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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057623
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】収容庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20230417BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230417BHJP
   A23L 3/32 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
B65G1/00 521A
F25D23/00 307
A23L3/32
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167192
(22)【出願日】2021-10-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002129
【氏名又は名称】住友商事株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000208709
【氏名又は名称】第一施設工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506070143
【氏名又は名称】住商グローバル・ロジスティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】目良 聡
(72)【発明者】
【氏名】大野 雄輔
【テーマコード(参考)】
3F022
4B021
【Fターム(参考)】
3F022AA02
3F022BB02
3F022EE10
3F022FF01
4B021LA41
4B021LP10
(57)【要約】
【課題】電極部材を容易に設置することが可能な収容庫を提供する。
【解決手段】収容庫10は、収容室S10を内部に有する収容庫本体20と、収容室S10の内部に電界を形成する電極部材60と、収容室S10の内部に自立して設けられ、電極部材60が間接的に設けられる補助部材70と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室を内部に有する収容庫本体と、
前記収容室の内部に電界を形成する電極部材と、
前記収容室の内部に自立して設けられ、前記電極部材が直接的又は間接的に固定される補助部材と、を備える
収容庫。
【請求項2】
前記補助部材は、互いに組み付けられる複数の枠材を有し、
前記電極部材は、複数の枠材のうちの少なくとも一つに直接的又は間接的に固定されている
請求項1に記載の収容庫。
【請求項3】
複数の前記枠材のうち、前記電極部材が間接的に固定される枠材を被固定枠材とするとき、
前記被固定枠材は、第1方向に延びるように形成される部材からなり、
前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔をあけて複数の前記被固定枠材が配置されており、
前記補助部材は、前記被固定枠材と前記電極部材との間に配置される架橋部材を更に備え、
前記架橋部材は、前記第2方向に延びるように形成される部材からなり、複数の前記被固定枠材と交差するように配置され、且つ複数の前記被固定枠材に固定されており、
前記電極部材は、前記架橋部材に直接的又は間接的に固定されている
請求項2に記載の収容庫。
【請求項4】
前記架橋部材は、絶縁材により形成されている
請求項3に記載の収容庫。
【請求項5】
前記架橋部材と前記電極部材との間に配置され、前記架橋部材及び前記電極部材に直接的に固定される絶縁部材を更に備える
請求項3又は4に記載の収容庫。
【請求項6】
当該収容庫は、新品又は中古品である
請求項1~5のいずれか一項に記載の収容庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載の収容庫がある。特許文献1に記載の収容庫は、その内部に配置される電極部材と、電極部材に電圧を印加する電源とを備えている。収容庫は矩形箱状に形成されている。電極部材は収容庫の底壁部の内面又は上壁部の内面に固定されており、電源から印加される電圧に基づいて収容庫の内部に静電界の雰囲気を形成する。これにより、収容庫内に静電界が形成されていない場合と比較すると、収容庫に収容されている生鮮食品等の鮮度を長く保つことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-204428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電極部材は比較的大きな重量を有するものであるため、例えば中古の収容庫に後付けで電極部材を設置するような場合、収容庫の剛性が不足していると、収容庫に電極部材を設置するために、収容庫に対して特別な加工が必要になる。これが、収容庫への電極部材の普及を阻害する要因となっているため、その改善が望まれている。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極部材を容易に設置することが可能な収容庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する収容庫は、収容室を内部に有する収容庫本体と、収容室の内部に電界を形成する電極部材と、収容室の内部に自立して設けられ、電極部材が直接的又は間接的に固定される補助部材と、を備える。
この構成によれば、補助部材に電極部材が直接的又は間接的に固定されているため、電極部材を設置するために収容庫本体に特別な加工を施す必要がない。そのため、電極部材を収容庫本体に容易に設置することができる。
【0007】
上記の収容庫において、補助部材は、互いに組み付けられる複数の枠材を有し、電極部材は、複数の枠材のうちの少なくとも一つに直接的又は間接的に固定されていることが好ましい。
この構成によれば、電極部材を直接的又は間接的に固定することが可能な補助部材を容易に実現することができる。
【0008】
上記の収容庫において、複数の枠材のうち、電極部材が間接的に固定される枠材を被固定枠材とするとき、被固定枠材は、第1方向に延びるように形成される部材からなり、第1方向に直交する第2方向に所定の間隔をあけて複数の被固定枠材が配置されており、補助部材は、被固定枠材と電極部材との間に配置される架橋部材を更に備え、架橋部材は、第2方向に延びるように形成される部材からなり、複数の被固定枠材と交差するように配置され、且つ複数の被固定枠材に固定されており、電極部材は、架橋部材に直接的又は間接的に固定されていることが好ましい。
【0009】
この構成のように、複数の被固定枠材に対して架橋部材を交差して配置すれば、補助部材の剛性を高めることができる。
上記の収容庫において、架橋部材は絶縁材により形成されていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、被固定枠材と電極部材との間の絶縁距離を確保することができるため、電極部材から被固定枠材へ流れる漏れ電流を抑制することが可能である。
上記の収容庫において、架橋部材と電極部材との間に配置され、架橋部材及び電極部材に直接的に固定される絶縁部材を更に備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、電極部材と被固定枠材との間の絶縁距離を更に長くすることができるため、電極部材から被固定枠材へ流れる漏れ電流をより的確に抑制することができる。
上記の収容庫において、当該収容庫は、新品又は中古品であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の収容庫によれば、電極部材を容易に設置することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の収容庫の斜視構造を示す斜視図。
図2】実施形態の収容庫の断面構造を示す断面図。
図3】実施形態の収容庫の断面斜視構造を示す斜視図。
図4】実施形態の収容庫の上壁部周辺の断面斜視構造を示す斜視図。
図5】実施形態の架橋部材及び絶縁部材の正面構造を拡大して示す正面図。
図6】実施形態の電極部材の平面構造を示す平面図。
図7】実施形態の電極部材の側面構造を示す側面図。
図8】他の実施形態の収容庫の断面構造を示す断面図。
図9】他の実施形態の収容庫の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、収容庫の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示される収容庫10は輸送用のコンテナとして用いられる。収容庫10は、その内部に収容される物品を冷蔵保存することが可能である。収容庫10に収容される物品は生鮮食品や乳製品、麺類等である。生鮮食品は、例えば魚や貝等の魚介類、いちごやりんご等の果物、キャベツやトマト等の野菜、牛肉や豚肉等の食肉、エッグ、並びにそれらの加工食品である。乳製品は牛乳やチーズ等である。麺類は、小麦粉やそば粉等の穀物の粉体から作られるものである。なお、収容庫10に収容される物品は、食品に限らず、生花や薬品、臓器等であってもよい。
【0015】
収容庫10は、輸送用のコンテナに限らず、固定型冷蔵庫や移動型冷蔵庫等として用いることができる。固定型冷蔵庫は、食品の加工工場や保管庫等の屋内に設置される冷蔵庫である。移動型冷蔵庫は、船舶や飛行機等の移動体に積み込まれる冷蔵庫である。また、収容庫10は、輸送用以外のコンテナや、プレハブ倉庫等の移動不可能な倉庫であってよい。さらに、収容庫10は新品及び中古品のいずれであってもよい。
【0016】
図2に示されるように、収容庫10は、物品を内部に収容可能な収容庫本体20と、収容庫本体20に内蔵される冷却装置30とを備えている。なお、図1及び図2では、鉛直方向上方が矢印Z1で示され、鉛直方向下方が矢印Z2で示されている。以下では、鉛直方向上方及び鉛直方向下方をまとめて「上下方向Z」とも称する。
【0017】
図1に示されるように、収容庫本体20は、箱体40と、一対の扉部50とを有している。箱体40及び扉部50はアルミニウムやステンレス鋼等の金属材料により形成されるとともに、電気的に接地されている。
箱体40は、正面に開口部を有する矩形箱状に形成されている。箱体40の正面の開口部は一対の扉部50により閉塞されている。箱体40の内面及び扉部50の内面により囲まれる空間は、図2に示される収容庫本体20の内部空間である収容室S10を形成している。以下では、図2に示される箱体40の外壁を構成する複数の壁部のうち、扉部50から見たときに、上方Z1に配置される壁部41を「上壁部41」と称し、右側に配置される壁部42を「右側壁部42」と称し、左側に配置される壁部43を「左側壁部43」と称し、奥側に配置される壁部44を「背壁部44」と称し、下方Z2に配置される壁部45を「底壁部45」と称する。また、右側壁部42と左側壁部43とが互いに対向している方向を「左右方向X」と称し、扉部50と背壁部44とが互いに対向している方向を「奥行き方向Y」と称する。左右方向X、奥行き方向Y、及び上下方向Zは互いに直交している。本実施形態では、左右方向Xが第1方向に相当し、奥行き方向Yが第2方向に相当する。
【0018】
収容室S10は、物品が収容される空間である。収容庫10の冷蔵性能を高めるために、箱体40及び扉部50のそれぞれの内部には、収容室S10から収容庫10の外部への熱伝達を抑制するための断熱材が埋め込まれている。
図1に示される一対の扉部50は箱体40に対して開閉自在に取り付けられている。一対の扉部50は例えば観音開きの形で開閉動作する。収容庫10では、扉部50を開くことにより収容室S10に任意の物品を入れたり、収容室S10に収容されている物品を外部に持ち出したりすることが可能となる。また、扉部50を閉じることにより収容室S10が閉空間となり、収容室S10の内部の物品が冷却環境下で保存される。
【0019】
図2に示されるように、冷却装置30は吸入口31及び吹出口32を有している。吸入口31及び吹出口32は共に収容室S10内に開口している。冷却装置30は、電力の供給に基づいて駆動することにより、吸入口31を介して収容室S10内の空気を吸入するとともに、吸入した空気を冷却して吹出口32から収容室S10内に吹き出す。この吹出口32から吹き出される冷風により収容室S10内が冷却される。
【0020】
図2に示されるように、収容庫10の内部には、電極部材60と、補助部材70と、絶縁部材80とが更に設けられている。
図2及び図3に示されるように、補助部材70は、複数の枠材71~77が互いに組み付けられることにより構成されている。各枠材71~76は鋼材等の金属材料により棒状に形成されている。
【0021】
一対の角枠材71,72及び複数の横枠材73は収容庫本体20の上壁部41の内面に沿うように配置されている。一対の角枠材71,72は奥行き方向Yに延びるようにそれぞれ設けられている。一方の角枠材71は、収容庫本体20の上壁部41の内面と右側壁部42の内面との間に形成される角部に沿って配置されている。他方の角枠材72は、収容庫本体20の上壁部41の内面と左側壁部43の内面との間に形成される角部に沿って配置されている。複数の横枠材73は、左右方向Xに延びるようにそれぞれ設けられている。複数の横枠材73は、一対の角枠材71,72の間に配置されて、且つ奥行き方向Yに所定の間隔をあけてそれぞれ配置されている。複数の横枠材73のそれぞれの右端部は一方の角枠材71に連結されている。複数の横枠材73のそれぞれの左端部は他方の角枠材72に連結されている。したがって、複数の横枠材73は一対の角枠材71,72の間を橋渡しするように設けられている。
【0022】
複数の縦枠材74及び複数の中間枠材75は収容庫本体20の右側壁部42の内面に沿うように配置されている。各縦枠材74は、角枠材71から下方Z2に延びるように設けられている。各縦枠材74の下端部は収容庫本体20の底壁部45の内面に接触している。複数の縦枠材74は、奥行き方向Yに所定の間隔をあけて配置されている。複数の中間枠材75は複数の縦枠材74の間にそれぞれ配置されている。各中間枠材75は、奥行き方向Yに隣り合う縦枠材74,74のそれぞれの中間部分を連結するように設けられている。
【0023】
複数の縦枠材76及び複数の中間枠材77は収容庫本体20の左側壁部43の内面に沿うように配置されている。各縦枠材76は、角枠材72から下方Z2に延びるように設けられている。各縦枠材76の下端部は収容庫本体20の底壁部45の内面に接触している。複数の縦枠材76は、奥行き方向Yに所定の間隔をあけて配置されている。複数の中間枠材77は複数の縦枠材76の間にそれぞれ配置されている。各中間枠材77は、奥行き方向Yに隣り合う縦枠材76,76のそれぞれの中間部分を連結するように設けられている。
【0024】
図4に示されるように、補助部材70は複数の架橋部材78を更に備えている。図5に示されるように、架橋部材78は、樹脂等の絶縁材料により断面U字型の棒状に形成されており、上部780及び下部781と、それらの一端部をそれぞれ連結するように設けられる側部782とを有している。図4に示されるように、複数の架橋部材78は、奥行き方向Yに延びるように設けられており、複数の横枠材73と交差するように配置されている。複数の架橋部材78は、左右方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。各架橋部材78の上部780は、ねじ等により複数の横枠材73に締結されて固定されている。この締結構造により、複数の架橋部材78と複数の横枠材73とが一体的に組み付けられている。各架橋部材78の下部781には絶縁部材80を介して電極部材60が固定されている。
【0025】
なお、補助部材70は、収容室S10の内部に自立して、換言すれば収容庫本体20に対して独立して設けられている。したがって、補助部材70は、収容庫本体20に固定されずとも、それ単体で構造物としての形状を保つことが可能である。なお、補助部材70は、収容庫本体20に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。また、補助部材70は、電極部材60が組み付けられたとしても形状を保つことが可能な強度、換言すればそれ単体で電極部材60を支持することが可能な強度を有している。
【0026】
電極部材60は、電圧の印加に基づいて収容室S10内に電界を形成する。図6及び図7に示されるように、電極部材60は、電極本体61と、絶縁部材62と、配線63とを有している。
電極本体61は、鋼材等の金属材料により、左右方向Xに長手方向を有し、且つ奥行き方向Yに短手方向を有する薄板矩形状に形成されている。電極本体61は絶縁部材62により囲繞されている。電極本体61の外面は、配線63が接続されている部分を除き、全面に亘って絶縁部材62により覆われている。絶縁部材62は、樹脂等の絶縁材料により板状に形成されている。
【0027】
配線63は、電極本体61の一端部から絶縁部材62を貫通して外部に露出するように形成されている。配線63は、電極本体61に電圧を印加するためのものである。
図6に示されるように、配線63は、収容庫本体20の内部又は外部に設けられる電圧印加装置90に接続されている。電圧印加装置90は、変圧器91及び制御盤92等を有して構成されており、配線63を介して電極本体61に所定の高電圧を印加する。変圧器91は、電源から供給される電圧を昇圧して電極本体61に印加する。制御盤92は、変圧器91を制御するための各種回路等を有している。電圧印加装置90から電極本体61に印加される高電圧は、例えば時間の経過に伴って周期的に大きさや向きが変化する交番電圧であってもよいし、時間の経過に伴って大きさや向きが変化しない一定の電圧であってもよい。電極本体61は、電圧印加装置90により印加される高電圧に基づいて収容室S10内に電界を形成する。
【0028】
図4に示されるように、電極部材60と架橋部材78との間に設けられる絶縁部材80は、樹脂等の絶縁材料により矩形状に形成されている。図6に二点鎖線で示されるように、絶縁部材80は、奥行き方向Yに延びるように形成されている。複数の絶縁部材80は、左右方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。各絶縁部材80の底面には、ねじ等により電極部材60が固定されている。図4に示されるように、複数の絶縁部材80の上面には、ねじ等により複数の架橋部材78の下部781が固定されている。複数の架橋部材78には、複数の電極部材60が奥行き方向に並べて固定されている。
【0029】
次に、本実施形態の収容庫10の作用及び効果について説明する。なお、以下では、収容室S10に収容されている物品を収容物とも称する。
収容室S10内に電界が形成されることにより、収容室S10内の収容物に殺菌処理を施すことができるとともに、収容物の熟成を促進させることもできる。そのため、鮮度を保ったまま収容物を長期間に亘って保存することができるとともに、収容物の旨味を増幅させることもできる。また、所定の電界の環境下に収容物が存在することにより収容物の凍結点を下げることができるため、より低温の環境下、例えばマイナス温度の環境下であっても凍結することなく収容物を保存することができる。そのため、収容物の鮮度をより長期間に亘って維持することが可能となる。
【0030】
一方、電極部材が搭載されていない例えば中古の収容庫では、電極部材を設置するために必要な剛性を収容庫本体が有していない場合がある。このような収容庫に関しては、後付けで電極部材を設置しようとしても、剛性不足により電極部材を設置することができないことが多い。
【0031】
この点、本実施形態の収容庫10では、仮に収容庫本体20の剛性が低い場合であっても、補助部材70を収容庫本体20の内部に配置することにより電極部材60を後付けで設置することが可能となる。しかも、補助部材70に電極部材60が固定されているため、電極部材60を設置するために収容庫本体20の上壁部41に対して特別な加工を施す必要がない。そのため、電極部材60を収容庫本体20に容易に設置することが可能である。
【0032】
以上説明した本実施形態の収容庫10によれば、以下の(1)~(5)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)本実施形態の収容庫10では、補助部材70が、収容室S10の内部に自立して設けられ、電極部材60が間接的に固定される補助部材として機能する。この構成によれば、電極部材60を収容庫本体20に容易に設置することが可能となる。
【0033】
(2)補助部材70は、収容庫本体20の内面に沿うように配置され、互いに組み付けられる複数の枠材71~77を有している。電極部材60は、枠材71~77のうち、収容庫本体20の上壁部41の内面に沿うように配置される複数の横枠材73に間接的に固定されている。このように、本実施形態では、横枠材73が、電極部材60が間接的に固定される被固定枠材に相当する。この構成によれば、電極部材60を固定可能な補助部材70を容易に実現することができる。
【0034】
(3)複数の横枠材73は、左右方向Xに延びるように形成される棒状の部材からなり、奥行き方向Yに所定の間隔をあけて配置されている。補助部材70は、横枠材73と電極部材60との間に配置される架橋部材78を更に備える。架橋部材78は、奥行き方向Yに延びるように形成される棒状の部材からなり、複数の横枠材73と交差するように配置されるとともに、複数の横枠材73に固定されている。電極部材60は架橋部材78に間接的に固定されている。この構成のように、複数の横枠材73に対して架橋部材78を交差して配置すれば、補助部材70の剛性を高めることができる。
【0035】
(4)金属材料からなる横枠材73と電極部材60とが接近している場合、電極部材60の電極本体61を流れる電流の一部が横枠材73へと流れる、いわゆる漏れ電流が発生する可能性がある。この点、本実施形態の収容庫10では、架橋部材78が絶縁材により形成されることにより、横枠材73と電極部材60との間の絶縁距離を確保することができるため、電極部材60から横枠材73へ流れる漏れ電流を抑制することが可能である。
【0036】
(5)収容庫10は、架橋部材78と電極部材60との間に配置され、架橋部材78及び電極部材60に直接的に固定される絶縁部材80を更に備える。この構成によれば、電極部材60と横枠材73との間の絶縁距離を更に長くすることができるため、電極部材60から横枠材73へ流れる漏れ電流をより的確に抑制することができる。
【0037】
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
図8に示されるように電極部材60は横枠材73に直接的に固定されていてもよい。また、図9に示されるように電極部材60は架橋部材78に直接的に固定されていてもよい。
【0038】
・上記実施形態では、電極部材60が複数の横枠材73に固定される構造を例示したが、これに代えて、電極部材60は、補助部材70を構成する複数の枠材のうちの一つのみに固定されていてもよい。すなわち、電極部材60は、補助部材70を構成する複数の枠材のうちの少なくとも一つに固定されていればよい。
【0039】
・補助部材70は、複数の板材の組み合わせや、複数のアングル材の組み合わせにより構成されていてもよい。
・電極部材60は、上壁部41の内側に限らず、右側壁部42の内側、左側壁部43の内側、背壁部44の内側等、収容庫本体20の内部の任意の位置に配置可能である。また、電極部材60の位置に応じて補助部材70の構造を適宜変更してもよい。
【0040】
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0041】
S10…収容室、10…収容庫、20…収容庫本体、60…電極部材、70…補助部材(補助部材)、71,72…角枠材、73…横枠材(被固定枠材)、74,76…縦枠材、75,77…中間枠材、78…架橋部材、80…絶縁部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室を内部に有する収容庫本体と、
前記収容室の内部に電界を形成する電極部材と、
前記収容室の内部に自立して設けられ、前記電極部材が直接的又は間接的に固定される補助部材と、を備え
前記補助部材は、前記収容庫本体の側壁部の内面に沿って配置される縦枠材と、前記収容庫本体の上壁部の内面に沿って配置される横枠材とが互いに組み付けられた構造体であり、
前記縦枠材の下端部が収容庫本体の底壁部の内面に接触することにより、前記補助部材が前記収容室の内部に自立して設けられている
収容庫。
【請求項2】
前記電極部材は、前記横枠材の底面に直接的又は間接的に固定されている
請求項1に記載の収容庫。
【請求項3】
前記横枠材が延びる方向を所定方向とするとき、
前記電極部材は、前記横枠材に沿って前記所定方向に延びるように配置されている
請求項2に記載の収容庫。
【請求項4】
前記補助部材は、前記枠材と前記電極部材との間に配置される架橋部材を更に備え
前記電極部材は、前記架橋部材に直接的又は間接的に固定されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の収容庫。
【請求項5】
前記横枠材は、第1方向に延びるように形成される部材からなり、
前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔をあけて複数の前記横枠材が前記収容庫本体の上壁部の内面に沿って配置されており、
前記架橋部材は、前記第2方向に延びるように形成される部材からなり、複数の前記横枠材と交差するように配置され、且つ複数の前記横枠材に固定されている
請求項4に記載の収容庫。
【請求項6】
前記架橋部材は、絶縁材により形成されている
請求項4又は5に記載の収容庫。
【請求項7】
前記架橋部材と前記電極部材との間に配置され、前記架橋部材及び前記電極部材に直接的に固定される絶縁部材を更に備える
請求項4~6のいずれか一項に記載の収容庫。
【請求項8】
当該収容庫は、新品又は中古品である
請求項1~のいずれか一項に記載の収容庫。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室を内部に有する収容庫本体と、
前記収容室の内部に電界を形成する電極部材と、
前記収容室の内部に自立して設けられ、前記電極部材が直接的又は間接的に固定される補助部材と、を備え、
前記補助部材は、前記収容庫本体の側壁部の内面に沿って配置される縦枠材と、前記収容庫本体の上壁部の内面に沿って配置される横枠材とが互いに組み付けられた構造体であり、
前記縦枠材の下端部が収容庫本体の底壁部の内面に接触することにより、前記補助部材が前記収容室の内部に自立して設けられ
前記電極部材は、前記横枠材の底面又は前記縦枠材に直接的又は間接的に固定されている
収容庫。
【請求項2】
前記横枠材が延びる方向を所定方向とするとき、
前記電極部材は、前記横枠材に沿って前記所定方向に延びるように配置されている
請求項に記載の収容庫。
【請求項3】
前記補助部材は、前記横枠材と前記電極部材との間に配置される架橋部材を更に備え、
前記電極部材は、前記架橋部材に直接的又は間接的に固定されている
請求項1又は2に記載の収容庫。
【請求項4】
前記横枠材は、第1方向に延びるように形成される部材からなり、
前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔をあけて複数の前記横枠材が前記収容庫本体の上壁部の内面に沿って配置されており、
前記架橋部材は、前記第2方向に延びるように形成される部材からなり、複数の前記横枠材と交差するように配置され、且つ複数の前記横枠材に固定されている
請求項に記載の収容庫。
【請求項5】
前記架橋部材は、絶縁材により形成されている
請求項又はに記載の収容庫。
【請求項6】
前記架橋部材と前記電極部材との間に配置され、前記架橋部材及び前記電極部材に直接的に固定される絶縁部材を更に備える
請求項のいずれか一項に記載の収容庫。
【請求項7】
当該収容庫は、新品又は中古品である
請求項1~のいずれか一項に記載の収容庫。