(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057503
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
A63F5/04 631
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167082
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】白石 悠一
(72)【発明者】
【氏名】今村 昇平
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518DA03
2C518DA06
(57)【要約】
【課題】遊技機の設計自由度を向上できる遊技機を提供する。
【解決手段】当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」には、15枚の配当の小役と、1枚の配当の小役と、が含まれ、15枚の配当の小役を入賞可能にする操作態様として、打順1、打順2を含まない操作態様がそれぞれ設定されている。当選エリア「打順ベルC」には、10枚の配当の小役と、1枚の配当の小役と、が含まれ、打順3~打順6のいずれで操作された場合にも10枚の配当の小役が入賞可能になる。当選エリア「打順ベルD」は、打順1~打順6のいずれで操作された場合にも10枚の配当の小役が入賞可能である。当選エリア「打順ベルC」は、設定6である場合よりも設定1である場合の方が当選確率が高く、当選エリア「打順ベルD」は、設定1である場合よりも設定6である場合の方が当選確率が高い。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
設定値を変更可能な設定変更手段と、
内部抽選を行う内部抽選手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記内部抽選における前記当選態様の当選確率は、前記設定値に応じて設定され、
前記複数種類の当選態様には、複数種類の第1特定当選態様と、第2特定当選態様と、第3特定当選態様と、が含まれ、
前記複数種類の第1特定当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選がそれぞれ対応付けられ、
前記第2特定当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第3特定当選態様には、前記第3配当の小役が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも高く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記複数のリールは、第1リールと、第2リールと、第3リールと、を有し、
前記複数のストップボタンは、第1ストップボタンと、第2ストップボタンと、第3ストップボタンと、を有し、
前記複数種類のストップボタンの操作態様には、
前記第1ストップボタンが最初に操作される第1ストップボタン操作態様と、
前記第2ストップボタンが最初に操作される第2ストップボタン操作態様と、
前記第3ストップボタンが最初に操作される第3ストップボタン操作態様と、が含まれ、
前記複数種類の第1特定当選態様には、前記第1配当の小役を入賞可能にする前記複数のストップボタンの操作態様として、前記第2ストップボタン操作態様と、前記第3ストップボタン操作態様と、のいずれか一方がそれぞれ設定され、
前記第2特定当選態様には、前記第3配当の小役を入賞可能にする前記複数のストップボタンの操作態様として、前記第2ストップボタン操作態様及び前記第3ストップボタン操作態様が設定され、
前記第3特定当選態様には、前記第3配当の小役を入賞可能にする前記複数のストップボタンの操作態様として、前記第1ストップボタン操作態様、前記第2ストップボタン操作態様及び前記第3ストップボタン操作態様が設定され、
前記設定値は、第1の設定値と、第2の設定値と、を含み、
前記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも高い設定値であり、
前記第2特定当選態様の当選確率は、前記第2の設定値である場合よりも前記第1の設定値である場合の方が高く、
前記第3特定当選態様の当選確率は、前記第1の設定値である場合よりも前記第2の設定値である場合の方が高い、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、遊技状態ごとに異なる規定投入数を設定することで、ボーナスや小役の当選確率を変動させ、遊技価値を獲得しやすくすることができる構成が知られている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機においては、ボーナスが終了した後の遊技状態において、予め設定された図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、他の遊技状態とは異なる規定投入数に設定されたリプレイタイム状態を開始するとともに、該リプレイタイム状態においてはボーナスや小役の当選確率が他のボーナス非当選中における遊技状態とは異なるように設定されており、遊技者の関心を惹きつけることができるように構成されている。しかしながら、特許文献1に記載の遊技機においては、遊技価値の獲得しやすさを変更するために、規則上制限が厳しいリプレイの当選態様の変動や、規定投入数の変更といった構成を用いており、設計上の制約が多く遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、遊技機の設計自由度を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
設定値を変更可能な設定変更手段と、
内部抽選を行う内部抽選手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記内部抽選における前記当選態様の当選確率は、前記設定値に応じて設定され、
前記複数種類の当選態様には、複数種類の第1特定当選態様と、第2特定当選態様と、第3特定当選態様と、が含まれ、
前記複数種類の第1特定当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選がそれぞれ対応付けられ、
前記第2特定当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第3特定当選態様には、前記第3配当の小役が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも高く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記複数のリールは、第1リールと、第2リールと、第3リールと、を有し、
前記複数のストップボタンは、第1ストップボタンと、第2ストップボタンと、第3ストップボタンと、を有し、
前記複数種類のストップボタンの操作態様には、
前記第1ストップボタンが最初に操作される第1ストップボタン操作態様と、
前記第2ストップボタンが最初に操作される第2ストップボタン操作態様と、
前記第3ストップボタンが最初に操作される第3ストップボタン操作態様と、が含まれ、
前記複数種類の第1特定当選態様には、前記第1配当の小役を入賞可能にする前記複数のストップボタンの操作態様として、前記第2ストップボタン操作態様と、前記第3ストップボタン操作態様と、のいずれか一方がそれぞれ設定され、
前記第2特定当選態様には、前記第3配当の小役を入賞可能にする前記複数のストップボタンの操作態様として、前記第2ストップボタン操作態様及び前記第3ストップボタン操作態様が設定され、
前記第3特定当選態様には、前記第3配当の小役を入賞可能にする前記複数のストップボタンの操作態様として、前記第1ストップボタン操作態様、前記第2ストップボタン操作態様及び前記第3ストップボタン操作態様が設定され、
前記設定値は、第1の設定値と、第2の設定値と、を含み、
前記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも高い設定値であり、
前記第2特定当選態様の当選確率は、前記第2の設定値である場合よりも前記第1の設定値である場合の方が高く、
前記第3特定当選態様の当選確率は、前記第1の設定値である場合よりも前記第2の設定値である場合の方が高い、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機の設計自由度を向上できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図3】本発明の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた抽選値数と、を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
【
図5】本発明の実施形態の遊技機における15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルE、3枚ベル、特殊小役の入賞図柄組合せと配当とを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の遊技機における1枚役A~1枚役Hの入賞図柄組合せと配当とを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の遊技機における1枚役I~1枚役Pの入賞図柄組合せと配当とを示す図である。
【
図8】(A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、AT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
【
図9】本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」、当選エリア「打順ベルD」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
【
図10】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルA1」、当選エリア「打順ベルA2」、当選エリア「打順ベルA5」、当選エリア「打順ベルA6」、当選エリア「打順ベルB1」、当選エリア「打順ベルB2」、当選エリア「打順ベルB5」、当選エリア「打順ベルB6」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作されるタイミングに応じて入賞する役について示す図、(B)は、当選エリア「打順ベルA3」、当選エリア「打順ベルA4」、当選エリア「打順ベルA7」、当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB3」、当選エリア「打順ベルB4」、当選エリア「打順ベルB7」、当選エリア「打順ベルB8」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作されるタイミングに応じて入賞する役について示す図である。
【
図11】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルA1」の当選時に当選する小役の入賞図柄組合せと、配当と、を示す図、(B)は、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、を示す図である。
【
図12】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルA1」の当選時にストップボタンB2が第1停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、各図柄組合せに対応する小役の配当と、を示す図、(B)は、ストップボタンB1が第2停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、各図柄組合せに対応する小役の配当と、を示す図、(C)は、ストップボタンB3が第2停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、を示す図である。
【
図13】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルA1」の当選時にストップボタンB3が第1停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、を示す図、(B)は、左リールの停止図柄の停止タイミングを示す図、(C)は、中リールの停止図柄の停止タイミングを示す図である。
【
図14】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルB1」の当選時に当選する小役の入賞図柄組合せと、配当と、を示す図、(B)は、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、を示す図である。
【
図15】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルB1」の当選時にストップボタンB2が第1停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、各図柄組合せに対応する小役の配当と、を示す図、(B)は、ストップボタンB1が第2停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、各図柄組合せに対応する小役の配当と、を示す図、(C)は、ストップボタンB3が第2停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベルB1」の当選時にストップボタンB3が第1停止操作された場合に停止表示可能となる停止図柄と、各停止図柄を停止表示した場合に表示可能となる図柄組合せの個数と、を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態の遊技機における各遊技状態での遊技方法ごとの出玉率を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態の遊技機において第1AT状態と、第2AT状態と、の遊技方法ごとの純増枚数を示す図である。
【
図19】本発明の変形例の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図20】本発明の変形例の遊技機においてマックスベットボタンと、遊技情報LEDと、ストップボタンと、下パネル部と、の寸法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す正面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての左リールR1~右リールR3からなるリールユニット310(
図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(
図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す左リールR1~右リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種映像や画像から構成された演出を行うための表示手段としての表示装置330が設けられている。また、表示装置330は、画像を表示する表示領域330aのうち左リールR1~右リールR3と対向する特定領域330bが透過液晶ディスプレイから構成されており、表示装置330を介して左リールR1~右リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能に構成されている。左リールR1~右リールR3の停止状態では、左リールR1~右リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示装置330を通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示装置330を通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールR1の中段と、中リールR2及び右リールR3の下段と、によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、有効ラインL1上(有効ライン上)に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後左リールR1~右リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(
図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面下扉DDに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0020】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、左リールR1~右リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールR1~右リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0021】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0022】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0023】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びアシストタイム制御手段(AT制御手段)200を含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0024】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、設定変更許可スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態において、電源装置に設けられているリセットスイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値を設定1→設定2→・・・→設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させ、スタートレバーSLが操作されスタートスイッチ230から出力されるスタート信号を受信したことに基づいて設定値を確定させる。スロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0025】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されて通常区間が設定されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されており、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0026】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、メダル投入口MI(
図1参照)にメダルが投入されてメダル投入スイッチ210が作動した場合には、投入されたメダルを投入状態に設定し、メダルがクレジットされた状態でマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されるベットスイッチ220が作動した場合と、には、規定投入数(3枚)を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定することで、規定投入数に相当するメダルが投入状態に設定されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。
【0027】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールR1~右リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0028】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0030】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に記憶されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0031】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0032】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0033】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に記憶される。
【0034】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールR1~右リールR3の回転駆動を開始し左リールR1~右リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する左リールR1~右リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0035】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって左リールR1~右リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
【0036】
本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0037】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0038】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190のリール制御データ記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0039】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0040】
入賞判定手段140は、左リールR1~右リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールR1~右リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0041】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0042】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0043】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0044】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0045】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0046】
演出制御手段180は、記憶手段190の演出制御データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。
【0047】
AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技を含む指示機能に係る制御が実行可能となる区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御(指示機能に係る制御)が実行不能な区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行し、通常区間、有利区間及び補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段を構成する。
【0048】
AT制御データ記憶手段197には、有利区間内において実行されるAT状態及び非AT状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が記憶されている。
【0049】
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、後述する演出制御手段180によって表示装置330に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0050】
AT制御手段200は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始し、かつ入賞補助が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0051】
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)に加算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にインクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した差分の値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0052】
本実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に加算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0053】
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0054】
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「0」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理を実行する。
【0055】
AT制御手段200は、所定の初期化処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも所定の初期化処理及び所定の終了処理を実行する。本実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0056】
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、
図3~
図18を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0057】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数として、設定1である場合の抽選値数と、設定6である場合の抽選値数と、を示す図である。
【0058】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を有している。また、スロットマシン1では、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態として、RBBが成立状態に設定されておらず、かつRBBが作動していない一般中としての非RT状態と、RBBが成立状態に設定された場合に移行され、RBBが作動するまで内部でRBBの成立状態が維持されているボーナス内部中(内部中)としてのボーナス成立状態と、RBBが作動した場合に移行され、RBBが作動しているボーナス作動中(作動中)としてのボーナス状態と、を有している。
【0059】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全10枚ベル役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「取りこぼし役」、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」、当選エリア「打順ベルD」、当選エリア「RBB&特殊小役」、当選エリア「RBB&1枚役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号27番の番号がそれぞれ対応付けらえている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0060】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0061】
本実施形態のスロットマシン1において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の3つのストップボタンを押下する順序である打順は、打順1~打順6の6種類の打順から構成されている。打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0062】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号27番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0063】
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルE、3枚ベル、1枚役A~1枚役P、特殊小役を有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイBを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ
図3に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。
【0064】
また、
図3に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&特殊小役」、当選エリア「RBB&1枚役」が設定され、ボーナスのみを含み当選エリアとして、当選エリア「RBB」が設定されている。
【0065】
また、
図3に示すように、スロットマシン1では、非RT状態及びボーナス成立状態において内部抽選の対象に設定されている当選エリアのうち、当選エリア「打順ベルC」と、当選エリア「打順ベルD」と、の抽選値数が設定値記憶手段191に記憶されている設定値によって異なる抽選値数となるように構成されている。当選エリア「打順ベルC」と、当選エリア「打順ベルD」と、の設定値ごとの抽選値数の詳細については、後述する。
【0066】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0067】
<内部抽選テーブル>
本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非RT状態(一般中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルAと記載)と、ボーナス成立状態(内部中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルBと記載)と、ボーナス状態(作動中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルCと記載)と、を内部抽選テーブル記憶手段192に記憶させている。内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCの各内部抽選テーブルにおいては、抽選の対象となる各当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
【0068】
<乱数判定処理>
本実施形態の内部抽選手段120は、乱数判定処理において、乱数生成手段110から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段192から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段120は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
【0069】
なお、本実施形態の乱数生成手段110は、内部抽選で用いる乱数として、0~65535の計65536個の乱数を生成可能に構成されている。また、内部抽選テーブルAにおいては、当選エリア「RBB」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっており、内部抽選テーブルBにおいては、当選エリア「RBB&1枚役」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっているため、非RT状態又はボーナス成立状態における内部抽選においては、いずれかの役に当選し、不当選とならないように構成されている。
【0070】
<ボーナス当選判定処理>
上述した通り、本実施形態の内部抽選手段120は、ボーナス成立状態において、当選エリア「RBB&特殊小役」、当選エリア「RBB&1枚役」に抽選値数が設定されている。このため、内部抽選手段120は、遊技状態がボーナス成立状態である場合における内部抽選において、既にRBBが成立状態に設定されている状態で再度RBBが当選してしまう可能性があることから、新たに当選したRBBを成立状態に設定しないために、乱数判定処理で当否を決定される当選エリアがボーナスを含む当選エリアであるか否かを判定するボーナス当選判定処理を実行するように構成されている。
【0071】
内部抽選手段120は、ボーナス当選判定処理において、乱数判定処理でボーナスを含む当選エリアが当否を決定される対象となると判定した場合、ボーナスを含む当選エリアが当選し、かつ遊技状態がボーナス成立状態である場合に、ボーナスを成立状態に設定する処理をスキップする処理を実行する。このようにして、スロットマシン1は、既にRBBが成立状態に設定されている状態で、新たなRBBが成立状態に設定されてしまうことを防いでいる。
【0072】
<図柄の配列>
図4は、本実施形態のスロットマシン1における左リールR1~右リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。第1の実施形態では、
図4に示すように、左リールR1~右リールR3の外周面に、白7図柄「白7」、黒BAR図柄「黒BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」、白BAR図柄「白BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、ベルB図柄「BLB」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」及びブランク図柄「BK」が配列されている。また、左リールR1~右リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0073】
本実施形態において、赤BAR図柄「赤BAR」と、白7図柄「白7」と、は、正面視において他の図柄よりも広い幅を有しており、左リールR1~右リールR3の回転中において他の図柄よりも視認性が高い図柄として構成されている。また、本実施形態において、赤BAR図柄「赤BAR」は、赤色の画像から構成され、白7図柄「白7」は、白色の画像から構成されている。
【0074】
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0075】
また、上述したように、リール制御手段130は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されていることから、左リールR1~右リールR3に配列されている図柄のうち4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能に構成されている。
【0076】
具体的には、リール制御手段130は、左リールR1のリプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、スイカ図柄「WM」、中リールR2のリプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、ベルB図柄「BLB」、右リールR3のリプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、スイカ図柄「WM」について、有効ラインL1上に停止可能な場合であれば、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず停止可能に構成されている。
【0077】
また、リール制御手段130は、4コマ以内の間隔で配列されている図柄であれば同一の図柄ではない図柄であっても停止可能であり、例えば、中リールR2の停止番号3番、停止番号18番に配列されているチェリー図柄「CH」と、停止番号8番、停止番号13番に配列されているスイカ図柄「WM」と、のいずれかを有効ラインL1上に停止可能な場合に、ストップボタンB2の押下タイミングによらずチェリー図柄「CH」又はスイカ図柄「WM」を停止可能に構成されている。
【0078】
<小役の配当>
本実施形態において、15枚ベルA~15枚ベルDの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、10枚ベルA~10枚ベルEの配当は、規定投入数よりも多い枚数の払出数(10枚)に設定されている。また、3枚ベルの配当は、規定投入数と同じ枚数の払出数(3枚)に設定されている。そして、1枚役A~1枚役P、特殊小役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0079】
<小役の入賞図柄組合せ>
図5~
図7は、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルE、3枚ベル、特殊小役、1枚役A~1枚役Pの入賞図柄組合せを示す図である。
【0080】
図4、
図5に示すように、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルE、3枚ベル、特殊小役の入賞図柄組合せを構成する図柄は、左リールR1~右リールR3のそれぞれにおいて4コマ以内の間隔で配列されている。このため、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルE、3枚ベル、特殊小役のそれぞれは、有効ラインL1上に停止表示可能にするリール停止制御が実行される場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルEの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示するリール停止制御の詳細については、後述する。
【0081】
図4、
図6に示すように、1枚役A~1枚役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄は、左リールR1の図柄と、中リールR2の図柄と、の引き込み範囲が20コマ中10コマに設定され、右リールR3の図柄が4コマ以内の間隔で配列された図柄から構成されている。また、1枚役E~1枚役Hの入賞図柄組合せを構成する図柄は、左リールR1の図柄と、右リールR3の図柄と、の引き込み範囲が20コマ中10コマに設定され、中リールR2の図柄が4コマ以内の間隔で配列された図柄から構成されている。
【0082】
図4、
図7に示すように、1枚役I、1枚役J、1枚役N、1枚役Oの入賞図柄組合せを構成する図柄は、左リールR1~右リールR3のそれぞれにおいて4コマ以内の間隔で配列されている。また、1枚役K、1枚役Lの入賞図柄組合せを構成する図柄は、中リールR2の図柄の引き込み範囲が20コマ中10コマに設定され、左リールR1の図柄と、右リールR3の図柄と、が4コマ以内の間隔で配列された図柄から構成されている。また、1枚役M、1枚役Pの入賞図柄組合せを構成する図柄は、右リールR3の図柄の引き込み範囲が20コマ中10コマに設定され、左リールR1の図柄と、中リールR2の図柄と、が4コマ以内の間隔で配列された図柄から構成されている。
【0083】
<遊技状態移行制御手段>
図8(A)は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0084】
図8(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、リプレイの当選確率が8978/65536(約1/7.3)に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0085】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&特殊小役」、当選エリア「RBB&1枚役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、リプレイの当選確率が8982/65536(約1/7.3)に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0086】
ボーナス状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非RT状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。
【0087】
図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルE、3枚ベル、1枚役A~1枚役P、特殊小役のすべての小役に当選する当選エリア「全小役」と、10枚ベルA~10枚ベルEのすべての10枚ベルと3枚ベルとに当選する当選エリア「全10枚ベル役」と、1枚役A~1枚役P、特殊小役の配当が1枚に設定されたすべての小役に当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0088】
図3を用いてボーナス状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」、当選エリア「全10枚ベル役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高い、つまりボーナス状態において小役に当選する確率が、ボーナス状態以外の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「全小役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA4」のいずれか1つと、当選エリア「打順ベルA5」~当選エリア「打順ベルA8」のいずれか1つと、に当選する確率の合算と同じ確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「全小役」に当選する確率と、当選エリア「全10枚ベル役」に当選する確率と、の合算は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB4」のいずれか1つと、当選エリア「打順ベルB5」~当選エリア「打順ベルB8」のいずれか1つと、に当選する確率の合算と同じ確率に設定されている。
【0089】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態において、ボーナスの非作動時である非RT状態、ボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も同一又は上昇するように構成されている。
【0090】
また、スロットマシン1は、ボーナス状態において、当選エリア「全小役」に当選する確率が、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0091】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の特定役(15枚ベルA~15枚ベルD)が互いに重複せずに他の小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」)と、複数種類の特定小役が重複して当選する第2当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第2当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第2当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0092】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0093】
ここで、ボーナス成立状態においては、より詳しくは後述するが、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に、打順3~打順6から構成された正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下し且つ当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」のそれぞれに設定された20コマ中10コマの図柄が回転表示されている押下タイミングで第1停止操作が実行されないと15枚ベルA~15枚ベルDを入賞させることができない構成であることから、15枚ベルA~15枚ベルDのいずれかが入賞する確率は、4種類の打順から正解打順で且つ20コマ中10コマの図柄が回転表示されている押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を押下できた場合に限定される。一方、後述するAT制御手段200によって入賞補助が実行される補助遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に、正解打順がAT制御手段200による入賞補助及び演出制御手段180による入賞補助演出によって報知されるため、15枚ベルA~15枚ベルDのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で8倍まで高めることができる。
【0094】
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作し且つ第1停止操作の押下タイミングが適切な場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、15枚ベルA~15枚ベルDの4種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/4に圧縮している。このように構成することで、ボーナス状態以外の遊技状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、ボーナス状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上で補助遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0095】
<AT制御手段>
図8(B)は、本実施形態のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0096】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0097】
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0098】
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0099】
本実施形態のAT制御手段200は、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」、当選エリア「打順ベルD」、当選エリア「取りこぼし役」、当選エリア「通常リプレイ2」に当選した場合と、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB&特殊小役」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB」に当選した場合と、に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0100】
有利区間において、AT制御手段200は、指示機能に係る状態(演出状態)として、通常状態と、CZ状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、を有している。また、本実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0101】
通常状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で通常の状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、演出状態が通常状態に移行した場合、通常状態における遊技回数をカウントする非ATゲーム数カウンタ(不図示)に、遊技が実行される都度、非ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」を加算するインリメント更新を実行する。AT制御手段200は、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「700」となった場合に、CZ状態への移行条件(CZ移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常状態からCZ状態に移行する。また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合において、CZ状態、第1AT状態又は第2AT状態への移行を決定するか否かを抽選する状態移行抽選を実行する。
【0102】
AT制御手段200は、状態移行抽選において、「第2AT状態への移行」、「第1AT状態への移行」、「CZ状態への移行」、「不当選」のいずれかに決定する抽選を行い、「CZ状態への移行」に当選した場合には、CZ移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常状態からCZ状態に移行し、「第1AT状態への移行」に当選した場合には、第1AT状態への移行条件(第1AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常状態から第1AT状態に移行し、「第2AT状態への移行」に当選した場合には、第2AT状態への移行条件(第2AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常状態から第2AT状態に移行する。
【0103】
CZ状態は、補助遊技に係る制御として、第1AT状態又は第2AT状態に演出状態を移行する制御が実行された場合に、通常状態よりも高い確率で第1AT状態又は第2AT状態に移行可能に構成されており、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。AT制御手段200は、CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段197のCZゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0104】
AT制御手段200は、CZ状態における毎回の遊技において、第1AT状態又は第2AT状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ中AT抽選を実行するように構成されている。CZ中AT抽選において「第1AT状態への移行」又は「第2AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から10ゲームの遊技が実行された後に、演出状態をCZ状態から当選した演出状態に移行する。
【0105】
AT制御手段200は、CZ中AT抽選で「第1AT状態への移行」に当選し且つCZ状態が終了するまでの遊技において、CZ状態の終了後に移行する演出状態を第1AT状態から第2AT状態に変更(昇格)するか否かを決定するCZ中昇格抽選を実行する。また、AT制御手段200は、CZ中AT抽選又はCZ中昇格抽選で「第2AT状態への移行」に当選し且つCZ状態が終了するまでの遊技において、1セットの第2AT状態を実行する回数を加算(上乗せ)するか否かを決定するCZ中セット数上乗せ抽選を実行する。
【0106】
一方、AT制御手段200は、CZ中AT抽選で「第1AT状態への移行」及び「第2AT状態への移行」のいずれにも当選することなくCZ状態において10ゲームの遊技が実行された場合、CZ状態を終了する。AT制御手段200は、第1AT移行条件及び第2AT移行条件が成立していない状態でCZ状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理を実行する。
【0107】
AT制御手段200は、CZ状態において実行する補助遊技に係る抽選(CZ中AT抽選、CZ中昇格抽選、CZ中セット数上乗せ抽選)について、内部抽選の結果によらず実行するように構成されている。また、AT制御手段200は、CZ状態において実行する補助遊技に係る抽選について、内部抽選で当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合には、他の当選エリアに当選した場合よりも「ハズレ(不当選)」となる確率が低下し、遊技者にとって有利な結果(CZ中AT抽選であれば「第2AT状態への移行」となる確率が高くなるように構成されている。つまり、CZ状態は、当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合に限り状態移行抽選が実行される通常状態よりも高い確率でCZ状態の終了後に第1AT状態又は第2AT状態に移行可能に構成されている。
【0108】
第1AT状態は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」の当選時における10枚ベルA~10枚ベルDの入賞補助が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0109】
AT制御手段200は、第1AT状態において、メダルの払出数を投入数で減算した差分である差枚数に関する値を、AT制御データ記憶手段197の第1AT差枚数カウンタ197cを用いて計数する。第1AT差枚数カウンタ197cは、初期値として値「100」が設定されている。AT制御手段200は、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値が値「0」となった場合に、第1AT状態の終了条件が成立したと判定する。
【0110】
AT制御手段200は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」に当選した場合に、入賞補助を実行することで10枚ベルA~10枚ベルDが入賞可能となっていることから、10枚ベルA~10枚ベルDに設定されている配当(10枚)から規定投入数(3枚)を減算した値「7」で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を減算する。また、AT制御手段200は、当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合に、規定投入数と同じ配当に設定された3枚ベルが入賞可能となることから、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を維持する。また、AT制御手段200は、規定投入数未満の配当が設定された小役が入賞した場合と、いずれの役も入賞しない取りこぼしとなった場合と、に、遊技の結果から規定投入数を減算した負の値(1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役P、特殊小役が入賞した場合には値「-2」、取りこぼしの場合は値「-3」)で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を減算する。
【0111】
また、AT制御手段200は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選した場合において、遊技の結果に応じて第1AT差枚数カウンタ197cの更新に係る処理を実行する。AT制御手段200は、15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合には、15枚ベルA~15枚ベルDに設定されている配当(15枚)から規定投入数を減算した値「12」で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を減算し、1枚の配当が設定された1枚役A~1枚役L、1枚役Nが入賞した場合と、いずれの役も入賞しない取りこぼしとなった場合と、に、遊技の結果から規定投入数を減算した負の値で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を減算する。
【0112】
AT制御手段200は、第1AT状態が開始された遊技において、第2AT状態への移行を決定するか否かを抽選する第2AT移行抽選を実行するように構成されている。AT制御手段200は、第2AT移行抽選において、「第2AT状態への移行」と、「第1AT状態の継続」と、「第1AT状態の終了」と、のいずれかを抽選により決定するように構成されている。
【0113】
第2AT移行抽選において「第2AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値が値「0」となった後に、演出状態を第1AT状態から第2AT状態に移行する。また、第2AT移行抽選において「第1AT状態の継続」に当選した場合、AT制御手段200は、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値が値「0」となった後に、1セットの第1AT状態を実行したと判定し、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を値「0」に設定することで、次セットの第1AT状態を開始する。そして、第2AT移行抽選において「第1AT状態の終了」に当選した場合、AT制御手段200は、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値が値「0」となった後に、第1AT態を終了する。AT制御手段200は、第1AT状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0114】
AT制御手段200は、第2AT移行抽選で「第2AT状態への移行」に当選し且つ第1AT状態が終了するまでの遊技において、当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合に、1セットの第2AT状態を実行する回数を加算(上乗せ)するか否かを決定する第1AT中セット数上乗せ抽選を実行する。また、AT制御手段200は、第2AT移行抽選で「第1AT状態の継続」に当選し且つ第1AT状態が終了するまでの遊技において、当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合に、1セットの第1AT状態の終了後に第2AT状態に移行するように変更(昇格)するか否かを決定する第1AT中昇格抽選を実行する。そして、AT制御手段200は、第2AT移行抽選で「第1AT状態の終了」に当選し且つ第1AT状態が終了するまでの遊技において、当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合に、1セットの第1AT状態の終了後に次セットの第1AT状態を開始することで第1AT状態を継続するように変更するか否かを決定する第1AT継続抽選を実行する。
【0115】
また、AT制御手段200は、有利区間が継続した状態で4セット目の第1AT状態が開始され、第2AT移行抽選又は第1AT継続抽選において「第1AT状態の継続」に当選した場合に、一連の有利区間中に複数セットの第1AT状態を実行したことに基づく特典として、4セット目の第1AT状態の終了後に演出状態を第1AT状態から第2AT状態に移行するように構成されている。
【0116】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態が継続する期間が長くなるほど、遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御が実行される確率が高くなる構成となっている。
【0117】
第2AT状態は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時における15枚ベルA~15枚ベルDの入賞補助と、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」の当選時における10枚ベルA~10枚ベルDの入賞補助と、が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0118】
AT制御手段200は、第2AT状態において、メダルの払出数を投入数で減算した差分である差枚数に関する値を、AT制御データ記憶手段197の第2AT差枚数カウンタ197dを用いて計数する。AT制御手段200は、第2AT状態が開始されてから所定の遊技回数の遊技(例えば5ゲーム)が実行されるまでの間、毎回の遊技の都度、第2AT差枚数カウンタ197dの記憶値に加算する値を決定する初期差枚数上乗せ抽選を実行し、抽選により決定した値を加算する。また、AT制御手段200は、第2AT状態において、毎回の遊技の都度、第2AT差枚数カウンタ197dの記憶値に値を加算するか否かを決定する上乗せ抽選を実行し、上乗せ抽選において第2AT差枚数カウンタ197dの記憶値に値を加算すると決定した場合に、決定した値を第2AT差枚数カウンタ197dの記憶値を加算する。
【0119】
AT制御手段200は、第2AT差枚数カウンタ197dの記憶値が値「0」となった場合に、第2AT状態を継続するか否かを決定する第2AT継続抽選を実行する。AT制御手段200は、第2AT継続抽選において「第2AT状態の継続」に当選した場合に、所定の遊技回数の遊技(例えば5ゲーム)が実行されるまでの間、毎回の遊技の都度、初期差枚数上乗せ抽選を実行し、抽選により決定した値を加算する。一方、AT制御手段200は、第2AT継続抽選において「第2AT状態の終了」に当選した場合に、第2AT態を終了する。AT制御手段200は、第2AT状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0120】
また、AT制御手段200は、第1AT状態又は第2AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、第1AT状態又は第2AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、にも、AT終了条件が成立したと判定し、第1AT状態又は第2AT状態を終了するとともに、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0121】
3.打順当選態様の当選時の詳細
上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順当選態様)として、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」を有しており、遊技状態に応じて入賞可能となる役が異なるように構成されている。
【0122】
<打順当選態様の当選時において打順ごとに入賞可能になる小役>
図9は、非ボーナス状態で当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」、当選エリア「打順ベルD」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。
【0123】
図9に示すように、スロットマシン1では、非ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選した場合に15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)と、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」に当選した場合に、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)が各当選エリアに設定されており、それぞれ打順3~打順6、つまりストップボタンB2又はストップボタンB3が第1停止操作される打順に設定されている。また、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルC」に当選した場合に、打順3~打順6のいずれの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合にも、10枚ベルA~10枚ベルDのいずれかが入賞するように構成されている。
【0124】
また、
図9に示すように、スロットマシン1では、非ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作される打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、1枚の配当に設定された小役が入賞するように構成されている。
【0125】
本実施形態のスロットマシン1では、例えば当選エリア「打順ベルA1」について、打順3でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され且つ第1停止操作されるストップボタンB2の押下タイミングが予め設定されたタイミングである場合に、15枚ベルAが入賞可能となり、予め設定されたタイミングとは異なる押下タイミングでストップボタンB2が押下された場合に、1枚役Iが入賞可能となる構成となっている。
【0126】
図10(A)は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」のうち、正解打順として打順3、打順4が設定されている当選エリアにおいて、ストップボタンB2の押下タイミングに応じて入賞可能となる小役を示す図、
図10(B)は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」のうち、正解打順として打順5、打順6が設定されている当選エリアにおいて、ストップボタンB3の押下タイミングに応じて入賞可能となる小役を示す図である。
【0127】
図4、
図10(A)に示すように、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベルA1」、当選エリア「打順ベルA2」、当選エリア「打順ベルB1」、当選エリア「打順ベルB2」の当選時に、停止番号4番の赤BAR図柄「赤BAR」を含む停止番号0番のベルA図柄「BLA」~停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB2が第1停止操作された場合に、15枚ベルA、15枚ベルB、10枚ベルA、10枚ベルBのうち当選している小役が入賞可能となり、停止番号14番の白7図柄「白7」を含む停止番号10番のベルA図柄「ベルA」~停止番号19番のブランク図柄「BK」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB2が第1停止操作された場合に、1枚役I、1枚役Oのうち当選している小役が入賞可能となる。
【0128】
また、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベルA5」、当選エリア「打順ベルA6」、当選エリア「打順ベルB5」、当選エリア「打順ベルB6」の当選時に、停止番号14番の白7図柄「白7」を含む停止番号10番のベルA図柄「ベルA」~停止番号19番のブランク図柄「BK」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB2が第1停止操作された場合に、15枚ベルA、15枚ベルB、10枚ベルA、10枚ベルBのうち当選している小役が入賞可能となり、停止番号4番の赤BAR図柄「赤BAR」を含む停止番号0番のベルA図柄「BLA」~停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB2が第1停止操作された場合に、1枚役I、1枚役Oのうち当選している小役が入賞可能となる。
【0129】
図4、
図10(B)に示すように、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベルA3」、当選エリア「打順ベルA4」、当選エリア「打順ベルB3」、当選エリア「打順ベルB4」の当選時に、停止番号4番の赤BAR図柄「赤BAR」を含む停止番号0番のベルA図柄「BLA」~停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB3が第1停止操作された場合に、15枚ベルC、15枚ベルD、10枚ベルC、10枚ベルDのうち当選している小役が入賞可能となり、停止番号14番の白7図柄「白7」を含む停止番号10番のベルA図柄「ベルA」~停止番号19番のチェリー図柄「CH」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB3が第1停止操作された場合に、1枚役Nが入賞可能となる。
【0130】
また、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベルA7」、当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB7」、当選エリア「打順ベルB8」の当選時に、停止番号14番の白7図柄「白7」を含む停止番号10番のベルA図柄「ベルA」~停止番号19番のチェリー図柄「CH」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB3が第1停止操作された場合に、15枚ベルC、15枚ベルD、10枚ベルC、10枚ベルDのうち当選している小役が入賞可能となり、停止番号4番の赤BAR図柄「赤BAR」を含む停止番号0番のベルA図柄「BLA」~停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」の範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB3が第1停止操作された場合に、1枚役Nが入賞可能となる。
【0131】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA4」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB4」に当選し、補助遊技を実行する場合において、AT制御手段200によって主制御表示装置500に、正解打順と、第1停止操作の押下タイミングと、に対応した表示が表示されるとともに、演出制御手段180によって表示装置330に、正解打順と、赤BAR図柄「赤BAR」が有効ラインL1上に回転表示されるタイミングで第1停止操作をすることを示す画像(赤BAR図柄「赤BAR」に略類似した意匠性を有する画像)と、が表示される。また、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA5」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB5」~当選エリア「打順ベルB8」に当選し、補助遊技を実行する場合において、AT制御手段200によって主制御表示装置500に、正解打順と、第1停止操作の押下タイミングと、に対応した表示が表示されるとともに、演出制御手段180によって表示装置330に、正解打順と、白7図柄「白7」が有効ラインL1上に回転表示されるタイミングで第1停止操作をすることを示す画像(白7図柄「白7」に略類似した意匠性を有する画像)と、が表示される。
【0132】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞図柄組合せを構成する図柄とは異なる図柄であるものの、左リールR1~右リールR3の回転中における視認性が高く、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能にするリール停止制御が実行される押下タイミングの範囲内に含まれる図柄である赤BAR図柄「赤BAR」、白7図柄「白7」に略類似した意匠性の画像を表示して押下タイミングを報知することで、遊技者に不利益を与えることなく遊技者にとって有利な操作態様を遊技者に報知することができる。
【0133】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し、15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能な操作態様とは異なる操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、1枚役A~1枚役L、1枚役Nが、それぞれ
図9に示す確率で入賞するように構成されている。つまり、15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能な操作態様とは異なる操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合における1枚役A~1枚役L、1枚役Nの入賞確率(第1確率)は、打順1、打順2で1/1、打順3~打順6のうち2つの打順で1/1、2つの打順で1/4であることから、3/4の確率で入賞する構成となっている。
【0134】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」に当選し、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能な操作態様とは異なる操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、1枚役B、1枚役C、1枚役J~1枚役Oが、それぞれ
図9に示す確率で入賞するように構成されている。つまり、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能な操作態様とは異なる操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合における1枚役B、1枚役C、1枚役J~1枚役Oの入賞確率(第2確率)は、1/1の確率で入賞する構成となっている。
【0135】
このように、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にする操作態様とは異なる操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に1枚の配当の小役が入賞する確率が、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」に当選し10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能にする操作態様とは異なる操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に1枚の配当の小役が入賞する確率よりも低い確率となるように構成されており、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に補助遊技が実行されず15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にする操作態様が報知されない第1AT状態において、15枚ベルA~15枚ベルDを狙った遊技方法で遊技が実行される場合における出玉率が著しく高くなることを防止でき、第1AT状態における攻略性を低減することができる。
【0136】
<当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時におけるリール停止制御>
次に、
図11~
図13を用いて、本実施形態のスロットマシン1のリール制御手段130が実行する当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順ベルA1」を例に説明する。
【0137】
図11は、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作される場合におけるリール停止制御について説明する図であり、
図11(A)は、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に重複当選する15枚ベルA、1枚役A、1枚役Iのそれぞれの入賞図柄組合せを示す図、
図11(B)は、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に停止表示可能な図柄(停止図柄)と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、を説明する図である。
【0138】
図11(B)に示すように、リール制御手段130は、左リールR1の中段にチェリー図柄「CH」、リプレイ図柄「RP」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が4個と、他の図柄を停止表示した場合よりも多くなることから、リール停止制御として個数優先制御と、停止制御テーブルを用いた停止制御と、を実行し、リプレイ図柄「RP」を停止表示することを決定する。
【0139】
スロットマシン1では、左リールR1の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる役が1枚役Iに限定される。
図4、
図11(A)に示すように、1枚役Iの入賞図柄組合せを構成する図柄において、中リールR2の図柄と、右リールR3の図柄と、は、4コマ以内の間隔で配列されている。
【0140】
このような構成により、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず1枚役Iが1/1の確率で入賞する。
【0141】
図12は、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作される場合におけるリール停止制御について説明する図であり、
図12(A)は、ストップボタンB2が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せに対応する小役の配当と、を説明する図、
図12(B)は、ストップボタンB2が第1停止操作され且つストップボタンB1が第2停止操作される場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せに対応する小役の配当と、を説明する図、
図12(C)は、ストップボタンB2が第1停止操作され且つストップボタンB3が第2停止操作される場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、を説明する図である。
【0142】
図12(A)に示すように、リール制御手段130は、中リールR2の下段にリプレイ図柄「RP」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が9個と最も多くなり、また、中リールR2の下段にリプレイ図柄「RP」を停止表示した場合に入賞可能となる15枚ベルAの配当が15枚と最も高い配当であることから、リール停止制御として個数優先制御と枚数優先制御とのいずれを実行する場合にも、ストップボタンB2の押下タイミングによらずリプレイ図柄「RP」を停止せざるを得ないため、リプレイ図柄「RP」を中リールR2の下段に停止表示する。
【0143】
図12(B)に示すように、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2に実行された状態で、第2停止操作がストップボタンB1に実行される場合において、左リールR1の中段にベルA図柄「BLA」を停止表示した場合に、15枚ベルAの入賞図柄組合せの1個の図柄組合せを表示可能となり、左リールR1の中段にチェリー図柄「CH」、リプレイ図柄「RP」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に4個の図柄組合せを表示可能となる。
【0144】
図10に示したように、本実施形態のリール制御手段130は、第1停止操作の押下タイミングが停止番号0番のベルA図柄「BLA」~停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」の20コマ中10コマの図柄が回転表示されているタイミングであった場合には、枚数優先制御を実行し、15枚ベルAの入賞図柄組合せを構成するベルA図柄「BLA」を左リールR1の中段に停止表示する。また、リール制御手段130は、第1停止操作の押下タイミングが停止番号10番のベルA図柄「BLA」~停止番号19番のブランク図柄「BK」の20コマ中10コマの図柄が回転表示されているタイミングであった場合には、個数優先制御と、停止制御テーブルを用いた停止制御と、を実行し、表示可能となる図柄組合せの数が4個とチェリー図柄「CH」を表示した場合と同数で且つベルA図柄「BLA」を表示した場合よりも多くなるリプレイ図柄「RP」を左リールR1の中段に停止表示する。
【0145】
これにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、第1停止操作がストップボタンB1に実行され、第2停止操作がストップボタンB1に実行された場合に、第2停止操作が実行された時点で、入賞可能となる小役が15枚ベルAと、1枚役Iと、のいずれかに限定される。また、
図4、
図11(A)に示すように、15枚ベルAの入賞図柄組合せを構成する図柄において、右リールR3の図柄は、4コマ以内の間隔で配列されている。このため、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、打順3でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、15枚ベルAと、1枚役Iと、のいずれかがそれぞれ1/2の確率で入賞する。
【0146】
図12(C)に示すように、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2に実行された状態で、第2停止操作がストップボタンB3に実行される場合において、右リールR3の下段にリプ図柄「RP」を停止表示した場合に、15枚ベルAの入賞図柄組合せの1個の図柄組合せを表示可能となり、右リールR3の下段に赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」を停止表示した場合に、それぞれ有効ラインL1上に2個の図柄組合せを表示可能となることから、リール停止制御として個数優先制御を実行し、赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」のうちストップボタンB3が押下された時点で有効ラインL1上に停止表示可能な図柄を有効ラインL1上に停止表示する。
【0147】
このような構成により、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合に、第2停止操作が実行された時点で、入賞可能となる小役が1枚役Iに限定され、第3停止操作として押下されるストップボタンB1の押下タイミングによらず1枚役Iが1/1の確率で入賞する。
【0148】
図13は、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作される場合におけるリール停止制御について説明する図であり、
図13(A)は、ストップボタンB3が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、を説明する図、
図13(B)は、ストップボタンB3が第1停止操作されることで入賞可能となる小役が1枚役Aに限定された状態において、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する左リールR1の図柄を停止可能なストップボタンB1の押下タイミング及び各停止図柄のコマ数を示す図、
図13(C)は、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する中リールR2の図柄を停止可能なストップボタンB2の押下タイミング及び各停止図柄のコマ数を示す図である。
【0149】
図13(A)に示すように、リール制御手段130は、右リールR3の下段にベルA図柄「BLA」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が4個と、他の図柄を停止表示した場合よりも多くなることから、リール停止制御として個数優先制御を実行し、ベルA図柄「BLA」を停止表示することを決定する。スロットマシン1では、右リールR3の下段にベルA図柄「BLA」が停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる役が1枚役Aに限定される。
【0150】
図4、
図13(B)に示すように、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する図柄において、左リールR1の図柄である白BAR図柄「白BAR」は、停止番号4番の白BAR図柄「白BAR」~停止番号8番のチェリー図柄「CH」の5コマが回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合に有効ラインL1上に表示可能となり、黒BAR図柄「黒BAR」は、停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」~停止番号13番のスイカ図柄「WM」の5コマが回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合に有効ラインL1上に表示可能となるため、停止番号4番~停止番号13番の20コマ中10コマの範囲の図柄が左リールR1に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合に、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示可能であり、停止番号0番~停止番号3番、停止番号14番~停止番号19番の20コマ中10コマの範囲の図柄が左リールR1に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合に、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示できず、取りこぼし(非入賞)となる。
【0151】
図4、
図13(C)に示すように、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する図柄において、中リールR2の図柄である赤BAR図柄「赤BAR」は、停止番号4番の赤BAR図柄「赤BAR」~停止番号8番のスイカ図柄「WM」の5コマが回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下された場合に有効ラインL1上に表示可能となり、黒BAR図柄「黒BAR」は、停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」~停止番号13番のスイカ図柄「WM」の5コマが回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下された場合に有効ラインL1上に表示可能となるため、停止番号4番~停止番号13番の20コマ中10コマの範囲の図柄が中リールR2に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下された場合に、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示可能であり、停止番号0番~停止番号3番、停止番号14番~停止番号19番の20コマ中10コマの範囲の図柄が中リールR2に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下された場合に、1枚役Aの入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示できず、取りこぼし(非入賞)となる。
【0152】
このような構成により、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」に当選し、打順5又は打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ストップボタンB1が20コマ中10コマの範囲の押下タイミング、ストップボタンB2が20コマ中10コマの範囲の押下タイミングで1枚役Aを入賞可能となることから、1枚役Aの入賞確率が1/4となっている。
【0153】
本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA2」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時において、当選エリア「打順ベルA1」の当選時におけるリール停止制御と略同様の個数優先制御又は枚数優先制御が実行されることで、
図9に示した入賞確率で当選している小役が入賞する。
【0154】
<当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時におけるリール停止制御>
次に、
図14~
図16を用いて、本実施形態のスロットマシン1のリール制御手段130が実行する当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順ベルB1」を例に説明する。
【0155】
図14は、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作される場合におけるリール停止制御について説明する図であり、
図14(A)は、当選エリア「打順ベルB1」の当選時に重複当選する10枚ベルA、1枚役K、1枚役L、1枚役Oのそれぞれの入賞図柄組合せを示す図、
図14(B)は、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、を説明する図である。
【0156】
図14(B)に示すように、リール制御手段130は、左リールR1の中段にリプレイ図柄「RP」、白7図柄「白7」、ブランク図柄「BK」、白BAR図柄「白BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が4個と、ベルA図柄「BLA」を停止表示した場合よりも多くなることから、リール停止制御として個数優先制御と、停止制御テーブルを用いた停止制御と、を実行し、リプレイ図柄「RP」を停止表示することを決定する。
【0157】
スロットマシン1では、左リールR1の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる役が1枚役K又は1枚役Lに限定される。
図4、
図14(A)に示すように、1枚役Kの入賞図柄組合せを構成する図柄と、1枚役Lの入賞図柄組合せを構成する図柄と、において、右リールR3の図柄は、4コマ以内の間隔で配列されている。また、1枚役Kは、赤BAR図柄「赤BAR」又は黒BAR図柄「黒BAR」が中リールR2の下段に停止表示可能となる20コマ中10コマの範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下された場合に入賞可能となり、1枚役Lは、白7図柄「白7」又はブランク図柄「BK」が中リールR2の下段に停止表示可能となる20コマ中10コマの範囲の図柄が回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下された場合に入賞可能となる。また、
図4に示したように、スロットマシン1では、中リールR2において、赤BAR図柄「赤BAR」又は黒BAR図柄「黒BAR」を中リールR2の下段に停止表示可能にする20コマ中10コマの範囲と、白7図柄「白7」又はブランク図柄「BK」を中リールR2の下段に停止表示可能にする20コマ中10コマの範囲と、が、互いに重複しない範囲となっている。
【0158】
このような構成により、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に、1枚役K又は1枚役Lが1/1の確率で入賞する。
【0159】
図15は、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作される場合におけるリール停止制御について説明する図であり、
図15(A)は、ストップボタンB2が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せに対応する小役の配当と、を説明する図、
図15(B)は、ストップボタンB2が第1停止操作され且つストップボタンB1が第2停止操作される場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せに対応する小役の配当と、を説明する図、
図15(C)は、ストップボタンB2が第1停止操作され且つストップボタンB3が第2停止操作される場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、を説明する図である。
【0160】
図15(A)に示すように、リール制御手段130は、中リールR2の下段にベルB図柄「BLB」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が17個と最も多くなり、また、中リールR2の下段にベルB図柄「BLB」を停止表示した場合に入賞可能となる10枚ベルAの配当が10枚と最も高い配当であることから、リール停止制御として個数優先制御と枚数優先制御とのいずれを実行する場合にも、ストップボタンB2の押下タイミングによらずベルB図柄「BLB」を停止せざるを得ないため、ベルB図柄「BLB」を中リールR2の下段に停止表示する。
【0161】
図15(B)に示すように、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2に実行された状態で、第2停止操作がストップボタンB1に実行される場合において、左リールR1の中段にベルA図柄「BLA」を停止表示した場合に、10枚ベルAの入賞図柄組合せの1個の図柄組合せを表示可能となり、左リールR1の中段に白7図柄「白7」、ブランク図柄「BK」、白BAR図柄「白BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に4個の図柄組合せを表示可能となる。
【0162】
図10に示したように、本実施形態のリール制御手段130は、第1停止操作の押下タイミングが停止番号0番のベルA図柄「BLA」~停止番号9番の黒BAR図柄「黒BAR」の20コマ中10コマの図柄が回転表示されているタイミングであった場合には、枚数優先制御を実行し、10枚ベルAの入賞図柄組合せを構成するベルA図柄「BLA」を左リールR1の中段に停止表示する。また、リール制御手段130は、第1停止操作の押下タイミングが停止番号10番のベルA図柄「BLA」~停止番号19番のブランク図柄「BK」の20コマ中10コマの図柄が回転表示されているタイミングであった場合には、個数優先制御と、停止制御テーブルを用いた停止制御と、を実行し、表示可能となる図柄組合せの数が4個となる白7図柄「白7」、ブランク図柄「BK」、白BAR図柄「白BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」のうち、ストップボタンB1が押下された時点で有効ラインL1上に停止表示可能な図柄を左リールR1の中段に停止表示する。
【0163】
これにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、第1停止操作がストップボタンB1に実行され、第2停止操作がストップボタンB1に実行された場合に、第2停止操作が実行された時点で、入賞可能となる小役が10枚ベルAと、1枚役Oと、のいずれかに限定される。また、
図4、
図14(A)に示すように、10枚ベルAの入賞図柄組合せを構成する図柄において、右リールR3の図柄は、4コマ以内の間隔で配列されている。また、1枚役Oの入賞図柄組合せを構成する図柄において、右リールR3の図柄は、4コマ以内の間隔で配列されている。このため、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、打順3でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、10枚ベルAと、1枚役Oと、のいずれかがそれぞれ1/2の確率で入賞する。
【0164】
図15(C)に示すように、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2に実行された状態で、第2停止操作がストップボタンB3に実行される場合において、右リールR3の下段にリプ図柄「RP」を停止表示した場合に、10枚ベルAの入賞図柄組合せの1個の図柄組合せを表示可能となり、右リールR3の下段に赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」を停止表示した場合に、それぞれ有効ラインL1上に4個の図柄組合せを表示可能となることから、リール停止制御として個数優先制御を実行し、赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」のうちストップボタンB3が押下された時点で有効ラインL1上に停止表示可能な図柄を有効ラインL1上に停止表示する。
【0165】
このような構成により、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合に、第2停止操作が実行された時点で、入賞可能となる小役が1枚役Oに限定され、第3停止操作として押下されるストップボタンB1の押下タイミングによらず1枚役Oが1/1の確率で入賞する。
【0166】
図16は、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に停止表示可能な停止図柄と、各停止図柄の停止時に表示可能となる図柄組合せの個数と、を説明する図である。
【0167】
図16に示すように、リール制御手段130は、右リールR3の下段にスイカ図柄「WM」、赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」を停止表示した場合に、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が4個と、リプレイ図柄「RP」を停止表示した場合よりも多くなることから、リール停止制御として個数優先制御と、停止制御テーブルを用いた停止制御と、を実行し、赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」のうち、ストップボタンB3が押下された時点で有効ラインL1上に停止表示可能な図柄を右リールR3の下段に停止表示する。
【0168】
スロットマシン1では、右リールR3の下段に赤BAR図柄「赤BAR」、黒BAR図柄「黒BAR」、白7図柄「白7」、チェリー図柄「CH」のいずれかが停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる役が1枚役Oに限定される。上述したように、1枚役Oの入賞図柄組合せを構成する図柄において、左リールR1の図柄と、中リールR2の図柄と、は、4コマ以内の間隔で配列されている。
【0169】
このような構成により、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルB1」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず1枚役Oが1/1の確率で入賞する。
【0170】
4.各遊技状態における出玉率
次に、本実施形態のスロットマシン1において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様(遊技方法)ごとの出玉率について説明する。
図17は、各遊技状態における遊技方法ごとの出玉率をまとめた表である。
【0171】
図17に示す遊技方法のうち、打順1(ランダム)~打順6(ランダム)は、1つの打順で且つランダムな押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を押下する遊技方法である。打順1(目押し)~打順6(目押し)は、1つの打順で且つ15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能な打順及び押下タイミングで押下する遊技方法である。ランダム打ちは、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングをランダムに行う遊技方法である。
【0172】
第1AT(目押し)は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に入賞補助に従った遊技が実行され、10枚ベルA~10枚ベルDが入賞する遊技方法である。第1AT(変則)は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」の当選時に入賞補助に従った遊技が実行され、10枚ベルA~10枚ベルDが入賞するとともに、入賞補助が実行されない遊技において打順3~打順6のいずれかでストップボタンB1~ストップボタンB3を押下する遊技方法である。そして、第2AT(目押し)は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」の当選時に入賞補助に従った遊技が実行され、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDが入賞する遊技方法である。
【0173】
打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、遊技方法が打順1(ランダム)、打順2(ランダム)である場合よりも、打順1(目押し)、打順2(目押し)である場合の方が、当選エリア「取りこぼし役」の当選時における3枚ベルの入賞確率が高いため、打順1(ランダム)、打順2(ランダム)である場合よりも、打順1(目押し)、打順2(目押し)である場合の方が出玉率が高くなる。
【0174】
また、本実施形態のスロットマシン1は、一般中(非RT状態)においてランダム打ちで遊技を行った場合、出玉率が約55.0%と極めて低い出玉率に設定されている。しかしながら、本実施形態のスロットマシン1は、
図3に示した様に、非RT状態において、RBBを含む当選エリア(当選エリア「RBB&特殊小役」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB」)のいずれかに当選する確率が、設定1、設定6のいずれの設定値が設定されている場合にも、13872/65536(約1/4.7)となっているため、非RT状態からボーナス成立状態に移行するまでに実行される遊技回数が極めて少ない遊技回数となる確率が高い構成となっている。
【0175】
本実施形態のスロットマシン1は、非RT状態において、打順3(目押し)~打順6(目押し)で遊技を行う場合が、設定1、設定6のいずれの設定値が設定されている場合にも、最も出玉率が高い約65.7%となるように構成されており且つボーナス状態における設定1である場合の出玉率(約71.0%)、設定6である場合の出玉率(約71.5%)よりも低い出玉率となるように構成されている。
【0176】
本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態における打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、設定1である場合には、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率が約52.4%に設定され、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率が約65.5%に設定されている。また、スロットマシン1では、設定6である場合には、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率が約54.9%に設定され、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率が約65.5%に設定されている。
【0177】
また、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、設定1である場合には、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率が約52.4%に設定され、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率が約81.6%に設定されている。また、スロットマシン1では、設定6である場合には、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率が約55.0%に設定され、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率が約81.6%に設定されている。
【0178】
そして、スロットマシン1では、ボーナス状態における打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、いずれの打順(ランダム)である場合にも、設定1である場合には出玉率が約71.0%に設定され、設定6である場合には出玉率が71.5%に設定されている。
【0179】
<当選エリアと遊技方法ごとの出玉率との関係>
図9に示したように、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」、当選エリア「打順ベルC」に当選した場合において、非RT状態及びボーナス成立状態のいずれの遊技状態である場合にも、打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることで1枚の配当に設定された小役が1/1の確率で入賞する構成となっている。
【0180】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、
図17に示したように、ランダム打ちされる場合における出玉率を60%以上(本実施形態のスロットマシン1は設定1の場合には約67.4%、設定6の場合には約68.4%)に設定することができ、17500ゲーム以上の長期に亘って遊技が行われる場合に過度にメダルが費消されることがなく、遊技メダル等の獲得に係る遊技機の性能に関する規格に沿った適格な性能を実現することができる。
【0181】
また、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」について、非RT状態と、ボーナス成立状態と、のいずれの遊技状態においても、打順及び第1停止操作の押下タイミングが適切な場合に規定投入数と多い配当に設定された15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDが入賞可能になるリール停止制御が実行される。
【0182】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、
図17に示したように、非RT状態である場合と、ボーナス成立状態である場合と、のいずれにおいても、打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率よりも、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率の方が高い出玉率となるように構成することができ、遊技状態が非RT状態からボーナス成立状態に遷移した場合にも、遊技方法によって遊技者にとって有利な度合いが変化することがない構成にすることができる。また、
図17に示したように、スロットマシン1は、ボーナス状態である場合において、打順1(ランダム)の出玉率~打順6(ランダム)の出玉率を含むすべての遊技方法における出玉率が、いずれも同一の出玉率に構成されているため、ボーナス状態における遊技方法がいずれの打順である場合にも遊技者にとって有利な度合いが変化することがない構成となっている。
【0183】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、打順3~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される遊技が行われた場合に、AT制御手段200によって制御される指示機能に係る状態(演出状態)によって、打順1、打順2で遊技が行われる場合における出玉率との差分を調整する制御(例えば、通常状態において打順3~打順6で遊技が行われた場合に当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合であっても状態移行抽選を実行しない等)を実行するように構成した場合であっても、遊技状態によって遊技者が不当な不利益を被る虞がなく、遊技の公正を維持しつつ遊技方法に応じた制御を実行することができる。
【0184】
また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、規定投入数よりも多い配当が設定された小役を含む当選態様として、予め設定された打順で且つ引き込み範囲が20コマ中10コマに設定された図柄を引き込み可能な押下タイミングで第1停止操作が実行された場合に15枚の配当が設定された15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDが入賞可能となる当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」を有しており、入賞補助が実行された場合に、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能にする押下タイミングを意識した遊技、いわゆる目押しが実行された場合と、目押しが実行されない場合と、で出玉率に差が出る構成となっている。
【0185】
具体的には、スロットマシン1は、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞補助が実行され15枚ベルA~15枚ベルDの入賞補助が実行されない第1AT状態において、入賞補助に従い且つ目押しが実行されて10枚ベルA~10枚ベルDが入賞し15枚ベルA~15枚ベルDは入賞しない遊技(第1AT(目押し))が行われる場合の出玉率が約183.5%、第1AT状態において入賞補助に従い且つ目押しを実行せずにランダムな押下タイミングで第1停止操作を行う遊技が行われる場合における出玉率が約122.3%となっており、第2AT状態において、入賞補助に従い且つ目押しが実行されて15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDが入賞する遊技(第2AT(目押し))が行われる場合の出玉率が約266.7%、第2AT状態において入賞補助に従い且つ目押しを実行せずにランダムな押下タイミングで第1停止操作を行う遊技が行われる場合における出玉率が約170.5%となっている。
【0186】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、入賞補助に従い且つ目押しが実行されず15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞確率が低下した遊技が行われる場合における出玉率が過度に高まり、遊技機の商品性が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0187】
<設定値と遊技方法との関係>
図3に示したように、本実施形態のスロットマシン1は、設定値記憶手段191に記憶されている設定値が設定1である場合と、設定6である場合と、で、当選エリア「打順ベルC」の当選確率と、当選エリア「打順ベルD」の当選確率と、が変化するように構成されている。スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルC」について、設定1である場合の方が、設定6である場合よりも当選確率が高くなるように構成し、当選エリア「打順ベルD」について、設定6である場合の方が、設定1である場合よりも当選確率が高くなるように構成している。
【0188】
また、スロットマシン1は、
図9に示したように、当選エリア「打順ベルC」に当選した場合、打順1、打順2のいずれかでストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、1枚の配当に設定された1枚役K又は1枚役Lが1/1の確率で入賞し、打順3~打順6のいずれかでストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、10枚の配当に設定された10枚ベルA~10枚ベルDのいずれかが1/1の確率で入賞するように構成されている。そして、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルD」に当選した場合、打順1~打順6のいずれの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合にも、10枚の配当に設定された10枚ベルEが1/1の確率で入賞するように構成されている。
【0189】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、
図17に示したように、打順1(ランダム)、打順2(ランダム)、打順1(目押し)、打順2(目押し)の、ストップボタンB1が第1停止操作される打順であり、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」において正解打順に設定されていない打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作される場合に限って、設定値記憶手段191に記憶されている設定値ごとに出玉率が異なるように設定でき、第1AT状態や第2AT状態といった補助遊技が実行される場合における出玉率に影響を与えることなく設定値記憶手段191に記憶されている設定値ごとに出玉率が異なる構成にすることができ、補助遊技に係る設計自由度を向上させることができる。
【0190】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」に当選した場合には、正解打順で且つ第1停止操作が適切な押下タイミングである場合に15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能になるものの、当選エリア「打順ベルC」、当選エリア「打順ベルD」に当選した場合には、打順が正解打順に用いられている打順3~打順6のいずれかである場合に10枚ベルA~10枚ベルEのいずれかが入賞するため、打順3(ランダム)~打順6(ランダム)の遊技方法で遊技が実行される場合における出玉率が過度に低下することを防ぎ、遊技機の商品性が低下することを防ぐことができる。
【0191】
ここで、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態又は第2AT状態において当選エリア「打順ベルC」に当選した場合に、補助遊技として打順3でストップボタンB1~ストップボタンB3を操作することを報知するとともに、停止番号0番~停止番号9番の図柄が回転表示されているタイミングと、停止番号10番~停止番号19番の図柄が回転表示されているタイミングと、のうち、抽選により決定したいずれかのタイミングを第1停止操作の押下タイミングとして報知する。
【0192】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態又は第2AT状態において当選エリア「打順ベルC」に当選し、補助遊技を実行する場合に、AT制御手段200によって主制御表示装置500に、正解打順と、第1停止操作の押下タイミングと、に対応した表示が表示されるとともに、演出制御手段180によって表示装置330に、正解打順が表示される際に、赤BAR図柄「赤BAR」が有効ラインL1上に回転表示されるタイミングで第1停止操作をすることを示す画像(赤BAR図柄「赤BAR」に略類似した意匠性を有する画像)と、白7図柄「白7」が有効ラインL1上に回転表示されるタイミングで第1停止操作をすることを示す画像(白7図柄「白7」に略類似した意匠性を有する画像)と、のいずれか一方が表示されるため、補助遊技で報知される内容からスロットマシン1に設定されている設定値が遊技者に推察されることを防ぐことができる。
【0193】
<AT状態における純増枚数>
図18は、第1AT状態、第2AT状態における各遊技方法において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分(獲得数)の平均値である純増枚数について示す図である。
図18に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、第1AT状態において第1AT(目押し)の遊技が実行される場合、純増枚数が約2.5枚となっており、第1AT状態において第1AT(変則)の遊技が実行される場合、純増枚数が約2.8枚となっている。また、スロットマシン1では、第2AT状態において第2AT(目押し)の遊技が実行される場合、純増枚数が約5.0枚となっている。
【0194】
<AT状態における遊技性と出玉率との関係>
上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態において、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に補助遊技を実行しないことで15枚ベルA~15枚ベルDの入賞確率を上昇させず、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に補助遊技を実行して10枚ベルA~10枚ベルDの入賞確率を上昇させる構成となっているため、第1AT(目押し)の遊技が実行されることで出玉率が約183.5%(純増枚数が約2.5枚)となる構成となっている。
【0195】
また、スロットマシン1は、第2AT状態において、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に補助遊技を実行し、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞確率を上昇させる構成となっているため、第2AT(目押し)の遊技が実行されることで出玉率が約266.7%(純増枚数が約5.0枚)となる構成となっている。
【0196】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に加え、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時においても補助遊技を実行する、つまり、第2AT状態を第1AT状態よりも補助遊技が実行されやすい演出状態にすることで、第2AT状態におけるメダルの獲得数の平均値である純増枚数を約5.0枚と、第1AT状態において補助遊技に従う遊技(第1AT(目押し))が実行される場合における純増枚数である約2.5枚よりも大きい値に設定でき、補助遊技の頻度によって演出状態ごとに異なる純増枚数を設定することで、遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0197】
また、スロットマシン1は、第1AT状態において、補助遊技において15枚の配当が設定された15枚ベルA~15枚ベルDが入賞可能となる当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」ではなく、補助遊技において10枚の配当が設定された10枚ベルA~10枚ベルDが入賞可能となる当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の補助遊技を実行することで、第1AT状態において実行される遊技回数が過度に短くなったり過度に長くなったりすることを防ぐことができるとともに、少ない遊技回数の遊技が実行された際に多量にメダルが払い出され射幸性が高まってしまうことを防止できる。
【0198】
また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時において、一切の補助遊技を実行しない構成となっており、ストップボタンB1の第1停止操作を報知する補助遊技(例えば、ストップボタンB1の第1停止操作を主制御表示装置500で報知する入賞補助及び表示装置330に「?××」等の、ストップボタンB2、ストップボタンB3に対応する位置に第1停止操作を促さない表示を行う入賞補助演出等)を実行しない構成となっている。
【0199】
スロットマシン1では、第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時において、ストップボタンB1の第1停止操作を報知する補助遊技を実行する構成であっても第1AT状態における出玉率を第2AT状態における出玉率よりも低い値に設定できるものの、遊技の公正を維持するために、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時にストップボタンB1を第1停止操作することで、遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御を実行する構成とする必要がある。
【0200】
このような構成にする場合において、スロットマシンは、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時にストップボタンB1を第1停止操作する場合における遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御について、ストップボタンB1を第1停止操作する場合に獲得可能なメダルの差枚数と、ストップボタンB2又はストップボタンB3を第1停止操作する場合に平均的に獲得可能な差枚数と、に基づき、ストップボタンB1を第1停止操作した場合の方が有利となるような制御内容にする必要が生じてしまう。
【0201】
つまり、第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時にストップボタンB1の第1停止操作を報知する補助遊技が実行されるスロットマシンでは、第1AT状態中における遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御の大部分を、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時にストップボタンB1を第1停止操作する場合に実行する構成にせざるを得ず、第1AT状態における遊技機の設計自由度が低下し第1AT状態にける遊技性が低下する虞がある。
【0202】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時において、一切の補助遊技を実行しない構成にしており、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選しストップボタンB1が第1停止操作された場合における遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御の制御内容について、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時におけるストップボタンB1~ストップボタンB3の操作方法ごとの出玉率に依存しない制御内容に設計でき、第1AT状態の設計自由度を維持し遊技性を高めることができる。
【0203】
また、スロットマシン1は、第1AT状態において第1AT(変則)の遊技が実行された場合、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に1/8の確率で15枚ベルA~15枚ベルDが入賞するため、出玉率が約193.9%(純増枚数が約2.8枚)と、第1AT(目押し)の遊技が実行される場合よりもメダルを獲得しやすくなる構成となっている。
【0204】
しかしながら、上述したように、本実施形態のAT制御手段200は、第1AT状態が継続する期間を第1AT差枚数カウンタ197cを用いてメダルの差枚数に対応する値で管理するように構成されているとともに、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し、15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合に、15枚ベルA~15枚ベルDの入賞時における差枚数で第1AT差枚数カウンタ197cを更新するように構成されている。
【0205】
つまり、スロットマシン1では、第1AT状態中に獲得可能なメダルの枚数自体は差枚数に対応する値によって管理されていることで、15枚ベルA~15枚ベルDを入賞させて12枚のメダルが獲得する遊技が実行される場合と、15枚ベルA~15枚ベルDを入賞させずに1枚の配当の小役を入賞させる遊技が実行される場合と、で、第1AT状態中に獲得可能なメダルの枚数に変化が生じず、第1AT状態が継続する期間の短縮が発生することになる構成となっている。
【0206】
また、上述したように、スロットマシン1では、第1AT状態において、継続する遊技回数が多くなるほど、第1AT継続抽選や第1AT中昇格抽選、第1AT中セット数上乗せ抽選等、遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御が実行される機会が増える構成となっている。
【0207】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態において短期的にメダルの純増枚数が増加する第1AT(変則)の遊技が実行される場合において、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し打順3~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され且つ第1停止操作の押下タイミングが15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能となる押下タイミングと一致することで15枚ベルA~15枚ベルDが入賞する場合に第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を値「0」に向けて更新する遊技者にとって不利な補助遊技に係る処理(所定の処理)を実行することで第1AT状態が早期に終了するため、第1AT状態において獲得可能に設定されたメダルの枚数が変化することなく第1AT状態が継続する場合に実行される遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御が実行される機会が減少し、一連の有利区間中に獲得可能となるメダルの枚数が増えにくくなるため、第1AT状態において第1AT(変則)で遊技を実行する攻略性を低減することができる。
【0208】
なお、スロットマシン1は、第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時において、打順3~打順6のいずれかが正解打順であることを報知する補助遊技を実行する(例えば、ストップボタンB2又はストップボタンB3の第1停止操作を主制御表示装置500で報知する入賞補助及び表示装置330に「×??」等の、ストップボタンB2、ストップボタンB3に対応する位置に第1停止操作を促す表示を行う入賞補助演出等)ことで、第1AT(目押し)と、第1AT(変則)と、を同一の遊技方法にすることができる構成となっている。
【0209】
しかしながら、このように構成した場合、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に15枚ベルA~15枚ベルDが入賞する可能性が高まるため、第1AT状態の出玉率が高まり第2AT状態を含めた遊技機の設計自由度が低下する。
【0210】
また、このように構成した場合、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に入賞する15枚ベルA~15枚ベルDについても、遊技機が払い出したメダルの数に対するRB(レギュラーボーナス)、CB(チャレンジボーナス)又はSB(シングルボーナス)の作動中に払い出されたメダル及び指示が発生した遊技で払い出されたメダルの数の比率である指示込役物比率に含まれる構成となるため、指示込役物比率が過度に高まり遊技の公正を維持できない虞が生じてしまう。なお、指示込役物比率について、RB、CB又はSBが作動し且つ指示が発生した遊技において、メダルの払出数を計数する際に二重カウントしない構成となっている。本実施形態のスロットマシン1では、指示込役物比率の演算のためにメダルの払出数を指示込役物カウンタ(不図示)に計数する処理において、RB、CB又はSBが作動しているか否かを判定し、RB、CB又はSBが作動していると判定した場合には、指示の発生の有無を判定する処理をスキップして、つまり指示の発生の有無を判定することなく指示込役物カウンタに当該遊技における払出数を計数する。また、スロットマシン1では、RB、CB及びSBが作動していないと判定した場合に、指示の発生の有無を判定し、指示が発生していると判定した場合には、指示込役物カウンタに当該遊技における払出数を計数し、指示が発生していないと判定した場合には、指示込役物カウンタの計数を行わない構成となっている。
【0211】
また、
図9、
図13に示したように、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」について、打順3~打順6のうち第1停止操作の時点で正解打順とは異なる打順である場合に、1枚の配当に設定された小役が1/4の確率で入賞するように構成されている。また、
図9、
図16に示したように、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」について、打順3~打順6のうち第1停止操作の時点で正解打順とは異なる打順である場合に、1枚の配当に設定された小役が1/1の確率で入賞するように構成されている。
【0212】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態において第1AT(変則)の遊技が実行され、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選し且つ第1停止操作の時点で正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作される場合に、3/4の確率で取りこぼし(非入賞)となるため、第1AT(変則)の遊技が実行される場合における出玉率が第1AT(目押し)の遊技が実行される場合よりも著しく高くなることを防止でき、第1AT状態において第1AT(変則)で遊技を実行する攻略性を低減することができる。
【0213】
また、スロットマシン1は、打順3(ランダム)~打順6(ランダム)や、打順3(目押し)~打順6(目押し)の遊技方法で遊技が実行される場合において、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し且つ第1停止操作の時点で正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作される場合に、3/4の確率で取りこぼし(非入賞)となることで、打順3(ランダム)~打順6(ランダム)や、打順3(目押し)~打順6(目押し)の遊技方法で遊技が実行される場合における出玉率が過度に上昇することを抑制できるとともに、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」に当選し且つ第1停止操作の時点で正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作される場合に、1/1の確率で1枚の配当に設定された小役が入賞するため、打順3(ランダム)~打順6(ランダム)や、打順3(目押し)~打順6(目押し)の遊技方法で遊技が実行される場合における出玉率が過度に低下することを抑制でき、打順3(ランダム)~打順6(ランダム)や、打順3(目押し)~打順6(目押し)の遊技方法で遊技が実行される場合における出玉率を適正な出玉率に設定し、遊技機の商品性が低下することを防ぐことができる。
【0214】
この、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」が、本実施形態における複数種類の第1当選態様及び第1特定当選態様を構成し、15枚の配当に設定された15枚ベルA~15枚ベルDが、本実施形態における第1配当の小役を構成し、1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役L、1枚役Nが、本実施形態における第2配当の小役を構成し、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」が、本実施形態における複数種類の第2当選態様を構成し、10枚の配当に設定された10枚ベルA~10枚ベルEが、本実施形態における第1配当よりも低く第4配当よりも高い第3配当の小役を構成し、1枚の配当に設定された1枚役B、1枚役C、1枚役J~1枚役Oが、本実施形態における第4配当の小役を構成する。また、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」が、本実施形態における複数種類の特定当選態様構成し、15枚の配当に設定された15枚ベルA~15枚ベルD、10枚の配当に設定された10枚ベルA~10枚ベルDが、本実施形態における補助遊技の対象となる正解役を構成し、1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役Oが、本実施形態における補助遊技の対象とならない不正解役を構成する。
【0215】
また、当選エリア「打順ベルC」が、本実施形態における第2特定当選態様を構成し、当選エリア「打順ベルD」が、本実施形態における第3特定当選態様を構成する。また、設定値記憶手段191に記憶される設定値のうち設定1が、本実施形態における第1の設定値を構成し、設定6が、本実施形態における第2の設定値を構成する。
【0216】
また、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」のそれぞれに設定されている15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様(例えば、当選エリア「打順ベルA1」であれば打順3で且つ中リールR2の停止番号0番の図柄~停止番号9番の図柄の範囲が回転表示されている押下タイミングで第1停止操作を実行)が、本実施形態における第1操作態様を構成し、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」のそれぞれに設定されている10枚ベルA~10枚ベルDを入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様(例えば、当選エリア「打順ベルB1」であれば打順3で且つ中リールR2の停止番号0番の図柄~停止番号9番の図柄の範囲が回転表示されている押下タイミングで第1停止操作を実行)が、本実施形態における第2操作態様を構成する。
【0217】
また、左リールR1が、本実施形態における第1リールを構成し、中リールR2が、本実施形態における第2リールを構成し、右リールR3が、本実施形態における第3リールを構成し、ストップボタンB1が、本実施形態における第1ストップボタンを構成し、ストップボタンB2が、本実施形態における第2ストップボタンを構成し、ストップボタンB3が、本実施形態における第3ストップボタンを構成する。また、ストップボタンB1が第1停止操作される打順1、打順2が、本実施形態における第1ストップボタン操作態様を構成し、ストップボタンB2が第1停止操作される打順3、打順4が、本実施形態における第2ストップボタン操作態様を構成し、また、ストップボタンB3が第3停止操作される打順5、打順6が、本実施形態における第3ストップボタン操作態様を構成する。
【0218】
また、通常状態よりも有利な補助遊技に係る制御として、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に補助遊技が実行される第1AT状態が、本実施形態における第1状態及び第1有利状態を構成し、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に補助遊技が実行されることで、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に補助遊技が実行されない第1AT状態よりも補助遊技が実行されやすい第2AT状態が、本実施形態における第2状態及び第2有利状態を構成する。また、第1AT状態が継続する期間を管理する第1AT差枚数カウンタ197cが、本実施形態におけるカウンタを構成し、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値として値「0」が、本実施形態における所定値を構成する。
【0219】
5.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、設定値記憶手段191に記憶されている設定値が設定1である場合と、設定6である場合と、で、打順1、打順2のいずれかでストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、1枚の配当に設定された1枚役K又は1枚役Lが1/1の確率で入賞し、打順3~打順6のいずれかでストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、10枚の配当に設定された10枚ベルA~10枚ベルDのいずれかが1/1の確率で入賞する当選エリア「打順ベルC」の当選確率と、打順1~打順6のいずれの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合にも、10枚の配当に設定された10枚ベルEが1/1の確率で入賞する当選エリア「打順ベルD」の当選確率と、が変化するように構成され、当選エリア「打順ベルC」について、設定1である場合の方が、設定6である場合よりも当選確率が高くなるように構成し、当選エリア「打順ベルD」について、設定6である場合の方が、設定1である場合よりも当選確率が高くなるように構成されることで、打順1(ランダム)、打順2(ランダム)、打順1(目押し)、打順2(目押し)の、ストップボタンB1が第1停止操作される打順であり、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」において正解打順に設定されていない打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作される場合に限って、設定値記憶手段191に記憶されている設定値ごとに出玉率が異なるように設定でき、第1AT状態や第2AT状態といった補助遊技が実行される場合における出玉率に影響を与えることなく設定値記憶手段191に記憶されている設定値ごとに出玉率が異なる構成にすることができ、補助遊技に係る設計自由度を向上させることができる。
【0220】
6.変形例
なお、本実施形態において、スロットマシン1は、補助遊技の対象となる役を含む当選態様として、15枚ベルA~15枚ベルDを含む当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」と、10枚ベルA~10枚ベルDを含む当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」と、の2種類の当選態様を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、15枚ベルA~15枚ベルDを含む当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」を有し、10枚ベルA~10枚ベルDを含む当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」を有さない構成であってもよい。
【0221】
このような構成である場合において、スロットマシン1は、第1AT状態において当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選した場合には、補助遊技を実行するか否かを抽選により決定し、第2AT状態において当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選した場合には、第1AT状態である場合よりも高い確率(例えば100%)で補助遊技を実行するように構成される、つまり、第2AT状態を第1AT状態よりも補助遊技が実行されやすいことで、第1AT状態において補助遊技に従う遊技が実行される場合よりも、第2AT状態において補助遊技に従う遊技が実行される場合の方が、1回の遊技におけるメダルの獲得数の平均値が大きい値となるように構成されていてもよい。
【0222】
また、このように構成される場合において、AT制御手段200は、第1AT状態において当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し、補助遊技を実行しない場合において、15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合に、第1AT差枚数カウンタ197cを所定値(値「0」)に向けて更新するように構成されていてもよい。
【0223】
このように構成されることで、スロットマシン1は、第1AT状態において補助遊技が実行されない場合にも打順3~打順6で遊技が実行される場合に、第1AT状態が早期に終了することで第1AT状態が継続する場合に実行される遊技者にとって有利な補助遊技に係る制御が実行される機会が減少し、一連の有利区間中に獲得可能となるメダルの枚数が増えにくくなるため、第1AT状態において補助遊技が実行されない場合にも打順3~打順6で遊技を実行する攻略性を低減することができる。
【0224】
このように構成される場合において、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」が、特定当選態様を構成し、15枚ベルA~15枚ベルDが、補助遊技の対象となる正解役を構成し、1枚役A~1枚役L、1枚役Nが、補助遊技の対象とならない不正解役を構成し、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が、特定操作態様を構成し、第1AT状態が、補助遊技に係る制御として、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に補助遊技を実行可能に構成されることで通常状態よりも有利な第1有利状態を構成し、第2AT状態が、第2有利状態を構成する。
【0225】
また、このように構成される場合において、第1有利状態は、補助遊技を実行可能に構成された状態に限らず、例えば、AT状態として補助遊技を実行可能な第2有利状態を有し、第2有利状態の終了後に移行され、補助遊技を実行しないものの所定の遊技回数の遊技の実行後に通常状態よりも高い確率で第2有利状態に移行可能に構成されることで、通常状態よりも有利に構成された状態を第1有利状態として有していてもよい。
【0226】
また、このように構成される場合において、AT制御手段200は、第1AT状態で当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し、補助遊技が実行されず15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にする操作態様を報知していない状態において、15枚ベルA~15枚ベルDが入賞しなかった場合に特典を付与可能に構成し、15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合に特典を付与しないように構成されていてもよい。
【0227】
補助遊技が実行されない状態において15枚ベルA~15枚ベルDが入賞しなかった場合に特典を付与可能に構成し、15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合に特典を付与しないように構成される場合、AT制御手段200は、特典として、例えば、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値に値を加算するか否かを決定する上乗せ抽選を実行するように構成されていてもよく、遊技者にとって有利な特典であれば、いずれの制御内容から構成されていてもよい。
【0228】
このように構成されることで、スロットマシン1は、第1AT状態において補助遊技が実行されない場合にも打順3~打順6で遊技が実行される場合に、第1AT状態において特典が付与される機会が減少するため、第1AT状態において補助遊技が実行されない場合にも打順3~打順6で遊技を実行する攻略性を低減することができる。
【0229】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、第1AT状態において当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し、補助遊技が実行されず15枚ベルA~15枚ベルDを入賞可能にする操作態様を報知していない状態において15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合に、遊技者にとって不利となる補助遊技に係る所定の処理として、当該遊技だけで完結する処理である第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を値「0」に向けて更新する処理を実行するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合に実行する遊技者にとって有利な抽選(第1AT中セット数上乗せ抽選、第1AT中昇格抽選、第1AT継続抽選)について、複数回の遊技(5ゲーム等)が実行されるまでは当選エリア「取りこぼし役」に当選した場合であっても実行しない等、遊技者にとって不利な補助遊技に係る所定の処理として複数回の遊技の間継続する処理を実行するように構成されていてもよい。
【0230】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、第1AT状態において当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選した場合に補助遊技を実行しないように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選した場合に補助遊技を実行するか否かを抽選し、該抽選で「補助遊技の実行」に当選した場合には、補助遊技を実行するように構成されていてもよい。
【0231】
このように構成される場合において、AT制御手段200は、第2AT状態の方が、第1AT状態よりも補助遊技が実行されやすいように構成されていればよく、例えば、第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時には約60%の確率で補助遊技を実行し、第2AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時には約99.9%の確率で補助遊技を実行するように構成されていてもよい。
【0232】
また、このように構成される場合において、AT制御手段200は、第1AT状態において補助遊技の実行の有無を決定するための制御として、乱数と抽選テーブルとを用いた抽選に限らず、例えば、補助遊技の実行の有無が規定されたデータテーブル(1回目の当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時は補助遊技を実行する、2回目の当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時は補助遊技を実行しない、と交互に補助遊技の実行の有無が予め設定されているデータテーブル等)を第1AT状態が開始されてから第1AT状態における当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の最初の当選時までの間に取得し、取得したデータテーブルを参照して補助遊技の実行の有無を決定するように構成されていてもよい。
【0233】
また、AT制御手段200は、例えば、AT制御データ記憶手段197に設けられた第1AT状態において補助遊技の実行の都度更新するカウンタの記憶値を当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時に参照し、記憶値が所定の値(例えば偶数、3の倍数等の周期性を有する値や、周期性を有することなく予め設定された任意の値等)である場合には補助遊技を実行し、記憶値が所定の値とは異なる値である場合には補助遊技を実行しないように構成されていてもよい。
【0234】
スロットマシン1では、第1AT状態での当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時における補助遊技の実行の有無について、乱数と抽選テーブルを用いた抽選によって実行の有無を決定するように構成されると、該抽選の結果が「補助遊技を実行する」に偏った場合には高頻度で15枚ベルA~15枚ベルDが入賞し短期間で第1AT状態が終了してしまうとともに短期間(例えば400ゲーム)におけるメダルの獲得数が過大となり遊技規則に反する虞があるとともに、該抽選の結果が「補助遊技を実行しない」に偏った場合にはメダルを獲得できず長期間に亘って第1AT状態が継続してしまうため、遊技者に不快感を与え遊技機としての商品性が低下する虞がある。
【0235】
このため、スロットマシン1では、第1AT状態での当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」の当選時における補助遊技の実行の有無について、予め実行の有無が規定されたデータテーブルを参照して決定する構成や、所定のカウンタの記憶値を参照して決定する構成にすることで、第1AT状態におけるメダルの払出数に著しい偏りが生じることを防ぐことができ、遊技規則を順守できるとともに遊技者に不快感を与えることを防ぎ遊技機としての商品性の低下を防止することができる。
【0236】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、第1AT状態において、差枚数に対応する値で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を更新するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、払出数に対応する値で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を更新するように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、例えば、補助遊技の対象となる役の入賞回数に対応する値で第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を更新するように構成されていてもよい。つまり、AT制御手段200は、第1AT状態が継続する期間を管理するカウンタの記憶値について、遊技価値の払出数に関する値で更新するように構成されていればよく、差枚数に限定されるものではない。
【0237】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1配当として15枚の配当が設定された小役を有し、第2配当として1枚の配当が設定された小役を有し、第3配当として10枚の配当が設定された小役を有し、第4配当として1枚の配当が設定された小役を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、第1配当が第2配当よりも高く、第3配当が第1配当よりも低く且つ第4配当よりも高く構成されていればよく、第2配当と、第4配当と、で異なる配当(例えば、第2配当が1枚、第4配当が2枚等)であってもよい。
【0238】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、第1AT状態において当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」に当選した場合と、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」に当選し15枚ベルA~15枚ベルDが入賞した場合と、に、第1AT差枚数カウンタ197cを更新するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、第1AT状態において、所定の遊技回数の遊技が実行されるまでの間、第1AT差枚数カウンタ197cの記憶値を更新しない区間を有し、該区間において第1AT状態を継続するか否かを決定する抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0239】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルB3」、当選エリア「打順ベルB4」、当選エリア「打順ベルB7」、当選エリア「打順ベルB8」について、入賞補助演出で表示される図柄と略類似した意匠性を有する画像に対応する図柄が入賞図柄組合せに設定された役に当選しない構成(当選エリア「打順ベルB3」、当選エリア「打順ベルB4」について、入賞図柄組合せを構成する右リールR3の図柄に赤BAR図柄「赤BAR」を含む小役を含んでおらず、当選エリア「打順ベルB7」、当選エリア「打順ベルB8」について、入賞図柄組合せを構成する右リールR3の図柄に白7図柄「白7」を含む小役を含んでいない)となっているが、これに限定されない。スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルB3」、当選エリア「打順ベルB4」について、入賞図柄組合せを構成する右リールR3の図柄に赤BAR図柄「赤BAR」を含む小役を含み、当選エリア「打順ベルB7」、当選エリア「打順ベルB8」について、入賞図柄組合せを構成する右リールR3の図柄に白7図柄「白7」を含む小役を含む構成であってもよい。
【0240】
このように構成されることで、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルA1」~当選エリア「打順ベルA8」、当選エリア「打順ベルB1」~当選エリア「打順ベルB8」の当選時に、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞図柄組合せを構成する図柄とは異なる図柄であり、15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞図柄組合せを構成する図柄よりも視認性が高い赤BAR図柄「赤BAR」、白7図柄「白7」に類似した意匠性を有する画像を表示する入賞補助演出を実行した場合にも、入賞補助演出で表示した画像に対応する図柄を含む役も同時に当選しているため、遊技の公正を害することなく15枚ベルA~15枚ベルD、10枚ベルA~10枚ベルDの入賞を補助することができる。
【0241】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、当選エリア「打順ベルC」の当選時に打順3~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることで10枚の配当に設定された10枚ベルA~10枚ベルDのいずれかが入賞し、当選エリア「打順ベルD」の当選時に打順1~打順6のいずれの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合にも10枚の配当に設定された10枚ベルEが入賞するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、当選エリア「打順ベルC」の当選時に打順3~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることで15枚の配当に設定された15枚ベルA~15枚ベルDのいずれかが入賞し、当選エリア「打順ベルD」の当選時に打順1~打順6のいずれの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合にも15枚の配当に設定された15枚ベルEが入賞するように構成されていてもよい。
【0242】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、複数のリールとして左リールR1~右リールR3を有し、複数のストップボタンとして左リールR1~右リールR3に対応するストップボタンB1~ストップボタンB3を有しているが、これに限らず、例えば、4本目のリールと、4本目のリールに対応するストップボタンと、を有していてもよい。
【0243】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、遊技状態として、非RT状態と、RBBが当選することで移行するボーナス成立状態と、RBBが作動することで移行するボーナス状態と、の3種の遊技状態を有するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、ボーナスが当選していない(成立状態に設定されていない)非ボーナス状態(初期状態)としての非RT状態において当選可能なボーナスとして、規定投入数として第2規定数(3枚)のメダルが投入状態に設定された場合に当選可能となる第1ボーナスとしてのRBB1と、規定投入数として第1規定数(2枚)のメダルが投入状態に設定された場合に当選可能となる第2ボーナスとしてのRBB2と、を有し、RBB1を含む当選エリアに当選することで第1ボーナス成立状態(RBB1内部中)に移行し、RBB1が作動することで第1ボーナス作動状態(第1ボーナス状態、RBB1作動中)に移行し、RBB2を含む当選エリアに当選することで第2ボーナス成立状態(RBB2内部中)に移行し、RBB2が作動することで第2ボーナス作動状態(第2ボーナス状態、RBB2作動中)に移行するように構成される5種の遊技状態を有するように構成されていてもよい。
【0244】
このように構成される場合において、スロットマシン1は、第1ボーナス成立状態において、第1規定数のメダルが投入状態に設定される遊技における内部抽選と、第2規定数のメダルが投入状態に設定される遊技における内部抽選と、のいずれにおいても、小役又はリプレイのいずれかに当選する内部抽選が実行されるように構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、第2ボーナス成立状態において、第1規定数のメダルが投入状態に設定される遊技における内部抽選では、小役又はリプレイのいずれかに当選する内部抽選が実行され、第2規定数のメダルが投入状態に設定される遊技における内部抽選では、ハズレ(不当選)となる確率を有する内部抽選が実行されるように構成されていてもよい。
【0245】
このように構成される場合において、スロットマシン1では、第2ボーナス成立状態において第2規定数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始され、内部抽選においてハズレ(不当選)となった場合、RBB2が第1規定数専用のRBBとして設定されていることから、RBB2の入賞図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示されたとしても無効となり、RBB2が作動しないように構成される。
【0246】
また、このように構成される場合において、スロットマシン1は、ボーナスが作動していない状態において、第1規定数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によって第1規定数よりも高い配当に設定された小役が入賞可能となる当選エリアを含む内部抽選が実行され、第2規定数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、第2規定数よりも少ない配当に設定された小役が入賞可能となる当選エリアを含む内部抽選が実行されるように構成されるとともに、第2ボーナス成立状態において第1規定数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、有利区間に移行可能に構成され、第2ボーナス成立状態とは異なる遊技状態と、第2ボーナス成立状態で且つ第2規定数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合と、においては、有利区間に移行しないように構成されていてもよい。
【0247】
このように構成された場合、スロットマシン1は、第2ボーナス成立状態においては、補助遊技に係る制御が実行され、補助遊技によって第1規定数より高い配当に設定された小役を確実に入賞可能になる可能性があるものの、第2ボーナス成立状態とは異なる遊技状態においては、有利区間が開始されないことで補助遊技に係る制御が実行不能であるため、遊技性が低い構成となる。
【0248】
また、このように構成される場合において、スロットマシン1は、各遊技状態において設定変更手段100によって設定変更制御が実行され、設定値記憶手段191に記憶された設定値が変更された場合に、遊技状態ごとに初期化の有無を変更可能に構成されていてもよい。具体的には、スロットマシン1は、設定値が変更される前(設定変更前)の遊技状態として、非RT状態と、第1ボーナス成立状態(RBB1内部中)と、第1ボーナス作動状態(RBB1作動中)及び第2ボーナス作動状態(RBB2作動中)と、のいずれかが設定されている場合、設定変更に基づき遊技状態の初期化を行い、設定値が変更された後(設定変更後)の遊技状態として、初期状態となる非RT状態に設定する。また、スロットマシン1は、設定変更前の遊技状態が第2ボーナス成立状態(RBB2内部中)である場合、設定変更が実行された場合にも初期化を実行せず、設定変更後の遊技状態として第2ボーナス成立状態に維持する。
【0249】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
設定値を変更可能な設定変更手段と、
規定数の遊技価値を投入状態に設定する投入受付手段と、
複数種類の役の内部抽選を行う内部抽選手段と、
複数の遊技状態の間での移行に係る制御を行う遊技状態移行制御手段と、を備え、
前記規定数には、第1規定数と、前記第1規定数とは異なる第2規定数と、が含まれ、
前記複数種類の役には、
前記第1規定数において当選可能な第1ボーナスと、
前記第2規定数において当選可能な第2ボーナスと、が含まれ、
前記内部抽選における役の当選確率は、前記設定値に応じて設定され、
前記複数の遊技状態には、
初期化により設定される初期状態と、
前記初期状態において前記第1ボーナスが当選することで移行する第1ボーナス成立状態と、
前記初期状態において前記第2ボーナスが当選することで移行する第2ボーナス成立状態と、
前記第1ボーナスが入賞し、前記第1ボーナスが作動することで移行する第1ボーナス状態と、
前記第2ボーナスが入賞し、前記第2ボーナスが作動することで移行する第2ボーナス状態と、が含まれ、
前記第1ボーナスは、前記第2規定数の遊技価値が投入状態に設定された遊技では作動せず、
前記第2ボーナスは、前記第1規定数の遊技価値が投入状態に設定された遊技では作動せず、
前記設定値が変更された場合に、遊技状態を初期化可能であり、
遊技状態が前記第1ボーナス成立状態である状態で前記設定値が変更された場合には、遊技状態を初期化し、
遊技状態が前記第2ボーナス成立状態である状態で前記設定値が変更された場合には、遊技状態を初期化しない、
ように構成されていてもよい。
【0250】
このように構成されることで、スロットマシン1は、遊技状態が第1ボーナス成立状態に移行し、遊技が進行する限りにおいて他の遊技状態への移行が極めて困難になり第2ボーナス成立状態へ移行できなくなった場合でも、設定変更が行われることで遊技状態が非RT状態に移行され、非RT状態において第2規定数のメダルを投入状態に設定した遊技が実行されることで第2ボーナス成立状態に移行可能となるため、遊技性が低い第1ボーナス成立状態が長期に亘って継続してしまうことを防止し、遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0251】
また、このように構成されることで、スロットマシン1は、遊技状態が第2ボーナス成立状態に設定されている状態で設定値が変更された場合においても、遊技状態を第2ボーナス成立状態に維持することで、設定値を変更した以降の遊技において、第2ボーナス成立状態とは異なる遊技状態に移行してしまうことを防止し、遊技性が高い第2ボーナス成立状態を維持できるため、設定変更による初期化によって遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0252】
また、このように構成される場合において、スロットマシン1は、遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを示唆可能に構成されていてもよい。以下に、遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを示唆可能に構成される場合におけるスロットマシン1の構成の詳細について説明する。
【0253】
図19は、変形例のスロットマシン1000の外観構成を示す斜視図である。なお、
図19に示すスロットマシン1000において、スロットマシン1と共通する構成要素については、同符号を付して説明を省略する。
【0254】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、7セグメント表示器の遊技情報LED270c(
図20参照)から構成されており、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0255】
遊技情報表示部DSは、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示(報知表示)を遊技情報LED270cの表示態様によって行う主制御表示装置500としても機能する。また、遊技情報表示部DSでは、報知表示の表示後左リールR1~右リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。変形例のスロットマシン1000では、当選役コマンドに応じた表示態様で遊技情報LED270cの各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0256】
マックスベットボタンMBは、内部から照射される光を透過可能な樹脂材料から構成されている。マックスベットボタンMBの内部には、マックスベットボタンMBを操作することでメダルを投入可能である場合に発光することで、メダルを投入可能な状態であることを示唆するベットLED270b(
図20参照)が配設されている。
【0257】
ストップボタンB1~ストップボタンB3は、内部から照射される光を透過可能な樹脂材料からそれぞれ構成されている。ストップボタンB1の内部には、ストップボタンB1を操作することで左リールR1を停止可能な場合には緑色に発光し、ストップボタンB1を操作しても左リールR1の回転態様が変化しない場合には赤色に発光することで、ストップボタンB1が操作可能か否かを示唆する第1ストップLED270d(
図20参照)が配設されている。ストップボタンB2の内部には、ストップボタンB2を操作することで左リールR1を停止可能な場合には緑色に発光し、ストップボタンB2を操作しても中リールR2の回転態様が変化しない場合には赤色に発光することで、ストップボタンB2が操作可能か否かを示唆する第2ストップLED270e(
図20参照)が配設されている。ストップボタンB3の内部には、ストップボタンB3を操作することで右リールR3を停止可能な場合には緑色に発光し、ストップボタンB3を操作しても右リールR3の回転態様が変化しない場合には赤色に発光することで、ストップボタンB3が操作可能か否かを示唆する第3ストップLED270f(
図20参照)が配設されている。
【0258】
前面下扉DDの下部には、下パネル部350が配設されている。下パネル部350は、内部に配設され画像が印刷された装飾シートを視認可能に構成されているとともに、内部に配設された下部LED270a(
図20参照)から照射される光によって発光可能に構成されている。
【0259】
変形例のスロットマシン1000は、遊技状態が第2ボーナス成立状態に維持された状態で遊技が実行されることで、遊技機としての商品性が最も高まる構成となっており、商品性の低下を防ぐために第2ボーナス成立状態において設定値が変更された場合に、遊技状態が第2ボーナス成立状態に維持される構成となっている。
【0260】
しかしながら、スロットマシン1000においては、例えば、長期に亘って電源が投入されないことで内部メモリが初期化される場合や、内部メモリにエラーが発生していることに基づき設定変更による初期化の際に遊技状態も初期化される場合等、電源がOFFになる前に遊技状態が第2ボーナス成立状態であった場合であっても、遊技状態が初期状態としての非RT状態等の第2ボーナス成立状態以外の遊技状態に設定される場合がある。
【0261】
このため、変形例のスロットマシン1000は、電源が投入された場合における遊技状態が第2ボーナス成立状態であれば、下パネル部350の下部LED270aが点灯し、電源が投入された場合における遊技状態が第2ボーナス成立状態とは異なる遊技状態であれば、下パネル部350の下部LED270aが点滅する構成となっている。また、スロットマシン1000は、遊技状態が第1ボーナス成立状態である場合等、設定変更による初期化を行わないと第2ボーナス成立状態に移行することが困難な場合に、下パネル部350の下部LED270aが消灯した状態に維持される構成となっている。
【0262】
スロットマシン1000では、下パネル部350の下部LED270aが点滅している状態で第1規定数(2枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が実行され、RBB2を含む当選エリアに当選した場合に、下部LED270aの発光態様が変化することで、RBB2の当選を示唆する構成となっている。具体的には、スロットマシン1000では、下パネル部350の下部LED270aが点滅している状態でRBB2を含む当選エリアに当選した場合に、下部LED270aの発光態様が点滅した状態から点灯が維持された状態に変化する。スロットマシン1000は、RBB2を含む当選エリアに当選した遊技において、RBB2が入賞しなかった場合には、下部LED270aを点灯させた状態を維持し、RBB2が入賞した場合には、下部LED270aを消灯させる。
【0263】
つまり、変形例の遊技機は、遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを示唆可能な示唆手段(第1示唆手段)として、下部LED270aの発光態様によって遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを示唆可能に構成されている下パネル部350を備える構成となっている。
【0264】
このような構成により、変形例のスロットマシン1000は、下パネル部350の下部LED270aの発光態様によって、遊技状態が第2ボーナス成立状態であるか否かを示唆することができ、設定変更による初期化を行った際に第2ボーナス成立状態が初期化された場合であっても、遊技状態が第2ボーナス成立状態ではないことが遊技場の店員に示唆され、遊技状態が第2ボーナス成立状態に移行するまで遊技を実行させて第2ボーナス成立状態に復帰させることができるため、設定変更による初期化によって遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0265】
また、このような構成により、スロットマシン1000は、遊技場の店員がスロットマシン1000の電源を入れた場合に、下パネル部350の下部LED270aが点滅している場合には第1規定数(2枚)のメダルを投入して遊技を実行することで第2ボーナス成立状態への移行を図り、下パネル部350の下部LED270aが点灯している場合には遊技を終了し、下パネル部350の下部LED270aが消灯している場合には設定変更を行って初期化した後に第1規定数(2枚)のメダルを投入して遊技を実行することで第2ボーナス成立状態への移行を図ることができるため、遊技状態が第2ボーナス成立状態ではなく遊技機の商品性が低下した状態で遊技が実行されてしまうことを防ぐことができる。
【0266】
なお、スロットマシン1000では、下パネル部350の下部LED270aが点滅している状態でRBB2を含む当選エリアに当選した場合に、下部LED270aの発光態様が点滅した状態から点灯が維持された状態に変化する構成に限らず、例えば、RBB2を含む当選エリアに当選した場合に、下部LED270aの点滅周期が早まることで、RBB2を含む当選エリアの当選が示唆されるように構成されていてもよい。
【0267】
次に、変形例のスロットマシン1000が備える発光手段の詳細について、
図20を用いて説明する。
【0268】
図20は、発光手段が内部に配設されている下パネル部350と、マックスベットボタンMBと、遊技情報表示部DSと、ストップボタンB1~ストップボタンB3と、のそれぞれの寸法を説明する図である。なお、
図20において、下パネル部350と、遊技情報表示部DSと、ストップボタンB1~ストップボタンB3と、は、スロットマシン1000を正面視した状態における寸法を示し、マックスベットボタンMBは、スロットマシン1000を上面視した状態における寸法を示している。
【0269】
図20に示すように、発光手段のうち下部LED270aが内部に配設されている下パネル部350は、正面視における左右方向の幅が幅W1、上下方向の高さが高さH1に構成されており、下部LED270aの発光態様によって遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを示唆する領域(第1領域)が、幅W1×高さH1=領域S1となるように構成されている。
【0270】
発光手段のうちベットLED270bが内部に配設されているマックスベットボタンMBは、上面視における左右方向の幅が幅W2、上下方向の高さが高さH2に構成されており、ベットLED270bの発光態様によってメダルを投入可能な状態であることを示唆する領域(第2領域)が、幅W2×高さH2=領域S2となるように構成されている。
【0271】
発光手段のうち遊技情報LED270cが内部に配設されている遊技情報表示部DSは、正面視における左右方向の幅が幅W3、上下方向の高さが高さH3に構成されており、遊技情報LED270cの発光態様によってクレジットされているメダルの枚数を含む各種遊技情報を表示する領域(第3領域)が、幅W3×高さH3=領域S3となるように構成されている。
【0272】
発光手段のうち第1ストップLED270dが内部に配設されているストップボタンB1と、第2ストップLED270eが内部に配設されているストップボタンB2と、第3ストップLED270fが内部に配設されているストップボタンB3と、は、正面視においてストップボタンB1の左端からストップボタンB3の右端までの領域の幅が幅W4となっている。つまり、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、正面視における左右方向の幅が幅W4の領域内に配設されている。また、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、それぞれ高さH4に構成されている。
【0273】
図20に示すように、下パネル部350の幅W1は、マックスベットボタンMBの幅W2、遊技情報表示部DSの幅W3、ストップボタンB1の左端からストップボタンB3の右端までの幅W4よりも長い幅となっている。また、下パネル部350の高さH1は、マックスベットボタンMBの高さH2、遊技情報表示部DSの高さH3、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれの高さH4よりも長い高さとなっている。
【0274】
換言すると、示唆手段(下パネル部350)は、正面視における左右方向の幅が第1幅(幅W1)で且つ正面視における上下方向の高さが第1高さ(高さH1)であり、複数のストップボタンは、左右方向の幅が第2幅(幅W4)の領域内に配設され、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、それぞれ上下方向の高さが第2高さ(高さH4)であり、第1幅は、第2幅よりも長く、第1高さは、第2高さよりも長く構成されている。
【0275】
また、下パネル部350において下部LED270aの発光態様によって遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを示唆する領域S1は、マックスベットボタンMBにおいてベットLED270bの発光態様によってメダルを投入可能であることを示唆する領域S2よりも大きく、また、遊技情報表示部DSにおいて遊技情報LED270cの発光態様によってクレジットされているメダルの枚数を報知する領域S3よりも大きい構成となっている。
【0276】
換言すると、遊技機は、遊技状態が第2ボーナス成立状態であることを第1領域(領域S1)において示唆可能な第1示唆手段(下パネル部350)と、遊技価値を投入可能な状態であることを第2領域(領域S2)において示唆可能な第2示唆手段(マックスベットボタンMB)と、クレジットされている遊技価値の数を第3領域(領域S3)において表示可能な表示手段(遊技情報表示部DS)と、を備え、第1領域は、第2領域及び第3領域よりも大きい領域に構成されている。
【0277】
このような構成により、変形例のスロットマシン1000は、マックスベットボタンMBにおいてベットLED270bの発光態様によってメダルを投入可能であることを示唆する領域S2よりも大きい領域S1から構成されることで十分な視認性を有する下パネル部350の下部LED270aの発光態様によって、遊技状態が第2ボーナス成立状態であるか否かを示唆することができ、設定変更による初期化を行った際に第2ボーナス成立状態が初期化された場合であっても、遊技状態が第2ボーナス成立状態ではないことが遊技場の店員に示唆され、遊技状態が第2ボーナス成立状態に移行するまで遊技を実行させて第2ボーナス成立状態に復帰させることができるため、設定変更による初期化によって遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0278】
また、変形例のスロットマシン1000は、遊技情報表示部DSにおいて遊技情報LED270cの発光態様によってクレジットされているメダルを枚数を表示する領域S3よりも大きい領域S1から構成されることで十分な視認性を有する下パネル部350の下部LED270aの発光態様によって、遊技状態が第2ボーナス成立状態であるか否かを示唆することができ、設定変更による初期化を行った際に第2ボーナス成立状態が初期化された場合であっても、遊技状態が第2ボーナス成立状態ではないことが遊技場の店員に示唆され、遊技状態が第2ボーナス成立状態に移行するまで遊技を実行させて第2ボーナス成立状態に復帰させることができるため、設定変更による初期化によって遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0279】
また、変形例のスロットマシン1000は、ストップボタンB1の左端からストップボタンB3の右端までの領域の幅W4よりも長い幅W1から構成されることで十分な視認性を有する下パネル部350の下部LED270aの発光態様によって、遊技状態が第2ボーナス成立状態であるか否かを示唆することができ、設定変更による初期化を行った際に第2ボーナス成立状態が初期化された場合であっても、遊技状態が第2ボーナス成立状態ではないことが遊技場の店員に示唆され、遊技状態が第2ボーナス成立状態に移行するまで遊技を実行させて第2ボーナス成立状態に復帰させることができるため、設定変更による初期化によって遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0280】
また、変形例のスロットマシン1000は、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれの高さH4よりも長い高さH1から構成されることで十分な視認性を有する下パネル部350の下部LED270aの発光態様によって、遊技状態が第2ボーナス成立状態であるか否かを示唆することができ、設定変更による初期化を行った際に第2ボーナス成立状態が初期化された場合であっても、遊技状態が第2ボーナス成立状態ではないことが遊技場の店員に示唆され、遊技状態が第2ボーナス成立状態に移行するまで遊技を実行させて第2ボーナス成立状態に復帰させることができるため、設定変更による初期化によって遊技機の商品性が低下してしまうことを防止できる。
【0281】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMBを有しているが、これに限らず、例えば、マックスベットボタンMBに加え、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンを有するように構成されていてもよい。
【0282】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、遊技価値として、メダルを投入及び払出可能に構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、スロットマシン1の外部に設けられ、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法によって記録可能な構成を有する遊技価値管理装置(専用ユニット)から出力される投入信号に基づき、遊技価値を投入状態に設定し、遊技価値の払い出しを行う場合に、遊技価値管理装置へ払出信号を出力し、遊技価値管理装置において所定の記録媒体に払出信号に対応する遊技価値を電磁的方法によって記録するように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、いわゆるメダルレス遊技機から構成されていてもよい。
【0283】
このように構成される場合、スロットマシン1は、例えば、遊技者によって遊技価値管理装置に投入された金額に対応するクレジット数を表示するクレジット数表示手段を有するように構成される。また、スロットマシン1は、最大で16368枚のメダルに相当する遊技価値をクレジット可能に構成され、16368枚を超える遊技価値がクレジットされた場合、遊技制御手段をエラー状態に設定し、遊技価値管理装置を介して所定の記録媒体に電磁的方法によって記録される方式によって遊技価値が払い出されることで16368枚以下のクレジット数になるまで、遊技不可(遊技価値が投入状態に設定されずスタートレバーSLへの開始操作が有効化されない状態)に構成されていてもよい。
【0284】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0285】
1 スロットマシン(遊技機)
100 設定変更手段
120 内部抽選手段
B1 ストップボタン(第1ストップボタン)
B2 ストップボタン(第2ストップボタン)
B3 ストップボタン(第3ストップボタン)
R1 左リール(第1リール)
R2 中リール(第2リール)
R3 右リール(第3リール)