(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005828
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】業務日報管理装置及び業務日報管理システム
(51)【国際特許分類】
G07C 1/00 20060101AFI20230111BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G07C1/00 C
G08G1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108027
(22)【出願日】2021-06-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】幸前 千紘
(72)【発明者】
【氏名】大橋 達郎
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138AA06
3E138BA02
3E138CA02
3E138CB02
3E138CB07
3E138DA02
3E138DA03
3E138DB01
5H181AA01
5H181AA07
5H181BB04
5H181FF10
5H181FF33
5H181MA42
(57)【要約】
【課題】荷役作業の作業時間と荷役作業に関する情報を関連付けた業務日報を記憶させる。
【解決手段】業務日報管理装置1は、車両に対して荷物を積卸しする荷役作業の開始時刻と、車両を識別する車両IDとを車両に搭載された車載器2から取得し、開始時刻を取得した後に、荷役作業の終了時刻と車両IDとを車載器2から取得する第1取得部131と、携帯端末3に入力された荷役作業に関する入力情報と、荷役作業が行われた車両の車両IDとを携帯端末から取得する第2取得部132と、第1取得部が開始時刻を取得してから終了時刻を取得するまでの間に第2取得部が取得した車両IDが、第1取得部が取得した車両IDと一致する場合、開始時刻から終了時刻までの作業時間と入力情報とを関連付けて業務日報として記憶部に記憶させる記憶制御部133と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対して荷物を積卸しする荷役作業の開始時刻と、前記車両を識別する車両識別情報とを前記車両に搭載された車載器から取得し、前記開始時刻を取得した後に、前記荷役作業の終了時刻と前記車両識別情報とを前記車載器から取得する第1取得部と、
携帯端末に入力された前記荷役作業に関する入力情報と、前記荷役作業が行われた車両の車両識別情報とを前記携帯端末から取得する第2取得部と、
前記第1取得部が前記開始時刻を取得してから前記終了時刻を取得するまでの間に前記第2取得部が取得した車両識別情報が、前記第1取得部が取得した車両識別情報と一致する場合、前記開始時刻から前記終了時刻までの作業時間と前記入力情報とを関連付けて業務日報として記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する業務日報管理装置。
【請求項2】
前記第2取得部は、前記荷物の荷主が前記携帯端末に入力した署名を示す署名画像を含む前記入力情報と、前記署名が入力された入力時刻とを前記携帯端末から取得し、
前記記憶制御部は、前記入力時刻が前記終了時刻よりも前である場合、取得した前記署名画像を含む前記入力情報と前記作業時間とを関連付けて前記業務日報として前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の業務日報管理装置。
【請求項3】
前記業務日報に前記署名画像を含む前記入力情報が記憶されている場合、前記業務日報として記憶された前記作業時間及び前記入力情報に含まれる前記署名画像を表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える、
請求項2に記載の業務日報管理装置。
【請求項4】
前記記憶制御部は、前記開始時刻を取得してから前記終了時刻を取得するまでの間に、複数の前記入力情報が取得された場合、取得された前記複数の入力情報を前記作業時間に関連付けて前記業務日報に記憶させ、
前記表示制御部は、前記業務日報に記憶された前記複数の署名画像のうちの、直近の入力時刻の署名画像を、前記作業時間とともに前記表示装置に表示させる、
請求項3に記載の業務日報管理装置。
【請求項5】
前記第2取得部は、前記荷物の荷主が前記携帯端末に署名を入力しなかった理由を示す理由情報を含む前記入力情報を前記携帯端末から取得し、
前記記憶制御部は、取得した前記理由情報を含む前記入力情報と前記作業時間とを関連付けて前記業務日報として前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の業務日報管理装置。
【請求項6】
車両に搭載された車載器と、携帯端末と、業務日報管理装置とを備え、
前記車載器は、
前記車両に対して荷物を積卸しする荷役作業の開始及び終了を検知する検知部と、
前記荷役作業の開始を前記検知部が検知した開始時刻と、前記車両を識別する車両識別情報とを前記業務日報管理装置に送信し、前記荷役作業の終了を前記検知部が検知した終了時刻と前記車両識別情報とを前記業務日報管理装置に送信する車載器側送信部と、
を有し、
前記携帯端末は、
前記携帯端末に入力された前記荷役作業に関する入力情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記入力情報と、前記荷役作業が行われた車両の車両識別情報とを前記業務日報管理装置に送信する端末側送信部と、
を有し、
前記業務日報管理装置は、
前記開始時刻と前記車両識別情報とを前記車載器側送信部から取得し、前記開始時刻を取得した後に、前記終了時刻と前記車両識別情報とを前記車載器側送信部から取得する第1取得部と、
前記入力情報と、前記荷役作業が行われた車両の車両識別情報とを前記端末側送信部から取得する第2取得部と、
前記第1取得部が前記開始時刻を取得してから前記終了時刻を取得するまでの間に前記第2取得部が取得した車両識別情報が、前記第1取得部が取得した車両識別情報と一致する場合、前記開始時刻から前記終了時刻までの作業時間と前記入力情報とを関連付けて業務日報として記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する業務日報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務日報管理装置及び業務日報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に対して荷物を積卸しする荷役作業にかかった作業時間を記憶させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、車両の荷室のドアが開いていた時間から休憩時間又は待機時間を減算した時間を、荷役作業の作業時間として記憶部に記憶させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷役作業を行った場合、作業時間に、荷物の荷主や品名等の荷役作業に関する情報を関連付けて業務日報として記憶することが求められている。しかしながら、特許文献1の技術では、作業時間を記憶させることができても、作業時間に荷役作業に関する情報を関連付けて記憶させることができていなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、荷役作業の作業時間と荷役作業に関する情報を関連付けた業務日報を記憶させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、車両に対して荷物を積卸しする荷役作業の開始時刻と、前記車両を識別する車両識別情報とを前記車両に搭載された車載器から取得し、前記開始時刻を取得した後に、前記荷役作業の終了時刻と前記車両識別情報とを前記車載器から取得する第1取得部と、携帯端末に入力された前記荷役作業に関する入力情報と、前記荷役作業が行われた車両の車両識別情報とを前記携帯端末から取得する第2取得部と、前記第1取得部が前記開始時刻を取得してから前記終了時刻を取得するまでの間に前記第2取得部が取得した車両識別情報が、前記第1取得部が取得した車両識別情報と一致する場合、前記開始時刻から前記終了時刻までの作業時間と前記入力情報とを関連付けて業務日報として記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する業務日報管理装置を提供する。
【0007】
前記第2取得部は、前記荷物の荷主が前記携帯端末に入力した署名を示す署名画像を含む前記入力情報と、前記署名が入力された入力時刻とを前記携帯端末から取得し、前記記憶制御部は、前記入力時刻が前記終了時刻よりも前である場合、取得した前記署名画像を含む前記入力情報と前記作業時間とを関連付けて前記業務日報として前記記憶部に記憶させてもよい。
【0008】
前記業務日報管理装置は、前記業務日報に前記署名画像を含む前記入力情報が記憶されている場合、前記業務日報として記憶された前記作業時間及び前記入力情報に含まれる前記署名画像を表示装置に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
【0009】
前記記憶制御部は、前記開始時刻を取得してから前記終了時刻を取得するまでの間に、複数の前記入力情報が取得された場合、取得された前記複数の入力情報を前記作業時間に関連付けて前記業務日報に記憶させ、前記表示制御部は、前記業務日報に記憶された前記複数の署名画像のうちの、直近の入力時刻の署名画像を、前記作業時間とともに前記表示装置に表示させてもよい。
【0010】
前記第2取得部は、前記荷物の荷主が前記携帯端末に署名を入力しなかった理由を示す理由情報を含む前記入力情報を前記携帯端末から取得し、前記記憶制御部は、取得した前記理由情報を含む前記入力情報と前記作業時間とを関連付けて前記業務日報として前記記憶部に記憶させてもよい。
【0011】
本発明の第2の態様においては、車両に搭載された車載器と、携帯端末と、業務日報管理装置とを備え、前記車載器は、前記車両に対して荷物を積卸しする荷役作業の開始及び終了を検知する検知部と、前記荷役作業の開始を前記検知部が検知した開始時刻と、前記車両を識別する車両識別情報とを前記業務日報管理装置に送信し、前記荷役作業の終了を前記検知部が検知した終了時刻と前記車両識別情報とを前記業務日報管理装置に送信する車載器側送信部と、を有し、前記携帯端末は、前記携帯端末に入力された前記荷役作業に関する入力情報を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記入力情報と、前記荷役作業が行われた車両の車両識別情報とを前記業務日報管理装置に送信する端末側送信部と、を有し、前記業務日報管理装置は、前記開始時刻と前記車両識別情報とを前記車載器側送信部から取得し、前記開始時刻を取得した後に、前記終了時刻と前記車両識別情報とを前記車載器側送信部から取得する第1取得部と、前記入力情報と、前記荷役作業が行われた車両の車両識別情報とを前記端末側送信部から取得する第2取得部と、前記第1取得部が前記開始時刻を取得してから前記終了時刻を取得するまでの間に前記第2取得部が取得した車両識別情報が、前記第1取得部が取得した車両識別情報と一致する場合、前記開始時刻から前記終了時刻までの作業時間と前記入力情報とを関連付けて業務日報として記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する業務日報管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、荷役作業の作業時間と荷役作業に関する情報を関連付けた業務日報を記憶させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】業務日報管理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】業務日報管理システムが有する各装置の構成を説明するための図である。
【
図4】署名を入力するための署名入力画面の一例である。
【
図5】署名画像を含む端末側入力情報の送信する操作を入力するための送信画面の一例である。
【
図6】理由情報を含む端末側入力情報の送信する操作を入力するための送信画面の一例である。
【
図7】業務日報の一例を示すデータテーブルである。
【
図8】業務日報管理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[業務日報管理システムSの概要]
図1は、業務日報管理システムSの概要を説明するための図である。業務日報管理システムSは、業務日報管理装置1と、車載器2と、携帯端末3とを有する。業務日報管理システムSは、作業者Uが車両Vに対して荷物を積卸しする荷役作業に関する業務の情報(以下「業務日報」という。)を管理するシステムである。
【0015】
業務日報管理装置1は、作業者Uの業務日報を管理する装置であり、例えばサーバである。業務日報管理装置1は、荷役作業に関する情報を車載器2及び携帯端末3から取得する。以下、荷役作業に関する情報を作業情報ということがある。
【0016】
車載器2は、車両Vに搭載されたデジタル式運行記録計であり、例えば車両Vの運転席に設置されている。車載器2は、車両Vの運行時の速度や時間等を自動的に業務日報管理装置1に送信する。また、車載器2は、車両Vの運行状態を検知できる。作業者Uは、荷役作業を開始する前に、作業情報を車載器2に入力する。車載器2は、作業情報を業務日報管理装置1に送信する。
【0017】
作業者Uは、車載器2に荷役作業を開始したことを示す開始操作を入力できる。車載器2は、開始操作の入力を受け付けると、荷役作業が開始されたことを検知する。そして、車載器2は、荷役作業の開始を検知した開始時刻を業務日報管理装置1に送信する(
図1の(1))。
【0018】
携帯端末3は、作業者Uが使用する携帯端末であり、例えばスマートフォンやタブレットである。作業者Uは、荷役作業が終了すると、荷物の荷主に、荷主の署名を携帯端末3に入力させる。携帯端末3は、署名が入力された後、荷物の荷主が携帯端末3に入力した署名を示す署名画像を業務日報管理装置1に送信する(
図1の(2))。
【0019】
作業者Uは、携帯端末3が署名画像を送信した後、荷役作業を終了したことを示す終了操作を車載器2に入力する。車載器2は、終了操作の入力を受け付けると、荷役作業の終了を検知する。そして、車載器2は、荷役作業の終了を検知した終了時刻を業務日報管理装置1に送信する(
図1の(3))。
【0020】
業務日報管理装置1は、車載器2から送信された開始時刻から終了時刻までの作業時間に、携帯端末3から送信された署名画像を関連付けて業務日報として記憶部に記憶させる。このように、業務日報管理装置1は、荷役作業の作業時間と、作業情報として荷主の署名を示す署名画像を関連付けた業務日報を記憶させることができる。
【0021】
[各装置の構成]
図2は、業務日報管理システムSが有する各装置の構成を説明するための図である。
【0022】
車載器2は、操作部21と、検知部22と、車載器側送信部23とを有する。車載器2は、車両Vを識別する車両識別情報(以下「車両ID」という。)を記憶している。
【0023】
操作部21は、車載器2を操作するための操作部であり、例えばボタン、スイッチ、タッチパネルなどを含む。具体的には、操作部21は、「積卸」という表示があるスイッチ(以下「積卸スイッチ」という。)を含む。作業者Uは、積卸スイッチを操作することにより、荷役作業の開始操作及び終了操作をすることができる。
【0024】
作業者Uは、操作部21のタッチパネルに作業情報を入力できる。作業情報は、法律などによって定められている。作業情報は、具体的には、荷物の荷主、荷役作業を行った場所、作業内容、荷物の品名、荷物の数、荷物の重さ(総重量)などである。以下、操作部21に入力された作業情報を車載器側入力情報という。
【0025】
検知部22は、荷役作業の開始及び終了を検知する。検知部22は、積卸スイッチがオンになったとき、荷役作業の開始を検知する。検知部22は、積卸スイッチがオフになったとき、荷役作業の終了を検知する。
【0026】
車載器側送信部23は、無線通信を介して業務日報管理装置1に各種情報を送信可能な無線通信モジュールを含む。車載器側送信部23は、例えばインターネットを介して、車載器側入力情報及び車両IDを業務日報管理装置1に送信する。
【0027】
車載器側送信部23は、検知部22が荷役作業の開始を検知した開始時刻と、車両IDとを関連付けて業務日報管理装置1に送信する。また、車載器側送信部23は、荷役作業の終了を検知部22が検知した終了時刻と車両V識別情報とを業務日報管理装置1に送信する。
【0028】
携帯端末3は、受付部31と、端末側送信部32とを有する。携帯端末3は、車両Vの車両IDを記憶している。
【0029】
受付部31は、各種情報の入力を受け付ける、例えばタッチパネルである。作業者Uは、携帯端末3を操作して、作業情報を入力するための作業情報入力画面を表示させることができる。
図3は、作業情報入力画面4の一例である。受付部31は、作業情報入力画面に表示された各項目に対して作業情報を受け付ける。作業者Uは、作業情報入力画面の各入力欄に、項目に対応する内容を入力することができる。例えば、作業者Uは、入力欄41に、荷物の荷主の名前として会社名を入力できる。
【0030】
各入力欄に入力される情報は以下のとおりである。入力欄42には、荷役作業が行われる場所が入力される。入力欄43には、作業の内容(例えば積卸)が入力される。入力欄44には、付帯作業の有無が入力される。付帯作業は、貨物の荷造り、仕分その他の貨物自動車運送事業に附帯する業務である。入力欄45には、荷物の品名が入力される。入力欄46には、荷物の数が入力される。入力欄47には、荷物の重さ(総重量)が入力される。以下、受付部31に入力された作業情報を端末側入力情報という。
【0031】
受付部31は、端末側入力情報の一つとして、荷物の荷主が携帯端末3に入力した署名を受け付ける。
図4は、署名を入力するための署名入力画面5の一例である。受付部31は、
図3に示す作業情報入力画面に表示された複数の入力欄がすべて入力されたら、署名入力画面を表示させる。作業者Uは、表示された署名入力画面を荷物の荷主に提示する。荷物の荷主(例えば荷主側の担当者)は、提示された携帯端末3に表示された作業情報を確認して、署名欄51に担当者自身の署名を入力する。
【0032】
受付部31は、荷主が署名しなかった場合、端末側入力情報の一つとして、荷物の荷主が携帯端末3に署名を入力しなかった理由の入力を作業者Uから受け付ける。署名を入力しなかった理由は、例えば、荷主側の担当者の不在である。
【0033】
端末側送信部32は、無線通信を介して業務日報管理装置1に端末側入力情報を送信可能な無線通信モジュールを含む。端末側送信部32は、荷主の署名を受け付けた場合、荷主の署名を示す署名画像を含む端末側入力情報と、車両IDを業務日報管理装置1に送信する。具体的には、端末側送信部32は、作業者Uが端末側入力情報を送信する操作をすると、端末側入力情報及び車両IDを送信する。
【0034】
図5は、署名画像を含む端末側入力情報の送信する操作を入力するための送信画面6の一例である。作業者Uは、
図5の送信画面に表示された作業内容や署名画像612を確認してから、[作業完了]と表示されたボタン62をタップする。端末側送信部32は、ボタン62がタップされたら、署名画像を含む端末側入力情報と車両IDを業務日報管理装置1に送信する。
【0035】
端末側送信部32は、荷主が署名しなかった場合、署名画像に替えて、署名を入力しなかった理由を示す理由情報を含む端末側入力情報と、車両IDを業務日報管理装置1に送信する。
図6は、理由情報を含む端末側入力情報の送信する操作を入力するための送信画面7の一例である。
図6に示す例の場合、荷主の署名が無い理由として[担当者不在]のチェックボックス71がチェックされている。作業者Uは、
図6の送信画面に表示された作業内容や署名が無い理由を確認してから、[作業完了]と表示されたボタン72をタップする。端末側送信部32は、ボタン72がタップされたら、理由情報を含む端末側入力情報と車両IDを業務日報管理装置1に送信する。
【0036】
業務日報管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。通信部11は、車載器2及び携帯端末3から各種情報を受信可能な通信モジュールである。通信部11は、例えばインターネットを介して2及び携帯端末3から荷役作業に関する情報を受信する。
【0037】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、車両Vの運行にかかる速度や走行時間、荷役作業の作業時間及び作業情報などを業務日報として記憶している。
【0038】
図7は、業務日報の一例を示すデータテーブルである。
図7に示すように、業務日報には、作業内容、作業の開始時刻、終了時刻、作業が行われた場所、荷物の荷主名、作業にかかった作業時間、荷主の署名を示す署名画像、及び署名が入力された入力時刻が記憶されている。なお、署名画像がない場合の入力時刻は、署名が無い理由が入力された時刻である。業務日報は、車両IDに関連付けられており、複数の車両毎に記憶されている。
【0039】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、第1取得部131、第2取得部132、記憶制御部133及び表示制御部134としての機能を実現する。
【0040】
第1取得部131は、通信部11が車載器2から受信した車載器側入力情報と車両IDを取得する。また、第1取得部131は、荷役作業の開始時刻と車両IDを車載器2から取得する。第1取得部131は、開始時刻を取得した後に、荷役作業の終了時刻と車両IDを車載器2から取得する。
【0041】
第2取得部132は、通信部11が携帯端末3から受信した端末側入力情報と車両IDを取得する。例えば、第2取得部132は、署名画像を含む端末側入力情報と、署名が入力された入力時刻とを携帯端末3から取得する。また、第2取得部132は、署名画像に替えて、荷物の荷主が携帯端末3に署名を入力しなかった理由を示す理由情報を含む端末側入力情報を携帯端末3から取得する。
【0042】
記憶制御部133は、車載器側入力情報と端末側入力情報を関連付けて業務日報として記憶部12に記憶させる。具体的には、記憶制御部133は、第2取得部132が取得した車両IDが、第1取得部131が取得した車両IDと一致する場合に、車載器側入力情報と端末側入力情報を関連付けて記憶させる。より具体的には、記憶制御部133は、開始時刻から終了時刻までの作業時間と、車載器側入力情報と、端末側入力情報に含まれる署名画像とを関連付けて記憶させる。このようにすることで、記憶制御部133は、別々に取得された作業情報を、一の業務日報として管理することができる。
【0043】
記憶制御部133は、開始時刻が取得されてから終了時刻が取得されるまでの間に取得された署名画像を記憶させる。具体的には、まず、記憶制御部133は、署名画像が含まれる端末側入力情報が取得された場合、署名が入力された入力時刻が終了時刻よりも前であるか否かを判定する。記憶制御部133は、入力時刻が終了時刻よりも前である場合、取得した端末側入力情報に含まれる署名画像と作業時間とを関連付けた業務日報を記憶させる。
【0044】
記憶制御部133は、署名が入力された入力時刻が終了時刻以降である場合、端末側入力情報を記憶させない。これにより、記憶制御部133は、荷役作業が行われていないときに、誤操作により送信された端末側入力情報を破棄することで、誤った情報を記憶させることを抑制できる。
【0045】
記憶制御部133は、荷役作業の作業中に複数の端末入力情報が取得された場合、取得された複数の端末側入力情報を、一の作業時間に関連付けて業務日報に記憶させる。具体的には、記憶制御部133は、開始時刻を取得してから終了時刻を取得するまでの間に、署名画像を含む複数の端末側入力情報を取得した場合、各端末側入力情報の署名画像を作業時間に関連付けて業務日報に記憶させる。
【0046】
記憶制御部133は、理由情報を含む端末側入力情報を取得した場合、取得した端末側入力情報に含まれる理由情報と作業時間とを関連付けて業務日報として記憶部12に記憶させる。このようにすることで、作業者Uの業務を管理する管理者は、荷主の署名が無い理由を確認できる。
【0047】
表示制御部134は、記憶部12に記憶された業務日報を、管理者が操作する表示装置8に表示させる。例えば、表示制御部134は、管理者が表示装置8に入力した業務日報を表示させる指示を受け付けると、業務日報を表示装置8に表示させる。具体的には、表示制御部134は、業務日報に署名画像が記憶されている場合、業務日報として記憶されている作業時間、作業情報及び署名画像を表示装置に表示させる。
【0048】
一例として、表示制御部134は、
図7に示すデータテーブルを表示させる。表示制御部134は、
図7に示すデータテーブルを適宜変更して表示させてもよい。このように、表示制御部134が業務日報として
図7のデータテーブルを表示させることにより、管理者は、作業者Uが行った荷役作業の作業時間や、署名の有無を確認できるので、作業者Uの業務を管理しやすくなる。
【0049】
表示制御部134は、業務日報に記憶された複数の署名画像のうちの、直近の入力時刻の署名画像を、作業時間とともに表示装置8に表示させる。例えば、表示制御部134は、入力時刻が[22:15]である署名画像のみを表示装置8に表示させ、入力時刻が[22:10]である署名画像を表示させない。このようにすることで、表示制御部134は、複数の署名画像を表示させて業務日報が煩雑になってしまうことを抑制し、簡潔な業務日報を表示できる。
【0050】
[業務日報管理システムSの処理の流れ]
図8は、業務日報管理システムSの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8のシーケンスの処理は、作業者Uが荷役作業を開始するために、車載器2に作業情報を入力すると開始される。
【0051】
車載器2は、車載器側入力情報を受け付ける(ステップS1)。具体的には、車載器2は、荷主の名前、場所、作業内容、付帯作業の有無、品名、数及び重さを含む車載器側入力情報を受け付ける。車載器2は、車載器2に入力された車載器側入力情報と車両Vの車両IDとを業務日報管理装置1に送信する。業務日報管理装置1に送信する。業務日報管理装置1は、車載器2から送信された車載器側入力情報と車両IDを取得する(ステップS2)。
【0052】
車載器2は、積卸スイッチをオンにする荷役作業の開始操作を作業者Uが入力すると、荷役作業の開始を検知する(ステップS3)。続いて、車載器2は、荷役作業の開始を検知した開始時刻と車両IDを業務日報管理装置1に送信する。そして、業務日報管理装置1は、車載器2から送信された開始時刻と車両IDを取得する(ステップS4)。
【0053】
携帯端末3は、作業者Uが荷役作業を終了した後、荷物の荷主が入力した荷主の署名を受け付ける(ステップS5)。続いて、携帯端末3は、署名画像を送信する操作の入力受け付けると、荷主の署名を示す署名画像を含む端末側入力情報を業務日報管理装置1に送信する。具体的には、携帯端末3は、署名画像を含む端末側入力情報と、署名が入力された入力時刻と、車両IDとを送信する。そして、業務日報管理装置1は、署名画像を含む端末側入力情報と入力時刻と車両IDを携帯端末3から取得する(ステップS6)。
【0054】
車載器2は、積卸スイッチをオフにする荷役作業の終了操作を作業者Uが入力すると、荷役作業の終了を検知する(ステップS7)。続いて、車載器2は、荷役作業の終了を検知した終了時刻と車両IDを業務日報管理装置1に送信する。そして、業務日報管理装置1は、車載器2から送信された終了時刻と車両IDを取得する(ステップS8)。
【0055】
業務日報管理装置1は、携帯端末3から取得した入力時刻が、車載器2から取得した終了時刻よりも前か否かを判定する(ステップS9)。業務日報管理装置1は、入力時刻が終了時刻よりも前である場合(ステップS9でYes)、開始時刻から終了時刻までの作業時間と、端末側入力情報に含まれる署名画像を関連付けて業務日報として記憶部12に記憶させる(ステップS10)。業務日報管理装置1は、入力時刻が終了時刻以降である場合(ステップS9でNo)、取得した署名画像を関連付けないで、作業時間のみを業務日報として記憶させる。
【0056】
[業務日報管理装置1の効果]
以上説明したとおり、業務日報管理装置1は、荷役作業の開始時刻と終了時刻を車載器2から取得し、荷役作業に関する情報を携帯端末3から取得する。そして、業務日報管理装置1は、開始時刻を取得してから終了時刻を取得するまでの間に、荷役作業に関する情報を取得した場合、開始時刻から終了時刻までの作業時間に、荷役作業に関する情報を関連付けて業務日報として記憶部12に記憶させる。
【0057】
このようにすることで、業務日報管理装置1は、例えば、作業者Uが車載器2から離れて荷役作業を行っているときに携帯端末3に入力された荷役作業に関する情報を取得して、業務日報として記憶させることができる。このため、作業者Uは、車載器2が設置された車両Vの運転席に戻らずに、荷役作業に関する情報の入力が必要になったときに携帯端末3に荷役作業に関する情報を入力すれば良い。一例として、作業者Uは、荷役作業が終了したときに、荷物の荷主に署名を携帯端末3に入力してもらえるので、荷主が荷役作業を確認したことを業務日報に記憶させることができるようになる。
【0058】
(変形例1)
業務日報管理装置1は、貨物の荷造り、仕分その他の貨物自動車運送事業に附帯する業務である附帯業務を、荷役作業に含めて管理してもよいし、付帯業務を別途管理してもよい。なお、上記の実施の形態では、作業情報入力画面4の入力欄44には、付帯作業の有無が入力されたが、これに限らず、どのような付帯作業が行われたかが入力されてもよい。
【0059】
(変形例2)
携帯端末3は、荷役作業の作業時間を計測できてもよい。この場合、携帯端末3は、荷役作業の開始と終了を入力するための画面を表示する。開始と終了を入力するための画面は、例えば画面がタップされると時間の計測を開始し、再度画面がタップされると時間の計測を終了する画面である。携帯端末3は、開始と終了を入力するための画面を表示してから最初に画面がタップされた第1時刻を荷役作業の開始時刻として業務日報管理装置1に送信する。携帯端末3は、最初に画面がタップされてから、再度画面がタップされた第2時刻を荷役作業の終了時刻として送信する。なお、携帯端末3は、第1時刻又は第2時刻を署名の入力時刻として業務日報管理装置1に送信してもよい。
【0060】
(変形例3)
上記の実施の形態においては、業務日報管理装置1は、作業時間と、車載器側入力情報と、端末側入力情報のうちの署名画像とを業務日報として記憶部12に記憶させた。これに限らず、業務日報管理装置1は、車載器側入力情報に替えて、携帯端末3から取得した端末側入力情報のすべてを業務日報として記憶部12に記憶させてもよい。また、業務日報管理装置1は、携帯端末3が計測した作業時間を業務日報として記憶させてもよい。
【0061】
(変形例4)
業務日報は、業務日報管理装置1の記憶部12に記憶されたが、これに限らず、外部のデータベースサーバに記憶されていてもよい。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0063】
S 業務日報管理システム
1 業務日報管理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 第1取得部
132 第2取得部
133 記憶制御部
134 表示制御部
2 車載器
21 操作部
22 検知部
23 車載器側送信部
3 携帯端末
31 受付部
32 端末側送信部
8 表示装置
U 作業者
V 車両