(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058088
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】シリンダ装置
(51)【国際特許分類】
F16F 9/512 20060101AFI20230418BHJP
B61F 5/24 20060101ALI20230418BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20230418BHJP
F16F 15/023 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
F16F9/512
B61F5/24 F
F16F15/02 B
F16F15/023 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167849
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】山崎 晋平
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴之
【テーマコード(参考)】
3J048
3J069
【Fターム(参考)】
3J048AC04
3J048BE03
3J048CB21
3J069AA50
3J069EE62
(57)【要約】
【課題】重量およびコストを低減可能なシリンダ装置を提供する。
【解決手段】本発明のシリンダ装置C1は、シリンダ2と、シリンダ2内をロッド側室5とピストン側室6とに区画するピストン3と、ピストン3に連結されるロッド4とを有するシリンダ本体1と、タンク8と、第1開閉弁12と、第2開閉弁14と、シリンダ本体1の伸縮作動時に液体が通過する減衰通路21と、減衰通路21に並列されるバイパス減衰通路25と、減衰通路21に設けられた減衰弁22と、バイパス減衰通路25に設けられたバイパス減衰通路減衰弁26と、減衰弁22よりも上流に設けられ、上流側の圧力が所定圧力未満の場合に減衰通路21を開放するとともにバイパス減衰通路25を遮断し、上流側の圧力が所定圧力以上の場合に減衰通路21を遮断するとともにバイパス減衰通路25を開放する方向切換弁28とを備えて構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されるシリンダと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるロッドと、を有するシリンダ本体と、
前記液体を貯留するタンクと、
前記ロッド側室と前記ピストン側室との連通と遮断とを切り換える第1開閉弁と、
前記ピストン側室と前記タンクとの連通と遮断とを切り換える第2開閉弁と、
前記シリンダ本体の伸縮作動時に前記液体が通過する減衰通路と、
前記減衰通路に並列されるバイパス減衰通路と、
前記減衰通路に設けられた減衰弁と、
前記バイパス減衰通路に設けられたバイパス減衰通路減衰弁と、
前記減衰弁よりも上流に設けられ、上流側の圧力が所定圧力未満の場合に前記減衰通路を開放するとともに前記バイパス減衰通路を遮断し、上流側の前記圧力が所定圧力以上の場合に前記減衰通路を遮断するとともに前記バイパス減衰通路を開放する方向切換弁とを備えた
ことを特徴とするシリンダ装置。
【請求項2】
液体が充填されるシリンダと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるロッドと、を有するシリンダ本体と、
前記液体を貯留するタンクと、
前記ロッド側室と前記ピストン側室との連通と遮断とを切り換える第1開閉弁と、
前記ピストン側室と前記タンクとの連通と遮断とを切り換える第2開閉弁と、
前記シリンダ本体の伸縮作動時に前記液体が通過する減衰通路と、
前記減衰通路に並列されるバイパス減衰通路と、
前記減衰通路に設けられた減衰弁と、
前記バイパス減衰通路に設けられたバイパス減衰通路減衰弁と、
前記減衰通路の前記減衰弁よりも上流に設けられて上流側の圧力が所定圧力未満の場合に前記減衰通路を開放するとともに上流側の前記圧力が所定圧力以上の場合に前記減衰通路を遮断する減衰通路開閉弁と、
前記バイパス減衰通路の前記バイパス減衰通路減衰弁よりも上流に設けられて上流側の圧力が所定圧力未満の場合に前記バイパス減衰通路を遮断するとともに上流側の前記圧力が所定圧力以上の場合に前記バイパス減衰通路を開放するバイパス減衰通路開閉弁とを備えた
ことを特徴とするシリンダ装置。
【請求項3】
前記ピストン側室に連通される共通通路と、
一端が前記減衰通路を介して前記ロッド側室に連通されるとともに他端が前記共通通路を介して前記ピストン側室に連通されて、前記第1開閉弁が設けられる第1通路と、
一端が前記共通通路を介して前記ピストン側室に連通されるとともに他端が前記タンクに連通されて、前記第2開閉弁が設けられる第2通路と、
前記共通通路に設けられた共通通路開閉弁とを備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシリンダ装置は、たとえば、鉄道車両に車体の進行方向に対して左右方向の振動を抑制する鉄道車両用制振装置として利用される。鉄道車両用制振装置は、車体と台車との間に介装される複数のシリンダ装置で構成されており、シリンダ装置が発揮する推力或いは減衰力によって車体の振動を抑制する。
【0003】
従来のシリンダ装置は、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内に挿入されてピストンに連結されるロッドと、シリンダ内にピストンで区画したロッド側室とピストン側室と、タンクと、ロッド側室とタンクとを連通する減衰通路の途中に設けた電磁リリーフ弁とで構成される(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、従来のシリンダ装置は、電磁リリーフ弁によりシリンダ内の圧力を制御して、シリンダ装置が発生する推力或いは減衰力を高低調節して、鉄道車両の車体の振動を抑制する。
【0005】
また、従来のシリンダ装置は、電磁リリーフ弁の下流に減衰弁を通る通路と、当該通路に並列される迂回路とを設けて、当該通路と当該迂回路とを切換弁で選択して切り換えることができる。このように構成された従来のシリンダ装置では、大きな振動が入力されると、切換弁が減衰弁が設けられた通路を選択し、減衰弁が高い減衰力を発揮させるので、大きな振動入力に対しても鉄道車両における車体の振動を抑制し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のシリンダ装置では、大きな振動が入力されてシリンダ内の圧力が非常に高くなると、電磁リリーフ弁に高圧が作用するために、高圧に耐え得る電磁リリーフ弁を採用しなければならない。すると、電磁リリーフ弁の強度確保のために電磁リリーフ弁の構成部品の肉厚を厚くする等の対策が必要となり、電磁リリーフ弁の重量が重くなり、シリンダ装置全体の重量も嵩むとともにコストも嵩んでしまうといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、重量およびコストを低減可能なシリンダ装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシリンダ装置は、液体が充填されるシリンダと、シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともにシリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドとを有するシリンダ本体と、液体を貯留するタンクと、ロッド側室とピストン側室との連通と遮断とを切り換える第1開閉弁と、ピストン側室とタンクとの連通と遮断とを切り換える第2開閉弁と、シリンダ本体の伸縮作動時に液体が通過する減衰通路と、減衰通路に並列されるバイパス減衰通路と、減衰通路に設けられた減衰弁と、バイパス減衰通路に設けられたバイパス減衰通路減衰弁と、減衰弁よりも上流に設けられ、上流側の圧力が所定圧力未満の場合に減衰通路を開放するとともにバイパス減衰通路を遮断し、上流側の圧力が所定圧力以上の場合に減衰通路を遮断するとともにバイパス減衰通路を開放する方向切換弁とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他のシリンダ装置は、液体が充填されるシリンダと、シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともにシリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドとを有するシリンダ本体と、液体を貯留するタンクと、ロッド側室とピストン側室との連通と遮断とを切り換える第1開閉弁と、ピストン側室とタンクとの連通と遮断とを切り換える第2開閉弁と、シリンダ本体の伸縮作動時に液体が通過する減衰通路と、減衰通路に並列されるバイパス減衰通路と、減衰通路に設けられた減衰弁と、バイパス減衰通路に設けられたバイパス減衰通路減衰弁と、減衰通路の減衰弁よりも上流に設けられて上流側の圧力が所定圧力未満の場合に減衰通路を開放するとともに上流側の圧力が所定圧力以上の場合に減衰通路を遮断する減衰通路開閉弁と、バイパス減衰通路のバイパス減衰通路減衰弁よりも上流に設けられて上流側の圧力が所定圧力未満の場合にバイパス減衰通路を遮断するとともに上流側の前記圧力が所定圧力以上の場合にバイパス減衰通路を開放するバイパス減衰通路開閉弁とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このように構成されたシリンダ装置によれば、伸長作動時および収縮作動時において上流側の圧力が所定圧力以上になると方向切換弁が減衰通路を遮断してバイパス減衰通路を連通させるか、或いは、伸長作動時および収縮作動時において上流側の圧力が所定圧力以上になると減衰通路開閉弁が減衰通路を遮断してバイパス減衰通路開閉弁がバイパス減衰通路を連通させるので、減衰弁が高圧に曝されるのを阻止して減衰弁を保護しつつも、バイパス減衰通路減衰弁によって減衰力を発揮できる。
【0012】
また、減衰通路の減衰弁よりも上流に設けられて減衰通路を開閉する減衰通路開閉弁と、バイパス減衰通路のバイパス減衰通路減衰弁よりも上流に設けられてバイパス減衰通路を開閉するバイパス減衰通路開閉弁とを備えているシリンダ装置によれば、軽量小型な複数の開閉弁で減衰通路とバイパス減衰通路との切り換えを行え、開閉弁を適正に配置することで装置全体を小型化できる。
【0013】
さらに、シリンダ装置は、ピストン側室に連通される共通通路と、一端が減衰通路を介してロッド側室に連通されるとともに共通通路を介してピストン側室に連通されて第1開閉弁が設けられる第1通路と、一端が共通通路を介してピストン側室に連通されるとともに他端がタンクに連通されて第2開閉弁が設けられる第2通路と、共通通路に設けられた共通通路開閉弁とを備えてもよい。
【0014】
このように構成されたシリンダ装置によれば、減衰通路および減衰弁の構成部品の重量増を回避できるだけでなく、共通通路開閉弁を設けることより第1通路、第2通路、第1開閉弁および第2開閉弁が高圧に曝されるのを抑制できるので、第1通路、第2通路、第1開閉弁および第2開閉弁の構成部品の重量増を回避でき、より効果的に装置全体の重量とコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】鉄道車両に搭載した状態におけるシリンダ装置を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態におけるシリンダ装置の液圧回路図である。
【
図3】第1の実施の形態の第1変形例におけるシリンダ装置の液圧回路図である。
【
図4】第1の実施の形態の第2変形例におけるシリンダ装置の液圧回路図である。
【
図5】第2の実施の形態におけるシリンダ装置の液圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。なお、以下に説明する各実施の形態のシリンダ装置C1,C2,C3,C4において共通する構成については同じ符号を付し、説明の重複を避けるために、第1の実施の形態の説明において説明した構成については他の実施の形態における説明では詳細な説明を省略する。なお、本実施の形態では、シリンダ装置C1,C2,C3,C4を鉄道車両Vの車体Bの制振に利用しているが、シリンダ装置C1,C2,C3,C4は、鉄道車両Vの制振以外に利用されてもよい。
【0017】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態におけるシリンダ装置C1は、
図1に示すように、鉄道車両Vの車体Bと台車Tとの間に介装されて、車体Bの制振に利用されている。シリンダ装置C1は、鉄道車両Vの場合、車体Bの下方に垂下されるピンPに連結され、車体Bと台車Tとの間で対を成して並列に介装されている。台車Tは、車輪Wを回転自在に保持しており、車体Bと台車Tとの間には、懸架ばねCSが介装され、車体Bが下方から弾性支持されることにより、台車Tに対する車体Bの横方向への移動が許容されている。
【0018】
シリンダ装置C1は、
図2に示すように、シリンダ本体1と、液体を貯留するタンク8と、第1開閉弁12と、第2開閉弁14と、シリンダ本体1の伸縮作動時に液体が通過する減衰通路21と、減衰通路21に並列されるバイパス減衰通路25と、減衰通路21に設けられた減衰弁としての可変リリーフ弁22と、バイパス減衰通路25に設けられて可変リリーフ弁22よりも液体の流れに大きな抵抗を与えるバイパス減衰通路減衰弁26と、方向切換弁28とを備えている。
【0019】
以下、第1の実施の形態のシリンダ装置C1の各部について詳細に説明する。
図2に示すように、シリンダ本体1は、
図2に示すように、液体が充填されるシリンダ2と、シリンダ2内に軸方向へ移動可能に挿入されてシリンダ2内をロッド側室5とピストン側室6とに区画するピストン3と、シリンダ2内に軸方向へ移動可能に挿入されてピストン3に連結されるロッド4と、シリンダ2とシリンダ2の外周を覆う外筒7とを備えている。そして、シリンダ装置C1は、シリンダ2が鉄道車両Vの車体Bに連結されるとともに、ロッド4が台車Tに連結されて、車体Bと台車Tとの間に介装される。
【0020】
シリンダ2およびシリンダ2を覆う外筒7の
図2中左端側の開口部は、環状のロッドガイド9によって閉塞され、シリンダ2および外筒7の
図2中右端側の開口部は、両者に嵌合するボトムキャップ10によって閉塞されている。このように、シリンダ2と外筒7との間の環状の隙間は、ロッドガイド9とボトムキャップ10によって閉鎖されており、液体を貯留するタンク8を形成している。
【0021】
ロッドガイド9内には、シリンダ2内に移動自在に挿入されるロッド4が摺動自在に挿入されており、ロッド4の軸方向の移動がロッドガイド9によって案内される。また、ロッド4は、ロッドガイド9を通して一端をシリンダ2外へ突出させており、シリンダ2内の他端をシリンダ2内に移動自在に挿入されるピストン3に連結している。
【0022】
なお、ロッド4の外周、ロッドガイド9とシリンダ2との間、ロッドガイド9と外筒7との間、シリンダ2とボトムキャップ10との間および外筒7とボトムキャップ10との間は、それぞれ、図示を省略したシール部材によってシールされている。これによりシリンダ2内およびタンク8は密閉状態に維持されている。
【0023】
そして、シリンダ2内にピストン3によって区画されるロッド側室5とピストン側室6には、液体が充填されるとともに、タンク8には、液体が貯留される他に気体が充填されている。なお、タンク8内は、特に、気体を圧縮して充填して加圧状態とする必要は無い。また、液体は、たとえば、作動油とされるが、作動油以外の他の液体とされてもよい。
【0024】
シリンダ装置C1は、図示はしないが、ロッド4が鉄道車両Vの台車と車体の一方に、シリンダ2が台車と車体の他方に連結されて、台車と車体との間に介装される。シリンダ装置C1は、片ロッド型に設定されているので、両ロッド型のシリンダ装置に比較してストローク長を確保しやすく、シリンダ装置C1の全長が短くなって、鉄道車両Vへの搭載性が向上する。なお、ロッド4の
図2中左端とシリンダ2の右端を閉塞するボトムキャップ10とには、図示しない取付け部を備えており、このシリンダ装置C1を鉄道車両Vにおける車体Bと台車Tとの間に介装できるようになっている。
【0025】
また、
図2に示すように、第1の実施の形態のシリンダ装置C1は、ピストン側室6からロッド側室5へ向かう流れのみを許容する整流通路18を備えている。なお、整流通路18は、ピストン3以外に設けてもよい。さらに、本例のシリンダ装置C1は、タンク8からピストン側室6へ向かう流れのみを許容する吸込通路19を備えている。
【0026】
つづいて、減衰通路21は、一端がロッド側室5に接続されるとともに他端がタンク8に接続されて、ロッド側室5とタンク8とを連通している。また、減衰通路21には、減衰弁が設けられている。本実施の形態のシリンダ装置C1では、減衰弁は、開弁圧を変更可能な可変リリーフ弁22とされている。可変リリーフ弁22は、本例では、ソレノイドを備えた比例電磁リリーフ弁とされており、供給される電流量に応じて開弁圧を調節でき、前記電流量が最大となると開弁圧を最小とし、電流の供給がないと開弁圧を最大とするようになっている。より、具体的には、可変リリーフ弁22は、詳しくは図示しないが、減衰通路21を開閉する弁体22aと、弁体22aを収容するとともに減衰通路21に連通される弁孔を有する図外のハウジングと、弁体22aを閉弁方向に付勢するばね22bと、通電時に弁体22aを開弁方向へ付勢する推力を発揮するソレノイド22cと、弁体22aの上流の圧力をパイロット圧として弁体22aに作用させて当該パイロット圧によって弁体22aを開弁方向へ付勢するために設けられるパイロット通路22dとを主な構成部品として備えている。
【0027】
なお、減衰弁は、弁体を駆動するソレノイド等の駆動源を備えてシリンダ装置C1が発揮する減衰力(推力)を調整可能な減衰弁であればよく、可変リリーフ弁22の他にも、ソレノイド等の駆動源によってスプールを駆動して流路面積を変更可能な可変絞り弁や、特開2017-82874号公報に開示されているように、開閉弁およびパッシブ弁が設けられる通路と可変リリーフ弁が設けられる通路とを並列に備えており1つのソレノイド等の駆動源で開閉弁の開閉と可変リリーフ弁の開弁圧の制御を行うようなバルブユニットであってもよい。
【0028】
また、バイパス減衰通路25は、一端がロッド側室5に接続されるとともに他端がタンク8に接続されており、減衰通路21と並列してロッド側室5とタンク8とを連通している。そして、バイパス減衰通路25には、バイパス減衰通路減衰弁26が設けられている。バイパス減衰通路減衰弁26は、図示したところでは、手動操作によって開口面積を調整可能な可変オリフィスとされているが、固定オリフィスやリリーフ弁であってもよい。
【0029】
本実施の形態のシリンダ装置C1では、方向切換弁28は、減衰通路21の途中であって、減衰弁としての可変リリーフ弁22および第1通路11の接続点よりも上流のロッド側室側に設けられた弁体28aと、方向切換弁28よりも上流であるロッド側室側の圧力をパイロット圧として弁体28aへ作用させるパイロット通路28dと、パイロット圧に対抗して弁体28aを付勢するばね28eとを備えて、2位置3ポートの方向切換弁とされている。
【0030】
弁体28aは、減衰通路21を連通させるとともにバイパス減衰通路25を遮断する減衰通路連通ポジション28bと、減衰通路21を遮断するとともにバイパス減衰通路25を連通させるバイパス減衰通路連通ポジション28cとを備えている。
【0031】
パイロット通路28dは、減衰通路21の方向切換弁28よりも上流側の圧力を弁体28aに作用させるように導いている。弁体28aは、前記圧力によって受ける力でバイパス減衰通路連通ポジション28cを採るように常に付勢されている。これに対して、ばね28eは、減衰通路連通ポジション28bを採るように弁体28aを付勢している。よって、弁体28aは、前記圧力によって弁体28aが受ける力がばね28eの付勢力を上回るまでは、減衰通路連通ポジション28bを採り、前記圧力が上昇して弁体28aを押圧する力がばね28eの付勢力を上回るとバイパス減衰通路連通ポジション28cを採るようになる。そして、方向切換弁28は、上流側の圧力が所定圧力以上になると、減衰通路連通ポジション28bからバイパス減衰通路連通ポジション28cへ切り換わる。
【0032】
以上より、方向切換弁28は、上流であるロッド側室5の圧力が所定圧力未満である場合には、減衰通路21を開放して可変リリーフ弁22を通じて液体をタンク8へ流す。他方、方向切換弁28は、上流であるロッド側室5の圧力が所定圧力以上である場合には、バイパス減衰通路25を選択してバイパス減衰通路減衰弁26を通じて液体をタンク8へ流す。よって、ロッド側室5の圧力が所定圧力以上となると、減衰弁としての可変リリーフ弁22には液体が流れなくなる。なお、方向切換弁28が減衰通路21を遮断するようになる上流側の圧力である所定圧力は、少なくとも可変リリーフ弁22が耐え得る圧力未満に設定される。
【0033】
また、第1の実施の形態のシリンダ装置C1では、液圧回路の保護のために、減衰通路21およびバイパス減衰通路25に対して並列してロッド側室5とタンク8とを連通する保護通路29と、保護通路29に設けたリリーフ弁30とを備えている。リリーフ弁30は、ロッド側室5の圧力が予め設定された上限圧力に達すると開弁して、シリンダ本体1内から液体をタンク8へ排出させて、シリンダ本体1内の圧力が過大となるのを防止して、シリンダ装置C1を保護している。
【0034】
さらに、第1の実施の形態のシリンダ装置C1にあっては、一端がロッド側室5に接続される減衰通路21の途中であって方向切換弁28と減衰弁としての可変リリーフ弁22との間に、他端がピストン側室6に接続されている共通通路27に、それぞれ接続される第1通路11を備えている。第1通路11は、減衰通路21および方向切換弁28を介してロッド側室5に連通され、共通通路27を介してピストン側室6に連通されている。よって、第1通路11は、ロッド側室5とピストン側室6とを連通している。また、第1通路11には、第1開閉弁12が設けられている。第1開閉弁12は、電磁開閉弁とされており、ロッド側室5とピストン側室6とを連通する連通ポジションとロッド側室5とピストン側室6との連通を絶つ遮断ポジションとを備えており、通電時には第1通路11を開放してロッド側室5とピストン側室6とを連通し、非通電時には第1通路11を遮断してロッド側室5とピストン側室6とを遮断する。このように、第1開閉弁12は、ロッド側室5とピストン側室6との連通と遮断とを切り換える。
【0035】
また、本例のシリンダ装置C1にあっては、一端がピストン側室6に接続されている共通通路27に、他端がタンク8に、それぞれ接続される第2通路13を備えている。第2通路13は、共通通路27を介してピストン側室6とタンク8とを連通しており、この第2通路13には、第2開閉弁14が設けられている。第2開閉弁14は、電磁開閉弁とされており、ピストン側室6とタンク8とを連通する連通ポジションと、ピストン側室6とタンク8との連通を絶つ遮断ポジションとを備えており、通電時には第2通路13を開放してピストン側室6とタンク8とを連通し、非通電時には第2通路13を遮断してピストン側室6とタンク8とを遮断する。このように、第2開閉弁14は、ピストン側室6とタンク8との連通と遮断とを切り換える。
【0036】
このように、第1通路11は、減衰通路21の可変リリーフ弁22よりも上流側であって方向切換弁28よりも下流側から分岐して共通通路27に接続されており、第2通路13は、共通通路27から分岐してタンク8に接続されている。
【0037】
このように構成されたシリンダ装置C1は、以下のように作動する。第1開閉弁12および第2開閉弁14が遮断ポジションを採る場合にあって、外力を受けてシリンダ本体1が伸長すると、圧縮されるロッド側室5から液体が押し出される。そして、拡大するピストン側室6には吸込通路19を通じてタンク8から液体が供給される。この伸長作動時において減衰通路21の方向切換弁28の上流であるロッド側室5の圧力が所定圧力未満である場合、方向切換弁28がバイパス減衰通路25を遮断して減衰通路21を連通させるため、シリンダ装置C1は、シリンダ2内から押し出された液体の流れに可変リリーフ弁22で抵抗を与えて、シリンダ本体1の伸長を抑制する減衰力を発揮する。そして、可変リリーフ弁22へ供給する電流量の調整によって可変リリーフ弁22の開弁圧を変更できるので、本実施の形態のシリンダ装置C1によれば、伸長側の減衰力の調整が可能である。
【0038】
また、伸長作動時においてロッド側室5の圧力が所定圧力以上になると、方向切換弁28が減衰通路21を遮断してバイパス減衰通路25を連通させるため、シリンダ装置C1は、シリンダ2内から押し出された液体の流れにバイパス減衰通路減衰弁26で抵抗を与えて、伸長を抑制する減衰力を発揮する。
【0039】
反対に、第1開閉弁12および第2開閉弁14が遮断ポジションを採る場合にあって、外力を受けてシリンダ本体1が収縮すると、整流通路18を介して圧縮されるピストン側室6から拡大するロッド側室5へ液体が移動する。また、シリンダ装置C1の収縮時には、ロッド4がシリンダ2内に侵入するため、ロッド4がシリンダ2内に侵入する体積分の液体がシリンダ2内で過剰となってシリンダ2外へ押し出される。この収縮作動時において、減衰通路21の方向切換弁28の上流であるロッド側室5の圧力が所定圧力未満では、方向切換弁28がバイパス減衰通路25を遮断して減衰通路21を連通させるため、シリンダ装置C1は、シリンダ2内から押し出された液体の流れに可変リリーフ弁22で抵抗を与えて、シリンダ本体1の収縮を抑制する減衰力を発揮する。そして、可変リリーフ弁22へ供給する電流量の調整によって可変リリーフ弁22の開弁圧を変更できるので、本実施の形態のシリンダ装置C1によれば、収縮側の減衰力の調整が可能である。
【0040】
また、収縮作動時においてロッド側室5の圧力が所定圧力以上になると、方向切換弁28が減衰通路21を遮断してバイパス減衰通路25を連通させるため、シリンダ装置C1は、シリンダ2内から押し出された液体の流れにバイパス減衰通路減衰弁26で抵抗を与えて、シリンダ本体1の収縮を抑制する減衰力を発揮する。
【0041】
なお、このシリンダ装置C1の場合、ロッド4の断面積をピストン3の断面積の二分の一にして、ピストン3のロッド側室5側の受圧面積がピストン側室6側の受圧面積の二分の一となるようになっている。よって、シリンダ装置C1の伸長時と収縮時とでシリンダ2内から減衰通路21或いはバイパス減衰通路25を通じてタンク8へ排出される液体の流量が等しくなる。よって、シリンダ装置C1は、伸縮両側でピストン3の移動速度が同じであれば、等しい減衰力を発揮できる。
【0042】
なお、第1開閉弁12も第2開閉弁14も非通電時に遮断ポジションを採り、電力供給不能な失陥時には、本例のシリンダ装置C1は、前述のように伸縮に対して必ず減衰力を発揮するので、パッシブなダンパとして機能する。
【0043】
また、本例のシリンダ装置C1にあっては、第1開閉弁12を連通ポジションとして第2開閉弁14を遮断ポジションとする場合、ロッド側室5とピストン側室6が第1通路11を介して連通されるが第2通路13を介してのピストン側室6とタンク8との連通が絶たれる。この状態でシリンダ本体1が外力を受けて収縮すると、ロッド4がシリンダ2内に侵入する体積分の液体がロッド側室5から減衰通路21へ向けて押し出されるので、ロッド側室5の圧力に応じて方向切換弁28が選択する可変リリーフ弁22或いはバイパス減衰通路減衰弁26によってシリンダ本体1の収縮を抑制する減衰力を発揮する。他方、この状態で、シリンダ本体1が伸長すると、縮小するロッド側室5から拡大するピストン側室6へ第1通路11を介して液体が移動し、ロッド4がシリンダ2から退出する体積分の液体が吸込通路19を介してタンク8からシリンダ2内へ供給される。よって、この場合、液体が減衰通路21或いはバイパス減衰通路25へ流れず、シリンダ2内がタンク圧となるので、シリンダ装置C1は減衰力を発揮しない。
【0044】
さらに、本例のシリンダ装置C1にあっては、第1開閉弁12を遮断ポジションとして第2開閉弁14を連通ポジションとする場合、第1通路11を介してのロッド側室5とピストン側室6の連通が絶たれるが、ピストン側室6とタンク8とが第2通路13を介して連通される。この状態でシリンダ本体1が外力を受けて伸長すると、ロッド側室5の縮小に伴ってロッド側室5から液体が減衰通路21へ向けて押し出されるので、ロッド側室5の圧力に応じて方向切換弁28が選択する可変リリーフ弁22或いはバイパス減衰通路減衰弁26によってシリンダ本体1の伸長を抑制する減衰力を発揮する。他方、この状態で、シリンダ本体1が収縮すると、縮小するピストン側室6から拡大するロッド側室5へ整流通路18を介して液体が移動し、ロッド4がシリンダ2内へ侵入する体積分の液体が第2通路13を介してピストン側室6からタンク8内へ排出される。よって、この場合、液体が減衰通路21或いはバイパス減衰通路25へ流れず、シリンダ2内がタンク圧となるので、シリンダ装置C1は減衰力を発揮しない。このように、このシリンダ装置C1では、伸長と収縮のいずれか一方を選択して減衰力を発揮する片利きのダンパとして機能できる。
【0045】
このように、第1開閉弁12を連通ポジションとして第2開閉弁14を遮断ポジションとする場合および第1開閉弁12を遮断ポジションとして第2開閉弁14を連通ポジションとする場合には、前述したように、伸長或いは収縮のいずれか一方に対してのみシリンダ装置C1が減衰力を発揮するモードとなる。よって、たとえば、このモードを選択すれば、減衰力を発揮する方向が鉄道車両Vの台車Tの振動により車体Bを加振してしまう方向である場合、そのような方向には減衰力を出さないようにシリンダ装置C1を片効きのダンパとできる。よって、このシリンダ装置C1では、カルノップのスカイフック理論に基づくセミアクティブ制御を容易に実現できるため、シリンダ装置C1をスカイフックセミアクティブダンパとして機能させ得る。
【0046】
また、第1開閉弁12および第2開閉弁14を開弁させた状態では、ロッド側室5とピストン側室6とがタンク8に連通されて、ロッド側室5の圧力とピストン側室6の圧力とがタンク圧となって、シリンダ装置C1はシリンダ本体1が伸長しても収縮しても減衰力を発生しないアンロード状態となる。
【0047】
なお、保護通路29に設けられたリリーフ弁30の開弁圧は、前述の所定圧力よりも高く、第1の実施の形態のシリンダ装置C1では、シリンダ2内の圧力がリリーフ弁30の開弁圧に達すると、液体は、バイパス減衰通路減衰弁26のみならず、リリーフ弁30を介してタンク8へ移動するので、シリンダ2内の圧力が過大となるのが防止され、シリンダ装置C1が保護される。
【0048】
以上のように、第1の実施の形態のシリンダ装置C1は、液体が充填されるシリンダ2と、シリンダ2内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともにシリンダ2内をロッド側室5とピストン側室6とに区画するピストン3と、シリンダ2内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともにピストン3に連結されるロッド4とを有するシリンダ本体1と、シリンダ本体1の伸縮作動時に液体が通過する減衰通路21と、減衰通路21に並列されるバイパス減衰通路25と、減衰通路21に設けられた可変リリーフ弁(減衰弁)22と、バイパス減衰通路25に設けられたバイパス減衰通路減衰弁26と、可変リリーフ弁(減衰弁)22よりも上流に設けられ、上流側の圧力が所定圧力未満の場合に減衰通路21を開放するとともにバイパス減衰通路25を遮断し、上流側の圧力が所定圧力以上の場合に減衰通路21を遮断するとともにバイパス減衰通路25を開放する方向切換弁28とを備えて構成されている。
【0049】
このように構成されたシリンダ装置C1は、伸長作動時および収縮作動時においてロッド側室5の圧力が所定圧力以上になると方向切換弁28が減衰通路21を遮断してバイパス減衰通路25を連通させる。このように、シリンダ装置C1では、シリンダ本体1が大きな振動の入力によって伸縮する際にシリンダ2内の圧力が所定圧力以上の高圧になると方向切換弁28が減衰通路21を遮断し、減衰弁としての可変リリーフ弁22が高圧に曝されるのを阻止して可変リリーフ弁22を保護しつつも、バイパス減衰通路減衰弁26によって減衰力を発揮できる。したがって、高圧に耐え得る可変リリーフ弁22を採用しなくともよいので、可変リリーフ弁22および減衰通路21の強度確保のための可変リリーフ弁22および減衰通路21の構成部品の重量増を回避できる。以上より、本実施の形態のシリンダ装置C1によれば、装置全体の重量とコストを低減できる。
【0050】
なお、減衰通路21は、シリンダ2内とタンク8とを連通しており、可変リリーフ弁22の下流側は常にタンク圧となっており、下流側から高圧が作用することがないため、方向切換弁28で減衰通路21の可変リリーフ弁22の上流を遮断すれば可変リリーフ弁22が高圧に曝されることはない。
【0051】
方向切換弁28が減衰通路21を遮断するようになる上流側の圧力である所定圧力は、可変リリーフ弁22が耐え得る圧力未満に設定されているので、可変リリーフ弁22が劣化するような高圧が可変リリーフ弁22に作用することがなく、可変リリーフ弁22を安全に使用できる。
【0052】
バイパス減衰通路減衰弁26の圧力流量特性は、可変リリーフ弁22の圧力流量特性とは無関係に設定できるが、シリンダ2内の圧力が非常に高圧となる状況は、シリンダ本体1に大きな振動が入力している状況であると考えられる。そのため、方向切換弁28が減衰通路21を遮断する状況下では、バイパス減衰通路減衰弁26が可変リリーフ弁22で発揮可能な減衰力よりも高い減衰力を発揮して車体Bの振動を十分に減衰できるように、バイパス減衰通路減衰弁26の圧力流量特性を設定するとよい。
【0053】
なお、
図3に示した第1の実施の形態の第1変形例のシリンダ装置C2のように、方向切換弁28に加えて、共通通路27に共通通路27を開閉する共通通路開閉弁31を備えていてもよい。共通通路開閉弁31は、共通通路27に設けられた弁体31aと、共通通路27の共通通路開閉弁31よりもピストン側室側の圧力をパイロット圧として弁体31aへ作用させるパイロット通路31dと、パイロット圧に対抗して弁体31aを付勢するばね31eとを備えている。
【0054】
弁体31aは、共通通路27を連通させる連通ポジション31bと、共通通路27を遮断する遮断ポジション31cとを備えている。パイロット通路31dは、ピストン側室6の圧力を弁体31aに作用させるように導いている。弁体31aは、前記圧力によって受ける力で遮断ポジション31cを採るように常に付勢されている。これに対して、ばね31eは、連通ポジション31bを採るように弁体31aを付勢している。よって、弁体31aは、前記圧力によって弁体31aが受ける力がばね31eの付勢力を上回るまでは、連通ポジション31bを採り、前記圧力が上昇して弁体31aを押圧する力がばね31eの付勢力を上回ると遮断ポジション31cを採るようになる。そして、共通通路開閉弁31は、ピストン側室6の圧力が第2所定圧力以上になると、連通ポジション31bから遮断ポジション31cへ切り換わる。
【0055】
以上より、共通通路開閉弁31は、ピストン側室6の圧力が第2所定圧力未満である場合には、共通通路27を開放して第1通路11における第1開閉弁12および第2通路13における第2開閉弁14を有効とし、ピストン側室6の圧力が第2所定圧力以上である場合には、共通通路27を遮断して第1通路11における第1開閉弁12および第2通路13における第2開閉弁14が高圧に曝されるのを阻止する。なお、共通通路開閉弁31が共通通路27を遮断するようになるピストン側室6の圧力である第2所定圧力は、少なくとも第1開閉弁12および第2開閉弁14が耐え得る圧力未満に設定される。なお、共通通路開閉弁31は、方向切換弁28と同様に、ロッド側室5の圧力をパイロット圧として利用してもよく、その場合には、共通通路開閉弁31は、ロッド側室5の圧力が第2所定圧力未満である場合には共通通路27を開放し、ロッド側室5の圧力が第2所定圧力以上である場合には共通通路27を遮断して第1開閉弁12および第2開閉弁14が高圧に曝されるのを阻止する。
【0056】
共通通路27が共通通路開閉弁31によって遮断され、減衰通路21が方向切換弁28によって遮断される状態では、シリンダ装置C2は、パッシブダンパとして機能して、シリンダ本体1の伸縮に対してバイパス減衰通路減衰弁26或いはバイパス減衰通路減衰弁26に加えてリリーフ弁30によって減衰力を発揮する。
【0057】
このように構成された第1の実施の形態の第1変形例のシリンダ装置C2によれば、減衰弁として可変リリーフ弁22および減衰通路21の強度確保のための可変リリーフ弁22および減衰通路21の構成部品の重量増を回避できるだけでなく、共通通路開閉弁31を設けることより第1通路11、第2通路13、第1開閉弁12および第2開閉弁14が高圧に曝されるのを抑制できるので、第1通路11、第2通路13、第1開閉弁12および第2開閉弁14の構成部品の重量増を回避できる。よって、本実施の形態のシリンダ装置C2によれば、より効果的に装置全体の重量とコストを低減できる。
【0058】
共通通路27に共通通路開閉弁31を設けても、第1開閉弁12および第2開閉弁14を開弁させた状態では、シリンダ2内のロッド側室5とピストン側室6とがタンク8に連通されているので、ロッド側室5の圧力もピストン側室6の圧力もタンク圧となるため、共通通路開閉弁31が共通通路27を遮断することがないのでシリンダ装置C2をアンロードできる。
【0059】
なお、共通通路開閉弁31が共通通路27を遮断するようになるピストン側室6或いはロッド側室5の圧力である第2所定圧力と方向切換弁28が減衰通路21を遮断するようになるロッド側室5の圧力である所定圧力とは、同じ値に設定されてもよいし、別個独立に設定されてもよい。
【0060】
また、
図4に示した第1の実施の形態の第2変形例のシリンダ装置C3のように、第1の形態のシリンダ装置C1の構成に加えて、タンク8とロッド側室5とを連通する供給通路16と、この供給通路16に設けられて液体をタンク8から吸い上げてロッド側室5へ吐出するポンプ15と、供給通路16のポンプ15の吐出側に設けられてロッド側室5からタンク8へ向かう液体の流れを阻止する逆止弁17とを備えてもよい。
【0061】
ポンプ15は、図示しないコントローラに制御されるモータ20によって駆動され、一方向のみに液体を吐出するポンプとされている。また、ポンプ15は、供給通路16に吸込口をタンク8側に吐出口をロッド側室5側に向けて設置されていて、モータ20によって駆動されるとタンク8から液体を吸込んでロッド側室5へ液体を供給する。
【0062】
前述のようにポンプ15は、一方向のみに液体を吐出するのみで回転方向の切換動作がないので、回転切換時に吐出量が変化するといった問題は皆無であり、安価なギアポンプ等を使用できる。
【0063】
さらに、ポンプ15の回転方向が常に同一方向であるので、ポンプ15を駆動する駆動源であるモータ20にあっても回転切換に対する高い応答性が要求されず、その分、モータ20も安価なものを使用できる。なお、逆止弁17は、シリンダ装置C3が外力によって強制的に伸縮させられる際に、ポンプ15側への液体の逆流を阻止するために設けてある。
【0064】
つづいて、前記のように構成されたシリンダ装置C3に所望の伸長方向の推力を発揮させる場合、モータ20を回転させポンプ15からシリンダ2内へ液体を供給しつつ、第1開閉弁12を連通ポジションとし第2開閉弁14を遮断ポジションとする。すると、ロッド側室5とピストン側室6とが連通状態におかれて両者にポンプ15から液体が供給され、ピストン3が
図4中左方へ押されシリンダ装置C3は伸長方向の推力を発揮する。ロッド側室5内およびピストン側室6内の圧力が可変リリーフ弁22の開弁圧を上回ると、可変リリーフ弁22が開弁して液体が減衰通路21を介してタンク8へ排出される。よって、ロッド側室5内およびピストン側室6内の圧力は、可変リリーフ弁22に与える電流量で決まる可変リリーフ弁22の開弁圧に等しくなるように調整される。そして、シリンダ装置C3は、ピストン3におけるピストン側室6側とロッド側室5側の受圧面積差にロッド側室5内およびピストン側室6内の圧力を乗じた値の伸長方向の推力を発揮する。
【0065】
これに対して、シリンダ装置C3に所望の収縮方向の推力を発揮させる場合、モータ20を回転させてポンプ15からロッド側室5内へ液体を供給しつつ、第1開閉弁12を遮断ポジションとし第2開閉弁14を連通ポジションとする。すると、ピストン側室6とタンク8が連通状態におかれるとともにロッド側室5にポンプ15から液体が供給されるので、ピストン3が
図4中右方へ押されシリンダ装置C3は収縮の推力を発揮する。そして、前述と同様に、可変リリーフ弁22へ与える電流量の調節により、シリンダ装置C3は、ピストン3におけるロッド側室5側の受圧面積とロッド側室5内の圧力を乗じた収縮方向の推力を発揮する。このようにシリンダ装置C3は、アクチュエータとして機能できるのである。
【0066】
また、第1開閉弁12を開き第2開閉弁14を閉じた状態で、外力でロッド4が
図4中左方へ移動する場合、ポンプ15の駆動の有無に拘わらず、シリンダ装置C3はロッド4の移動を妨げる方向、つまり、収縮方向の力を発揮しない。この場合、ポンプ15が駆動中では、ロッド4がシリンダ2から退出する際に減少するシリンダ2内における体積変化にポンプ15の吐出流量が追い付かなくなるが、吸込通路19を通じてタンク8からシリンダ2内へ液体が供給される。また、この場合において、ポンプ15が駆動していない場合には、ロッド4がシリンダ2から退出する体積分の液体が吸込通路19を通じてタンク8からシリンダ2内へ液体が供給される。いずれにせよ、この場合には、シリンダ2内の圧力はタンク圧となるから、シリンダ装置C3はロッド4の移動を妨げる方向、つまり、収縮方向の減衰力を発揮しない。
【0067】
なお、第1開閉弁12を開き第2開閉弁14を閉じた状態で、外力でロッド4が
図4中右方へ移動する場合、ポンプ15の駆動の有無に拘わらず、シリンダ2内へのロッド4の侵入によってシリンダ2内から押し出された液体は、減衰通路21を通じてタンク8へ戻される。この場合には、シリンダ2内の圧力が可変リリーフ弁22によって所望の圧力に制御されるので、シリンダ装置C3はロッド4の移動を妨げる方向、つまり、伸長方向の力を発揮できる。
【0068】
他方、第1開閉弁12を閉じ第2開閉弁14を開いた状態で、外力でロッド4が
図4中右方へ移動する場合、ポンプ15の駆動の有無に拘わらず、シリンダ装置C3はロッド4の移動を妨げる方向、つまり、伸長方向の力を発揮しない。この場合、ポンプ15が駆動中では、ロッド4がシリンダ2へ進入する際に増加するロッド側室5内における体積変化にポンプ15の吐出流量が追い付かなくなるが、整流通路18を通じてピストン側室6からロッド側室5内へ液体が供給される。また、ロッド4がシリンダ2内へ進入するために、シリンダ2内でロッド4のシリンダ2侵入分の体積の液体が過剰となるが、圧縮側のピストン側室6が第2通路13を通じており、この過剰分の液体がタンク8へ排出される。また、この場合において、ポンプ15が駆動していない場合にも、駆動中と同様に、ロッド4がシリンダ2へ進入する際に増加するロッド側室5内の体積分の液体が整流通路18を通じてピストン側室6から供給される。そして、過剰となるロッド4のシリンダ2侵入分の体積の液体は、圧縮されるピストン側室6から第2通路13を介してタンク8へ排出される。いずれにせよ、この場合には、シリンダ2内の圧力はタンク圧となるから、シリンダ装置C3はロッド4の移動を妨げる方向、つまり、伸長方向の減衰力を発揮しない。
【0069】
なお、第1開閉弁12を閉じて第2開閉弁14を開いた状態で、外力でロッド4が
図4中左方へ移動する場合、ポンプ15の駆動の有無に拘わらず、ロッド側室5から押し出された液体は、減衰通路21を通じてタンク8へ戻される。この場合には、ロッド側室5内の圧力が可変リリーフ弁22によって所望の圧力に制御されるので、シリンダ装置C3はロッド4の移動を妨げる方向、つまり、収縮方向の力を発揮できる。
【0070】
つまり、第1開閉弁12を開いて第2開閉弁14を閉じる場合或いは第1開閉弁12を閉じて第2開閉弁14を開く場合、ポンプ15の駆動状況に拘わらず、シリンダ装置C3は、外力からの振動入力に対して伸長或いは収縮のいずれか一方にのみ減衰力を発揮する状態となる。
【0071】
よって、本例のシリンダ装置C3は、たとえば、力を発揮する方向が鉄道車両Vの台車Tの振動により車体Bを加振する方向である場合、そのような方向には力を出さないようにシリンダ装置C3を片効きのダンパとして機能させ得る。よって、このシリンダ装置C3は、カルノップのスカイフック理論に基づくセミアクティブ制御を容易に実現できるため、セミアクティブダンパとしても機能できる。
【0072】
そして、このシリンダ装置C3にあっても、第1の実施の形態のシリンダ装置C1の説明で理解できるように、第1開閉弁12と第2開閉弁14の開閉のみでダンパとして機能もできる。つまり、モータ20でポンプ15を駆動している状況にあっても、シリンダ装置C3が外力で強制的に伸縮させられる際には、スカイフックセミアクティブダンパとしてもパッシブダンパとして機能でき、可変リリーフ弁22の開弁圧の調節で減衰力も調節できる。このように、シリンダ装置C3は、アクチュエータとして機能するのみならず、モータ20の駆動状況に拘わらず、第1開閉弁12と第2開閉弁14の開閉のみでダンパとしても機能できる。そして、シリンダ装置C3が推力或いは減衰力を発揮すべき方向は、第1開閉弁12と第2開閉弁14の開閉のみで制御され、推力と減衰力を発揮すべき方向が同じである場合には第1開閉弁12と第2開閉弁14の開閉状態は一致する。よって、シリンダ装置C3では、アクチュエータとスカイフックセミアクティブダンパの状態の切換えを、ポンプ15の停止と駆動の切換えや、面倒かつ急峻な第1開閉弁12と第2開閉弁14の切換動作を伴わずに行える。したがって、シリンダ装置C3は、応答性および信頼性が高いシステムとなる。
【0073】
このように構成されたシリンダ装置C3は、方向切換弁28を備えているので、シリンダ装置C1と同様に、シリンダ本体1に大きな振動が入力されてロッド側室5の圧力が所定圧力以上の高圧となった場合には、方向切換弁28が減衰通路21を遮断して減衰弁としての可変リリーフ弁22を保護しつつ、バイパス減衰通路減衰弁26によってシリンダ本体1の伸縮を妨げる減衰力を発揮する。よって、第1の実施の形態の第2変形例におけるシリンダ装置C3にあっても、可変リリーフ弁22および減衰通路21の強度確保のための可変リリーフ弁22および減衰通路21の構成部品の重量増を回避できるようになり、装置全体の重量とコストを低減できる。また、シリンダ装置C3は、共通通路27に共通通路開閉弁31を備えてもよく、その場合には、第1開閉弁12および第2開閉弁14をも保護できるので、より一層、装置全体の重量とコストを低減できる。
【0074】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態におけるシリンダ装置C4は、
図5に示すように、第1の実施の形態のシリンダ装置C1の構成中の方向切換弁28に代えて、減衰通路21の減衰弁としての可変リリーフ弁22よりも上流に配置されて減衰通路21を開閉する減衰通路開閉弁33と、バイパス減衰通路25のバイパス減衰通路減衰弁26よりも上流に配置されてバイパス減衰通路25を開閉するバイパス減衰通路開閉弁34とを設けて構成された点で、シリンダ装置C1と異なっている。
【0075】
シリンダ装置C4は、前述したように、方向切換弁28に代えて、減衰通路21を開閉する減衰通路開閉弁33と、バイパス減衰通路25を開閉するバイパス減衰通路開閉弁34とを備えている。
【0076】
減衰通路開閉弁33は、減衰通路21の途中であって、減衰弁としての可変リリーフ弁22および第1通路11の接続点よりも上流のロッド側室側に設けられた弁体33aと、減衰通路21の減衰通路開閉弁33よりもロッド側室側の圧力をパイロット圧として弁体33aへ作用させるパイロット通路33dと、パイロット圧に対抗して弁体33aを付勢するばね33eとを備えている。なお、シリンダ装置C4では、第1通路11は、一端が減衰通路21および減衰通路開閉弁34を介してロッド側室5に連通されるとともに他端が共通通路27を介してピストン側室6に連通されている。
【0077】
弁体33aは、減衰通路21を連通させる連通ポジション33bと、減衰通路21を遮断する遮断ポジション33cとを備えている。パイロット通路33dは、ロッド側室5の圧力を弁体33aに作用させるように導いている。弁体33aは、前記圧力によって受ける力で遮断ポジション33cを採るように常に付勢されている。これに対して、ばね33eは、連通ポジション33bを採るように弁体33aを付勢している。よって、弁体33aは、前記圧力によって弁体33aが受ける力がばね33eの付勢力を上回るまでは、連通ポジション33bを採り、前記圧力が上昇して弁体33aを押圧する力がばね33eの付勢力を上回ると遮断ポジション33cを採るようになる。そして、減衰通路開閉弁33は、ロッド側室5の圧力が前記所定圧力以上になると、連通ポジション33bから遮断ポジション33cへ切り換わる。
【0078】
バイパス減衰通路開閉弁34は、バイパス減衰通路25の途中であって、バイパス減衰通路減衰弁26よりも上流のロッド側室側に設けられた弁体34aと、バイパス減衰通路25のバイパス減衰通路開閉弁34よりもロッド側室側の圧力をパイロット圧として弁体34aへ作用させるパイロット通路34dと、パイロット圧に対抗して弁体34aを付勢するばね34eとを備えている。
【0079】
弁体34aは、バイパス減衰通路25を遮断させる遮断ポジション34bと、バイパス減衰通路25を連通する連通ポジション34cとを備えている。パイロット通路34dは、ロッド側室5の圧力を弁体34aに作用させるように導いている。弁体34aは、前記圧力によって受ける力で連通ポジション34cを採るように常に付勢されている。これに対して、ばね34eは、遮断ポジション34bを採るように弁体34aを付勢している。よって、弁体34aは、前記圧力によって弁体34aが受ける力がばね34eの付勢力を上回るまでは、遮断ポジション34bを採り、前記圧力が上昇して弁体34aを押圧する力がばね34eの付勢力を上回ると連通ポジション34cを採るようになる。そして、バイパス減衰通路開閉弁34は、ロッド側室5の圧力が前記所定圧力以上になると、遮断ポジション34bから連通ポジション34cへ切り換わる。
【0080】
以上より、ロッド側室5の圧力が所定圧力未満である場合には、減衰通路開閉弁33は、減衰通路21を開放して液体が可変リリーフ弁22を通過し得るようにし、バイパス減衰通路開閉弁34は、バイパス減衰通路25を遮断して液体がバイパス減衰通路減衰弁26を通過しないようにする。他方、ロッド側室5の圧力が所定圧力以上である場合には、減衰通路開閉弁33は、減衰通路21を遮断して可変リリーフ弁22が高圧に曝されるのを阻止し、バイパス減衰通路開閉弁34は、バイパス減衰通路25を連通して液体がバイパス減衰通路減衰弁26を通過し得るようにする。つまり、シリンダ装置C4における減衰通路開閉弁33およびバイパス減衰通路開閉弁34は、シリンダ装置C1における方向切換弁28と同様に、シリンダ本体1の伸長作動時および収縮作動時においてロッド側室5の圧力が所定圧力未満である場合には減衰通路21を連通させてバイパス減衰通路25を遮断し、ロッド側室5の圧力が所定圧力以上になると減衰通路21を遮断してバイパス減衰通路25を連通させる。
【0081】
このように、シリンダ装置C4では、シリンダ本体1が大きな振動の入力によって伸縮する際にシリンダ2内の圧力が所定圧力以上の高圧になると減衰通路開閉弁33が減衰通路21を遮断し、減衰弁としての可変リリーフ弁22が高圧に曝されるのを阻止して可変リリーフ弁22を保護しつつも、バイパス減衰通路開閉弁34がバイパス減衰通路26を開放してバイパス減衰通路減衰弁26によって減衰力を発揮できる。したがって、高圧に耐え得る可変リリーフ弁22を採用しなくともよいので、可変リリーフ弁22および減衰通路21の強度確保のための可変リリーフ弁22および減衰通路21の構成部品の重量増を回避できる。以上より、本実施の形態のシリンダ装置C4によれば、装置全体の重量とコストを低減できる。
【0082】
また、第2の実施の形態のシリンダ装置C4では、減衰通路21の減衰弁としての可変リリーフ弁22よりも上流に設けられて上流側の圧力が所定圧力未満の場合に減衰通路21を開放するとともに上流側の圧力が所定圧力以上の場合に減衰通路21を遮断する減衰通路開閉弁33と、バイパス減衰通路25のバイパス減衰通路減衰弁26よりも上流に設けられて上流側の圧力が所定圧力未満の場合にバイパス減衰通路25を遮断するとともに上流側の圧力が所定圧力以上の場合にバイパス減衰通路25を開放するバイパス減衰通路開閉弁34とを備えている。このように減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34とを備える第2の実施の形態のシリンダ装置C4と、1つの2位置3ポートの方向切換弁28を備えた第1の実施の形態のシリンダ装置C1とを比較すると、減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34とは、方向切換弁28よりもそれぞれ軽量小型であり、シリンダ装置C4を構成する液圧回路中に分離して配置できるので、減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34の配置の自由度が高い。よって、減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34の配置を最適化することで、液圧回路を形成するバルブブロックを小型化できる。以上より、第2の実施の形態のシリンダ装置C4によれば、軽量小型な減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34とで減衰通路21とバイパス減衰通路25との切り換えを行え、開閉弁を適正に配置することで装置全体を小型化できるのである。
【0083】
なお、第2の実施の形態のシリンダ装置C4は、方向切換弁28から減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34とに変更しただけであるから、第1の実施の形態の第1変形例のシリンダ装置C2および第2変形例のシリンダ装置C3の方向切換弁28に代えて減衰通路開閉弁33とバイパス減衰通路開閉弁34とを適用可能である。
【0084】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1・・・シリンダ本体、2・・・シリンダ、3・・・ピストン、4・・・ロッド、5・・・ロッド側室、6・・・ピストン側室、8・・・タンク、11・・・第1通路、12・・・第1開閉弁、13・・・第2通路、14・・・第2開閉弁、21・・・減衰通路、22・・・可変リリーフ弁(減衰弁)、25・・・バイパス減衰通路、26・・・バイパス減衰通路減衰弁、27・・・共通通路、28・・・方向切換弁、31・・・共通通路開閉弁、33・・・減衰通路開閉弁、34・・・バイパス減衰通路開閉弁、C1,C2、C3,C4・・・シリンダ装置