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  • 特開-法枠及び法面保護構造体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058212
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】法枠及び法面保護構造体
(51)【国際特許分類】
   E02D 17/20 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
E02D17/20 103F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168063
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】593197938
【氏名又は名称】有限会社ロング企画
(71)【出願人】
【識別番号】390019323
【氏名又は名称】小岩金網株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】長岡 信玄
(72)【発明者】
【氏名】阿部 剛
(72)【発明者】
【氏名】芦川 直仁
【テーマコード(参考)】
2D044
【Fターム(参考)】
2D044DB32
2D044DB33
(57)【要約】
【課題】搬送しやすく容易に組み立て可能な法枠と、施工効率が高く法面の起伏やカーブに追従して設置可能な法面保護構造体を提供すること。
【解決手段】本発明の法枠1は、高さ方向に立設した4枚の矩形の外枠パネル11を平面視略矩形の枠状に組んでなる外枠材10と、高さ方向に立設した4枚の矩形の仕切パネル21を外枠材10内に平面視略十字型に接続してなる仕切材20と、を備え、4枚の外枠パネル11はそれぞれ、両側辺が他の外枠パネル11の側辺と回動自在に連結し、4枚の仕切パネル21はそれぞれ、一側辺が他の仕切パネル21の側辺と回動自在に連結し、他側辺が外枠パネル11の中間部と回動自在に連結し、外枠材10と仕切材20を、平面視略直線状に折り畳み可能に構成したことを特徴とする。本発明の法面保護構造体Aは、法面に配置した法枠1と、法枠1の外枠10内に配置した中詰材A1と、法枠1を法面に固定したアンカー材A2と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に立設した4枚の矩形の外枠パネルを平面視略矩形の枠状に組んでなる、外枠材と、
高さ方向に立設した4枚の矩形の仕切パネルを前記外枠材内に平面視略十字型に接続してなる、仕切材と、を備え、
前記4枚の外枠パネルはそれぞれ、両側辺が他の前記外枠パネルの側辺と回動自在に連結し、
前記4枚の仕切パネルはそれぞれ、一側辺が他の前記仕切パネルの側辺と回動自在に連結し、他側辺が前記外枠パネルの中間部と回動自在に連結し、
前記外枠材と仕切材を、平面視略直線状に折り畳み可能に構成したことを特徴とする、
法枠。
【請求項2】
前記外枠パネル及び前記仕切パネルが、複数の縦線材と複数の横線材を格子状に連結してなる溶接金網又はクリンプ金網からなることを特徴とする、請求項1に記載の法枠。
【請求項3】
前記縦線材の下端部が最下段の前記横線材より下方に突出した貫入端であることを特徴とする、請求項2に記載の法枠。
【請求項4】
前記外枠パネル同士、前記仕切パネル同士、及び/又は前記外枠パネルと前記仕切パネルを、前記縦線材に環設したリング状又はコイル状のリンク材で連結したことを特徴とする、請求項2又は3に記載の法枠。
【請求項5】
法面に配置した請求項1乃至4のいずれか一項に記載の法枠と、
前記法枠の外枠内に配置した中詰材と、
前記法枠を法面に固定したアンカー材と、を備えることを特徴とする、
法面保護構造体。
【請求項6】
複数の前記法枠を市松状に配置し、前記法枠を配置してない1つの空間を囲む4つの前記法枠を、前記空間内に配置した連結材で連結したことを特徴とする、請求項5に記載の法面保護構造体。
【請求項7】
前記連結材が、平面視略L字型の2枚の連結パネルを組み合わせてなる、平面視略十字型を呈することを特徴とする、請求項6に記載の法面保護構造体。
【請求項8】
複数の前記法枠を、前記外枠材の対角線が法面の傾斜方向に沿う向きに配置したことを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の法面保護構造体。
【請求項9】
法面の傾斜方向に沿って平行に配置した、直線状の2本のコンクリート枠を備え、前記外枠材の対角線が法面の傾斜方向に沿う向きに配置した前記法枠を、前記2本のコンクリート枠の間に、上下に連続配置したことを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の法面保護構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法枠及び法面保護構造体に関し、特に、搬送しやすく、現場で展開するだけで容易に組み立て可能な法枠と、施工効率が高く、法面の起伏やカーブに追従して設置可能な法面保護構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
風化や浸食によって切土面/盛土面等の法面が不安定化することを抑制するために、法面に保護構造体を構築する法面保護工が施工される。
法面保護工の内、例えば法面緑化工では、法面に法枠を設置し、法枠内に緑化基盤材に肥料と種子を混和した植生基材を充填することで、裸地に植物を育成して法面の緑化を図る。この他、法枠内に土砂や砕石を充填して、法面の浸食防止や湧水対策を図る。
特に近年では地震や豪雨による法面の崩壊事故が多発しており、これら自然災害を防止するための有効な法面保護構造体をできるだけ簡易な作業で設置する技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術には以下のような問題点があった。
<1>鋼製の法枠を現場で組み立てるため、現場作業が多く、施工に時間と手間がかかる。
<2>現場作業を減らすため、法枠を予めユニット化すると、形状が嵩張るため、搬送作業の負担が大きく、広い保管場所が必要となる。
<3>法枠の形状が固定されているため、法面の起伏やカーブに追従させるには、現場で部材をカットしたり変形させる必要があり、非常に手間がかかる。
【0004】
本発明の目的は、以上のような問題点を解決するための法枠及び法面保護構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の法枠は、高さ方向に立設した4枚の矩形の外枠パネルを平面視略矩形の枠状に組んでなる、外枠材と、高さ方向に立設した4枚の矩形の仕切パネルを外枠材内に平面視略十字型に接続してなる、仕切材と、を備え、4枚の外枠パネルはそれぞれ、両側辺が他の外枠パネルの側辺と回動自在に連結し、4枚の仕切パネルはそれぞれ、一側辺が他の仕切パネルの側辺と回動自在に連結し、他側辺が外枠パネルの中間部と回動自在に連結し、外枠材と仕切材を、平面視略直線状に折り畳み可能に構成したことを特徴とする。
【0006】
本発明の法枠は、外枠パネル及び仕切パネルが、複数の縦線材と複数の横線材を格子状に連結してなる溶接金網又はクリンプ金網からなっていてもよい。
【0007】
本発明の法枠は、縦線材の下端部が最下段の横線材より下方に突出した貫入端であってもよい。
【0008】
本発明の法枠は、外枠パネル同士、仕切パネル同士、及び/又は外枠パネルと仕切パネルを、縦線材に環設したリング状又はコイル状のリンク材で連結していてもよい。
【0009】
本発明の法面保護構造体は、法面に配置した法枠と、法枠の外枠内に配置した中詰材と、法枠を法面に固定したアンカー材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の法面保護構造体は、複数の法枠を市松状に配置し、法枠を配置してない1つの空間を囲む4つの法枠を、空間内に配置した連結材で連結していてもよい。
【0011】
本発明の法面保護構造体は、連結材が、平面視略L字型の2枚の連結パネルを組み合わせてなる、平面視略十字型を呈していてもよい。
【0012】
本発明の法面保護構造体は、複数の法枠を、外枠材の対角線が法面の傾斜方向に沿う向きに配置してもよい。
【0013】
本発明の法面保護構造体は、法面の傾斜方向に沿って平行に配置した、直線状の2本のコンクリート枠を備え、外枠材の対角線が法面の傾斜方向に沿う向きに配置した法枠を、2本のコンクリート枠の間に、上下に連続配置してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の法枠は以上の構成を備えるため、次の効果のうち少なくとも一つを備える。
<1>工場製作した法枠を現場で展開するだけで組み立てが完了するため、現場作業を大幅に省力化し、作業員の作業負担を軽減することができる。
<2>平坦な形状に折り畳むことができるため、搬送が容易であり、保管時に積み重ねることができるため、広い保管場所を必要としない。
【0015】
本発明の法面保護構造体は以上の構成を備えるため、次の効果のうち少なくとも一つを備える。
<1>現場に展開した複数の法枠の間を連結材で連結するだけで、法枠の平面積の数倍の面積の法面を保護することができるため、施工効率が非常に高い。
<2>法枠の展開角度や連結材の長さを調整することで、法面の起伏やカーブに追従して設置することができる。
<3>外枠材内を仕切材で小分割した構造であるため、土砂や砕石等の中詰材の拘束単位が小さく、構造の安定性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の法面保護構造体の説明図
図2】本発明の法枠の説明図
図3A】法枠の配置の説明図(1)
図3B】法枠の配置の説明図(2)
図4A】連結材の説明図(1)
図4B】連結材の説明図(2)
図5】法枠の折り畳みの説明図
図6】実施例2の説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の法枠及び法面保護構造体について詳細に説明する。
本発明において「法面」とは自然斜面を含んだ意味で使用する。また、本発明において法面の「保護」とは切土/盛土法面の安定化、浸食防止、緑化促進、湧水対策等を含んだ意味で使用する。
本発明における「上」「下」「高さ」「幅」等の用語は、本発明の法枠を展開して地盤に設置した状態における各方位、すなわち図2における各方位を意味する。
【実施例0018】
[法面保護構造体]
<1>全体の構成(図1
本発明の法面保護構造体Aは、法面を保護するための構造物である。
本例では法面保護構造体Aを、法面の緑化促進の用途に用いる例について説明する。
法面保護構造体Aは、法面に配置した複数の法枠1と、法枠1内に配置した中詰材A1と、法枠1を法面に固定したアンカー材A2と、を少なくとも備える。
本例では、法枠1を菱形の向きに配置する。ここで「菱形」とは、法枠1を法面の正面視において略菱形に見える向きに配置すること、すなわち外枠材10の対角線が法面の傾斜方向に沿う向きに配置することを意味する。
中詰材A1は、本例では緑化基盤材に肥料と種子を混和した植生基材である。ただしこれに限らず、客土、砕石、土嚢等、用途によって適宜の材料を配置することできる。
【0019】
<2>法枠(図2
法枠1は、法面に設置する土木資材である。
法枠1は、平面視略矩形の外枠材10と、外枠材10に接続した平面視略十字型の仕切材20と、を少なくとも備える。ここで「略矩形」「略十字型」とは、それぞれ法枠1を展開した状態における形状である。
外枠材10と仕切材20は、地盤に配置した状態において高さ方向に立設する。
本発明の法枠1は、外枠材10を構成する4枚の外枠パネル11と、仕切材20を構成する4枚の仕切パネル21とを、それぞれ相互に回動自在に連結することで、平面視略直線状に折り畳み可能な構造に一つの特徴を有する。
【0020】
<2.1>外枠材
外枠材10は、法枠1の外枠を構成する部材である。
外枠材10は、4枚の外枠パネル11を平面視略矩形の枠状に組んでなる。
詳細には、4枚の外枠パネル11の両側辺を、外リンク材12で相互に回動自在に連結する。
【0021】
<2.1.1>外枠パネル
外枠パネル11は、外枠材10を構成する矩形の面材である。
本例では外枠パネル11として、並列配置した複数の縦線材と並列配置した複数の横線材を格子状に組んでなる、亜鉛めっき鉄線製の溶接金網を採用する。
菱形金網は強度が高く、更に素線を亜鉛めっき加工することで、高い耐錆性と耐候性を確保することができる。
本例では、外枠パネル11の縦線材の下端部を、最下段の横線材より下方に突出させることで、法面に貫入可能な貫入端11aを形成する。
ただし外枠パネル11は溶接金網に限らず、クリンプ金網、エキスパンドメタル、ブラインドメッシュ等、法枠1の用途に応じて適宜の面材を選択することができる。特に溶接金網又はクリンプ金網の場合、網目に指を入れて搬送しやすく、また縦線材に貫入端11aを設けられるため至適である。
【0022】
<2.1.2>外リンク材
外リンク材12は、外枠パネル11の側辺を回動可能に連結する部材である。
本例では外リンク材12として、金属製の複数のCリングを採用する。
詳細には、隣接する2枚の外枠パネル11において、それぞれ最も外側の縦線材を1つのCリングの内部に通し、C字の開放端を閉じることで、2本の縦線材を回動可能に連結する。本例では、外枠パネル11の接続部1カ所についてCリングを上下2個ずつ付設する。
ただし外リンク材12はCリングに限らず、金属コイル、カードリング、ワイヤーリング、番線、インシュロック等であってもよい。要は2枚の外枠パネル11を回動可能に連結できる部材であればよい。
【0023】
<2.2>仕切材
仕切材20は、外枠材10の内部を仕切る補強部材である。
仕切材20は、4枚の仕切パネル21を平面視十字型に接続してなる。
詳細には、4枚の仕切パネル21の一側辺を中央リンク材23で他の仕切パネル21の側辺と回動自在に連結し、他側辺を仕切リンク材22で外枠パネル11の中間部と回動自在に連結する。
【0024】
<2.2.1>仕切パネル
仕切パネル21は、仕切材20を構成する矩形の面材である。
本例では仕切パネル21として、外枠パネル11と同様の亜鉛めっき鉄線製の溶接金網を採用する。
ただし仕切パネル21は溶接金網に限らず、クリンプ金網、エキスパンドメタル、ブラインドメッシュ等、法枠1の用途に応じて適宜の面材を選択することができる。
本例では、外枠パネル11と同様に、仕切パネル21の縦線材の下端部を最下段の横線材より下方に突出させ、貫入端21aを形成する。
【0025】
<2.2.2>仕切リンク材
仕切リンク材22は、仕切パネル21の外側の側辺を、外枠パネル11の中間部に回動可能に連結する部材である。
本例では仕切リンク材22として、金属製の複数のCリングを採用する。
詳細には、仕切パネル21の最も外側の縦線材と、外枠パネル11の中間部の縦線材と、を1つのCリングの内部に通し、C字の開放端を閉じることで、2本の縦線材を回動可能に連結する。本例では、仕切パネル21と外枠パネル11の接続部1カ所についてCリングを上下2個ずつ付設する。
仕切リンク材22のその他の例は、外リンク材12の項で説明したものと同様なのでここでは詳述しない。
【0026】
<2.2.3>中央リンク材
中央リンク材23は、仕切パネル21の内側の側縁を、他の仕切パネル21の側縁と回動可能に連結する部材である。
本例では中央リンク材23として、金属製の複数のCリングを採用する。
詳細には、4枚の仕切パネル21において、それぞれ最も外側の縦線材を1つのCリングの内部に通し、C字の開放端を閉じることで、4本の縦線材を回動可能に連結する。本例では、仕切パネル21の接続部1カ所についてCリングを上下2個ずつ付設する。
中央リンク材23のその他の例は、外リンク材12の項で説明したものと同様なのでここでは詳述しない。
【0027】
<2.3>法枠の配置
本例では、複数の法枠1を市松状に配置し、法枠1同士を連結材A3で連結する。
詳細には、複数の法枠1を、外枠材10の角同士が接するように斜め市松状に法面に配置し(図3A)、4つの法枠1の間に法枠1を配置しない空間Sを画設する。外枠材10の角同士は、例えばU字ピン(不図示)等を用いて連結することができる。
続いて、空間S内に連結材A3を配置して(図3B)、4つの法枠1を連結材A3で連結する。法枠1と連結材A3は、例えば金属コイル(不図示)等を用いて連結することができる。
本例の場合、4つの法枠1を連結材A3で連結するだけで、法枠1の面積の2倍の法面を被覆できるため、施工効率が高く、材料コストが安い。
また、後述するように、連結材A3は寸法調整が容易であるため、法面の起伏やカーブに合わせて連結材A3の寸法や配置を調整することで、法面の起伏やカーブに沿った柔軟な設計が可能となる。
【0028】
<3>アンカー材
アンカー材A2は、法枠1を法面に固定するための部材である。
本例ではアンカー材A2として、頭部が曲折したアンカーピンを採用し、アンカーピンの先端を外リンク材12、仕切リンク材22、及び中央リンク材23の内部に通して法面に打設することで、法枠1を法面に固定する。
この他、アンカー材A2は、頭部を折り返したU字状のU字ピン等であってもよい。アンカー材A2がU字ピンの場合には、U字部で外枠パネル11及び仕切パネル21の横線材を挟み込み、先端を斜面に打設することで、法枠1を法面に固定することができる。
【0029】
<4>連結材
連結材A3は、隣り合う法枠1間を連結する部材である。
連結材A3は、空間Sを囲む4つの法枠1の外枠材10を相互に連結できるよう、平面視略十字形状の構造とすることが望ましい。
本例では連結材A3として、平面視略L字型の2枚の連結パネルA3aと、2枚の連結パネルA3aを連結する複数の連結リンク材A3bの組み合わせを採用する。
詳細には、連結パネルA3aは、L字型の横線材と直線状の縦線材とを格子状に組んでなり、2枚の連結パネルA3aのL字の角部を突き合わせた状態で、両横線材をリング状の連結リンク材A3bで連結する(図4A)。
この構造によれば、2枚の連結パネルA3aが相互にスライド自在となるため、十字形の上下方向又は左右方向の幅をスライド調整可能となる(図4B)。
ただし連結材A3の構造はこれに限らず、例えば法枠1の仕切材20と同様の構造であってもよい。要は空間S内において隣り合う法枠1同士を連結できればよい。
【0030】
<5>法枠の折り畳みと展開(図5
本発明の法枠1は、コンパクトに折り畳んだ状態で運搬でき、現場で容易に展開可能な点に一つの特徴を有する。
詳細には、法枠1は、外枠パネル11及び仕切パネル21を、それぞれ外リンク材12、仕切リンク材22、及び中央リンク材23で回動可能に連結した構造であるため、各リンク材を中心に外枠材10と仕切材20を同時に折り畳むことで、扁平な帯状の形状にすることができる。
このため、搬送が容易であり、積み重ねて保管することができるため、保管時に広い面積を占有しない。
施工時には、現場で外枠材10を展開するだけで、容易に組み立てることができる。
【実施例0031】
[コンクリート枠と組み合わせた例]
本例では、法枠1をコンクリート枠A4と組み合わせて法面保護構造体Aを構築する。
コンクリート枠A4は、例えば法面上に鉄筋を組み、側面を型枠で囲んだ内部にコンクリートを打設して製作する。
本例では、法面に沿って2本のコンクリート枠A4を平行に設置し、コンクリート枠A4間に、菱形状の法枠1を上下に連続配置する(図6)。
本例の場合、水平方向のコンクリート枠を設置する手間を必要とせずに、中詰材A1充填用の空間を容易に画設することができ、法枠1とコンクリート枠A4の相乗効果により安定性にも優れる。
【符号の説明】
【0032】
1 法枠
10 外枠材
11 外枠パネル
11a 貫入端
12 外リンク材
20 仕切材
21 仕切パネル
21a 貫入端
22 仕切リンク材
23 中央リンク材
A 法面保護構造体
A1 中詰材
A2 アンカー材
A3 連結材
A3a 連結パネル
A3b 連結リンク材
A4 コンクリート枠
S 空間
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6