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▶ 武嶋 清治の特許一覧

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  • 特開-手袋 図1
  • 特開-手袋 図2
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  • 特開-手袋 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057512
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/015 20060101AFI20230414BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A41D19/015 610Z
A41D19/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021180641
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】508171147
【氏名又は名称】武嶋 清治
(72)【発明者】
【氏名】武嶋 清治
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA15
3B033AA29
3B033AB14
3B033AC07
3B033AC08
3B033AC10
(57)【要約】
【課題】着用しても正確な静電容量タッチ式パネルを操作できる手袋を提供する。
【解決手段】手袋内部に人体接点部111を連結部113を通じてパネル接点部112に導電して連結させる。手袋内部から感覚的にパネル接点部112の位置と面積が指の腹の感触でわかり、パネル接点部112が静電容量タッチ式パネル100のどこと接触しているかわかる構成され、隣のアイコンなどの誤操作を防ぎ正確な静電容量タッチ式パネル100の操作ができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式タッチパネルを操作する手袋において、前記静電容量式タッチにふれて操作する静電容量式パネル駆動用ポインタを備え、
前記静電容量式タッチパネル駆動用ポインタは、人体に接する人体接点部と、静電容量式タッチパネルに接するパネル接点部と、人体接点部とパネル接点部とを連結する連結部を備え、前記人体接点部と前記パネル接点部と前記連結部は導電されていることを特徴とする手袋。
【請求項2】
前記人体接点部は、前記人体の指に接するように配置されており、
前記人体接点部が前記人体の指に接触することにより、使用者は前記人体接点部を触覚で認識するものであり、
前記パネル接点部は、前記連結部を通して前記人体接点部と同軸上に具備されており、
前記人体接点部を指先の感触にて認識することにより、前記静電容量式タッチパネルに触れたときに、前記パネル接点部が前記静電容量式タッチパネルのどの範囲に接触しているのか認識できる請求項1記載の手袋。
【請求項3】
前記人体の指に接するように配置された感触認識部をさらに備え、
前記感触認識部は、前記人体の指に接触することにより、使用者は前記感触認識部を触覚で認識するものであり、
前記パネル接点部は、前記連結部を通して前記感触認識部と同軸上に具備されており、
前記感触認識部を指先の感触にて認識することにより、静電容量式タッチパネルに触れたときに、前記パネル接点部が静電容量式タッチパネルのどの範囲に接触しているのか認識できる請求項1記載の手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装着した状態で静電容量式タッチパネルを正確に操作できる手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静電容量式タッチパネルを備えた電子デバイスが急激に広い範囲で普及しつつある。これらの電子デバイスは冬季の屋外などの寒いところで使用することもある。そこで、手袋をはめたままの静電容量タッチ式パネルを操作したいという要望がある。
【0003】
しかし、従来の材質、構造の手袋では静電容量タッチ式パネルを操作できない。この問題の解決方法として特許文献1に開示してあるように従来の非導電性手袋の指先に、所定面積を有する導電体を具備した手袋がある。この導電体は導電性を有する糸、塗料、樹脂、金属材またはゴム材などである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-81896号公報
【特許文献2】実用新案登録第3194216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に開示された指先部分に所定面積を有する導電体を設けた手袋では手袋の内側の指からは導電体が静電容量タッチ式パネルに接する範囲がわかりにくいため静電容量タッチ式パネルにどこがタッチしているか認識しづらいためと、手袋を装着するため静電容量タッチ式パネルに触れる導電体が、素の手の指先よりも一回り面積が大きくなるため、意識したパネル部分を正確にタッチする操作の難度が著しくあがり静電容量式タッチパネルの操作が極めて困難である。
【0006】
特許文献1,2に開示された指先部分に所定面積を有する導電体は人体と確実に接触する構造になっていない。静電容量タッチ式パネルを確実に操作するためには動作原理上、指先部分の導電体が人体と接触していなければいけない。従って、特許文献1,2に開示された指先に導電体を具備するだけでは正確なタッチパネルの操作は困難である。
【0007】
本発明は静電容量式タッチパネル駆動ポインタを導入することにより、となりのアイコンをタッチしないなど正確な静電容量式タッチパネルの操作可能な手袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る手袋は、静電容量式タッチパネルを操作する手袋において、前記静電容量式タッチに触れて操作する静電容量式タッチパネル駆動用ポインタを備え、前記静電容量式タッチパネル駆動用ポインタは、人体に接する人体接点部と、静電容量式タッチパネルに接するパネル接点部と、人体接点部とパネル接点部とを連結する連結部を備え、前記人体接点部と前記パネル接点部と前記連結部は導電されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の手袋の具体的な一実施形態としては、前記人体接点部は、前記人体の指に接するように配置されており、
前記人体接点部が前記人体の指に接触することにより、使用者は前記人体接点部を触覚で認識するものであり、
前記パネル接点部は、前記連結部を通して前記人体接点部と同軸上に具備されており、
前記人体接点部を指先の感触にて認識することにより、前記静電容量式タッチパネルに触れたときに、前記パネル接点部が前記静電容量式タッチパネルのどの範囲に接触しているのか認識できる。
【0010】
さらに、本発明の手袋の具体的な一実施形態としては、前記人体の指に接するように配置された感触認識部をさらに備え、
前記感触認識部は、前記人体の指に接触することにより、使用者は前記感触認識部を触覚で認識するものであり、
前記パネル接点部は、前記連結部を通して前記感触認識部と同軸上に具備されており、
前記感触認識部を指先の感触にて認識することにより、静電容量式タッチパネルに触れたときに、前記パネル接点部が静電容量式タッチパネルのどの範囲に接触しているのか認識できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明においていては、素手で静電容量式タッチパネルを操作する場合に近い感覚で静電容量式タッチパネルに触れることが出来るため隣のアイコン等にタッチするなどの誤動作を防ぐことにより複雑かつ正確な操作できる。さらにパネル接点部を素手の指先よりも面積を小さくすることで素手での操作より、一層精密な操作を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 この発明の一実施形態の静電容量式タッチパネル操作用手袋を示す正面図(a)と裏面図(b)である。
図2】 この実施形態の静電容量式タッチパネル操作用手袋の使用状態を示し、例の指先部分断面図(a)と手袋指先の内部図(b)である。
図3】 この実施形態の静電容量式タッチパネル操作用手袋の使用状態を示し、感触認識部をもちいた例の指先部分断面図(a)と手袋指先の内部図(b)である。
図4】 この実施形態の静電容量式タッチパネル操作用手袋の使用状態を示し、人体接点部が指先ではなく手首で人体と導電している場合の静電容量式タッチパネル操作用手袋の使用状態を示し、例の指先部分断面図(a)と手袋指先の内部図(b)である。
図5】 この実施形態の静電容量式タッチパネル操作用手袋の使用状態を示し、人体接点部よりもパネル接点部の面積を小さくしてより精緻な静電容量式タッチパネルの操作ができる状態を示し、例の指先部分断面図(a)と手袋指先の内部図(b)と手袋指先の外部図(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の静電容量式タッチパネル操作用手袋の第1実施例形態について、図1図2に基づいて説明する。まず、図1の正面図(a)と裏面図(b)について説明する。この実施形態の静電容量式タッチパネル操作手袋10は従来の手袋と同様、被導電性の糸や革などで手袋状に形成された手袋本体12から成る。手袋本体10は手の平部14と手の甲部16が筒状に形成され、手の甲部12と手の甲部16の端部には親指部20、人差指部22、中指部24、薬指部26、小指部28の5本の指部が形成されている。
【0014】
親指部20、人差指部22、中指部24、薬指部26、小指部28の腹の部分の腹には導電性のゴムなどにより形成された静電容量式タッチパネル駆動ポインタ30を具備する。
【0015】
次に図2を用いて静電容量式タッチパネル駆動用ポインタ30の構造を説明する。(a)は指先部断面で(b)は指先内部図である。静電容量式タッチパネル駆動用ポインタ30は導電性の材質で形成されており、指先102に接する人体接点部111と円形状のタッチパネル100に接するパネル接点部112と人体接点部111とパネル接点部112を繋ぎ止める連結部113からなる。人体接点部111とパネル接点部112の形状は同軸上の円形状が好ましいがそれぞれの中心が顕著にわかれば円形状に限らなくても良い。
【0016】
人体接点部111はパネル接点部112がタッチパネル100と接触する範囲と同等の位置と面積が把握されるようにパネル接点部と同軸上にほぼ同サイズで形成されている。また、手袋布地101の内部では人体接点部111が凸状になっている。そのため手袋を装着した時に指先102が人体接点部111の上部表面全体が指の腹で接触し、人体接点部111指の腹のどの位置で接触しているか感触で把握できる。
【0017】
パネル接点部112は連結部113を通して人体接点部111の同軸上に取り付けられている。このパネル接点部112の取り付けの構造上、前述の通り手袋布地101内部の指が感触で人体接点部を感触で認知した位置と面積のほぼ同等の位置と面積でパネル接点部112がタッチパネル100に接触することになる。
【0018】
従来のタッチパネル操作用手袋では不可能だった手袋を装着した人物が、手袋がタッチパネル100に接触する位置と面積を認識できることにより、タッチパネル100の操作時に隣のアイコンをタッチしてしまう等の誤動作を防ぎ、正確な静電容量式タッチパネルの操作を可能とする。
【0019】
また、パネル接点部112の面積を素手でタッチパネル100に触れる面積によりも小さくすれば、隣のアイコンに触れるなどの誤タッチを少なく出来るためより精緻なタッチパネル100の操作も可能とする。
【0020】
本発明の第2実施形態における手袋について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。第2実施形態として図3に基づいて感触認識部114の機能を説明する。(a)は指先部断面で(b)は指先内部図である。本実施形態では人体接点部111の人体と接触する面積が小さい。そのかわり人体接点部111の周りに感触認識部114具備されており、手袋を装着した指が人体接点111と感触認識部114の範囲が指先の感触でその範囲がわかる。感触認識部114とパネル接点部は同軸上に円形状に具備されることが好ましいがそれぞれの中心が顕著にわかれば円形状に限らなくても良い。
【0021】
感触認識部114が第1実施形態における人体接点部111と同じ機能を果たし、正確な静電容量式タッチパネルの操作が出来る。
【0022】
本発明の第3実施形態における手袋について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。第3実施形態として図4に基づいて説明する。(a)は指先部断面図で(b)は指先内部図である。本実施形態では第1実施形態とは違い人体接点部111は指先102で人体と接触せず、手袋布地101内に具備され手首などで人体と接触し導電される。
【0023】
本発明の第4実施形態における手袋について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。第4実施形態として図5に基づいて説明する。(a)は指先部断面図で(b)は指先内部図で(c)は指先外部図である。本実施形態では第1実施形態とは違い人体接点部111よりもパネル接点部112の面積が小さい。
【0024】
タッチパネルのタッチするべきポイントが指先の面積に対し小さい時に素手の時よりもパネル接点部112の面積が小さいため誤タッチを防ぎ精緻なタッチパネルの操作が可能になる
【0025】
なお、この実施形態の静電容量式タッチパネル駆動用ポインタを備えたことを特徴とする手袋は、上記実施形態に限定されず、静電容量式タッチパネル駆動ポインタの数や形状は適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 タッチパネル操作用手袋
10a タッチパネル操作用手袋
10b タッチパネル操作用手袋
10c タッチパネル操作用手袋
10d タッチパネル操作用手袋
12 手袋本体
14 手の平部
16 手の甲部
20 親指部
22 人差指部
24 中指部
26 薬指部
28 小指部
30 静電容量式タッチパネル駆動ポインタ
100 タッチパネル
101 手袋布地
102 指先
111 人体接点部
112 パネル接点部
113 連結部
114 感触認識部
図1
図2
図3
図4
図5