(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058163
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】焚火装置
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
A47J37/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167972
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】521450447
【氏名又は名称】北澤 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【弁理士】
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】北澤 和也
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AB04
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA16
4B040ED05
4B040ED06
4B040GC06
4B040GD01
(57)【要約】
【課題】部品点数が少なくて安価で済み、組立・分解が容易であり、収納容器も別途用意する必要のない焚火装置を提供すること。
【解決手段】焚火装置S1は、上面開口を有する有底角筒状に形成された角筒体13と、それぞれの枠幅が角筒体13の一辺長よりも短くされて角筒体13内に収容可能に形成されるとともに、角筒体13の内壁面13Gに沿って設置され、それぞれの片面に棚受突部6A,6Bが設けられている一対の竪枠体2,2と、角筒体13内で対向して配置された一対の竪枠体2,2の棚受突部6A,6A,6B,6B上に設置される固体燃料G1載置用の格子棚12と、を備えて成り、一対の竪枠体2,2および格子棚12は別個独立に分解されて角筒体13内に収納される構成にされている。焚火装置S2は更に焼網などの調理用盤F1も備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面開口を有する有底角筒状に形成された角筒体と、
それぞれの枠幅が前記角筒体の一辺長よりも短くされて前記角筒体内に収容可能に形成されるとともに、前記角筒体の内壁面に沿って設置され、それぞれの片面に棚受突部が設けられている一対の竪枠体と、
前記角筒体内で対向して配置された一対の竪枠体の棚受突部上に設置される固体燃料載置用の格子棚と、を備えて成り、
前記一対の竪枠体および前記格子棚は別個独立に分解されて前記角筒体内に収納される構成にされていることを特徴とする焚火装置。
【請求項2】
前記格子棚における一対の対辺の近傍位置には、それぞれ係止用孔が形成され、前記一対の竪枠体における上下方向の一端部には、前記格子棚の係止用孔と挿脱可能に挿通される係止突部がそれぞれ設けられ、前記竪枠体における係止突部の下方位置には、当該係止突部に前記係止用孔を挿通された前記格子棚を支持する支持突部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の焚火装置。
【請求項3】
前記竪枠体の上下方向の他端部に載せられる焼網などの調理用盤を備えて成り、当該調理用盤は、分解された前記一対の竪枠体および前記格子棚と共に前記角筒体内に収納される構成にされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焚火装置。
【請求項4】
前記角筒体は、日本工業規格に規定されている金属板製18リットル缶で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の焚火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野外での暖取り、灯り取り、あるいは加熱調理などに用いられる焚火装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、キャンプが一大ブームであり、家族でのファミリーキャンプ、単身でのソロキャンプ、友人仲間同士でのグループキャンプと、人それぞれの楽しみ方が増えてきた。因みに、屋外で調理をする際には火が必要不可欠である。そこで、様々なバーベキュー台や焚火台などの焚火装置が市販されている。このような焚火装置として、野外での調理に適したものが例えば下記の特許文献1に記載されている。
この文献1記載の焚火装置は、一対の側板と、側板間に配備される複数の火炉板とから火炉が形成され、側板と火炉とが相欠き組み状として面交差状に接合される構成にされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した文献1記載の焚火装置は、部品点数が多いので、高価にならざるを得ずメンテナンスにも手間がかかる。また、部品同士の接合は相欠き組み態様であるので、組立・分解に手間がかかる。そして、用済み後の片づけ時には、耐熱性を有する収納容器を別途用意しなければならないという問題もある。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、部品点数が少なくて安価で済み、組立・分解が容易であり、収納容器も別途用意する必要のない焚火装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る焚火装置は、上面開口を有する有底角筒状に形成された角筒体と、それぞれの枠幅が角筒体の一辺長よりも短くされて角筒体内に収容可能に形成されるとともに、角筒体の内壁面に沿って設置され、それぞれの片面に棚受突部が設けられている一対の竪枠体と、角筒体内で対向して配置された一対の竪枠体の棚受突部上に設置される固体燃料載置用の格子棚と、を備えて成り、一対の竪枠体および格子棚は別個独立に分解されて角筒体内に収納される構成にされていることを特徴とするものである。
【0007】
また、前記構成において、格子棚における一対の対辺の近傍位置には、それぞれ係止用孔が形成され、一対の竪枠体における上下方向の一端部には、格子棚の係止用孔と挿脱可能に挿通される係止突部がそれぞれ設けられ、竪枠体における係止突部の下方位置には、当該係止突部に係止用孔を挿通された格子棚を支持する支持突部がそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
そして、前記した各構成において、竪枠体の上下方向の他端部に載せられる焼網などの調理用盤を備えて成り、当該調理用盤は、分解された一対の竪枠体および格子棚と共に角筒体内に収納される構成にされていることを特徴とするものである。
【0009】
更に、前記した各構成において、角筒体は、日本工業規格に規定されている金属板製18リットル缶で構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る焚火装置によれば、少なくとも、角筒体と、一対の竪枠体と、格子棚とを備えて構成されるので、部品点数が少ないから安価で済む。組立の際には、、角筒体内に一対の竪枠体を対面配置し、これら一対の竪枠体に格子棚を支持させるだけで簡単に終わる。そして、焚火時は、組み立てた一対の竪枠体および格子棚が焚火台として機能し、これらを収容した角筒体が風防および煙突筒として機能する。一方、片づけの際は、角筒体内から格子棚と一対の竪枠体を個々に順次取り出せば済むので、組立・分解を容易に行なうことができる。このとき、角筒体は収容容器となり、一対の竪枠体および格子棚をコンパクトに収納することができ、あらためて別の収容容器を用意する必要がない。
【0011】
また、格子棚における対辺の近傍位置に係止用孔がそれぞれ形成され、一対の竪枠体の一端部に係止突部がそれぞれ設けられ、竪枠体の係止突部の下方位置に支持突部が設けられているものでは、格子棚の一対の係止用孔に、一対の竪枠体の係止突部がそれぞれ挿通されてそれらの支持突部が格子棚を支持すると、一対の竪枠体は両脚となる。従って、格子棚上に調理用盤を置き、格子棚の下方から薪などの固体燃料で調理用盤上の食品を加熱調理するという別の使用態様を実施することができる。
【0012】
そして、追加で備える調理用盤が、分解された一対の竪枠体および格子棚と共に角筒体内に収納されるものでは、加熱調理に必要な調理用盤も含めて角筒体内に収納できるから、よりいっそうキャンプ用品の省スペース化に寄与することができる。
【0013】
更に、角筒体が日本工業規格に規定されている金属板製18リットル缶で構成されているものでは、角筒体として、新品のブリキ製18リットル缶を用いたり、他用途に用いていた18リットル缶を洗浄して転用したりすることができる。これにより、いっそう安価かつ入手容易な角筒体で焚火装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る焚火装置の一部分を構成する焚火台の部品展開図である。
【
図4】前記焚火装置の使用状態の一例を示す一部断面を含む正面図である。
【
図5】前記焚火装置の使用状態の別例を示す一部断面を含む正面図である。
【
図6】
図5に示した前記焚火装置の別例を示す平面図である。
【
図7】前記焚火装置において分解した構成部品を角筒体内に収納した状態の一例を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA-A線矢視図である。
【
図8】前記焚火装置において分解した構成部品を角筒体内に収納した状態の別例を示す平面図である。
【
図9】前記焚火台の別の使用態様を示す斜視図である。
【
図10】前記別の使用態様の焚火台を示す一部断面を含む正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、
図1は本発明の一実施形態に係る焚火装置の一部分を構成する焚火台の部品展開図である。
この実施形態に係る焚火装置S1(
図2~
図8)の一部分を構成する焚火台1は、
図1に示すように、平面視略正方形で有底角筒状の角筒体13と、それぞれの枠幅Wが角筒体13の一辺長Jよりも短くされて角筒体13内に収容可能に形成された一対の竪枠体2,2と、角筒体13内に対面して収容されたときの一対の竪枠体2,2に支持される格子棚12と、から構成されている。
【0016】
前記の竪枠体2は、互いに平行に配置された一対の竪杆部3,3と、各竪杆部3の上下方向の一端部に形成された係止突部3A,3Aと、一対の竪杆部3,3の上下方向の他端部3B,3B間に架け渡されて溶接などで固定された載置杆部4と、を備えている。各竪枠体2では、一対の竪杆部3,3および載置杆部4から形成される面体の片面側に、上下に離れた2つの棚受突部6A,6Bが固設されている。係止突部3Aと隣接する位置には、横棒状の支持突部5が一対の竪杆部3,3間に架け渡され溶接などで固定されている。かかる支持突部5,5は係止突部3A,3A,3A,3Aに係止用孔11,11を挿通された格子棚12を支持するものである。
【0017】
前記の格子棚12では、互いに平行に配置された対辺部7,7および互いに平行に配置された対辺部8,8により、四角枠体が形成されている。この四角枠体の対辺部8,8間には、複数の格子杆9,9,9,・・・が対辺部7方向に一定間隔をあけて架け渡され溶接などで固定されている。隣合う格子杆9,9間は長穴状の格子開口10となっている。そして、最外位置の格子杆9,9と対辺部7,7との間には、長穴状の係止用孔11,11が形成されている。各係止用孔11の孔幅11Aは竪枠体2の係止突部3Aの直径3Cよりも若干広く設定されており、これにより、係止用孔11,11に、一対の竪杆部3,3の係止突部3A,3A,3A,3Aが挿脱可能に挿通されるようになっている。この格子棚12は、豆炭、ゲル状アルコール、パラフィンロウなど小型の固体燃料G1、または薪や木炭などの固体燃料G2を載置するものである。
【0018】
上記した焚火台1を構成する竪枠体2,2および格子棚12は、いずれも、例えば直径3C(=杆径9A=10mm)の鉄筋棒を原材料とし、この原材料を所定寸法に切断し、曲げ、溶接、研磨などを施して製作されている。すなわち、焚火台1は極めて安価で入手容易な原材料を用いて製作されている。
【0019】
そして、
図2は焚火装置の斜視図、
図3は前記焚火装置の平面図、
図4は前記焚火装置の一部断面を含む正面図をそれぞれ示している。これら
図2~
図4に示されるように、前記した角筒体13は、例えば日本工業規格(JIS Z 1602:2003)に規定されている金属板製18リットル缶に適合した材質、寸法および形状で構成されている。すなわち、材質がブリキ板で、一辺長Jが238mmで、高さHが349mmの汎用18リットル缶を用いてあり、安価で入手容易である。この角筒体13は、側面部13Aが底面部13Bの周囲を囲むように立設されており、側面部13Aおよび底面部13Bで囲まれた空間が筒内空間13Cとなっている。側面部13Aの上端である開口縁部13Eに囲まれた空間は上面開口13Dとなっている。側面部13Aの下部には、適宜数の通気孔13Fが形成されている。因みに、竪枠体2において、竪杆部3の高さDは角筒体13の側面部13Aの高さHよりも大きく設定され、一対の竪杆部3,3間の枠幅Wは角筒体13の側面部13A,13A間の一辺長Jよりもいくぶん小さくなるように設定されている。
【0020】
上記のように構成された焚火装置S1,S2の作用を次に説明する。この場合、角筒体13が地面Eなどの上に設置されている状態から説明する。まず、
図1に示した焚火台1のうち、
図2~
図4に示すように、一方の竪枠体2が他端部3Bを上向きにして角筒体13内の片側の内壁面13Gに沿って立てかけられ、他方の竪枠体2が他端部3Bを上向きにして角筒体13内の反対側の内壁面13Gに沿って立てかけられる。このとき、それぞれの棚受突部6A,6Bと棚受突部6A,6Bとが対向するように、竪枠体2,2が配置される。その後、対向する棚受突部6A,6A上または棚受突部6B,6B上に格子棚12の対辺部8,8が載せられる。これにより、
図2~
図4に示した焚火装置S1の態様になる。ここでは、下側の棚受突部6B,6B上に格子棚12を載せた例を示している。この場合、対辺部7,7間の枠幅Nは対辺部8,8間の枠幅Mよりも長く、一辺長Jである内壁面13G,13G間のいっぱいまで占有する。また、対辺部8,8間の外方には竪枠体2,2が存在するので、角筒体13の開口部分全体が竪枠体2,2および格子棚12で被われることとなる(
図3)。
【0021】
そして、焚火装置S2は、焚火装置S1の構成に加えて調理用盤F1も備えている。この調理用盤F1としては例えば焼網などが例示され、各竪枠体2の他端部3B,3Bに設けられた載置杆部4に載せられる。そこで、格子棚12上には固体燃料G1が載せられ、載置杆部4,4上に調理用盤F1が載せられ、調理用盤F1上に置かれた食品L,L,L,・・・が、固体燃料G1からの火炎K1により加熱調理される(
図4)。
【0022】
他方で、
図2~
図4に示した組立態様とは異なる別の組立態様を、
図5および
図6に示す。この
図5,6の組立態様の方が
図2~4の組立態様よりも優れていると考える。まず、一対の竪枠体2,2が
図4の組立態様から天地反転した姿勢で角筒体13内の内壁面13G,13Gに沿って配置される。ここでは、対抗する上側の棚受突部6B,6B上に格子棚12を載せた例を示す。この例によれば、竪枠体2,2における支持突部5,5の直上に係止突部3A,3Aが突出しているので、焼網である調理用盤F1の網目に係止突部3A,3Aを通して、支持突部5,5上に調理用盤F1を支持させることができる。これにより、調理用盤F1の水平方向の位置ズレを防ぐことが可能になる。因みに、全ての係止突部3A,3A,3A,3Aを調理用盤F1の網目に通せるように、一つの竪枠体2における係止突部3A,3A間の配置ピッチはもとより、角筒体13内に対向配置された二つの竪枠体2,2における係止突部3A,3A間の配置ピッチM1も、調理用盤F1における網目のピッチの整数倍になっている。また、棚受突部6B,6上に載せられた格子棚12よりも上方位置の筒内空間13Cは比較的広いので、格子棚12には固体燃料G1として豆炭よりも大きな木炭などを用い、強い火力で食品L,L,L,・・・を加熱調理することができる。無論、下方の棚受突部6A,6A上に格子棚12(
図5中の2点鎖線)を載せることも可能である。
【0023】
そうして、食品Lの調理が終わり、焚火装置S1を片づける際には、焚火装置S1全体が十分に冷えるのを待って各部品が別個独立に分解される。まず、調理用盤F1が取り外され、格子棚12が取り出される。そして、一対の竪枠体2,2が順次取り出されてそれぞれが簡単に掃除される。その後、
図7に示すように、一方の竪枠体2の棚受突部6A,6B側の面に格子棚12の一面が重ね合わせられ、格子棚12の他面に他方の竪枠体2の棚受突部6A,6B側の面が重ね合わせられる。この場合、各竪枠体2における載置杆部4から棚受突部6Aの中心までの距離Rは、格子棚12における対辺部7から係止用孔11および2つ目の格子開口10の中心までの距離に等しいので、一対の竪枠体2,2の棚受突部6A,6Aは、格子棚12における1つの格子開口10に入り込む。そして、各竪枠体2における棚受突部6Aの中心から棚受突部6Bの中心までの距離は、隣合う格子開口10,10間のピッチPの倍数に設定されているので、一対の竪枠体2,2の棚受突部6B,6Bも、格子棚12における別の格子開口10に入り込む。これらによって、竪枠体2,格子棚12および竪枠体2を重ね合わせたときの重ね合わせ厚さV1はコンパクトなものとなる。このように、角筒体13の筒内空間13C内には十分なスペースがあるから、竪枠体2,2および格子棚12の収納順や収納位置は特に拘らない。続いて、筒内空間13C内の残りのスペースに調理用盤F1が収納される。
【0024】
あるいは、
図8に示すように、竪枠体2,2が角筒体13内の内壁面13Gに沿って収納されて重ね合わせられ、更に格子棚12が竪枠体2に沿って収納される。このような竪枠体2,2と格子棚12の収納順および配置であっても、十分に角筒体13内に収納することはできる。ただし、この場合の重ね合わせ厚さV2は、
図7に示した態様での重ね合わせ厚さV1よりも、格子棚12が入り込まないぶん厚くなる。
【0025】
一方、この焚火装置S1,S2の焚火台1だけを用いて焚火を行なうこともできる。すなわち、
図9、
図10に示すように、係止突部3A,3A,3A,3Aが上側となるように、かつ、互いの支持突部5,5が向き合うように、一対の竪枠体2,2が配置される。そして、一方の竪枠体2の係止突部3A,3Aが格子棚12の一方の係止用孔11内に挿通され、他方の竪枠体2の係止突部3A,3Aが格子棚12の他方の係止用孔11内に挿通される。すると、格子棚12の格子杆9,9が竪枠体2,2の支持突部5,5に支持される。その状態で、下側にある載置杆部4,4を離間させるように、竪枠体2,2が開かれる。その状態で、係止突部3A,3Aと格子棚12の上に鉄板などの調理用盤F2が置かれる。更に、薪などの固体燃料G2が格子棚12の下方位置に置かれ、固体燃料G2からの火炎K2により調理用盤F2上の食品が加熱調理される。調理用盤F2の替わりに、焼網などの調理用盤F1を用いても構わない。
【0026】
上記したように、この実施形態の焚火装置S1,S2は部品点数が少なく安価で済む。組立の際には、角筒体13内で一対の竪枠体2,2を対面配置させ、これら竪枠体2,2に格子棚12を支持させるだけで終わる。焚火時は、組み立てた一対の竪枠体2,2および格子棚12が焚火台として機能し、これらを収容した角筒体13が風防および煙突筒として機能する。一方、片づけの際は、角筒体13内から格子棚12と一対の竪枠体2,2を個々に順次取り出せばよいので、組立・分解を容易に行なうことができる。このとき、角筒体13は片づけ時の収容容器となるから、別の収容容器をあらたに用意する必要がなく、一対の竪枠体2,2、格子棚12および調理用盤F1,F2をコンパクトに収納することができる。
【0027】
また、格子棚12の係止用孔11,11と、一対の竪枠体2,2における係止突部3A,3A,3A,3Aおよび支持突部5,5とを備えているので、天地逆向きにされた一対の竪枠体2,2の係止突部3A,3A,3A,3Aが格子棚12の係止用孔11,11にそれぞれ挿通されると、竪枠体2,2は支持突部5,5が格子棚12を支持して両脚となる。従って、格子棚12上に調理用盤F2を置くことができ、格子棚12の下方で薪など大型の固体燃料G2を燃やして調理用盤F2上の食品を加熱調理することができる。
【0028】
そして、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0029】
S1,S2 焚火装置
2 竪枠体
3A 係止突部
3B 他端部
5 支持突部
6A,6B 棚受突部
7 対辺部
11 係止用孔
12 格子棚
13 角筒体
13B 底面部
13D 上面開口
13G 内壁面
F1,F2 調理用盤
G1,G2 固形燃料
L 食品