IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人電気通信大学の特許一覧

特開2023-57918非接触温度情報提示システム及びその方法
<>
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図1
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図2
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図3
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図4
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図5
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図6
  • 特開-非接触温度情報提示システム及びその方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057918
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】非接触温度情報提示システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A63J 25/00 20090101AFI20230417BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A63J25/00
A63J5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167672
(22)【出願日】2021-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久米 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】水野 統太
(57)【要約】
【課題】非接触で適切な温度感覚を対象者に与えることを可能にする。
【解決手段】対象者の表面から放射あるいは入射する熱量の制御による非接触温度情報提示システムであり、対象者の周囲に、対象者の表面温度よりも高い温度の第1の熱源と、表面温度よりも低い温度の第2の熱源とを配置する。そして、第1の熱源の熱放射と、第2の熱源の熱放射を制御して、それぞれの熱放射の和と対象者の表面から放射する熱の収支の制御装置を備える。例えば、低い温度の第2の熱源は、ほぼ一定温度で熱放射を行うようにし、高い温度の第1の熱源は、熱放射を行う温度を可変させて、対象者の表面で入射あるいは放射する熱量を制御して、映像などに追随した適切な温度感覚が得られるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の表面から放射される熱と、前記対象者へ入射する熱の収支を制御する非接触温度情報提示システムであり、
前記対象者の周囲に、前記対象者の表面温度よりも高い温度の第1の熱源と、前記対象者の表面温度よりも低い温度の第2の熱源とを配置し、
前記第1の熱源の熱放射と、前記第2の熱源の熱放射を制御して、それぞれの熱放射の和と前記対象者の表面から放射する熱の収支の制御装置を備える
非接触温度情報提示システム。
【請求項2】
前記対象者の表面から放射する熱の収支の制御装置は、前記対象者の表面温度よりも低い温度の前記第2の熱源を、ほぼ一定の温度の熱放射を行うように制御し、前記対象者の表面温度よりも高い温度の前記第1の熱源を、前記対象者の表面温度の変化に追随して熱放射を行う温度を変化させるように制御する
請求項1に記載の非接触温度情報提示システム。
【請求項3】
前記対象者の表面温度は、映像出力装置から出力される映像により可変設定される温度である
請求項2に記載の非接触温度情報提示システム。
【請求項4】
前記第2の熱源の表面積は、前記第1の熱源の表面積よりも大きくした
請求項1~3のいずれか1項に記載の非接触温度情報提示システム。
【請求項5】
前記第1の熱源及び前記第2の熱源は、対象者の周囲に複数配置した
請求項1~4のいずれか1項に記載の非接触温度情報提示システム。
【請求項6】
前記第1の熱源と前記第2の熱源の内の、少なくとも前記第2の熱源と対象者の間に、熱放射を遮断するシャッタを配置した
請求項1~5のいずれか1項に記載の非接触温度情報提示システム。
【請求項7】
対象者の表面から放射される熱と、前記対象者へ入射する熱の収支を制御する非接触温度情報提示方法であって、
前記対象者の周囲に、前記対象者の表面温度よりも高い温度の第1の熱源と、前記対象者の表面温度よりも低い温度の第2の熱源とを配置し、
前記第1の熱源の熱放射と、前記第2の熱源の熱放射を制御して、それぞれの熱放射の和と、前記対象者の表面から放射される熱の収支の制御を行う
非接触温度情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で対象者に温度感覚を提示する非接触温度情報提示システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、劇場や遊戯施設などで、映像の内容に合わせて冷たい風や暖かい風を観客に浴びせることで、臨場感がある映像提供を行うものが実用化されている。例えば、吹雪の雪山の映像の表示に合わせて、観客に冷風を浴びせることで、映像に一致した温度情報が提供され、高い臨場感が得られる。
【0003】
しかしながら、このような従来から行われている温度情報の提示は、いずれも観客に風を浴びせるものであるため、映像内容によっては適切でない場合がある。すなわち、上述したような吹雪の映像を表示する際に、冷たい風で観客を刺激するのは適切である。しかし、無風状態の灼熱の砂漠の映像に合わせて、暖かい風を観客に提示すると、観客は温かいという温覚は感じることができても、無風状態の灼熱の砂漠の映像と風との関連がないため、観客に対して不自然な感じを与えてしまうことになる。
【0004】
特許文献1には、ディスプレイで表示される映像を見る対象者の腕などに温冷刺激装置を装着して、温冷刺激装置に内蔵された熱電素子の制御で、温冷刺激装置と接触した皮膚に映像の内容に合わせた温感を伝える技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-135191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術では、温冷刺激装置を皮膚に触れた状態で温度感覚を刺激するため、温冷刺激装置と直接接触知った箇所だけに温度情報が伝わる。したがって、利用者にとっては、腕などの一部だけに温度情報が伝わり、顔などには全く温度情報が伝わらないため、利用者に対して違和感を与えることになってしまう。
【0007】
背景技術の欄で説明したように、映像の内容に合わせて、冷たい感覚や温かい感覚を非接触で伝えることができれば、より臨場感の高い映像提供が可能になるが、従来の技術では風を浴びせたり、特許文献1に記載されたように皮膚に直接触れた箇所に温度刺激を与えるものであり、臨場感のある温度感覚が提供できているとは言えなかった。
【0008】
本発明の目的は、非接触で適切な温度感覚を対象者に与えることができる非接触温度情報提示システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の非接触温度情報提示システムは、対象者の表面から放射される熱と、対象者へ入射する熱の収支を制御する非接触温度情報提示システムであり、対象者の周囲に、対象者の表面温度よりも高い温度の第1の熱源と、対象者の表面温度よりも低い温度の第2の熱源とを配置する。
そして、第1の熱源の熱放射と、第2の熱源の熱放射を制御して、それぞれの熱放射の和と対象者からの放射の熱収支を、設定した値にする制御装置を備える。
【0010】
また、本発明の非接触温度情報提示方法は、対象者の表面の熱収支を、設定する非接触温度情報提示方法であり、対象者の周囲に、対象者の表面温度よりも高い温度の第1の熱源と、対象者の表面温度よりも低い温度の第2の熱源とを配置し、第1の熱源の熱放射と、第2の熱源の熱放射を制御して、それぞれの熱放射の和と対象者の表面からの放射と入射の熱収支の制御を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、対象者に対して、単一のシステムで広い温度領域において、温覚から冷覚まで任意の温度感覚を非接触で生起することができる。例えば、映画館等の劇場や遊戯施設等において、多数の観客を対象として、温覚や冷覚を生起できるようになる。また、本発明の場合には、熱放射を利用しているため、温風や冷風を浴びせるような流れを生じさせるものではなく、温度感覚だけを対象者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態例によるシステムの例を示す構成図である。
図2】本発明の一実施の形態例による熱源の配置例を示す図である。
図3】熱源の配置状態の別の例を示す図である。
図4】本発明の一実施の形態例によるシャッタを設けた例を示す図である。
図5】本発明の一実施の形態例によるシステムを劇場に適用した例を示す構成図である。
図6】熱源の配置状態(a)と、その配置状態での温度変化(b)を示す図である。
図7】本発明の一実施の形態例によるシステムの温度制御装置をコンピュータで構成した場合のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態例(以下「本例」と称する)を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本例の非接触温度情報提示システムの全体構成を示す。
図1に示すように、本例の非接触温度情報提示システムは、温度感覚を与える対象者aの近傍に、高温熱源10と低温熱源20とを相対して配置し、それぞれの熱源10,20からの熱放射を対象者aに届くようにする。ここで、高温熱源10を第1の熱源、低温熱源20を第2の熱源とする。
【0014】
高温熱源10としては、例えば、電力の供給で発熱する発熱体が使用される。このような高温熱源10は、比較的迅速に放射温度を所望の状態に制御することができる。
低温熱源20としては、放射冷房を行うパネルが使用される。放射冷房は、例えば冷水などの低温の媒体をパネルの内部で循環させて、パネルを低温状態に保つことで、低温の熱放射を行うものである。このような低温熱源20は、温度の設定に比較的長い時間を必要とする。
なお、高温熱源10を発熱体とし、低温熱源20を放射冷房機とするのは一例であり、その他の熱源としてもよい。例えば、低温熱源20としてドライアイスを使用して、低温熱源20は一定温度としてもよい。
【0015】
高温熱源10と低温熱源20は、温度制御装置100により温度が制御される。
温度制御装置100は、温度演算部101と、温度設定部102とを備える。
【0016】
温度演算部101は、映像出力装置40から目標温度の情報を取得し、対象者aの表面の熱収支を得るために必要な、高温熱源10の放射温度T1と、低温熱源20の放射温度T2とを算出する。ここで、高温熱源10の放射温度T1は、対象者aの表面絶対温度T0よりも高い温度であり、低温熱源20の放射温度T2は、対象者aの表面絶対温度T0よりも低い温度である。温度演算部101で算出された放射温度T1,T2の情報は、温度設定部102に供給される。
【0017】
温度設定部102は、高温熱源10を放射温度T1に制御すると共に、低温熱源20を放射温度T2に制御する。ここで、低温熱源20は、所望の温度の設定に比較的長い時間を必要とするため、図1に示す温度制御装置100は、放射温度T2はほぼ同じ温度とし、高温熱源10の放射温度T1を制御して、目標とする熱収支を得る制御を行うのが好ましい。
【0018】
図2は、相対して配置した高温熱源10の放射温度T1と低温熱源20の放射温度T2で、対象者aの表面絶対温度T0との熱収支を制御する原理を示す。
それぞれの熱源10,20は、絶対温度Tの物体から、温度Tの4乗に比例するエネルギー(熱)が電磁波として放射されることが、ステファン・ボルツマンの法則で知られている。
【0019】
具体的には、高温熱源10を構成する物体からは、単位面積、単位時間当たりεσ(T1)の熱が電磁波として放出される。また、低温熱源20を構成する物体からは、単位面積、単位時間当たりσ(T2)の熱が電磁波として放出される。εは放射率であり、σはステファン・ボルツマン定数である。
ここで、高温熱源10と低温熱源20は黒体と仮定し、放射率εが1.0とすると、2個の熱源から放射される熱は、以下の式で示される。
【0020】
[数1]
σ(T1)+σ(T2)
【0021】
先に説明したように、高温熱源10の放射温度T1は、対象者の表面絶対温度T0よりも高い温度であり、低温熱源20の放射温度T2は、対象者の表面絶対温度T0よりも低い温度である。
【0022】
高温熱源10は、単位面積、単位時間当たりσT1の熱が電磁波として放射され、低温熱源20は、単位面積、単位時間当たりσT2の熱が電磁波として放射され、対象者aの表面絶対温度T0であり、放射率は1.0とする。
これらを足し合わせると、以下のようになる。
【0023】
[数2]
σ(T1)+σ(T2)-σ(T0)
【0024】
この[数2]式の値が負のとき、対象者aから熱が放出されるため、対象者aは冷たく感じ、逆に[数2]式の値が正のとき、熱が対象者aに流入して暖かく感じる。本例の場合には、各熱源10,20の表面絶対温度T1,T2を独立に制御することで、幅広い範囲の温度を対処者aへ提示することが可能になる。具体的には、映像出力装置40から出力される映像に合わせて、高温の温覚や冷覚を刺激する温度情報を提示できるようになる。
なお、人体である対象者aに不快感を与えず、危害を加えない皮膚温度の範囲は、15℃から43℃の範囲であり、目標とする表面絶対温度T0は、288Kから316Kの範囲が好ましい。
【0025】
また、一般に低温熱源20は、温度の設定に比較的長い時間を必要とするため、温度制御装置100は、低温熱源20の表面絶対温度T2は一定温度として、高温熱源10の表面絶対温度T1を変化させて、所望の熱収支を得るのが好ましい。低温熱源20の表面絶対温度T2を一定温度とする場合には、例えば低温熱源20はドライアイスなどの低温物体を使用して、温度制御装置100は、高温熱源10の放射温度T1のみを制御する構成としてもよい。
【0026】
ここで温度の一例を示すと、対象者aの表面温度T0を310K、高温熱源10の温度T1を673K、低温熱源20の温度T2を温度194K(ドライアイスの温度)とすると、(T1)-(T0)は、(T0)-(T2)の約25倍になる。この数値は、単位面積当たりの放射熱なので、低温熱源20の面積を拡大することによって、冷却能力を高めることが可能になる。つまり、図2の例では、高温熱源10と低温熱源20を同じサイズで示しているが、実際には、低温熱源20を高温熱源10よりも大きくするのが好ましい。
【0027】
周囲の熱源10,20と対象者aに対する熱の収支によって熱の移動方向が決まり、対象者aへの温度情報の提示が可能になる。このため、図3に示すように、複数の対象者a,bに対して、周囲に複数の高温熱源10-1,10-2,10-3と複数の低温熱源20-1,20-2,20-3を配置して、対象者a,bに温度情報を提示できる。図3に示す各熱源10,20の数や配置は一例である。
【0028】
温度制御装置100が、高温熱源10の温度T1と低温熱源20の温度T2を制御する際に、各熱源10,20を構成する物体自体に熱容量があるため、温度変化には時間を要する。このため、少なくともいずれか一方の熱源の物体と対象者との間に、電磁波を遮断するシャッタを配置してもよい。
【0029】
図4は、この場合の構成例を示す。
図4の例では、低温熱源20の前に、開閉自在のシャッタ21を配置した例を示す。図4に示すように、温度制御装置100は、閉じたシャッタ21′がある状態で、低温熱源20を設定された温度T2とする制御を行った上で、温度T2になったタイミングで、シャッタ21を開けた状態に制御する。
このようにシャッタ21を用意することで、温度情報提示システムの時間応答性を改善することができる。
なお、高温熱源10の時間応答性が十分でない場合には、高温熱源10の前にもシャッタを配置してもよい。
【0030】
図5は、本例の非接触温度情報提示システムを劇場200に適用した例を示す。
劇場200は、室内の前方に映像を表示するスクリーン201を有し、劇場200の床面240には多数の座席202が配置されている。
ここで、劇場200の天井210に、高温熱源10と低温熱源20とを多数、交互に配置する。ここでは、説明を簡単にするために、高温熱源10と低温熱源20とは同じサイズで示すが、実際には、既に説明したように低温熱源20を大きくするのが好ましい。
また、図示は省略するが、劇場200の左右の側面220,230にも、高温熱源10と低温熱源20とを配置してもよい。
【0031】
スクリーン201には、図1に示す映像出力装置40が再生した映像を表示させ、温度制御装置100は、高温熱源10の温度T1と低温熱源20の温度T2を制御して、座席202に座っている観客の顔の熱収支を設定して、温かい、あるいは冷たい温度感覚を提示する。
このように本例の非接触温度情報提示システムを劇場に適用することで、劇場で上映される映像に合わせた臨場感のある温感覚や冷感覚を、多数の観客を対象に提示できるようになる。ここで提示される温覚や冷覚は、熱放射を利用しているため、温風や冷風を浴びせるような流れを生じさせるものではなく、温度感覚だけを対象者に与えることができるので、対象者にとって、映像に合わせた極めて臨場感のある温度感覚になる。
【0032】
図6は、本例の非接触温度情報提示システムにおける温度制御を適正に行うことができる点を実験で示した例である。
図6(a)は、実験を行った構成例を示す。
この例では、高温熱源10に相当する加温ランプ1と、低温熱源20に相当する保冷剤2を並べて配置し、測定のための被照射体としての鉛板3を加温ランプ1と保冷剤2に対向配置する。
そして、鉛板3の表面温度を測定する放射温度センサ4を配置する。
【0033】
図6(b)は、この放射温度センサ4が測定した、加温ランプ1の赤外線出力の変化による、鉛板3の表面温度の変化例を示す。ここでの保冷剤2の温度は一定である。
加温ランプ1の赤外線出力を変化させることで、鉛板3の表面温度は、13℃から25℃まで変化した。なお、ここでの周囲温度は25℃である。
この図6の例から、本例の非接触温度情報提示システムによって、適切に温度T0を制御できることがわかる。
【0034】
なお、図1に示す温度制御装置100は、例えばコンピュータにより構成することができる。図7は、温度制御装置100をコンピュータで構成した場合のハードウェア構成例を示す。
図7に示すコンピュータ(温度制御装置100)は、バスにそれぞれ接続された、CPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100a、RAM(Random Access Memory)100c、不揮発性ストレージ100d、ネットワークインタフェース100e、入力装置100f、及び出力装置100gを備える。
【0035】
CPU100aは、温度制御装置100が行う機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM100b又は不揮発性ストレージ100dから読み出して実行する演算処理部である。RAM100cは、演算処理を実行するワークエリアである。
CPU100aがROM100b又は不揮発性ストレージ100dからプログラムコードを読み出して、RAM100cで演算処理を実行することで、RAM100cに様々な処理機能部が構成される。例えばRAM100cには、図1に示す温度演算部101が構成される。
【0036】
不揮発性ストレージ100dには、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの大容量情報記憶媒体が用いられる。不揮発性ストレージ100dには、温度制御装置100が持つ機能を実現するソフトウェアと、そのプログラムの実行で得られたデータが記憶される。
【0037】
ネットワークインタフェース100eは、例えば、NIC(Network Interface Card)などが用いられ、他の装置とのデータの送受信が行われる。例えば、ネットワークインタフェース100eは、映像出力装置40からの温度指令を受信する。
入力装置100fは、外部からのデータの入力処理を行う。例えば、入力装置100fは、センサ30からの温度データの入力処理を行う。
出力装置100gは、外部へのデータの出力処理を行う。例えば、出力装置100gは、高温熱源10や低温熱源20に対して、温度を制御する指令を出力する。
【0038】
なお、ここまで説明した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、図1に示す構成では、温度制御装置100は、映像出力装置40での映像出力に同期して、温度制御を行うようにしたが、このような映像に同期させて温度制御を行うのは一例であり、温度制御装置100が、決められた温度制御スケジュールに従って温度を制御してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…加温ランプ、2…保冷剤、3…鉛板、4…放射温度センサ、10…高温熱源、20…低温熱源、21,21′…シャッタ、40…映像出力装置、100…温度制御装置、100a…CPU、100b…ROM、100c…RAM、100d…不揮発性ストレージ、100e…ネットワークインタフェース、100f…入力装置、100g…出力装置、101…温度演算部、102…温度設定部、200…劇場、201…スクリーン、202…座席、210…天井、220…側面、240…床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7