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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057540
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20230414BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A61L9/20
A61L9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161964
(22)【出願日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2021166980
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519118186
【氏名又は名称】株式会社F&S
(71)【出願人】
【識別番号】509045450
【氏名又は名称】樋浦 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋浦 栄一
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CC03
4C180DD03
4C180EA34X
4C180HH05
4C180HH18
(57)【要約】
【課題】各種配管設備の一部に組み込むことが可能な紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】換気装置の吸気側に組み込まれ、空気に紫外線を照射する紫外線照射装置1であって、紫外線照射装置1は、紫外線照射手段2と、換気装置に接続され、紫外線照射手段2を収容するケース3と、を備え、ケース3は、開閉可能なものとすることで、流路に組み込む際の紫外線照射装置1の設置及び整備及びケース3内の清掃を容易なものとすることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体が流通する流路に組み込まれ、前記気体に紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
紫外線照射手段と、
前記流路に接続され、前記紫外線照射手段を収容する筒状のケースと、を備え、
前記ケースは、開閉可能なものとすることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記ケースは前記気体の流通方向と交差する方向の断面形状を多角形又は円形とし、
前記紫外線照射手段は前記ケース内部の中心に配置され、
前記ケースの内面に鏡面加工を施したものとすることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記紫外線照射手段は、前記ケース内で前記気体の流通方向に沿って伸びる棒状とし、前記ケースの導入口及び流出口を前記紫外線照射手段の中心軸方向と同一に備えたことを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記ケースの内面に光触媒処理を施したものとすることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線による紫外線照射装置には、装置内を通過する空気に対して紫外線を照射するものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の紫外線照射装置では、天井裏等の各種配管設備の一部に組み込むことが困難であるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、各種配管設備の一部に組み込むことが可能な紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、気体が流通する流路に組み込まれ、前記気体に紫外線を照射する紫外線照射装置であって、紫外線照射手段と、前記流路に接続され、前記紫外線照射手段を収容する筒状のケースと、を備え、前記ケースは、開閉可能なものとすることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記ケースは前記気体の流通方向と交差する方向の断面形状を多角形又は円形とし、前記紫外線照射手段は前記ケース内部の中心に配置され、前記ケースの内面に鏡面加工を施したものとすることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記ケース内で前記気体の流通方向に沿って伸びる棒状とし、前記ケースの導入口及び流出口を前記紫外線照射手段の中心軸方向と同一に備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、前記ケースの内面に光触媒処理を施したものとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、流路に組み込む際の紫外線照射装置の設置及び整備及びケース内の清掃を容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施例における紫外線照射装置を用いた実施形態を示す側面図である。
【
図3】同上、紫外線照射装置の中心軸方向の断面図である。
【
図4】同上、紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図5】同上、ケースを開いた状態を示す紫外線照射装置の斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施例における紫外線照射装置を用いた実施形態を示す側面図である。
【
図7】本発明の第3実施例における紫外線照射装置を用いた実施形態を示す側面図である。
【
図8】本発明の第4実施例における紫外線照射装置を用いた実施形態を示す側面図である。
【
図9】本発明の第5実施例における紫外線照射装置の斜視図である。
【
図11】同上、紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図12】同上、紫外線照射装置におけるケースを開いた状態を示す斜視図である。
【
図13】本発明の第6実施例における紫外線照射装置の中心軸方向の断面図である。
【
図14】同上、異なる実施形態の紫外線照射装置の中心軸方向の断面図である。
【
図15】本発明の第7実施例における紫外線照射装置の中心軸方向の断面図である。
【
図16】本発明の第8実施例における第1の分割体を開き、ケースを開いた状態の紫外線照射装置を示す斜視図である。
【
図17】同上、ケースを閉じた状態の紫外線照射装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図18】同上、第1の分割体を吊りボルトに沿って上昇させて、
図16の状態からケースをさらに開いた状態の紫外線照射装置の斜視図である。
【
図19】同上、紫外線照射装置の別の使用状態を示す斜視図である。
【
図20】本発明の第9実施例における紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図21】同上、別の実施形態における紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図22】同上、別の実施形態における紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図23】同上、別の実施形態における紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図24】同上、別の実施形態における紫外線照射装置の中心軸と直交する方向の断面図である。
【
図25】本発明の第10実施例における紫外線照射装置を用いた実施形態を示す側面視断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例0013】
図1~
図5は本発明の実施例1を示すものであり、
図1~
図5に基づき、本実施例の紫外線照射装置1について説明する。紫外線照射装置1は、紫外線照射手段2と、紫外線照射手段2を収容するケース3を備えている。
【0014】
紫外線照射手段2は、紫外線を放出する棒状の紫外線ランプとする。尚、紫外線照射手段2から放出される紫外線の波長は適宜変更可能とする。
【0015】
ケース3は、金属製又は合成樹脂製の断面形状を多角形又は円形の両端を開口した中空筒型とし、その内面は、紫外線を反射するための鏡面処理が施されているとともに、紫外線の照射を受けてその内面を浄化処理する酸化チタン等の光触媒処理が施されている。
【0016】
ケース3の一方の開口部を導入口4とし、ケース3の導入口4と反対側の開口部を流出口5とする。紫外線照射手段2は、紫外線照射手段2の中心軸6がケース3の中心軸7上に配置されるようにケース3に収容されており、前記ケース3の導入口4及び流出口5を前記紫外線照射手段2の中心軸6方向と同一に備えている。尚、導入口4と流出口5には静電防止用にナイロン等の合成樹脂製の第1の絶縁フランジ部8と第2の絶縁フランジ部8を備え、ケース3に静電防止対策を施し、ケース3の内面に埃やゴミが付着するのを防止している。
【0017】
ケース3は、ケース3をその中心軸7方向に二等分割する第1の分割体10と第2の分割体11からなる分割構造としており、第1の分割体10と第2の分割体11をヒンジ構造12で連結して、ケース3をその中心軸7方向に開閉することで、ケース3内部の紫外線照射手段2全体を露出可能としている。
【0018】
本実施例の紫外線照射装置1は、天井裏13で空気を循環させるための気体の流路である換気装置14に組み込まれて使用される。換気装置14は、天井裏13に配置された送風ファン15と、天井面16にそれぞれ開口して形成された空気の吸気口17と排気口18と、天井裏13で送風ファン15と吸気口17を連結する吸気用ダクト(レタンダクト)19と、天井裏13で送風ファン15と排気口18を連通する排気用ダクト(サプライダクト)20を備え、吸気口17から導入された室内21の空気を送風ファン15によって排出口18から再度室内21に送り出して、天井裏13を経由させて空気を循環させるものである。
【0019】
紫外線照射装置1は、吸気用ダクト19の途中を、第1の絶縁フランジ部8と第2の絶縁フランジ部9に接続して、吸気用ダクト19とケース3を連通している。
【0020】
本実施例の紫外線照射装置1の使用方法について説明する。換気装置14の送風ファン15を作動させると、吸気口17から室内21の空気が吸気用ダクト19に導入されて、吸気用ダクト19から導入口4を経てケース3の内部に導入された空気は紫外線照射手段2から照射された紫外線によって殺菌されて、流出口5を経て吸気用ダクト19へ戻されて、排気口18を経て室内21へと殺菌された空気として戻される。この空気の循環サイクルを繰り返すことによって、室内空気の殺菌処理が促進される。
【0021】
図5に示すように紫外線照射装置1の手入れに関しては、ケース3を開いてケース3の内面の清掃や露出された紫外線照射手段2の清掃を行うことができる。
【0022】
以上のように本実施例は、気体である空気が流通する流路である換気装置14の吸気側に組み込まれ、空気に紫外線を照射する紫外線照射装置1であって、紫外線照射装置1は、紫外線照射手段2と、換気装置14に接続され、紫外線照射手段2を収容するケース3と、を備え、ケース3は、開閉可能なものとすることで、流路に組み込む際の紫外線照射装置1の設置及び整備及びケース3内の清掃を容易なものとすることができる。紫外線照射装置1が換気装置14の吸気側に組み込まれることで、換気装置14自体の浄化を行うことができる。
【0023】
また、本実施例の紫外線照射装置1は、ケース3は気体の流通方向と交差する方向の断面形状を多角形又は円形とし、紫外線照射手段2はケース3内部の中心に配置され、ケース3の内面に鏡面加工を施したことで、ケース3を流通する空気に紫外線照射手段2からの直接の紫外線及びケース3に反射した紫外線を効率よく照射することができる。
【0024】
また、本実施例の紫外線照射装置1は、紫外線照射手段2は、前記ケース3内で前記気体の流通方向に沿って伸びる棒状とし、前記ケース3の導入口4及び流出口5を前記紫外線照射手段2の中心軸6方向と同一に備えたことにより、紫外線照射手段2がケース3を流通する気体の流れを阻害することなく紫外線を照射するので、組み込まれた流路の流れを阻害しない紫外線照射装置1を提供することができる。
【0025】
また、本実施例の紫外線照射装置1は、ケース3の内面に光触媒加工を施したことにより、紫外線が照射されるケース3の内面を浄化処理することができる。
【0026】
また、実施例上の効果として、紫外線照射装置1は、天井裏13の換気装置14の吸気用ダクト19に組み込まれて使用されるため、室内21の人畜への紫外線被ばくを防止することができる。
【実施例0027】
図6は、本発明の実施例2を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の紫外線照射装置1は、エアコンディショナー等の空調装置22に組み込まれて使用される。空調装置22は、室外に配置された送風手段を有する機械室23と、天井面16にそれぞれ開口して形成された空気の第1の吸気口24、第2の吸気口25及び排気口26と、天井裏13から室外の機械室23と第1の吸気口24及び第2の吸気口25を連結する吸気用ダクト(レタンダクト)27と、天井裏13から室外の機械室23と排気口26を連通する排気用ダクト(サプライダクト)28を備え、各吸気口24、25から導入された室内21の空気を機械室23で温度・湿度を調整した後に排気口26から再度室内21に送り出して、天井裏13を経由させて空気を循環させるものである。吸気用ダクト27は機械室23から第1の吸気口24と第2の吸気口25へとそれぞれ二股に分岐した第1の分岐路29と第2の分岐路30を備えている。
【0028】
本実施例では2つの紫外線照射装置1A、1Bを、第1の分岐路29の途中と第2の分岐路30の途中に対して、それぞれ第1の絶縁フランジ部8と第2の絶縁フランジ部9に接続して、第1の分岐路29と第2の分岐路30とそれぞれのケース3、3を連通している。
【0029】
本実施例の紫外線照射装置1A、1Bの使用方法について説明する。空調装置22の機械室23を作動させると、第1の吸気口24及び第2の吸気口25から室内21の空気が第1の分岐路29及び第2の分岐路30に導入されて、第1の分岐路29及び第2の分岐路30から導入口4を経て紫外線照射装置1A、1Bのケース3の内部に導入された空気は紫外線照射手段2から照射された紫外線によって殺菌されて、流出口5を経て第1の分岐路29及び第2の分岐路30へ戻されて、吸気用ダクト27を経て機械室23で温度・湿度が調整された後に、排気用ダクト28から排気口26を経て室内21へと殺菌された空気として戻される。
【0030】
本実施例では、第1の吸気口24及び第2の吸気口25から取り込まれた空気をそれぞれ紫外線照射装置1A、1Bで殺菌することで、機械室23へ送られる空気が全て殺菌され、機械室23が室内21の汚染空気によって汚染されることを防ぐ空調装置22自体の浄化を行うことができる。
【実施例0031】
図7は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例では紫外線照射装置1Cを、吸気用ダクト27の途中に対して、第1の絶縁フランジ部8と第2の絶縁フランジ部9に接続して、吸気用ダクト27とケース3を連通している。
【0032】
本実施例の紫外線照射装置1Cの使用方法について説明する。空調装置22の機械室23を作動させると、第1の吸気口24及び第2の吸気口25から室内21の空気が第1の分岐路29及び第2の分岐路30を経て吸気用ダクト27に導入され、吸気用ダクト27から導入口4を経て紫外線照射装置1Cのケース3の内部に導入された空気は紫外線照射手段2から照射された紫外線によって殺菌されて、流出口5を経て吸気用ダクト27へ戻されて、機械室23で温度・湿度が調整された後に、排気用ダクト28から排気口26を経て室内21へと殺菌された空気として戻される。
【0033】
本実施例では、第1の吸気口24及び第2の吸気口25から取り込まれた空気を吸気用ダクト27でまとめて紫外線照射装置1で殺菌することで、機械室23へ送られる空気が全て殺菌されることで、機械室23が室内21の汚染空気によって汚染されることを防ぐ空調装置22自体の浄化を行うことができる。
【実施例0034】
図8は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例では3つの紫外線照射装置1A、1B、1Cを、第1の分岐路29、第2の分岐路30、吸気用ダクト27のそれぞれの途中に対して、第1の絶縁フランジ部8と第2の絶縁フランジ部9に接続して、第1の分岐路29、第2の分岐路30及び吸気用ダクト27と各ケース3を連通している。
【0035】
本実施例の紫外線照射装置1A、1B、1Cの使用方法について説明する。空調装置22の機械室23を作動させると、第1の吸気口24及び第2の吸気口25から導入された室内21の空気が第1の分岐路29及び第2の分岐路30の途中で紫外線照射装置1A、1Bによって殺菌された後、殺菌された空気は吸気用ダクト27に導入され、吸気用ダクト27から導入口4を経て紫外線照射装置1Cによって再度殺菌されて、流出口4を経て吸気用ダクト27へ戻されて、機械室23で温度・湿度が調整された後に、排気用ダクト28から排気口26を経て室内21へと殺菌された空気として戻される。
【0036】
本実施例では、第1の吸気口24及び第2の吸気口25から取り込まれた空気をそれぞれ2段階で殺菌することで、機械室23へ送られる空気が全て2段階の殺菌処理され、機械室23が室内21の汚染空気によって汚染されることを防ぐ空調装置22自体の浄化を徹底して行うことができる。
【実施例0037】
図9~
図12は、本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の紫外線照射装置1は、ケース3の内面に複数の紫外線照射手段2A、2Bが流路方向Fに沿って取り付けられている。
【0038】
紫外線照射手段2A、2Bがケース3の内面に流路方向Fに沿って取り付けられていることで、紫外線照射手段2A、2Bがケース3を流通する気体の流れを阻害することなく紫外線を照射するので、組み込まれた流路の流れを阻害しない紫外線照射装置1を提供することができる。
【実施例0039】
図13~
図14は、本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
図13に示すように本実施例の紫外線照射装置1は、電球型等のスポットライト用の紫外線ランプからなる複数の紫外線照射手段30A、30B、30C、30D、30Eがケース3の内面に流路方向Fに沿って点在するように取り付けられている。
【0040】
また、
図14に示すように、ケース3の内面側が凹むように形成された複数の凹部31A、31B、31C、31D、31Eをケース3に備え、その複数の凹部31A、31B、31C、31D、31Eに紫外線照射手段30A、30B、30C、30D、30Eが設置され、紫外線照射手段30A、30B、30Cの最頂部Tがケース3の内面とほぼ面一又はケース3の内面より奥まっており、紫外線照射手段30A、30B、30C、30D、30Eがケース3を流通する気体の流れを阻害することなく紫外線を照射するので、組み込まれた流路の流れを阻害しない紫外線照射装置1を提供することができる。
【実施例0041】
図15は、本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
図15に示すように本実施例の紫外線照射装置1は、
厚地に織った綿布や化繊布でできた継手からなるキャンバスダクト40、41、42を介して吸気用ダクト27、第1の分岐路29及び第2の分岐路30と接続されたことにより、吸気用ダクト27、第1の分岐路29及び第2の分岐路30からの振動や静電気が紫外線照射装置1に伝わるのを抑制することで、静電気によりケース3の内面に埃やゴミが付着するのを防ぐことができる。
【実施例0042】
図16乃至
図19は、本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
図16に示すように本実施例の紫外線照射装置1のケース50は、紫外線照射手段2を収容するケース本体51と、ケース本体51を空調機器等の管路等の外部の流路(
図17の符号F参照)に接続するための継手部52とを備えている。
【0043】
ケース本体51は、金属製又は合成樹脂製の断面形状を多角形又は円形の両端を開口した中空筒型とし、本実施例では金属製の中空円筒型とし、その内面は、紫外線を反射するための鏡面処理が施されているとともに、紫外線の照射を受けてその内面を浄化処理する酸化チタン等の光触媒処理が施されている。
【0044】
ケース本体51の一方の開口部を導入口53とし、ケース本体3の導入口53と反対側の開口部を流出口54とする。紫外線照射手段2は、紫外線照射手段2の中心軸6がケース本体51の中心軸55上に配置されるようにケース本体51に収容されており、ケース本体51の導入口53及び流出口54を紫外線照射手段2の中心軸6方向と同一に備えている。
【0045】
ここで、ケース本体51は、ケース本体51をその中心軸55方向に二等分に分割する第1の分割体51Aと第2の分割体51Bからなる分割構造としており、第1の分割体51Aと第2の分割体51Bをヒンジ構造56で連結して、ケース本体51をその中心軸55方向に開閉することで、ケース本体51内部の紫外線照射手段2全体を露出可能としている。
【0046】
第1の分割体51Aは、半円弧状の中空筒型の第1の円弧部57と、第1の円弧部57の一方の縁部から延設された第1のフランジ部58Aと、第1の円弧部57の他方の縁部から延設された第1のフランジ部58Bとを備えている。
【0047】
第2の分割体51Bも第1の分割体51Aと同様に、半円弧状の中空筒型の第2の円弧部59と、第2の円弧部59の一方の縁部から延設された第2のフランジ部60Aと、第2の円弧部59の一方の縁部から延設された第2のフランジ部60Bとを備えている。前述のヒンジ構造56は第1のフランジ部58Aと第2のフランジ部60Aを互いに回動自在に連結する構造としている。ヒンジ構造56の一例として、第1のフランジ部58Aに備えた係止爪56Aを第2のフランジ部60Aの係止孔56Bに係止して、第1のフランジ部58Aと第2のフランジ部60Aを互いに回動自在となるように連結し、係止爪56Aと係止孔56Bの係合を解除することで、第1の分割体51Aと第2の分割体51Bを完全に分離可能とする構成としている。尚、ヒンジ構造56については係止爪56Aと係止孔56Bによる連結以外の蝶番等の従来のヒンジ構造としてもよい。
【0048】
ケース本体51の第1の分割体51Aと第2の分割体51Bの第1のフランジ部58Aと第2のフランジ部60Aおよび第1のフランジ部58Bと第2のフランジ部60Bを突き合わせると、ケース本体51の中心軸55と直交する方向の断面形状は略真円形状となる。
【0049】
第1のフランジ部58A、58B、さらに第2のフランジ部60A、60Bには、上述の突き合わされた第1のフランジ部58Aと第2のフランジ部60Aとをボルト・ナット等の固定手段51C(図示せず)により固定するための貫通部58A1、60A1がそれぞれ形成されている。同様に第1のフランジ部58B、さらに第2のフランジ部60Bには、上述の突き合わされた第1のフランジ部58Bと第2のフランジ部60Bとをボルト・ナット等の固定手段51Dにより固定するための貫通部58B1、60B1がそれぞれ形成されている。
【0050】
第1のフランジ部58A、58B、さらに第2のフランジ部60A、60Bには、ケース本体51を
図17に示すように天井裏から吊り下げられた吊りボルトBや
図19に示すように天井裏から天井面に設置された架台Dにナット等の固定手段51Eで固定するための切り欠き溝状に形成された貫通部58A2、58B2、60A2、60B2を備えている。貫通部58A2、58B2、60A2、60B2が切り欠き溝状に形成されているため、固定手段51Eを緩めた状態で吊りボルトBを避けて第1の分割体51Aを取り外すことが可能となり、ケース本体51の清掃や紫外線照射手段2のメンテナンスが行い易い構成となる。尚、
図19に示す架台Dは、天井裏に固定されるものとする。
【0051】
第2のフランジ部60Aには、第1のフランジ部58Aと第2のフランジ部60Aとが合わさり当接すると紫外線照射手段2が通電して紫外線が照射可能となり、第1のフランジ部58Aと第2のフランジ部60Aが離間すると紫外線照射手段2の通電が遮断され紫外線の照射が停止される安全装置としての図示しないプッシュ式のスイッチを備えている。
【0052】
継手部52は、ケース本体51の導入口53の内径とほぼ同一の外径を有する中空円筒状の筒部材からなる第1の継手部62と、ケース本体51の流出口54の内径とほぼ同一の外径を有する中空円筒状の筒部材からなる第2の継手部63と、を備えており、第1の継手部62にケース本体51の導入口53が外嵌し、第2の継手部63にケース本体51の流出口54が外嵌している。尚、本実施例のケース50は、第1の継手部62と第2の継手部63は第2の分割体51Bに固定されており、第1の分割体51Aを第2の分割体51Bに対して開閉する構造となっている。
【0053】
第1の継手部62の流出口62Aには、紫外線照射手段2の一端を保持するための第1の保持部64を備えている。
【0054】
第1の保持部64は、紫外線照射手段2の一端を保持する交差部65と、交差部65から放射状に第1の継手部62の内周面に延びた複数の腕部66を備えている。交差部65は第1の保持部64の中心軸67に配置されており、複数の腕部66は等角且つ等間隔に配置されている。交差部65と腕部66は一枚の金属板から形成されており、紫外線を反射するための鏡面処理が施されているとともに、紫外線の照射を受けてその内面を浄化処理する酸化チタン等の光触媒処理が施されていてもよい。第1の保持部64の形状は、ケース本体51を流通する気体の流れを阻害しない形状となっており、腕部66の本数も図示された3本に限らず2本、または4本以上でもよく、気体の流れに対して第1の保持部64の強度が保たれるのであれば1本としてもよい。
【0055】
第2の継手部63の導入口63Aには、紫外線照射手段2の他端を保持するための第2の保持部68を備えている。
【0056】
第2の保持部68は、紫外線照射手段2の他端を保持する交差部69と、交差部69から放射状に第2の継手部63の内周面に延びた複数の腕部70を備えている。交差部69は第1の保持部68の中心軸71に配置されており、複数の腕部70は等角且つ等間隔に配置されている。交差部69と腕部70は一枚の金属板から形成されており、紫外線を反射するための鏡面処理が施されているとともに、紫外線の照射を受けてその内面を浄化処理する酸化チタン等の光触媒処理が施されていてもよい。第2の保持部68の形状は、ケース本体51を流通する気体の流れを阻害しない形状となっており、腕部70の本数も図示された3本に限らず2本、または4本以上でもよく、気体の流れに対して第2の保持部68の強度が保たれるのであれば1本としてもよい。
【0057】
図16に示すように紫外線照射手段2は、第1の保持部64と第2の保持部68の間に架設されている。
【0058】
図16に示すようにケース本体50をヒンジ構造56を回動軸として第1の分割体51を開いて、ケース本体50内部の清掃や紫外線照射手段2のメンテナンスを行ってもよいし、
図18に示すようにヒンジ構造56の係合を解除して、第1の分割体51を第2の分割体52から完全に分離させた上で、紫外線照射装置1を吊り下げ保持している吊りボルトBを貫通部58A2、58B2に挿通させてまま吊りボルトBに沿って上昇させることで、第1の分割体51を第2の分割体52に対して相対的に上昇させて、ケース本体50内部の清掃や紫外線照射手段2のメンテナンスを行ってもよい。尚、
図18に示すようにケース本体50からヒンジ構造56を廃して、第1の分割体51と第2の分割体52を完全に分離可能なものとしてもよい。
【0059】
本実施例では、ケース本体51に紫外線照射手段2を保持し、継手部52を介して外部の流路Fに組み込むことで、継手部52を外部の流路Fに従来からある所望の方法で接続することで、ケース本体51に外部の流路Fを接続する際の制約を設けることなく、簡便な機構の紫外線照射装置1を提供することができる。
【0060】
また本実施例では、第1の保持部64と第2の保持部68に紫外線照射手段2を架設してケース本体51に保持することで、紫外線照射手段2がケース本体51を流通する気体の流れを阻害することなく紫外線を照射するので、組み込まれた流路Fの流れを阻害しない紫外線照射装置1を提供することができる。
【0061】
図17に示す状態では、第1の分解体51と第2の分割体52との合わせ目や、ケース本体51の導入口53と第1の継手部62との合わせ目や、ケース本体51の流出口54と第2の継手部63との合わせ目や、第1の継手部62と外部の流路Fとの合わせ目や、第2の継手部63と外部の流路Fとの合わせ目には、図示しない粘着性の接着面を有するアルミテープ等の配管用の粘着テープを貼り気密性を向上させている。
【実施例0062】
図20乃至
図24は、本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
図20乃至
図21に示すようにケース3の中心に接続部80を配置して、接続部80の周囲に複数の紫外線照射手段2を互いに等間隔且つケース3の中心軸方向に沿って取り付けられている。この場合、複数の紫外線照射手段2がケース3を流通する気体の流れを阻害することなく紫外線を照射するので、組み込まれた流路の流れを阻害しない紫外線照射装置1を提供することができる。
【0063】
また、
図22に示すように接続部80をケース3の内面に取り付け、接続部80に紫外線照射手段2がケース3の中心軸方向に沿って取り付けられている。また、
図23に示すように接続部80Aをケース3の内面に取り付け、接続部80Aに紫外線照射手段2がケース3の中心軸方向に沿って取り付けられている。一方、接続部80Bをケース3の内面の接続部80Aと対向する位置に取り付け、接続部80Bに紫外線照射手段2がケース3の中心軸方向に沿って取り付けられている。また、
図24に示すように接続部80をケース3の内面に取り付け、接続部80に複数の紫外線照射手段2がケース3の中心軸方向に沿って取り付けられている。
図22乃至
図23に示す紫外線照射装置1は、ケース3の中心を流れる気体の流れを阻害することなく紫外線を照射するので、組み込まれた流路の流れを阻害しない紫外線照射装置1を提供することができる。
【0064】
図20及び
図21、
図23及び
図24に示す本実施例では、ケース3の内径が大きく、1つの紫外線照射手段2ではケース3内全体の気体に効果的に紫外線が照射されないような場合において、ケース3内に複数の紫外線照射手段2を設置して各紫外線照射手段2同士の間隔D1や各紫外線照射手段2と近傍のケース3の内周面との間隔D2が例えば所望の間隔(例えば10センチメートル)以下を保持するようにし、ケース3の内径が増加してもケース3内全体で気体に効果的に紫外線が照射できる紫外線照射装置1を提供することができる。
【実施例0065】
図25は、本発明の実施例10を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の紫外線照射装置90は、中空な筐体からなるケース91と、ケース91内に備えた紫外線照射手段2と、ケース91内に気体を導入するための導入口92と、ケース91内の気体を外部に流出させるための流出口93と、送風ファン等の送風手段94とを備えている。
【0066】
ケース91の底部91Aには導入口92と流出口93を備えており、ケース91内において導入口92と対向する位置には複数の紫外線照射手段2を配置して導入口92より導入された気体を浄化するとともに、ケース91内において流出口93と対向する位置には送風手段94を配置してケース91内の浄化された気体を流出口93から外部に排出している。
【0067】
本実施例の紫外線照射装置90は、内部に紫外線照射手段2と送風手段94を内蔵したことで、外部の流路に接続しなくとも、独立して使用可能な紫外線照射ユニットとしても使用することができる。紫外線照射装置90を独立したユニットとして使用する場合には、ケース91の底部91Aが天井面16と面一となるように、ケース91を天井面16に取り付ける。
【0068】
本実施例の紫外線照射装置90の使用方法について説明する。送風手段94を作動させると、導入口92から室内21の空気がケース91内に導入されて、ケース3の内部に導入された空気は紫外線照射手段2から照射された紫外線によって殺菌されて、流出口93を経て室内21へと殺菌された空気として戻される。この空気の循環サイクルを繰り返すことによって、室内空気の殺菌処理が促進される。
【0069】
本実施例の紫外線照射装置90は、内部に紫外線照射手段2と送風手段94を内蔵したことで、天井面16、天井裏13や室内21等に設置することで外部の流路に接続しなくとも独立して使用可能な紫外線照射ユニットとして使用することができる。
【0070】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。尚、ケース3は断面形状を八角形以外の多角形や円形としてもよいものとする。また、棒状の紫外線照射手段と電球型の紫外線照射手段を適宜組み合わせたものとしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 紫外線照射装置
2 紫外線照射手段
3 ケース
4 導入口
5 流出口
6 中心軸
14 換気装置(流路)
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