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特開2023-58149ポイント管理プログラム、ポイント管理システム、およびポイント管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058149
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ポイント管理プログラム、ポイント管理システム、およびポイント管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0226 20230101AFI20230418BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230418BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230418BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230418BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20230418BHJP
【FI】
G06Q30/02 354
A63F13/79 510
A63F13/69
A63F13/35
A63F13/792
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167948
(22)【出願日】2021-10-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年10月5日に資産性ミリオンアーサー キャンペーンサイト(https://lp.shisansei.million-arthurs.com/campaign)にて公開 令和3年10月5日にニュースリリース(https://www.jp.square-enix.com/company/ja/news/2021/html/632c639f617f32341a9ca491fe68a1a7cc67602e.html)にて公開 令和3年10月5日~13日に別表記載の各URLにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(71)【出願人】
【識別番号】518180571
【氏名又は名称】double jump.tokyo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155402
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 真
(72)【発明者】
【氏名】畑 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 幸一
(72)【発明者】
【氏名】中倉 岳大
(72)【発明者】
【氏名】河村 雄大
(72)【発明者】
【氏名】満足 亮
(72)【発明者】
【氏名】松谷 幸紀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】トークンに対して、蓄積可能なポイントを付加することでトークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させる。
【解決手段】ポイント管理システムにおいて、サーバは1以上のトークンを発行し、ユーザは発行済みのトークンを購入する。ユーザ端末から購入情報を受信したサーバは、トークンをユーザに対応づけ、購入結果情報を送信する。ユーザは、自身が保有するトークンに対応するオブジェクトをホルダにセットし、サーバにフラグ変動情報を送信する。サーバは、ポイント蓄積許可フラグをオフからオンへと変更し、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを蓄積する。サーバがユーザ端末に蓄積ポイント情報を送信すると、ユーザは、ポイントの値を確認した上で、ポイントの使用を指示する。ユーザ端末がサーバにポイント使用情報を送信すると、それを受信したサーバは、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積機能を実現させるための、
ポイント管理プログラム。
【請求項2】
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンについての前記ポイントの蓄積が許可されている場合に、前記ポイントを蓄積する機能を
実現させるための請求項1に記載のポイント管理プログラム。
【請求項3】
前記ポイント蓄積機能では、時間の経過に応じてポイントを蓄積する機能を
実現させるための請求項1または請求項2に記載のポイント管理プログラム。
【請求項4】
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンに対応するユーザの変動回数が所定の範囲内にある場合に、前記ポイントを蓄積する機能を
実現させるための請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
【請求項5】
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンの保有者を示すアドレスが所定のアドレスである場合に、前記ポイントを蓄積する機能を
実現させるための請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記トークンに紐づけて蓄積された前記ポイントを使用する、ポイント使用機能を実現させるための、
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
【請求項7】
前記ポイント使用機能では、
前記トークンに紐づけて蓄積された前記ポイントに応じて、前記トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータの属性値を変動させる機能を
実現させるための、請求項6に記載のポイント管理プログラム。
【請求項8】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたポイント管理システムであって、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積手段を含む、
ポイント管理システム。
【請求項9】
コンピュータによるポイント管理方法であって、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積処理を含む、
ポイント管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも一つは、ポイント管理プログラム、ポイント管理システム、およびポイント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン(Block chain)を用いた、非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)等の各種のトークンを用いた技術が登場している。
【0003】
特許文献1には、ユーザがプレイするゲームにおけるゲーム内非代替資産をNFTとしてゲーム内とゲーム外との間で送受信することが可能なゲームシステムが記載されている。前記ゲームシステムは、ゲームを管理するゲーム管理部と、ゲーム内非代替資産を管理する資産管理部と、ユーザのユーザ用ウォレット部との間で互いのアドレスを指定することでNFTの送受信をネットワーク経由でブロックチェーン上に記憶させることにより行う運営側ウォレット部とを備える。ゲーム外にゲーム内非代替資産を送信する場合、資産管理部はゲーム内非代替資産の所有者情報を削除し、運営側ウォレット部は、ゲーム内非代替資産をNFTとして発行して、ユーザにより指定されたウォレットアドレスにNFTを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-152815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、NFT等のトークンを、ゲームにおけるキャラクタやアイテム、電子シール、デジタル画像などの種々のデジタルデータに対応づけることができる。
【0006】
トークンに対して、蓄積可能なポイントを付加すれば、トークンの活用方法を拡張でき、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0007】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るポイント管理プログラムは、コンピュータに、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積機能を実現させるためのものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るポイント管理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたポイント管理システムであって、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積手段を含むものである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るポイント管理方法は、コンピュータによるポイント管理方法であって、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積処理を含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理システムの構成の例を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理システムの構成を示すブロック図である。
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する処理例を示すシーケンス図である。
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークンに対応するオブジェクトを例示する概念図である。
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークン化の対象となるコンテンツのカスタマイズ処理を例示する概念図である。
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ホルダを例示する概念図である。
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ポイントの使用例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローやシーケンスを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の概要について説明をする。以下では、第1の実施形態として、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行されるポイント管理プログラムを例示して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理システム100の構成の例を示すブロック図である。ポイント管理システム100は、サーバ10と、ポイント管理システム100のユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。ポイント管理システム100の構成はこれに限定されない。例えば、ポイント管理システム100は、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。ポイント管理システム100が複数のサーバを備えてもよい。
【0016】
サーバ10とユーザ端末20は、コンピュータの一例である。サーバ10とユーザ端末20は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30とサーバ10との間の接続、および通信ネットワーク30とユーザ端末20との間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0017】
ポイント管理システム100は、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0018】
サーバ10はゲームの進行を制御するゲーム処理サーバであってもよい。この場合、サーバ10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する。
【0019】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0020】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ポイント管理システム100にて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であってよい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0021】
サーバ10は、ゲーム画像をレンダリング可能なゲーム処理サーバなどの情報処理装置によって構成されてもよい。
【0022】
ユーザ端末20はユーザによって管理される。ユーザ端末20の例としては、例えば携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、タブレット、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置などがある。ユーザ端末20は、ユーザが操作可能なVRゴーグル、ARグラス、スマートグラス、ARコンタクト、その他のウェアラブルデバイスであってもよい。
【0023】
ユーザ端末は、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末であってもよい。
【0024】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0025】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して、表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。なお、表示装置は極めて一般的な構成であるため、ここでは図示を省略している。ユーザがユーザ端末20を用いてゲームを行う場合、ゲーム画面は合成画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの合成画像を認識する。ユーザがユーザ端末20を用いて各種の情報処理を行う場合も、情報処理に必要な画面(情報処理画面)が画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの画像を認識する。ゲーム画面や情報処理画面は例えば、ユーザ端末が備える表示装置の一例であるディスプレイや、ユーザ端末と接続された表示装置の一例であるディスプレイに表示される。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面や情報処理画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置、XR表示を行う装置なども含まれる。XRには、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、およびSR(Substitutional Reality)などが含まれる。
【0026】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0027】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、スマートフォンやタブレット等が備えるタッチパネル画面、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスティック、その他のコントローラなどがある。また、ユーザ端末20に内蔵またはこれと接続されたカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0028】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して音声、振動、その他の各種の情報を出力する。
【0029】
通信ネットワーク30にはブロックチェーンネットワーク60が含まれている。ブロックチェーンネットワーク60は、コンピュータ等の複数のノードによって構築されている。複数のノードの例として、図1にはそれぞれがコンピュータであるノード6a、6b、6c、および6dが記載されている。これらはあくまで一例であり、ノードの数は4つでなくともよい。なお、ブロックチェーンネットワーク60は、図示した通信ネットワーク30とは別のネットワークとして構築されていてもよい。
【0030】
複数のノード6a~6dは、典型的にはピアツーピア型に相互接続され、ブロックチェーンネットワーク60を構築している。各ノードが備える記憶装置には分散型台帳が記憶されている。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60と通信可能に接続されていてよい。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60に含まれるノードとして機能してもよい。
【0031】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Aは、ポイント蓄積部101を少なくとも備える。サーバ10Aが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたポイント管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、ポイント蓄積部101を機能的に実現する。
【0032】
ポイント蓄積部101は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する機能を有する。
【0033】
次に、本発明の第1の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0034】
ポイント蓄積部101は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する(St11)。
【0035】
トークンとは、典型的には非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)を意味する。トークンは、矛盾等が生じない限り、代替性のあるトークン(Fungible Token:FT)や、リファンジブルなトークン(Re-Fungible Token:RFT)等であってもよい。
【0036】
ユーザに対応するトークンとは、ユーザが発行したトークンや、トークンの購入や譲渡などによりユーザが保有しているトークンを意味する。ユーザが保有しているトークンとは、そのトークンの現在の保有者として、ユーザを識別する識別情報が、ブロックチェーンネットワークの分散型台帳に書き込まれたトークンを意味する。なお、取引情報をオフチェーンで管理している期間においては、ユーザが保有しているトークンとは、ユーザがそのトークンの現在の保有者であるとしてシステムがトークンの保有者情報をオフチェーンで管理しているようなトークンを意味してもよい。
【0037】
トークンに紐づけられたポイントとは、そのトークンと対応づけて記憶装置に記憶された、蓄積可能なデジタル値を意味する。
【0038】
トークンに紐づけられたポイントは、トークンそれ自身ではない。例えばトークンの種類が暗号資産(仮想通貨)などの代替性のあるトークンである場合、トークンに紐づけられたポイントは、暗号資産(仮想通貨)そのものではない。
【0039】
トークンに紐づけられたポイントは、トークンを裏付ける暗号資産(仮想通貨)等とは別のデータとして管理される。例えばユーザまたはシステム運営者が盾や剣などのデジタルアセットをNFT化する場合、発行されたNFTには暗号資産(仮想通貨)が裏付けとして含まれることがある。このNFTを保有者がバーン(burn)すると、保有者は、裏付けとされていた暗号資産(仮想通貨)の一部または全部を入手することができる。本実施形態におけるトークンに紐づけられたポイントとは、このような暗号資産(仮想通貨)等とは異なる、トークンに対してさらに付加して管理される値を意味する。
【0040】
トークンに紐づけられたポイントは、ユーザや、ユーザがゲーム内で扱うプレイヤキャラクタに紐づいていなくともよい。例えば、トークンに紐づけられたポイントは、プレイヤキャラクタのレベルや経験値等とは別のデータとして管理される値である。
【0041】
所定の条件は、例えば、毎朝8:00に1ポイントずつ蓄積するという条件であってよいが、これには限られない。
【0042】
第1の実施形態の一側面として、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0043】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の概要について説明をする。以下では、第2の実施形態として、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行されるポイント管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載のポイント管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0044】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Bは、ポイント蓄積部101Bを少なくとも備える。サーバ10Bが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたポイント管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、ポイント蓄積部101Bを機能的に実現する。
【0045】
ポイント蓄積部101Bは、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する機能を有する。ポイント蓄積部101Bは、トークンについてのポイントの蓄積が許可されている場合にポイントを蓄積する。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0047】
ポイント蓄積部101Bは、トークンについてのポイントの蓄積が許可されているか否かを判定する(St21)。トークンについてのポイントの蓄積が許可されている場合(St21:YES)、ポイント蓄積部101Bは、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する(St22)。トークンについてのポイントの蓄積が許可されていない場合(St21:NO)、図5に示した処理は終了する。
【0048】
トークン、ユーザに対応するトークン、トークンに紐づけられたポイント、および所定の条件のそれぞれの意味は、第1の実施形態と同様であるため、重複を避ける観点から説明を省略する。
【0049】
トークンについてのポイントの蓄積が許可されている場合とは、例えば、そのトークンについてサーバ10Bまたはユーザ端末20が管理しているポイント蓄積許可フラグがオンである場合などを意味する。ポイント蓄積許可フラグがオフ(例えば値=0)からオン(例えば値=1)になる条件は、仕様に応じた種々のものが考えられる。例えば、キャラクタが描かれた電子シールがNFT化されている場合、ポイント管理システム100は、このNFT化された電子シールが後述する所定のホルダにセットされた時に、ポイント蓄積許可フラグをオフからオンに変更してよい。ポイント管理システム100は、これ以外の条件に基づいてポイント蓄積許可フラグのオンオフを制御してもよい。
【0050】
ポイント管理システム100は、ポイント蓄積の許可および不許可を、トークン毎に別々に管理する。ただし、ポイント管理システム100は複数のトークンから構成されるグループ毎に、ポイント蓄積の許可および不許可を一括管理してもよい。
【0051】
第2の実施形態の一側面として、ポイントを蓄積するか否かの制御をトークン毎に柔軟に行うことができる。
【0052】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の概要について説明をする。以下では、第3の実施形態として、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行されるポイント管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載のポイント管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0053】
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Cは、ポイント蓄積部101と、ポイント使用部102Cとを少なくとも備える。サーバ10Cが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたポイント管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、ポイント蓄積部101とポイント使用部102Cとを機能的に実現する。
【0054】
ポイント蓄積部101は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する機能を有する。ポイント使用部102Cは、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用する機能を有する。
【0055】
次に、本発明の第3の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0056】
ポイント蓄積部101は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する(St31)。ポイント使用部102Cは、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用する(St32)。
【0057】
トークン、ユーザに対応するトークン、トークンに紐づけられたポイント、および所定の条件のそれぞれの意味は、第1の実施形態と同様であるため、重複を避ける観点から説明を省略する。
【0058】
蓄積されたポイントを使用するとは、蓄積されたポイントを何らかの用途で用いることを意味する。蓄積されたポイントの用途は限定しないが、例えば、トークンに紐づけて蓄積されたポイントに応じて、トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータの属性値を変動させるという用途であってよい。蓄積されたポイントは、これ以外の用途で用いられてもよい。なお、ポイントを使用した場合に、蓄積されたポイントの残高は減っても減らなくてもよい。
【0059】
トークンに対応するオブジェクトとは、例えばNFT化されたキャラクタ、アイテムなどの仮想的なオブジェクトを意味する。仮想的なオブジェクトの具体例としては、例えば仮想空間上に表示可能な人、生物、機械、乗り物、壁、建物、街、地形、星等があるが、これらには限定されない。
【0060】
トークンに対応するオブジェクトは、現実空間に存在する実物体であってもよい。例えば、仮想的な剣をNFT化した場合、トークンに対応するオブジェクトは、仮想的な剣を模して現実に作られた剣のおもちゃ等であってもよい。
【0061】
トークンに対応するオブジェクトは、上述のようなオブジェクトが描かれた電子シールや、電子カード等であってもよい。
【0062】
オブジェクトの属性値とは、オブジェクトが有する属性をパラメータ化した値であり、例えばキャラクタオブジェクトについての体力、攻撃力、魔力などがある。パラメータは、典型的には数値として表現されるが、攻撃力SS、守備力Aなどのように、文字等によって表現されてもよい。オブジェクトの属性値はこれらには限定されない。属性値の変動とは、属性値を増加または減少させることであってよい。
【0063】
トークンに対応するコンテンツデータとは、例えば、4コマ漫画の1コマをトークン化した場合の、1コマに相当する画像データなどを意味する。なお、コンテンツデータは4コマ漫画の1コマには限定されず、画像データ、音声データ、および動画データなどの、種々のコンテンツデータが考えられる。
【0064】
コンテンツデータの属性値とは、そのコンテンツに関連する任意のオブジェクトの属性値を意味していてよい。また、コンテンツデータの属性値は、コンテンツそのものの属性値を意味していてもよい。
【0065】
第3の実施形態の一側面として、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用できるようにすることにより、トークンの活用の幅を広げることができ、ユーザに対して新たな楽しみを提供することができる。
【0066】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の概要について説明をする。以下では、第4の実施形態として、ポイント管理システムを例示して説明する。
【0067】
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理システム100Aの構成の例を示すブロック図である。ポイント管理システムの一例であるポイント管理システム100Aは、サーバ10と、ポイント管理システム100Aのユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。ポイント管理システム100Aの構成はこれに限定されない。例えば、ポイント管理システム100Aは、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。ポイント管理システム100Aが複数のサーバを備えてもよい。
【0068】
サーバ10とユーザ端末20は、コンピュータの一例である。サーバ10とユーザ端末20は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30とサーバ10との間の接続、および通信ネットワーク30とユーザ端末20との間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0069】
ポイント管理システム100Aは、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0070】
サーバ10はゲームの進行を制御するゲーム処理サーバであってもよい。この場合、サーバ10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する。
【0071】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0072】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ポイント管理システム100Aにて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であってよい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0073】
サーバ10は、ゲーム画像をレンダリング可能なゲーム処理サーバなどの情報処理装置によって構成されてもよい。
【0074】
ユーザ端末20はユーザによって管理される。ユーザ端末20の例としては、例えば携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、タブレット、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置などがある。ユーザ端末20は、ユーザが操作可能なVRゴーグル、ARグラス、スマートグラス、ARコンタクト、その他のウェアラブルデバイスであってもよい。
【0075】
ユーザ端末は、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末であってもよい。
【0076】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0077】
ユーザ端末20は表示装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して、表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。なお、表示装置は極めて一般的な構成であるため、ここでは図示を省略している。ユーザがユーザ端末20を用いてゲームを行う場合、ゲーム画面は合成画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの合成画像を認識する。ユーザがユーザ端末20を用いて各種の情報処理を行う場合も、情報処理に必要な画面(情報処理画面)が画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの画像を認識する。ゲーム画面や情報処理画面は例えば、ユーザ端末が備える表示装置の一例であるディスプレイや、ユーザ端末と接続された表示装置の一例であるディスプレイに表示される。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面や情報処理画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置、XR表示を行う装置なども含まれる。XRには、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、およびSR(Substitutional Reality)などが含まれる。
【0078】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0079】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、スマートフォンやタブレット等が備えるタッチパネル画面、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスティック、その他のコントローラなどがある。また、ユーザ端末20に内蔵またはこれと接続されたカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0080】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して音声、振動、その他の各種の情報を出力する。
【0081】
通信ネットワーク30にはブロックチェーンネットワーク60が含まれている。ブロックチェーンネットワーク60は、コンピュータ等の複数のノードによって構築されている。複数のノードの例として、図8にはそれぞれがコンピュータであるノード6a、6b、6c、および6dが記載されている。これらはあくまで一例であり、ノードの数は4つでなくともよい。なお、ブロックチェーンネットワーク60は、図示した通信ネットワーク30とは別のネットワークとして構築されていてもよい。
【0082】
複数のノード6a~6dは、典型的にはピアツーピア型に相互接続され、ブロックチェーンネットワーク60を構築している。各ノードが備える記憶装置には分散型台帳が記憶されている。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60と通信可能に接続されていてよい。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60に含まれるノードとして機能してもよい。
【0083】
図9は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理システムの構成を示すブロック図である。ポイント管理システムの一例であるポイント管理システム100Aは、ポイント蓄積部501を少なくとも備える。ポイント管理システム100Aが備える一つ以上のプロセッサは、ポイント管理システム100Aが備える一つ以上の記憶装置に保持されたポイント管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、ポイント蓄積部501を機能的に実現する。
【0084】
ポイント蓄積部501は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する機能を有する。
【0085】
次に、本発明の第4の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図10は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0086】
ポイント蓄積部501は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する(St41)。
【0087】
トークン、ユーザに対応するトークン、トークンに紐づけられたポイント、および所定の条件のそれぞれの意味は、第1の実施形態と同様であるため、重複を避ける観点から説明を省略する。
【0088】
第4の実施形態の一側面として、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0089】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の概要について説明をする。以下では、第5の実施形態として、ユーザ端末において実行されるポイント管理プログラムを例示して説明する。なお、ユーザ端末20Xは、図1または図8に示された複数のユーザ端末20、20A~20Cのうちのいずれかであってよい。
【0090】
図11は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末20Xの構成を示すブロック図である。ユーザ端末20Xは、ポイント蓄積部201を少なくとも備える。ユーザ端末20Xが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたポイント管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、ポイント蓄積部201を機能的に実現する。
【0091】
ポイント蓄積部201は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する機能を有する。
【0092】
次に、本発明の第5の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図12は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するポイント管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0093】
ポイント蓄積部201は、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する(St51)。
【0094】
トークン、ユーザに対応するトークン、トークンに紐づけられたポイント、および所定の条件のそれぞれの意味は、第1の実施形態と同様であるため、重複を避ける観点から説明を省略する。
【0095】
第5の実施形態の一側面として、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0096】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の概要について説明をする。以下では、第6の実施形態として、サーバにおいて実行されるポイント管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1または図8に記載のサーバ10であってよい。
【0097】
図13は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Zは、ポイント蓄積部101Zと、ポイント使用部102Zと、報酬数決定部103Zとを少なくとも備える。サーバ10Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたポイント管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、ポイント蓄積部101Zと、ポイント使用部102Zと、報酬数決定部103Zとを機能的に実現する。
【0098】
ポイント蓄積部101Zは、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する機能を有する。ポイント使用部102Zは、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用する機能を有する。報酬数決定部103Zは、ユーザに提供可能な報酬の数を所定のルールに従って決定する機能を有する。なお、所定のルールは、取引対象となるトークンの数と所定の率との乗算に基づいて定められている。
【0099】
トークンとは、典型的には非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)を意味する。トークンは、矛盾等が生じない限り、代替性のあるトークン(Fungible Token:FT)や、リファンジブルなトークン(Re-Fungible Token:RFT)等であってもよい。
【0100】
ユーザに対応するトークンとは、ユーザが発行したトークンや、トークンの購入や譲渡などによりユーザが保有しているトークンを意味する。ユーザが保有しているトークンとは、そのトークンの現在の保有者として、ユーザを識別する識別情報が、ブロックチェーンネットワークの分散型台帳に書き込まれたトークンを意味する。なお、取引情報をオフチェーンで管理している期間においては、ユーザが保有しているトークンとは、ユーザがそのトークンの現在の保有者であるとしてシステムがトークンの保有者情報をオフチェーンで管理しているようなトークンを意味してもよい。
【0101】
トークンに紐づけられたポイントとは、そのトークンと対応づけて記憶装置に記憶された、蓄積可能なデジタル値を意味する。
【0102】
トークンに紐づけられたポイントは、トークンそれ自身ではない。例えばトークンの種類が暗号資産(仮想通貨)などの代替性のあるトークンである場合、トークンに紐づけられたポイントは、暗号資産(仮想通貨)そのものではない。
【0103】
トークンに紐づけられたポイントは、トークンを裏付ける暗号資産(仮想通貨)等とは別のデータとして管理される。例えばユーザまたはシステム運営者が盾や剣などのデジタルアセットをNFT化する場合、発行されたNFTには暗号資産(仮想通貨)が裏付けとして含まれることがある。このNFTを保有者がバーン(burn)すると、保有者は、裏付けとされていた暗号資産(仮想通貨)の一部または全部を入手することができる。本実施形態におけるトークンに紐づけられたポイントとは、このような暗号資産(仮想通貨)等とは異なる、トークンに対してさらに付加して管理される値を意味する。
【0104】
トークンに紐づけられたポイントは、ユーザや、ユーザがゲーム内で扱うプレイヤキャラクタに紐づいていなくともよい。例えば、トークンに紐づけられたポイントは、プレイヤキャラクタのレベルや経験値等とは別のデータとして管理される値である。
【0105】
次に、本発明の第6の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図14は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する処理例を示すシーケンス図である。
【0106】
サーバ10Zは、1以上のトークンを発行する(St101)。例えばトークンの種類がNFTである場合、サーバ10Z側で用意したブロックチェーン用アカウントでNFTを発行する。この場合、発行されたNFTの当初の保有者はブロックチェーン用アカウントの管理者となる。このアカウントを識別する情報は、ブロックチェーンネットワーク60に配置された分散型台帳に記録される。なお、サーバ10Zは、他者が既に発行したトークンを譲渡等により取得することによって、トークンを保有してもよい。
【0107】
ユーザは、ユーザ端末20を操作して、発行済みのトークンを購入する(St102)。既存の種々のNFTマーケットプレイスなどのように、NFTなどのトークンの購入におけるユーザインタフェースは既知であるため、詳しい説明は省略する。
【0108】
なお、ユーザ自身がトークンの発行者である場合も想定される。この場合、ユーザがトークンを既に保有しているのであり、トークンを購入する必要がない。ユーザ自身がトークンの発行者である場合は、ステップSt102~St105の処理は省略可能である。
【0109】
ユーザがトークンを購入すると、ユーザ端末20は購入情報をサーバ10Zに送信する(St103)。購入情報には、ユーザを識別するための情報(ユーザ識別情報)が含まれていてよい。
【0110】
購入情報を受信したサーバ10Zは、トークンをユーザに対応づける(St104)。すなわちサーバ10Zは、トークンを購入したユーザがトークンの現在の保有者になるように、受信した購入情報に基づいた取引情報をブロックチェーンネットワーク60の分散型台帳に書き込むための処理を行う。
【0111】
取引情報が分散型台帳に書き込まれた後、サーバ10Zはユーザ端末20に購入結果情報を送信する(St105)。この購入結果情報には、トークンの保有者がユーザへと切り替わったことを示す情報が含まれていてよい。また、購入結果情報には、トークンそのものの情報、もしくはトークンにアクセスするためのアドレス情報等が含まれていてもよい。
【0112】
ユーザは、ユーザ端末20を操作して、自身が保有するトークンに対応するオブジェクトをホルダにセットする(St106)。オブジェクトをホルダにセットすることついては、図17を参照しつつ後述する。
【0113】
ユーザ端末20はサーバ10Zにフラグ変動情報を送信する(St107)。フラグ変動情報は、トークンについてのポイント蓄積許可フラグが変動したことを示す情報である。本実施形態においては、フラグ変動情報は、ポイント蓄積許可フラグがオフからオンへと変動したことを示す情報である。
【0114】
サーバ10Zは、ユーザが保有するトークンについてのポイント蓄積許可フラグをオフからオンへと変更する(St108)。これにより、ポイント蓄積許可フラグがオンになったトークンに紐づけられたポイントの蓄積が可能となる。
【0115】
サーバ10Zのポイント蓄積部101Zは、ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積する(St109)。所定の条件は例えば、毎朝8:00に1ポイントずつ蓄積するという条件であってよいが、これには限られない。
【0116】
サーバ10Zはユーザ端末20に蓄積ポイント情報を送信する(St110)。例えば、蓄積ポイントが1ポイント増加した事を示す情報を、サーバ10Zがユーザ端末20に送信する。
【0117】
なお、ポイントの増減をオンチェーンで管理する場合には、ステップSt110の処理は省略してもよい。この場合にサーバ10Zは、ブロックチェーンネットワーク60の分散型台帳に、ポイントの増減を示す情報を書き込む。ユーザは任意のタイミングでユーザ端末20からブロックチェーンネットワーク60の分散型台帳にアクセスして、その時点における蓄積ポイントの値を確認することができる。
【0118】
その他、ポイントがサーバ10Z側ではなくユーザ端末20側で管理される場合には、ステップSt107およびステップSt110の処理は省略可能であり、ステップSt108およびSt109の処理はユーザ端末20側で行われる。
【0119】
ユーザは、自身が保有するトークンに紐づけられたポイントの値を、ユーザ端末20を介して確認した上で、ポイントの使用を指示する(St111)。
【0120】
ユーザ端末20はサーバ10Zにポイント使用情報を送信する(St112)。ポイント使用情報は、例えば、蓄積されたポイントのうち何ポイントを使って何を行うかを示す情報である。本実施形態におけるポイント使用情報は、蓄積されたポイントのうち何ポイントを使って、トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータの属性値をどの程度増減させるかを示す情報である。
【0121】
ここで、トークンに対応するオブジェクト、トークンに対応するコンテンツデータ、および属性値について説明する。トークンに対応するオブジェクトとは、例えばNFT化されたキャラクタ、アイテムなどの仮想的なオブジェクトを意味する。仮想的なオブジェクトの具体例としては、例えば仮想空間上に表示可能な人、生物、乗り物、壁、建物、街、地形、星等があるが、これらには限定されない。
【0122】
トークンに対応するオブジェクトは、現実空間に存在する実物体であってもよい。例えば、仮想的な剣をNFT化した場合、トークンに対応するオブジェクトは、仮想的な剣を模して現実に作られた剣のおもちゃ等であってもよい。
【0123】
トークンに対応するオブジェクトは、上述のようなオブジェクトが描かれた電子シールや、電子カード等であってもよい。
【0124】
オブジェクトの属性値とは、オブジェクトが有する属性をパラメータ化した値であり、例えばキャラクタオブジェクトについての体力、攻撃力、魔力などがある。パラメータは、典型的には数値として表現されるが、攻撃力SS、守備力Aなどのように、文字等によって表現されてもよい。オブジェクトの属性値はこれらには限定されない。属性値の変動とは、属性値を増加または減少させることであってよい。
【0125】
トークンに対応するコンテンツデータとは、例えば、4コマ漫画の1コマをトークン化した場合の、1コマに相当する画像データなどを意味する。なお、コンテンツデータは4コマ漫画の1コマには限定されず、画像データ、音声データ、および動画データなどの、種々のコンテンツデータが考えられる。
【0126】
コンテンツデータの属性値とは、そのコンテンツに関連する任意のオブジェクトの属性値を意味していてよい。また、コンテンツデータの属性値は、コンテンツそのものの属性値を意味していてもよい。
【0127】
図14に示したシーケンス図の説明に戻る。ポイント使用情報を受信したサーバ10Zのポイント使用部102Zは、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用する(St113)。
【0128】
蓄積されたポイントを使用するとは、蓄積されたポイントを何らかの用途で用いることを意味する。蓄積されたポイントの用途は限定しないが、例えば、トークンに紐づけて蓄積されたポイントに応じて、トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータの属性値を変動させるという用途であってよい。蓄積されたポイントは、これ以外の用途で用いられてもよい。なお、ポイントを使用した場合に、蓄積されたポイントの残高は減っても減らなくてもよい。
【0129】
サーバ10Zはユーザ端末20にポイント使用結果情報を送信する(St114)。ポイント使用結果情報は、蓄積されたポイントを何ポイント、どのように使用したかを示す情報である。本実施形態においては、ポイント使用結果情報は、蓄積されたポイントを何ポイント使用して、トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータが有するどの属性値をどの程度増減させたかを示す情報である。
【0130】
図15は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークンに対応するオブジェクトを例示する概念図である。
【0131】
本実施形態における、トークンに対応するオブジェクトは、電子シールS1に描かれたキャラクタである。図示した電子シールS1には、キャラクタとして魔法使いが描かれている。キャラクタの種類は様々であってよい。また、キャラクタ以外の例えば武器などの仮想的なオブジェクトが電子シールS1に描かれていてもよい。
【0132】
図16は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークン化の対象となるコンテンツのカスタマイズ処理を例示する概念図である。図14のステップSt102において、ユーザはトークンを購入している。ユーザは、トークン化の対象となるコンテンツをカスタマイズしてからトークンを購入してもよい。
【0133】
一例として、図16には、キャラクタが描かれた画像に対して、背景と電子シール枠とを選択して組み合わせるカスタマイズ処理例が示されている。ユーザはユーザ端末20を操作して、欲しいキャラクタが描かれた画像データを選択する。本実施形態においては、ユーザは魔法使いが描かれた画像データを選択している。
【0134】
ユーザは次に、ユーザ端末20の表示装置に表示された複数の背景画像BK1~BK4から、所望の背景画像を選択する。なお、図16には4つの背景画像が描かれているが、選択可能な背景画像の数は4つには限られない。選択可能な背景画像の種類も、図16に示したものには限られない。
【0135】
ユーザは次に、ユーザ端末20の表示装置に表示された複数の電子シール枠F1~F4から、所望の電子シール枠を選択する。なお、図16には4つの電子シール枠が描かれているが、選択可能な電子シール枠の数は4つには限られない。選択可能な電子シール枠の種類も、図16に示したものには限られない。
【0136】
キャラクタ、背景、および電子シール枠をユーザが選択し終えると、選択結果を示す情報がユーザ端末20からサーバ10Zへと送信される。サーバ10Zは、選択されたキャラクタ、背景、および電子シール枠を合成した合成画像データを生成する。そして、ステップSt101で既に生成済みであったトークンに対応するコンテンツデータを、元の画像データから、生成した合成画像データへと置き換える。そして、ステップSt104において、サーバ10Zがトークンをユーザに対応づける。例えば上記のようにして、トークンに対応するコンテンツをカスタマイズすることができる。なお、サーバ10Zは、事前にトークンを発行するのではなく、図16に示したようなカスタマイズ処理が終了してから、カスタマイズ後のコンテンツデータについてトークンを発行してもよい。
【0137】
(ポイントを蓄積するための所定の条件)
次に、図14のステップSt109における、トークンに紐づけられたポイントを蓄積するための所定の条件をいくつか例示する。
【0138】
ポイント蓄積部101Zは、トークンについてのポイントの蓄積が許可されている場合に、前記ポイントを蓄積してよい。
【0139】
トークンについてのポイントの蓄積が許可されている場合とは、例えば、そのトークンについてサーバ10Zまたはユーザ端末20が管理しているポイント蓄積許可フラグがオンである場合などを意味する。ポイント蓄積許可フラグがオフ(例えば値=0)からオン(例えば値=1)になる条件は、仕様に応じた種々のものが考えられる。例えば、キャラクタが描かれた電子シールがNFT化されている場合、ポイント管理システム100または100Aは、このNFT化された電子シールが所定の後述する所定のホルダにセットされた時に、ポイント蓄積許可フラグをオフからオンに変更してよい(図14におけるステップSt106~St108参照)。ポイント管理システム100または100Aは、これ以外の条件に基づいてポイント蓄積許可フラグのオンオフを制御してもよい。
【0140】
ポイント管理システム100または100Aは、ポイント蓄積の許可および不許可を、トークン毎に別々に管理する。ただし、ポイント管理システム100または100Aは、複数のトークンから構成されるグループ毎に、ポイント蓄積の許可および不許可を一括管理してもよい。
【0141】
図17は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ホルダHを例示する概念図である。ホルダHは、ユーザ端末20の表示装置によって表示される。ホルダHには、電子シールをセットするための複数のスロットが設けられている。図17に示したホルダHには、縦3つ×横3つの計9つのスロットが設けられている。ホルダHにおけるスロットの数や配置は図17に示したものには限られない。
【0142】
ユーザは図14のステップSt106において、ユーザ端末20を操作して、ホルダHに、自身のトークンに対応するオブジェクト(ここでは電子シールS1)をセットする。図17は、電子シールS1が、ホルダHの左上のスロットにセットされた状態を示している。
【0143】
電子シールS1がホルダHにセットされた場合、電子シールS1に対応するトークンについてのポイント蓄積許可フラグがオフからオンに変更される(ステップSt106~St108参照)。
【0144】
ポイント蓄積部101Zは、トークンについてのポイントの蓄積が許可されている場合、すなわち本実施形態においてはポイント蓄積許可フラグがオンになっている場合に、トークンに紐づけられたポイントを蓄積する。
【0145】
上記では、1つのトークンについてのポイントの蓄積について説明した。しかし、ポイント蓄積部101Zは、複数のトークンから構成されるグループ単位で、ポイントの蓄積の可否を管理してもよい。例えばポイント蓄積部101Zは、トークンが属するグループに含まれる各トークンについてのポイントの蓄積がそれぞれ許可されている場合に、グループに含まれる各トークンに紐づけられたポイントをそれぞれ蓄積してよい。
【0146】
具体例を示す。1つの冒険者グループが、勇者と、戦士と、魔法使いの3人で構成されているとする。ホルダHに、勇者のキャラクタに対応する第1トークンと、戦士のキャラクタに対応する第2トークンと、魔法使いのキャラクタに対応する第3トークンとが全てセットされているならば、第1~第3トークンについてのポイント蓄積許可フラグが全てオンになるようにしてよい。上記とは反対に、ホルダHには勇者のキャラクタに対応する第1トークンと、戦士のキャラクタに対応する第2トークンしかセットされておらず、魔法使いのキャラクタに対応する第3トークンがホルダHにセットされていないならば、第1~第3トークンについてのポイント蓄積許可フラグがすべてオフになるようにしてよい。
【0147】
次に、時間の経過を所定の条件とする場合について例示する。ポイント蓄積部101Zは、時間の経過に応じてポイントを蓄積してよい。この場合の所定の条件は、例えば、毎朝8:00に1ポイントずつ蓄積するという条件であってよい。その他、毎週月曜日の所定の時間にポイントを蓄積する、所定の時間(例えば1週間)が経過するごとに加算するポイントが+1、+2、+3…と単純増加していく、トークンに対応するオブジェクトをホルダHにセットしてから1か月経過した時には5ポイントのボーナスポイントを加算する、等のように、時間の経過に応じた種々の条件を、前述の所定の条件として設定してもよい。
【0148】
次に、トークンの譲渡回数を所定の条件とする場合について例示する。NFTなどのトークンには再譲渡が可能なものがある。ブロックチェーンは、情報をまとめてブロック化して、これをブロックチェーンに順次繋いでいくことにより、取引情報を改ざん不能なように分散型台帳に記録していくことができるものである。従って、トークンの保有者の変動を示す情報(取引情報)をブロックチェーンネットワーク60の分散型台帳に記録でき、一度発行されたトークンの保有者の変動をブロックチェーン上で管理できるからである。
【0149】
ポイント蓄積部101Zは、トークンに対応するユーザの変動回数が所定の範囲内にある場合に、ポイントを蓄積してよい。トークンに対応するユーザの変動回数とは、トークンの保有者の変動回数を意味する。例えば、トークンに対応するユーザの変動回数が2回以内であることを、ポイント蓄積のための所定の条件とすることができる。この場合、トークンの二次譲渡が行われたトークンに対しては、ポイントの蓄積を行うが、トークンの三次譲渡以降の譲渡が行われたトークンに対しては、ポイントの蓄積を行わないようにすることができる。なお、変動回数の所定の範囲は、は変動回数が1回まで、0回から3回まで、2回から4回まで、等のように、当業者が仕様に応じて適宜設定することができる。
【0150】
次に、アドレスを所定の条件とする場合について例示する。ポイント蓄積部101Zは、トークンの保有者を示すアドレスが所定のアドレスである場合に、ポイントを蓄積してよい。
【0151】
トークンの保有者とは、トークンの発行者、または、トークンを譲渡等によって取得した者を意味する。トークンの保有者を示すアドレスとは、保有者を識別可能なアドレスを意味する。例えば、Ethereumブロックチェーンにおける「0x」で始まるアドレスや、LINEブロックチェーンにおける「link」で始まるアドレス等の、ブロックチェーンにおけるアカウントを識別するアドレスが、ここでいうトークンの保有者を示すアドレスに該当する。
【0152】
トークンの保有者のアドレスに応じてポイントの蓄積可否を管理することにより、例えば、トークンをホルダHにセットしたのが、そのトークンの発行者である場合や、顧客吸引力を有する者(有名人など)である場合などに、ポイントの蓄積を行うことができる。
【0153】
なお、トークンの保有者は、過去の保有者であってもよい。例えば、ホルダHにセットされたトークンを、顧客吸引力を有する者(有名人など)がかつて保有していた場合に、ポイントの蓄積を行うようにすることもできる。なお、サーバ10Zは、過去の保有者の情報を、ブロックチェーンネットワーク60の分散型台帳に記録された過去の取引情報から取得してよい。
【0154】
(ポイントの使用例)
次に、蓄積されたポイントの使用例を示す。図18は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ポイントの使用例を示す概念図である。
【0155】
電子シールS1の属性値として、電子シールS1に描かれたキャラクタの体力、知力、魔力、および敏捷性の4つが規定されていると仮定する。なお、4つのパラメータの初期値は、体力が420、知力が730、魔力が660、敏捷性が230であるとする。
【0156】
図14のステップSt111において、ユーザはユーザ端末20を介して、蓄積されたポイントの使用を指示する。ここでは、電子シールS1に対応するトークンに紐づけられたポイントが、17ポイント蓄積されているとする。また、本実施形態においては、1ポイントにつき、電子シールS1の4つの属性値のうちいずれかの値を10だけ増加させることができるものとする。
【0157】
ユーザは、蓄積された17ポイントのうち、8ポイントを使用することを指示する。より特定的には、体力について3ポイントを、魔力について5ポイントを使用することをユーザが指示する。ユーザによるポイント使用指示に基づいたポイント使用情報がユーザ端末20からサーバ10Zへと送信される(ステップSt112)。
【0158】
ポイント使用情報を受信したサーバ10Zのポイント使用部102Zは、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを8ポイント使用して、電子シールS1の体力を30、魔力を50、それぞれ増加させる。なお、1ポイントあたりの属性値の変動の程度(本例では+10)は、仕様に応じて当業者が適宜設定してよい。
【0159】
(報酬数の決定)
次に、蓄積されたポイントに基づいた報酬数の決定について説明する。ポイント管理システム100または100Aは、蓄積されたポイントに基づいて、例えばランキング報酬などの報酬を提供することができる。
【0160】
報酬の種類については特に限定しない。報酬は、例えば、デジタルデータ、現実世界の物品、またはユーザに提供する何らかの便益などであってよい。報酬は、例えば別のトークンであってもよい。すなわち、トークンAに紐づいて蓄積されたポイントに基づいて、ユーザがトークンBを報酬として取得することができる。ただし報酬は、ユーザに対して報酬を与えることについての所定の法令に準拠したものである。
【0161】
日本における所定の法令の一例として、景品表示法がある。ここで景品は、報酬の一態様であると考えられる。景品については、景品の最高額や、景品総額の上限などが定められていることがある。
【0162】
従って、法令準拠の観点から、ポイント管理システム100または100Aは、ユーザに対して無制限の数の報酬を提供することはできない。
【0163】
そこで報酬数決定部103Zは、ユーザに提供可能な報酬の数を所定のルールに従って決定する。すなわち報酬数決定部103Zは、景品総額の上限に収まるような、適切な報酬の数を決定する。
【0164】
報酬数決定部103Zが用いる所定のルールは、取引対象となるトークンの数と所定の率との乗算に基づいて定められていてよい。
【0165】
例えば、景品総額の上限が、懸賞に係る売上予定総額の2%であると規定されているとする。この場合、所定の率は0.02となる。
【0166】
取引対象となるトークンの数とは、ポイント管理システム100または100Aの管理者等が提供するトークンの数(トークンの初期在庫数)を意味する。
【0167】
ここで、すべてのトークンがポイント管理システム100または100Aの管理者等からユーザに対して譲渡されるとは限らない。そのため、取引対象となるトークンの数は、トークンの初期在庫数に、譲渡率を乗算して得られた値を意味していてもよい。例えば、トークンの初期在庫が50,000個であり、譲渡率(販売率)が80%である場合、取引対象となるトークンの数は、50,000×0.8=40,000個となる。
【0168】
上記の実施形態の場合、報酬数決定部103Zは、40,000×0.02=800個を、ユーザに提供可能な報酬の数として決定する。
【0169】
なお、報酬数決定部103Zが用いる上記の所定のルールは、各トークンの取引価値と、報酬の評価価値とが同額であることを前提としている。この前提において、例えば、50,000個のトークンがいずれも500円で取引される場合、報酬(景品)として提供されるトークンも500円相当の評価価値であるものとする。
【0170】
第6の実施形態の一側面として、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0171】
第6の実施形態の一側面として、ポイントを蓄積するか否かの制御をトークン毎に柔軟に行うことができる。
【0172】
第6の実施形態の一側面として、トークンが属するグループ毎に、ポイントの蓄積の可否を決定することができる。
【0173】
第6の実施形態の一側面として、ポイントが紐づけられたトークンの価値を時間の経過に応じて増加させることができる。
【0174】
第6の実施形態の一側面として、トークンの譲渡回数に応じてポイント蓄積の可否を制御することにより、再譲渡が可能なトークンの活用実態に合わせてポイント蓄積の可否を管理することができる。
【0175】
第6の実施形態の一側面として、トークンの保有者の種類(トークンの発行者や有名人など)に応じて、ポイント蓄積の可否を柔軟に管理することができる。
【0176】
第6の実施形態の一側面として、トークンに紐づけて蓄積されたポイントを使用できるようにすることにより、トークンの活用の幅を広げることができ、ユーザに対して新たな楽しみを提供することができる。
【0177】
第6の実施形態の一側面として、トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータを用いた多様な遊び方をユーザに提供することができる。
【0178】
第6の実施形態の一側面として、適切な報酬の数を決定することができる。
【0179】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0180】
上述した各実施形態では、ユーザ端末20およびサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ポイント管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。また、ユーザ端末20やサーバ10に限られない他のコンピュータが、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ポイント管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行してもよい。
【0181】
また、ポイント管理システム100および100Aの構成は、上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されない。例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバが実行する構成としてもよいし、サーバが実行する処理として説明した処理の一部または全部をユーザ端末が実行する構成としてもよい。また、サーバが備える記憶部(記憶装置)の一部または全部をユーザ端末が備える構成としてもよい。すなわち、ポイント管理システム100および100Aにおける、ユーザ端末とサーバのどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0182】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0183】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
コンピュータに、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積機能を実現させるための、
ポイント管理プログラム。
[2]
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンについての前記ポイントの蓄積が許可されている場合に、前記ポイントを蓄積する機能を
実現させるための[1]に記載のポイント管理プログラム。
[3]
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンが属するグループに含まれる各トークンに対応についての前記ポイントの蓄積がそれぞれ許可されている場合に、前記グループに含まれる各トークンに紐づけられた前記ポイントをそれぞれ蓄積する機能を
実現させるための[2]に記載のポイント管理プログラム。
[4]
前記ポイント蓄積機能では、時間の経過に応じてポイントを蓄積する機能を
実現させるための[1]から[3]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
[5]
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンに対応するユーザの変動回数が所定の範囲内にある場合に、前記ポイントを蓄積する機能を
実現させるための[1]から[4]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
[6]
前記ポイント蓄積機能では、前記トークンの保有者を示すアドレスが所定のアドレスである場合に、前記ポイントを蓄積する機能を
実現させるための[1]から[5]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
[7]
前記コンピュータに、
前記トークンに紐づけて蓄積された前記ポイントを使用する、ポイント使用機能を実現させるための、
[1]から[6]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
[8]
前記ポイント使用機能では、
前記トークンに紐づけて蓄積された前記ポイントに応じて、前記トークンに対応するオブジェクトまたはコンテンツデータの属性値を変動させる機能を
実現させるための、[7]に記載のポイント管理プログラム。
[9]
前記コンピュータに、
ユーザに提供可能な報酬の数を所定のルールに従って決定する報酬数決定機能をさらに実現させ、
前記所定のルールは、取引対象となるトークンの数と所定の率との乗算に基づいて定められている、
[1]から[8]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
[10]
前記トークンは非代替性トークンである、
[1]から[9]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラム。
[11]
[1]から[10]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのプログラム。
[12]
[1]から[10]のうちいずれか一項に記載のポイント管理プログラムがインストールされたコンピュータ。
[13]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたポイント管理システムであって、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積手段を含む、
ポイント管理システム。
[14]
コンピュータによるポイント管理方法であって、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積処理を含む、
ポイント管理方法。
[15]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるシステムによるポイント管理方法であって、
ユーザに対応するトークンに紐づけられたポイントを、所定の条件に応じて蓄積するポイント蓄積処理を含む、
ポイント管理方法。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明の実施形態の一つによれば、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させるようなポイント管理プログラム、ポイント管理システム、およびポイント管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0185】
10、10A、10B、10C、10Z サーバ
11 プロセッサ
12 メモリ
13 記憶装置
20、20A、20B、20C、20X ユーザ端末
21 プロセッサ
22 メモリ
23 記憶装置
30 通信ネットワーク
60 ブロックチェーンネットワーク
6a、6b、6c、6d ノード
100、100A ポイント管理システム
101、101B、101Z、201、501 ポイント蓄積部
102C、102Z ポイント使用部
103Z 報酬数決定部
BK1、BK2、BK3、BK4 背景画像
F1、F2、F3、F4 電子シール枠
H ホルダ
S1 電子シール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18