(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058080
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】化粧具
(51)【国際特許分類】
A45D 40/20 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
A45D40/20 F ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167838
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】522042751
【氏名又は名称】ナッチコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】城野 康浩
(57)【要約】
【課題】例えば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいても、芯を使い終わった後、化粧用容器を丸ごと廃棄し、新しいものに買い替えることのなく芯のみを簡易に交換でき、化粧具はそのまま継続使用が出来る化粧具を提供する。
【解決手段】本発明は、円柱状中空部の内周面に螺旋溝6が設けられた螺旋杆7と、前記螺旋溝6に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杆7の回転操作により螺旋杆7の先端開口から進退可能とされた進退棒9と進退棒9の先端に設けられた芯つかみ部材8とを有する芯チャック部材5と、前記芯チャック部材5が挿入されるホルダー2とを備え、前記芯つかみ部材8は、円柱状の基部11と該基部11の上面外周端から周方向に間隔をあけ、かつ上方に向けて植設された複数のつかみ片12とを有し、該芯つかみ部材8は、前記ホルダー2の先端開口から前記基部11の上面が露出するまで突出可能な構成とされたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杆と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杆の回転操作により螺旋杆の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設された複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記ホルダーの先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされた、
ことを特徴とする化粧具。
【請求項2】
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とする請求項1記載の化粧具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアイブロウ、アイライナーなどの化粧具に係り、特に、購入者自身で芯材を容易に交換でき、もって使い終わった容器を廃棄することなく繰り返し利用できる化粧具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧具、例えば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいて、従来より、使い捨てタイプ、すなわち、芯を使い終わったら、プラスチック製の化粧用容器自体を丸ごと廃棄し、新しい芯の入った化粧具に買い替える使い捨てタイプが主流となっていた。
【0003】
ところが、近年においては、CO2の削減、プラスチック製品による海洋環境破壊の解消が世界的に解決すべきテーマとなっており、もって従来からのプラスチック製品は、バイオマス製品やリサイクル製品に置き換える動きが徐々に活発になっている。
【0004】
しかしながら、前記プラスチック製品の置き換えの動きに際しては、製品コストがアップする、あるいは機能性低下があるなどの課題があり、業界においても前記置き換えに関し決して急速な進展が見られるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記従来の課題に対処すべく創案されたものであり、例えば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいても、芯を使い終わった後、化粧用容器を丸ごと廃棄し、新しいものに買い替えることのなく芯のみを簡易に交換でき、化粧具はそのまま継続使用が出来る化粧具を提供することを目的とするものである。
【0007】
すなわち、本発明は、4R(Refuse、Reduce、Reuse、Recycle)の概念の中で特に、Reduce(排出抑制)とReuse(繰り返し使える)に焦点を当てたものといえる。そして、エシカル消費(倫理的な消費行動)も浸透しており、環境に配慮し、なおかつ経済性の高い本発明はユーザーにとって大変大きなメリットとなると考えられる。
【0008】
ここで、アイブロウやアイライナーに使用される芯は、樹脂と煉り合せた硬い文具の芯とは異なり、オイルとワックスを基材として化粧材用ペンシル芯を構成している。そして、該化粧材用ペンシル芯は柔らかいため、丁寧な扱いが必要とされている。また、芯を保持する芯チャックと呼ばれる部品に僅かに残った芯の残滓部分について、それらを残さずにきれいに引き抜くことはきわめて困難である。
【0009】
従来では、使い終わった芯が芯チャックに残ってしまい、例えば、新しい芯を装填して繰り返し化粧具を使用できるタイプに変更しても、前記芯チャックに残った芯の残滓部分をきれいに排除して掃除することは従来の容器の構造上(芯チャックが容器内部に止まるため)困難であるとの課題があった。
【0010】
また、従来から芯は色毎に別々の化粧具に装填されており、各種の色の化粧材製品を購入するときには各種の色の分だけ化粧材製品を購入する必要があった。そのため、売り場においても色の数分だけ化粧具などの展示が必要となっていた。
【0011】
しかしながら、本発明によれば、化粧具と替え芯とを別売りすることで、化粧具のSKU(在庫管理単位)は1つとなり、メーカーの在庫リスクを低減させることが出来ることにもなる。
さらに、替え芯は数本セットしても容量が小さく、場所を取らないため、貴重な売り場の店頭を効率よく活用できるという利点もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杆と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杆の回転操作により螺旋杆の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設された複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記ホルダーの先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされた、
ことを特徴とし、
または、
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の化粧具によれば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいても、芯を使い終わった後、化粧用容器を丸ごと廃棄し、新しいものに買い替えることなく芯のみの交換で今までの化粧用容器を廃棄することなく継続して使用でき、また芯の交換も簡易に交換できる構造にしてあると共に、芯チャックに残った芯の残滓もきれいに排除できて掃除が出来る構造としてあり、もって化粧用容器を廃棄することなくそのまま繰り返し使用が出来るので購買者の負担を低減でき、しかも地球環境に優しい化粧具を提供できるとの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
図1に本発明による化粧具1を示す。
該化粧具1は、内部に略円柱状の中空部を有して略円筒状に構成されたホルダー2を有している。ホルダー2の先端側はペン先3として先端に向かって窄んだ形に構成されており、その先端開口から棒状をなす化粧用の芯4が適宜長さで突出するよう構成されている。
【0015】
符号5は芯チャック部材であり、該芯チャック部材5は、前記ホルダー2の後端開口からホルダー2の前記中空部内に挿入されて、ホルダー2内に取り付け固定される様に構成されている。
【0016】
すなわち、芯チャック部材5の後端側外周面には例えばリング状に張り出す係止突条14が設けられており、該係止突条14がホルダー2の中空部内周面に設けられたリング状の凹条に嵌め込まれてホルダー2内に芯チャック部材5が取り付けられる様構成されている。しかも芯チャック部材5は前記の取り付け方法によりホルダー2内においてホルダー2の軸方向を回転軸として回転出来る構成になっている。
【0017】
ここで、芯チャック部材5は、複数部品を組み合わせて構成されている。
まず、内部に円柱状の中空部を有し、外形状は円筒状をなして形成され、前記中空部の内周面には螺旋溝6が設けられた螺旋杆7を備えている。
【0018】
また、芯つかみ部材8も芯チャック部材5の構成部品として有する。該芯つかみ部材8は、前記螺旋杆7の中空部に遊嵌され、螺旋杆7の長手方向に移動可能とされた棒状の進退棒9を有し、この進退棒9の先端には芯4を掴んで保持する芯つかみ部10が設けられている。この芯つかみ部10は、例えば進退棒9の先端に円柱状の基部11を有し、該基部11の先端面外周端から周方向に間隔をあけ、かつ上方に向けて立設された複数個のつかみ片12を有して構成されている。
【0019】
さらに
図2から理解されるように、前記複数個のつかみ片12の先端側が外側に反り返った形状に構成されると共に、先端側に向かってつかみ片12の内周面が削られ薄くなった形状とされて、この複数個のつかみ片12で囲まれて構成された芯挿入空間に柔らかい芯4が差し込みやすい差し込みガイド口17として構成してある(
図2参照)。よって、柔らかい芯4を該差し込みガイド口17に挿入するとき、前記柔らかい芯4を傷つけずに基部11の上面まで押し込むことが出来るものとなる。また、複数個のつかみ片12の間には所定の間隔が設けてあり、それぞれのつかみ片12が独立して設けてあるため、つかみ片12は前記挿入空間の内側及び外側に弾性を有して立設されるものとなる。従って、この弾性を有するつかみ片12の構成によっても柔らかい芯4を傷つけることがなく装着できるよう構成されている。
【0020】
ところで、複数個のつかみ片12の外周面側には外側に突出する突起13が各々設けられており、複数個のつかみ片12がホルダー2の中空部内に退出したとき、該突起13が前記中空部壁に当接する。すると、各々のつかみ片12が内側に窄み、掴んである芯4をさらに強固に嵌着できるように構成されている。
【0021】
さらに、各々のつかみ片12の内周面には芯抜け防止用の例えば芯つかみ片10の長手方向に延びる縦状のリブ26が突設されており、該リブ26によって掴んである芯4をさらに強固に嵌着し、柔らかい芯4を痛めることなくその抜けを防止している。
【0022】
また、前記進退棒9の後端側外周面には前記螺旋溝6に嵌まって螺旋溝6に沿って移動することにより、螺旋杆7を回転させたとき、螺旋杆7の先端開口から進退棒9を進退可能とすべく、ガイド突起15が少なくとも一対設けられている。しかもこのガイド突起15は、螺旋溝6側に弾発性を有して取り付けられており、螺旋杆7の上下方向において、螺旋溝6の部分がなくなった箇所において螺旋杆7の回転を継続したとしても、さらに螺旋杆7の上下方向に進退棒9が移動しないよう構成されている。すなわち、前記回転が継続されたときにおいて、前記ガイド突起15は螺旋溝6の溝壁を乗り越えて、隣の螺旋溝6に移動するのである。さらに、前記回転を継続して行っても前記ガイド突起15は螺旋溝6の溝壁を乗り越えて、隣の螺旋溝6に移動する動作が繰り返されるだけであり、もって進退棒9は決してホルダー2から飛び出さない。
【0023】
以上において、本発明の化粧具の組み立て、さらには使用方法につき説明する。
前記芯つかみ部材8につき、前記芯つかみ部10を先端側にし、ガイド突起15が設けられている方を後端側にして螺旋杆7の先端開口から螺旋杆7の中空部内に挿入する。その際、ガイド突起15を螺旋杆7の螺旋溝6内に嵌め込ませ、続いて螺旋杆7あるいは芯つかみ部材8を回転させて、螺旋杆7の奥側まで芯つかみ部材8を進入さ手おく。その状態での芯チャック部材5をホルダー2の後端開口から挿入し、前記係止突条14を前記ホルダー2のリング状をなす凹条と嵌合させる。このようにして本発明の化粧具1が組み立てられる。
【0024】
ホルダー2を保持して、螺旋杆7の後端つまみ16を回転させるとホルダー2の先端開口から、
図1に示すように芯つかみ部材8における芯つかみ部10の基部11が露出するまで突出させることが出来る。このように突出させた芯つかみ部10内に芯4を嵌入させ、前記後端つまみ16を逆回転させる。すると、螺旋溝7内を突起13が移動して芯つかみ部材8はホルダー2内に退出するものとなる。
【0025】
そして、使用に際しては、芯4をホルダー2の先端開口から適宜長さ突出させてアイブロウ、アイライナーとして使用する。
使用により、芯4が極めて短くなり、交換しなくてはならない場合には、ホルダー2を保持して、螺旋杆7の後端つまみ16を回転させるとホルダー2の先端開口から、
図2に示すように、芯つかみ部材8における芯つかみ部10の基部11が露出するまで突出させる。このように突出させた芯つかみ部10内の短くなった芯4を取り出す。次いで、露出しているつかみ片12や基部11の上面を掃除して、芯4の残滓部分を取り払い、新しい替え芯4をつかみ片12内の装着空間内に差し込む。
【0026】
次いで、再び、後端つまみ16を逆回転させて芯4をホルダー2内に退出させる。そして、使用の際には適宜の長さの芯4を突出させて使用することになる。
尚、本発明はあらゆる芯径、あらゆる芯形状にも対応でき、さらにキャップつき、キャップなしの双方の容器にも対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の構成を説明する構成説明図(1)である。
【
図2】本発明の芯つかみ部材の構成を説明する構成説明図である。
【
図3】本発明の構成を説明する構成説明図(2)である。
【符号の説明】
【0028】
1 化粧具
2 ホルダー
3 ペン先
4 芯
5 芯チャック部材
6 螺旋溝
7 螺旋杆
8 芯つかみ部材
9 進退棒
10 芯つかみ部
11 基部
12 つかみ片
13 突起
14 係止突起
15 ガイド突起
16 後端つまみ
26 リブ
【手続補正書】
【提出日】2022-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアイブロウ、アイライナーなどの化粧具に係り、特に、購入者自身で芯材を容易に交換でき、もって使い終わった容器を廃棄することなく繰り返し利用できる化粧具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧具、例えば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいて、従来より、使い捨てタイプ、すなわち、芯を使い終わったら、プラスチック製の化粧用容器自体を丸ごと廃棄し、新しい芯の入った化粧具に買い替える使い捨てタイプが主流となっていた。
【0003】
ところが、近年においては、CO2の削減、プラスチック製品による海洋環境破壊の解消が世界的に解決すべきテーマとなっており、もって従来からのプラスチック製品は、バイオマス製品やリサイクル製品に置き換える動きが徐々に活発になっている。
【0004】
しかしながら、前記プラスチック製品の置き換えの動きに際しては、製品コストがアップする、あるいは機能性低下があるなどの課題があり、業界においても前記置き換えに関し決して急速な進展が見られるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記従来の課題に対処すべく創案されたものであり、例えば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいても、芯を使い終わった後、化粧用容器を丸ごと廃棄し、新しいものに買い替えることのなく芯のみを簡易に交換でき、化粧具はそのまま継続使用が出来る化粧具を提供することを目的とするものである。
【0007】
すなわち、本発明は、4R(Refuse、Reduce、Reuse、Recycle)の概念の中で特に、Reduce(排出抑制)とReuse(繰り返し使える)に焦点を当てたものといえる。そして、エシカル消費(倫理的な消費行動)も浸透しており、環境に配慮し、なおかつ経済性の高い本発明はユーザーにとって大変大きなメリットとなると考えられる。
【0008】
ここで、アイブロウやアイライナーに使用される芯は、樹脂と煉り合せた硬い文具の芯とは異なり、オイルとワックスを基材として化粧材用ペンシル芯を構成している。そして、該化粧材用ペンシル芯は柔らかいため、丁寧な扱いが必要とされている。また、芯を保持する芯チャックと呼ばれる部品に僅かに残った芯の残滓部分について、それらを残さずにきれいに引き抜くことはきわめて困難である。
【0009】
従来では、使い終わった芯が芯チャックに残ってしまい、例えば、新しい芯を装填して繰り返し化粧具を使用できるタイプに変更しても、前記芯チャックに残った芯の残滓部分をきれいに排除して掃除することは従来の容器の構造上(芯チャックが容器内部に止まるため)困難であるとの課題があった。
【0010】
また、従来から芯は色毎に別々の化粧具に装填されており、各種の色の化粧材製品を購入するときには各種の色の分だけ化粧材製品を購入する必要があった。そのため、売り場においても色の数分だけ化粧具などの展示が必要となっていた。
【0011】
しかしながら、本発明によれば、化粧具と替え芯とを別売りすることで、化粧具のSKU(在庫管理単位)は1つとなり、メーカーの在庫リスクを低減させることが出来ることにもなる。
さらに、替え芯は数本セットしても容量が小さく、場所を取らないため、貴重な売り場 の店頭を効率よく活用できるという利点もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杵と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杵の回転操作により螺旋杵の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設された複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記ホルダーの先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされた、
ことを特徴とし、
または、
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の化粧具によれば、化粧用繰り出し式ペンシルなどにおいても、芯を使い終わった後、化粧用容器を丸ごと廃棄し、新しいものに買い替えることなく芯のみの交換で今までの化粧用容器を廃棄することなく継続して使用でき、また芯の交換も簡易に交換できる構造にしてあると共に、芯チャックに残った芯の残滓もきれいに排除できて掃除が出来る構造としてあり、もって化粧用容器を廃棄することなくそのまま繰り返し使用が出来るので購買者の負担を低減でき、しかも地球環境に優しい化粧具を提供できるとの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
本発明の構成を説明する構成説明図(1)である。
【
図2】
本発明の芯つかみ部材の構成を説明する構成説明図である。
【
図3】
本発明の構成を説明する構成説明図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
図1に本発明による化粧具1を示す。
該化粧具1は、内部に略円柱状の中空部を有して略円筒状に構成されたホルダー2を有している。ホルダー2先端側はペン先3として先端に向かって窄んだ形に構成されており、その先端開口から棒状をなす化粧用の芯4が適宜長さで突出するよう構成されている。
【0016】
符号5は芯チャック部材であり、該芯チャック部材5は、前記ホルダー2の後端開口からホルダー2の前記中空部内に挿入されて、ホルダー2内に取り付け固定される様に構成されている。
【0017】
すなわち、芯チャック部材5の後端側外周面には例えばリング状に張り出す係止突条14が設けられており、該係止突条14がホルダー2の中空部内周面に設けられたリング状の凹条に嵌め込まれてホルダー2内に芯チャック部材5が取り付けられる様構成されている。しかも芯チャック部材5は前記の取り付け方法によりホルダー2内においてホルダー2の軸方向を回転軸として回転出来る構成になっている。
【0018】
ここで、芯チャック部材5は、複数部品を組み合わせて構成されている。
まず、内部に円柱状の中空部を有し、外形状は円筒状をなして形成され、前記中空部の内周面には螺旋溝6が設けられた螺旋杵7を備えている。
【0019】
また、芯つかみ部材8も芯チャック部材5の構成部品として有する。該芯つかみ部材8は、前記螺旋杵7の中空部に遊嵌され、螺旋杵7の長手方向に移動可能とされた棒状の進退棒9を有し、この進退棒9の先端には芯4を掴んで保持する芯つかみ部10が設けられている。この芯つかみ部10は、例えば進退棒9の先端に円柱状の基部11を有し、該基部11の先端面外周端から周方向に間隔をあけ、かつ上方に向けて立設された複数個のつかみ片12を有して構成されている。
【0020】
さらに
図2から理解されるように、前記複数個のつかみ片12の先端側が外側に反り返った形状に構成されると共に、先端側に向かってつかみ片12の内周面が削られ薄くなった形状とされて、この複数個のつかみ片12で囲まれて構成された芯挿入空間に柔らかい芯4が差し込みやすい差し込みガイドロ17として構成してある(
図2参照)。よって、柔らかい芯4を該差し込みガイドロ17に挿入するとき、前記柔らかい芯4を傷つけずに基部11の上面まで押し込むことが出来るものとなる。また、複数個のつかみ片12の間には所定の間隔が設けてあり、それぞれのつかみ片12が独立して設けてあるため、つかみ片12は前記挿入空間の内側及び外側に弾性を有して立設されるものとなる。従って、この弾性を有するつかみ片12の構成によっても柔らかい芯4を傷つけることがなく装着できるよう構成されている。
【0021】
ところで、複数個のつかみ片12の外周面側には外側に突出する突起13が各々設けられており、複数個のつかみ片12がホルダー2の中空部内に退出したとき、該突起13が前記中空部壁に当接する。すると、各々のつかみ片12が内側に窄み、掴んである芯4をさらに強固に嵌着できるように構成されている。
【0022】
さらに、各々のつかみ片12の内周面には芯抜け防止用の例えば芯つかみ片10の長手方向に延びる縦状のリブ26が突設されており、該リブ26によって掴んである芯4をさらに強固に嵌着し、柔らかい芯4を痛めることなくその抜けを防止している。
【0023】
また、前記進退棒9の後端側外周面には前記螺旋溝6に嵌まって螺旋溝6に沿って移動することにより、螺旋杵7を回転させたとき、螺旋杵7の先端開口から進退棒9を進退可能とすべく、ガイド突起15が少なくとも一対設けられている。しかもこのガイド突起15は、螺旋溝6側に弾発性を有して取り付けられており、螺旋杵7の上下方向において、螺旋溝6の部分がなくなった箇所において螺旋杵7の回転を継続したとしても、さらに螺旋杵7の上下方向に進退棒9が移動しないよう構成されている。すなわち、前記回転が継続されたときにおいて、前記ガイド突起15は螺旋溝6の溝壁を乗り越えて、隣の螺旋溝6に移動するのである。さらに、前記回転を継続して行っても前記ガイド突起15は螺旋溝6の溝壁を乗り越えて、隣の螺旋溝6に移動する動作が繰り返されるだけであり、もって進退棒9は決してホルダー2から飛び出さない。
【0024】
以上において、本発明の化粧具の組み立て、さらには使用方法につき説明する。
前記芯つかみ部材8につき、前記芯つかみ部10を先端側にし、ガイド突起15が設けられている方を後端側にして螺旋杵7の先端開口から螺旋杵7の中空部内に挿入する。その際、ガイド突起15を螺旋杵7の螺旋溝6内に嵌め込ませ、続いて螺旋杵7あるいは芯つかみ部材8を回転させて、螺旋杵7の奥側まで芯つかみ部材8を進入させておく。その状態での芯チャック部材5をホルダー2の後端開口から挿入し、前記係止突条14を前記ホルダー2のリング状をなす凹条と嵌合させる。このようにして本発明の化粧具1が組み立てられる。
【0025】
ホルダー2を保持して、螺旋杵7の後端つまみ16を回転させるとホルダー2の先端開口から、
図1に示すように芯つかみ部材8における芯つかみ部10の基部11が露出するまで突出させることが出来る。このように突出させた芯つかみ部10内に芯4を嵌入させ、前記後端つまみ16を逆回転させる。すると、螺旋溝
6内を突起13が移動して芯つかみ部材8はホルダー2内に退出するものとなる。
【0026】
そして、使用に際しては、芯4をホルダー2の先端開口から適宜長さ突出させてアイブロウ、アイライナーとして使用する。
使用により、芯4が極めて短くなり、交換しなくてはならない場合には、ホルダー2を保持して、螺旋杵7の後端つまみ16を回転させるとホルダー2の先端開口から、
図2に示すように、芯つかみ部材8における芯つかみ部10の基部11が露出するまで突出させる。このように突出させた芯つかみ部10内の短くなった芯4を取り出す。次いで、露出しているつかみ片12や基部11の上面を掃除して、芯4の残滓部分を取り払い、新しい替え芯4をつかみ片12内の装着空間内に差し込む。
【0027】
次いで、再び、後端つまみ16を逆回転させて芯4をホルダー2内に退出させる。そして、使用の際には適宜の長さの芯4を突出させて使用することになる。
尚、本発明はあらゆる芯径、あらゆる芯形状にも対応でき、さらにキャップつき、キャップなしの双方の容器にも対応できるものである。
【符号の説明】
【0028】
1 化粧具
2 ホルダー
3 ペン先
4 芯
5 芯チャック部材
6 螺旋溝
7 螺旋杵
8 芯つかみ部材
9 進退棒
10 芯つかみ部
11 基部
12 つかみ片
13 突起
14 係止突起
15 ガイド突起
16 後端つまみ
26 リブ
【手続補正書】
【提出日】2022-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杵と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杵の回転操作により前記螺旋杵の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
先端まで貫通した中空部壁を形成した筒状を呈し、前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設され、前記進退の際に前記中空部壁によりガイドされる複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記中空部壁の先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされ、
前記複数のつかみ片をガイドする前記中空部壁の部分は、前記進退方向に直線状に形成されている、
ことを特徴とする化粧具。
【請求項2】
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とする請求項1記載の化粧具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明は、
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杵と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杵の回転操作により前記螺旋杵の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
先端まで貫通した中空部壁を形成した筒状を呈し、前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設され、前記進退の際に前記中空部壁によりガイドされる複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記中空部壁の先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされ、
前記複数のつかみ片をガイドする前記中空部壁の部分は、前記進退方向に直線状に形成されている、
ことを特徴とし、
または、
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とするものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杵と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杵の回転操作により前記螺旋杵の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
先端まで貫通した内周壁を形成した筒状を呈し、前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設された複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記内周壁の先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされ、
前記ホルダーの先端側は先端に向かって窄んだペン先を構成し、
前記ペン先の前記内周壁の部分は、前記進退方向に直線状に形成されている、
ことを特徴とする化粧具。
【請求項2】
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とする請求項1記載の化粧具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明は、
円柱状中空部の内周面に螺旋溝が設けられた螺旋杵と、
前記螺旋溝に嵌合する嵌合部を有し前記螺旋杵の回転操作により前記螺旋杵の先端開口から進退可能とされた進退棒と進退棒の先端に設けられた芯つかみ部材とを有する芯チャック部材と、
先端まで貫通した内周壁を形成した筒状を呈し、前記芯チャック部材が挿入されるホルダーとを備え、
前記芯つかみ部材は、円柱状の基部と該基部の上面外周端から周方向に間隔をあけて、かつ上方に向けて植設された複数のつかみ片とを有し、
該芯つかみ部材は、前記内周壁の先端開口から前記基部の上面が露出するまで突出可能な構成とされ、
前記ホルダーの先端側は先端に向かって窄んだペン先を構成し、
前記ペン先の前記内周壁の部分は、前記進退方向に直線状に形成されている、
ことを特徴とし、
または、
前記芯つかみ片の外側面には、外側に突出する突起が設けられた、
ことを特徴とするものである。