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特開2023-58052集光装置,放光装置及び太陽光照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058052
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】集光装置,放光装置及び太陽光照明システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/00 20060101AFI20230418BHJP
   F21S 11/00 20060101ALI20230418BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
G02B6/00 331
F21S11/00 110
F21V8/00 232
F21V8/00 272
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167787
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】521450090
【氏名又は名称】山崎 秀男
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】山崎 秀男
【テーマコード(参考)】
2H038
【Fターム(参考)】
2H038AA53
2H038BA45
(57)【要約】
【課題】 構造を簡単にするとともに機能性の向上を図る。
【解決手段】 建物の外部から太陽光を集光する集光装置Sと、集光装置Sで集光した光を建物の内部に放光して照明する放光装置とを備えた太陽光照明システムにおいて、集光装置Sを、透明で中空の球状に形成され太陽光を受光する受光体10と、端面が受光体10の空間e内に露出してこの受光体10内に取り込まれた光を伝送する光ファイバFを多数本束ねて構成されるファイバ集合体11とを備え、受光体10の空間eに、透明な光ファイバFaを細断したチップ13を多数充填し、ファイバ集合体11の集合体端面12を、各光ファイバFの端面を連続させた連続面に形成し、受光体10の空間e内を真空にした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明で中空の球状に形成され太陽光を受光する受光体と、端面が上記受光体の空間内に露出して該受光体内に取り込まれた光を伝送する光ファイバを多数本束ねて構成されるファイバ集合体とを備え、上記受光体の空間に、透明な光ファイバを細断したチップを多数充填したことを特徴とする集光装置。
【請求項2】
上記チップは、直径Dが、D=0.5mm~3mm、長さLが、L=0.5mm~3mmに設定されていることを特徴とする請求項1記載の集光装置。
【請求項3】
上記ファイバ集合体の集合体端面を、各光ファイバの端面を連続させた連続面に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の集光装置。
【請求項4】
上記ファイバ集合体の集合体端面を、弧面に形成したことを特徴とする請求項3記載の集光装置。
【請求項5】
上記受光体の空間内を真空にしたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の集光装置。
【請求項6】
上記受光体を収納し透明で中空の球状に形成される外殻を設け、上記受光体の外面と上記外殻の内面との間を真空にしたことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の集光装置。
【請求項7】
透明で中空の球状に形成され光を放光する放光体と、端面が上記放光体の空間内に露出し伝送された光を該空間内に供給する光ファイバを多数本束ねて構成されるファイバ集合体とを備え、上記放光体の空間に、透明な光ファイバを細断したチップを多数充填したことを特徴とする放光装置。
【請求項8】
上記チップは、直径Dが、D=0.5mm~3mm、長さLが、L=0.5mm~3mmに設定されていることを特徴とする請求項7記載の放光装置。
【請求項9】
上記ファイバ集合体の集合体端面を、各光ファイバの端面を連続させた連続面に形成したことを特徴とする請求項7または8記載の放光装置。
【請求項10】
上記ファイバ集合体の集合体端面を、弧面に形成したことを特徴とする請求項9記載の放光装置。
【請求項11】
建物の外部から太陽光を集光する集光装置と、該集光装置で集光した光を上記建物の内部に放光して照明する放光装置とを備えた太陽光照明システムにおいて、
上記請求項1乃至6何れかに記載の集光装置を用い、該集光装置の受光体を建物の外部に設け、
上記請求項7乃至10何れかに記載の放光装置を用い、該放光装置の放光体を建物の内部に設け、
上記集光装置のファイバ集合体と上記放光装置のファイバ集合体とを連設したことを特徴とする太陽光照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を集光する集光装置,光を放光する放光装置及びこれらを用いた太陽光照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光照明システムとしては、例えば、特開昭59-94301号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。この太陽光照明システムは、建物の外部から太陽光を集光する集光装置と、集光装置で集光した光を建物の内部に放光する放光装置とを備えている。集光装置は、建物の外部に設けられ太陽光を受光する受光体と、受光体内に取り込まれた光を伝送する光ファイバとを備えて構成され、放光装置は、建物の内部に設けられ光を放光する放光体と、伝送された光を放光体に供給する光ファイバとを備えて構成され、集光装置の光ファイバと放光装置の光ファイバとを連設して構成されている。
【0003】
集光装置の受光体は、凹面状の反射板と、この反射板に反射された光を集光する集光レンズとを備え、反射体を太陽の運行に追従させて移動させるようにしている。一方、放光装置の放光体は、光ファイバの端部に融着された発光端子と、発光端子からの光を内部に受け入れて外部に放光する中空のグローブとを備えて構成されている。
【0004】
ところで、この従来の集光装置の受光体は、反射板で反射された光を集光する集光レンズを備えているとともに太陽の運行に追従させて移動させるようにしているので、構造が複雑になっているという問題があった。そのため、これを解消するために、従来、例えば、特開平8-304632号公報(特許文献2)に掲載された集光装置を用いることが考えられる。これは、透明で中空の球状に形成され太陽光を受光する受光体と、端面が受光体の空間内に露出して受光体内に取り込まれた光を伝送する光ファイバとを備えて構成されており、受光体を透明な球面にすることにより、太陽の運行に追従させて移動させなくても集光できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59-94301号公報
【特許文献2】特開平8-304632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の透明で中空の球状に形成された受光体を備えた集光装置にあっては、構造が簡易になる反面、伝送する光ファイバが少ないので、集光効率が悪く、機能性に劣るという問題があった。一方、上記従来の放光装置においても、光ファイバの端部に融着された発光端子を備えているので、その分、構造が複雑になっているという問題があった。このため、太陽光照明システムとしても、構造が複雑になってしまう。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、構造を簡単にするとともに機能性の向上を図った集光装置,放光装置及び太陽光照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の集光装置は、透明で中空の球状に形成され太陽光を受光する受光体と、端面が上記受光体の空間内に露出して該受光体内に取り込まれた光を伝送する光ファイバを多数本束ねて構成されるファイバ集合体とを備え、上記受光体の空間に、透明な光ファイバを細断したチップを多数充填した構成としている。
【0008】
これにより、受光体に太陽光が照射されると、太陽光が受光体内に入り、ファイバ集合体の各光ファイバの端面に入射して伝送されていく。この場合、受光体は球状に形成されているので、全方位的に太陽光を取り入れることができる。また、ファイバ集合体は、光ファイバを多数本束ねて構成されるので、それだけ、集光効率が向上させられる。更に、受光体内には、透明な光ファイバを細断したチップが充填されているので、光が透過しながら乱反射することから、この点でも、集光効率が向上させられ、機能性が向上させられる。また、受光体にチップを充填してファイバ集合体を配線する構成なので、構造を簡単にすることができる。
【0009】
この場合、上記チップは、直径Dが、D=0.5mm~3mm、長さLが、L=0.5mm~3mmに設定されていることが有効である。光の透過及び反射機能を向上させることができる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記ファイバ集合体の集合体端面を、各光ファイバの端面を連続させた連続面に形成した構成としている。集光効率を向上させることができる。
【0011】
この場合、上記ファイバ集合体の集合体端面を、弧面に形成したことが有効である。弧面は、凹面でも良く、凸面でも良い。ファイバ集合体の集光面積を広くすることができ、より一層集光効率を向上させることができる。
【0012】
また、必要に応じ、上記受光体の空間内を真空にした構成としている。太陽光により受光体が熱せられるが、受光体内部が真空なので、熱伝導しにくくなり、熱の悪影響を防止することができる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記受光体を収納し透明で中空の球状に形成される外殻を設け、上記受光体の外面と上記外殻の内面との間を真空にした構成としている。これにより、受光体の外面と外殻の内面との間に真空の断熱層が形成されるので、熱伝導しにくくなり、熱の悪影響を確実に防止することができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するための本発明の放光装置は、透明で中空の球状に形成され光を放光する放光体と、端面が上記放光体の空間内に露出し伝送された光を該空間内に供給する光ファイバを多数本束ねて構成されるファイバ集合体とを備え、上記放光体の空間に、透明な光ファイバを細断したチップを多数充填した構成としている。
【0015】
これにより、ファイバ集合体から放光体内に光が供給されると、放光体から光が放光されていく。この場合、放光体は球状に形成されているので、光を放射状に放光させることができる。また、ファイバ集合体は、光ファイバを多数本束ねて構成されるので、それだけ、放光効率が向上させられる。更に、放光体内には、透明な光ファイバを細断したチップが充填されているので、光が透過しながら乱反射することから、この点でも、放光効率が向上させられ、機能性が向上させられる。また、放光体にチップを充填してファイバ集合体を配線する構成なので、構造を簡単にすることができる。
【0016】
この場合、上記チップは、直径Dが、D=0.5mm~3mm、長さLが、L=0.5mm~3mmに設定されていることが有効である。光の透過及び反射機能を向上させることができる。
【0017】
そして、必要に応じ、上記ファイバ集合体の集合体端面を、各光ファイバの端面を連続させた連続面に形成した構成としている。放光効率を向上させることができる。
【0018】
この場合、上記ファイバ集合体の集合体端面を、弧面に形成したことが有効である。弧面は、凹面でも良く、凸面でも良い。ファイバ集合体の放光面積を広くすることができ、より一層放光効率向上させることができる。
【0019】
そしてまた、上記の目的を達成するための本発明の太陽光照明システムは、建物の外部から太陽光を集光する集光装置と、該集光装置で集光した光を上記建物の内部に放光して照明する放光装置とを備えた太陽光照明システムにおいて、
上記の集光装置を用い、該集光装置の受光体を建物の外部に設け、
上記の放光装置を用い、該放光装置の放光体を建物の内部に設け、
上記集光装置のファイバ集合体と上記放光装置のファイバ集合体とを連設した構成としている。
【0020】
これにより、集光装置の受光体に太陽光が照射されると、太陽光が受光体内に入り、ファイバ集合体の光ファイバの端面に入射し、ファイバ集合体により伝送され、放光装置の放光体内に供給され、放光体から光が放光されていく。この場合、上述した通り、集光装置は、集光効率が向上させられ、放光装置は、放光効率が向上させられているので、システム全体の機能性を向上させることができる。また、システムの構造を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、構造を簡単にするとともに機能向上を図った集光装置,放光装置及び太陽光照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る太陽光照明システムを集光装置及び放光装置とともに示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る集光装置を示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る放光装置を示す断面図である。
図4】本発明の別の実施の形態に係る集光装置を示す断面図である。
図5】本発明のまた別の実施の形態に係る集光装置を示す断面図である。
図6】本発明の別の実施の形態に係る放光装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る集光装置,放光装置及び太陽光照射システムについて詳細に説明する。図1乃至図3には、本発明の実施の形態に係る太陽光照明システムTを示している。この太陽光照明システムTは、建物1の外部から太陽光を集光する本発明の実施の形態に係る集光装置Sと、この集光装置Sで集光した光を建物1の内部に放光して照明する本発明の実施の形態に係る放光装置Hとを備えて構成されている。
【0024】
実施の形態に係る集光装置Sは、図2に示すように、透明で中空の球状に形成され太陽光を受光する受光体10と、端面が受光体10の空間e内に露出してこの受光体10内に取り込まれた光を伝送する光ファイバFを多数本束ねて構成されるファイバ集合体11とを備えて構成されている。受光体10は、例えば、樹脂やガラスで形成されている。この受光体10の空間e内は、真空にしてある。
【0025】
ファイバ集合体11において、光ファイバFとしては、周知のものを用いることができる。ファイバ集合体11の集合体端面12は、各光ファイバFの端面を連続させた連続面に形成されている。実施の形態では、平面に形成されている。ファイバ集合体11の直径は、受光体10の直径より小さく、受光体10を貫通して設けられている。光ファイバF同士及び受光体10との境界部は、受光体10の真空を保持できるようにシールされている。
【0026】
また、受光体10の空間eには、透明な光ファイバFaを細断したチップ13が多数充填されている。透明な光ファイバFaとしては、例えば、クラッド材に低屈折率のフッ素系ポリマーを用い、コア材に高屈折率のメタクリル樹脂を用いたプラスチック製の光ファイバを用いている。クラッド材及びコア材の材質はこれらに限定されない。そして、チップ13は、直径Dが、D=0.5mm~3mm、長さLが、L=0.5mm~3mmに設定されている。実施の形態では、チップ13は、透明な光ファイバFaとして、直径Dが、D=1mmのものと、D=2mmのものを用い、夫々、長さLが、L=1mm~2mmに細断して形成されている。
【0027】
更に、集光装置Sは、建物1の所要部位に受光体10を支持して設置するための支持体14を備えている。実施の形態では、支持体14は、ファイバ集合体11が貫通する貫通孔15を有し、受光体10のファイバ集合体11がある側を面支持するブロック状に形成されており、図示外のビス等の取付け手段により建物1の屋根やベランダ等からなる取付部2に固定される。
【0028】
実施の形態に係る放光装置Hは、図3に示すように、上記の集光装置Sと略同様に形成されており、透明で中空の球状に形成され光を放光する放光体20と、端面がこの放光体20の空間e内に露出し伝送された光をこの空間e内に供給する光ファイバFを多数本束ねて構成されるファイバ集合体21とを備えて構成されている。放光体20は、例えば、樹脂やガラスで形成されており、上記の集光装置Sのものと同じものが用いられる。この放光体20の空間e内は、上記と同様に真空にしても良く、また、特に真空にしなくても良い。
【0029】
ファイバ集合体21において、光ファイバFとしては、周知のものを用いることができ、上記の集光装置Sのものと同じものが用いられる。ファイバ集合体21の集合体端面22は、各光ファイバFの端面を連続させた連続面に形成されている。実施の形態では、平面に形成されている。ファイバ集合体21の直径は、放光体20の直径より小さく、放光体20を貫通して設けられている。光ファイバF同士及び放光体20との境界部は、放光体20を真空にする場合には放光体20の真空を保持できるようにシールされている。放光体20を真空にしない場合にもシールすることが望ましい。
【0030】
また、放光体20の空間eには、透明な光ファイバFaを細断したチップ23が多数充填されている。透明な光ファイバFaとしては、例えば、クラッド材に低屈折率のフッ素系ポリマーを用い、コア材に高屈折率のメタクリル樹脂を用いたプラスチック製の光ファイバを用いている。クラッド材及びコア材の材質はこれらに限定されない。そして、チップ23は、直径Dが、D=0.5mm~3mm、長さLが、L=0.5mm~3mmに設定されている。実施の形態では、放光装置Hで用いるチップ23は、上記の集光装置Sで用いるチップ13と同じもので構成され、透明な光ファイバFaとして、直径Dが、D=1mmのものと、D=2mmのものを用い、夫々、長さLが、L=1mm~2mmに細断して形成されている。
【0031】
更に、放光装置Hは、建物1内部に放光体20を保持して設置するための保持体24を備えている。実施の形態では、保持体24は、ファイバ集合体21が貫通する貫通孔25を有し、放光体20のファイバ集合体21がある側を面保持するブロック状に形成されており、図示外のビス等の取付け手段により建物1の例えば天井や壁からなる取付部2に固定される。
【0032】
そして、実施の形態に係る太陽光照明システムTにおいては、主には、建物1内部の暗所用として、あるいは、電灯の補助的な照明として用いる。図1に示すように、例えば、集光装置Sの受光体10は複数(図では3個)用いられ、屋根やベランダの等の適宜個所に設置されている。一方、放光装置Hの放光体20も複数(図では4個)用いられ、建物1の部屋の天井に適宜設置されている。集光装置Sのファイバ集合体11と放光装置Hのファイバ集合体21とは、適宜連設されている。連設は、一体のファイバ集合体を用いることで実現され、あるいは、周知のコネクタを用いて接続することもできる。また、ファイバ集合体11を分割して、1つの集光装置Sから複数の放光装置Hに配線し、あるいは、ファイバ集合体21を分割して、複数の集光装置Sから1つの放光装置Hに配線することもできる。集光装置Sや放光装置Hの設置は、建物1の条件等に応じ適宜に行ってよい。
【0033】
従って、実施の形態に係る太陽光照明システムTによれば、集光装置Sの受光体10に太陽光が照射されると、太陽光が受光体10内に入り、ファイバ集合体11の集合体端面12に入射し、ファイバ集合体11,21により伝送され、放光装置Hのファイバ集合体21の集合体端面22から放光体20内に供給され、放光体20から光が放光され、照明が行われる。この際、受光体10に太陽光が照射されると、受光体10は球状に形成されているので、全方位的に太陽光を取り入れることができる。また、ファイバ集合体11は、光ファイバFを多数本束ねて構成されているので、それだけ、集光効率を向上させることができる。特に、ファイバ集合体11の集合体端面12が、各光ファイバFの端面を連続させた連続面に形成されているので、集光効率をより一層向上させることができる。
【0034】
更に、受光体10内には、透明な光ファイバFaを細断したチップ13が充填されているので、光が透過しながら乱反射することから、この点でも、集光効率を向上させることができ、機能性を向上させることができる。また、受光体10にチップ13を充填してファイバ集合体11を配線する構成なので、構造を簡単にすることができる。
【0035】
また、太陽光により受光体10が熱せられるが、受光体10内部が真空なので、熱伝導しにくくなり、熱の悪影響を防止することができる。
【0036】
一方、集光装置Sからの光がファイバ集合体21を通って放光体20内に供給されると、放光体20から光が放光されていく。この場合、放光体20は球状に形成されているので、光を放射状に放光させることができる。また、ファイバ集合体21は、光ファイバFを多数本束ねて構成されるので、それだけ、放光効率を向上させることができる。特に、ファイバ集合体21の集合体端面22が、各光ファイバFの端面を連続させた連続面に形成されているので、放光効率をより一層向上させることができる。
【0037】
更に、放光体20内には、透明な光ファイバFaを細断したチップ23が充填されているので、光が透過しながら乱反射することから、この点でも、放光効率を向上させることができ、機能性を向上させることができる。また、放光体20にチップ23を充填してファイバ集合体21を配線する構成なので、構造を簡単にすることができる。
【0038】
このように、実施の形態に係る太陽光照明システムTにおいては、集光装置Sは、集光効率が向上させられ、放光装置Hは、放光効率が向上させられているので、システム全体の機能性を向上させることができる。また、構造を簡単にすることができる。
【0039】
図4には、本発明の別の実施の形態に係る集光装置Sを示している、これは上記と同様に構成されるが、上記と異なって、ファイバ集合体11の集合体端面12が、弧面に形成されている。弧面は、凹面でも良く、凸面でも良い。図では、凸面のものを示す。そのため、ファイバ集合体11の集光面積を広くすることができ、より一層集光効率を向上させることができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0040】
図5には、本発明のまた別の実施の形態に係る集光装置Sを示している。これは、図2に示す受光体10を、透明で中空の球状に形成される外殻30内に収納し、受光体10の外面と外殻30の内面との間の空間kを真空にした構成としている。支持体14は外殻30を支持するように形成されている。尚、この例では、ファイバ集合体11の集合体端面12を、平面に形成しているが、図4に示すように、弧面に形成したものでも良い。これにより、受光体10の外面と外殻30の内面との間の空間kに真空の断熱層が形成されるので、熱伝導しにくくなり、熱の悪影響を確実に防止することができる。
【0041】
図6には、本発明の別の実施の形態に係る放光装置Hを示している。これは上記と同様に構成されるが、上記と異なって、ファイバ集合体21の集合体端面22が、弧面に形成されている。弧面は、凹面でも良く、凸面でも良い。図では、凸面のものを示す。そのため、ファイバ集合体21の放光面積を広くすることができ、より一層放光効率を向上させることができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0042】
尚、上記実施の形態に係る集光装置Sや放光装置Hにおいて、各部の大きさや材質などは上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。また、上記実施の形態に係る太陽光照明システムTにおいて、集光装置Sの受光体10を建物1に設けたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、庭等にスタンドを介して設置しても良く、建物1の外部であればどこに設置しても良く、適宜変更して差支えない。本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
T 太陽光照射システム
S 集光装置
H 放光装置
1 建物
2 取付部
10 受光体
e 空間
F 光ファイバ
11 ファイバ集合体
12 集合体端面
13 チップ
Fa 透明な光ファイバ
14 支持体
15 貫通孔
20 放光体
21 ファイバ集合体
22 集合体端面
23 チップ
24 保持体
25 貫通孔
30 外殻
k 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6