(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005803
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】温度センサ設置機構及び温度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01K 1/14 20210101AFI20230111BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20230111BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20230111BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G01K1/14 L
B65G1/137 A
B65G1/04 501
B65G1/00 531
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107989
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 健太郎
【テーマコード(参考)】
2F056
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
2F056CL00
3F022AA15
3F022BB04
3F022CC00
3F022EE02
3F022FF01
3F022JJ09
3F022KK01
3F022KK07
3F022MM02
3F022MM08
3F022QQ08
3F522AA02
3F522BB22
3F522BB36
3F522FF03
3F522FF30
3F522JJ03
3F522KK02
3F522LL62
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保管室における温度の測定位置に温度センサを温度測定時に設置することが可能な温度センサ設置機構を提供する。
【解決手段】温度センサ設置機構100は、温度測定を行う保管室に設けられ、線材120に着脱可能に取り付けられた温度センサ110を測定位置102Aに引き上げて保持する。温度センサ設置機構100は、線材が巻き掛けられた巻掛部としての滑車150と、巻掛部の下方に設けられ、線材を固定する固定部としての巻取部130と、を有している
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度測定を行う保管室に設けられ、線材に着脱可能に取り付けられた温度センサを測定位置に引き上げて保持する温度センサ設置機構。
【請求項2】
前記線材が巻き掛けられた巻掛部と、
前記巻掛部の下方に設けられ、前記線材を固定する固定部と、
を有している、
請求項1に記載の温度センサ設置機構。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の温度センサ設置機構が設置された保管室において、
前記温度センサ設置機構の線材に温度センサを取り付け、前記線材で前記温度センサを測定位置に引き上げて保持する工程と、
前記温度センサで前記測定位置の温度を記録する工程と、
記録後、前記線材で前記温度センサを引き下げて、前記線材から前記温度センサを取り外して回収する工程と、
を備えた温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサ設置機構及び温度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動倉庫のラック棚に格納された各格納物の温度を測定し、地上に設置したデータ集積装置に伝送する自動倉庫の温度測定装置に関する技術が開示されている。この先行技術では、格納物を格納するラック棚と、該ラック棚の各ラックに格納物を搬入搬出する搬機を有するスタッカークレーンを具備する自動倉庫において、スタッカークレーンの搬機にラックに格納された格納物の温度を非接触で検出する温度センサを設け、スタッカークレーンの搬機を温度測定を必要とする格納物の位置に移動させ、当該格納物の温度を温度センサで測定し、該測定温度データを該スタッカークレーンの制御部を経由して、地上に設置したデータ集積装置に伝送する。
【0003】
特許文献2には、複数の格納領域を有するラック棚と、複数の格納領域のいずれかに格納される物品を積載する搬機と制御信号に従って搬機を移動させる移動手段とを備える運搬装置と、を備える自動倉庫において、複数の格納領域の温度を計測する温度計測システムに関する技術が開示されている。この先行技術では、温度計測装置は、ラック棚が有する複数の格納領域のそれぞれに設置され、格納領域の温度を計測する温度センサと、格納領域を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と、第1電波を受信したことに応答して第1電波から生成した電力を用いて、温度情報と識別情報とを含む第2電波を送信する電波送受信部と、を備える。読取装置は、搬機に設置され、第1電波を送信し、複数の格納領域に設置された複数の温度計測装置のうち搬機に最も近い温度計測装置により送信された第2電波を受信し、第2電波に含まれる温度情報と識別情報とを取得する。温度情報収集装置は、読取装置により取得された温度情報と識別情報とを収集する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-206114号公報
【特許文献2】JP WO2020/003426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1の技術では、荷物の表面温度が測定され、保管室における測定位置の温度は測定されない。
【0006】
引用文献2の技術では、温度の測定位置に温度センサを常時取り付けておく必要がある。
【0007】
本発明は、上記事実を鑑み、保管室における温度の測定位置に温度センサを温度測定時に設置することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様は、温度測定を行う保管室に設けられ、線材に着脱可能に取り付けられた温度センサを測定位置に引き上げて保持する温度センサ設置機構である。
【0009】
第一態様の温度センサ設置機構では、温度測定時に温度センサを線材に着脱可能に取り付けて測定位置に引き上げて保持する。これにより、保管室における温度の測定位置に温度センサが温度測定時に設置される。
【0010】
第二態様は、前記線材が巻き掛けられた巻掛部と、前記巻掛部の下方に設けられ、前記線材を固定する固定部と、を有している、第一態様に記載の温度センサ設置機構である。
【0011】
第二態様の温度センサ設置機構では、巻掛部に巻き掛けられた線材の一方に温度センサを取り付け、線材の他方を引いて温度センサを測定位置に引き上げて、他方の線材を固定部に固定することで、温度センサが測定位置に保持され設置される。
【0012】
第三態様は、第一態様又は第二態様に記載の温度センサ設置機構が設置された保管室において、前記温度センサ設置機構の線材に温度センサを取り付け、前記線材で前記温度センサを測定位置に引き上げて保持する工程と、前記温度センサで前記測定位置の温度を記録する工程と、記録後、前記線材で前記温度センサを引き下げて、前記線材から前記温度センサを取り外して回収する工程と、を備えた温度測定方法である。
【0013】
第三態様の温度測定方法では、温度センサ設置機構の線材に温度センサを取り付け、線材で温度センサを測定位置に引き上げて保持することで、保管室における温度の測定位置に温度センサが設置される。保持された温度センサで測定位置の温度を記録する。記録後、線材で温度センサ線材を引き下げて、線材から温度センサを取り外して回収する。このように、保管室における温度の測定位置に温度センサを温度測定時に設置し、測定後に温度センサを回収できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、保管室における温度の測定位置に温度センサを温度測定時に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】温度センサ設置機構を備えた保管室内を模式的に示す正面図である。
【
図2】温度センサ設置機構が設置されたラック式倉庫の斜視図である。
【
図4】(A)は温度センサが作業範囲内にある状態の模式図であり、(B)は温度センサが設置位置に引き上げられた状態の模式図である。
【
図5】変形例の温度センサ設置機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
本発明の一実施形態の温度センサ設置機構について説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向とし、矢印Zで示す。
【0017】
[構造]
温度センサ設置機構及びこの温度センサ設置機構を備えた保管室の構造について説明する。
【0018】
図1に示すように、温度センサ設置機構100を備えた本実施形態の保管室12は、ラック式倉庫10を備えた温度マッピングを行う自動倉庫であるが、これに限定されるものではない。
【0019】
(ラック式倉庫)
まず、ラック式倉庫10を、
図2を用いて説明する。なお、
図2以外のラック式倉庫10は、模式的に簡略化して図示しているので、
図2と他図とでは、棚の段数等の詳細において、異なっている場合がある。また、
図2に示すラック式倉庫10の構造は、一例であって、これに限定されるものではない。
【0020】
図2に示すラック式倉庫10は、荷物(物品)90の設定場所への収納、搬出、保管及び在庫管理などを、図示してないコンピュータで制御している。
【0021】
ラック式倉庫10は、ラック構造体50とスタッカークレーン20とを含んで構成されている。また、二つのラック構造体50がY方向に間隔をあけて平行に並んで配置され、これら二つのラック構造体50の間にスタッカークレーン20が配置されている。
【0022】
ラック構造体50は、柱52及び載置部56等を有して構成されている。柱52は、X方向に並んで配置され、このX方向に並んだ柱52の列がY方向に二列間隔をあけて平行に配置されている。載置部56は、Y方向に沿って配置され且つX方向に間隔をあけて平行に配置された二本の水平材54で構成されている。また、載置部56は、各列の柱52に架け渡され接合されている。そして、四つの柱52の内側の載置部56の上に荷物90が載ったパレット92が載置される。
【0023】
スタッカークレーン20は、ラック構造体50の荷物設置部(棚)62に、パレット92の上に載置された荷物90を搬送する装置であり、二つのラック構造体50の間にX方向に沿って敷設された図示していないレール上を走行する。
【0024】
スタッカークレーン20は、X方向に間隔をあけて長手方向を鉛直方向として配置された二本のガイドフレーム22と、ガイドフレーム22間に設けられた荷台24と、を有している。荷台24はガイドフレーム22に沿って図示していない昇降装置によって昇降する。また、荷台24には、荷物設置部(棚)62にパレット92の上に載置された荷物90を、パレット92ごと受け渡すスライド式移載装置26が装備されている。
【0025】
(温度センサ設置機構)
次に、温度センサ設置機構について説明する。
【0026】
図1及び
図2に示すラック式倉庫10を備えた保管室12は、医薬品等の倉庫として使用される。よって、保管室12内の空間温度分布のマッピング、すなわち温度マッピングを行う必要がある。
【0027】
具体的には、
図1に示す保管室12内における計画時に定められた複数の測定位置102に温度センサ110をそれぞれ配置し、各測定位置102の温度変化を設定時間、例えば24時間測定し、計画された温度範囲の中で温度が推移しているか等を確認する。
【0028】
なお、
図1に測定位置102の後の符号A、B、C、Dは高さを示している。そして、測定位置102A、測定位置102B、測定位置102C及び測定位置102Dの順番で高い位置にある。以降、高さを区別する必要がない場合は、A、B、C及びDを省略して説明する。
【0029】
図1~
図3に示す本実施形態における温度センサ110は、内部に測定したデータを記録する記録部116(
図3参照)を有している。そして、保管室12内における各測定位置102に温度センサ110を設置して、測定位置102の温度を記録し、設定時間経過後、温度センサ110を回収して、記録部116(
図3参照)に記録されたデータをコンピュータ等に取り込んで解析する。
【0030】
なお、温度マッピングは、定期的に行われる。また、温度測定した複数の測定位置102のうち、温度変化が大きい測定位置102を把握し、その測定位置102には、常時、温度センサ110を設置して温度測定を行い管理することがある。
【0031】
図1に示すように、本実施形態における測定位置102、すなわち温度センサ110の設置位置は、ラック式倉庫10のラック構造体50の柱52の近傍及び保管室12の内壁15の近傍である。なお、測定位置102は、一例であって、これに限定されるものではない。
【0032】
ラック式倉庫10の柱52及び内壁15の測定位置102A、102B、102C、102Dのうち、下側の測定位置102C、102Dの二箇所は、作業者の作業範囲内であり、温度センサ110は作業者が適宜設置する。しかし、上側の測定位置102A、102Bの二箇所は、作業者の作業範囲外の高い位置にある。よって、温度センサ設置機構100によって、温度センサ110を測定位置102A、102Bに引き上げて保持し、温度を測定する。
【0033】
なお、
図1では、内壁15に設けた温度センサ設置機構100のみを簡略化して図示し、図が煩雑になるのを避けるためラック式倉庫10の柱52に設けた温度センサ設置機構100は符号100のみを示し、温度センサ110等の図示は省略している。また、
図2~
図4では、判り易くするため温度センサ設置機構100は、測定位置102Aのみを図示している。また、
図3等では、柱52の幅を広くし、温度センサ設置機構100の構成等を判り易くしている。
【0034】
図1~
図4に示すように、本実施形態の温度センサ設置機構100は、ワイヤーや樹脂紐等の線材120と、巻掛部の一例としての滑車150と、固定部の一例としての巻取部130と、を有している。
【0035】
図3に示すように、滑車150は、中央に1本の軸を持つ自由に回転可能な索輪152と、索輪152を支持して柱52及び内壁15(
図1参照)に取り付ける構造部154と、を有して構成されている。
【0036】
なお、本実施形態の構造部154は磁石が内蔵されており、柱52には磁石の磁力によって固定され、内壁15(
図1参照)には壁面に接合された金属板に磁力で固定されるが、これは一例であってこれに限定されるものではない。どのような方法及び機構で、滑車150を柱52及び内壁15(
図1参照)に取り付けてもよい。
【0037】
この滑車150は、各測定位置102A及び測定位置102B(
図1参照)の上方に設けられている。そして、滑車150の索輪152に線材120が巻き掛けられている。
【0038】
巻取部130は、滑車150の下方且つ作業者の作業範囲内の高さに設けられている。本実施形態の巻取部130は、軸部134を有するハンドル部132を備えており、ハンドル部132を回すことで、線材120の他端部側が軸部134巻き取られる又は軸部134から繰り出される。また、巻取部130は、ハンドル部132の回転をロックする機能を有している。
【0039】
本実施形態の巻取部130は、前述した滑車150と同様に、磁石が内蔵されており、柱52には磁石の磁力によって固定され、内壁15(
図1参照)には壁面に接合された金属板に磁力で固定されるが、これは一例であってこれに限定されるものではない。どのような方法及び機構で、巻取部130を柱52及び内壁15(
図1参照)に取り付けてもよい。
【0040】
本実施形態の温度センサ110の上部には、線材120の一端部に設けられたフック122が引っ掛けられる孔113が形成された取付部112が設けられている。
【0041】
そして、線材120の一端部のフック122を温度センサ110の取付部112の孔113に引っ掛けた状態で、作業者が巻取部130のハンドル部132を回すことで、線材120の他端部側が軸部134に巻き取られ又は軸部134から繰り出され、温度センサ110が上下する。
【0042】
また、ハンドル部132をロックすることで、温度センサ110が測定位置102A、102Bに保持される。
【0043】
ここで、測定位置102A、102B、102C、102Dにおいて温度センサ110が測定する温度は、当該位置における室温(空気の温度)であり、ラック構造体50、荷物90及び内壁15等の表面温度等ではない。よって、温度センサ110のプローブ等の温度測定部位は、ラック構造体50、荷物90及び内壁15に接触しないように設置する。
【0044】
(温度測定方法)
次に、温度測定方法の一例について説明する。なお、
図4は、ラック式倉庫10のラック構造体50の柱52の測定位置102Aのみが図示されているが、測定位置102Bも位置が異なるだけで同様である。また、内壁15の測定位置102A、102Bも同様である。
【0045】
図1に示す下側の測定位置102C、102Dは、作業者の作業範囲であり、作業者が温度センサ110を適宜設置する。
図1に示す上側の測定位置102A、102Bは、作業者の作業範囲よりも高い位置にあるので、予め設けられている温度センサ設置機構100を用いて設置する。下記は、温度センサ設置機構100を用いて温度センサ110を設置する例である。
【0046】
図4(A)に示すように、作業者は、線材120のフック122を温度センサ110の取付部112の孔113に引っ掛ける(
図3も参照)。
【0047】
図4(B)に示すように、作業者は、巻取部130のハンドル部132のロックを解除して回し、線材120の他端部側を巻き取って、温度センサ110を引き上げる。そして、温度センサ110が測定位置102Aに達した状態でハンドル部132をロックし、温度センサ110を測定位置102Aに保持させる(
図3も参照))。
【0048】
このように、温度センサ110を測定位置102Aに保持した状態で、設定時間、例えば24時間に亘って温度を測定し、温度センサ110の記録部116(
図3参照)に記録する。
【0049】
図4(A)に示すように、設定時間経過後、作業者は巻取部130のハンドル部132のロックを解除して回し、線材120を繰り出し、温度センサ110を引き下げる。そして、作業者は、線材120のフック122を温度センサ110から外して、温度センサ110を回収する。
【0050】
[作用及び効果]
次に本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0051】
前述したように、温度センサ設置機構100の滑車150の索輪152に巻き掛けられた線材120の一方に温度センサ110を取り付け、線材120の他方を引いて、本実施形態では巻取部130のハンドル部132を回して巻き取り、温度センサ110を測定位置102A、102Bに引き上げる。そして、線材120の他端部側を固定、本実施形態ではハンドル部132をロックすることで、温度センサ110が測定位置102A、102Bに保持され設置される。
【0052】
温度センサ110で測定位置102A、102Bの温度を記録後、線材120を引き下げて、本実施形態では巻取部130のハンドル部132を回して線材120を繰り出して、温度センサ110を引き下げる。そして、線材120から温度センサ110を取り外し、温度センサ110が回収される。
【0053】
このように、作業者の作業範囲よりも高い位置にある測定位置102A、102Bであっても、梯子や脚立等を用いたりすることはなく、作業範囲内の作業のみで温度センサ110を温度測定時に設置して回収することができる。或いは、作業者の作業範囲よりも高い位置にある測定位置102A、102Bであっても、温度センサ110を常時設置する必要がない。
【0054】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0055】
例えば、上記実施形態では、線材120のフック122を温度センサ110の取付部112の孔113に引っ掛けることで、線材120に温度センサ110を着脱可能に取り付けたが、これに限定されるものではない。例えば、線材120の端部を温度センサ110の取付部112の孔113に通して結んでもよい。或いは、線材120の一端部にトレイ等を設け、このトレイ等に温度センサ110を入れるようにしてもよい。要は、線材120に温度センサ110を着脱可能に取り付けることできれば、どのような方法及び機構であってもよい。但し、前述したように、測定位置102A、102B、102C、102Dにおいて温度センサ110が測定する温度は、当該位置における室温(空気の温度)であるので、トレイ等に温度センサ110のプローブ等の温度測定部位が接触しないようにする。
【0056】
また、例えば、上記実施形態では、線材120の他端部側を巻取部130のハンドル部132を回して巻き取り、ハンドル部132の回転をロックすることで、温度センサ110を測定位置102Aに保持させたが、これに限定されるものではない。例えば、線材120の他端部側を作業者が引き下げ、線材120をフック状等の固定部に巻き付けて結び、温度センサ110を測定位置102Aに保持させてもよい。或いは、線材120にリングが予め取り付けられており、フック状の固定部に引っ掛けるようにしてもよい。要は、温度センサ110を測定位置102Aに保持させることができるように、線材120の他端部側を固定できればよい。
【0057】
また、例えば、上記実施形態では、線材120が巻き掛けられた滑車150には一つの索輪152が設けられていたが、これに限定されるものではない。滑車150には複数の索輪152が設けられていてもよい。例えば、滑車150に二つの複数の索輪152が設けられ、一方の索輪152に巻きかけられた線材120に取り付けられた温度センサ110は測定位置102Aに設置し、他方の索輪152に巻きかけられた線材120に取り付けられた温度センサ110は測定位置102Bに設置するようにしてもよい。
【0058】
また、例えば、上記実施形態では、線材120は滑車150に巻き掛けられていたが、これに限定されるものではない。滑車150以外の巻掛部に線材120を巻き掛けてもよい。滑車150以外の巻掛部の例としては、
図5の変形例の温度センサ設置機構109のシャックル200や線材120が引っ掛けられるフック状の部材等が挙げられる。
【0059】
また、例えば、上記実施形態では、線材120の他端部側を固定することで、温度センサ110を測定位置102A、102Bに保持したが、これに限定されるものではない。例えば、線材120を電動式の巻き上げ機で巻き上げることで、温度センサ110を測定位置102A、102Bに引き上げて保持してもよい。或いは、ブラインド、ロールカーテン及びシェードカーテンのように、線材120をクラッチ等で固定する機構を巻掛部が有していてもよい。これらの場合、線材120の他端部側を固定する固定部は不要である。
【0060】
要は、温度センサ設置機構は、線材に着脱可能に取り付けられた温度センサを測定位置に引き上げて保持する機能を有していればよい。
【0061】
また、例えば、上記実施形態では、測定した温度は、温度センサ110内の記録部116に記録され、測定後に温度センサ110を回収して、記録部116のデータをコンピュータ等に取り込んで解析したが、これに限定されるものではない。例えば、測定した温度は、温度センサ110から無線又は有線でコンピュータ等に常時取り込まれるようにしてもよい。
【0062】
また、例えば、上記実施形態では、測定位置102では、温度を測定しているが、温度だけでなく、例えば、湿度も同時に測定するようにしてもよい。
【0063】
また、例えば、上記実施形態では、温度センサ設置機構100を備えた保管室12は、ラック式倉庫10を備えた温度マッピングを行う自動倉庫であるが、これに限定されるものではない。本発明は、温度マッピング等の温度測定を行う保管室全般に適用可能である。
【0064】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0065】
12 保管室
100 温度センサ設置機構
102A 測定位置
102B 測定位置
109 温度センサ設置機構
110 温度センサ
120 線材
130 巻取部(固定部の一例)
150 滑車(巻掛部の一例)
200 シャックル(巻掛部の一例)