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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058000
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】基板移送装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230417BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G54/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114568
(22)【出願日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0135268
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン オ
(72)【発明者】
【氏名】ビュン,へ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ナ ヒュン
【テーマコード(参考)】
3F021
5F131
【Fターム(参考)】
3F021AA07
3F021BA02
3F021CA06
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA22
5F131AA23
5F131AA32
5F131BA11
5F131CA12
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB62
5F131DB73
(57)【要約】
【課題】非接触式駆動部を含む基板移送装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は駆動表面と電磁気生成モジュールを含む固定子アセンブリと、前記電磁気生成モジュールと対向する第1磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、第1傾斜面を含む第1移動子と、前記電磁気生成モジュールと対向する第2磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、第2傾斜面を含む第2移動子と、前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置され、前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離に応じて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動表面と電磁気生成モジュールを含む固定子アセンブリと、
前記電磁気生成モジュールと対向する第1磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、第1傾斜面を含む第1移動子と、
前記電磁気生成モジュールと対向する第2磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、第2傾斜面を含む第2移動子と、
前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置され、前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離に応じて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含む、基板移送装置。
【請求項2】
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面は互いに対向し、
前記第1傾斜面は、前記第1移動子の第1底面と鋭角をなし、
前記第2傾斜面は、前記第2移動子の第2底面と鋭角をなす、請求項1に記載の基板移送装置。
【請求項3】
前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離が第1距離であり、前記移送部材の高さは第1高さであり、
前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離が前記第1距離より遠い第2距離であり、前記移送部材の高さは前記第1高さより低い第2高さである、請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項4】
前記移送部材は前記第1傾斜面と対向する第1支持面と、前記第2傾斜面と対向する第2支持面を含み、
前記第1移動子は、前記第1傾斜面内に設けられた第1磁石部材を含み、
前記移送部材は、前記第1支持面内に設けられた第2磁石部材を含む、請求項1に記載の基板移送装置。
【請求項5】
前記第2移動子は、前記第2傾斜面内に設けられた第3磁石部材を含み、
前記移送部材は、前記第2支持面内に設けられた第4磁石部材を含む、請求項4に記載の基板移送装置。
【請求項6】
前記第1磁石部材および第3磁石部材の少なくとも一つは電磁石である、請求項5に記載の基板移送装置。
【請求項7】
前記第1移動子の内部には、前記第1磁石部材に電源を供給するためのバッテリが設けられ、
前記固定子アセンブリの一側には前記バッテリを充電するための充電ポートが設けられる、請求項4に記載の基板移送装置。
【請求項8】
前記第1傾斜面または前記第1支持面のいずれか一つには、ガイド孔が設けられ、
前記第1傾斜面または前記第1支持面の他の一つには、前記ガイド孔に挿入されるガイドバーが設けられる、請求項4に記載の基板移送装置。
【請求項9】
前記第1移動子は、前記第1傾斜面の最上端に設けられ、前記第1傾斜面より突出した第1停止部材を含む、請求項1に記載の基板移送装置。
【請求項10】
前記固定子アセンブリはマトリックス状に配置された多数の固定子セクタを含み、
前記電磁気生成モジュールは多数の電磁気生成ユニットを含み、
各固定子セクタはプレート状であり、少なくとも一つの電磁気生成ユニットを含む、請求項1に記載の基板移送装置。
【請求項11】
前記各固定子セクタは積層された第1固定子レイヤと第2固定子レイヤを含み、
前記第1固定子レイヤは第1方向に沿って延びた多数の第1電磁気生成ユニットを含み、
前記第2固定子レイヤは前記第1方向と異なる第2方向に沿って延びた多数の第2電磁気生成ユニットを含む、請求項10に記載の基板移送装置。
【請求項12】
前記第1磁石モジュールは
前記第1移動子の第1底面に設けられ、第1ロータ方向に延びた多数の第1磁石と、
前記第1移動子の第1底面に設けられ、前記第1ロータ方向と異なる第2ロータ方向に延びた多数の第2磁石を含む、請求項1に記載の基板移送装置。
【請求項13】
駆動表面と電磁気生成モジュールを含む固定子アセンブリと、
前記電磁気生成モジュールと対向する第1磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、互いに鋭角をなす第1底面と第1傾斜面を含む第1移動子と、
前記電磁気生成モジュールと対向する第2磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、互いに鋭角をなす第2底面と第2傾斜面を含み、前記第2傾斜面と前記第1傾斜面は互いに対向する第2移動子と、
前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置され、前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離に応じて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含み、
前記移送部材は前記第1傾斜面と対向する第1支持面と、前記第2傾斜面と対向する第2支持面を含み、
前記第1移動子は前記第1傾斜面内に設けられた第1磁石部材を含み、前記移送部材は前記第1支持面内に設けられた第2磁石部材を含み、
前記第2移動子は前記第2傾斜面内に設けられた第3磁石部材を含み、前記移送部材は前記第2支持面内に設けられた第4磁石部材を含む、基板移送装置。
【請求項14】
前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離が第1距離であり、前記移送部材の高さは第1高さであり、
前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離が前記第1距離より遠い第2距離であり、前記移送部材の高さは前記第1高さより低い第2高さである、請求項13に記載の基板移送装置。
【請求項15】
前記第1磁石部材および第3磁石部材は電磁石である、請求項13に記載の基板移送装置。
【請求項16】
前記固定子アセンブリはマトリックス状に配置された多数の固定子セクタを含み、
前記電磁気生成モジュールは多数の電磁気生成ユニットを含み、
各固定子セクタはプレート状であり、少なくとも一つの電磁気生成ユニットを含む、請求項13に記載の基板移送装置。
【請求項17】
前記各固定子セクタは積層された第1固定子レイヤと第2固定子レイヤを含み、
前記第1固定子レイヤは第1方向に沿って延びた多数の第1電磁気生成ユニットを含み、
前記第2固定子レイヤは前記第1方向と異なる第2方向に沿って延びた多数の第2電磁気生成ユニットを含む、請求項16に記載の基板移送装置。
【請求項18】
前記第1磁石モジュールは、
前記第1移動子の第1底面に設けられ、第1ロータ方向に延びた多数の第1磁石と、
前記第1移動子の第1底面に設けられ、前記第1ロータ方向と異なる第2ロータ方向に延びた多数の第2磁石を含む、請求項13に記載の基板移送装置。
【請求項19】
駆動表面上で浮上して移動し、第1傾斜面を含む第1移動子と、前記駆動表面上で浮上して移動し、第2傾斜面を含む第2移動子と、前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置されて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含む基板移送装置が提供され、
前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離が第1距離である時、前記移送部材の高さは第1高さであり、
前記第1移動子および前記第2移動子が互いに遠くなるように移動して前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離は第2距離になり、前記第1移動子および前記第2移動子が移動しながら前記移送部材は前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って低くなり前記移送部材の高さは第2高さになることを含む、基板移送方法。
【請求項20】
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面は互いに対向し、
前記第1傾斜面は、前記第1移動子の第1底面と鋭角をなし、
前記第2傾斜面は、前記第2移動子の第2底面と鋭角をなす、請求項19に記載の基板移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板移送装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際には、写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄など多様な工程が実施される。ここで、写真工程は塗布、露光、そして現像工程を含む。基板上に感光液を塗布し(すなわち、塗布工程)、感光膜が形成された基板上に回路パターンを露光し(すなわち、露光工程)、基板の露光処理された領域を選択的に現像する(すなわち、現像工程)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、基板が前述した多様な工程を経るためには、基板は各工程を行う装備で移動しなければならない。移送ロボットは基板を一つの装備(例えば、塗布装備)から他の装備(例えば、露光装備)に移送する。ところが、移送ロボットは接触式駆動部を含んでおり、パーティクル発生において自由ではない。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、非接触式駆動部を含む基板移送装置を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、非接触式駆動部を含む基板移送装置を用いた基板移送方法を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板移送装置の一面(aspect)は、 駆動表面と電磁気生成モジュールを含む固定子アセンブリと、前記電磁気生成モジュールと対向する第1磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、第1傾斜面を含む第1移動子と、前記電磁気生成モジュールと対向する第2磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、第2傾斜面を含む第2移動子と、前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置され、前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離に応じて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含む。
【0008】
前記課題を達成するための本発明の基板移送装置の他の面は、駆動表面と電磁気生成モジュールを含む固定子アセンブリと、前記電磁気生成モジュールと対向する第1磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、互いに鋭角をなす第1底面と第1傾斜面を含む第1移動子と、前記電磁気生成モジュールと対向する第2磁石モジュールを含んで前記駆動表面上で浮上して移動し、互いに鋭角をなす第2底面と第2傾斜面を含み、前記第2傾斜面と前記第1傾斜面は互いに対向する第2移動子と、前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置され、前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離に応じて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含み、前記移送部材は前記第1傾斜面と対向する第1支持面と、前記第2傾斜面と対向する第2支持面を含み、前記第1移動子は前記第1傾斜面内に設けられた第1磁石部材を含み、前記移送部材は前記第1支持面内に設けられた第2磁石部材を含み、前記第2移動子は前記第2傾斜面内に設けられた第3磁石部材を含み、前記移送部材は前記第2支持面内に設けられた第4磁石部材を含む。
【0009】
前記課題を達成するための本発明の基板移送方法の一面は、駆動表面上で浮上して移動し、第1傾斜面を含む第1移動子と、前記駆動表面上で浮上して移動し、第2傾斜面を含む第2移動子と、前記第1移動子と前記第2移動子の間に配置されて前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って移動する移送部材を含む基板移送装置が提供され、前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離が第1距離である時、前記移送部材の高さは第1高さであり、前記第1移動子および前記第2移動子が互いに遠くなるように移動して前記第1移動子と前記第2移動子の間の距離は第2距離になり、前記第1移動子および前記第2移動子が移動しながら前記移送部材は前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に沿って低くなり前記移送部材の高さは第2高さになることを含む。
【0010】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による基板移送装置を説明するための斜視図である。
図2図1の基板移送装置を説明するためのブロック図である。
図3図1のIII-IIIを沿って切断した断面図である。
図4図1に示す固定子アセンブリを説明するための図である。
図5図1に示す固定子アセンブリと第1移動子の間の関係を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による基板移送装置の第1動作を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態による基板移送装置の第1動作を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態による基板移送装置の第2動作を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態による基板移送装置の第3動作を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態による基板移送装置の第4動作を説明するための図である。
図11】本発明の一実施形態による基板移送装置の第5動作を説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態による基板移送装置の第5動作を説明するための図である。
図13】本発明の他の実施形態による基板移送装置を説明するための図である。
図14】本発明のまた他の実施形態による基板移送装置を説明するための図である。
図15】本発明のまた他の実施形態による基板移送装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現でき、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0013】
空間的に相対的な用語の「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含み得る。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0014】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0015】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態による基板移送装置を説明するための斜視図である。図2図1の基板移送装置を説明するためのブロック図である。図3図1のIII-IIIを沿って切断した断面図である。
【0017】
図1ないし図3を参照すると、本発明の一実施形態による基板移送装置は、固定子アセンブリ100および移送アセンブリ20を含む。
【0018】
固定子アセンブリ100は駆動表面100aを含み、駆動表面100aは第1方向(例えば、x方向,12)および第2方向(例えば、y方向,14)に延びている。例えば、固定子アセンブリ100はマトリックス状に配列された多数の固定子セクタ100Sを含み得る。各固定子セクタ100Sはプレート状であり得、少なくとも一つの電磁気生成ユニットを含み得る。このような固定子セクタ100Sの例示的な構成については図4を用いて後述する。
【0019】
移送アセンブリ20は駆動表面100a上で移動しながら基板Wを移送する。このような移送アセンブリ20は第1移動子200、第2移動子300、移送部材400を含む。第1移動子200は駆動表面100a上で浮上して移動し、第1傾斜面210を含む。第1傾斜面210は第1底面211と鋭角をなす。第2移動子300は駆動表面100a上で浮上して移動し、第2傾斜面310を含む。第2傾斜面310は第2底面311と鋭角をなす。図示するように、第1傾斜面210と第2傾斜面310は互いに対向するように配置され得る。
【0020】
移送部材400は第1移動子200と第2移動子300の間に配置され、第1傾斜面210および第2傾斜面310に沿って移動する。移送部材400は例えば、ボディ410と、ボディ410で第1移動子200に向かって突出した第1支持部420と、ボディ410で第2移動子300に向かって突出した第2支持部430を含み得る。第1支持部420は第1移動子200の第1傾斜面210と対向する第1支持面421を含む。第2支持部430は第2移動子300の第2傾斜面310と対向する第2支持面431を含む。
【0021】
一方、コントローラ600は固定子アセンブリ100、第1移動子200および第2移動子300の動作を制御する。コントローラ600は固定子アセンブリ100、第1移動子200および第2移動子300の動作制御と関連するデータおよびインストラクションを保存するメモリ610を含み得る。メモリ610はコントローラ600内に位置することもでき、コントローラ600の外部に配置されることもできる。コントローラ600の制御によって、第1移動子200および第2移動子300は第1方向12および第2方向14に沿って(例えば、xy平面上で)移動でき、第1移動子200および第2移動子300の間の間隔も調節できる。メモリ610は例えば、図6ないし図13に示す多数の動作を指示するインストラクション(instructions)を含む。
【0022】
第1移動子200と第2移動子300は互いに物理的に分離されているので、コントローラ600によって第1移動子200と第2移動子300は個別に移動できる(図2の299,399を参照)。
【0023】
移送部材400は第1移動子200の第1傾斜面210および第2移動子300の第2傾斜面310に沿って第3方向(例えば、z方向,15)に移動し得る(図2の451,452を参照)。具体的には、移送部材400は第1移動子200と第2移動子300の間の距離に応じて移送部材400の高さが変わり得る。例えば、第1移動子200と第2移動子300の間の距離が第1距離である場合、移送部材400の高さは第1高さであり得る。第1移動子200と第2移動子300の間の距離が第1距離より遠い第2距離になると、移送部材400の高さは第1高さより低い第2高さになる。
【0024】
一方、固定子アセンブリ100内には電磁気生成モジュール110が設けられる。第1移動子200内には電磁気生成モジュール110に対向する第1磁石モジュール201が設けられる。例えば、第1磁石モジュール201は第1移動子200の第1底面211に設けられ得る。第2移動子300内には電磁気生成モジュール110に対向する第2磁石モジュール301が設けられる。例えば、第2磁石モジュール301は第2移動子300の第2底面311に設けられ得る。電磁気生成モジュール110、第1磁石モジュール201、第2磁石モジュール301の電磁気力によって、第1移動子200および第2移動子300は固定子アセンブリ100の駆動表面100a上で浮上および移動することができる。これについては図4および図5を用いて具体的に後述する。
【0025】
また、前述したように、第1移動子200の第1傾斜面210と、移送部材400の第1支持面421は互いに対向する。第1傾斜面210内には第1磁石部材220が設けられ、第1支持面421内には第2磁石部材401が設けられる。例えば、第1磁石部材220は電磁石であり、第2磁石部材401は永久磁石であり得る。第1磁石部材220に供給される電流量を調節することによって、電磁石の磁力を調節でき、これにより第1傾斜面210と第1支持面421の間の間隔を調節することができる。
【0026】
同様に、第2移動子300の第2傾斜面310と、移送部材400の第2支持面431は互いに対向する。第2傾斜面310内には第3磁石部材320が設けられ、第2支持面431内には第4磁石部材402が設けられる。例えば、第3磁石部材320は電磁石であり、第4磁石部材402は永久磁石であり得る。第3磁石部材320に供給される電流量を調節することによって、電磁石の磁力を調節でき、これにより第2傾斜面310と第2支持面431の間の間隔を調節することができる。
【0027】
設計によっては、第1磁石部材220および第2磁石部材401はすべて電磁石であってもよく、すべて永久磁石あってもよい。第3磁石部材320および第4磁石部材402はすべて電磁石であってもよく、すべて永久磁石であってもよい。
【0028】
固定子アセンブリ100の電磁気生成モジュール110、第1移動子200の第1磁石モジュール201、第2移動子300の第2磁石モジュール301で生成される磁気力によって相対的な位置を制御することができる。また、第1移動子200の第1磁石部材220、第2移動子300の第3磁石部材320、移送部材400の第2磁石部材401および第4磁石部材402で生成される磁気力によって相対的な位置を制御することができる。
【0029】
整理すれば、固定子アセンブリ100、第1移動子200、第2移動子300および移送部材400は互いに物理的に分離されている。固定子アセンブリ100、第1移動子200、第2移動子300および移送部材400の移動/位置の制御は電磁石/永久磁石などの非接触方式の駆動力を用いて行われる。したがって、第1移動子200、第2移動子300および移送部材400の移動によって発生し得るパーティクルの生成を最小化することができる。パーティクルによって発生し得る工程不良を最小化することができる。
【0030】
コントローラ600によって第1移動子200と第2移動子300は個別に移動できるが、コントローラ600は移送部材400が第1移動子200および第2移動子300で離隔しないように、第1移動子200と第2移動子300の間の距離を既に設定された範囲内に制限することができる。このようなコントローラの制御方式については図6ないし図12を用いて具体的に後述する。
【0031】
図4図1に示す固定子アセンブリを説明するための図である。図5図1に示す固定子アセンブリと第1移動子の間の関係を説明するための図である。図5では固定子アセンブリと第1移動子の間の関係について説明したが、固定子アセンブリと第2移動子の間の関係にも同一に適用される。
【0032】
図4を参照すると、固定子アセンブリ100はマトリックス状に配列された多数の固定子セクタ111,112,113,114を含む。図4では例示的に2×2で配列された4個の固定子セクタ111,112,113,114を図示したが、これに限定されない。
【0033】
固定子セクタ111,112,113,114それぞれの電磁気生成モジュール110は多数の固定子レイヤ104,105,106,107を含み得る。上から下の方向に順に、第1固定子レイヤ104、第2固定子レイヤ105、第3固定子レイヤ106、第4固定子レイヤ107が順次配列され得る。
【0034】
第1固定子レイヤ104および第3固定子レイヤ106には、第1方向12に沿って延びた多数の第1電磁気生成ユニット125を含む。例えば、多数の第1電磁気生成ユニット125は互いに同じサイズを有する。
【0035】
第2固定子レイヤ105および第4固定子レイヤ107には、第1方向12と異なる第2方向14に沿って延びた多数の第2電磁気生成ユニット126を含む。例えば、多数の第2電磁気生成ユニット126は互いに同じサイズを有する。
【0036】
また、多数の固定子レイヤ104,105,106,107のうちいずれかの固定子レイヤ(例えば、105)はすぐ隣接する他の固定子レイヤ(例えば、104,106)と互いに電気的に絶縁され得る。例えば、多数の固定子レイヤ104,105,106,107は多層プリント回路ボードの互いに絶縁された導電経路層(conductor path layers)として具現することができる。
【0037】
多数の固定子セクタ111,112,113,114は互いに独立して電源の供給を受けるように具現することができる。特に、各固定子セクタ111,112,113,114内で、第1電磁気生成ユニット125と第2電磁気生成ユニット126は互いに絶縁されるように具現することができる。これに対して、各固定子セクタ111,112,113,114内で、第1固定子レイヤ104の第1電磁気生成ユニット125と第3固定子レイヤ106の第1電磁気生成ユニット125は電磁気的に連結されることができる。同様に各固定子セクタ111,112,113,114内で、第2固定子レイヤ105の第2電磁気生成ユニット126と第4固定子レイヤ107の第2電磁気生成ユニット126は電磁気的に連結されることができる。
【0038】
図5を参照すると、第1移動子200の第1磁石モジュール201は多数の磁石201a,201b,201c,201dを含む。第1磁石モジュール201は、第1ロータ方向206に延びた多数の第1磁石201a、第2ロータ方向208に延びた多数の第2磁石201b、第1ロータ方向206に延びた多数の第3磁石201c、第2ロータ方向208に延びた多数の第4磁石201dを含む。第1磁石201aおよび第3磁石201cと、第2磁石201bおよび第4磁石201dは互いに垂直な方向に磁化される。
【0039】
第1ロータ方向206が第2方向14に沿って指向されて(oriented)第2ロータ方向208が第1方向12に沿って指向されるように、第1移動子200は固定子アセンブリ100とアラインされ得る。動作時、第1磁石201aと第3磁石201cは第2電磁気生成ユニット126により生成された磁場と相互作用して、第1移動子200が第1方向12に移動するようにする役割をする。同様に、第2磁石201bと第4磁石201dは第1電磁気生成ユニット125により生成された磁場と相互作用して、第1移動子200が第2方向14に移動するようにする役割をする。
【0040】
図6および図7は本発明の一実施形態による基板移送装置の第1動作を説明するための図である。ここで、第1動作は移送部材400のアップダウン動作である。
【0041】
図6を参照すると、移動前の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第1距離L1である。第1移動子200と第2移動子300の間の距離が第1距離L1である時、移送部材400の高さは第1高さH1である。
【0042】
図7を参照すると、移動後の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第2距離L2である。第2距離L2は第1距離L1より遠い。第1移動子200と第2移動子300の間の距離が遠くなると、移送部材400は第1傾斜面210および第2傾斜面310に沿って下に降りて行く。したがって、第1移動子200と第2移動子300の間の距離が第2距離L2である時、移送部材400の高さは第1高さH1より低い第2高さH2となる。
【0043】
図8は本発明の一実施形態による基板移送装置の第2動作を説明するための図である。
【0044】
図8を参照すると、移動前の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第1距離L1である。第1移動子200と第2移動子300は前進しながら、第1移動子200と第2移動子300の間の距離が遠くなる(図面符号D13,D23を参照)。その結果、移動後の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第2距離L2である。
【0045】
第1移動子200と第2移動子300が前進しながら二つの間の間隔が遠くなったので、第1移動子200と第2移動子300は前進しながら移送部材400の高さは低くなる。
【0046】
別に図示していないが、第1移動子200と第2移動子300が前進しながら二つの間の間隔が近くなると、第1移動子200と第2移動子300は前進しながら移送部材400の高さは高くなる。
【0047】
図9は本発明の一実施形態による基板移送装置の第3動作を説明するための図である。
【0048】
図9を参照すると、移動前の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第1距離L1である。第1移動子200と第2移動子300は前進しながら、第1移動子200と第2移動子300の間の距離を維持する(図面符号D11,D21を参照)。その結果、移動後の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第1距離L1である。
【0049】
このような場合、第1移動子200と第2移動子300の移動の間、移送部材400の高さも一定に維持される。
【0050】
図10は本発明の一実施形態による基板移送装置の第4動作を説明するための図である。
【0051】
図10を参照すると、移動前の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は第1距離L1である。第1移動子200は反時計方向に、相対的に小さい半径に沿って移動する(図面符号D12を参照)。第2移動子300は反時計方向に、相対的に大きい半径に沿って移動する(図面符号D22を参照)。移動後の第1移動子200と第2移動子300の間の距離は、まだ第1距離L1である。
【0052】
このような場合、第1移動子200と第2移動子300が半径に沿って移動する間、移送部材400の高さも一定に維持される。
【0053】
別に図示していないが、第1移動子200と第2移動子300が半径に沿って移動しながら二つの間の間隔が近くなると、第1移動子200と第2移動子300は移動しながら移送部材400の高さは高くなる。
【0054】
別に図示していないが、第1移動子200と第2移動子300が半径に沿って移動しながら二つの間の間隔が遠くなると、第1移動子200と第2移動子300は移動しながら移送部材400の高さは低くなる。
【0055】
図11および図12は本発明の一実施形態による基板移送装置の第5動作を説明するための図である。ここで、第5動作は移送部材400のピックアンドプレース(pick & place)動作である。
【0056】
図11を参照すると、移送部材400が基板Wを支持する状態で、第1移動子200と第2移動子300は基板支持部材500に向かって移動する。
【0057】
図12を参照すると、移送部材400または基板Wが基板支持部材500と衝突しないように、第1移動子200と第2移動子300は前進しながら間隔が狭くなる。その結果、第1移動子200と第2移動子300が基板支持部材500の前で停止した時、移送部材400の高さは多少高くなる。
【0058】
基板Wが基板支持部材500上に位置することが確認されると、第1移動子200と第2移動子300の間の間隔が遠くなり、移送部材400の高さは低くなり、基板Wは基板支持部材500の支持ピン510上に置かれる。
【0059】
図13は本発明の他の実施形態による基板移送装置を説明するための図である。
【0060】
図13を参照すると、前述したように、第1移動子200には第1磁石モジュール201および第1磁石部材220が設けられる。例えば、第1磁石モジュール201または第1磁石部材220として電磁石を使用でき、第1移動子200内には電磁石に電源を供給するための第1バッテリ(図示せず)が設けられる。
【0061】
同様に、第2移動子300には第2磁石モジュール301および第3磁石部材320が設けられる。例えば、第2磁石モジュール301または第3磁石部材320として電磁石を使用でき、第2移動子300内には電磁石に電源を供給するための第2バッテリ(図示せず)が設けられる。
【0062】
固定子アセンブリ100の一側には第1/第2バッテリを充電するための充電ポート600が設けられ得る。充電ポート600は例えば、無線充電方式であり得るが、これに限定されない。
【0063】
充電量が充分でないか、既に設定されたレシピに従って、第1移動子200および第2移動子300は充電ポート600内に移動して(図面符号D14,D24を参照)第1および第2バッテリを充電する。
【0064】
図14は本発明のまた他の実施形態による基板移送装置を説明するための図である。
【0065】
図14を参照すると、本発明のまた他の実施形態による基板移送装置で、移送部材400は第1移動子200の第1傾斜面210および第2移動子300の第2傾斜面310に沿って上方向に移動することができる(図14の451a、452aを参照)。
【0066】
移送部材400が既に設定された高さ以上動かないように、第1傾斜面210の最上端には第1傾斜面210より突出した第1停止部材210aが設けられる。第2傾斜面310の最上端には第2傾斜面310より突出した第2停止部材310aが設けられる。
【0067】
図面では第1傾斜面210および第2傾斜面310の両方に、第1停止部材210aおよび第2停止部材310aが設けられたものとして示しているが、これに限定されない。例えば、第1傾斜面210にのみ第1停止部材210aが設けられ、第2傾斜面310は第2停止部材が設けられなくてもよい。
【0068】
図15は本発明のまた他の実施形態による基板移送装置を説明するための図である。説明の便宜上図1ないし図3を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0069】
図15を参照すると、第1傾斜面210には、第1傾斜面210の延長方向に沿って長く第1ガイド孔200bが形成される。第1傾斜面210に対応する第1支持面421には(すなわち、第1支持部420には)第1ガイド孔200bに挿入される第1ガイドバー420bが設けられる。これとは異なり、第1傾斜面210に第1ガイドバーが設けられ、第1支持面421に第1ガイド孔が設けられてもよい。
【0070】
同様に、第2傾斜面310にも第2ガイド孔が形成され、第2傾斜面310に対応する第2支持面431には第2ガイド孔に挿入される第2ガイドバーが設けられてもよい。これとは異なり、第2傾斜面310に第2ガイドバーが設けられ、第2支持面431に第2ガイド孔が設けられてもよい。
【0071】
このようにガイド孔/ガイドバーを備えることによって、移送部材400が第1傾斜面210および第2傾斜面310に沿って移動する時、移送部材400が経路を離脱しないようにすることができる。
【0072】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0073】
100 固定子アセンブリ
100a 駆動表面
110 電磁気生成モジュール
200 第1移動子
201 第1磁石モジュール
210 第1傾斜面
211 第1底面
220 第1磁石部材
300 第2移動子
310 第2磁石モジュール
311 第2底面
320 第3磁石部材
400 移送部材
401 第2磁石部材
402 第4磁石部材
410 ボディ
420 第1支持部
421 第1支持面
430 第2支持部
431 第2支持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15