限定されない。
【0055】
図4は、流動体計測装置45の一例を示す拡大部分断面図である。
図5は、
図4に示す矢印「V」から見た吐出供給路42の一例を示す平面図である。
【0056】
図4に示す流動体計測装置45は、検出光(例えばレーザ光)を発する発光部451と、検出光を受光する受光部452とを有する。発光部451及び受光部452は、吐出供給路42を介してお互いに対向するように、位置づけられる。
【0057】
吐出供給路42は、発光部451と受光部452との間に位置づけられる透光部421を有する。発光部451から発せられた検出光は、透光部421を通過して吐出供給路42の内側流路に進行する。吐出供給路42の内側流路を通過した検出光の少なくとも一部は、透光部421を通って吐出供給路42から外側に進行し、受光部452によって受光される。
【0058】
受光部452の受光結果は、吐出供給路42(特に発光部451と受光部452との間の内側流路)を流れる流動体Fの濁度及び/又は色度に応じて変わる。したがって、受光部452の受光結果から、吐出供給路42(特に発光部451と受光部452との間の内側流路)を流れる流動体Fの濁度及び/又は色度の状態を知ることができる。
【0059】
本実施形態の制御装置50は、流動体計測装置45の計測結果に基づいて、吐出供給路42を流れる流動体Fが、収容器(本例では袋;図示省略)に収容される内容物として適切か否かを判定する判定装置として働く。
【0060】
また制御装置50は、吐出装置30が具備する各種センサの計測結果を受信し、吐出装置30が具備する各種装置の作動を制御する。
【0061】
例えば、制御装置50は、収容部32内の気圧を計測する圧力センサ51に接続され、圧力センサ51の計測結果を受信する。制御装置50は、圧力センサ51の計測結果に基づき、加圧部55(例えば減圧弁57)を制御する。
【0062】
加圧部55は、タンク31(特に収容部32)にエアー配管59を介して接続される加圧エアー供給源56と、エアー配管59に取り付けられる減圧弁57及びフィルタ58とを有する。
【0063】
加圧エアー供給源56は、加圧エアー(圧縮エアー)をエアー配管59に供給する。加圧エアー供給源56は、制御装置50の制御下で作動してもよいし、制御装置50により制御されることなく作動してもよい。減圧弁57は、制御装置50の制御下で、エアー配管59を流れるエアーの圧力を調整する。フィルタ58は、減圧弁57よりも下流側(タンク31側)に設けられ、エアー配管59を流れるエアーの清浄化処理(例えば除菌処理や塵埃除去処理)を行う。このように加圧部55は、圧力が調整されて清浄化された加圧エアーを、収容部32に供給することができる
【0064】
吐出供給バルブ47が吐出供給路42を開いている状態において、タンク31から吐出供給路42に流入する内容物Cの流量は、タンク31の収容部32内の気圧に応じて変わる。
【0065】
制御装置50は、吐出供給バルブ47を制御して吐出供給路42の開閉を間欠的に行うことで、内容物Cを吐出部41から間欠的に吐出させることができる。例えば、吐出部41の下方に袋(特に開かれた口部)が位置づけられている間に吐出供給路42が開かれることで、吐出部41から内容物Cが吐出され、当該内容物Cが袋に注入される。一方、吐出部41の下方から及び/又は吐出部41の下方に向けて袋が移動している間は、吐出供給路42が閉じられることで、吐出部41からの内容物Cの吐出が停止される。これにより、吐出部41の下方に連続的に供給される複数の袋(図示省略)の各々に対し、吐出部41から吐出される内容物Cを適切なタイミングで供給することができる。
【0066】
また制御装置50は、吐出供給バルブ47が吐出供給路42を開いた状態で、所望流量の内容物Cが吐出供給路42を流れるように、圧力センサ51の計測結果に応じて減圧弁57を制御する。
【0067】
例えば、制御装置50は、吐出流量計46の検出結果から吐出供給路42を流れる内容物Cの流量が不十分である(少なすぎる)と判定する場合、減圧弁57を制御して、収容部32内の圧力を増大させる。これにより、タンク31(収容部32)から吐出供給路42に流入する内容物Cの流量が増大する。一方、制御装置50は、吐出流量計46の検出結果から吐出供給路42を流れる内容物Cの流量が多すぎると判定する場合、減圧弁57を制御して、収容部32内の圧力を低減させる。これにより、タンク31(収容部32)から吐出供給路42に流入する内容物Cの流量が低減する。
【0068】
なお、制御装置50は、圧力センサ51の計測結果に基づいて収容部32内の圧力を監視することができるため、圧力センサ51の計測結果に基づいて減圧弁57を制御してもよい。制御装置50は、圧力センサ51の計測結果に基づいて収容部32内の圧力を直接的に監視する代わりに、他の状態量を計測する計測装置に基づいて収容部32内の圧力を間接的に監視してもよい。例えば、吐出供給路42(例えばタンク31と吐出供給バルブ47との間の部分)を流れる内容物C(流動体F)の液圧を計測する液圧センサ(図示省略)が設けられてもよい。この場合、制御装置50は、当該液圧センサの計測結果に基づいて減圧弁57を制御し、タンク31から吐出供給路42に流入する内容物Cの流量を調整してもよい。
【0069】
次に、上述の吐出装置30によって行われる吐出方法の一例について説明する。
【0070】
まず、吐出部41から吐出される内容物Cを袋に注入するのに先立って、タンク31の収容部32及び吐出供給路42が洗浄液Lwにより洗浄される(洗浄工程)。この洗浄工程の後に、収容部32及び吐出供給路42において内容物Cが流され、流動体計測装置45の計測結果に基づいて、吐出部41に供給される内容物Cの品質(具体的には濁度及び/又は色度)が適切か否かが確認される(品質確認工程)。この品質確認工程の後、吐出部41から吐出される内容物Cを袋に注入する(内容物注入工程)。
【0071】
洗浄工程では、例えば、内容物供給バルブ35が閉じられ、洗浄液供給バルブ39が開かれ、吐出供給バルブ47が開かれる。これにより洗浄液供給部37からタンク31に洗浄液Lwが供給され、タンク31から吐出供給路42に洗浄液Lwが流入し、吐出部41から液受け部(図示省略)に洗浄液Lwが吐出される。この際、制御装置50の制御下で加圧部55から収容部32に供給されるエアーの圧力が調整され、タンク31から吐出供給路42に所望流量の洗浄液Lwが流入する。
【0072】
品質確認工程では、例えば、内容物供給バルブ35が開かれ、洗浄液供給バルブ39が閉じられ、吐出供給バルブ47が開かれる。これにより内容物供給部33からタンク31に内容物Cが供給され、タンク31から吐出供給路42に内容物Cが流入し、吐出部41から液受け部(図示省略)に内容物Cが吐出される。この際、流動体計測装置45により吐出供給路42を流れる内容物Cの濁度及び/又は色度が計測され、流動体計測装置45の計測結果が所望の濁度及び/又は色度を示したら、制御装置50は吐出供給バルブ47を制御して吐出供給路42を閉じてもよい。
【0073】
本例の品質確認工程では、吐出部41から吐出される内容物Cが液受け部に吐出されるが、吐出部41から吐出される内容物Cが袋に吐出されてもよい。この場合、制御装置50は、吐出部41の下方に連続的且つ間欠的に位置づけられる複数の袋の配置状態に応じて、吐出供給バルブ47を開閉してもよい。制御装置50は、流動体計測装置45の計測結果が所望の濁度及び/又は色度を示さない内容物Cが供給された袋は、不適正袋として扱うことができる。例えば、後段において、不適正袋は、流動体計測装置45の計測結果が所望の濁度及び/又は色度を示す内容物Cが供給された適正袋と分けられてもよい。また不適正袋の識別番号を記憶媒体に記録しておき、当該記録を後段の処理において適宜読み出して利用してもよい。
【0074】
内容物注入工程では、例えば、内容物供給バルブ35が開かれ、洗浄液供給バルブ39が閉じられ、吐出供給バルブ47が間欠的に開かれる。これにより内容物供給部33からタンク31に内容物Cが供給され、タンク31から吐出供給路42に内容物Cが流入し、吐出部41から複数の袋の各々に内容物Cが吐出される。この際、流動体計測装置45による計測は行われてもよいし、行われなくてもよい。内容物注入工程の間も流動体計測装置45による計測を行う場合、流動体計測装置45による計測結果が異常を示したら、制御装置50は吐出供給バルブ47を制御して吐出供給路42を閉め、吐出部41からの内容物Cの吐出を止めてもよい。或いは、流動体計測装置45による計測結果が異常を示したら、制御装置50は、異常と判定された内容物Cが注入された袋を不適正袋として扱ってもよい。
【0075】
このように、上述の洗浄工程と内容物注入工程との間に品質確認工程を行うことで、所望の品質を有する内容物Cを安定的に袋(容器)に供給することができる。
【0076】
なお、品質確認工程は、洗浄工程の直後に行われてもよいし、洗浄工程から時間が経過した後に行われてもよく、例えば洗浄工程が行われた日の次の日以降に品質確認工程が行われてもよい。同様に、内容物注入工程は、品質確認工程の直後に行われてもよいし、品質確認工程から時間が経過した後に行われてもよく、例えば品質確認工程が行われた日の次の日以降に内容物注入工程が行われてもよい。ただし、吐出装置30の経時的な変化による影響を低減する観点からは、洗浄工程と品質確認工程との間は短期間(短時間)であることが好ましく、品質確認工程と内容物注入工程との間は短期間(短時間)であることが好ましい。
【0077】
以上説明したように本実施形態によれば、吐出装置30は、タンク31と、タンク31に、流動性を有する内容物Cを供給する内容物供給部33と、タンク31に吐出供給路42を介して接続され、タンク31から送られてくる流動体Fを吐出する吐出部41と、吐出供給路42を流れる流動体Fの濁度及び色度のうちの少なくともいずれか一方を計測する流動体計測装置45と、流動体計測装置45の計測結果に基づいて、吐出供給路42を流れる流動体Fが、袋(収容器)に収容される内容物Cとして適切か否かを判定する制御装置50(判定装置)と、を備える。
【0078】
この吐出装置30によれば、所望の品質を有する内容物Cを安定的に袋に供給するのに有利である。
【0079】
また吐出装置30は、タンク31に、流動性を有する洗浄液Lwを供給する洗浄液供給部37を備え、吐出供給路42には、内容物Cに先立って、洗浄液Lwが流される。
【0080】
これにより、タンク31及び/又は吐出供給路42に残留する多量の洗浄液Lwが内容物Cとともに袋に注入されて当該袋が適正品として扱われることを、有効に防ぐことができる。
【0081】
また吐出装置30は、吐出供給路42を開閉する吐出供給バルブ(開閉バルブ)47を備え、流動体計測装置45は、吐出供給路42のうち吐出供給バルブ47と吐出部41との間の部分を流れる流動体Fに対する計測を行う。
【0082】
これにより、吐出部41から吐出される直前の流動体Fが適切な内容物Cか否かを精度良く検出することができ、吐出部41から吐出される内容物Cの品質をより確実に保証することができる。
【0083】
上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0084】
10 洗浄装置、11 配管部、12 供給配管、13 配管流路、14 突出部、14a 突起体、15 洗浄液吐出部、16 洗浄液吐出口部、30 吐出装置、31 タンク、32 収容部、33 内容物供給部、34 内容物供給源、35 内容物供給バルブ、36 内容物供給路、37 洗浄液供給部、38 洗浄液供給源、39 洗浄液供給バルブ、40 洗浄液供給路、41 吐出部、42 吐出供給路、45 流動体計測装置、46 吐出流量計、47 吐出供給バルブ、50 制御装置、51 圧力センサ、55 加圧部、56 加圧エアー供給源、57 減圧弁、58 フィルタ、59 エアー配管、421 透光部、451 発光部、452 受光部、Ax 中心軸線、Dw 吐出方向、C 内容物、F 流動体、G ガス、Lw 洗浄液