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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058273
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ゲートバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/18 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
F16K3/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168188
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】西川 武志
【テーマコード(参考)】
3H053
【Fターム(参考)】
3H053AA25
3H053AA35
3H053BA12
3H053BA24
3H053BC01
3H053BD02
3H053DA09
(57)【要約】
【課題】重量やコストの増大を抑制可能なゲートバルブを提供する。
【解決手段】ゲートバルブ10は、第1及び第2チャンバ間に配設され、第1チャンバに通じる第1開口部と、第2チャンバに通じる第2開口部とを相互に連通し及び個別に開閉する。ゲートバルブは、弁シャフト17と、この先端部に取り付けられた第1及び第2弁板21,22と、弁シャフトを動作させて、これら弁板を、第1及び第2開口部を相互に連通させる退避位置、第1弁板で第1開口部を閉塞する第1閉塞位置、第2弁板で第2開口部を閉塞する第2閉塞位置に移動させる操作機構24と、これら弁板間に弁シャフトの先端部を挟持させた状態で、これら弁板と弁シャフトを係脱可能に相互に締結して、これら弁板を弁シャフトの先端部に着脱可能に取り付ける締結機構30と、これら弁板の長手方向の少なくとも両端部において、これら弁板を係脱可能に相互に締結するサポート機構50と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する第1チャンバと第2チャンバとの間に配設され、前記第1チャンバへと通じる第1開口部と、前記第2チャンバへと通じる第2開口部とを相互に連通したり、個別に開閉したりするためのゲートバルブであって、
前記ゲートバルブは、
基端側から先端側に向けて軸方向に延びる弁シャフトと、
前記弁シャフトの軸方向の先端部に取り付けられ、前記軸と直交する方向に長く形成されると共に、前記弁シャフト側を向く内面及び環状のシール部材が装着されて前記内面と背向する外面を備えた第1弁板及び第2弁板と、
前記弁シャフトを動作させることにより、前記第1及び第2弁板を、前記第1開口部と前記第2開口部とを相互に連通させる退避位置、前記第1弁板の外面で前記第1開口部を閉塞する第1閉塞位置、及び、前記第2弁板の外面で前記第2開口部を閉塞する第2閉塞位置に移動させる操作機構と、を有しており、
さらに、前記ゲートバルブは、
前記第1弁板の内面及び前記第2弁板の内面を前記弁シャフトの先端部に当接させて、これら弁板間に前記弁シャフトの先端部を挟持させた状態で、前記第1及び第2弁板並びに前記弁シャフトを係脱可能に相互に締結することにより、前記第1及び第2弁板を前記弁シャフトの先端部に着脱可能に取り付ける締結機構と、
前記第1及び第2弁板の長手方向の少なくとも両端部において、これら弁板を係脱可能に相互に締結する少なくとも1組のサポート機構と、を有している、
ことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記締結機構は、
前記弁シャフトの前記軸方向の先端側から、前記弁シャフトと前記第1弁板との間に跨がるよう配されていて、前記第1弁板に対して係脱可能に係合されると共に、前記弁シャフトに対して着脱可能に固定された第1クランプ片と、
前記弁シャフトの前記軸方向の先端側から、前記弁シャフトと前記第2弁板との間に跨がるよう配されていて、前記第2弁板に対して係脱可能に係合されると共に、前記弁シャフトに対して着脱可能に固定された第2クランプ片と、
前記第1クランプ片及び前記第2クランプ片のそれぞれを前記弁シャフトの先端部に着脱可能に固定する第1締結部材及び第2締結部材と、を有しており、
前記第1及び第2弁板の前記軸方向における基端側端部は、前記弁シャフトの先端側から前記弁シャフトの先端部に対して凹凸係合されており、
前記第1及び前記第2クランプ片が前記第1及び第2締結部材で前記弁シャフトに固定された状態において、前記第1及び第2クランプ片と前記第1及び第2弁板との係合により、前記第1及び第2弁板の先端部がそれらの前記内面側に向けてそれぞれ押圧されていると共に、前記弁板の基端側端部と前記弁シャフトの先端部との凹凸係合により、前記第1及び第2弁板の基端側端部がそれらの前記内面側に向けてそれぞれ押圧されており、
それにより、前記第1及び第2弁板が前記弁シャフトの先端部に対して締結されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記一対の弁板の基端側端部と前記弁シャフトの先端部との凹凸係合は、前記一対の弁板の基端部にそれぞれ設けられた係合部と、前記弁シャフトの先端部に設けられ一対の被係合部との係合によって形成され、前記係合部は、凹部及びそれに係合された凸部のいずれか一方であり、前記被係合部は、前記凹部及び前記凸部のいずれか他方であり、
前記第1弁板及び前記第2弁板には、それらの前記内面の長手方向の中央部において前記軸方向の先端側に向けて開口する第1係合凹部及び第2係合凹部が形成され、
前記第1クランプ片及び前記第2クランプ片には、前記第1及び第2係合凹部に係合させる第1係合凸部及び第2係合凸部が形成されており、
前記第1係合凸部を前記第1係合凹部に係合させると共に、前記第1弁板及び前記弁シャフトに形成された前記係合部と前記被係合部とを係合させた状態で、前記第1締結部材で前記第1クランプ片を前記弁シャフトに固定することにより、前記第1係合凸部が前記第1係合凹部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力が作用すると共に、前記係合部が前記被係合部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力が作用して、前記第1弁板が前記弁シャフトに対して締結され、
前記第2係合凸部を前記第2係合凹部に係合させると共に、前記第2弁板及び前記弁シャフトに形成された前記係合部と前記被係合部とを係合させた状態で、前記第2締結部材で前記第2クランプ片を前記弁シャフトに固定することにより、前記第2係合凸部が前記第2係合凹部に対して前記第2弁板の内面方向の押圧力を作用させると共に、前記係合部が前記被係合部に対して前記第2弁板の内面方向の押圧力を作用させて、前記第2弁板が前記弁シャフトに対して締結されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記第1及び第2締結部材は第1締結ボルト及び第2締結ボルトであり、
前記弁シャフトの軸方向の先端面には、これら締結ボルトを螺合させるねじ穴が開設され、
前記第1及び第2クランプ片には、前記第1及び第2締結ボルトを挿通させる貫通孔が開設されており、
前記第1締結ボルトを前記第1クランプ片の貫通孔に挿通させて前記弁シャフトのねじ穴に螺合させることにより、前記第1クランプ片が前記弁シャフトに固定され、前記第2締結ボルトを前記第2クランプ片の貫通孔に挿通させて前記弁シャフトのねじ穴に螺合させることにより、前記第2クランプ片が前記弁シャフトに固定されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記第1クランプ片は、その貫通孔を挟んだ一端側に前記第1係合凸部を有し、他端側に第1係止爪を有しており、
前記第1クランプ片を前記第1締結ボルトで固定した状態において、前記第1係止爪が前記弁シャフトに対して前記第1係合凸部側へ向けて係止されており、
前記第2クランプ片は、その貫通孔を挟んだ一端側に前記第2係合凸部を有し、他端側に第2係止爪を有しており、
前記第2クランプ片を前記第2締結ボルトで固定した状態において、前記第2係止爪が前記弁シャフトに対して前記第2係合凸部側へ向けて係止されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記第1クランプ片は、前記第1締結ボルトを緩めた状態において、前記第1係合凸部を前記第1係合凹部に係合させた係合位置と、前記第1係合凹部から前記第1係合凸部を抜脱させた着脱位置との間で、前記第1締結ボルトの軸周りに回動自在であり、
前記第1クランプ片は、前記第1クランプ片を前記係合位置から前記着脱位置まで回動させたときに、前記第1弁板の内面と前記第2弁板の内面との間の隙間内に収容され、
前記第2クランプ片は、前記第2締結ボルトを緩めた状態において、前記第2係合凸部を前記第2係合凹部に係合させた係合位置と、前記第2係合凹部から前記第2係合凸部を抜脱させた着脱位置との間で、前記第2締結ボルトの軸周りに回動自在であり、
前記第2クランプ片は、前記第2クランプ片を前記係合位置から前記着脱位置まで回動させたときに、前記第1弁板の内面と前記第2弁板の内面との間の隙間内に収容される、
ことを特徴とする請求項4に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記第1及び第2締結ボルトは、軸方向に延びる軸部と、前記軸部の軸方向の先端部に設けられた頭部と、前記軸部の外周面に形成された雄ねじ部と、を有し、
前記第1及び第2クランプ片に開設された前記貫通孔の内面には、前記雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部が形成され、
前記軸部は、さらに前記雄ねじ部よりも前記頭部側の部分に前記雌ねじ部の内径より外径が小さい細径部を有し、
前記細径部は、前記貫通孔に挿通されており、
前記第1及び第2締結ボルトを緩める際に、前記雄ねじ部における前記頭部側の端部が前記第1及び第2クランプ片の前記雌ねじ部に当接するように構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記サポート機構は、
前記第1弁板及び前記第2弁板の長手方向の少なくとも両端部において、これら弁板間に挟持された少なくとも一対のサポート台と、
前記一対のサポート台のそれぞれの前記軸方向の先端側から前記第1弁板及び前記第2弁板に跨がるように配されていて、前記第1及び第2弁板に対して係脱可能に係合されると共に、前記各サポート台に対して着脱可能に固定された第3クランプ片と、
前記第3クランプ片を前記サポート台の軸方向の先端部に着脱可能に固定する第3締結部材と、を有しており、
前記第1及び第2弁板の前記軸方向における基端側端部は、前記サポート台の先端側から前記サポート台に対して凹凸係合されており、
前記第3クランプ片を前記第1及び第2弁板に係合させると共に、前記一対の弁板の基端側端部と前記サポート台とを凹凸係合させた状態で、前記第3クランプ片を前記第3締結部材で前記サポート台に固定することにより、前記第1及び第2弁板の先端部及び基端側端部がそれらの前記内面側に向けてそれぞれ押圧されており、
それにより、前記第1及び第2弁板と前記サポート台とが互いに締結されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記一対の弁板の基端側端部と前記サポート台との凹凸係合は、前記一対の弁板の基端側端部にそれぞれ設けられた基端側係合凹部と、前記サポート台に設けられた一対の基端側係合凸部との係合によって形成されており、
前記第1弁板及び前記第2弁板には、それらの前記内面の長手方向の少なくとも両端部において前記軸方向の先端側に向けて開口する第3係合凹部及び第4係合凹部が形成され、
前記第3クランプ片には、前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合させる第3係合凸部及び第4係合凸部が形成されており、
前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部を前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合させると共に、前記第1及び第2弁板並びに前記サポート台に形成された前記基端側係合凹部と前記基端側係合凸部とを係合させた状態で、前記第3締結部材で前記第3クランプ片を前記サポート台に固定することにより、前記第3係合凸部が前記第3係合凹部に対して及び前記第4係合凸部が前記第4係合凹部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力を作用させると共に、前記基端側係合凹部が前記基端側係合凸部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力を作用させて、前記第1及び第2弁板と前記サポート台とが互いに締結されている、
ことを特徴とする請求項8に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記第3締結部材は、第3締結ボルトであり、
前記サポート台の軸方向の先端面には、前記第3締結ボルトを螺合させるねじ穴が開設され、
前記第3クランプ片には、前記第3締結ボルトを挿通させる貫通孔が開設されており、
前記第3締結ボルトを前記第3クランプ片の貫通孔に挿通させて前記サポート台の前記ねじ穴に螺合させることにより、前記第3クランプ片が前記サポート台に固定されている、
ことを特徴とする請求項9に記載のゲートバルブ。
【請求項11】
前記第3係合凹部、前記第4係合凹部及び前記基端側係合凹部は、前記弁板の長手方向に延びてその外側端がその長手方向の外側へ向けて開口しており、
前記サポート台は、前記第3クランプ片の前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部が前記第1及び第2弁板の前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合していると共に、前記基端側係合凹部及び前記基端側係合凸部が係合している状態で、前記第3締結ボルトを緩めることにより、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部を前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に沿ってスライド移動させると共に、前記基端側係合凹部を前記基端側係合凸部に沿ってスライド移動させて、前記サポート機構を前記第1及び第2弁板から取り外し可能である、
ことを特徴とする請求項10に記載のゲートバルブ。
【請求項12】
前記第3クランプ片は、前記第3締結ボルトを緩めることにより、前記第3係合凸部が前記第3係合凹部に係合し且つ、前記第4係合凸部が前記第4係合凹部に係合している状態から、前記第3締結ボルトの軸周りに回動自在であり、
前記第3クランプ片には、さらに、前記第3締結ボルトを中心として径方向に突出する突出片部が形成され、
前記突出片部には、その突出方向先端部に前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部と係合可能な第5係合凸部が形成されており、
前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部は、前記第3締結ボルトを挟んだ径方向両側に配置され、
前記第5係合凸部は、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部に対して前記第3締結ボルトの軸周りに直角を成した位置に配置されており、
前記第3クランプ片は、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部が前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合した状態で、前記第3締結ボルトを緩めて前記第3クランプ片を前記第3締結ボルトの軸周りに回動させることにより、前記第5係合凸部を前記第3係合凹部又は前記第4係合凹部に係合させて前記第1弁板及び前記第2弁板のいずれらか一方を係止すると共に、その一方で前記弁板のいずれか他方を前記第3クランプ片との係合から解除させることができるように構成されている、
ことを特徴とする請求項10に記載のゲートバルブ。
【請求項13】
前記第3締結ボルトは、軸方向に延びる軸部と、前記軸部の軸方向の先端部に設けられた頭部と、前記軸部の外周面に形成された雄ねじ部と、を有し、
前記第3クランプ片に開設された前記貫通孔の内面には、前記雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部が形成され、
前記軸部は、さらに前記雄ねじ部よりも前記頭部側の部分に前記雌ねじ部の内径より外径が小さい細径部を有し、
前記細径部は、前記貫通孔に挿通されており、
前記第3締結ボルトを緩める際に、前記雄ねじ部における前記頭部側の端部が前記第3クランプ片に当接するように構成されている、
ことを特徴とする請求項12に記載のゲートバルブ。
【請求項14】
前記ゲートバルブは、さらに、前記第1弁板及び前記第2弁板を収容する
弁箱を有し、
前記弁箱は、前記第1及び第2弁板を前記軸周りに取り囲む側壁と、前記
側壁における前記軸方向の先端側端部に着脱可能に取り付けられた天壁と、
を有しており、
前記側壁には、前記第1開口部及び前記第2開口部が互いに対向するように
開設されている、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のゲートバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置等において、チャンバ間に配置するためのゲートバルブに関するものであり、更に詳しくは、互いに隣接するトランスファチャンバ等の第1チャンバとプロセスチャンバ等の第2チャンバとの間に配置され、第1チャンバへと通じる第1開口部と第2チャンバへと通じる第2開口部とを相互に連通させたり、個別に開閉したりするためのゲートバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなゲートバルブにおいては、一対の弁板が互いに背向するように配設されていて、それら弁板に取り付けられたシール部材を、前記各開口部の周囲に形成されたシート面に当接させることにより、前記各開口部を個別に開閉することができるようになっている。ところで、例えば、前記シール部材は、使用に応じて次第に劣化していくため、劣化した段階で新たなシール部材と交換する必要があるなど、弁板には定期的なメンテナンス作業が必要とされている。しかしながら、従来は、このようなシール部材の交換をはじめとする弁板のメンテナンス作業を実施するにあたっては、ゲートバルブ全体をチャンバ間から一旦取り外す必要があり、多くの手間と時間を要していた。
【0003】
そこで、特許文献1に記載のゲートバルブにおいては、弁シャフトの先端部に、支持プレートを弁シャフトの先願側から着脱自在に取り付けると共に、その支持プレートの両面に、一対の弁板を弁シャフトの先端側から着脱可能に取り付けている。このため、例えば、特許文献1に記載されたように、弁板を収容した弁箱の先端側を閉じる天壁を取り外すなどして、弁板や支持プレートへの先端側からのアクセスを可能にすれば、ゲートバルブ全体をチャンバ間から取り外すことなく、弁板のメンテナンス作業を簡単に実施することが可能となっている。その一方で、製造時や運用時等のコストを考慮すると、弁板周りの重量は出来るだけ抑制することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-94795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の技術的課題は、弁板のメンテナンス時における作業性に優れているばかりでなく、弁板周りの重量を抑制することで各種コストを抑制することが可能なゲートバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するため、本発明に係るゲートバルブは、互いに隣接する第1チャンバと第2チャンバとの間に配設され、前記第1チャンバへと通じる第1開口部と、前記第2チャンバへと通じる第2開口部とを相互に連通したり、個別に開閉したりするためのゲートバルブであって、前記ゲートバルブは、基端側から先端側に向けて軸方向に延びる弁シャフトと、前記弁シャフトの軸方向の先端部に取り付けられ、前記軸と直交する方向に長く形成されると共に、前記弁シャフト側を向く内面及び環状のシール部材が装着されて前記内面と背向する外面を備えた第1弁板及び第2弁板と、前記弁シャフトを動作させることにより、前記第1及び第2弁板を、前記第1開口部と前記第2開口部とを相互に連通させる退避位置、前記第1弁板の外面で前記第1開口部を閉塞する第1閉塞位置、及び、前記第2弁板の外面で前記第2開口部を閉塞する第2閉塞位置に移動させる操作機構と、を有しており、さらに、前記ゲートバルブは、前記第1弁板の内面及び前記第2弁板の内面を前記弁シャフトの先端部に当接させて、これら弁板間に前記弁シャフトの先端部を挟持させた状態で、前記第1及び第2弁板並びに前記弁シャフトを係脱可能に相互に締結することにより、前記第1及び第2弁板を前記弁シャフトの先端部に着脱可能に取り付ける締結機構と、前記第1及び第2弁板の長手方向の少なくとも両端部において、これら弁板を係脱可能に相互に締結する少なくとも1組のサポート機構と、を有している、ことを特徴とする。
【0007】
この場合において、好ましくは、前記締結機構は、前記弁シャフトの前記軸方向の先端側から、前記弁シャフトと前記第1弁板との間に跨がるよう配されていて、前記第1弁板に対して係脱可能に係合されると共に、前記弁シャフトに対して着脱可能に固定された第1クランプ片と、前記弁シャフトの前記軸方向の先端側から、前記弁シャフトと前記第2弁板との間に跨がるよう配されていて、前記第2弁板に対して係脱可能に係合されると共に、前記弁シャフトに対して着脱可能に固定された第2クランプ片と、前記第1クランプ片及び前記第2クランプ片のそれぞれを前記弁シャフトの先端部に着脱可能に固定する第1締結部材及び第2締結部材と、を有しており、前記第1及び第2弁板の前記軸方向における基端側端部は、前記弁シャフトの先端側から前記弁シャフトの先端部に対して凹凸係合されており、前記第1及び前記第2クランプ片が前記第1及び第2締結部材で前記弁シャフトに固定された状態において、前記第1及び第2クランプ片と前記第1及び第2弁板との係合により、前記第1及び第2弁板の先端部がそれらの前記内面側に向けてそれぞれ押圧されていると共に、前記弁板の基端側端部と前記弁シャフトの先端部との凹凸係合により、前記第1及び第2弁板の基端側端部がそれらの前記内面側に向けてそれぞれ押圧されており、それにより、前記第1及び第2弁板が前記弁シャフトの先端部に対して締結されている。
【0008】
また、好ましくは、前記一対の弁板の基端側端部と前記弁シャフトの先端部との凹凸係合は、前記一対の弁板の基端部にそれぞれ設けられた係合部と、前記弁シャフトの先端部に設けられ一対の被係合部との係合によって形成され、前記係合部は、凹部及びそれに係合された凸部のいずれか一方であり、前記被係合部は、前記凹部及び前記凸部のいずれか他方であり、前記第1弁板及び前記第2弁板には、それらの前記内面の長手方向の中央部において前記軸方向の先端側に向けて開口する第1係合凹部及び第2係合凹部が形成され、前記第1クランプ片及び前記第2クランプ片には、前記第1及び第2係合凹部に係合させる第1係合凸部及び第2係合凸部が形成されており、前記第1係合凸部を前記第1係合凹部に係合させると共に、前記第1弁板及び前記弁シャフトに形成された前記係合部と前記被係合部とを係合させた状態で、前記第1締結部材で前記第1クランプ片を前記弁シャフトに固定することにより、前記第1係合凸部が前記第1係合凹部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力を作用させると共に、前記係合部が前記被係合部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力を作用させて、前記第1弁板が前記弁シャフトに対して締結され、前記第2係合凸部を前記第2係合凹部に係合させると共に、前記第2弁板及び前記弁シャフトに形成された前記係合部と前記被係合部とを係合させた状態で、前記第2締結部材で前記第2クランプ片を前記弁シャフトに固定することにより、前記第2係合凸部が前記第2係合凹部に対して前記第2弁板の内面方向の押圧力を作用させると共に、前記係合部が前記被係合部に対して前記第2弁板の内面方向の押圧力を作用させて、前記第2弁板が前記弁シャフトに対して締結されている。
【0009】
また、好ましくは、前記第1及び第2締結部材は第1締結ボルト及び第2締結ボルトであり、前記弁シャフトの軸方向の先端面には、これら締結ボルトを螺合させるねじ穴が開設され、前記第1及び第2クランプ片には、前記第1及び第2締結ボルトを挿通させる貫通孔が開設されており、前記第1締結ボルトを前記第1クランプ片の貫通孔に挿通させて前記弁シャフトのねじ穴に螺合させることにより、前記第1クランプ片が前記弁シャフトに固定され、前記第2締結ボルトを前記第2クランプ片の貫通孔に挿通させて前記弁シャフトのねじ穴に螺合させることにより、前記第2クランプ片が前記弁シャフトに固定されている。
【0010】
また、好ましくは、前記第1クランプ片は、その貫通孔を挟んだ一端側に前記第1係合凸部を有し、他端側に第1係止爪を有しており、前記第1クランプ片を前記第1締結ボルトで固定した状態において、前記第1係止爪が前記弁シャフトに対して前記第1係合凸部側へ向けて係止されており、前記第2クランプ片は、その貫通孔を挟んだ一端側に前記第2係合凸部を有し、他端側に第2係止爪を有しており、前記第2クランプ片を前記第2締結ボルトで固定した状態において、前記第2係止爪が前記弁シャフトに対して前記第2係合凸部側へ向けて係止されている。
【0011】
また、好ましくは、前記第1クランプ片は、前記第1締結ボルトを緩めた状態において、前記第1係合凸部を前記第1係合凹部に係合させた係合位置と、前記第1係合凹部から前記第1係合凸部を抜脱させた着脱位置との間で、前記第1締結ボルトの軸周りに回動自在であり、前記第1クランプ片は、前記第1クランプ片を前記係合位置から前記着脱位置まで回動させたときに、前記第1弁板の内面と前記第2弁板の内面との間の隙間内に収容され、前記第2クランプ片は、前記第2締結ボルトを緩めた状態において、前記第2係合凸部を前記第2係合凹部に係合させた係合位置と、前記第2係合凹部から前記第2係合凸部を抜脱させた着脱位置との間で、前記第2締結ボルトの軸周りに回動自在であり、前記第2クランプ片は、前記第2クランプ片を前記係合位置から前記着脱位置まで回動させたときに、前記第1弁板の内面と前記第2弁板の内面との間の隙間内に収容される。
【0012】
また、好ましくは、前記第1及び第2締結ボルトは、軸方向に延びる軸部と、前記軸部の軸方向の先端部に設けられた頭部と、前記軸部の外周面に形成された雄ねじ部と、を有し、前記第1及び第2クランプ片に開設された前記貫通孔の内面には、前記雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部が形成され、前記軸部は、さらに前記雄ねじ部よりも前記頭部側の部分に前記雌ねじ部の内径より外径が小さい細径部を有し、前記細径部は、前記貫通孔に挿通されており、前記第1及び第2締結ボルトを緩める際に、前記雄ねじ部における前記頭部側の端部が前記第1及び第2クランプ片の前記雌ねじ部に当接するように構成されている。
【0013】
また、好ましくは、前記サポート機構は、前記第1弁板及び前記第2弁板の長手方向の少なくとも両端部において、これら弁板間に挟持された少なくとも一対のサポート台と、前記一対のサポート台のそれぞれの前記軸方向の先端側から前記第1弁板及び前記第2弁板に跨がるように配されていて、前記第1及び第2弁板に対して係脱可能に係合されると共に、前記各サポート台に対して着脱可能に固定された第3クランプ片と、前記第3クランプ片を前記サポート台の軸方向の先端部に着脱可能に固定する第3締結部材と、を有しており、前記第1及び第2弁板の前記軸方向における基端側端部は、前記サポート台の先端側から前記サポート台に対して凹凸係合されており、前記第3クランプ片を前記第1及び第2弁板に係合させると共に、前記一対の弁板の基端側端部と前記サポート台とを凹凸係合させた状態で、前記第3クランプ片を前記第3締結部材で前記サポート台に固定することにより、前記第1及び第2弁板の先端部及び基端側端部がそれらの前記内面側に向けてそれぞれ押圧されており、それにより、前記第1及び第2弁板と前記サポート台とが互いに締結されている。
【0014】
また、好ましくは、前記一対の弁板の基端側端部と前記サポート台との凹凸係合は、前記一対の弁板の基端側端部にそれぞれ設けられた基端側係合凹部と、前記サポート台に設けられた一対の基端側係合凸部との係合によって形成されており、前記第1弁板及び前記第2弁板には、それらの前記内面の長手方向の少なくとも両端部において前記軸方向の先端側に向けて開口する第3係合凹部及び第4係合凹部が形成され、前記第3クランプ片には、前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合させる第3係合凸部及び第4係合凸部が形成されており、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部を前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合させると共に、前記第1及び第2弁板並びに前記サポート台に形成された前記基端側係合凹部と前記基端側係合凸部とを係合させた状態で、前記第3締結部材で前記第3クランプ片を前記サポート台に固定することにより、前記第3係合凸部が前記第3係合凹部に対して及び前記第4係合凸部が前記第4係合凹部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力を作用させると共に、前記基端側係合凹部が前記基端側係合凸部に対して前記第1弁板の内面方向の押圧力を作用させて、前記第1及び第2弁板と前記サポートとが互いに締結されている。
【0015】
また、好ましくは、前記第3締結部材は、第3締結ボルトであり、前記サポート台の軸方向の先端面には、前記第3締結ボルトを螺合させるねじ穴が開設され、前記第3クランプ片には、前記第3締結ボルトを挿通させる貫通孔が開設されており、前記第3締結ボルトを前記第3クランプ片の貫通孔に挿通させて前記サポート台の前記ねじ穴に螺合させることにより、前記第3クランプ片が前記サポート台に固定されている。
【0016】
また、好ましくは、前記第3係合凹部、前記第4係合凹部及び前記基端側係合凹部は、前記弁板の長手方向に延びてその外側端がその長手方向の外側へ向けて開口しており、前記サポート台は、前記第3クランプ片の前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部が前記第1及び第2弁板の前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合していると共に、前記基端側係合凹部及び前記基端側係合凸部が係合している状態で、前記第3締結ボルトを緩めることにより、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部を前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に沿ってスライド移動させると共に、前記基端側係合凹部を前記基端側係合凸部に沿ってスライド移動させて、前記サポート機構を前記第1及び第2弁板から取り外し可能である。
【0017】
また、好ましくは、前記第3クランプ片は、前記第3締結ボルトを緩めることにより、前記第3係合凸部が前記第3係合凹部に係合し且つ、前記第4係合凸部が前記第4係合凹部に係合している状態から、前記第3締結ボルトの軸周りに回動自在であり、前記第3クランプ片には、さらに、前記第3締結ボルトを中心として径方向に突出する突出片部が形成され、前記突出片部には、その突出方向先端部に前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部と係合可能な第5係合凸部が形成されており、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部は、前記第3締結ボルトを挟んだ径方向両側に配置され、前記第5係合凸部は、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部に対して前記第3締結ボルトの軸周りに直角を成した位置に配置されており、前記第3クランプ片は、前記第3係合凸部及び前記第4係合凸部が前記第3係合凹部及び前記第4係合凹部に係合した状態で、前記第3締結ボルトを緩めて前記第3クランプ片を前記第3締結ボルトの軸周りに回動させることにより、前記第5係合凸部を前記第3係合凹部又は前記第4係合凹部に係合させて前記第1弁板及び前記第2弁板のいずれらか一方を係止すると共に、その一方で前記弁板のいずれか他方を前記第3クランプ片との係合から解除させることができるように構成されている。
【0018】
また、好ましくは、前記第3締結ボルトは、軸方向に延びる軸部と、前記軸部の軸方向の先端部に設けられた頭部と、前記軸部の外周面に形成された雄ねじ部と、を有し、前記第3クランプ片に開設された前記貫通孔の内面には、前記雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部が形成され、前記軸部は、さらに前記雄ねじ部よりも前記頭部側の部分に前記雌ねじ部の内径より外径が小さい細径部を有し、前記細径部は、前記貫通孔に挿通されており、前記第3締結ボルトを緩める際に、前記雄ねじ部における前記頭部側の端部が前記第3クランプ片の前記雌ねじ部に当接するように構成されている。
【0019】
また、好ましくは、前記ゲートバルブは、さらに、前記第1弁板及び前記第
2弁板を収容する弁箱を有し、前記弁箱は、前記第1及び第2弁板を前記軸に
取り囲む側壁と、前記側壁における前記軸方向の先端側端部に着脱可能に取
り付けられた天壁と、を有しており、前記側壁には、前記第1開口部及び前第
2開口部が互いに対向するように開設されている。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、一対の弁板で弁シャフトの先端部を直接挟持させた状態で、これら一対の弁板及び弁シャフトを係脱可能に相互に締結することにより、これら一対の弁板を前記弁シャフトに対して着脱可能に取り付けている。そのため、弁板のメンテナンス時における作業性に優れているばかりでなく、弁板周りの重量を抑制することで各種コストを抑制することが可能なゲートバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係わるゲートバルブの斜視図である。
図2】ゲートバルブの平面図である。
図3図2のIII-III矢視に相当するゲートバルブの部分断面図である。
図4図3のA部の拡大断面図である。
図5図2のV-V矢視に相当するゲートバルブの断面図である。
図6】第2弁板を交換する場合のゲートバルブの斜視図である。
図7】第2弁板が弁シャフトから取り外された状態のゲートバルブの斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係わるゲートバルブの平面図である。
図9図8のIX-IX矢視に相当するゲートバルブの部分断面図である。
図10図8のX-X矢視に相当するゲートバルブの部分断面図である。
図11図8のXI-XI矢視に相当するゲートバルブの断面図である。
図12】サポート機構の分解斜視図である。
図13】ゲートバルブの開閉弁ユニットの斜視図である。
図14】第1弁板を取り外した状態の開閉弁ユニットの斜視図である。
図15】第2弁板を取り外した状態の開閉弁ユニットの斜視図である。
図16】本発明の第3実施形態に係わるゲートバルの断面図である。
図17】ゲートバルブの裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下に、本発明に係るゲートバルブについて説明する。ゲートバルブ10は、図1図2図3に示すように、上下方向(軸L方向)に延びる弁シャフト17と、弁シャフト17に連結された第1弁板21及び第2弁板22と、弁シャフト17を介して第1弁板21及び第2弁板22を移動操作する操作機構24とを有して構成される。
【0023】
操作機構24は、弁シャフト17の左右両側に互いに平行に配置された2つのエアシリンダ25,25を有していて、これらのエアシリンダ25により、弁シャフト17を動作させて第1弁板21及び第2弁板22を移動させるものである。
【0024】
第1弁板21及び第2弁板22は、前後方向に互いに間隔を有して対向配置されて左右方向(長手方向)に延びており、これら第1及び第2弁板21,22は、略矩形のプレート状に形成されている。本実施形態では、第1弁板21及び第2弁板22は、正面視において左右方向に細長(長方形状)に形成されている。第1弁板21及び第2弁板22のそれぞれの外面側のシール面(外面)21e,22eの外周部には、環状のシール部材21a,22aが設けられている。
【0025】
第1弁板21と第2弁板22との間には弁シャフト17が配置されており、これら第1弁板21及び第2弁板22は、弁シャフト17に当接した状態で締結機構30によって弁シャフト17に着脱可能に取り付けられ、且つ第1弁板21及び第2弁板22の長手方向の両端部において、サポート機構50によって係脱可能に相互に締結されている。
【0026】
弁シャフト17は、操作機構24から上方(軸方向の先端側)へ延出して上下方向(軸L方向)に延び、弁シャフト17の上側の前後方向両側には、図3に示すように、軸Lを挟んで互いに背向する四角形状の第1側面部17a及び第2側面部17bが形成されている。本実施形態では、第1側面部17a及び第2側面部17bは、互いに平行に延びており、第1側面部17aには第1弁板21のシール面21eに背向する内面21bが接触し、第2側面部17bには第2弁板22のシール面22eに背向する内面22bが接触して、第1弁板21及び第2弁板22は弁シャフト17を挟んで平行に並設されている。
【0027】
これら第1弁板21及び第2弁板22を弁シャフト17に締結する締結機構30は、図2図3図4に示すように、第1弁板21及び第2弁板22の内面21b,22bの長手方向の中央部において軸方向の先端側に向けて開口する第1係合凹部36及び第2係合凹部45と、弁シャフト17の軸方向の先端側から、弁シャフト17と第1弁板21との間に跨がるよう取り付けられ、第1弁板21に対して係脱可能に係合されると共に、弁シャフト17に対して着脱可能に固定された第1クランプ片31と、弁シャフト17の軸方向の先端側から、弁シャフト17と第2弁板22との間に跨がるよう配されていて、第2弁板22に対して係脱可能に係合されると共に、弁シャフト17に対して着脱可能に固定された第2クランプ片40と、第1クランプ片31及び第2クランプ片40のそれぞれを弁シャフト17の上端に固定する第1締結ボルト67(第1締結部材)及び第2締結ボルト71(第2締結部材)と、第1弁板21及び第2弁板22の基端側端部に設けられた下側係合凹部26,27(係合部、凹部)と、弁シャフト17の先端部に設けられ、下側係合凹部26,27を弁シャフト17の先端側から係合させる第1突条部19及び第2突条部20(被係合部、凸部)と、を有している。第1係合凹部36の詳細については後述する。
【0028】
弁シャフト17の上端には、上方を向くシャフト端面17cが形成されている。本実施形態では、シャフト端面17cは左右方向に延びていて、このシャフト端面17cの前後方向の中間部には、左右方向に延びて上方へ突出する突条部18が設けられている。突条部18の上部にはシャフト端面17cと平行に延びる平面部18aが形成され、突条部18の前後両側には、下方へ向かうに従って外側へ傾く第1傾斜面18b及び第2傾斜面18cが形成されている。平面部18aには、左右方向に間隔を有して複数の雌ねじ部70(ねじ穴)が設けられ、これらの雌ねじ部70に第1クランプ片31及び第2クランプ片40に挿通された第1締結ボルト67及び第2締結ボルト71が螺合して、この突条部18上に固定された第1及び第2クランプ片31,40によって、第1弁板21及び第2弁板22が弁シャフト17に締結されている。第1締結ボルト67及び雌ねじ部70の詳細は後述する。
【0029】
第1クランプ片31は、図4に示すように、シャフト端面17c(突条部18)に第1締結ボルト67(図1参照)を介して固定される第1クランプ本体部32と、第1クランプ本体部32の第1弁板21側に形成されて下側へ突出して第1弁板21を係合する第1係合凸部34と、を有する。第1クランプ本体部32は、前後方向に延びる板状に形成され、第1クランプ本体部32の第2弁板22側(後側)には、第1締結ボルト67が挿通される貫通孔32aが設けられ、この貫通孔32aに挿通された第1締結ボルト67の雄ねじ部68aが弁シャフト17の雌ねじ部70(第1締結部材)に螺合する。
【0030】
第1クランプ本体部32の第2弁板22側には、下方へ突出する本体係止爪(第1係止爪)33が形成されている。本体係止爪33の内面には、突条部18の第2傾斜面18cに沿って延びる第3傾斜面33aが形成されている。即ち、第3傾斜面33aは、下方に向かうにしたがって後側(外側)へ傾斜する。このため、第3傾斜面33aが第2傾斜面18cに接触した状態で、第1締結ボルト67によって第1クランプ本体部32を突条部18に締結すると、第3傾斜面33aから第2傾斜面18cに作用する力の分力(押圧力)によって第3傾斜面33aが第2傾斜面18cに密着して、第1クランプ片31が弁シャフト17に締結される。
【0031】
第1クランプ本体部32の第1弁板21側に設けられた第1係合凸部34は、その内側に下側へ向かうに従って外側へ傾く第4傾斜面34aが形成されている。本実施形態では、図2に示すように、第1クランプ片31は、左右方向に間隔を有して配置された2つの第1クランプ本体部32と、これら2つの第1クランプ本体部32の前側同士を連結する連結部35とを有して形成されている。そして、2つの第1クランプ本体部32と連結部35のそれぞれの第1弁板21側の下部には、第1係合凸部34(図4参照)が第1クランプ片31の左右方向一端から他端に亘って延びている。2つの第1クランプ本体部32の間には、後述する第2クランプ片40の第2クランプ本体部41が配置されている。
【0032】
第1クランプ片31が当接する第1弁板21の内面には、図2及び図4に示すように、前側へ窪んで第1係合凸部34を係合するための第1係合凹部36が形成されている。第1係合凹部36は、その底部に内面21bよりも前側の位置から下方へ窪む第1係合溝36aを有している。本実施形態では、第1係合凹部36は第1弁板21の内面21bの上部であって左右方向の中間部に形成されている。第1係合凹部36は、内側に開口するとともに上方へ延びて第1弁板21の上端に開口する。第1係合凹部36の第1係合溝36aには、上方へ向かうに従って弁シャフト17側へ傾斜する第5傾斜面36bが形成されている。
【0033】
このため、第1クランプ片31を弁シャフト17の上端部に第1締結ボルト67で締結して、第1クランプ片31の第4傾斜面34aを第1係合凹部36の第5傾斜面36bに圧接させると、第4傾斜面34aに作用する力の内向きの分力によって、第1弁板21の上部を弁シャフト17(第1側面部17a)に対して密着させた状態で締結することができる。
【0034】
また、第1弁板21の下側端部(基端側端部)は、弁シャフト17の先端側から弁シャフト17の先端部に対して凹凸係合されている。具体的には、第1弁板21の底面21cの内側の左右方向中間部には、図3に示すように、第1係合凹部36の下方に位置して上方へ窪んで左右方向に延びる下側係合凹部(凹部)26が形成されている。この下側係合凹部26の内側には、上方へ向かうにしたがって外側へ傾斜する第6傾斜面26aが形成されており、この下側係合凹部26に弁シャフト17に設けられた第1突条部19(被係合部、凸部)が挿入される。第1突条部19は、弁シャフト17の第1側面部17aの下端から前側へ延びる前側段部17d上に形成されている。第1突条部19は、前側段部17d上を左右方向に延びており、第1突条部19の内側には、上方へ向かうに従って外側へ傾斜する第7傾斜面19aが形成されている。
【0035】
このため、第1締結ボルト67によって第1クランプ片31が弁シャフト17の上端に固定されると、第1クランプ片31の第4傾斜面34aが第1弁板21の第5傾斜面36bに圧接する力の分力により、第1弁板21が下方へ押圧される。したがって、第1弁板21の下部に形成された第6傾斜面26aが弁シャフト17の第7傾斜面19aに圧接して、第7傾斜面19aからの反力の分力によって、第1弁板21の下側が弁シャフト17(第1側面部17a)に密着して締結される。
【0036】
よって、第1クランプ片31を弁シャフト17の上端に固定することで、第1弁板21を弁シャフト17の第1側面部17aに密着させた状態で取り付けることができる。
【0037】
第2クランプ片40は、図4に示すように、第1クランプ片31と同様に形成されており、シャフト端面17cに形成された突条部18に第2締結ボルト71を介して固定される第2クランプ本体部41と、第2クランプ本体部41の第2弁板22側から下方へ突出して第2弁板22を係合する第2係合凸部43と、を有する。第2クランプ本体部41は、前後方向に延びる板状に形成され、第2クランプ本体部41の第1弁板21側の端部には、第2締結ボルト71が挿通される貫通孔41aが設けられている。この貫通孔41aに挿通された第2締結ボルト71が弁シャフト17の雌ねじ部70に螺合する。なお、本実施形態では、第1締結ボルト67及び第2締結ボルト71は、六角穴付ボルトである。
【0038】
第2クランプ本体部41の第1弁板21側(前側)の端部には、下方へ突出する本体係止爪42が形成されている。本体係止爪42の内面には、弁シャフト17の上端に形成された突条部18の第1傾斜面18bに沿って延びる第8傾斜面42aが形成されている。即ち、第8傾斜面42aは、下方に向かうにしたがって前側(外側)へ傾斜する。このため、第8傾斜面42aが第1傾斜面18bに接触した状態で、第2締結ボルト71によって第2クランプ本体部41を突条部18に固定すると、第8傾斜面42aから第1傾斜面18bに作用する力の分力によって第8傾斜面42aが第1傾斜面18bに密着して、第2クランプ片40を弁シャフト17に締結される。
【0039】
第2係合凸部43は、その内側に下側へ向かうに従って外側(後側)へ傾く第9傾斜面43aが形成されている。本実施形態では、図2に示すように、第2クランプ片40は、左右方向に間隔を有して配置された2つの第2クランプ本体部41と、これら2つの第2クランプ本体部41の第2弁板22側(後側)同士を連結する連結部44とを有して形成されている。そして、2つの第2クランプ本体部41と連結部44のそれぞれの第2弁板22側の下部には、第2係合凸部43(図4参照)が第2クランプ片40の左右方向一端から他端に亘って延びている。2つの第2クランプ本体部41の間には、第1クランプ片31の第1クランプ本体部32が配置されている。
【0040】
第2クランプ片40が接触する第2弁板22の内面22bには、図2及び図4に示すように、後側へ窪んで第2係合凸部43を係合するための第2係合凹部45が形成されている。第2係合凹部45は、その底部に内面22bよりも後側の位置から下方へ窪む第2係合溝45aを有している。本実施形態では、第2係合凹部45は第2弁板22の内面22bの上部であって左右方向の中間部に形成されている。第2係合凹部45は、内側に開口するとともに上方へ延びて第2弁板22の上端に開口する。第2係合凹部45の第2係合溝45aには、上方へ向かうに従って弁シャフト17側へ傾斜する第10傾斜面45bが形成されている。
【0041】
このため、第2クランプ片40を弁シャフト17の上端(突条部18)に第2締結ボルト71で固定して、第2クランプ片40の第9傾斜面43aを第2係合凹部45の第10傾斜面45bに圧接させると、第10傾斜面45bに作用する力のうちの内向きの分力によって、第2弁板22の上部を弁シャフト17(第2側面部17b)に密着させて締結することができる。
【0042】
また、第2弁板22の下側端部(基端側端部)は、弁シャフト17の先端側から弁シャフト17の先端部に対して凹凸係合されている。具体的には、第2弁板22の底面22cの内側には、図3に示すように、第2係合凹部45の下方に位置して上方へ窪んだ下側係合凹部27が形成されている。この下側係合凹部27の内側には、上方へ向かうにしたがって外側へ傾斜する第11傾斜面27aが形成されている。この下側係合凹部27には、弁シャフト17に設けられた第2突条部20(被係合部、凸部)が挿入される。第2突条部20は、弁シャフト17の第2側面部17bの下端から後側へ延びる後側段部17e上に形成されている。第2突条部20は、後側段部17e上を左右方向に延びており、第2突条部20の内側には、上方へ向かうに従って外側へ傾斜する第12傾斜面20aが形成されている。
【0043】
このため、第2締結ボルト71によって第2クランプ片40を弁シャフト17の上端に固定すると、第2クランプ片40の第9傾斜面43aが第2弁板22の第10傾斜面45bに圧接する力の分力により、第2弁板22が下方へ押圧される。したがって、第2弁板22の下部に形成された第11傾斜面27aが弁シャフト17の第12傾斜面20aに圧接して、第12傾斜面20aからの反力の分力によって、第2弁板22の下側を弁シャフト17(第2側面部17b)に密着させて締結することができる。
【0044】
よって、第2クランプ片40を弁シャフト17の上端に固定することで、第2弁板22を弁シャフト17に密着させた状態で取り付けることができる。
【0045】
ここで、第1及び第2締結ボルト67,71及び雌ねじ部70について説明する。なお、第1及び第2締結ボルト67,71は同一であるので、第2締結ボルト71について説明する。第2締結ボルト71は、図4に示すように、軸L方向に沿って延びる軸部68と、軸部68の上端に設けられた頭部69と、軸部68の下側の外周に形成された雄ねじ部68aとを有してなる。軸部68のうち雄ねじ部68aの上方には雄ねじ部68aがない細径部(無ねじ部)68bが設けられている。細径部68bは雄ねじ部68aの外径よりも小径であり且つ第2クランプ片40の貫通孔41aの内面に設けられた雌ねじ部70よりも小径である。すなわち、雌ねじ部70は、突条部18の平面部18aから下方へ延びる穴部18dの内面と、第2クランプ本体部41に設けられた貫通孔41aの内面の上部に設けられている。なお、第1クランプ本体部32にも第2クランプ本体部41と同様に雌ねじ部70が設けられている。
【0046】
この第2締結ボルト71を軸周りの一方側に回転させて、雄ねじ部68aを雌ねじ部70に螺合させると、第2締結ボルト71の頭部69が第2クランプ片40の上面に圧接した状態で、第2クランプ片40を弁シャフト17の上端部に固定することができる。
【0047】
一方、第2クランプ片40を弁シャフト17に対して緩めた締結状態にする場合には、第2締結ボルト71を軸周りの他方側に回転させて、軸部68を雌ねじ部70に沿って上方へ移動させる。このとき、細径部68bが第2クランプ片40の雌ねじ部70内を移動すると、雄ねじ部68aの上端が第2クランプ片40の雌ねじ部70の下端に当接して第2クランプ片40を上方へ押圧する。したがって、第2締結ボルト71の上方への移動に伴って第2クランプ片40の第2係合凸部43が第2係合凹部45の第2係合溝45aから抜脱されて、第2弁板22に対する第2クランプ片40の係合が解除される。
【0048】
ここで、雄ねじ部68aの軸方向長さは、第2係合凸部43が第2係合溝45aから抜脱されるのに必要な軸方向の移動距離よりも大きいことが必要である。このため、第2弁板22に対する第2クランプ片40の係合が解除されたときに、雄ねじ部68aは弁シャフト17側の雌ねじ部70に螺合した状態になっているので、第1締結ボルト67が弁シャフト17から取り外されて落下したり紛失したりするのを防止することができる。
【0049】
また、図5に示すサポート機構50に設けられる第3締結ボルト72及び雌ねじ部70も、前述した締結機構30に設けられた第1及び第2締結ボルト67、71及び雌ねじ部70と同様であるので、サポート機構50の第3締結ボルト72及び雌ねじ部70については同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
次に、サポート機構50について説明する。サポート機構50は、図5及び図6に示すように、第1弁板21及び第2弁板22の内面21b,22bに設けられた第3係合凹部64及び第4係合凹部66と、第1弁板21及び第2弁板22の左右方向両側の間に配置されたサポート台51と、サポート台51の上端に配置されて第3係合凹部64及び第4係合凹部66と係合される第3クランプ片60と、第3クランプ片60をサポート台51に着脱可能に固定する第3締結ボルト72(第3締結部材)と、第1弁板21及び第2弁板22の長手方向の両端側の基端側端部に設けられた下側係合凹部(基端側係合部、凹部)28,29と、サポート台51に設けられ、下側係合凹部28,29をサポート台51の先端側から係合させる第3突条部53及び第4突条部(基端側係合凸部、凸部)54と、を有している。
【0051】
サポート台51は、その上端部に上方を向いて平面状に形成されたサポート端面51cを有しており、上下方向に延びた直方体状に形成されている。サポート台51の前後方向の両側には、第1弁板21及び第2弁板22のそれぞれの内面21b,22bに接触する第1接触面部51a及び第2接触面部51bが形成されている。サポート端面51cの中央部には下方へ延びる穴部55が設けられ、この穴部55の内面に雌ねじ部70(ねじ穴)が形成されている。この雌ねじ部70には第3クランプ片60をサポート台51に固定するための第3締結ボルト72が螺合する。
【0052】
第1及び第2弁板21,22の下側端部(基端側端部)は、サポート台51の先端側からサポート台51に対して凹凸係合されている。具体的には、サポート台51の第1接触面部51aの下部には、図5に示すように、前側へ突出して左右方向に延びる前側段部51dが形成され、この前側段部51dの先端部(前端部)には上方へ突出して左右方向に延びる第3突条部53が形成されている。第3突条部53の内面には、上方へ向かうにしたがって外側(前側)に傾く第13傾斜面53aが形成されている。この第3突条部53は、第1弁板21の底面に形成された下側係合凹部28に挿入されて、第1弁板21の下側端部がサポート台51の先端側からサポート台51に対して凹凸係合されている。
【0053】
下側係合凹部28は、第1弁板21の底面21cの左右方向両側に形成されて左右方向に延びて、下側係合凹部28の左右方向外側端部が第1弁板21の左右方向の端部に開口している。即ち、下側係合凹部28は、下方を向いて開口するとともに、第1弁板21の左右方向の端部に開口している。下側係合凹部28の内側には、上方へ向かうにしたがって外側(前側)へ傾斜する第14傾斜面28aが形成されている。
【0054】
一方、サポート台51の第2接触面部51bの下部には、第2弁板22側(後側)へ突出して左右方向に延びる後側段部51eが形成されている。後側段部51eの外側端部には、上方へ突出する第4突条部54が形成され、この第4突条部54の内面には、上方へ向かうにしたがって外側(後側)に傾く第15傾斜面54aが形成されている。この第4突条部54は、第2弁板22の底面22cに形成された下側係合凹部29に挿入されて、第2弁板22の下側端部がサポート台51の先端側からサポート台51に対して凹凸係合されている。
【0055】
下側係合凹部29は、第2弁板22の底面22cの左右方向両側に形成されて左右方向に延びて、下側係合凹部29の左右方向外側端部が第2弁板22の左右方向の端部で開口している。すなわち、下側係合凹部29は、下方を向いて開口するとともに、第2弁板22の左右方向の端部に開口している。下側係合凹部29の内側には、上方へ向かうにしたがって外側(後側)へ傾斜する第16傾斜面29aが形成されている。
【0056】
次に、第3クランプ片60について説明する。第3クランプ片60は、図5に示すように、サポート台51のサポート端面51cに第3締結ボルト72によって固定されて第3締結ボルト72を中央にして前後方向に延びる第3クランプ本体部61と、第3クランプ本体部61の前後方向両端部に形成されて第1弁板21側及び第2弁板22側へ突出して第1弁板21及び第2弁板22と係合する第3係合凸部62及び第4係合凸部63と、を有する。
【0057】
第3クランプ本体部61は、前後方向に延びる板状に形成され、第3クランプ本体部61の前後方向両側がサポート台51の第1接触面部51a及び第2接触面部51bのそれぞれから外側に延びている。第3クランプ本体部61の前後方向の中央には、上下方向に延びる貫通孔61aが設けられ、この貫通孔61aの内面に雌ねじ部(ねじ穴)70が設けられている。また、サポート台51のサポート端面51cには下方へ延びる穴部55が設けられ、この穴部55の内面に雌ねじ部(ねじ穴)70が設けられている。すなわち、雌ねじ部70は、貫通孔61aと穴部55のそれぞれの内面に設けられている。なお、本実施形態では、貫通孔61aの内面に設けられた雌ねじ部70は、貫通孔61aの内面の下部から上部に亘って形成されている。
【0058】
第3係合凸部62は、第3クランプ本体部61の前側端部から下方へ突出し、その内側には下側へ向かうに従って外側へ傾く第17傾斜面62aが形成されている。この第3係合凸部62が接触する第1弁板21の内面21bには、前側へ窪んで第3係合凸部62を係止するための第3係合凹部64が形成されている。
【0059】
第3係合凹部64は、その底部が下方へ窪む第3係合溝64aを有し、第3係合溝64aには、上方へ向かうに従って弁シャフト17側へ傾斜する第18傾斜面64bが形成されている。本実施形態では、第3係合凹部64は、第1弁板21の左右方向両側において左右方向に延びて左右方向両端で開口し、且つ上端で開口している(図6参照)。
【0060】
このように構成された第3クランプ片60は、図5に示すように、サポート台51の上端部に第3締結ボルト72で固定されると、第3係合凸部62の第17傾斜面62aが第3係合凹部64の第18傾斜面64bに圧接して、第18傾斜面64bに作用する力の分力によって、第1弁板21の上部をサポート台51に密着して締結する。
【0061】
また、第3クランプ片60はサポート台51の上端部に第3締結ボルト72で固定されると、第3クランプ片60を介して第1弁板21が下方へ押圧される。したがって、第1弁板21の下部に形成された第14傾斜面28aが弁シャフト17の第13傾斜面53aに圧接して、第13傾斜面53aからの反力の分力によって、第1弁板21の下側(基端側端部)がサポート台51に密着して締結される。
【0062】
一方、第3クランプ片60の第4係合凸部63は、第3クランプ本体部61の後側端部から下方へ突出し、その内側には下側へ向かうに従って外側へ傾く第19傾斜面63aが形成されている。この第4係合凸部63が当接する第2弁板22の内面には、後側へ窪んで第4係合凸部63を係止するための第4係合凹部66が形成されている。
【0063】
第4係合凹部66は、その底部が下方へ窪む第4係合溝66aを有している。第4係合溝66aには、上方へ向かうに従って弁シャフト17側へ傾斜する第21傾斜面66bが形成されている。本実施形態では、第4係合凹部66は、第2弁板21の左右方向両側において左右方向に延びて、左右方向両端で開口し且つ上端で開口している。
【0064】
このため、図5に示すように、第3クランプ片60がサポート台51の上端部に第3締結ボルト72で固定されて、第4係合凸部63の第19傾斜面63aが第4係合凹部66の第21傾斜面66bに圧接されると、第21傾斜面66bに作用する力の分力によって、第2弁板22の上部をサポート台51に対して密着させて締結することができる。
【0065】
また、第3クランプ片60がサポート台51の上端部に第3締結ボルト72で固定されると、第3クランプ片60を介して第2弁板22が下方へ押圧される。したがって、第2弁板22の下部に形成された第16傾斜面29aがサポート台51の第15傾斜面54aに圧接して、第15傾斜面54aからの反力の分力によって、第2弁板22の下側がサポート台51に密着して締結される。よって、第3クランプ片60をサポート台51の上端部に第3締結ボルト72で固定することで、第1弁板21及び第2弁板22をサポート台51を介して相互に締結することができる。
【0066】
また、前述したように、第1弁板21及び第2弁板22のそれぞれの上部に形成された第3係合凹部64及び第4係合凹部66と、下部に形成された下側係合凹部28,29は、左右方向外側へ向かって延びて左右方向外側端で開口している。このため、第3クランプ片60が第3係合凹部64及び第4係合凹部66に係合し、第3突条部53及び第4突条部54が下側係合凹部28,29に係合している状態において、第3締結ボルト72の締結を緩めると、第3クランプ片60の第1弁板21及び第2弁板22に対する圧接状態が緩和される。このため、サポート台51を第1弁板21及び第2弁板22に対して左右方向外側へ向かって押圧すると、第3係合凸部62及び第4係合凸部63が第3係合凹部64及び第4係合凹部66に沿ってスライド移動すると共に、第3突条部53及び第4突条部54が下側係合凹部28,29に沿ってスライド移動して、サポート機構50を第1及び第2弁板21,22から取り外すことができる。
【0067】
次に、弁シャフト17に取り付けられた第1弁板21及び第2弁板22のいずれか一方を取り外す場合について説明する。本実施形態では、第2弁板22を取り外す場合について説明する。図6に示すように、先ず、第1弁板21及び第2弁板22に取り付けられた2つのサポート台51のうちのいずれか一方のサポート台51において、第3クランプ片60を固定する第3締結ボルト72を回転させて第1弁板21及び第2弁板22に対する第3クランプ片60の圧接状態を緩和する。従って、第3クランプ片60の第3係合凸部62、第4係合凸部63の第3係合凹部64及び第4係合凹部66に対する圧接状態が緩和されて、第1弁板21及び第2弁板22に対するサポート台51のスライド移動が可能な状態になる。また、他方のサポート台51も一方のサポート台51と同様にスライド移動が可能な状態にする。
【0068】
そして、一方のサポート台51を、第3クランプ片60と一緒に第1弁板21及び第2弁板22に対して左右方向外側へスライド移動させて取り外す。また、同様にして他方のサポート台51を第1弁板21及び第2弁板22に対して左右方向外側へスライド移動させて取り外す。
【0069】
そして、第2クランプ片40に挿通された第2締結ボルト71を回転させて、弁シャフト17に設けられた雌ねじ部70に対する第2締結ボルト71の螺合を解いて、第2クランプ片40を弁シャフト17から取り外す。そして、第2弁板22を上方へ引き上げると、第2弁板22の底面に設けられた下側係合凹部27(図3参照)から弁シャフト17の第2突条部20(図3参照)が抜脱されるとともに、下側係合凹部29(図5参照)から弁シャフト17の第4突条部54(図5参照)が抜脱されて、第2弁板22が弁シャフト17から取り外される。従って、図7に示すように、ゲートバルブ10は、第2弁板22が取り外されて第1弁板21のみが取り付けられた状態になる。
【0070】
次に、第2弁板22を弁シャフト17に取り付ける場合について説明する。先ず、図3及び図5に示すように、第2弁板22の下側係合凹部27に弁シャフト17の第2突条部20を挿入するとともに、下側係合凹部29に第4突条部54を挿入する。そして、第2弁板22を弁シャフト17側へ傾動させて、第2弁板22の内面22bを弁シャフト17の第2側面部17bに接触させる。そして、第2クランプ片40の第2係合凸部43を第2係合凹部45内に挿入した状態で、第2締結ボルト71によって第2クランプ片40を弁シャフト17の上端部に固定する。その結果、第2弁板22は、弁シャフト17に対して密着した状態で締結される。
【0071】
そして、2つのサポート台51,51のそれぞれの上端に取り付けられている第3クランプ片60に挿通された第3締結ボルト72を緩めた状態で、図5及び図6に示すように、サポート台51を第1弁板21及び第2弁板22の左右方向の外側端部から弁シャフト17側へ移動させて、第1弁板21及び第2弁板22の下部に形成された下側係合凹部28,29内にサポート台51の第3突条部53及び第4突条部54を挿入するとともに、第3クランプ片60の第3係合凸部62及び第4係合凸部63を第1弁板21及び第2弁板22の第3係合凹部64、第4係合凹部66内に挿入する。
【0072】
そして、一方のサポート台51を弁シャフト17側へスライド移動させて、第1弁板21及び第2弁板22に対する所定位置まで移動させる。そして、第3クランプ片60に対して第3締結ボルト72を硬く締結して、サポート台51を介して第1弁板21及び第2弁板22の左右方向の一方側を相互に締結する。そして、他方のサポート台51も一方のサポート台51と同様に、サポート台51を介して第1弁板21及び第2弁板22の左右方向の他方側を相互に締結する。よって、第2弁板22が弁シャフト17に対して取り付けられる。
【0073】
このように、本実施形態に係わるゲートバルブ10は、第1弁板21及び第2弁板22間に弁シャフト17の先端部を直接に挟持させた状態で、これら一対の弁板21,22及び弁シャフト17を係脱可能に相互に締結することにより、これら一対の弁板21,22を弁シャフト17に対して着脱可能に取り付けている。そのため、弁板21,22のメンテナンス時における作業性に優れているばかりでなく、弁板21,22周りの重量を抑制することで各種コストを抑制することが可能なゲートバルブ10を提供することができる。
【0074】
また、本実施形態に係わるゲートバルブ10は、第1クランプ片31及び第2クランプ片40に挿通された第1及び第2締結ボルト67,71の締結を締めたり緩和したりすることで、第1弁板21及び第2弁板22を弁シャフト17に着脱可能である。また、本実施形態に係わるゲートバルブ10は、第3クランプ片60や第3締結ボルト72をサポート台51から取り外すことなく、第3締結ボルト72の締結を締めたり緩和したりするだけで、サポート台51を第1弁板21及び第2弁板22から取り外したり、第1弁板21及び第2弁板22を相互に連結したりすることができる。このため、本実施形態に係わるゲートバルブ10は、第1弁板21及び第2弁板22を弁シャフト17に固定したり取り外したりする作業を簡単に行うことができ、弁板21,22のメンテナンス時における作業性を向上させることができる。
【0075】
さらに、第1クランプ片31、第2クランプ片40、第3クランプ片60を締結する第1、第2、第3締結ボルト67,71,72は、これらのクランプ片31,40,60に対して抜け止め可能に構成されるとともに、これらの締結ボルト67,71,72を、締結が緩和する方向に回転させると、これらのクランプ片31,40,60を締結ボルト67,71,72とともに上方へ移動させるように構成されている。このため、これらのクランプ片31,40,60の係止が解除されたときに、締結ボルト67,71,72が落下したり紛失したりするのを防止することができるので、第1弁板21及び第2弁板22の交換作業をより簡単に行うことができる。
【0076】
[第2実施形態]
次に、本発明に係わるゲートバルブ10の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、前述した第1実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態と同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。
【0077】
弁シャフト17のシャフト端面17cに設けられた突条部18は、図8図9図10に示すように、左右方向に間隔を有して2つ設けられており、一方が第1クランプ片31を固定し、他方が第2クランプ片40を固定する。
【0078】
第1クランプ片31及び第2クランプ片40は、弁シャフト17の上端部に回動可能に取り付けられ、また、第3クランプ片60は、サポート台51の上端部に回動可能に取り付けられている。具体的には、第1クランプ片31は、弁シャフト17に固定された第1締結ボルト67の締結を緩めると、第1締結ボルト67の軸周りに回動可能に設けられ、第2クランプ片40は、弁シャフト17に固定された第2締結ボルト71の締結を緩めると、第2締結ボルト71の軸周りに回動可能に設けられ、第3クランプ片60は、サポート台51に固定された第3締結ボルト72の締結を緩めると、第3締結ボルト72の軸周りに回転可能に設けられている。
【0079】
より具体的には、第1クランプ片31が対向する第1弁板21の内面21bに形成された第1係合凹部36は、図8及び図9に示すように、第1クランプ片31を第1締結ボルト67の軸周りに回転させた場合に、第1クランプ片31の第1弁板21側の第1係合凸部34(先端部)が第1係合凹部36に接触しないように窪む第1延長凹部36cを有している。本実施形態では、第1延長凹部36cは、第1係合凹部36の底面から上端に亘って形成されるとともに、平面視において、第1締結ボルト67の軸周りに第1クランプ片31を回動させたときの先端部の回転軌跡よりも径方向外側を通る円弧状に形成されている。
【0080】
また、第1クランプ片31を回動させたときに、左右方向に隣接して配置された第2クランプ片40に対して第1クランプ片31の後側端部が接触しないように、第1クランプと第2クランプとは、左右方向に所定の隙間Yを有して配設されている。このため、第1クランプ片31は、第2クランプ片40に接触することなく第1締結ボルト67の軸周りに回転可能である。そして、第1クランプ片31は、第1締結ボルト67を緩めた状態において、第1係合凸部34を第1係合凹部36に係合させた係合位置P1(図8参照)と、第1係合凹部36から第1係合凸部34を抜脱させた着脱位置P2(図14参照)との間で、第1締結ボルト67の軸周りに回動自在である。第1クランプ片31は、着脱位置P2に回動されると、第1弁板21と第2弁板22の間の隙間47(図8参照)内に移動する。
【0081】
また、第2クランプ片40が対向する第2弁板22の内面22bに形成された第2係合凹部45は、図8及び図10に示すように、第2クランプ片40を第2締結ボルト71の軸周りに回動させた場合に、第2クランプ片40の第2弁板22側の第2係合凸部43(先端部)が第2係合凹部45に接触しないように窪む第2延長凹部45cを有している。本実施形態では、第2延長凹部45cは、第2係合凹部45の上下方向の中間位置から上端に亘って形成されるとともに、平面視において、第1締結ボルト67の軸周りに第2クランプ片40を回動させたときの先端部の回転軌跡よりも径方向外側を通る円弧状に形成されている。このため、第2クランプ片40は、第1クランプ片31に接触することなく回転可能である。また、第2クランプ片40は、第1クランプ片31と同様に、第2締結ボルト71を緩めた状態において、第2係合凸部43を第2係合凹部45に係合させた係合位置P1(図8参照)と、第2係合凹部45から第2係合凸部43を抜脱させた着脱位置P2(図15参照)との間で、第2締結ボルト71の軸周りに回動自在である。第2クランプ片40は、着脱位置P2に回動されると、第1弁板21と第2弁板22の間の隙間47(図8参照)内に移動する。
【0082】
さらに、第3クランプ片60が対向する第1弁板21及び第2弁板22のそれぞれの内面21b,22bに形成された第3係合凹部64、第4係合凹部66は、図8及び図11に示すように、前後方向外側へ窪んだ第3延長凹部64d及び第4延長凹部66dを有している。即ち、第3係合凹部64、第4係合凹部66は、第3クランプ片60の第3係合凸部62及び第4係合凸部63が第3係合溝64a及び第4係合溝66aから上方へ抜脱された状態で、第1締結ボルト67の軸周りに第3クランプ片60を回転させた場合に、第3クランプ片60の第3係合凸部62(先端部)が第3係合凹部64に接触しないように窪む第3延長凹部64dと、第3クランプ片60の第4係合凸部63(先端部)が第4係合凹部66に接触しないように窪む第4延長凹部66dと、を有している。
【0083】
第3クランプ片60は、図8図12図14に示すように、第3クランプ本体部61の一方側の側面61cから突出する突出片部61bを有し、突出片部61bの突出方向先端部には、第3係合凹部64及び第4係合凹部66と係合可能な第5係合凸部65が形成されている。即ち、第3クランプ片60は、第3係合凸部62、第4係合凸部63の他に第5係合凸部65を有している。第3係合凸部62及び第4係合凸部63は、平面視において第3締結ボルト72の回転中心を挟んだ径方向両側に配置され、第5係合凸部65は、第3係合凸部62及び第4係合凸部63に対して第1締結ボルト67の軸周りに90°ずれた位置に配置されており、さらに、第3係合凸部62、第4係合凸部63及び第5係合凸部65は、第3クランプ片60の回動中心に対して同一の回転半径rを有した位置に配置されている。
【0084】
この第3クランプ片60は、図8に示すように、第3係合凸部62及び第4係合凸部63が第3係合凹部64及び第4係合凹部66に係合された状態で、例えば第1弁板21の係合状態を解除するように第3クランプ片60を回動させると、第2弁板22の係合状態も解除してしまう。そこで、第3係合凸部62及び第4係合凸部63に対して軸周りに90°ずれた位置に第5係合凸部65を設けることで、第1弁板21の係合状態を解除した場合に、第5係合凸部65を第4係合凹部66に係合させることで、第3クランプ片60を第2弁板22に係合させることができる(図14参照)。
【0085】
ところで、弁シャフト17の第1側面部17a及び第2側面部17bのそれぞれには、図9に示すように、前後方向外側へ突出する位置決めピン74a、74bが設けられている。本実施形態では、位置決めピン74aは、第1弁板21に設けられた位置決め溝21dに嵌合し、位置決めピン74bは、第2弁板22に設けられた位置決め溝22dに嵌合する。位置決めピン74aは、第1側面部17aの下部に設けられ、位置決めピン74bは、第2側面部17bの下部に設けられている。位置決め溝21d,22dは、第1弁板21及び第2弁板22のそれぞれの底面に開口するとともに弁シャフト17側が開口して上方へ直線状に延びる。このため、位置決め溝21dに位置決めピン74aを挿入することで、弁シャフト17に対して第1弁板21の左右方向の位置決めをすることができる。また、位置決め溝22dに位置決めピン74bを挿入することで、弁シャフト17に対して第2弁板22の左右方向の位置決めをすることができる。
【0086】
次に、弁シャフト17に取り付けられた第1弁板21及び第2弁板22のいずれか一方を取り外す場合について説明する。本実施形態では、先ず、第1弁板21を取り外す場合について説明する。図11に示すように、先ず、2つのサポート台51のそれぞれに取り付けられた第3クランプ片60の第3締結ボルト72を緩める方向に回転させる。そして、第3締結ボルト72の回転に伴って、第3クランプ片60が上方へ移動して第3係合凸部62が第3係合凹部64の第3係合溝64aから抜脱され、第4係合凸部63が第4係合凹部66の第4係合溝66aから抜脱される。そして、図14に示すように、平面視において、左右に配置された2つの第3クランプ片60,60のそれぞれを軸周りに回動させて、第3係合凸部62を第3係合凹部64から抜脱するとともに、第4係合凸部63を第4係合凹部66から抜脱し、さらに、第5係合凸部65を第4係合凹部66に係止させる。
【0087】
そして、図9に示す弁シャフト17に取り付けられた第1クランプ片31の第1締結ボルト67を緩める方向に回転させる。第1締結ボルト67の回転に伴って、第1クランプ片31が上方へ移動して第1係合凸部34が第1係合凹部36の第1係合溝36aから抜脱される。そして、図14に示すように、平面視において第1クランプ片31を時計方向に回動させて、第1係合凸部34を第1係合凹部36から抜脱する。その結果、第1弁板21を弁シャフト17に対して上方へ持ち上げると、第1弁板21を弁シャフト17及びサポート台51から取り外すことができる。
【0088】
次に、第1弁板21を弁シャフト17に取り付ける場合について説明する。先ず、図14に示すように、第1弁板21の内面21bを弁シャフト17側に向けた姿勢で第2弁板22に対して対向配置する。そして、第1弁板21の下側係合凹部26に弁シャフト17の第1突条部19を挿入し(図9参照)、これと同時に2つのサポート台51のそれぞれの下部に設けられた第3突条部53を第1弁板21の下側係合凹部28内に挿入する(図11参照)。そして、第1弁板21の内面21bを弁シャフト17の第1側面部17aに接触させるとともに、位置決めピン74aを第1弁板21の内面21bに設けられた位置決め溝21d内に挿入する(図9参照)。
【0089】
そして、図9及び図14に示すように、第1クランプ片31を、第1締結ボルト67の軸周りに回転させて、第1係合凸部34を第1係合凹部36内に挿入する。そして、第1締結ボルト67を弁シャフト17に対して硬く締結すると、第1係合凸部34が第1係合溝36a内に係合されて、第1クランプ片31を介して第1弁板21が弁シャフト17の第1側面部17aに密着した状態で締結される。
【0090】
そして、図11及び図14に示すように、2つのサポート台51のうちの一方(例えば、左側)の上端に取り付けられている第3クランプ片60を第3締結ボルト72の軸周りに回動させると、第5係合凸部65による第2弁板22に対する係合状態が解除された後に、第4係合凸部63が第4係合凹部66内に挿入されるとともに、第3係合凸部62が第3係合凹部64内に挿入される。そして、第3締結ボルト72を弁シャフト17に対して硬く締結して固定すると、第4係合凸部63が第4係合溝66aと係合するとともに、第3係合凸部62が第3係合溝64aと係合して、第1弁板21と第2弁板22の左右方向一方側において第1弁板21と第2弁板22との間にサポート台51が挟持された状態で、第3クランプ片60を介して第1弁板21と第2弁板22とが相互に締結された状態になる。
【0091】
そして、2つのサポート台51のうちの他方を前述した一方のサポート台51と同様に操作することで、第1弁板21と第2弁板22の左右方向他方側において第1弁板21と第2弁板22との間にサポート台51が挟持された状態で、第3クランプ片60を介して第1弁板21と第2弁板22とが相互に締結された状態となる。その結果、図13に示すように、第1弁板21及び第2弁板22が互いに締結された状態で、第1弁板21を弁シャフト17に対して取り付けることができる。
【0092】
次に、第2弁板22を取り外す場合について説明する。図11に示すように、先ず、2つのサポート台51のそれぞれに取り付けられた第3クランプ片60の第3締結ボルト72を緩める方向に回転させる。第3締結ボルト72の回転に伴って、第3クランプ片60が上方へ移動して第3係合凸部62及び第4係合凸部63が第3係合溝64a及び第4係合溝66aから抜脱される。そして、図15に示すように、平面視において左右に配置された2つの第3クランプ片60のそれぞれを軸周りに回動させて、第3係合凸部62を第3係合凹部64から抜脱するとともに、第4係合凸部63を第4係合凹部66から抜脱し、さらに、第5係合凸部65を第3係合凹部64に係止させる。
【0093】
そして、図10に示す弁シャフト17に取り付けられた第2クランプ片40の第2締結ボルト71を緩める方向に回転させる。第2締結ボルト71の回転に伴って、第2クランプ片40が上方へ移動して第2係合凸部43が第2係合凹部45の第2係合溝45aから抜脱される。そして、図15に示すように、平面視において第2クランプ片40を時計方向に回動させて、第2係合凸部43を第2係合凹部45から抜脱する。その結果、第2弁板22を弁シャフト17に対して上方へ持ち上げると、第2弁板22を弁シャフト17及びサポート台51から取り外すことができる。
【0094】
次に、第2弁板22を弁シャフト17に取り付ける場合について説明する。先ず、図15に示すように、第2弁板22の内面22bを弁シャフト17側に向けた姿勢で第1弁板21に対して対向配置する。そして、第2弁板22の下側係合凹部27に弁シャフト17の第2突条部20を挿入するとともに(図10参照)、2つのサポート台51のそれぞれの下部に設けられた第4突条部54を第2弁板22の下側係合凹部29内に挿入する(図11参照)。そして、第2弁板22の内面22bを弁シャフト17の第2側面部17bに接触させるとともに、位置決めピン74bを第2弁板22の内面22bに設けられた位置決め溝22d内に挿入する(図9参照)。
【0095】
そして、図10及び図15に示すように、第2クランプ片40を第2締結ボルト71の軸周りに回転させて、第2係合凸部43を第2係合凹部45内に挿入する。そして、第2締結ボルト71を締結方向に回転させると、第2クランプ片40が下方に移動して、第2係合凸部43が第2係合溝45aに挿入される。そして、第1締結ボルト67を締結方向にさらに回転させて、第1締結ボルト67を弁シャフト17に対して硬く締結して固定すると、第2クランプ片40を介して第2弁板22が弁シャフト17の第2側面部17bに密着した状態で締結される。
【0096】
そして、図11及び図15に示すように、2つのサポート台51のうちの長手方向の一方のサポート台51の上端に取り付けられている第3クランプ片60を回転させると、第5係合凸部65による第1弁板21に対する係合状態が解除された後に、第3係合凸部62が第3係合凹部64内に挿入され、また第4係合凸部63が第4係合凹部66内に挿入される。そして、第3締結ボルト72を締結方向に回転させると、第3クランプ片60が下方に移動して、第3係合凸部62が第3係合溝64aに係合されるとともに、第4係合凸部63が第4係合溝66aに係合される。そして、第3締結ボルト72を第3クランプ片60に対して硬く締結すると、第1弁板21及び第2弁板22の長手方向の一方側がサポート台51を挟持した状態で互いに締結された状態になる。
【0097】
そして、2つのサポート台51のうちの長手方向他方側の他のサポート台51を前述した一方のサポート台51と同様に操作することで、第1弁板21及び第2弁板22の長手方向の他方側がサポート台51を挟持した状態で互いに連結された状態になる。その結果、図13に示すように、第2弁板22を弁シャフト17に対して取り付けることができる。
【0098】
このように、第2実施形態のゲートバルブ10によれば、第1から第3締結ボルト67,71,72の締結を緩めて第1クランプ片31,第2クランプ片40及び第3クランプ片60を回動させるだけで、第1弁板21又は第2弁板22を弁シャフト17に対して着脱可能に取り付けることができる。
【0099】
[第3実施形態]
次に、本発明に係わるゲートバルブ10の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、前述した第1及び第2実施形態との相違点を主に説明し、第1及び第2実施形態と同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。
【0100】
前述した実施形態のゲートバルブ10は、弁シャフト17と第1弁板21及び第2弁板22と操作機構24とを有して構成されたが、本実施形態のゲートバルブは、さらに第1弁板21及び第2弁板22を収容する弁箱11を有してなる。なお、本実施形態では、図16に示すように、互いに隣接する第1チャンバ1と第2チャンバ4との間に、ゲートバルブ10が配置される場合について説明する。
【0101】
先ず、第1チャンバ1及び第2チャンバ4について概説する。第1チャンバ1は、半導体基板等のワークを第2チャンバ4に対して搬入出するための搬送装置を収容するトランスファチャンバであり、第2チャンバ4は、ワークを真空雰囲気下でプロセス処理するプロセスチャンバである。
【0102】
これら第1チャンバ1及び第2チャンバ4のそれぞれには、ワークの搬入及び排出の際にワークを通過させるための第1チャンバ開口2a及び第2チャンバ開口5aが設けられている。第1チャンバ開口2aはゲートバルブ10の弁箱11に設けられた第1ゲート開口(第1開口部)12aに連通し、第2チャンバ開口5aはゲートバルブ10に設けられた第2ゲート開口(第1開口部)13aに連通する。これらチャンバ開口2a,5aは、ゲートバルブ10に設けられた第1弁板21及び第2弁板22によって相互に連通されたり、個別に開閉されたりして、第1チャンバ1又は第2チャンバ4が気密にシールされる。
【0103】
第1チャンバ1及び第2チャンバ4は、内部が中空な箱状に形成され、弁箱11の前後方向の両側に配設された前壁(側壁)12及び後壁(側壁)13に沿って延びる第1チャンバ壁2及び第2チャンバ壁5をそれぞれ有している。第1チャンバ壁2には、第1チャンバ1の搬送空間1a内へと貫通する第1チャンバ開口2aが開設され、第2チャンバ壁5には、第2チャンバ4の処理空間4a内へと貫通する第2チャンバ開口5aが開設されている。第1チャンバ開口2a及び第2チャンバ開口5aは、相似形を有した略矩形状に形成されていて、前後方向に対して直交する左右方向(長手方向)にそれぞれ延びている。なお、第1チャンバ開口2a及び第2チャンバ開口5aは同一形状でもよい。
【0104】
ゲートバルブ10は、図16及び図17に示すように、第1ゲート開口12a及び第2ゲート開口13aが開設されて内部に弁空間11aが形成された中空の弁箱11と、弁シャフト17が動作することにより、一対の第1ゲート開口12a及び第2ゲート開口13a間の連通を開閉させる(すなわち、これらゲート開口12a,13a間を、弁空間11aを通じて連通させたり気密に遮断したりする)第1弁板21及び第2弁板22と、これら弁板21,22に連結された弁シャフト17と、弁シャフト17を介して第1弁板21及び第2弁板22を開閉操作する操作機構24と、を有して構成される。
【0105】
本実施形態では、弁箱11の底部に操作機構24が配設され、弁箱11の底部から弁空間11a内に弁シャフト17が突出してしている。弁箱の前後に配置された前壁12及び後壁13には、第1ゲート開口12a及び第2ゲート開口13aが開設されており、これらのケート開口12a,13aは対向している。
【0106】
第1弁板21は、第1弁板21のシール部材21aが後壁13の第2ゲート開口13aの廻りの弁シール面13bに押し付けられて第2ゲート開口13aを閉塞し、第2弁板22は、第2弁板22のシール部材22aが前壁12の第1ゲート開口12aの廻りの弁シール面12bに押し付けられて第1ゲート開口12aを閉塞する。
【0107】
操作機構24を構成する2つのエアシリンダ25は、弁シャフト17を介して第1弁板21及び第2弁板22を開閉操作するものである。具体的には、これらのエアシリンダ25により、第2弁板22のシール部材22aが第1ゲート開口12aの廻りの弁シール面12bに押し付けられて第1ゲート開口12aを閉塞する第1閉塞位置と、第1弁板21のシール部材21aが第2ゲート開口13aの廻りの弁シール面13bに押し付けられて第2ゲート開口13aを閉塞する第2閉塞位置と、第1弁板21及び第2弁板22を、第1及び第2ゲート開口12a,13aとを相互に連通させる退避位置と、に切換移動可能に構成されている。
【0108】
なお、退避位置は、第1弁板21及び第2弁板22が第1及び第2ゲート開口12a,13aの中間に位置して第1及び第2ゲート開口12a,13aが連通する中間位置と、中間位置よりも下方の下方位置とを含んでもよいし、また第1弁板21が第1閉塞位置に移動し、又は第2弁板22が第2閉塞位置に移動した状態で、第1弁板21が第1閉塞位置から下方位置に移動し、又は第2弁板22が第2閉塞位置から下方位置に直接的に移動可能である場合の下方位置であってもよい。
【0109】
弁箱11は、前後方向に間隔を有して対向配置された前壁12及び後壁13と、これら前壁12及び後壁13の左右方向の両端部間を接続する一対の側壁14と、これらの壁の上部に開口する上部開口15aを覆う天壁15と、を有してなる。前壁12及び後壁13に設けられた第1ゲート開口12a及び第2ゲート開口13aは左右方向に延びた長方形状を有しており、第1ゲート開口12aと第1チャンバ1の第1チャンバ開口2aとが相似形状を有して連通している。なお、第1ゲート開口12a及び第2ゲート開口13aは、同一形状でもよい。
【0110】
天壁15は、前壁12、後壁13及び一対の側壁14,14の上端部に着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、天壁15は、これらの壁にボルト16等の締結部材によって着脱可能に取り付けられる。
【0111】
本実施形態のゲートバルブ10において、第1弁板21又は第2弁板22を弁シャフト17から取り外す場合には、図16に示すように、弁箱11から天壁15を取り外して開口する上部開口15aを通じて第1弁板21又は第2弁板22を露出させる。そして、第1弁板21を弁シャフト17から取り外す場合には、第2弁板22を第2閉塞位置に移動させた後に、前述した第1及び第2実施形態の場合と同様の取り外し作業を行なって、第1弁板21を弁シャフト17から取り外す。また、第2弁板22を弁シャフト17から取り外す場合には、第1弁板21を第1閉塞位置に移動させた後に、前述した第1及び第2実施形態の場合と同様の取り外し作業を行なって、第2弁板22を弁シャフト17から取り外す。
【0112】
一方、取り外された第1弁板21を弁シャフト17に取り付ける場合には、第2弁板22を第2閉塞位置に移動させた状態で、天壁15を取り外して開口する弁箱11の上部開口15aを通じて取り付ける第1弁板21を弁箱11の弁空間11a内に挿入する。そして、前述した第1及び第2実施形態の場合と同様の取り付け作業を行なって、第1弁板21を弁シャフト17に取り付ける。また、取り外された第2弁板22を弁シャフト17に取り付ける場合には、第1弁板21を第1閉塞位置に移動させた状態で、天壁15が取り外されて開口する弁箱11の上部開口15aを通じて取り付ける第2弁板22を弁箱11の弁空間11a内に挿入する。そして、前述した第1及び第2実施形態の場合と同様の取り付け作業を行なって、第2弁板22を弁シャフト17に取り付ける。
【0113】
このように、本実施形態のゲートバルブ10は、弁箱11から天壁15を取り外すことで、開口する上部開口15aを通じて第1弁板21又は第2弁板22の取り外し及び取り付け作業を容易に行うことができる。また、第1から第3クランプ片31,40,60に挿入された第1から第3締結ボルト67,71,72は、抜け止め可能に構成されているので、第1弁板21又は第2弁板22の交換作業時にこれら締結ボルト67,71,72が弁箱11内に落下するのを防止することができる。よって、弁板21,22のメンテナンス時における作業性を向上させることができる。
【0114】
なお、前述した実施形態では、締結機構30及びサポート機構50の第1クランプ片31、第2クランプ片40、第3クランプ片60のそれぞれは、係合凸部34,43,62,63が凸状に形成され、また、これらと係合する係合凹部36,45,64,66が凹状である場合を示したが、これに限るものではない。第1クランプ片31、第2クランプ片40、第3クランプ片60のそれぞれが凹状の係合凹部(図示せず)を有し、これらと係合する凸状の係合凸部(図示せず)を第1及び第2弁板21,22に設けてもよい。また、前述した実施形態では、対向配置された第1弁板21及び第2弁板22の長手方向の両端部において、これら弁板21,22間に挟持された一組のサポート機構50が配設された場合を記載したが、これに限るものではなく、一組のサポート機構50の長手方向の内側のこれら弁板21,22間に1組以上の他のサポート機構50をさらに配設してもよい。
【符号の説明】
【0115】
10 ゲートバルブ
11 弁箱
11a 弁空間
12 前壁(側壁)
12a 第1ゲート開口(第1開口部)
13 後壁(側壁)
13a 第2ゲート開口(第2開口部)
14 側壁
15 天壁
17 弁シャフト
17a 第1側面部
17b 第2側面部
17c シャフト端面
19 第1突条部(被係合部、凸部)
20 第2突条部(被係合部、凸部)
21 第1弁板
21b,22b 内面
21e,22e シール面(外面)
22 第2弁板
24 操作機構
26,27 下側係合凹部(係合部、凹部)
28,29 下側係合凹部(基端側係合、凹部)
30 締結機構
31 第1クランプ片
32 第1クランプ本体部
33 本体係止爪(第1係止爪)
34 第1係合凸部
36 第1係合凹部
36c 第1延長凹部
40 第2クランプ片
41 第2クランプ本体部
42 本体係止爪(第2係止爪)
43 第2係合凸部
45 第2係合凹部
45c 第2延長凹部
47 隙間
50 サポート機構
51 サポート台
51c サポート端面
53 第3突条部(基端側係合凸部、凸部)
54 第4突条部(基端側係合凸部、凸部)
60 第3クランプ片
61 第3クランプ本体部
61b 突出部
62 第3係合凸部
63 第4係合凸部
64 第3係合凹部
64d 第3延長凹部
65 第5係合凸部
66 第4係合凹部
67 第1締結ボルト(第1締結部材)
68a 雄ねじ部
68b 細径部(無ねじ部)
70 雌ねじ部(ねじ穴)
71 第2締結ボルト(第2締結部材)
72 第3締結ボルト(第3締結部材)
L 軸
P1 係合位置
P2 着脱位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17