(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057895
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】錠の制御システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20230417BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20230417BHJP
【FI】
E05B49/00 L
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167644
(22)【出願日】2021-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】518300593
【氏名又は名称】ブロックチェーンロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100173679
【弁理士】
【氏名又は名称】備後 元晴
(72)【発明者】
【氏名】岡本 健
(72)【発明者】
【氏名】益邑 真也
【テーマコード(参考)】
2E250
5L049
【Fターム(参考)】
2E250AA06
2E250BB05
2E250DD07
2E250FF11
2E250FF18
5L049AA03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】通信の安定性、通信の秘匿性、及び/又は電力の供給が制限されている場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な錠の制御システムを提供すること。
【解決手段】本発明の錠の制御システムSは、ロック装置4、二次元コードBを読み取り可能な読取装置5、及びロック装置4及び読取装置5を制御可能な制御装置6を含んで構成される、電気式及び/又は電子式の錠3と、錠3とネットワークNを介して接続されており、利用者が予約した予約時間帯にロック装置4を解錠可能とする予約時間帯を管理可能な予約管理装置2と、を備え、予約管理装置2は、大容量予約情報をまとめて制御装置6に送信可能な大容量予約情報送信部212と、識別情報を含み予約時間帯情報を含まない小容量情報が公開暗号鍵方式の秘密鍵222で暗号化されている暗号化小容量情報を含む二次元コードBを利用者に発行可能な二次元コード発行部213と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠状態と解錠状態との間で切り換え可能なロック装置、二次元コードを読み取り可能な読取装置、及び前記ロック装置及び前記読取装置を制御可能な制御装置を含んで構成される、電気式及び/又は電子式の錠と、
前記錠とネットワークを介して接続されており、利用者が予約した予約時間帯に前記ロック装置を解錠可能とする予約時間帯を管理可能な予約管理装置と、
を備え、
前記予約管理装置は、
前記予約時間帯に関する予約時間帯情報、及び前記予約時間帯情報よりもデータ量が小さい識別情報を少なくとも含む大容量予約情報を生成可能な大容量予約情報生成部と、
1以上の前記大容量予約情報を、0.5時間以上の間隔を空けたタイミングでまとめて前記制御装置に送信可能な大容量予約情報送信部と、
前記識別情報を含み、前記予約時間帯情報を含まない小容量情報が公開暗号鍵方式の秘密鍵で暗号化されている暗号化小容量情報を含む二次元コードを前記利用者に発行可能な二次元コード発行部と、
を有し、
前記錠の前記制御装置は、
前記1以上の大容量予約情報を前記予約管理装置から受信可能な大容量予約情報受信部と、
前記読取部によって読み取られた前記二次元コードに含まれる前記暗号化小容量情報を前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて復号し、復号後小容量情報を得る復号部と、
前記復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を用いて、現在時刻が前記予約時間帯に該当するかを判別可能な判別部と、
現在時刻が前記予約時間帯に該当する場合に、前記ロック装置に前記解錠状態への切り換えを指令可能な解錠指令部と、
を有し、
前記大容量予約情報受信部は、前記復号後小容量情報に対応する前記対応大容量予約情報が前記予約情報受信部によって受信された前記1以上の前記大容量予約情報に含まれていない場合に、前記対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報を前記予約管理装置から受信可能である、錠の制御システム。
【請求項2】
前記錠は、前記ロック装置、前記読取装置及び前記制御装置に、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源部をさらに含んで構成される、請求項1に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
貸会議室、貸倉庫、ホテル等において、利用者の予約に応じて鍵を利用者に提供し、鍵に対応する錠を用いて管理される場所等を利用可能とするサービスが行われている。このようなサービスとして、例えば、部屋の貸し出しや、隠れ家店舗の入退店管理等のサービス等がある。
【0003】
このようなサービスでは、利用者が紛失等した鍵の不正利用を防ぐために、鍵を予約ごとに使い捨てとすることが好ましい。しかし、ディンプル鍵、電子鍵、カードキー等によって例示される物理鍵の場合、予約ごとに鍵を使い捨てとすると、使い捨ての物理鍵を用意するための労力及び/又は費用が多大なものとなり得る。
【0004】
鍵に関し、印刷されたバーコードを用いる鍵及び/又は端末に表示されたバーコードを用いる鍵等によって例示される、光学的な手段で読み取り可能な情報を用いる鍵が利用されている。このような鍵を使い捨ての鍵として利用することにより、使い捨ての鍵を用意するための労力及び/又は費用が使い捨ての物理鍵を用いる場合より軽減され得る。
【0005】
錠で管理される場所等を、予約に応じて発行されたバーコード等を用いて利用可能とする技術に関し、特許文献1は、バーコード符号化が設けられたバーコード搭乗券を乗客に発行し、乗客が提示したバーコード搭乗券を読み取って中央データベースの航空便に関するデータと突合せ、データの突合せが上手くいった場合に通過場所の施錠手段を一時的に開放してバーコード搭乗券を提示した乗客が所定の通過場所を通過可能とする技術を開示している。特許文献1の技術によれば、搭乗券の確認を自動化し、偽造された搭乗券の利用を防ぎ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、予約に応じた貸し出しを管理可能な錠を既存の設備に後付けすることで、錠を後付けした設備を利用者の予約に応じて利用可能とするサービスを提供するという要望がある。既存の設備に錠を後付けする場合、設備の場所において、通信の安定性、通信の秘匿性、及び/又は電力の供給が制限されている場合があり得る。
【0008】
特許文献1の技術は、バーコード搭乗券を読み取って中央データベースの航空便に関するデータと逐一突合せることで、バーコード搭乗券を提示した乗客が所定の通過場所を通過可能となる。したがって、特許文献1の技術は、中央データベースと安定した通信を行うことが可能な通信の安定性を確保することに困難がある場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な手段を提供する点において、改善の余地がある。
【0009】
無線通信である場合等の通信の秘匿性が制限されている場合、予約が行われるごとに逐一情報が錠へ送信されると、送信される情報が傍受等されて不正に利用され得る。特許文献1の技術は、通信の秘匿性が制限されている場所の設備に後付けした錠へ送信される情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを軽減する点において、なおいっそう改良の余地がある。
【0010】
電力の供給が制限されている場合、錠は、電池等の小電力を提供可能な電源によって動作可能であることが求められる。錠の制御を行う手段は、より少ない電力で動作可能であることにより、電源の保守(例えば、電池の交換)の頻度を低減できる。これにより、ほぼ無人の管理で錠の制御を行うことが可能となり、予約を管理する管理者は、錠の制御にかかる労力及び/又は負担を少なくし得る。
【0011】
特許文献1の技術は、読み取ったバーコード搭乗券を中央データベースの航空便に関するデータと突合せるための通信において、バーコード搭乗券を読み取るたびに通信のための電力を消費し得る。したがって、特許文献1の技術は、錠の制御をより少ない電力で行い、電力の供給が制限されている場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な手段を提供する点において、よりいっそう改善の余地がある。
【0012】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、通信の安定性、通信の秘匿性、及び/又は電力の供給が制限されている場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な錠の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、予約時間帯等を含む大容量予約情報を指定の時間以上の間隔を空けたタイミングでまとめて送信し、大容量予約情報と対応する小容量情報を公開暗号鍵方式の秘密鍵で暗号化した暗号化小容量情報を含む二次元コードを発行すること等によって上述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0014】
第1の特徴に係る発明は、施錠状態と解錠状態との間で切り換え可能なロック装置、二次元コードを読み取り可能な読取装置、及び前記ロック装置及び前記読取装置を制御可能な制御装置を含んで構成される、電気式及び/又は電子式の錠と、前記錠とネットワークを介して接続されており、利用者が予約した予約時間帯に前記ロック装置を解錠可能とする予約時間帯を管理可能な予約管理装置と、を備え、前記予約管理装置は、前記予約時間帯に関する予約時間帯情報、及び前記予約時間帯情報よりもデータ量が小さい識別情報を少なくとも含む大容量予約情報を生成可能な大容量予約情報生成部と、1以上の前記大容量予約情報を、0.5時間以上の間隔を空けたタイミングでまとめて前記制御装置に送信可能な大容量予約情報送信部と、前記識別情報を含み、前記予約時間帯情報を含まない小容量情報が公開暗号鍵方式の秘密鍵で暗号化されている暗号化小容量情報を含む二次元コードを前記利用者に発行可能な二次元コード発行部と、を有し、前記錠の前記制御装置は、前記1以上の大容量予約情報を前記予約管理装置から受信可能な大容量予約情報受信部と、前記読取部によって読み取られた前記二次元コードに含まれる前記暗号化小容量情報を前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて復号し、復号後小容量情報を得る復号部と、前記復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を用いて、現在時刻が前記予約時間帯に該当するかを判別可能な判別部と、現在時刻が前記予約時間帯に該当する場合に、前記ロック装置に前記解錠状態への切り換えを指令可能な解錠指令部と、を有し、前記大容量予約情報受信部は、前記復号後小容量情報に対応する前記対応大容量予約情報が前記予約情報受信部によって受信された前記1以上の前記大容量予約情報に含まれていない場合に、前記対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報を前記予約管理装置から受信可能である、錠の制御システムを提供する。
【0015】
第1の特徴に係る発明によれば、予約管理装置は、予約時間帯等を含む大容量予約情報を生成し、1以上の大容量予約情報を、指定の時間以上の間隔を空けたタイミングでまとめて制御装置に送信できる。これにより、予約管理装置は、通信の安定性が制限されている場所であっても、通信が安定しているタイミングで大容量予約情報を制御装置に送信できる。
【0016】
第1の特徴に係る発明によれば、予約管理装置は、指定の時間以上の間隔を空けて大容量予約情報をまとめて送信する。これにより、予約管理装置は、予約が行われるごとに逐一大容量予約情報が送信される場合より大容量予約情報が送信される頻度を少なくできる。したがって、制御システムは、通信の秘匿性が制限されている場所であっても、大容量予約情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを低減できる。また、大容量予約情報が送信される頻度を少なくすることにより、制御装置は、遠距離間での通信にかかる消費電力の増大を低減できる。
【0017】
第1の特徴に係る発明によれば、対応大容量予約情報が受信された大容量予約情報に含まれていない場合に、対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報を予約管理装置から受信できる。したがって、制御システムは、予約が行われるごとに制御装置が予約情報を逐一送信して傍受されるリスク及び消費電力を低減することと、電子錠側の制御装置が、復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を確実に受信して、予約時間帯の妥当性を迅速に判別可能にすることとを両立できる。
【0018】
共通鍵方式では、復号に用いる鍵(共通鍵)が秘密でない場合、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置を解錠状態とすることを可能とする、偽造された小容量情報が共通鍵を用いて暗号化され得る。これにより、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードが生成され得る。
【0019】
第1の特徴に係る発明によれば、暗号化小容量情報が公開暗号鍵方式の秘密鍵で暗号化され、秘密鍵に対応する公開鍵を用いて復号されることにより、復号に用いる鍵(公開鍵)が秘密でない場合であっても利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0020】
ところで、公開暗号鍵方式は、共通鍵方式より暗号強度が高い一方、暗号化処理及び復号処理にかかる負荷が、共通鍵方式に比べて大きいことが知られている。これにより、公開暗号鍵方式を用いる場合に、制御装置における消費電力が共通鍵方式より高くなり得る。
【0021】
第1の特徴に係る発明によれば、復号部が暗号化小容量情報を復号し、復号された復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を用いて、現在時刻が予約時間帯に該当するかを判別できる。これにより、制御装置は、復号する情報を、暗号化小容量情報のみにとどめ、公開暗号鍵方式の復号処理にかかる負荷を軽減することと、偽造二次元コードの生成を防ぐこととを両立できる。
【0022】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、偽造二次元コードの生成を防ぎつつ、大容量予約情報すべてが公開暗号鍵方式で暗号化されている場合より、復号処理にかかる負荷がもたらす制御装置の消費電力を低減できる。
【0023】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、大容量予約情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを低減することと、消費電力を低減することと、復号に用いる鍵が秘密でない場合であっても利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことと、を両立できる。これにより、通信の秘匿性及び/又は電力の供給が制限されている場所であっても、電気式及び/又は電子式の錠を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。
【0024】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、通信の安定性、通信の秘匿性、及び/又は電力の供給が制限されている場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な錠の制御システムを提供できる。
【0025】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記錠は、前記ロック装置、前記読取装置及び前記制御装置に、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源部をさらに含んで構成される、制御システムを提供する。
【0026】
第2の特徴に係る発明によれば、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源部を備えることにより、ロック装置、読取装置、及び制御装置は、電力の供給が制限されている場所であっても、錠の制御を提供し得る。したがって、第2の特徴に係る発明によれば、電力の供給が制限されている場所であっても、制御システムは、電気式及び/又は電子式の錠を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。また、外部との通信を行わないことで錠の消費電力を軽減できるため、電源部の保守にかかる頻度を低減することも見込まれうる。
【0027】
したがって、第2の特徴に係る発明によれば、通信の安定性、通信の秘匿性、及び/又は電力の供給が制限されている場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な錠の制御システムを提供できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、通信の安定性、通信の秘匿性、及び/又は電力の供給が制限されている場所の設備に後付け可能な、予約に応じた錠の制御を実現可能な錠の制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る制御システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、大容量予約情報テーブル621の一例である。
【
図4】
図4は、予約管理装置2で実行される予約処理の一例を示すメインフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4のステップS8で実行される大容量予約情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、制御装置6で実行される制御処理の一例を示すメインフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図6のステップS42で実行されるオフライン制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図6のステップS45で実行されるオンライン制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8のステップS69で実行される大容量予約情報受信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図6のステップS44で実行される利用終了処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、管理対象Mへの錠3の後付けの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
<<制御システムS>>
図1は、本発明の実施形態に係る制御システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。制御システムS(錠の制御システム)は、少なくとも、利用者端末1、利用者が予約した予約時間帯に管理対象Mを利用可能とする二次元コードBを発行可能な予約管理装置2、管理対象Mを管理可能な錠3を含んで構成される。また、予約管理装置2は、利用者端末1及び錠3とネットワークNを介して通信可能に構成されている。
【0032】
利用者端末1の数は、特に限定されない。錠3の数は、1以上であれば特に限定されない。
【0033】
<利用者端末1>
利用者端末1は、ネットワークNを介して予約管理装置2に予約時間帯の予約を要求可能であれば、特に限定されない。利用者端末1は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末によって例示される携帯端末、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン等によって例示されるコンピュータ等でよい。
【0034】
利用者端末1が携帯端末である場合、利用者端末1は、予約管理装置2が発行した二次元コードを表示可能であることが好ましい。これにより、利用者端末1を利用する利用者は、利用者端末1に表示された二次元コードBを用いて予約時間帯に錠3で管理された管理対象Mを利用できる。
【0035】
利用者端末1が携帯端末である場合、利用者端末1は、無線ネットワークを介して予約管理装置2と通信可能であることが好ましい。これにより、利用者端末1は、予約管理装置2が錠3から離れた場所にある場合であっても、錠3の近傍で予約管理装置2に二次元コードBの発行を要求し、発行された二次元コードBを表示して、錠3で管理された管理対象Mを利用できる。
【0036】
<予約管理装置2>
予約管理装置2は、管理装置制御部21と、管理装置記憶部22と、管理装置通信部23と、を含んで構成される。予約管理装置2の構成は、特に限定されず、例えば、サーバ装置、ネットワークNを介して接続された複数のコンピュータを含むクラウドサーバ、等でよい。
【0037】
なかでも、予約管理装置2の構成は、クラウドサーバを含むことが好ましい。これにより、予約管理装置2は、利用者端末1及び/又は錠3の数が多い場合であっても、複数のコンピュータに処理を分散することで、予約管理を遅滞なく行い得る。また、クラウドサーバが含むコンピュータのいずれかに障害が発生した場合であっても、他のコンピュータが予約管理を行い得る。
【0038】
〔管理装置制御部21〕
管理装置制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0039】
管理装置制御部21は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて管理装置記憶部22及び/又は管理装置通信部23と協働することで、予約管理装置2におけるソフトウェア構成の要素である、大容量予約情報生成部211、大容量予約情報送信部212、二次元コード発行部213、利用終了情報受信部214等を実現する。
【0040】
予約管理装置2において実行される予約管理処理の流れについては、後に
図4を用いて詳細に説明する。
【0041】
〔管理装置記憶部22〕
管理装置記憶部22は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。管理装置記憶部22は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0042】
管理装置記憶部22には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、予約テーブル221、秘密鍵222等が記憶されている。
【0043】
[予約テーブル221]
図2は、予約テーブル221の一例である。予約テーブル221は、予約時間帯、予約の対象となる管理対象Mの管理に用いられる錠3を識別可能な錠ID、予約の対象となる管理対象Mの管理に用いられるロック装置4を識別可能なロック装置ID等を含む予約情報を格納する。
【0044】
予約テーブル221は、予約を識別可能な予約情報IDと予約情報とを関連付けて格納可能であることが好ましい。これにより、予約管理装置2は、予約IDを用いて予約情報を格納及び/又は取得できる。
【0045】
必須の態様ではないが、予約情報は、錠3において予約情報を識別可能であり、予約情報をよりデータ量が小さい識別情報を含むことが好ましい。これにより、予約情報を受信し、二次元コードBを介して識別情報を取得した錠3は、識別情報を用いて予約情報を識別し、予約情報に応じて錠3を制御できる。
【0046】
識別情報は、特に限定されない。識別情報は、予約時間帯に関する情報であって暗号化されていない情報を含まないことが好ましい。これにより、識別情報の秘密が保たれていない場合に、予約時間帯以外の時間帯に錠3を解錠可能とする偽造二次元コードが識別情報を用いて生成されることを防ぎ得る。識別情報として、例えば、予約情報と対応する暗証番号が挙げられる。
【0047】
必須の態様ではないが、予約情報は、当該予約情報が錠3に送信済であるかの情報と関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、送信済の予約情報が繰り返し送信されることを防ぎ得る。
【0048】
必須の態様ではないが、予約情報は、当該予約情報の利用が終了したかの情報と関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、利用が終了した予約情報が繰り返し送信されることを防ぎ得る。
【0049】
図2に示す予約テーブル221は、予約情報IDと関連付けられた予約情報を格納している。
図2に示す予約テーブル221が格納する予約情報は、予約について、「予約時間帯」、「錠ID」、「ロック装置ID」、予約情報を識別可能な「識別情報」を含み、予約情報が「送信済」であるかの情報、予約情報と対応する管理対象Mの予約時間帯における利用が「利用終了」したかの情報、と関連付けられている。
【0050】
図2の予約情報ID「R0001」と関連付けられた予約情報は、以下の情報を含んでいる:
開始日時が「7月7日 16:00」で終了日時が「7月7日 18:00」である予約時間帯。
錠3を識別可能な錠ID「3a」。
錠ID「3a」によって識別される錠3が制御可能なロック装置4を識別可能なロック装置ID「4aa」。
予約時間帯に関する情報であって暗号化されていない情報を含まず、予約情報を識別可能な識別情報「0626・・・」。
【0051】
また、
図2の予約情報ID「R0001」と関連付けられた予約情報は、以下の情報と関連付けられている:
予約情報が送信済であることを示す送信済情報「Yes」。
予約情報と対応する予約の利用が終了していることを示す利用終了情報「Yes」。
【0052】
これにより、予約管理装置2は、錠ID「3a」によって識別される錠3によって制御されるロック装置4であって、ロック装置ID「4aa」によって識別されるロック装置4によって管理される管理対象Mを、開始日時が「7月7日 16:00」で終了日時が「7月7日 18:00」である予約時間帯に利用する予約に関する大容量予約情報を錠3に送信できる。また、予約管理装置2は、送信された大容量予約情報を識別可能な識別情報「0626・・・」を含む二次元コードBを発行できる。
【0053】
[秘密鍵222]
秘密鍵222は、公開暗号鍵方式の秘密鍵であれば、特に限定されない。秘密鍵222は、例えば、素因数分解に基づく公開暗号鍵方式(RSA(Rivest-Shamir-Adleman)暗号、Paillier暗号、Rabin暗号等)、離散対数に基づく公開暗号鍵方式(Cramer-Shoup暗号、ElGamal暗号等)、格子暗号に基づく公開暗号鍵方式(NTRU暗号等)、確率的暗号に基づく公開暗号鍵方式(マックエリス暗号、EPOC(Efficient Probabilistic Public Key Encryption)等)、等の公開暗号鍵方式の秘密鍵でよい。
【0054】
なかでも、秘密鍵222は、素因数分解に基づく公開暗号鍵方式の秘密鍵を含むことが好ましい。RSA暗号等によって例示される素因数分解に基づく公開暗号鍵方式は、暗号化及び復号が比較的容易であることが知られている。したがって、秘密鍵222が素因数分解に基づく公開暗号鍵方式の秘密鍵を含むことにより、暗号化及び/又は復号における負荷を軽減し得る。
【0055】
管理装置記憶部22が秘密鍵222を記憶することにより、予約管理装置2は、予約時間帯を含む予約情報を秘密鍵222で暗号化し、暗号化予約情報を生成できる。これにより、予約管理装置2は、暗号化予約情報を含む二次元コードを発行できる。二次元コードが秘密鍵222で暗号化された暗号化予約情報を含むため、制御システムSは、復号に用いる鍵(公開鍵)が秘密でない場合であっても利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0056】
また、管理装置記憶部22が秘密鍵222を記憶することにより、予約管理装置2は、識別情報を含み、予約時間帯を含まない情報を秘密鍵222で暗号化し、暗号化小容量情報を生成できる。これにより、復号に用いる鍵(公開鍵)が秘密でない場合であっても利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0057】
〔管理装置通信部23〕
管理装置通信部23は、予約管理装置2をネットワークNに接続して利用者端末1、錠3等と通信可能にする通信部であれば特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0058】
管理装置通信部23は、なかでも、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス等によって例示される無線ネットワークに接続可能な通信部を含むことが好ましい。これにより、利用者端末1及び/又は錠3の場所において有線通信が制限されている場合であっても、予約管理装置2は、利用者端末1及び/又は錠3と通信し得る。
【0059】
<錠3>
錠3は、管理対象Mを管理可能なロック装置4、二次元コードBを読み取り可能な読取装置5、ロック装置4及び読取装置5と有線及び/又は近距離無線で電気的に接続された制御装置6、を含む。
【0060】
ロック装置4の数は、1以上であれば特に限定されない。管理対象Mの数が2以上である場合、ロック装置4の数は、管理対象Mの数以上であることが好ましい。これにより、錠3は、2以上の管理対象Mそれぞれとロック装置4とを対応付けて、管理対象Mそれぞれの予約に応じた利用を管理できる。
【0061】
ロック装置4の数の上限は、特に限定されない。
【0062】
〔ロック装置4〕
ロック装置4は、施錠状態と解錠状態との間で切り換え可能なロック装置であれば、特に限定されない。ロック装置4は、例えば、電気錠、マグネット錠、自動ドア等によって例示される商用電源で動作する電気式のロック装置、スマートロックによって例示される商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源で動作する電子式のロック装置、等でよい。
【0063】
なかでも、ロック装置4は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源部で動作する電子式のロック装置を含むことが好ましい。これにより、錠3は、電力の供給が制限されている場所であっても、管理対象Mの管理を提供し得る。したがって、電力の供給が制限されている場所であっても、錠3は、電気式及び/又は電子式の錠を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。
【0064】
ロック装置4は、近距離無線通信によって制御装置6と接続可能なロック装置4であることが好ましい。これにより、制御装置6は、ロック装置4と有線で接続されることなく構成され得る。制御装置6がロック装置4と有線で接続されることなく構成可能であることにより、管理対象Mへの錠3の後付けをよりいっそう容易とし得る。
【0065】
近距離無線通信は、特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等に準拠した近距離無線通信等でよい。
【0066】
近距離無線通信は、なかでも、Bluetooth(登録商標)のうち、Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE、BLE)に準拠した近距離無線通信を含むことが好ましい。近距離無線通信がBluetooth LEに準拠した近距離無線通信を含むことにより、制御装置6は、ロック装置4との通信に係る消費電力をよりいっそう低減できる。
【0067】
[電源部]
必須の態様ではないが、ロック装置4は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源部を含むことが好ましい。これにより、錠3は、電力の供給が制限されている場所であっても、管理対象Mの管理を提供し得る。したがって、電力の供給が制限されている場所であっても、錠3は、電気式及び/又は電子式の錠を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。
【0068】
電源部は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能であれば、特に限定されない。電源部は、例えば、電池、ACアダプタ、USB給電、非接触給電等の1以上を用いて電力を供給可能な電源部でよい。
【0069】
電源部は、なかでも、電池を用いて電力を供給可能な電源部を含むことが好ましい。これにより、ロック装置4を管理する管理者は、電池を交換する比較的簡便な管理によって電源部を保守できる。これにより、電源部の保守にかかる労力が低減され得る。
【0070】
〔読取装置5〕
読取装置5は、二次元コードBを読み取り可能であれば、特に限定されない。
【0071】
必須の態様ではないが、読取装置5は、管理対象Mを予約した予約者が管理対象Mの利用を終了するときに二次元コードBを読み取らせる利用終了読取装置を含んでもよい。これにより、予約者は、利用終了読取装置に二次元コードBを読み取らせることによって、管理対象Mの利用を終了できる。
【0072】
必須の態様ではないが、読取装置5は、制御装置6が錠3に含まれるロック装置4と近距離無線通信を行うための情報を読み取ることが可能であることが好ましい。これにより、管理対象Mを管理する管理者は、既存のロック装置4に読取装置5及び制御装置6を後付けすることを容易に行い得る。また、既存の錠3にロック装置4を後付けすることを容易に行い得る。
【0073】
[検知部]
必須の態様ではないが、読取装置5は、二次元コードB、利用者端末1、及び/又は利用者端末1を利用する利用者等の検知対象が読取装置5の周辺に存在するか等を検知可能な検知部を含むことが好ましい。読取装置5が検知部を含むことにより、読取装置5は、検知対象が検知されない場合に読み取りを行わないことで、消費電力を低減することができる。
【0074】
検知部は、利用者端末1、及び/又は利用者端末1を利用する利用者等が読取装置5の周辺に存在するか等を検知可能であれば、特に限定されない。検知部は、例えば、読取装置5周辺にある動くものを検知可能な動体識別センサ、読取装置5周辺にいる人を検知可能な人感センサ等を含む検知部でよい。
【0075】
検知部は、なかでも、動体識別センサを含む検知部であることが好ましい。これにより、検知部は、予約を行った予約者が読取装置5に二次元コードBを提示する動きを検知できる。したがって、予約者が単に読取装置5周辺にいて二次元コードBを提示していない場合に読み取りを行わずに消費電力を低減することと、予約者が読取装置5に二次元コードBを提示したときに読み取りを行うこととを両立できる。
【0076】
検知部は、検知対象が一定時間検知されない場合に読取装置5及び/又は制御装置6を待機状態に制御することが可能であり、検知対象が検知された場合に読取装置5及び制御装置6の待機状態を終了させることが可能な検知部であることが好ましい。これにより、検知部は、検知対象が一定時間検知されない場合に読取装置5及び/又は制御装置6を待機状態とし、消費電力を低減することができる。
【0077】
[電源部]
必須の態様ではないが、読取装置5は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な電源部を含むことが好ましい。これにより、錠3は、電力の供給が制限されている場所であっても、管理対象Mの管理を提供し得る。したがって、電力の供給が制限されている場所であっても、錠3は、電気式及び/又は電子式の錠を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。
【0078】
電源部は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能であれば、特に限定されない。電源部は、例えば、電池、ACアダプタ、USB給電、非接触給電等の1以上を用いて電力を供給可能な電源部でよい。
【0079】
電源部は、なかでも、電池を用いて電力を供給可能な電源部を含むことが好ましい。これにより、錠3を管理する管理者は、電池を交換する比較的簡便な管理によって電源部を保守できる。これにより、電源部の保守にかかる労力が低減され得る。
【0080】
〔制御装置6〕
制御装置6は、少なくとも、制御装置制御部61と、制御装置記憶部62と、制御装置通信部63と、タイマー部64と、を含んで構成される。
【0081】
[制御装置制御部61]
制御装置制御部61は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0082】
制御装置制御部61は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて制御装置記憶部62及び/又は制御装置通信部63等の制御装置6が含む各部材と協働することで、制御装置6におけるソフトウェア構成の要素である、動作判別部611、大容量予約情報受信部612、読取部613、復号部614、判別部615、解錠指令部616、時刻合わせ部617、利用終了情報送信部618等を実現する。
【0083】
制御装置6において実行される制御処理の流れについては、後に
図6を用いて詳細に説明する。
【0084】
[制御装置記憶部62]
制御装置記憶部62は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。制御装置記憶部62は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0085】
制御装置記憶部62には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、大容量予約情報テーブル621、公開鍵622等が記憶されている。制御装置6が外部との通信を行うオンライン制御処理を実行する場合、制御装置記憶部62は、制御装置6が制御処理を行わないスリープ状態となるスリープ時間帯及び制御装置6が大容量予約情報を受信する受信タイミングを記憶可能であることが好ましい。
【0086】
(大容量予約情報テーブル621)
図3は、大容量予約情報テーブル621の一例である。大容量予約情報テーブル621は、予約時間帯、予約の対象となる管理対象Mの管理に用いられるロック装置4を識別可能なロック装置ID、予約情報を識別可能であり、予約情報をよりデータ量が小さい識別情報等を含む大容量予約情報を格納する。
【0087】
識別情報は、特に限定されず、予約テーブル221に格納される識別情報と同じでよい。大容量予約情報テーブル621に格納可能な大容量予約情報の数は、特に限定されないが、1000件以下であることが好ましい。これにより、大容量予約情報テーブル621が制御装置記憶部62において使用する記憶領域及び制御装置記憶部62の記憶容量を抑え、制御装置記憶部62の消費電力を低減し得る。
【0088】
大容量予約情報テーブル621は、大容量予約情報を識別可能な大容量予約情報IDと大容量予約情報とを関連付けて格納可能であることが好ましい。これにより、制御装置6は、大容量予約情報IDを用いて大容量予約情報を格納及び/又は取得できる。
【0089】
必須の態様ではないが、大容量予約情報は、当該大容量予約情報に対応する管理対象Mが利用中であるかの情報と関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、管理対象Mが利用中であるかの情報を予約管理装置2に送信し得る。
【0090】
必須の態様ではないが、予約情報は、当該大容量予約情報に対応する管理対象Mの予約時間帯における利用が終了したかの情報と関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、予約時間帯における利用が終了した場合に管理対象Mに後付けされたロック装置4を解錠状態にすることを防ぎ得る。
【0091】
図3に示す大容量予約情報テーブル621は、大容量予約情報IDと関連付けられた大容量予約情報を格納している。
図3に示す大容量予約情報テーブル621が格納する大容量予約情報は、予約について、「予約時間帯」、「錠ID」、「ロック装置ID」、予約情報を識別可能な「識別情報」を含み、大容量予約情報に対応する管理対象Mが「利用中」であるかの情報、大容量予約情報に対応する管理対象Mの予約時間帯における利用が「利用終了」したかの情報、と関連付けられている。
【0092】
図3の大容量予約情報ID「M0001」と関連付けられた予約情報は、以下の情報を含んでいる:
開始日時が「7月7日 16:00」で終了日時が「7月7日 18:00」である予約時間帯。
ロック装置4を識別可能なロック装置ID「4aa」。
予約時間帯に関する情報であって暗号化されていない情報を含まず、予約情報を識別可能な識別情報「0626・・・」。
【0093】
また、
図3の大容量予約情報ID「M0001」と関連付けられた予約情報は、以下の情報と関連付けられている:
大容量予約情報に対応する管理対象Mが利用中でないことを示す利用中情報「No」。
大容量予約情報に対応する管理対象Mの予約時間帯における利用が終了していることを示す利用終了情報「Yes」。
【0094】
これにより、制御装置6は、識別情報「0626・・・」を含む二次元コードBの読み取りに応じて、当該識別情報と対応する大容量予約情報が示す、ロック装置ID「4aa」によって識別されるロック装置4によって管理される管理対象Mを、開始日時が「7月7日 16:00」で終了日時が「7月7日 18:00」である予約時間帯に利用する予約に基づいて、ロック装置4を制御できる。
【0095】
(公開鍵622)
公開鍵622は、秘密鍵222と対応する公開鍵であれば、特に限定されない。公開鍵622は、対応する秘密鍵222と同じ公開鍵暗号方式の公開鍵でよい。
【0096】
制御装置記憶部62が公開鍵622を記憶することにより、制御装置6は、秘密鍵222で暗号化された暗号化予約情報を復号できる。また、制御装置記憶部62が公開鍵622を記憶することにより、制御装置6は、秘密鍵222で暗号化された暗号化小容量情報を復号できる。
【0097】
公開鍵622が公開鍵暗号方式の公開鍵であるため、錠3がリバースエンジニアリングされる等して公開鍵622の秘密が保たれなくなった場合であっても、秘密鍵222の秘密が保たれる。これにより、公開鍵622の秘密が保たれなくなった場合であっても、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0098】
[制御装置通信部63]
制御装置通信部63は、制御装置6とロック装置4及び読取装置5とを有線及び/又は近距離無線通信によって電気的に接続可能であれば、特に限定されない。
【0099】
制御装置通信部63が制御装置6とロック装置4及び読取装置5とを有線及び/又は近距離無線通信によって電気的に接続可能であることにより、既存のロック装置4に読取装置5及び制御装置6を後付けして、既存のロック装置4、読取装置5、及び制御装置6を含む錠3を構成することができる。
【0100】
制御装置通信部63は、制御装置6とロック装置4とを近距離無線通信によって電気的に接続可能であることが好ましい。これにより、制御装置6は、ロック装置4と有線で接続されることなく構成され得る。制御装置6がロック装置4と有線で接続されることなく構成可能であることにより、管理対象Mへの錠3の後付けをよりいっそう容易とし得る。
【0101】
近距離無線通信は、特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等に準拠した近距離無線通信等でよい。
【0102】
近距離無線通信は、なかでも、Bluetooth(登録商標)のうち、Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE、BLE)に準拠した近距離無線通信を含むことが好ましい。近距離無線通信がBluetooth LEに準拠した近距離無線通信を含むことにより、制御装置6は、ロック装置4との通信に係る消費電力をよりいっそう低減できる。
【0103】
制御装置通信部63は、制御装置6をネットワークNに接続して予約管理装置2と通信可能であることが好ましい。これにより、制御装置6は、予約管理装置2から大容量予約情報等を受信するオンライン制御処理を実行できる。
【0104】
制御装置通信部63が含む制御装置6をネットワークNに接続して予約管理装置2と通信可能とする部材は、特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0105】
[タイマー部64]
制御装置6は、現在時刻を計時可能なタイマー部64を含む。これにより、制御装置6は、外部との通信を行わずに現在時刻が予約時間帯に該当するかを判別できる。これにより、制御装置6は、外部との通信を行わないオフライン制御処理を行うことができる。
【0106】
タイマー部64は、現在時刻を計時可能であれば特に限定されず、従来技術の現在時刻を計時可能な各種の手段(クオーツ時計、計時回路、電波時計等)を含むタイマー部でよい。
【0107】
制御装置6が外部との通信を行わないオフライン制御処理を行うことにより、制御装置6及び錠3の消費電力を軽減できる。したがって、電力の供給が制限されている場所であっても、制御装置6は、錠3を制御できる。
【0108】
また、制御装置6が外部との通信を行わないオフライン制御処理を行うことにより、外部との通信において予約情報等が傍受等されるリスクを軽減し得る。これにより、制御システムSは、傍受等された予約情報を用いて、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードが生成されることを防ぐことができる。
【0109】
[制御装置電源部65]
必須の態様ではないが、制御装置6は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能な制御装置電源部65を含むことが好ましい。これにより、錠3は、電力の供給が制限されている場所であっても、管理対象Mの管理を提供し得る。したがって、電力の供給が制限されている場所であっても、錠3は、電気式及び/又は電子式の錠を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。
【0110】
制御装置電源部65は、商用電源が供給可能な電力より小さな電力を供給可能であれば、特に限定されない。制御装置電源部65は、例えば、電池、ACアダプタ、USB給電、非接触給電等の1以上を用いて電力を供給可能な電源部でよい。
【0111】
制御装置電源部65は、なかでも、電池を用いて電力を供給可能な電源部を含むことが好ましい。これにより、錠3を管理する管理者は、電池を交換する比較的簡便な管理によって制御装置電源部65を保守できる。これにより、制御装置電源部65の保守にかかる労力が低減され得る。
【0112】
制御装置電源部65は、読取装置5に電力を供給可能であることが好ましい。これにより、読取装置5と制御装置6との両方に電源部を設けることなく、読取装置5と制御装置6との両方が電力を供給され得る。これにより、錠3の保守にかかる労力が低減され得る。
【0113】
[動作指定部66]
必須の態様ではないが、制御装置6は、オフライン制御処理を行う動作及びオンライン制御処理を行う動作を少なくとも含む2以上の動作から制御装置6の動作を指定可能な動作指定部66を含むことが好ましい。これにより、制御装置6は、外部との通信を行わないオフライン制御処理を行う動作と、外部との通信を行うオンライン制御処理を行う動作とを錠3を管理する管理者の指定に基づいて切り替え得る。これにより、管理者は、動作が異なる複数の錠3及び/又は制御装置6を付け替えることなく、制御装置6の動作を切り替えることができる。
【0114】
動作指定部66は、特に限定されない。動作指定部66は、例えば、読取装置5がオフライン制御処理を行う動作を指定する二次元コードを読み取った場合にオフライン制御処理を行う動作を指定し、読取装置5がオンライン制御処理を行う動作を指定する二次元コードを読み取った場合にオンライン制御処理を行う動作を指定する動作指定部等でよい。
【0115】
動作指定部66は、制御装置6が利用終了処理を行う利用終了動作を指定可能であることが好ましい。これにより、制御装置6は、当該指定に基づいて管理対象Mの利用を終了する利用終了処理を実行できる。
【0116】
[装置識別標識67]
必須の態様ではないが、制御装置6は、制御装置6を識別可能な装置識別標識67を含むことが好ましい。これにより、利用者端末1は、装置識別標識67を読み取り、読み取った装置識別標識67が含む情報を予約管理装置2に送信して、制御装置6を含む錠3によって管理される管理対象Mに関する二次元コードを取得する要求、予約の要求、及び/又は予約を取り消す要求を、制御装置6及び/又は管理対象Mに関する情報を手入力することなく行い得る。
【0117】
装置識別標識67は、特に限定されず、例えば、制御装置6を識別可能な情報を含む二次元コード等でよい。
【0118】
[入力部]
制御装置6が外部との通信を行うオンライン制御処理を行う場合、制御装置6は、予約情報を識別可能な識別情報を入力可能な入力部(図示せず)を含むことが好ましい。これにより、二次元コードだけでなく、予約者の入力によっても錠3を制御するハイブリッド制御を実現し得る。入力部は、特に限定されず、例えば、識別情報を入力可能なキーパッド等でよい。
【0119】
<ネットワークN>
ネットワークNの種類は、予約管理装置2と利用者端末1及び錠3とを通信可能にするネットワークであれば特に限定されず、例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、エクストラネット、インターネット、Wi-Fiネットワーク、携帯電話ネットワーク、あるいはこれらのネットワークを複数組み合わせたネットワーク等が挙げられる。
【0120】
ネットワークNは、なかでも、携帯電話ネットワーク、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)ス等によって例示される無線ネットワークを含むことが好ましい。これにより、利用者端末1及び/又は錠3の場所において有線通信が制限されている場合であっても、予約管理装置2は、利用者端末1及び/又は錠3と通信し得る。
【0121】
<管理対象M>
管理対象Mは、錠3によって管理可能な管理対象であれば、特に限定されない。管理対象Mは、例えば、錠3によって施錠可能な扉等を備える部屋(例えば、貸会議室、貸しオフィス、ホテルの部屋等)、錠3によって施錠可能な扉等を備える建物(例えば、隠れ家店舗等の店舗等)、錠3によって施錠可能な扉等を備える収納装置(例えば、貸金庫、貸しロッカー、レンタルサイクルの車庫等)を含む管理対象でよい。
【0122】
管理対象Mの数は、特に限定されない。
【0123】
〔予約管理装置2で実行される予約処理のメインフローチャート〕
図4は、予約管理装置2で実行される予約処理の一例を示すメインフローチャートである。以下、
図4を用いて、予約管理装置2で実行される予約処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0124】
[ステップS1:予約を要求されたか判別]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22及び管理装置通信部23と協働して大容量予約情報生成部211を実行し、予約時間帯に管理対象Mを利用する予約を利用者端末1に要求されたか判別する処理を行う(ステップS1)。予約を要求されたならば、管理装置制御部21は、処理をステップS2に移す。予約を要求されていないならば、管理装置制御部21は、処理をステップS4に移す。
【0125】
[ステップS2:大容量予約情報を生成]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22と協働して大容量予約情報生成部211を実行し、予約時間帯に管理対象Mを利用する予約に関する大容量予約情報(予約情報)を生成する処理を行う(ステップS2)。管理装置制御部21は、処理をステップS3に移す。
【0126】
ステップS2で実行される大容量予約情報(予約情報)を生成する処理は、生成した予約情報を予約テーブル221に格納する処理を含むことが好ましい。これにより、予約管理装置2は、予約テーブル221に格納された予約情報を用いて大容量予約情報を送信できる。
【0127】
[ステップS3:二次元コードを発行]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22と協働して二次元コード発行部213を実行し、ステップS2で生成した予約情報の少なくとも一部を含む二次元コードBをステップS1で予約を要求した利用者端末1を利用する利用者に発行する処理を行う(ステップS3)。管理装置制御部21は、処理をステップS4に移す。
【0128】
二次元コードBを発行する処理は、特に限定されない。二次元コードBを発行する処理は、例えば、二次元コードBを表示可能な情報をステップS1で予約を要求した利用者端末1に送信する方法、二次元コードBを印刷可能な情報をステップS1で予約を要求した利用者端末1に送信する方法、二次元コードBを印刷したものをステップS1で予約を要求した利用者端末1を利用する利用者に送付する方法等の1以上を含む処理でよい。
【0129】
必須の態様ではないが、ステップS3で実行される処理は、予約を特定可能な情報(例えば、予約情報ID、識別情報、予約時間帯と管理対象Mとを特定可能な情報、利用者端末1を利用する利用者を特定可能な情報と予約時間帯とを含む情報等)と二次元コードを発行可能な情報とを関連付けて外部のデータベース(例えば、予定を管理可能なカレンダーを提供するサービスのデータベース。)に登録する処理を含むことが好ましい。これにより、利用者端末1は、予約を特定可能な情報を用いて二次元コードを発行可能な情報を外部のデータベースから取得し、二次元コードを発行できる。
【0130】
(二次元コードB)
二次元コードBは、特に限定されず、例えば、QRコード(登録商標)等によって例示される二次元コードでよい。二次元コードBは、利用者端末1に表示可能であることが好ましい。これにより、利用者端末1は、発行された二次元コードBを表示して、錠3で管理された管理対象Mを利用できる。
【0131】
管理対象Mが後述するオフライン制御処理を行う制御装置6が制御するロック装置4によって管理される予約と対応する二次元コードBが含むオフライン予約情報は、管理対象Mを特定可能な特定情報(例えば、ロック装置4を識別可能なロック装置ID。)及び予約時間帯に関する予約時間帯情報を有することが好ましい。これにより、制御装置6は、外部との通信を行うことなく、特定情報を用いて特定された管理対象Mと対応するロック装置4を予約時間帯にオフラインで解錠できる。
【0132】
必須の態様ではないが、オフライン予約情報は、発行された二次元コードBの通し番号を含むことが好ましい。これにより、通し番号を用いて偽造された偽造二次元コードを判別し得る。
【0133】
必須の態様ではないが、オフライン予約情報が含む情報のうち、少なくとも予約時間帯情報は、秘密鍵222で暗号化されていることが好ましい。これにより、公開鍵622が秘密でない場合であっても、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0134】
必須の態様ではないが、オフライン予約情報は、秘密鍵222で暗号化された暗号化予約情報であることが好ましい。これにより、公開鍵622が秘密でない場合であっても、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0135】
管理対象Mが後述するオンライン制御処理を行う制御装置6が制御するロック装置4によって管理される予約と対応する二次元コードBが含むオンライン予約情報(小容量情報)は、大容量予約情報と対応する識別情報を含み、予約時間帯情報を含まないことが好ましい。これにより、二次元コードBを用いて利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードが生成されることを防ぐことができる。
【0136】
必須の態様ではないが、小容量情報は、秘密鍵222で暗号化されている暗号化小容量情報であることが好ましい。
【0137】
小容量情報が秘密鍵222で暗号化されている暗号化小容量情報であることにより、公開鍵622が秘密でない場合であっても、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0138】
ところで、公開暗号鍵方式は、共通鍵方式より暗号強度が高い一方、暗号化処理及び復号処理にかかる負荷が、共通鍵方式に比べて大きいことが知られている。これにより、公開暗号鍵方式を用いる場合に、制御装置6における消費電力が共通鍵方式より高くなり得る。
【0139】
また、暗号化小容量情報が大容量予約情報と対応する識別情報を含み、予約時間帯情報を含まない小容量情報を秘密鍵222で暗号化した暗号化小容量情報であることにより、制御装置6は、復号する情報を、暗号化小容量情報のみにとどめ、公開暗号鍵方式の復号処理にかかる負荷を軽減することと、偽造二次元コードの生成を防ぐこととを両立できる。
【0140】
必須の態様ではないが、予約処理は、ステップS4からS5で実行される二次元コード発行処理を含むことが好ましい。
【0141】
[ステップS4:二次元コードの発行を要求されたか判別]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22と協働して二次元コード発行部213を実行し、二次元コードの発行を利用者端末1に要求されたか判別する処理を行う(ステップS4)。二次元コードの発行を要求されたのであれば、管理装置制御部21は、処理をステップS5に移す。二次元コードの発行を要求されていないのであれば、管理装置制御部21は、処理をステップS6に移す。
【0142】
[ステップS5:二次元コードを発行]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22と協働して二次元コード発行部213を実行し、ステップS4で二次元コードの発行を要求した利用者端末1を利用する利用者に二次元コードBを発行する処理を行う(ステップS5)。管理装置制御部21は、処理をステップS6に移す。
【0143】
ステップS5で発行する二次元コードBが、管理対象Mが後述するオフライン制御処理を行う制御装置6が制御するロック装置4によって管理される予約と対応する二次元コードBである場合、ステップS5で発行する二次元コードBは、ステップS2で生成した予約情報の少なくとも一部を含み、発行時刻付二次元コードを発行する時刻に関する発行時刻情報をさらに含む発行時刻付二次元コードであることが好ましい。
【0144】
これにより、制御装置6は、発行時刻付二次元コードを用いてタイマー部64の時刻合わせを行うことができる。発行時刻付二次元コードを用いたタイマー部64の時刻合わせは、後に
図7を用いてより詳細に説明される。
【0145】
予約処理がステップS4-S5で実行される二次元コード発行処理を含むことにより、利用者端末1を利用する利用者は、二次元コードBを紛失等した場合であっても、二次元コードBの発行を要求し、発行された二次元コードBを利用できる。
【0146】
また、予約処理がステップS4-S5で実行される二次元コード発行処理を含むことにより、利用者端末1のうち無線ネットワークと接続可能な利用者端末1は、予約管理装置2が錠3から離れた場所にある場合であっても、錠3の近傍で予約管理装置2に二次元コードBの発行を要求し、発行された二次元コードBを表示して、錠3で管理された管理対象Mを利用できる。
【0147】
必須の態様ではないが、予約管理装置2は、ステップS6からS7の予約終了処理を実行可能であることが好ましい。予約終了処理は、ステップS1からS5の予約処理と別の処理として実行されてもよい。
【0148】
[ステップS6:利用終了情報を受信したか判別]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22と協働して利用終了情報受信部214を実行し、利用終了情報を制御装置6から受信したか判別する処理を行う(ステップS6)。利用終了情報を受信したのであれば、管理装置制御部21は、処理をステップS7に移す。利用終了情報を受信していないのであれば、管理装置制御部21は、処理をステップS8に移す。
【0149】
[ステップS7:予約を終了]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22と協働して利用終了情報受信部214を実行し、ステップS6で受信した利用終了情報と対応する予約を終了する処理を行う(ステップS7)。管理装置制御部21は、処理をステップS8に移す。
【0150】
予約を終了する処理は、特に限定されない。予約を終了する処理は、ステップS6で受信した利用終了情報と対応する予約情報と当該予約情報と対応する予約時間帯における管理対象Mの利用を終了する情報とを予約テーブル221において関連付ける処理を含むことが好ましい。これにより、利用が終了した予約時間帯における管理対象Mに関する予約情報が繰り返し送信されることが防がれ得る。
【0151】
予約を終了する処理は、ステップS6で受信した利用終了情報と対応する予約の利用を終了する情報を、ステップS6で利用終了情報を送信した制御装置6以外の制御装置6に送信する処理を含むことが好ましい。これにより、利用が終了した予約情報と対応する二次元コードBを用いて錠3が解錠されることが防がれ得る。
【0152】
錠3が後述するオンライン制御処理を行う錠3を含む場合、予約処理は、ステップS8で実行される大容量予約情報送信処理を含むことが好ましい。
【0153】
[ステップS8:大容量予約情報送信処理]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22及び管理装置通信部23と協働して大容量予約情報送信部212を実行し、ステップS2で生成された大容量予約情報を送信する大容量予約情報送信処理を行う(ステップS8)。管理装置制御部21は、予約処理を終了し、処理をステップS1に移す。
【0154】
ステップS8で実行される大容量予約情報送信処理は、
図5を用いて詳細に説明される。
【0155】
〔大容量予約情報送信処理のフローチャート〕
図5は、
図4のステップS8で実行される大容量予約情報送信処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図5を用いて、ステップS8で実行される大容量予約情報送信処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0156】
[ステップS11:大容量予約情報を送信するタイミングであるか判別]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22及び管理装置通信部23と協働して大容量予約情報送信部212を実行し、大容量予約情報を送信するタイミングであるか判別する処理を行う(ステップS11)。大容量予約情報を送信するタイミングであれば、管理装置制御部21は、処理をステップS12に移す。大容量予約情報を送信するタイミングでなければ、管理装置制御部21は、処理をステップS13に移す。
【0157】
大容量予約情報を送信するタイミングであるか判別する方法は、特に限定されない。
【0158】
大容量予約情報を送信するタイミングであるか判別する方法は、例えば、ステップS12において大容量予約情報を送信した直前のタイミングから指定の時間以上の間隔を空けたタイミングである場合に大容量予約情報を送信するタイミングであると判別する方法、制御装置6から大容量予約情報の送信を指令された場合に大容量予約情報を送信するタイミングであると判別する方法等でよい。
【0159】
指定の時間は、特に限定されない。指定の時間の下限は、0.5時間以上であることが好ましく、1時間以上であることがより好ましい。指定の時間の下限を上述のとおり定めることにより、予約管理装置2は、予約が行われるごとに逐一大容量予約情報が送信される場合より大容量予約情報が送信される頻度を少なくできる。したがって、制御システムSは、通信の秘匿性が制限されている場所であっても、大容量予約情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを低減できる。また、大容量予約情報が送信される頻度を少なくすることにより、制御装置6は、遠距離間での通信にかかる消費電力の増大を低減できる。
【0160】
指定の時間の上限は、168時間以下であることが好ましく、72時間以下であることが好ましく、24時間以下であることがより好ましい。指定の時間の上限を上述のとおり定めることにより、予約時間帯が現在時刻を含む大容量予約情報を制御装置6が受信していない頻度を低減し得る。
【0161】
[ステップS12:大容量予約情報を送信]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22及び管理装置通信部23と協働して大容量予約情報送信部212を実行し、制御装置6に大容量予約情報をまとめて送信する処理を行う(ステップS12)。管理装置制御部21は、処理をステップS13に移す。
【0162】
制御装置6に大容量予約情報をまとめて送信する処理は、特に限定されず、例えば、未送信の予約情報をまとめて送信する処理を含む処理等でよい。制御装置6に大容量予約情報をまとめて送信する処理が未送信の予約情報をまとめて送信する処理を含む場合、ステップS12の処理は、予約テーブル221が格納する予約情報のうち、ステップS12で送信した大容量予約情報と対応する予約情報に送信済であるとの情報を関連付ける処理を含むことが好ましい。これにより、予約管理装置2は、ステップS12において、予約情報が未送信であるかを予約テーブル221が格納する予約情報を用いて判別できる。
【0163】
制御装置6に大容量予約情報をまとめて送信する処理は、まとめて送信する対象となる大容量予約情報のすべてが送信されたときに、送信する対象となるすべての大容量予約情報が送信されたことを制御装置6に通知する処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6は、送信する対象となるすべての大容量予約情報を受信したときに、ネットワークNとの接続を終了し、ネットワークNと接続することによって消費される消費電力を低減できる。
【0164】
[ステップS13:特定大容量予約情報の送信を指令されたか判別]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22及び管理装置通信部23と協働して大容量予約情報送信部212を実行し、特定大容量予約情報の送信を指令されたか判別する処理を行う(ステップS13)。特定大容量予約情報の送信を指令されていれば、管理装置制御部21は、処理をステップS14に移す。特定大容量予約情報の送信を指令されていなければ、管理装置制御部21は、予約処理を終了し、処理をステップS1に移す。
【0165】
[ステップS14:特定大容量予約情報を送信]
管理装置制御部21は、管理装置記憶部22及び管理装置通信部23と協働して大容量予約情報送信部212を実行し、ステップS13で特定大容量情報の送信を指令した利用者端末1に特定大容量予約情報を送信する処理を行う(ステップS14)。管理装置制御部21は、予約処理を終了し、処理をステップS1に移す。
【0166】
ステップS11-S14の大容量予約情報送信処理を行うことにより、予約管理装置2は、指定の時間以上の間隔を空けて大容量予約情報をまとめて送信する。これにより、予約管理装置2は、予約が行われるごとに逐一大容量予約情報が送信される場合より大容量予約情報が送信される頻度を少なくできる。したがって、制御システムSは、通信の秘匿性が制限されている場所であっても、大容量予約情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを低減できる。また、大容量予約情報が送信される頻度を少なくすることにより、制御装置6は、遠距離間での通信にかかる消費電力の増大を低減できる。
【0167】
ステップS11-S14の大容量予約情報送信処理を行うことにより、制御装置6は、対応大容量予約情報が受信された大容量予約情報に含まれていない場合に、対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報を予約管理装置2から受信できる。したがって、制御システムSは、予約が行われるごとに制御装置6が予約情報を逐一送信して傍受されるリスク及び消費電力を低減することと、錠3側の制御装置6が、復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を確実に受信して、予約時間帯の妥当性を迅速に判別可能にすることとを両立できる。
【0168】
〔制御装置6で実行される制御処理のメインフローチャート〕
図6は、制御装置6で実行される制御処理の一例を示すメインフローチャートである。以下、
図6を用いて、制御装置6で実行される制御処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0169】
[ステップS41:オフライン動作を行うか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び動作指定部66と協働して動作判別部611を実行し、オフライン動作を行うか判別する処理を行う(ステップS41)。オフライン動作を行うのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS42に移す。オフライン動作を行わないのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS43に移す。
【0170】
オフライン動作を行うか判別する処理は、特に限定されない。オフライン動作を行うか判別する処理は、動作指定部66がオフライン制御処理を行う動作を指定する場合にオフライン動作を行うと判別する処理及び/又は動作指定部66がオンライン制御処理を行う動作を指定する場合にオフライン動作を行わないと判別する処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6を管理する管理者は、動作指定部66を用いて制御装置6の動作を指定できる。
【0171】
[ステップS42:オフライン制御処理]
制御装置制御部61は、必要に応じて制御装置記憶部62、制御装置通信部63、及び/又はタイマー部64と協働して読取部613、復号部614、判別部615、解錠指令部616、時刻合わせ部617等を実行し、外部との通信を行うことなくロック装置4を制御するオフライン制御処理を行う(ステップS42)。制御装置制御部61は、制御処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0172】
ステップS42で実行されるオフライン制御処理は、後に
図7を用いて詳細に説明される。
【0173】
[ステップS43:利用終了動作を行うか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び動作指定部66と協働して動作判別部611を実行し、利用終了動作を行うか判別を行う(ステップS43)。利用終了動作を行うのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS44に移す。利用終了動作を行わないのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS45に移す。
【0174】
[ステップS44:利用終了処理]
制御装置制御部61は、必要に応じて制御装置記憶部62、制御装置通信部63、及び/又はタイマー部64と協働して利用終了情報送信部618を実行し、予約した管理対象Mの利用を終了する利用終了処理を行う(ステップS44)。制御装置制御部61は、制御処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0175】
ステップS44で実行される利用終了処理は、後に
図10を用いて詳細に説明される。
【0176】
[ステップS45:オンライン制御処理]
制御装置制御部61は、必要に応じて制御装置記憶部62、制御装置通信部63、及び/又はタイマー部64と協働して大容量予約情報受信部612、読取部613、復号部614、判別部615、解錠指令部616等を実行し、ロック装置4を制御するオンライン制御処理を行う(ステップS45)。制御装置制御部61は、制御処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0177】
ステップS45で実行されるオンライン制御処理は、後に
図8を用いて詳細に説明される。
【0178】
必須の態様ではないが、制御処理は、現在時刻が制御装置記憶部62に記憶されたスリープ時間帯に含まれる場合に、制御処理を行わないスリープ状態となるスリープ処理と、現在時刻が制御装置記憶部62に記憶されたスリープ時間帯に含まれない場合に、制御処理を行わないスリープ状態を解除するスリープ解除処理と、を含むことが好ましい。制御処理がこれらの処理を含むことにより、制御システムSが利用されない時間帯の一部又は全部をスリープ時間帯に含める等して、制御システムSが利用される時間帯において制御処理を行うことと、制御装置6の消費電力をよりいっそう低減することとを両立できる。
【0179】
〔オフライン制御処理のフローチャート〕
図7は、
図6のステップS42で実行されるオフライン制御処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図7を用いて、ステップS42で実行されるオフライン制御処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0180】
読取装置5が検知部を有する場合、オフライン制御処理は、ステップS51の読取可能判別処理を含むことが好ましい。
【0181】
[ステップS51:二次元コードの読み取りが可能か判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して読取部613を実行し、二次元コードの読み取りが可能か判別する処理を行う(ステップS51)。二次元コードの読み取りが可能であれば、制御装置制御部61は、処理をステップS52に移す。二次元コードの読み取りが可能でなければ、制御装置制御部61は、処理をステップS51に移す。
【0182】
二次元コードの読み取りが可能か判別する方法は、特に限定されず、例えば、読取装置5の検知部が二次元コードB、利用者端末1、及び/又は利用者端末1を利用する利用者等が読取装置5の周辺に存在すると検知した場合に二次元コードの読み取りが可能であると判別する方法でよい。
【0183】
読取装置5の検知部が動体識別センサを含む検知部である場合、二次元コードの読み取りが可能か判別する方法は、予約を行った予約者が読取装置5に二次元コードBを提示する動きを検知部が検知した場合に二次元コードの読み取りが可能であると判別する方法を含むことが好ましい。これにより、予約者が単に読取装置5周辺にいて二次元コードBを提示していない場合に読み取りを行わずに消費電力を低減することと、予約者が読取装置5に二次元コードBを提示したときに読み取りを行うこととを両立できる。
【0184】
オフライン制御処理がステップS51の読取可能判別処理を含むことにより、二次元コードの読み取りが可能でない場合に読取装置5が二次元コードの読み取りを試みて消費電力を増大させることを防ぎ得る。
【0185】
[ステップS52:二次元コードを読み取る]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して読取部613を実行し、読取装置5を用いて二次元コードBを読み取る処理を行う(ステップS52)。制御装置制御部61は、処理をステップS53に移す。
【0186】
二次元コードBが秘密鍵222で暗号化された暗号化予約情報及び/又は秘密鍵222で暗号化された予約時間帯情報を含む場合、オフライン制御処理は、ステップS53の予約情報復号処理を含むことが好ましい。
【0187】
[ステップS53:予約情報を復号]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62と協働して復号部614を実行し、ステップS52で読み取った二次元コードBに含まれる情報であって、秘密鍵222で暗号化された情報を、公開鍵622を用いて復号する処理を行う(ステップS53)。制御装置制御部61は、処理をステップS54に移す。
【0188】
ステップS52で読み取った二次元コードBが含むオフライン予約情報が有する予約時間帯情報が秘密鍵222で暗号化されている場合、ステップS53の秘密鍵222で暗号化された情報を復号する処理は、暗号化された予約時間帯情報を復号して復号後予約時間帯情報を得る処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6は、復号後予約時間帯情報を用いて、現在時刻が予約時間帯に該当するか判別できる。
【0189】
ステップS52で読み取った二次元コードBが含むオフライン予約情報が秘密鍵222で暗号化された暗号化予約情報である場合、ステップS53の秘密鍵222で暗号化された情報を復号する処理は、暗号化予約情報を復号して復号化予約情報を得る処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6は、復号化予約情報を用いて、現在時刻が予約時間帯に該当するか判別できる。
【0190】
予約管理装置2で実行される予約処理が発行時刻付二次元コードを発行可能な二次元コード発行処理を含む場合、オフライン制御処理は、ステップS54からステップS56の時刻合わせ処理を含むことが好ましい。
【0191】
[ステップS54:二次元コードBが発行時刻情報を含むか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及びタイマー部64と協働して時刻合わせ部617を実行し、ステップS52で読み取った二次元コードBが発行時刻情報を含むか判別する処理を行う(ステップS54)。二次元コードBが発行時刻情報を含むのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS55に移す。二次元コードBが発行時刻情報を含まないのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS57に移す。
【0192】
[ステップS55:経過した時間が所定時間以下であるか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及びタイマー部64と協働して時刻合わせ部617を実行し、ステップS52で読み取った二次元コードBに含まれる発行時刻情報が示す発行時刻から経過した時間が所定時間以下であるか判別する処理を行う(ステップS55)。所定時間以下であれば、制御装置制御部61は、処理をステップS56に移す。所定時間以下でなければ、制御装置制御部61は、処理をステップS57に移す。
【0193】
所定時間の下限は、特に限定されない。所定時間の下限は、0.5分以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましい。所定時間の下限を上述のとおり定めることにより、制御装置6は、時刻合わせの機会を増やし得る。
【0194】
所定時間の上限は、特に限定されない。所定時間の上限は、3分以下であることが好ましく、2分以下であることがより好ましく、1分以下であることがさらに好ましい。所定時間の上限を上述のとおり定めることにより、制御装置6は、タイマー部64が計時する現在時刻と標準時における現在時刻との差が時刻合わせによって増大することを防ぎ得る。
【0195】
[ステップS56:時刻合わせを行う]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及びタイマー部64と協働して時刻合わせ部617を実行し、ステップS52で読み取った二次元コードBに含まれる発行時刻情報が示す発行時刻を用いてタイマー部64の時刻合わせを行う処理を行う(ステップS56)。制御装置制御部61は、処理をステップS57に移す。
【0196】
発行時刻情報が示す発行時刻を用いてタイマー部64の時刻合わせを行う処理は、特に限定されない。発行時刻情報が示す発行時刻を用いてタイマー部64の時刻合わせを行う処理は、タイマー部64が示す現在時刻を発行時刻に特定時間を加えた時刻にする時刻合わせを含むことが好ましい。特定時間を加えた時刻にすることにより、二次元コードBが発行されてから読取装置5が当該二次元コードBを読み取るまでの時間を考慮した時刻合わせを行える。
【0197】
特定時間の下限は、特に限定されない。特定時間の下限は、5秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましい。特定時間の下限を上述のとおり定めることにより、制御装置6は、タイマー部64が計時する時刻が遅れることを防ぎ得る。
【0198】
特定時間の上限は、特に限定されない。特定時間の上限は、30秒以下であることが好ましく、20秒以下であることがより好ましく、10秒以下であることがさらに好ましい。特定時間の上限を上述のとおり定めることにより、制御装置6は、タイマー部64が計時する時刻が進みすぎることを防ぎ得る。
【0199】
発行時刻情報が示す発行時刻を用いてタイマー部64の時刻合わせを行う処理は、時刻合わせに用いた二次元コードBを記憶し、一度時刻合わせに用いた二次元コードBを用いた再度の時刻合わせを行わない処理であることが好ましい。これにより、再度の時刻合わせによってタイマー部64が計時する時刻が遅れることを防ぎ得る。
【0200】
タイマー部64は、外部から提供された正確な現在時刻に基づく時刻合わせを行うことにより、実質的に正確な計時を行い続けることができる。しかし、通信手段及び/又は電力の供給が制限されている場所では、公開NTP(Network Time Protocol)サービス等によって例示される正確な現在時刻を提供する外部の手段を利用することに困難があり得る。時刻合わせを行えないことによってタイマー部64における計時が不正確となった場合、予約に応じた錠の制御が行われないリスクが生じ得る。
【0201】
オフライン制御処理がステップS54からステップS56の時刻合わせ処理を含むことにより、制御装置6は、利用者端末1からの要求信号が送信された場合(利用者端末1が二次元コードの発行を要求した場合)に発行された二次元コードBに含まれる発行時刻情報が示す発行時刻を用いて、タイマー部64の時刻合わせを行うことができる。これにより、制御装置6は、時刻合わせを提供する外部の手段を利用できない場所であっても、タイマー部64の時刻合わせを行い、予約に応じた錠3の制御を提供し続けることができる。
【0202】
オフライン制御処理がステップS54からステップS56の時刻合わせ処理を含むことにより、発行時刻からタイマー部64において計時した現在時刻までの間に経過した時間が所定時間以下である場合に時刻合わせを行うため、制御装置6は、発行時刻からの経過時間が短く、発行時刻を実質的に正確な現在時刻とみなせる場合に時刻合わせを行える。
【0203】
[ステップS57:予約時間帯に該当するか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及びタイマー部64と協働して判別部615を実行し、タイマー部64が計時した現在時刻がステップS52で読み取った二次元コードBに含まれる予約時間帯に該当するか判別する処理を行う(ステップS57)。予約時間帯に該当するのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS58に移す。予約時間帯に該当しないのであれば、制御装置制御部61は、オフライン制御処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0204】
[ステップS58:解錠を指令]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して解錠指令部616を実行し、ステップS52で読み取った二次元コードBに含まれる予約情報と対応するロック装置4に解錠を指令する処理を行う(ステップS58)。制御装置制御部61は、オフライン制御処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0205】
オフライン制御処理がステップS57からステップS58の処理を含むことにより、制御装置6は、二次元コードBに含まれる予約情報に記録されている予約時間帯に該当するかを、内蔵のタイマー部64を参照して外部との通信を行うことなく判別できる。これにより、制御装置6は、外部との通信を行うことなくロック装置4をオフラインで解錠できる。
【0206】
したがって、錠3は、通信手段が制限されている場所であっても、電気式及び/又は電子式の錠3を取り付けた部屋の貸し出し等をほぼ無人の管理で実現することができる。また、錠3は、判別部615が外部との通信を行わないことにより、錠3の消費電力を軽減できる。したがって、電力の供給が制限されている場所であっても、制御装置6は、錠3を制御できる。
【0207】
〔オンライン制御処理のフローチャート〕
図8は、
図6のステップS45で実行されるオンライン制御処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図7を用いて、ステップS45で実行されるオンライン制御処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0208】
[ステップS61:二次元コードの読み取りが可能か判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して読取部613を実行し、二次元コードBの読み取りが可能か判別する処理を行う(ステップS61)。二次元コードBの読み取りが可能であれば、制御装置制御部61は、処理をステップS62に移す。二次元コードBの読み取りが可能でなければ、制御装置制御部61は、処理をステップS69に移す。
【0209】
二次元コードBの読み取りが可能か判別する方法は、特に限定されず、例えば、読取装置5の検知部が二次元コードB、利用者端末1、及び/又は利用者端末1を利用する利用者等が読取装置5の周辺に存在すると検知した場合に二次元コードBの読み取りが可能であると判別する方法でよい。
【0210】
読取装置5の検知部が動体識別センサを含む検知部である場合、二次元コードBの読み取りが可能か判別する方法は、予約を行った予約者が読取装置5に二次元コードBを提示する動きを検知部が検知した場合に二次元コードBの読み取りが可能であると判別する方法を含むことが好ましい。これにより、予約者が単に読取装置5周辺にいて二次元コードBを提示していない場合に読み取りを行わずに消費電力を低減することと、予約者が読取装置5に二次元コードBを提示したときに読み取りを行うこととを両立できる。
【0211】
オンライン制御処理がステップS61の読取可能判別処理を含むことにより、二次元コードの読み取りが可能でない場合に読取装置5が二次元コードBの読み取りを試みて消費電力を増大させることを防ぎ得る。
【0212】
[ステップS62:二次元コードを読み取る]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して読取部613を実行し、読取装置5を用いて二次元コードBを読み取る処理を行う(ステップS62)。制御装置制御部61は、処理をステップS63に移す。
【0213】
制御装置6が入力部を含む場合、ステップS61からS62の二次元コードBを読み取る処理は、二次元コードBに含まれる暗号化小容量情報に相当する情報が入力部を介して入力されたときに、当該情報を取得する処理を含むことが好ましい。これにより、二次元コードだけでなく、予約者の入力によっても錠3を制御するハイブリッド制御を実現し得る。
【0214】
二次元コードBが秘密鍵222で暗号化された暗号化小容量情報を含む場合、オンライン制御処理は、ステップS63の暗号化小容量情報復号処理を含むことが好ましい。
【0215】
[ステップS63:暗号化小容量情報を復号]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62と協働して復号部614を実行し、ステップS62で読み取った二次元コードBに含まれる暗号化小容量情報を、公開鍵622を用いて復号し、復号後小容量情報を得る処理を行う(ステップS63)。制御装置制御部61は、処理をステップS64に移す。
【0216】
[ステップS64:特定大容量情報を受信しているか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62と協働して判別部615を実行し、大容量予約情報テーブル621を用いて、ステップS63で得た復号後小容量情報に対応する特定大容量情報(対応大容量予約情報)を受信しているか判別する処理を行う(ステップS64)。特定大容量情報を受信しているのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS67に移す。特定大容量情報を受信していないのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS65に移す。
【0217】
大容量予約情報テーブル621を用いて、ステップS63で得た復号後小容量情報に対応する特定大容量情報(対応大容量予約情報)を受信しているか判別する処理は、特に限定されず、例えば、復号後小容量情報に含まれる識別情報に対応する大容量予約情報を大容量予約情報テーブル621から取得可能である場合に対応大容量情報を受信していると判別する処理でよい。
【0218】
[ステップS65:特定大容量情報の送信を指令]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、ステップS63で得た復号後小容量情報に対応する特定大容量情報(対応大容量予約情報)の送信を予約管理装置2に指令する処理を行う(ステップS65)制御装置制御部61は、処理をステップS66に移す。
【0219】
[ステップS66:特定大容量情報を受信]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、ステップS65で送信を指令した特定大容量情報(対応大容量予約情報)を受信する処理を行う(ステップS66)制御装置制御部61は、処理をステップS67に移す。
【0220】
[ステップS67:予約時間帯に該当するか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及びタイマー部64と協働して判別部615を実行し、タイマー部64が計時した現在時刻が特定大容量情報(対応大容量予約情報)に含まれる予約時間帯に該当するか判別する処理を行う(ステップS67)。予約時間帯に該当するのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS68に移す。予約時間帯に該当しないのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS69に移す。
【0221】
[ステップS68:解錠を指令]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して解錠指令部616を実行し、特定大容量情報(対応大容量予約情報)と対応するロック装置4に解錠を指令する処理を行う(ステップS68)。制御装置制御部61は、処理をステップS69に移す。
【0222】
必須の態様ではないが、ステップS68の解錠を指令する処理は、大容量予約情報テーブル621において、特定大容量情報が予約を終了する情報と関連付けられていない場合に、ロック装置4に解錠を指令する処理であることが好ましい。これにより、制御装置6は、まだ終了していない予約に限って、ロック装置4に解錠を指令できる。
【0223】
オンライン制御処理がステップS64からステップS68の処理を含むことにより、制御装置6は、対応大容量予約情報が受信された大容量予約情報に含まれていない場合に、対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報を予約管理装置2から受信できる。したがって、制御システムSは、予約が行われるごとに制御装置6が予約情報を逐一送信して傍受されるリスク及び消費電力を低減することと、錠3側の制御装置6が、復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を確実に受信して、予約時間帯の妥当性を迅速に判別可能にすることとを両立できる。
【0224】
共通鍵方式では、復号に用いる鍵(共通鍵)が秘密でない場合、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする、偽造された小容量情報が共通鍵を用いて暗号化され得る。これにより、利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードが生成され得る。
【0225】
オンライン制御処理がステップS63の処理を含むことにより、制御システムSは、復号に用いる鍵(公開鍵)が秘密でない場合であっても利用者が予約した予約時間帯以外の時間帯にロック装置4を解錠状態とすることを可能とする偽造二次元コードの生成を防ぐことができる。
【0226】
ところで、公開暗号鍵方式は、共通鍵方式より暗号強度が高い一方、暗号化処理及び復号処理にかかる負荷が、共通鍵方式に比べて大きいことが知られている。これにより、公開暗号鍵方式を用いる場合に、制御装置6における消費電力が共通鍵方式より高くなり得る。
【0227】
オンライン制御処理がステップS63からステップS68の処理を含むことにより、制御装置6は、復号部614によって暗号化小容量情報を復号し、復号された復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を用いて、現在時刻が予約時間帯に該当するかを判別できる。これにより、制御装置6は、復号する情報を、暗号化小容量情報のみにとどめ、公開暗号鍵方式の復号処理にかかる負荷を軽減することと、偽造二次元コードの生成を防ぐこととを両立できる。
【0228】
[ステップS69:大容量予約情報受信処理]
制御装置制御部61は、必要に応じて制御装置記憶部62及び/又は制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、大容量予約情報を受信する大容量予約情報受信処理を行う(ステップS69)。制御装置制御部61は、オンライン制御処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0229】
ステップS69で実行される大容量予約情報受信処理は、
図9を用いて詳細に説明される。
【0230】
〔大容量予約情報受信処理のフローチャート〕
図9は、
図8のステップS69で実行される大容量予約情報受信処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図9を用いて、ステップS69で実行される大容量予約情報受信処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0231】
[ステップS71:大容量予約情報を受信するタイミングか判別](No→戻る)
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する処理を行う(ステップS71)。大容量予約情報を受信するタイミングであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS72に移す。大容量予約情報を送信するタイミングでなければ、制御装置制御部61は、大容量予約情報受信処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0232】
大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する方法は、特に限定されない。
【0233】
大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する方法は、例えば、ステップS72において大容量予約情報の受信を開始した直前のタイミングから指定の時間以上の間隔を空けたタイミングである場合に大容量予約情報を受信するタイミングであると判別する方法等でよい。
【0234】
指定の時間は、特に限定されない。指定の時間の下限は、0.5時間以上であることが好ましく、1時間以上であることがより好ましい。指定の時間の下限を上述のとおり定めることにより、制御装置6は、予約が行われるごとに逐一大容量予約情報が受信される場合より大容量予約情報が受信される頻度を少なくできる。したがって、制御システムSは、通信の秘匿性が制限されている場所であっても、大容量予約情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを低減できる。また、大容量予約情報が受信される頻度を少なくすることにより、制御装置6は、遠距離間での通信にかかる消費電力の増大を低減できる。
【0235】
指定の時間の上限は、168時間以下であることが好ましく、72時間以下であることが好ましく、24時間以下であることがより好ましい。指定の時間の上限を上述のとおり定めることにより、予約時間帯が現在時刻を含む大容量予約情報を制御装置6が受信していない頻度を低減し得る。
【0236】
大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する方法は、指定の時間以上の間隔を空けて指定された1以上の指定の日時であれば大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する方法を含むことが好ましい。1以上の指定の日時は、特に限定されず、例えば、毎日の6時、12時、18時のそれぞれを指定する日時等でよい。これにより、直前に大容量予約情報を受信したタイミングを記憶することなく、大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別できる。
【0237】
大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する方法は、指定された時間帯以外の時間帯に大容量予約情報を受信するタイミングであるか判別する方法を含むことが好ましい。これにより、予約管理装置2の保守が行われる時間帯等の大容量予約情報を受信できないタイミングに遠距離間での通信を試みることを防ぎ得る。
【0238】
[ステップS72:大容量予約情報の受信を開始]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び/又は制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、大容量予約情報の受信を開始する処理を行う(ステップS72)。制御装置制御部61は、処理をステップS73に移す。
【0239】
大容量予約情報の受信を開始する処理は、制御装置6をネットワークNと接続する処理を含むことが好ましい。これにより、大容量予約情報の受信を行う間において、制御装置6は、ネットワークNを介して予約管理装置2と通信し得る。
【0240】
大容量予約情報の受信を開始する処理は、予約管理装置2に大容量予約情報の送信を要求する処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6が大容量予約情報の受信を開始するタイミングと、予約管理装置2が大容量予約情報の送信を開始するタイミングとの間の時間差をよりいっそう小さくできる。これにより、制御装置6が上述の時間差の間においてネットワークNと接続されることを防ぎ、遠距離間での通信にかかる消費電力の増大を低減できる。
【0241】
[ステップS73:すべての大容量予約情報を受信したか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、すべての大容量予約情報を受信したか判別する処理を行う(ステップS73)。すべての大容量予約情報を受信したのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS76に移す。すべての大容量予約情報を受信したのでなければ、制御装置制御部61は、処理をステップS74に移す。
【0242】
すべての大容量予約情報を受信したか判別する処理は、特に限定されず、例えば、予約管理装置2からすべての大容量予約情報を受信したことを通知する情報を受信した場合にすべての大容量予約情報を受信したと判別する処理等を含む処理でよい。
【0243】
[ステップS74:大容量予約情報を受信したか判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、大容量予約情報を受信したか判別する処理を行う(ステップS74)。大容量予約情報を受信したのであれば、制御装置制御部61は、処理をステップS75に移す。大容量予約情報を受信したのでなければ、制御装置制御部61は、処理をステップS73に移す。
【0244】
[ステップS75:大容量予約情報を格納]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、ステップS74で受信した大容量予約情報を格納する処理を行う(ステップS75)。制御装置制御部61は、処理をステップS73に移す。
【0245】
[ステップS76:大容量予約情報の受信を終了]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して大容量予約情報受信部612を実行し、大容量予約情報の受信を終了する処理を行う(ステップS76)。制御装置制御部61は、大容量予約情報受信処理を終了し、処理をステップS44に移す。
【0246】
制御装置6は、ネットワークNと接続した状態において、ネットワークNを介してデータを受信したかを判別する処理等のための電力を消費する。とりわけ、制御装置通信部63が無線ネットワークを含むネットワークNと接続する場合において、このような消費電力は、制御装置通信部63が有線ネットワークのみを含むネットワークNと接続する場合より増大する。
【0247】
大容量予約情報の受信を終了する処理は、制御装置6とネットワークNとの接続を終了する処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6は、大容量予約情報を受信しないタイミングにおいて、ネットワークNと接続することによって消費される消費電力を低減できる。
【0248】
大容量予約情報受信処理を行うことにより、制御装置6は、指定の時間以上の間隔を空けたタイミングでまとめて送信される1以上の大容量予約情報を受信できる。これにより、制御装置6は、通信の安定性が制限されている場所であっても、通信が安定しているタイミングで大容量予約情報を受信できる。
【0249】
大容量予約情報受信処理を行うことにより、制御装置6は、予約が行われるごとに逐一大容量予約情報が送信される場合より大容量予約情報を受信される頻度を少なくできる。したがって、制御システムSは、通信の秘匿性が制限されている場所であっても、大容量予約情報が傍受等されて不正に利用されるリスクを低減できる。また、大容量予約情報を受信する頻度を少なくすることにより、制御装置6は、遠距離間での通信にかかる消費電力の増大を低減できる。
【0250】
大容量予約情報受信処理を行うことにより、制御装置6は、対応大容量予約情報が受信された大容量予約情報に含まれていない場合に、対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報を予約管理装置2から受信できる。したがって、制御システムSは、予約が行われるごとに制御装置6が予約情報を逐一送信して傍受されるリスク及び消費電力を低減することと、制御装置6が、復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を確実に受信して、予約時間帯の妥当性を迅速に判別可能にすることとを両立できる。
【0251】
〔利用終了処理のフローチャート〕
図10は、
図6のステップS44で実行される利用終了処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図10を用いて、ステップS44で実行される利用終了処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0252】
[ステップS81:二次元コードの読み取りが可能か判別]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して利用終了情報送信部618を実行し、管理対象Mの利用終了に関する二次元コードの読み取りが可能か判別する処理を行う(ステップS81)。読み取りが可能であれば、制御装置制御部61は、処理をステップS52に移す。読み取りが可能でなければ、制御装置制御部61は、利用終了処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0253】
読取装置5が管理対象Mの利用を終了する二次元コードBを読み取る利用終了読取装置を含む場合、ステップS81の二次元コードBの読み取りが可能か判別する処理は、利用終了読取装置において二次元コードBの読み取りが可能である場合に二次元コードBの読み取りが可能であると判別する処理を含むことが好ましい。これにより、予約を行った予約者は、利用終了読取装置に二次元コードBを読み取らせることによって、予約した管理対象Mの利用を終了できる。
【0254】
[ステップS82:二次元コードを読み取る]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して利用終了情報送信部618を実行し、読取装置5を用いて二次元コードBを読み取る処理を行う(ステップS82)。制御装置制御部61は、処理をステップS83に移す。
【0255】
[ステップS83:予約を終了]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して利用終了情報送信部618を実行し、ステップS82で読み取った二次元コードBと対応する予約を終了する処理を行う(ステップS83)。制御装置制御部61は、処理をステップS84に移す。
【0256】
予約を終了する処理は、特に限定されない。予約を終了する処理は、大容量予約情報テーブル621に格納された大容量予約情報であって、ステップS82で読み取った二次元コードBと対応する大容量予約情報に予約を終了する情報を関連付ける処理を含むことが好ましい。これにより、制御装置6は、予約を終了する情報が関連付けられていない大容量予約情報と対応する二次元コードBが読み取られた場合に、ロック装置4を解錠状態にする制御を行える。
【0257】
[ステップS84:利用終了情報を送信]
制御装置制御部61は、制御装置記憶部62及び制御装置通信部63と協働して利用終了情報送信部618を実行し、ステップS82で読み取った二次元コードBと対応する管理対象Mの予約時間帯における利用を終了することに関する利用終了情報を予約管理装置2に送信する処理を行う(ステップS84)。制御装置制御部61は、利用終了処理を終了し、処理をステップS41に移す。
【0258】
制御装置6が利用終了処理を実行することにより、管理対象Mを予約した予約者は、管理対象Mの利用を予約時間帯の終了日時を待たずに終了できる。これにより、管理対象Mを管理する管理者は、予約時間帯の終了日時を待たずに管理対象Mを他の予約者に利用させ得る。
【0259】
<<制御システムSの使用例>>
続いて、本実施形態における制御システムSの使用例を説明する。
【0260】
<管理対象Mへの錠3の後付け>
図11は、管理対象Mへの錠3の後付けの一例を示す図である。管理対象M(貸出対象となる部屋)を管理する管理者は、管理対象Mへの出入りを管理可能なロック装置4を管理対象Mに設置する。そして、管理者は、読取装置5及び制御装置6を管理対象Mの周辺に後付けして、錠3を構成する。
【0261】
図11に示す例では、管理対象Mの外部に後付けされた制御装置6は、制御装置通信部63が行う近距離無線通信によって管理対象Mの内部に設けられたロック装置4と電気的に接続されている。制御装置6が近距離無線通信によってロック装置4と電気的に接続可能であることにより、管理者は、ロック装置4を管理対象Mの外部に設けることなく、錠3を構成できる。これにより、管理者は、ロック装置4が管理対象Mの外部にいる者によって破壊等されることを防ぎ得る。
【0262】
図11に示す例では、制御装置6は、制御装置電源部65(電池によって電力を供給可能な電源部)を含んでいる。これにより、管理者は、管理対象Mの周辺において電力の供給が制限されている場合であっても、錠3を用いて管理対象Mの利用を管理できる。また、管理者は、電池を交換する比較的簡便な手順で、制御装置電源部65を保守し得る。
【0263】
<オフライン制御を行う錠3で管理された管理対象Mの貸出>
続いて、外部との通信を行わないオフライン制御を行う錠3で管理された管理対象Mの貸出について説明する。
【0264】
〔管理対象Mの利用を予約〕
管理対象Mの利用を予約する予約者は、利用者端末1を介して予約管理装置2に予約時間帯における管理対象Mの利用の予約を要求する。予約管理装置2は、予約時間帯及び管理対象Mを特定可能な情報を含む大容量予約情報(予約情報)を生成する。
【0265】
〔二次元コードを発行〕
予約管理装置2は、予約時間帯及び管理対象Mを特定可能な情報を含む予約情報を秘密鍵222で暗号化した暗号化予約情報を含むオフライン制御用の二次元コードBを表示可能なオフライン二次元コード表示情報を利用者端末1に送信する。利用者端末1は、オフライン二次元コード表示情報を受信する。
【0266】
〔二次元コードの読み取り〕
予約者は、オフライン二次元コード表示情報を用いて利用者端末1にオフライン制御用の二次元コードBを表示し、表示したオフライン制御用の二次元コードBを管理対象Mの周辺に設置された錠3の読取装置5に読み取らせる。動き識別センサを備える読取装置5は、予約者が二次元コードBを読み取らせる動きを検知し、二次元コードBを読み取る。
【0267】
〔予約時間帯に該当するか判別〕
制御装置6は、暗号化予約情報を公開鍵622で復号して復号後予約情報を得る。制御装置6は、外部との通信を行うことなく、タイマー部64が計時する現在時刻が復号後予約情報に含まれる予約時間帯に含まれるか判別する。
【0268】
〔ロック装置4を解錠状態に制御〕
現在時刻が予約時間帯に含まれる場合、制御装置6は、管理対象Mへの出入りを管理可能なロック装置4を解錠状態に制御する。これにより、予約者は、予約時間帯に管理対象Mを利用できる。
【0269】
〔ロック装置4を施錠状態に維持〕
現在時刻が予約時間帯に含まれない場合、制御装置6は、管理対象Mへの出入りを管理可能なロック装置4を施錠状態に維持する。これにより、予約者は、予約時間帯外に管理対象Mを利用できない。
【0270】
<オフライン制御を行う錠3の時刻合わせ>
外部との通信を行わないオフライン制御を行う錠3の時刻合わせを説明する。
【0271】
〔生成時刻付二次元コードを発行〕
予約者は、管理対象Mの周辺において、利用者端末1を介して予約管理装置2に二次元コードBの発行を要求する。予約管理装置2は、二次元コードBを生成した生成時刻情報、予約時間帯及び管理対象Mを特定可能な情報を含む生成時刻付予約情報を秘密鍵222で暗号化した暗号化生成時刻付予約情報を含むオフライン制御用の生成時刻付二次元コードBを表示可能な生成時刻付オフライン二次元コード表示情報を利用者端末1に送信する。利用者端末1は、生成時刻付二次元コード表示情報を受信する。
【0272】
〔二次元コードの読み取り〕
予約者は、オフライン二次元コード表示情報を用いて利用者端末1にオフライン制御用の二次元コードBを表示し、表示したオフライン制御用の二次元コードBを管理対象Mの周辺に設置された錠3の読取装置5に読み取らせる。動き識別センサを備える読取装置5は、予約者が二次元コードBを読み取らせる動きを検知し、二次元コードBを読み取る。
【0273】
〔時刻合わせ〕
制御装置6は、生成時刻情報に対応する生成時刻からタイマー部64が計時する現在時刻までに経過した時間が所定時間以下であるか判別する。所定時間以下であれば、制御装置6は、生成時刻に特定時間を加えた時刻に現在時刻を時刻合わせする。これにより、制御装置6は、ネットワークNを介して時刻合わせに用いる時刻を提供する外部の手段を用いることなく、タイマー部64の時刻合わせを行うことができる。
【0274】
<オンライン制御を行う錠3で管理された管理対象Mの貸出>
予約管理装置2と通信を行うオンライン制御を行う錠3で管理された管理対象Mの貸出について説明する。
【0275】
〔管理対象Mの利用を予約〕
管理対象Mの利用を予約する予約者は、利用者端末1を介して予約管理装置2に予約時間帯における管理対象Mの利用の予約を要求する。予約管理装置2は、予約時間帯及び管理対象Mを特定可能な情報を含む大容量予約情報(予約情報)を生成する。
【0276】
〔二次元コードを発行〕
予約管理装置2は、大容量予約情報と対応する識別情報を含み、予約時間帯を含まない小容量情報を秘密鍵222で暗号化した暗号化小容量情報を含むオンライン制御用の二次元コードBを表示可能なオンライン二次元コード表示情報を利用者端末1に送信する。利用者端末1は、オンライン二次元コード表示情報を受信する。
【0277】
〔大容量予約情報の送信〕
予約管理装置2は、予約時間帯、識別情報、及び管理対象Mを特定可能な1以上の大容量予約情報を指定の時間以上の間隔を空けたタイミングでまとめて送信する。制御装置6は、まとめて送信された1以上の大容量予約情報を受信する。
【0278】
〔二次元コードの読み取り〕
予約者は、オンライン二次元コード表示情報を用いて利用者端末1にオンライン制御用の二次元コードBを表示し、表示したオンライン制御用の二次元コードBを管理対象Mの周辺に設置された錠3の読取装置5に読み取らせる。動き識別センサを備える読取装置5は、予約者が二次元コードBを読み取らせる動きを検知し、二次元コードBを読み取る。
【0279】
〔対応大容量予約情報を受信しているか判別〕
制御装置6は、暗号化小容量情報を公開鍵622で復号して復号後小容量情報を得る。制御装置6は、復号後小容量情報に対応する対応大容量予約情報を受信しているか判別する。
【0280】
〔特定大容量予約情報を受信〕
対応大容量予約情報を受信していない場合、制御装置6は、対応大容量予約情報に相当する特定大容量予約情報の送信を予約管理装置2に指令し、特定大容量予約情報を受信する。
【0281】
〔予約時間帯に該当するか判別〕
制御装置6は、現在時刻が対応大容量予約情報に含まれる予約時間帯に該当するか判別する。
【0282】
〔ロック装置4を解錠状態に制御〕
現在時刻が予約時間帯に含まれる場合、制御装置6は、管理対象Mへの出入りを管理可能なロック装置4を解錠状態に制御する。これにより、予約者は、予約時間帯に管理対象Mを利用できる。
【0283】
〔ロック装置4を施錠状態に維持〕
現在時刻が予約時間帯に含まれない場合、制御装置6は、管理対象Mへの出入りを管理可能なロック装置4を施錠状態に維持する。これにより、予約者は、予約時間帯外に管理対象Mを利用できない。
【0284】
<オンライン制御を行う錠3で管理された管理対象Mの貸出を終了>
予約管理装置2と通信を行うオンライン制御を行う錠3で管理された管理対象Mの貸出の終了について説明する。
【0285】
〔二次元コードの読み取り〕
予約者は、オンライン二次元コード表示情報を用いて利用者端末1にオンライン制御用の二次元コードBを表示し、表示したオンライン制御用の二次元コードBを管理対象Mの周辺に設置された錠3の読取装置5のうち、利用終了に関する利用終了読取装置に読み取らせる。動き識別センサを備える利用終了読取装置は、予約者が二次元コードBを読み取らせる動きを検知し、二次元コードBを読み取る。
【0286】
〔予約の終了〕
制御装置6は、読み取った二次元コードBと対応する大容量予約情報に利用終了を示す情報を関連付ける。制御装置6は、読み取った二次元コードBと対応する予約の終了に関する利用終了情報を予約管理装置2に送信する。予約管理装置2は、利用終了情報を受信し、当該予約に関する大容量予約情報に利用終了を示す情報を関連付ける。これにより、予約時間帯に該当する時刻であっても、二次元コードBによる錠3の解錠を行えなくなる。また、予約管理装置2は、当該予約に関する大容量予約情報の送信を終了する。
【実施例0287】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0288】
<実施例及び比較例に係る制御システムSの構築>
〔実施例1〕 オフライン動作を行う錠3の制御システムS
まず、本発明の実施形態にかかる予約管理装置2を用意した。そして、管理対象Mの利用を管理可能であり、BLEによって制御装置6と電気的に接続可能である電子式のロック装置4に読取装置5及び制御装置6を後付けして実施形態にかかる錠3を構成した。錠3が外部との通信を行わないオフライン動作を行うよう指定し、22時から6時までの時間帯に制御処理を行わないスリープ状態となるよう指定して、実施例1の制御システムSを構成した。
【0289】
実施例1の読取装置5及び制御装置6は、動作電圧が3.3[V]のものを用いた。実施例の制御装置電源部65は、公称電圧5[V]で容量2200[mA]の電池が供給する電力を変換効率0.9で出力電圧3.3[V]に変換して読取装置5及び制御装置6に供給可能であるものを用いた。
【0290】
〔実施例2〕 オンライン動作を行う錠3の制御システムS
制御装置通信部63がWi-Fiネットワークに接続可能である錠3に、Wi-Fiネットワークを介した外部との通信を行うオンライン動作を行うよう指定したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の制御システムSを構成した。
【0291】
〔比較例〕 大容量予約情報を逐一受信する錠3の制御システム
比較対象として、実施例2と同じ予約管理装置2を用意し、実施例2と同じロック装置4、読取装置5、制御装置6、及び制御装置電源部65で構成された錠3に大容量予約情報を逐一受信させる動作を行うよう指定して、比較例の制御システムSを構成した。
【0292】
<試験内容>
〔消費電流〕
実施例1、実施例2、及び比較例のそれぞれについて、市販の電流計を用いて、二次元コードBの読み取り、大容量予約情報の受信、及びロック装置4の制御のいずれも行わない待機状態において読取装置5と制御装置6とが消費する消費電流の合計である待機状態消費電流、二次元コードを読み取る読取状態において読取装置5が消費する読取消費電流、大容量予約情報を受信する受信状態において制御装置通信部63が消費する受信消費電流、並びにロック装置4を制御する制御状態において制御装置通信部63が消費する制御消費電流を測定した。結果を表1に示す。
【表1】
【0293】
〔動作試験〕
実施例1、実施例2、及び比較例の制御システムSを6時から翌日6時までの1日間動作させる試験を行った。当該試験において、実施例1及び実施例2の制御システムSは、スリープ状態に関する指定に基づき、22時から6時までスリープ状態であった。当該試験において、実施例2の制御システムSは、大容量予約情報を送信するタイミングの指定に基づき、6時、12時、18時に大容量予約情報を送信した。
【0294】
[平均動作時間〕
動作試験中に発生した読取状態のそれぞれについて読取状態が継続した読取時間を測定し、その平均である平均読取時間を算出した。また、動作試験中に発生した受信状態のそれぞれについて受信状態が継続した受信時間を測定し、その平均である平均受信時間を算出した。また、動作試験中に発生した制御状態のそれぞれについて制御状態が継続した制御時間を測定し、その平均である平均制御時間を算出した。結果を表2に示す。
【表2】
【0295】
[消費電力]
1日間の動作試験中において、実施例1、実施例2、及び比較例のそれぞれについて、錠3が読取装置5と制御装置6とにおいて消費した消費電力を測定した。結果を表3に示す。
【表3】
【0296】
<試験結果の考察と検討>
待機状態、読取状態、及び制御状態における消費電流は、実施例1、実施例2、比較例のいずれにおいても同じであった。また、平均読取時間及び平均制御時間は、実施例1、実施例2、比較例のいずれにおいても同じであった。
【0297】
外部との通信を行わず、受信状態にならない実施例1は、実施例2及び比較例より消費電力が少なかった。外部との通信を行う実施例2と比較例は、待機状態、読取状態、受信状態、及び制御状態における消費電流、平均読取時間、並びに平均制御時間が同じであったにもかかわらず、試験を行った1日間における消費電力に大きな開きがあった。実施例2と比較例との消費電力の違いは、実施例2が動作試験中に3回あった受信状態にならなかったのに対し、比較例は、常時受信状態であったためであると考えられる。また、実施例1及び実施例2は、指定された時間帯にスリープ状態となることによっても、消費電力を低減していたものと考えられる。
【0298】
上述のとおり、実施例1、実施例2、及び比較例において用いた制御装置電源部65は、公称電圧5[V]で容量2200[mA]の電池が供給する電力を変換効率0.9で出力電圧3.3[V]に変換して読取装置5及び制御装置6に供給可能である電源部である。
【0299】
したがって、実施例1の錠3は、試験中と同様の制御を、電池を交換することなく324日間(約10ヶ月)以上継続可能であると考えられる。また、実施例2の錠3は、試験中と同様の制御を、電池を交換することなく275日間(約9ヶ月)以上継続可能であると考えられる。一方、比較例の錠3は、電池を交換しない場合、試験中と同様の制御を9-10日間程度しか継続できないと考えられる。
【0300】
すなわち、実施例1及び実施例2の錠3は、1年間における電池の交換が1-2回程度であると見込まれるのに対し、比較例の錠3は、1年間における電池の交換が36-41回程度であると見込まれる。
【0301】
したがって、オフライン制御を行う実施例1の錠3及びオンライン制御を行う実施例2の錠3は、いずれも比較例より消費電力を低減できる。よって、実施例1及び実施例2の制御システムSは、電源部の保守にかかる頻度を大幅に低減可能であることが確かめられた。
【0302】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。