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特開2023-58016医薬品販売システム、医薬品販売サーバ、医薬品販売方法、及び医薬品販売プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058016
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】医薬品販売システム、医薬品販売サーバ、医薬品販売方法、及び医薬品販売プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20230417BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160660
(22)【出願日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2021167207
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】奥山 貴則
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】一般用医薬品販売に関する法的制約を遵守しつつ、当該販売業務における効率や購入希望者の利便性を良好なものとする。
【解決手段】医薬品販売システム10は、一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置300Aと、薬剤師等によって操作される資格者端末装置300Bと、一般用医薬品を販売する医薬品販売機200と、これらのそれぞれと通信する販売管理サーバ100と、から構成される。販売管理サーバ100は、購入者端末装置300Aから一般用医薬品の購入申請情報を取得し、購入申請情報を資格者端末装置300Bに送信し、購入申請情報の送信後に、資格者端末装置300Bから一般用医薬品の販売可否情報を取得し、販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、一般用医薬品の販売を許可する許可コードを、購入者端末装置300Aに送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記購入者端末装置、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信し、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否情報を取得し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売システム。
【請求項2】
請求項1に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売不可を示す場合、前記一般用医薬品の販売不可通知を、前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記許可コードは、一次元コード若しくは二次元コードからなる画像データ、及びテキストデータの少なくとも1つを含む、医薬品販売システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記医薬品販売機は、前記一般用医薬品の販売処理を実行するために、前記許可コードを前記購入者端末装置から読み取る情報読取装置(例えば、カメラユニット)を備える、医薬品販売システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記購入者端末装置は購入者連動プログラムを備え、前記購入者端末装置は、前記購入者連動プログラムを用いて、前記一般用医薬品の前記購入申請情報の入力を受け、前記購入申請情報を前記販売管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記資格者端末装置は資格者連動プログラムを備え、前記資格者端末装置は、前記資格者連動プログラムを用いて、前記購入管理サーバから前記一般用医薬品の前記購入申請情報を受信して表示し、前記資格者によって入力された前記販売可否情報を前記購入管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記購入者端末装置がアクセス可能な購入者ウェブサイトを提供する購入者ウェブサーバを備え、前記購入者端末装置は、前記購入者ウェブサイトを介して入力された前記購入者申請情報を前記販売管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記資格者端末装置がアクセス可能な資格者ウェブサイトを提供する資格者ウェブサーバを備え、前記資格者端末装置は、前記資格者ウェブサイトを用いて、前記一般用医薬品の前記購入申請情報を受信して表示し、前記資格者によって入力された前記販売可否情報を前記購入管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売管理サーバが前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信してから一定の応答時間の間に、前記資格者端末装置から前記販売可否情報を受信しない場合、前記許可コードを前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売システム。
【請求項10】
一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、
前記医薬品販売機から購入者によって入力された前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信し、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否情報を取得し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売許通知を前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
【請求項11】
請求項10に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売不可を示す場合、前記一般用医薬品の販売不可通知を、前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売管理サーバが前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信してから一定の応答時間の間に、前記資格者端末装置から前記販売可否情報を受信しない場合、前記販売許可通知を前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
【請求項13】
請求項1又は10に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記購入申請情報に基づき前記販売可否情報を提供する判断プログラムを備える、医薬品販売システム。
【請求項14】
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、のそれぞれと通信する販売管理サーバであって、
前記販売管理サーバは、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信し、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否の販売可否情報を取得し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記医薬品販売機からの前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売サーバ。
【請求項15】
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記購入者端末装置、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバとを用いた医薬品販売方法であって、
前記販売管理サーバは、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得するステップと、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信するステップと、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否の販売可否情報を取得するステップと、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記医薬品販売機からの前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信するステップとを備える、医薬品販売方法。
【請求項16】
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記購入者端末装置、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバとから構成される医薬品販売システムで実行される医薬品販売プログラムであって、前記医薬品販売プログラムは、
前記販売管理サーバに、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得させるステップと、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信させるステップと、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否の販売可否情報を取得させるステップと、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記医薬品販売機からの前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信させるステップとを実行させる、医薬品販売プログラム。
【請求項17】
一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、
前記一般用医薬品の購入者によって入力された前記一般用医薬品の購入申請情報を前記医薬品販売機から取得し、
前記購入申請情報に基づき前記一般用医薬品の販売可否情報を生成し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売許通知を前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般用医薬品販売に関する法的制約を遵守しつつ、当該販売業務における効率や購入希望者の利便性を良好なものとする、医薬品販売システム、医薬品販売サーバ、医薬品販売方法、及び医薬品販売プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
OTC(Over The Counter)医薬品と呼ばれる一般用医薬品は、医療用医薬品とは異なり、薬局、薬店、ドラッグストアなどで処方箋無しに購入可能である。よって、こうした一般用医薬品は、人々が比較的気軽に手に取って購入できることから、いわゆるセルフメディケーションの普及推進に資するものと言える。
【0003】
なお、一般用医薬品の販売管理等に関する従来技術として、例えば、商品販売データ処理装置(特許文献1参照)などが提案されている。この装置は、一般用医薬品の購入希望者への受け渡しは専用のカウンタで行い、会計は別のレジで行う体系の店のレジでも使用が可能な商品販売データ処理装置である。この装置は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」とも言う)に対応する。なお、特許文献1の商品販売データ処理装置は、店舗にて処理を行うことを前提としており、購入希望者が直接通信ネットワーク経由で一般用医薬品の購入手続きを進めるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-89159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セルフメディケーションの普及という観点からすれば、一般用医薬品の購入に伴う種々の障壁を回避し、通信ネットワークを使用して可能な限り購入希望者の利便性を高めることは重要である。一方、薬機法に基づく制約は存在しており、これを遵守し適宜対処する必要もある。
【0006】
そこで、本発明は、一般用医薬品販売に関する法的制約を遵守しつつ、当該販売業務における効率や購入希望者の利便性を良好なものとする、医薬品販売システム、医薬品販売サーバ、医薬品販売方法、及び医薬品販売プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の各態様は次の通りである。
[態様1]
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記購入者端末装置、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信し、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否情報を取得し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売システム。
【0008】
[態様2]
態様1に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売不可を示す場合、前記一般用医薬品の販売不可通知を、前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売システム。
[態様3]
態様1又は2に記載の医薬品販売システムであって、
前記許可コードは、一次元コード若しくは二次元コードからなる画像データ、及びテキストデータの少なくとも1つを含む、医薬品販売システム。
[態様4]
態様1乃至3のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記医薬品販売機は、前記一般用医薬品の販売処理を実行するために、前記許可コードを前記購入者端末装置から読み取る情報読取装置(例えば、カメラユニット)を備える、医薬品販売システム。
【0009】
[態様5]
態様1乃至4のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記購入者端末装置は購入者連動プログラムを備え、前記購入者端末装置は、前記購入者連動プログラムを用いて、前記一般用医薬品の前記購入申請情報の入力を受け、前記購入申請情報を前記販売管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
[態様6]
態様1乃至5のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記資格者端末装置は資格者連動プログラムを備え、前記資格者端末装置は、前記資格者連動プログラムを用いて、前記購入管理サーバから前記一般用医薬品の前記購入申請情報を受信して表示し、前記資格者によって入力された前記販売可否情報を前記購入管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
[態様7]
態様1乃至4のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記購入者端末装置がアクセス可能な購入者ウェブサイトを提供する購入者ウェブサーバを備え、前記購入者端末装置は、前記購入者ウェブサイトを介して入力された前記購入者申請情報を前記販売管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
【0010】
[態様8]
態様1乃至4、7のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記資格者端末装置がアクセス可能な資格者ウェブサイトを提供する資格者ウェブサーバを備え、前記資格者端末装置は、前記資格者ウェブサイトを用いて、前記一般用医薬品の前記購入申請情報を受信して表示し、前記資格者によって入力された前記販売可否情報を前記購入管理サーバに送信する、医薬品販売システム。
[態様9]
態様1乃至8のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売管理サーバが前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信してから一定の応答時間の間に、前記資格者端末装置から前記販売可否情報を受信しない場合、前記許可コードを前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売システム。
【0011】
[態様10]
一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、
前記医薬品販売機から購入者によって入力された前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信し、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否情報を取得し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売許通知を前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
【0012】
[態様11]
態様10に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売不可を示す場合、前記一般用医薬品の販売不可通知を、前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
[態様12]
態様10又は11に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記販売管理サーバが前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信してから一定の応答時間の間に、前記資格者端末装置から前記販売可否情報を受信しない場合、前記販売許可通知を前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
[態様13]
態様1乃至12のいずれか一項に記載の医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、前記購入申請情報に基づき前記販売可否情報を提供する判断プログラムを備える、医薬品販売システム。
【0013】
[態様14]
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、のそれぞれと通信する販売管理サーバであって、
前記販売管理サーバは、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信し、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否の販売可否情報を取得し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記医薬品販売機からの前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信する、医薬品販売サーバ。
【0014】
[態様15]
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記購入者端末装置、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバとを用いた医薬品販売方法であって、
前記販売管理サーバは、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得するステップと、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信するステップと、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否の販売可否情報を取得するステップと、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記医薬品販売機からの前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信するステップとを備える、医薬品販売方法。
[態様16]
一般用医薬品の購入希望者によって操作される購入者端末装置と、前記一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される資格者端末装置と、前記一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、前記購入者端末装置、前記資格者端末装置、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバとから構成される医薬品販売システムで実行される医薬品販売プログラムであって、前記医薬品販売プログラムは、
前記販売管理サーバに、
前記購入者端末装置から前記一般用医薬品の購入申請情報を取得させるステップと、
前記購入申請情報を前記資格者端末装置に送信させるステップと、
前記購入申請情報の送信後に、前記資格者端末装置から前記一般用医薬品の販売可否の販売可否情報を取得させるステップと、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記医薬品販売機からの前記一般用医薬品の販売を許可する許可コードを前記購入者端末装置に送信させるステップとを実行させる、医薬品販売プログラム。
[態様17]
一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、及び前記医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される医薬品販売システムであって、
前記販売管理サーバは、
前記医薬品販売機から購入者によって入力された前記一般用医薬品の購入申請情報を取得し、
前記購入申請情報に基づき前記一般用医薬品の販売可否情報を生成し、
前記販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売許通知を前記医薬品販売機に送信する、医薬品販売システム。
【発明の効果】
【0015】
本発明の医薬品販売システム、医薬品販売サーバ、医薬品販売方法、及び医薬品販売プログラムは、一般用医薬品販売に関する法的制約を遵守しつつ、当該販売業務における効率や購入希望者の利便性を良好なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る医薬品販売システムを示すネットワーク図である。
図2】本実施形態の販売管理サーバを示すブロック図である。
図3】本実施形態における医薬品販売機を示すブロック図である。
図4】本実施形態における端末装置を示すブロック図である。
図5】本実施形態における申請DBの構成例を示す図である。
図6】本実施形態における資格者DBの構成例を示す図である。
図7】本実施形態における販売管理DBの構成例を示す図である。
図8】本実施形態における医薬品販売方法の第1例を示すフローチャートである。
図8A】本実施形態における医薬品販売方法の第2例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態における画面例1を示す模式図である。
図10】本実施形態における画面例2を示す模式図である。
図11】本実施形態における画面例3を示す模式図である。
図12】本実施形態における画面例4を示す模式図である。
図13】本実施形態における画面例5を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の医薬品販売システム、医薬品販売サーバ、医薬品販売方法、及び医薬品販売プログラムに関する実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において対応する部分は、同じ符号を付して説明は適宜省略する。
【0018】
[医薬品販売システムの構成]
本実施形態の医薬品販売システム10を含むネットワーク構成例を図1に示す。ここでは、医薬品販売システム10を主に構成する販売管理サーバ100を含むネットワークシステムを、医薬品販売システム10として例示する。
【0019】
この場合、医薬品販売システム10は、一般用医薬品の購入希望者によって操作される1又は複数の購入者端末装置300Aと、一般用医薬品の販売を判断する資格者によって操作される1又は複数の資格者端末装置300Bと、一般用医薬品を販売する1又は複数の医薬品販売機200と、これらのそれぞれと通信ネットワークを介して接続される販売管理サーバ100と、から構成される。以下、購入者端末装置300A及び資格者端末装置300Bを区別しない場合、端末装置300という。なお、一般用医薬品の販売を判断する資格者は、薬剤師、又は登録販売者とすることができる。
【0020】
販売管理サーバ100は、医薬品販売システム10での処理を主導するサーバ装置である。この販売管理サーバ100は、医薬品販売機200における販売処理について、資格者によって操作される資格者端末装置300Bから販売可否情報を取得し、この販売可否情報に基づき(医薬品販売機200を介して間接的又は直接的に)販売制御を実施する。
【0021】
上述の販売可否情報は、購入希望者に関して、購入希望対象とされた特定の一般用医薬品の販売を許可又は拒否する旨の一意の情報となる。販売可否情報に基づき、医薬品販売機200での医薬品の販売処理又は販売不可処理が実行される。この販売可否情報が販売許可を示す場合、例えば、販売管理サーバ100の演算装置は、一意の許可コードを生成する。許可コードは、後述する画像データ又はテキストデータとすることができる。
【0022】
勿論、販売管理サーバ100の機能を、医薬品販売機200が備える構成も想定出来る。その場合、医薬品販売機200が販売管理サーバ100と一体の装置となる。
【0023】
また、医薬品販売機200は、購入や決済に関する一連の操作を購入希望者から受け付けることで、装置内に在庫する一般用医薬品を装置外に搬送・排出し、販売する装置である。ただし、こうした販売に関する一連の手続は、販売管理サーバ100が生成する上述の許可コードの有無によって実行が制御される。
【0024】
医薬品販売システム10は、場合によっては、後述する図8Aに示すように、販売に関する一連の処理を許可コードによらずに実行することができる。例えば、購入者端末装置300Aを使用しない場合、医薬品販売機200が、購入希望者から購入申請情報を直接受信し、購入情報を販売管理サーバ100へ送信し、販売管理サーバ100からの販売可否情報を医薬品販売機200が受信し、医薬品販売機200内で販売可否情報が処理され、販売処理又は販売不可処理が実行される。
【0025】
また、1又は複数の端末装置300は、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末、及び/又はパーソナルコンピュータとすることができる。購入者端末装置300Aは、販売管理サーバ100及び医薬品販売機200のうち、少なくとも販売管理サーバ100と通信ネットワーク20を介して接続可能である。購入者端末装置300Aには、購入者連動アプリが動作可能にインストールされている。購入者端末装置300Aは、購入者連動アプリを用いて、後述するように図9~13の画面を表示し、販売管理サーバ100と送受信した情報に基づき、購入者端末装置300Aの動作を制御する。
【0026】
購入希望者は、購入者端末装置300Aに購入者連動アプリがインストールされていなくても購入者申請情報を入力し、販売可否情報を受け取ることができる。例えば、購入者端末装置300Aは、購入者ウェブサイト(以下、場合により、購入者連動アプリを含め「購入者連動アプリ等」とも言う)にアクセスして購入者申請情報を入力してもよい。購入者ウェブサーバは、購入者ウェブサイトを提供することができる。
本実施形態において、ウェブサーバとは、端末装置300に対し通信ネットワーク20を通じてウェブページを構成するデータを提供するサーバコンピュータであって、購入者ウェブサーバ、資格者ウェブサーバが挙げられ、独立したサーバとして提供するか、サーバ仮想化により販売管理サーバ100の一部として提供することもできる。
【0027】
販売管理サーバ100は、購入者ウェブサイトを介して入力された購入者申請情報を購入者端末装置300Aから受信することができる。なお、購入者ウェブサーバが購入者ウェブサイトを提供せず、販売管理サーバ100が購入者ウェブサイトを提供することもできる。医薬品販売機200による医薬品販売を司るプラットフォーマーが、販売管理サーバ100及び/又は購入者ウェブサーバを運営することができる。
【0028】
資格者端末装置300Bは、販売管理サーバ100及び医薬品販売機200のうち、少なくとも販売管理サーバ100と通信ネットワーク20を介して接続可能である。資格者端末装置300Bには、資格者連動アプリが動作可能にインストールされている。資格者端末装置300Bは、資格者連動アプリを用いて、販売管理サーバ100と送受信した情報に基づき、資格者端末装置300Bによる購入者申請情報の表示、及び販売可否情報の入力を制御する。
【0029】
資格者は、資格者端末装置300Bに資格者連動アプリがインストールされていなくても、資格者端末装置300Bによる購入者申請情報の表示及び販売可否情報の入力並びに送信を実行することができる。例えば、資格者端末装置300Bは、資格者ウェブサイト(以下、場合により、資格者連動アプリを含め「資格者連動アプリ等」とも言う)にアクセスして、購入者申請情報を表示すると共に、入力された販売可否情報を販売管理サーバ100に送信してもよい。
【0030】
資格者ウェブサーバは、資格者ウェブサイトを提供することができる。資格者ウェブサーバは、資格者ウェブサイトを介して、資格者端末装置300Bに購入者申請情報を送信し表示させると共に、資格者端末装置300Bによって入力された販売可否情報を販売管理サーバ100に送信することができる。なお、資格者ウェブサーバが資格者ウェブサイトを提供せず、販売管理サーバ100が資格者ウェブサイトを提供することもできる。医薬品販売機200による医薬品販売を司るプラットフォーマーが、資格者ウェブサーバを運営することができる。
【0031】
購入希望者は、購入者端末装置300Aの購入者連動アプリ等を操作して販売管理サーバ100にアクセスする。購入希望者は、このアクセスにより、購入者連動アプリ等を介して設問等に回答することにより、一般用医薬品の購入申請情報を入力することができる。購入者端末装置300Aは、入力された購入申請情報を販売管理サーバ100に送信する。
【0032】
また、販売管理サーバ100は、受信した購入申請情報を資格者端末装置300Bに送信する。資格者は、資格者連動アプリ等を用いて、購入申請情報を参照して販売可否情報を資格者端末装置300Bに入力する。資格者端末装置300Bは、入力された販売可否情報を販売管理サーバ100に送信する。販売管理サーバ100は、販売可否情報から生成した許可コードを購入者端末装置300Aに送信する。この許可コードは、購入希望者が医薬品販売機200を訪れて購入操作を行う際、購入者端末装置300Aの画面に表示される。販売管理サーバ100は、許可コードを医薬品販売機200に送信することもできる。医薬品販売機200は、販売管理サーバ100から送信された許可コードと、購入者端末装置300Aの画面に表示された許可コードとを照合し、両者が一致する場合に販売を実行することもできる。
【0033】
購入希望者は、購入者端末装置300Aを所持して医薬品販売機200に赴き、許可コードを画面表示させ、これを医薬品販売機200の図3に示すカメラユニット(読取装置)250に読み取らせる。
【0034】
医薬品販売機200では、この許可コードの読取り結果が示す一般用医薬品、つまり購入が許諾された一般用医薬品について、販売手続を順次進める。
【0035】
なお、医薬品販売機200が購入者端末装置300Aの機能も備える場合(図8A)、購入希望者は、購入者端末装置300Aを使用せず、医薬品販売機200の入力手段(タッチパネル又はボタン)を用いて、直接、医薬品販売機200に購入申請情報を入力することもできる。
【0036】
この場合、購入希望者による購入申請情報の入力後、資格者端末装置300Bからの販売可否情報は医薬品販売機200の表示部に直接表示される。なお、資格者端末装置300Bを介さない場合でも、販売管理サーバの演算装置(所定のプロブラム)により販売可否情報が生成され、販売可否情報が医薬品販売機200の表示部に表示されうる。
したがって、購入希望者は、購入者端末装置300Aを使用せず、医薬品販売機200に直接購入者申請情報を入力し、一般用医薬品を購入することもできる。この場合は、販売可否情報の取得と、販売処理又は販売不可処理の開始とはほぼ同時に又は連続して行われることとなる。
【0037】
また、資格者は、販売管理サーバ100から送信された、上述の購入申請情報に応じた販売可否の判断依頼を、資格者端末装置300Bで受信し資格者連動アプリ等で閲覧する。資格者は、上述の購入申請情報の内容に応じて、資格者連動アプリ等を用いて、当該購入希望者に対する、購入希望対象の一般用医薬品の販売可否情報を入力する。資格者による販売可否の判断は、現状、資格者が行っているものと同じ内容である。資格者端末装置300Bは、上述の販売可否情報を販売管理サーバ100に送信する。
【0038】
[各機器のブロック図]
図2に医薬品販売システム10を構成する、販売管理サーバ100のブロック図を示す。販売管理サーバ100は、通信装置110、記憶装置120、及び演算装置130を備えている。この通信装置110は、医薬品販売機200や端末装置300との間で通信を行うネットワークインターフェイスである。
【0039】
また、記憶装置120は、端末装置300から通信装置110を介して受信した各種情報を保持する装置である。具体的には、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)など適宜な不揮発性メモリである。
【0040】
また、演算装置130は、購入申請取得部131と、販売可否取得部132と、販売許可処理部133と、許可コード生成部134とを備え、これらの各部の処理を実行する。購入申請取得部131は、一般用医薬品の購入希望者による購入申請情報を、所定の入力装置(端末装置300又は販売管理サーバ100が自身で備える入力装置)を介して取得する。
【0041】
販売可否取得部132は、購入申請情報に応じて資格者が行った、購入希望者に対する一般用医薬品の販売可否情報を、資格者端末装置300Bから取得する。販売許可処理部133は、販売可否情報が販売許可を示す場合、医薬品販売機200における、購入希望者に向けた一般用医薬品の販売許可処理を実行する。許可コード生成部134は、販売可否情報が販売許可を示す場合、購入希望者に対する一般用医薬品の販売を許可する許可コードを生成する。
【0042】
なお、記憶装置120は、上述の購入申請やそれに対する販売可否情報の判断結果といった一連の各データを保持する申請DB121、販売可否の判断を行う資格者に関する情報を保持する資格者DB122を格納している。なお、各DBについての詳細は後述する。また、医薬品販売システム10は、単一のサーバとして構成するか、又はクラウドサーバとして構成してもよい。
【0043】
図3は、本実施形態における医薬品販売機200を示すブロック図である。医薬品販売機200は、一般用医薬品のメーカーらが納入した一般用医薬品を在庫として保持し、これを自動販売形式で購入希望者に販売する装置である。この医薬品販売機200は、例えば、薬局、薬店、ドラッグストア、或いは一般の小売店舗、公共施設など、種々の施設、店舗に設置、運営されうるものとなる。
【0044】
医薬品販売機200は、通信装置210、記憶装置220、演算装置230、表示装置240、カメラユニット250、商品格納装置260、商品搬送装置270、及び決済装置280を備えている。通信装置210は、購入者端末装置300Aや、資格者端末装置300Bと、通信ネットワーク20を介して接続する。
【0045】
また、記憶装置220は、購入希望者が操作するUI(User Interface)を提供し商品販売機能を実装する販売管理プログラム221や、自身で保持する一般用医薬品の在庫状況や販売履歴といった情報を蓄積する販売管理DB222などを保持する。記憶装置220は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリで構成される。なお、記憶装置220は、操作に支障のない範囲でその機能の一部又は全部を外部のサーバ(例えば、販売管理サーバ100等)に置くこともできる。この場合、医薬品販売機200は、外部サーバと通信ネットワーク20を介して接続する。
【0046】
また、演算装置230は、記憶装置220で保持する各種データを利用しつつ、一般用医薬品に関する一連の販売処理を実行する。また、表示装置240は、演算装置230での処理結果を表示する。また、カメラユニット250は、購入者端末装置300Aで画面表示された許可コードを撮影する撮像装置(CCDカメラ等)である。また、商品格納装置260は、各種の一般用医薬品を取出可能に格納しておく格納構造が該当する。
【0047】
また、商品搬送装置270は、許可コードで販売許可となった一般用医薬品を、上述の商品格納装置260から取り出し、これを所定の商品排出口から排出する機構である。
【0048】
また、決済装置280は、購入希望者が提示した決済手段(例えば、クレジットカード、現金、電子マネーなど)に対する読み取り動作等を実行し、決済額に応じた決済処理を実行する装置である。なお、上述の商品格納装置260、商品搬送装置270、及び決済装置280は、一般的な自動販売装置が備えるものと同様のものを適宜採用すればよい。
【0049】
図4は、本実施形態における端末装置300を示すブロック図である。端末装置300は、通信装置310、記憶装置320、演算装置330、及び入出力装置340を備える。通信装置310は、販売管理サーバ100など外部装置と、通信ネットワーク20を介して接続する。
【0050】
また、記憶装置320は、一般用医薬品の購入申請を取り扱う購入者連動アプリ等、それに対する販売可否の判断結果等を取り扱う資格者連動アプリ等の連動アプリ321、又は購入者入力用ウェブサイト及び/若しくは資格者連動用ウェブサイトといったウェブサイト等のデータを保持する。記憶装置320は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリで構成される。
【0051】
また、演算装置330は、記憶装置320で保持する各種データを利用しつつ、一般用医薬品に関する購入申請や販売可否の判断結果の送信等を実行する。また、入出力装置340は、演算装置330での処理結果を表示し、購入者や資格者の入力操作を受け付ける、例えばタッチパネルを想定する。
【0052】
[データベースの構成]
続いて、本実施形態の医薬品販売システム10を構成する機器が備えるデータベース(DB)の構成について説明する。図5は、本実施形態の申請DB121の構成例を示す図である。申請DB121は、一般用医薬品の購入希望者による購入申請に関する各データを蓄積するデータベースである。
【0053】
この申請DB121は、例えば、購入申請情報を一意に識別する申請番号に対して、申請者すなわち購入希望者の識別情報(例:一般用医薬品の販売サービスの会員ナンバー)、年齢、性別、体重、既往歴、服用中の薬、購入希望対象の一般用医薬品の識別情報(商品名など)、数量、及び販売可否の判断結果、などといった値を含むレコードから構成される。
【0054】
また図6は、本実施形態における資格者DB122の構成例を示す図である。本実施形態における資格者DB122は、資格者といった、上述の購入申請情報に応じて、当該一般用医薬品の販売可否の判断を行う者の各データを蓄積するデータベースである。
【0055】
この資格者DB122は、資格者を一意に識別する資格者IDに対して、当該資格者が使用する資格者端末装置300Bの識別情報、ネットワーク20におけるアドレス(例えば、メールアドレスや固有のIPアドレス)といった値を含むレコードから構成される。
【0056】
また図7は、本実施形態における販売管理DB222の構成例を示す図である。本実施形態における販売管理DB222は、医薬品販売機200において在庫し販売対象とする一般用医薬品に関する各データを蓄積するデータベースである。この販売管理DB222は、例えば、一般用医薬品の識別情報に対して、在庫量、販売履歴、納入事業者、といった値を含むレコードから構成される。
【0057】
[第1例のフローチャート]
本実施形態における医薬品販売システム及び方法に関する、第1例のフローチャートを図8に示す。ここで、一般用医薬品の購入希望者は、自身の購入者端末装置300Aのタッチパネル等の入力手段(図9)を操作し、購入申請に必要となる事項に関して、入力や選択の動作(設問への回答)を行ったものとする。
【0058】
その場合、ステップS10で、上述の購入者端末装置300Aは、入力又は選択により得られた購入申請情報を、通信ネットワーク20を介して販売管理サーバ100に送信する。
【0059】
ここで送信される購入申請情報は、申請者すなわち購入希望者の識別情報(例:一般用医薬品の販売サービスの会員ナンバー)、年齢、性別、体重、既往歴、服用中の薬、購入希望対象の一般用医薬品の識別情報(商品名など)、及び数量といった値を含むものとなる。
【0060】
ステップS11で、販売管理サーバ100の演算部130は、購入者端末装置300Aまたは医薬品販売機200から送信されてきた購入申請情報を取得し、これにIDを付与した上で申請DB121に格納する。
【0061】
ステップS12で、販売管理サーバ100の演算部130は、ステップS11で得た購入申請情報を、資格者の資格者端末装置300Bに送信する。この場合、販売管理サーバ100の演算装置130は、資格者DB122を参照し、資格者端末装置300Bのアドレスを送信先として取得する。
【0062】
一方、資格者端末装置300Bは、資格者連動アプリ等321を介して、販売管理サーバ100から送信された購入申請情報を受信し、これを画面に表示する(図10参照)。
【0063】
これにより、資格者は、購入希望者の属性(例えば、年齢や体重、既往歴など)や購入希望対象の一般用医薬品といった情報を閲覧し、当該購入希望者に当該一般用医薬品を販売してもよいか否か、判断することになる。
【0064】
また、資格者は、上述の判断の結果(販売可否情報)を、資格者連動アプリ等321を通じて、資格者端末装置300Bの入出力装置340から入力(図11参照)する。ステップS13において、入力を受けた資格者端末装置300Bは、販売可否情報を販売管理サーバ100に送信する。なお、販売管理サーバ100は、資格者端末装置300Bに購入申請情報を送信した後に、一定の応答時間内に資格者端末装置300Bから販売可否情報を受信しなかった場合、販売管理サーバ100の演算装置130は、応答時間経過後に販売許可情報を自動的に生成してもよい。また、資格者は、必要に応じて資格者端末装置300B及び購入者端末装置300A(医薬品販売機200)の間で、購入希望者との音声通話又はチャットによる文字情報のやり取りを実行することもできる。
【0065】
ステップS14で、販売管理サーバ100の演算部130は、資格者端末装置300Bから、販売可否情報を取得し、これを申請DB121の該当レコードにおける「販売可否の判断結果」欄に格納する。
【0066】
上述の例では、資格者が従前通りの判断を行って、その結果を資格者端末装置300Bから販売管理サーバ100に応答する形態を示した。ただし、これ以外にも、例えば、販売可否取得部132が、販売可否を判断する判断プログラム(判断アルゴリズムや、学習モデル等の人工知能プログラム)を備え、判断プログラムに購入申請情報を入力することで、判断プログラムの判断に基づき販売可否情報を自律的に生成することもできる。
【0067】
ステップS15で、販売管理サーバ100の演算部130は、ステップS14で得た販売可否情報が販売許可か販売不可かを判定する。ステップS15で、販売可否情報が「販売不可」を示す場合(S15:No)、演算部130は、ステップS16に移行する。演算部130は、ステップS16で販売不可通知を購入者端末装置300Aに送信し表示させ(図12参照)、以後の処理を終了する。販売不可通知を受信した医薬品販売機200は、ステップS22で、販売不可通知を表示して販売不可処理を実行し、以後の処理を終了する。なお、医薬品販売機200は、ステップS22で、販売不可通知を表示すると共に、近隣又は所定の薬局店舗への誘導を促す誘導情報を購入者端末装置300Aに送信し表示することもできる。
【0068】
ステップS15で、演算部130は、販売可否情報が「販売許可」を示す場合(S15:Yes)、ステップS18に処理を移行する。
【0069】
ステップS18で、販売管理サーバ100の演算部130は、医薬品販売機200における、当該一般用医薬品の購入操作の受け付け又は進行を許諾する一意の許可コードを生成し、ネットワーク20を介して購入者端末装置300Aに送信する。
【0070】
許可コードは、販売許可対象の一般用医薬品の識別情報および販売数量の値を含んでいる。許可コードは、一次元コード(一次元バーコード)、QRコード(登録商標)等の二次元コード(二次元バーコード)から構成される画像データ、又は任意の文字及び/若しくは記号の複数の組合せから構成されるテキストデータ、の少なくとも1つを含むことができる。
【0071】
ステップS19で、許可コードを受信した購入者端末装置300Aは、これを購入者連動アプリ等321を用いて表示し(図13参照)、購入希望者に許可コードの取得を告知する。購入希望者は、この許可コードを保持した端末装置300Aを所持し、医薬品販売機200を訪れる。また、購入者端末装置300Aは、購入者連動アプリ等321により許可コードを画面表示する。購入者は、医薬品販売機200のカメラユニット250に対して、購入者端末装置300Aの画面に表示した許可コードをかざして読み取らせる。なお、購入者連動アプリ等及び/又は医薬品販売機には、一般用医薬品の販売許可を行った資格者の氏名を表示することもできる。
なお、販売管理サーバ100に、販売許可コードを取得した購入者端末装置300Aに対し、購入者端末装置300Aの位置情報から近くの医薬品販売機200の場所を特定し、医薬品販売機200の場所情報を購入者端末装置300Aに送信する機能をもたせることも可能である。
【0072】
ステップS20で、医薬品販売機200は、上述の購入希望者がカメラユニット250にかざした端末装置300の画面から許可コードの読取りを実施する。許可コードを読み取った後、医薬品販売機200は、許可コードから特定された一般用医薬品の購入費用を表示して、購入者に購入の決済を促す。購入の決済は、医薬品販売機200の入金部に紙幣等を投入するか、クレジットカード又は電子マネーなどを用いて実行される。購入の決済が完了すると、医薬品販売機200は、一般用医薬品を、医薬品販売機200の受取口に搬出して処理を終了する。
【0073】
[第2例のフローチャート]
本実施形態における医薬品販売システム及び方法に関する、第2例のフローチャートを図8Aに示す。ここで、一般用医薬品の購入希望者は、医薬品販売機200が有するタッチパネルやボタン等の入力手段を操作し、購入申請に必要となる事項に関して、入力や選択の動作(設問への回答)を行ったものとする。
【0074】
ステップS10で、医薬品販売機200は、入力又は選択により得られた購入申請情報を、通信ネットワーク20を介して販売管理サーバ100に送信する。第2例のフローチャートにおいて、ステップS11~S14は、第1例と同一であるため、説明を省略する。
【0075】
ステップS15で、販売管理サーバ100の演算部130は、ステップS14で得た販売可否情報が販売許可か販売不可かを判定する。ステップS15で、販売可否情報が「販売許可」を示す場合(S15:Yes)、演算部130は、ステップS17に移行する。ステップS17で、演算部130は、販売許可通知を医薬品販売機200に送信し終了する。販売許可通知には、販売許可対象の一般用医薬品の識別情報および販売数量の値を含んでいる。
【0076】
ステップS20で、販売許可通知を受信した医薬品販売機200は、販売許可通知から特定された一般用医薬品の購入費用を表示して、購入者に購入の決済を促す。購入の決済は、医薬品販売機200の入金部に紙幣等を投入するか、クレジットカード又は電子マネーなどを用いて実行される。購入の決済が完了すると、医薬品販売機200は、一般用医薬品を、医薬品販売機200の受取口に搬出して処理を終了する。
【0077】
ステップS15で、販売可否情報が「販売不可」を示す場合(S15:No)、演算部130は、ステップS21に移行する。ステップS21で、演算部130は販売不可通知を医薬品販売機200に送信する。販売不可通知を受信した医薬品販売機200は、ステップS22で、販売不可通知を表示して販売不可処理を実行し、以後の処理を終了する。なお、医薬品販売機200は、ステップS22で、販売不可通知を表示すると共に、近隣又は所定の薬局店舗への誘導を促す誘導情報を表示することもできる。
【0078】
上記実施形態に係る販売管理システムは、販売管理サーバから購入申請情報を資格者端末装置に送信し、資格者端末装置から受信した販売可否情報を基に、販売許可処理、販売不可処理を実行した(図8及び図8A)。これに対し、次の変形実施形態に係る販売管理システムは、資格者端末装置及び購入者端末装置を用いずに、医薬品販売機から入力された購入申請情報に基づき販売管理サーバが販売可否情報を生成して、販売許可処理、販売不可処理を実行してもよい。
【0079】
具体的には、変形実施形態に係る販売管理システムは、一般用医薬品を販売する医薬品販売機と、医薬品販売機のそれぞれと通信する販売管理サーバと、から構成される。販売管理サーバの演算部は、購入者によって医薬品販売機に入力された一般用医薬品の購入申請情報を医薬品販売機から取得し、購入申請情報に基づき所定のアルゴリズムを用いて前記一般用医薬品の販売可否情報を生成する。販売管理サーバは、販売可否情報が前記一般用医薬品の販売許可を示す場合、前記一般用医薬品の販売許可通知を医薬品販売機に送信する。
【符号の説明】
【0080】
10 医薬品販売システム
20 ネットワーク
100 販売管理サーバ
110 通信装置
120 記憶装置
121 申請DB(データベース)
122 資格者DB
130 演算装置
131 購入申請取得部
132 販売可否取得部
133 販売許可処理部
134 許可コード生成部
200 医薬品販売機
210 通信装置
220 記憶装置
221 販売管理プログラム
222 販売管理DB
230 演算装置
240 表示装置
250 カメラユニット
260 商品格納装置
270 商品搬送装置
280 決済装置
300 端末装置
310 通信装置
320 記憶装置
321 連動アプリ(連動プログラム)
330 演算装置
340 入出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図10
図11
図12
図13