IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社川島製作所の特許一覧

特開2023-57577海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法
<>
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図1
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図2
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図3
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図4
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図5
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図6
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図7
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図8
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図9
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図10
  • 特開-海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057577
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20230417BHJP
【FI】
A23L17/60 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167112
(22)【出願日】2021-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】392024699
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086092
【弁理士】
【氏名又は名称】合志 元延
(72)【発明者】
【氏名】川島 一美
【テーマコード(参考)】
4B019
【Fターム(参考)】
4B019LT73
4B019LT77
4B019LT79
(57)【要約】
【課題】第1に、複数束の処理が可能であると共に、第2に、コスト面やスペース面に優れ、第3に、しかもこれが安定的に実現される、海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法を提案する。
【解決手段】この整列,搬送装置8は、カウント集積装置3から落下された海苔束Nを受け取り,整列して、結束装置5に搬出する。そして、一束の海苔束Nを受け取り,整列して、一束分の海苔枚数の束で搬出する処理と、複数束の海苔束Nを順次受け取り,整列し,積み重ね、合算した海苔枚数の束として搬出する処理とが、可能となっている。そして、その昇降板9は、カウント集積装置3により落下される海苔束Nを、受け取り,積載して降下し、整列板10は、昇降板9にて積載,降下される海苔束Nを整列し、コンベア11は、海苔束Nを、降下した昇降板9から乗り移らせて搬出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔の生産ラインにおいて、海苔束のカウント集積装置と結束装置との間に配設される整列,搬送装置であって、
該整列,搬送装置は、上記カウント集積装置から落下された海苔束を受け取り,整列して、上記結束装置に搬出し、
もって該整列,搬送装置は、一束の海苔束を受け取り,整列して、一束分の海苔枚数の束で搬出する処理と、複数束の海苔束を順次受け取り,整列し,積み重ねて、複数束を合算した海苔枚数の束として搬出する処理とが、可能となっていること、を特徴とする海苔束の整列,搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、該整列,搬送装置は、昇降板,整列板,コンベアを有しており、
該昇降板は、上記カウント集積装置により一束分の海苔枚数毎にカウント集積されて落下される海苔束を、受け取り,積載して,降下し、
該整列板は、該昇降板にて積載,降下される海苔束を、四方から起立,押動,揃えて整列し、該コンベアは、整列完了した海苔束を、降下した該昇降板から乗り移らせて、上記結束装置へと搬出し、
該整列,搬送装置は、複数束の海苔束を処理する際は、該昇降板による海苔束の受け取り,積載と、該整列板による海苔束の整列とを、順次繰り返し、該昇降板に整列完了した各海苔束が積み重ねられること、を特徴とする海苔束の整列,搬送装置。
【請求項3】
請求項2において、該昇降板は、複数束の海苔束を処理する際は、海苔束の受け取り,積載毎に、海苔束の肉厚に見合った一定の降下距離で降下し、
このような該昇降板の段階的降下の繰り返しにより、海苔束の上記カウント集積装置からの落下距離が、必要一定値に維持されること、を特徴とする海苔束の整列,搬送装置。
【請求項4】
請求項2において、海苔束は、一束分の海苔枚数が、10枚に設定され、又、複数束の海苔束を処理する際に搬出される、複数束を合算した束の海苔枚数が、50枚や100枚よりなること、を特徴とする海苔束の整列,搬送装置。
【請求項5】
海苔束の生産ラインは、海苔束のカウント集積工程、整列,搬送工程、結束工程を、有しており順に辿り、
該整列,搬送工程では、海苔束の整列,搬送方法として、上記カウント集積工程からの海苔束について、一束を受け取り,整列して上記結束工程に搬出する処理と、複数束を受け取り,整列し,積み重ねて上記結束工程に搬出する処理とが、可能であること、を特徴とする海苔束の整列,搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法に関する。すなわち、海苔の生産ラインにおいて、海苔束のカウント集積装置と結束装置との間に配設される、海苔束の整列,搬送装置、および海苔束の整列,搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
乾海苔(以下単に海苔という)の生産ラインでは、生海苔摘採,水洗,抄き,脱水,乾燥等の前工程の後、検査,カウント集積,(折曲),結束等の後工程を辿って、海苔が生産されている。
すなわち後工程において、乾燥後に検査された平海苔は、→一束が海苔枚数10枚等の海苔束としてカウント集積され、→整列された後、→二つ折りに折曲され、→結束されて→出荷されていた。
これに対し、このように海苔束を折曲,結束することなく、平らに広げた平海苔のまま結束,出荷する従来例も、最近のマーケットニーズにより増加しつつある。
【0003】
《従来技術》
図8の(3)図,(4)図は、このような従来例の工程ステップ図,構成ブロック図である。すなわち、海苔を折り曲げないで広げた平海苔のまま、結束,出荷する従来例の生産ラインを示す。
同図にも示したように、海苔の生産ラインでは、乾燥工程の乾燥装置1から1枚ずつ搬出された平海苔が、→検査工程の検査装置2で検査選別され、→カウント集積工程のカウント集積装置3にて、一束が海苔枚数10枚等の海苔束Nとしてカウント集積されてから、→整列,搬送工程の整列,搬送装置4で整列されて搬送される。
→それからこの種従来例では、多くの場合、複数束の海苔束Nが、束重ね工程の束重ね装置6で積み重ね処理されていた。
すなわち、複数束の海苔束Nが積み重ねられ、もって、複数束を合算した海苔枚数の束つまり海苔束N’とされていた(図7の(2)図を参照)。例えば、海苔枚数10枚の海苔束を5束重ねて合算した50枚や、10束重ねて合算した100枚の海苔枚数の海苔束N’とされていた。
→そして、このような海苔束N’が、結束工程の結束装置5で結束テープTで結束され(図7の(3)図を参照)、箱詰め工程の箱詰め部7で箱詰めされて、出荷されていた。
【0004】
このように、海苔を折り曲げない従来例では、一束分の束で出荷されるよりも、複数束を合算した束で出荷されることが多かった。
すなわち、一束が海苔枚数10枚等の海苔束Nが、カウント集積,整列,搬送された後そのまま一束分の海苔枚数の束で結束,出荷されるよりも、複数束を積み重ねて合算した海苔枚数の束で結束,出荷されることが多かった。
従って、複数束の束重ね工程,束重ね装置6が、多用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
このような従来の生産ラインの整列,搬送装置4としては、例えば、次の特許文献1に示されたものが挙げられる。又、折曲しないで結束,出荷するケースについては、例えば、次の特許文献2に示されたものが挙げられる。
【特許文献1】特開2021-122211号公報
【特許文献2】特開2021-073846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような従来例については、コスト面やスペース面に問題が指摘されていた。
すなわち、海苔枚数50枚や100枚の海苔束N’を、折曲しないで平海苔のまま結束,出荷する、海苔の生産ラインについては、複数束の積み重ね処理に関し、コスト面やスペース面に問題が指摘されていた。
海苔枚数が例えば10枚の海苔束Nを、複数束積み重ねて海苔枚数が50枚や100枚の海苔束N’とすべく処理する、束重ね工程の束重ね装置6が、多くの場合別途必要とされていた。図8の(3)図,(4)図に示したように、整列,搬送工程の整列,搬送装置4と、結束工程の結束装置5との間に、束重ね工程の束重ね装置6が、従来必須的に設けられていた。
もってその分、装置の機構コストが嵩むと共に、スペース,場所,面積を取り、生産ラインがより長大化,大型化する、という問題が指摘されていた。生産工場の限られたコスト状況やスペース状況に鑑み、大きな検討課題となってきていた。
なお、このような問題の対処策として、束重ね工程そして束重ね装置6を設けることなく、従来一束10枚の海苔束Nをカウント集積,落下させていたカウント集積装置3について、一束50枚や100枚の海苔枚数の海苔束N’を、カウント集積して落下させることも考えられた。
しかしながら、カウント集積装置3の能力やスペース等に鑑み、20枚程度の集積,蓄積,落下が限界とされ、カウント集積装置3による50や100程度の集積,蓄積そして落下は、困難とされている。
【0007】
《本発明について》
本発明の海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、複数束の処理が可能であると共に、第2に、コスト面やスペース面に優れ、第3に、しかもこれが安定的に実現される、海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の海苔束の整列,搬送装置は、海苔の生産ラインにおいて、海苔束のカウント集積装置と結束装置との間に配設される。そして、上記カウント集積装置から落下された海苔束を受け取り,整列して、上記結束装置に搬出する。
もって該整列,搬送装置は、一束の海苔束を受け取り,整列して、一束分の海苔枚数の束で搬出する処理と、複数束の海苔束を順次受け取り,整列し,積み重ねて、複数束を合算した海苔枚数の束として搬出する処理とが、可能となっていることを、特徴とする。
【0009】
請求項2については、次のとおり。
請求項2の海苔束の整列,搬送装置は、請求項1において、昇降板,整列板,コンベアを有している。
該昇降板は、上記カウント集積装置により一束分の海苔枚数毎にカウント集積されて落下される海苔束を、受け取り,積載して,降下する。
該整列板は、該昇降板にて積載,降下される海苔束を、四方から起立,押動,揃えて整列する。該コンベアは、整列完了した海苔束を、降下した該昇降板から乗り移らせて、上記結束装置へと搬出する。
そして該整列,搬送装置は、複数束の海苔束を処理する際は、該昇降板による海苔束の受け取り,積載と、該整列板による海苔束の整列とを、順次繰り返し、該昇降板に整列完了した各海苔束が積み重ねられること、を特徴とする。
【0010】
請求項3については、次のとおり。
請求項3の海苔束の整列,搬送装置では、請求項2において、該昇降板は、複数束の海苔束を処理する際は、海苔束の受け取り,積載毎に、海苔束の肉厚に見合った一定の降下距離で降下する。
そして、このような該昇降板の段階的降下の繰り返しにより、海苔束の上記カウント集積装置からの落下距離が、必要一定値に維持されること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4の海苔束の整列,搬送装置では、請求項2において、海苔束は、一束分の海苔枚数が、10枚に設定される。又、複数束の海苔束を処理する際に搬出される、複数束を合算した束の海苔枚数が、50枚や100枚よりなること、を特徴とする。
【0011】
請求項5については、次のとおり。
請求項5の海苔束の整列,搬送方法は、次の整列,搬送工程を特徴とする。すなわち、海苔束の生産ラインは、海苔束のカウント集積工程、整列,搬送工程、結束工程を、有しており順に辿る。
そして該整列,搬送工程では、海苔束の整列,搬送方法として、上記カウント集積工程からの海苔束について、一束を受け取り,整列して上記結束工程に搬出する処理と、複数束を受け取り,整列し,積み重ねて上記結束工程に搬出する処理とが、可能であること、を特徴とする。
【0012】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)本発明の海苔束の整列,搬送装置および方法は、海苔を平海苔のまま結束,出荷する生産ラインに適用される。そして、海苔束の一束処理は勿論のこと、複数束処理が可能となっている。
(2)複数束の海苔束を処理する際は、海苔束の昇降板による受け取り,積載と、整列板による整列とが、順次繰り返される。
(3)もって、昇降板に整列完了した複数束の海苔束が積み重ねられ、もって複数束を合算した海苔枚数の海苔束が、コンベアにて搬出される。
(4)このように本発明の整列,搬送装置や方法では、一束処理は勿論のこと、複数束処理が可能となっている。複数束処理が行われるので、複数束の束重ね工程そして束重ね装置を、別途必要とはしなくなる。
(5)そして、このような複数束処理は、従来よりの一束処理用の整列,搬送装置,方法を利用することにより、特にコストやスペースを要することなく、可能である。
(6)ところで複数束を処理する際、昇降板は、海苔束の受け取り,積載毎に、海苔束一束の肉厚に見合った降下距離で降下する。もって、カウント集積装置から昇降板への海苔束の落下距離が、必要一定値に維持されるようになる。
(7)これに対し、海苔束の落下距離が、もしも必要一定値以上に加算されて長くなると、海苔束が、落下途中で変位し,乱れ,散乱する虞が生じるが、これらは防止される。
(8)このような昇降板の降下は、その駆動機構のモータの駆動時間を、センサやタイマーにて制御することにより、行われる。
(9)なお海苔束は、代表的には、一束の海苔枚数が10枚で、複数束を合算した束の海苔枚数が50枚や100枚よりなる。
しかしこれ以外の海苔枚数も可能であり、例えば、一束分の海苔枚数をより多数枚にすると、装置の処理能力が向上する利点がある。
(10)さてそこで、本発明は次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0013】
《第1の効果》
第1に、複数束の処理が可能である。
本発明の海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法では、複数束の海苔束の処理が可能となっている。複数束の海苔束を順次受け取り,整列し,積み重ねて、複数束を合算した海苔枚数の束として搬出する処理が、可能となっている。
海苔を平海苔のまま折り曲げない結束,出荷する生産ラインにおいて、一束分の海苔束の処理は勿論のこと、このように複数束の処理が可能となっている。
【0014】
《第2の効果》
第2に、コスト面やスペース面に優れている。
本発明の海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法では、海苔を平海苔のまま結束,出荷する生産ラインについて、一束の海苔束の処理は、勿論のこと、複数束の海苔束の処理が、可能となっている。複数束を合算した海苔枚数の束としての処理が、可能となっている。
もって、前述したこの種従来例のように、束重ね工程そして束重ね装置を別途必要とすることがなくなると共に、処理に従来よりの工程,装置を利用できる等、生産ラインのコスト面やスペース面に優れている。
すなわち従来例のように、複数束を合算した海苔枚数の場合、整列,搬送工程の整列,搬送装置から一束ずつ搬出された海苔束を、結束工程の結束装置に供給する前に、束重ね工程の束重ね装置で、準備することを要しなくなる。
従ってその分、装置の機構コスト,スペース,場所,面積等に優れており、生産ラインの長大化,大型化が回避される等、生産工場の限られたコスト状況やスペース状況にマッチした生産ライン実現に資することができる。
【0015】
《第3の効果》
第3に、しかもこれは、安定的に実現される。
本発明の海苔束の整列,搬送装置において、複数束の海苔束を処理する際、その昇降板は、各海苔束の受け取り,積み重ね積載毎に、海苔束の肉厚に見合った一定の降下距離で降下する。
このような段階的降下により、海苔束のカウント集積装置からの落下距離が必要一定値に維持されるようになる。落下距離がより長くなると、未だ結束されていない海苔束が、落下途中で変位乱れし、ズレてバラバラに散乱する虞があるが、そのような虞は防止される。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る海苔束の整列,搬送装置、および整列,搬送方法について、発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Aの正面図である。そして(1)図は、第1工程(落下工程)、(2)図は、第2工程(整列工程)を示す。
図2】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Aの正面図である。そして(1)図は、第3工程(落下工程)、(2)図は、第4工程(整列工程)を示す。
図3】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Aの正面図である。そして(1)図は、繰り返し工程(最終落下工程)、(2)図は、繰り返し工程(最終整列工程)、(3)図は、搬出工程(最終工程)を示す。
図4】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Aの正面側の斜視図である。そして(1)図は、第1工程(落下工程)、(2)図は、第2工程(整列工程)を示す。
図5】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Aの正面側の斜視図である。そして(1)図は、第3工程(落下工程)、(2)図は、第4工程(整列工程)を示す。
図6】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Aの正面側の斜視図である。そして(1)図は、繰り返し工程(最終落下工程)、(2)図は、繰り返し工程(最終整列工程)、(3)図は、搬出工程(最終工程)を示す。
図7】同発明を実施するための形態の説明に供し、斜視図である。そして(1)図は、昇降板等を示し、(2)図は、積み重ねられた海苔束を示し、(3)図は、結束された同海苔束を示す。
図8】(1)図,(2)は、同発明を実施するための形態の説明に供し、海苔の生産ラインを示す。そして(1)図は、工程ステップ図、(2)図は、構成ブロック図である。(3)図,(4)図は、従来例の海苔の生産ラインを示す。そして(3)図は、工程ステップ図、(4)図は、構成ブロック図である。
図9】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作A要部の正面説明図である。そして(1)図は、待機工程、(2)図は、第1工程(落下工程)、(3)図は、第2工程(整列工程)、(4)図は、待機工程、(5)図は、第3工程(落下工程)、(6)図は、第4工程(整列工程)、(7)図は、待機工程を示す。
図10】(1)図は、同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作A工程の正面説明図、(2)図は、参考例の説明に供し、処理動作工程の正面説明図である。
図11】同発明を実施するための形態の説明に供し、処理動作Bの正面図である。そして(1)図は、第2工程(整列工程)、(2)図は、搬出工程(最終工程)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
《本発明の概要》
本発明の概要については、次のとおり。
まず、本発明の海苔束Nの整列,搬送装置8については、次のとおり。この装置8は、カウント集積装置3から落下された海苔束Nを受け取り,整列して、結束装置5に搬出する。
もって、一束の海苔束Nを受け取り,整列して、一束分の海苔枚数の束で搬出する処理は、勿論のこと、複数束の海苔束Nを順次受け取り,整列し,積み重ねて、合算した海苔枚数の束として搬出する処理が、可能となっている。
その昇降板9は、カウント集積装置3から落下される海苔束Nを、受け取り,積載して,降下し、整列板10は、昇降板9にて積載,降下される海苔束Nを整列し、コンベア11は、海苔束Nを降下した昇降板9から乗り移らせて、搬出する。
そして、複数束の海苔束Nを処理する際は、昇降板9による海苔束Nの受け取り,積載と整列板10による整列とを、順次繰り返し、昇降板9に各海苔束Nが積み重ねられる。
【0018】
次に、本発明の海苔束Nの整列,搬送方法については、次のとおり。海苔束Nの生産ラインは、カウント集積工程、整列,搬送工程、結束工程を、順に辿る。
整列,搬送工程では、海苔束Nについて、一束を受け取り,整列して,搬出する処理と、複数束を受け取り,整列し,積み重ねて搬出する処理とが、可能である。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、本発明について、詳述する。
【0019】
《図面について》
まず、図面について説明しておく。
本発明の整列,搬送装置8は、上述したように、一束の海苔束Nの処理動作Bと、複数束の海苔束Nの処理動作Aとが、可能である。
そして、図1図2図3と、図4図5図6と、図9図10の(1)図等は、複数束の海苔束Nの処理動作Aの説明に供する。図11は、一束の海苔束Nの処理動作Bの説明に供する。図8は、海苔の生産ラインの説明に供する。
なお、図1の(1)図,(2)図と、図4の(1)図,(2)図と、図9の(2)図,(3)図とは、処理動作Aについて、それぞれ同一の第1工程(落下工程),第2工程(整列工程)を示す。
同様に、図2の(1)図,(2)図と、図5の(1)図,(2)図と、図9の(5)図,(6)図とは、処理動作Aについて、それぞれ同一の第3工程(落下工程),第4工程(整列工程)を示す。
同様に、図3の(1)図,(2)図,(3)図と、図6の(1)図,(2)図,(3)図とは、処理動作Aについて、それぞれ同一の繰り返し工程(最終落下工程),繰り返し工程(最終整列工程),搬出工程(最終工程)を示す。
図面については、以上のとおり。
【0020】
《海苔束Nの整列,搬送方法について》
まず、図8の(1)図,(2)図を参照して、本発明の海苔束Nの整列,搬送方法について説明する。
この海苔束Nの生産ラインは、海苔束Nのカウント集積工程、整列,搬送工程、結束工程を、有しており、これらを順に辿る。そして整列,搬送工程では、海苔束Nの整列,搬送方法として、2つの処理が可能である。
すなわち、カウント集積工程からの海苔束Nについて、一束を受け取り,整列して、結束工程に搬出する処理動作Bは、勿論のこと、複数束を受け取り,整列し,積み重ねて、結束工程に搬出する処理動作Aが、可能である。
【0021】
このような整列,搬送方法について、更に詳述する。まず、本発明の対象とする海苔の生産ラインでは、海苔は、折り曲げないで広げた平海苔のまま、結束,出荷される。
そして、その生産ラインでは、乾燥工程の乾燥装置1から1枚ずつ搬出された平海苔が、→検査工程の検査装置2で品質検査,選別され、→カウント集積工程のカウント集積装置3にて、海苔枚数10枚等の海苔束Nとして、カウント集積される。
→それから、本発明の生産ラインでは、整列,搬送工程の整列,搬送装置8において、一束の海苔束Nの処理(処理動作B)や、複数束の海苔束Nの処理(処理動作A)が行われる。
すなわち本発明の整列,搬送工程では、海苔束Nの整列,搬送方法として、カウント集積工程からの海苔枚数10枚等の海苔束Nについて、一束を受け取り,整列,搬出する処理動作Bと、複数束を受け取り,整列,積み重ねて,複数束を合算した50枚や100枚等の海苔枚数の海苔束N’として、搬出する処理動作Aとが、可能となっている。
→処理動作Aでは、事後、このような50枚や100枚等の海苔枚数の平海苔の海苔束N’(図7の(2)図を参照)が、次の結束工程の結束装置5で、結束テープTで結束され(図7の(3)図を参照)、箱詰め工程の箱詰め部7で箱詰めされて、出荷される。
処理動作Bでは、事後、10枚等の海苔枚数の平海苔の海苔束Nが、結束,箱詰め,出荷される。
海苔束Nの整列,搬送方法については、以上のとおり。
【0022】
《海苔束Nの整列,搬送装置8について》
以下、本発明の海苔束Nの整列,搬送装置8について、説明する。
この整列,搬送装置8は、海苔の生産ラインにおいて、海苔束Nのカウント集積装置3と結束装置5との間に配設される、カウント集積装置3から落下された海苔束Nを受け取り,整列して、結束装置5に搬出する(図8の(2)図を参照)。
そして整列,搬送装置8は、一束の海苔束Nを受け取り,整列して、一束分の海苔枚数の束で搬出する処理動作B(図11を参照)は、勿論のこと、複数束の海苔束Nを順次受け取り,整列し,積み重ねて、複数束を合算した海苔枚数の海苔束N’として搬出する処理動作A(図1図3図4図6図9図10の(1)図等を参照)が、可能となっている。
すなわちこの整列,搬送装置8は、一束(代表的には海苔枚数10枚)の海苔束Nを、受け取り,整列し、もって、そのまま一束分の海苔枚数の束として搬出する処理動作Bが、まず可能である。
そして、複数束の海苔束N(代表的には海苔枚数10枚)の海苔束Nを、順次受け取り、順次整列して、順次積み重ね、もって、各複数束Nを合算した海苔枚数の海苔束N’(代表的には海苔枚数50枚又は100枚)として、搬出する処理動作Aが、可能となっている。
因に1枚の海苔(平海苔)は、長さ210mm(~230mm)、幅190mm(~200mm)、厚さ(肉厚)0.2mm~0.5mm程度の、略長方形の薄いシート状をなす。
海苔束Nの整列,搬送装置8については、以上のとおり。
【0023】
《昇降動板9,整列板10,コンベア11について》
そして整列,搬送装置8は、昇降板9,整列板10,コンベア11を有している。
昇降板9は、カウント集積装置3により一束分の海苔枚数毎にカウント集積されて落下される海苔束Nを、受け取り,積載して,降下する。
整列板10は、昇降板9にて積載,降下される海苔束Nを、四方から起立,押動,揃えて整列する。コンベア11は、整列完了した海苔束Nを、降下した昇降板9から乗り移らせて、結束装置5へと搬出する。
そして、処理動作Aで複数束の海苔束Nを処理する際は、昇降板9による海苔束Nの受け取り,積載と、整列板10による海苔束Nの整列とを、順次繰り返し、もって昇降板9に各海苔束Nが積み重ねられる。
【0024】
昇降板9は、平プレート板状をなし、駆動機構12にて昇降可能となっている。駆動機構12はモータ13を備え、モータ軸14が伝達機構を介し駆動軸15に接続されており、昇降動する駆動軸15が、昇降板9下に固定されている。図中16はフレームである(図1図3図7の(1)図,図11等を参照)。
もって昇降板9が、最上位置C(図1の(1)図,図4の(1)図等を参照)と、最下位置D(図3の(3)図,図6の(3)図,図11の(2)図等を参照)間を、昇降動可能となっている。
【0025】
コンベア11は、その左右間隔間直下の最下位置Dまで降下する昇降板9から、整列完了した海苔束Nを、降下途中で乗り移らせた後、結束装置5へと搬出可能である(図3の(3)図,図6の(3)図,図11の(2)図等を参照)。
コンベア11は、Vベルト17が代表的に用いられ、その駆動部18がモータ19やローラ20を備えている。図示のコンベア11は、左右2本のVベルト17が間隔を存して配設されており、この左右のVベルト17間に、最上位置Cと最下位置D間で降下,上昇される昇降板9の通過間隔が、形成されている。
もって昇降板9は、積載した海苔束Nを、降下途中の通過間隔の箇所で(最下位置D直前の降下最終段階で)、コンベア11に乗り移らせるようになっている。コンベア11の左右のVベルト17間の通過間隔は、昇降板9の幅より広いと共に、海苔束Nの幅よりは狭く設定されている。
【0026】
整列板10は、昇降板9に積載された海苔束Nを、四方から起立,押動,揃える整列動作が可能である。起立位置Eにて、降下途中の昇降板9上に積載された海苔束Nの四辺を、それぞれ断続的に叩いて押動することにより、海苔束Nを揃えて整列させる。図中、21は整列板10の駆動機構である。
すなわち整列板10は、コンベア11のVベルト17の内外に配され、もって整列対象の海苔束Nの前後左右に位置する。そして、起立位置E(図1の(2)図,図2の(2)図,図3の(2)図,図4の(2)図,図5の(2)図,図6の(2)図,図11の(1)図等を参照)と、退避位置F(図1の(1)図,図2の(1)図,図3の(1)図,(3)図,図4の(1)図,図5の(1)図,図6の(1)図,(3)図,図11の(2)図等を参照)とに、閉開起伏可能となっている。
昇降板9,整列板10,コンベア11については、以上のとおり。
【0027】
《複数束の処理動作A》
次に、整列,搬送装置8による、複数束の海苔束Nの処理動作Aについて、図1図3図4図6図9図10等を参照して、説明する。
・第1工程(落下工程)(図1の(1)図,図4の(1)図,図9の(1)図,(2)図等を参照):
まず、昇降板9は最上位置Cにあり、カウント集積装置3から落下した一束の海苔束N(例えば海苔枚数10枚)を、受け取り,積載する。
カウント集積装置3は、所定枚数の海苔が溜まったら、左右の羽根部が回転して、一束の海苔束Nとして落下させる。カウント集積装置3は、検査装置2に直接付設される場合もあるが、コンベアを介して付設される場合もある。
【0028】
・第2工程(整列工程)(図1の(2)図,図4の(2)図,図9の(3)図,(4)図等を参照):
それから処理動作Aでは、一束の海苔束Nを積載した昇降板9は、一定の降下距離L(図10の(1)図を参照)だけ降下して、停止する。
この間、降下途中の昇降板9に積載された一束の海苔束Nを、退避位置Fから起立位置Eに起立した整列板10が、四方から押動して整列動作を行った後、元の退避位置Fに降下退避する。
【0029】
・第3工程(落下工程)(図2の(1)図,図5の(1)図,図9の(4)図,(5)図等を参照):
しかる後、停止中の昇降板9に積載された一束の海苔束N上に、次の一束の海苔束Nが落下する。
すなわち、一定の降下距離Lだけ降下して待機中だった昇降板9に積載されていた1束目の海苔束N上に、カウント集積装置3から、次の2束目の海苔束Nが落下して、受け取り,積み重ねられる。
【0030】
・第4工程(整列工程)(図2の(2)図,図5の(2)図,図9の(6)図,(7)図等を参照):
次に、1束目と2束目の2束の海苔束Nを積み重ね,積載した昇降板9は、更に一定の降下距離L(図10の(1)図を参照)だけ降下して、停止する。
この間、降下途中の昇降板9上に積載されていた2束目の海苔束Nが、整列板10にて整列される。すなわち、昇降板9上に積載されていた1束目の海苔束N上の2束目の海苔束Nは、退避位置Fから起立位置Eに起立した整列板10にて整列動作される。事後、整列板10は、元の退避位置Fに降下退避する。
【0031】
・繰り返し工程(落下工程や整列工程)(図3の(1)図,(2)図,図6の(1)図,(2)図の最終落下工程や最終整列工程を参照):
事後、処理動作Aは、上述に準じた昇降板9による海苔束Nの受け取り,積載と、整列板10による海苔束Nの整列とが、順次繰り返される。
すなわち、前述した第1工程~第4工程を含めトータルで、落下される海苔束Nの束数に見合った回数だけ、受け取り,積載と整列とが、繰り返される。図面は、最終落下工程や最終整列工程を示す。
例えば、10枚の海苔束Nで、海苔枚数50枚の海苔束N’を搬出する場合は、繰り返し回数が5回、又、海苔枚数100枚の海苔束N’を搬出する場合は、繰り返し回数が10回となる。
もって、段階的降下を繰り返した昇降板9上に、複数束を合算した海苔枚数の束つまり海苔束N’が、積み重ねられる。
【0032】
搬出工程(最終工程)(図3の(3)図,図6の(3)図等を参照):
海苔束N’を積み重ね,積載した昇降板9は、それから、最下位置Dへ向け降下して行く。そして停止中のコンベア11が、そのVベルト17の左右間隔間直下の最下位置Dに向け降下する昇降板9から、積み重ね,積載され,整列完了した海苔束N’を、降下途中で乗り移らせる。
もってコンベア11は、海苔束Nを整列,搬送装置8外へ、そして結束装置5に向けて搬出を開始する。昇降板9は、コンベア11にて海苔束N’が真上から搬出完了するまで、最下位置Dで待機した後、カウント集積装置3下の最上位置Cへと上昇する。
複数束の処理動作Aについては、以上のとおり。
【0033】
《一束の処理動作B》
次に、整列,搬送装置8による、一束の海苔束Nの処理動作Bについて、図11を参照して、説明する。因に、この整列,搬送装置8の処理動作Bは、前述した従来例の整列,搬送装置4の処理動作に準じる。
・第1工程(落下工程)(前述した図1の(1)図および図4の(1)図と共通につき、図示を省略):
昇降板9は、上位置で待機しており、カウント集積装置3から落下した一束の海苔束N(例えば海苔枚数10枚)を、受け取り,積載する。
・第2工程(整列工程)(図11の(1)図を参照):
処理動作Aにおいて、一束の海苔束Nを積載した昇降板9は、それから、最下位置Dに向け降下する。この間、降下途中の昇降板9に積載された一束の海苔束Nを、退避位置Fから起立位置Eに起立した整列板10が、整列動作を行った後、元の退避位置Fに降下退避する。
・搬出工程(最終工程)(図11の(2)図を参照):
一束の海苔束Nを積載した昇降板9は、降下して行く。そして停止中のコンベア11が、そのVベルト17の左右間隔間直下の最下位置Dに向け降下する昇降板9から、積載され,整列完了した海苔束Nを、降下途中で乗り移らせる。
もってコンベア11は、海苔束Nを結束装置5に向けて搬出する。昇降板9は、事後、最下位置Dから元の上位置へと上昇する。
一束の処理動作Bについては、以上のとおり。
【0034】
《作用等》
本発明は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)本発明の海苔束Nの整列,搬送装置8、および整列,搬送方法は、海苔を平海苔のまま折り曲げないで結束,出荷する生産ラインに適用される。
そして、一束を受け取り,整列して、搬出する処理動作Bは、勿論のこと(図11を参照)、複数束を受け取り,整列して,搬出する処理動作Aが、可能となっている(図1図3図4図6図9図10の(1)図も参照)。
このような処理動作Bと処理動作Aとを、例えば、切り換え実施可能となっている。
【0035】
(2)複数束の海苔束Nを処理する際、この整列,搬送装置8では、その昇降板9による海苔束Nの受け取り,積載と、整列板10による海苔束Nの整列とが、順次繰り返される。
【0036】
(3)もって複数束を処理する際は、昇降板9に、積載され整列完了した複数束の海苔束Nが積み重ねられ、もって複数束を合算した海苔枚数の海苔束N’が、コンベア11にて搬出される。
【0037】
(4)本発明の整列,搬送装置8および整列,搬送方法では、このように、一束の海苔束Nの処理のみならず、複数束の海苔束Nの処理が可能となっている。
複数束の処理が行えるので、複数束を処理する際、結束工程,結束装置5の事前準備として、複数束を積み重ねる束重ね工程,束重ね装置(図8の(3)図,(4)図の従来例を参照)を、別途必要としなくなる。
【0038】
(5)そしてこのような複数束処理は、従来より使用されていた一束処理専用の整列,搬送装置4(例えば前述した従来例の特許文献1)を利用でき、従来例に準じた構成の整列,搬送装置8および整列,搬送方法により、特にコストやスペースを要することなく、可能である。従来例で用いられていた昇降板9,整列板10,コンベア11等の構成を利用して、可能となる。
【0039】
(6)ところで、この整列,搬送装置8において、昇降板9は、複数束の海苔束Nを処理する際、海苔束Nの受け取り,積載毎に、一束の海苔束Nの肉厚に見合った一定の降下距離Lだけ、降下する設定よりなる。
このような昇降板9の段階的降下の繰り返しにより、海苔束Nのカウント集積装置3から昇降板9上への落下距離Hが、必要一定値,最小値に維持されるようになる(図10の(1)図を参照)。
【0040】
(7)これに対し、複数束の海苔束Nを処理する際、本発明のように段階的降下を繰り返す昇降板9を用いることなく、直接コンベア11上に各海苔束Nを順次落下させると共に、整列させて積み重ねるようにする案(本発明には属さない参考例)も考えられた(図10の(2)図を参照)。
しかしながら、この案については、次の虞が生じる。すなわち、カウント集積装置3からの海苔束Nの必要一定値の落下距離H(例えば70mm程度)に、図示のように更に加算距離α(最大α)を要するようになる。
もって、距離が長くなる(H+α)分、未だ結束されていない状態にある海苔束Nが、長い距離となった落下途中で、変位し,乱れ,散乱する虞が生じてしまう。本発明では、落下距離Hが必要一定値に維持されるので、このような虞はない。
【0041】
(8)さて、このような昇降板9の一定降下距離Lでの降下は、その駆動機構12のモータ13の駆動時間制御により行われる。
例えば、図示した海苔束N落下を検出する光透過タイプの光電スイッチS、又はカウント集積装置3の落下信号と、一定時間経過後にタイマースイッチがオン又はオフするオンタイマー又はオフタイマーと、の組み合わせ制御が考えられる。又、光電スイッチSのみに基づく制御等も可能である。
【0042】
(9)なお代表例では、カウント集積装置3から落下される海苔束Nは、一束分の海苔枚数が10枚に設定されている。又、複数束の海苔束Nを処理する際に搬出される、複数束を合算した海苔束N’の海苔枚数が、50枚や100枚よりなっている。しかし、このような例以外にも、各種海苔枚数の設定等が可能である。
例えば、一束分の海苔枚数を10枚以上の多数枚に設定すると、例えば20枚に設定すると、その分、整列,搬送装置8の処理能力が向上する利点がある。昇降板9の上昇時間の減少,処理時間の短縮化,平均化等が可能となる。
本発明の作用等については、以上のとおり。
【符号の説明】
【0043】
A 処理動作(複数束処理)
B 処理動作(一束処理)
C 最上位置
D 最下位置
E 起立位置
F 退避位置
H 落下距離
L 降下距離
N 海苔束(海苔枚数10枚)
N’ 海苔束(海苔枚数50枚や100枚)
S 光電スイッチ
T 結束テープ
α 加算距離
1 乾燥装置
2 検査装置
3 カウント集積装置
4 整列,搬送装置(従来例)
5 結束装置
6 束重ね装置
7 箱詰め部
8 整列,搬送装置(本発明)
9 昇降板
10 整列板
11 コンベア
12 駆動機構
13 モータ
14 モータ軸
15 駆動軸
16 フレーム
17 Vベルト
18 駆動機構
19 モータ
20 ローラ
21 駆動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11