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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058361
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】空調ユニット及び空調方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/005 20190101AFI20230418BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230418BHJP
   F24F 1/0035 20190101ALI20230418BHJP
   F24F 1/035 20190101ALI20230418BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20230418BHJP
【FI】
F24F1/005
F24F8/108 110
F24F8/108 320
F24F1/0035
F24F1/035
F24F7/003
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168351
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515098015
【氏名又は名称】TMES株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 章
(72)【発明者】
【氏名】西片 一成
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 猛
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 廣一
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BA01
(57)【要約】
【課題】換気効率が良く施工が容易な空調ユニット及び空調方法を提供すること。
【解決手段】本発明による空調ユニットの一態様は、空調空間内の床上に設置される空調ユニットであって、前記空調空間内からの還気及び前記空調空間外からの外気の少なくともいずれかを取り込んで給気を作り出すパッケージ型の空調機と、前記空調機に取り付けられ、前記空調機が作り出す前記給気を前記空調空間内に吹き出す給気ユニットと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調空間内の床上に設置される空調ユニットであって、
前記空調空間内からの還気及び前記空調空間外からの外気の少なくともいずれかを取り込んで給気を作り出すパッケージ型の空調機と、
前記空調機に取り付けられ、前記空調機が作り出す前記給気を前記空調空間内に吹き出す給気ユニットと、
を備える、空調ユニット。
【請求項2】
前記空調機は、
前記外気及び前記還気の温度を調整する熱交換器と、
前記熱交換器の下流側に設けられ、前記外気及び前記還気を前記給気ユニットに送り出す給気ファンと、
前記熱交換器及び前記給気ファンを収容する筐体と、
を有し、
前記筐体は、
該筐体の内部における前記熱交換器と前記給気ファンとの間の第1領域に前記還気及び前記外気を導入するための第1吸込口と、
該筐体の内部における前記熱交換器の上流側の第2領域に前記還気及び前記外気を導入するための第2吸込口と、
を有する、
請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項3】
前記筐体の内部に前記還気及び前記外気を導入するダクトユニットを更に備え、
前記ダクトユニットは、
前記第1領域に前記還気を導入する還気バイパスダクトと、
前記第2領域に前記外気を導入する外気バイパスダクトと、
前記還気バイパスダクトの内部に設けられる第1ダンパと、
前記外気バイパスダクトの内部に設けられる第2ダンパと、
を有する、
請求項2に記載の空調ユニット。
【請求項4】
前記空調機は、前記筐体の内部における前記熱交換器の上流側に設けられる第1フィルタを更に有し、
前記ダクトユニットは、
前記還気バイパスダクトの内部に設けられる第2フィルタと、
前記外気バイパスダクトの内部に設けられた第3フィルタと、
を更に有する、
請求項3に記載の空調ユニット。
【請求項5】
空調空間内の床上に設置される空調ユニットによる空調方法であって、
パッケージ型の空調機が前記空調空間内からの還気及び前記空調空間外からの外気の少なくともいずれかを取り込んで給気を作り出すことと、
前記空調機に取り付けられた給気ユニットが前記給気を前記空調空間内に吹き出すことと、
を有する、空調方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調ユニット及び空調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模自然災害が頻発する近年の状況から、小中学校の体育館が避難所として活用されているが、体育館は居住性がもとより考慮されていないため空調設備がない場合が多い。また、ウイルス感染症対策の拡大が進み、換気効率が悪い避難所での感染リスクも深刻な状況にある。
【0003】
換気効率が良い空調設備としては、置換換気方式の空調システム(以下「置換空調システム」という。)が知られている。置換空調システムの一例として、生産工場内の側壁から離れた作業域にソックダクトを設け、該ソックダクトから低速気流を吹き出すことで、効率的な冷房を行う技術が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-15267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたソックダクトは、生産工場内の側壁から離れた作業域に設けられている。そのため、該ソックダクトを体育館に導入すると、体育館の利用者の妨げとなる場合がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、換気効率が良く施工が容易な空調ユニット及び空調方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による空調ユニットの一態様は、
空調空間内の床上に設置される空調ユニットであって、
前記空調空間内からの還気及び前記空調空間外からの外気の少なくともいずれかを取り込んで給気を作り出すパッケージ型の空調機と、
前記空調機に取り付けられ、前記空調機が作り出す前記給気を前記空調空間内に吹き出す給気ユニットと、
を備える。
【0008】
本態様によれば、空調空間内の床上に設置された空調ユニットが備える空調機が作り出す給気が空調機に取り付けられる給気ユニットから空調空間内の下部に供給されることにより空調空間内の換気が行われるので、換気効率が良い。また、本態様によれば、空調ユニットは空調機と給気ユニットとが一体となった一体型機器であるので、空調空間内への施工が容易である。
【0009】
また、本発明による空調ユニットの他の態様において、
前記空調機は、
前記外気及び前記還気の温度を調整する熱交換器と、
前記熱交換器の下流側に設けられ、前記外気及び前記還気を前記給気ユニットに送り出す給気ファンと、
前記熱交換器及び前記給気ファンを収容する筐体と、
を有し、
前記筐体は、
該筐体の内部における前記熱交換器と前記給気ファンとの間の第1領域に前記還気及び前記外気を導入するための第1吸込口と、
該筐体の内部における前記熱交換器の上流側の第2領域に前記還気及び前記外気を導入するための第2吸込口と、
を有する。
【0010】
本態様によれば、空調機が、熱交換器により冷却される還気及び外気と熱交換器を通過しない還気及び外気とが混合して給気を作り出すことにより、空調モードにおける冷房時に、空調空間内の下部付近の温度が極端に低くならず、冷え過ぎによる不快感が生じることを抑制できる。
【0011】
また、本発明による空調ユニットの他の態様において、
前記筐体の内部に前記還気及び前記外気を導入するダクトユニットを更に備え、
前記ダクトユニットは、
前記第1領域に前記還気を導入する還気バイパスダクトと、
前記第2領域に前記外気を導入する外気バイパスダクトと、
前記還気バイパスダクトの内部に設けられる第1ダンパと、
前記外気バイパスダクトの内部に設けられる第2ダンパと、
を有する。
【0012】
本態様によれば、空調モードにおける冷房時に第1ダンパ及び第2のダンパの少なくともいずれかの開度が調整することにより、空調機が空調空間内の温度より若干低温の給気を作り出すことができるので、空調空間内の下部付近の温度が極端に低くならず、冷え過ぎによる不快感が生じることを抑制できる。
【0013】
また、本発明による空調ユニットの他の態様において、
前記空調機は、前記筐体の内部における前記熱交換器の上流側に設けられる第1フィルタを更に有し、
前記ダクトユニットは、
前記還気バイパスダクトの内部に設けられる第2フィルタと、
前記外気バイパスダクトの内部に設けられた第3フィルタと、
を更に有する。
【0014】
本態様によれば、第1フィルタにより第2領域に導入される還気及び外気に含まれる汚染物質が除去され、第2フィルタにより第1領域に導入される還気に含まれる汚染物質が除去され、第3フィルタにより第2領域に導入される外気に含まれる汚染物質が除去されるので、清浄な給気を空調空間内に吹き出すことができる。
【0015】
また、本発明による空調方法の一態様は、
空調空間内の床上に設置される空調ユニットによる空調方法であって、
パッケージ型の空調機が前記空調空間内からの還気及び前記空調空間外からの外気の少なくともいずれかを取り込んで給気を作り出すことと、
前記空調機に取り付けられた給気ユニットが前記給気を前記空調空間内に吹き出すことと、
を有する。
【0016】
本態様によれば、空調空間内の床上に設置された空調ユニットが備える空調機が作り出す給気が空調機に取り付けられる給気ユニットから空調空間内の下部に供給されることにより空調空間内の換気が行われるので、換気効率が良い。また、本態様によれば、空調ユニットは空調機と給気ユニットとが一体となった一体型機器であるので、空調空間内への施工が容易である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、換気効率が良く施工が容易な空調ユニット及び空調方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す斜視図
図2】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す斜視図
図3】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す斜視図
図4】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す正面図
図5】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す側面図
図6図5におけるB-B線矢視断面図
図7】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す平面図
図8】実施形態に係る空調ユニットの一例を示す概略図
図9】空調モードにおける冷房時の空調ユニットの制御状態を示す図
図10】空調モードにおける暖房時の空調ユニットの制御状態を示す図
図11】全外気モードにおける冷房時の空調ユニットの制御状態を示す図
図12】全外気モードにおける暖房時の空調ユニットの制御状態を示す図
図13】実施形態に係る空調ユニットの設置態様の一例を示す斜視図
図14】実施形態に係る空調ユニットの設置態様の一例を示す平面図
図15】実施形態に係る空調ユニットの第1変形例を示す正面図
図16】実施形態に係る空調ユニットの第1変形例を示す側面図
図17】実施形態に係る空調ユニットの第1変形例を示す平面図
図18】実施形態に係る空調ユニットの第1変形例を示す概略図
図19】実施形態に係る空調ユニットの第2変形例を示す正面図
図20】実施形態に係る空調ユニットの第2変形例を示す側面図
図21】実施形態に係る空調ユニットの第2変形例を示す平面図
図22】実施形態に係る空調ユニットの第2変形例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
以下では、図面に示される+X方向を前方(正面側)、-X方向を後方(背面側)、+Y方向を右方、-Y方向を左方、+Z方向を上方、-Z方向を下方として説明する。
【0021】
〔第1の実施形態〕
(空調ユニット)
図1図8を参照し、第1の実施形態に係る空調ユニットの一例について説明する。図1及び図2は空調ユニットを前方から見た斜視図であり、図1は前扉が閉じている状態を示し、図2は前扉及び後扉が開いている状態を示す。図3は空調ユニットを後方から見た斜視図であり、前扉が開いている状態を示す。図4は空調ユニットの正面図であり、前扉が取り外されている状態を示す。図5は空調ユニットを右方から見た側面図である。図6図5におけるB-B線矢視断面図である。図7は空調ユニットを上方から見た平面図である。図8は空調ユニットにおける還気RA、外気OA及び給気SAの流れを説明する概略図である。
【0022】
第1の実施形態に係る空調ユニット1は、再熱型の空調ユニットである。空調ユニット1は、空調空間P内の床上に設置される。空調空間Pは、例えば体育館である。空調ユニット1は、空調機11、給気ユニット12、ダクトユニット13及びベース14を備える。
【0023】
空調機11は、ベース14上に設置される。空調機11は、呼称馬力数10馬力である、市販のパッケージ型の空調機であってよい。空調機11の一例としては、ダイキン工業株式会社製の床置ダクト形エアコン(FVYCP280MA)が挙げられる。空調機11は、下部筐体111、上部筐体112、フィルタ113、熱交換器114及び給気ファン115を有する。
【0024】
下部筐体111は、フィルタ113、熱交換器114及び給気ファン115を収容する。下部筐体111は、還気バイパス吸込口111a、外気バイパス吸込口111b、還気吸込口111c、外気吸込口111d及び給気口111eを有する。還気バイパス吸込口111a、外気バイパス吸込口111b、還気吸込口111c及び外気吸込口111dは、それぞれ下部筐体111の背板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。
【0025】
還気バイパス吸込口111aは、後述する還気バイパスダクト131の内部と、下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間とを連通させる。
【0026】
外気バイパス吸込口111bは、後述する外気バイパスダクト132の内部と、下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間とを連通させる。
【0027】
還気吸込口111cは、後述する還気ダクト133の内部と、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側とを連通させる。
【0028】
外気吸込口111dは、後述する外気ダクト134の内部と、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側とを連通させる。
【0029】
給気口111eは、下部筐体111の天板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。給気口111eは、下部筐体111における給気ファン115の下流側と上部筐体112の内部とを連通させる。
【0030】
上部筐体112は、下部筐体111上に分割自在に設置される。上部筐体112は、前扉112a、後扉112b及び給気口112cを有する。
【0031】
前扉112aは、上部筐体112の前面に開閉自在に設けられている。前扉112aは、例えば後述するダンパ131a,132a,133a,134a1,134a2の開度を調整する際に開閉される。
【0032】
後扉112bは、上部筐体112の背面に開閉自在に設けられている。後扉112bは、例えば後述するフィルタ131b,132bの清掃や交換の際に開閉される。
【0033】
給気口112cは、上部筐体112の給気ユニット12側の側板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。給気口112cは、上部筐体112の内部と給気ユニット12の内部とを連通させる。
【0034】
フィルタ113は、下部筐体111の内部に設けられている。フィルタ113は、還気吸込口111cから導入される還気RA、外気吸込口111dから導入される外気OA及びこれらの混合空気に含まれる汚染物質(例えば塵埃)を除去する。フィルタ113は、例えば中高性能のエアフィルタである。フィルタ113としてHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を用いない理由としては、市販のパッケージ型空調機では静圧が不足する可能性があり、別途ブースターファンが必要となるからである。空調空間Pがクリーンルームのような高度な清浄度とは異なり、体育館等の比較的清浄度が高くない空調空間の場合には中高性能のエアフィルタで良い。中高性能なフィルタを用いる空調ユニットは、ブースターファンが不要で、比較的簡易で安価な構成とすることができる。
【0035】
熱交換器114は、フィルタ113の下流側に設けられている。熱交換器114は、フィルタ113を通過した還気RA、外気OA及びこれらの混合空気の温度を調整する。熱交換器114は、例えばコイル式、多管式、フィンチューブ式である。
【0036】
給気ファン115は、熱交換器114の下流側に設けられている。給気ファン115は、還気RA、外気OA及びこれらの混合空気を給気SAとして給気ユニット12に送り出す。
【0037】
係る空調機11は、還気バイパス吸込口111aから吸い込まれる還気RA、外気バイパス吸込口111bから吸い込まれる外気OA、還気吸込口111cから吸い込まれる還気RA及び外気吸込口111dから吸い込まれる外気OAの少なくともいずれかを取り込んで給気SAを作り出し、給気ユニット12に送り出す。
【0038】
給気ユニット12は、ベース14上における空調機11の左側壁に取り付けられる。ただし、給気ユニット12は、ベース14上における空調機11の右側壁に取り付けられてもよい。給気ユニット12が取り付けられる位置は、空調ユニット1が設置される場所に応じて決定される。給気ユニット12は、筐体121、整流布122及び吹出口123を有する。
【0039】
筐体121は、空調機11の左側壁に取り付けられている。ただし、筐体121は、空調機11の右側壁に取り付けられていてもよい。筐体121が取り付けられる位置は、空調ユニット1が設置される場所に応じて決定される。筐体121は、例えば電気亜鉛めっき鋼板により形成されている。
【0040】
整流布122は、筐体121の内部に設けられている。整流布122は、空調機11からの給気SAの流れを均一化する。整流布122は、例えば下方へ向かって小径となる逆円錐状を有する。整流布122は、例えばポリエステルにより形成されている。
【0041】
吹出口123は、給気ユニット12の前面に設けられている。吹出口123は、整流布122で流れが均一化された給気SAを空調空間P内に吹き出す。吹出口123は、例えば電気亜鉛めっき鋼板により形成されるパンチングガラリである。
【0042】
係る給気ユニット12は、吹出口123から、空調空間P内の気流を乱さないように、空調機11が作り出す給気SAを低風速で空調空間P内の下部、特に床面に沿うように吹き出す。給気ユニット12が吹き出す給気SAの風速は、例えば0.5m/sec以下であることが好ましい。これにより、ドラフト感がなく、快適な空調を実現できる。また、給気ユニット12は、吹出口123に固定され、空調空間P内に吹き出される給気SAに旋回成分を与えるための複数枚のガイドフィン(図示せず)を有していてもよい。ガイドフィンは、例えば特許第442134号に示される、旋回成分を与えるガイドフィンである。給気ユニット12が複数枚のガイドフィンを有する場合、吹出口123から、空調機11が作り出す給気SAに旋回成分を与えて空調空間P内に吹き出すことができる。これにより、吹き出した給気量に誘引される空調空間P内の空気の誘引量(誘引比)を増加させることができる。誘引量が増加することに伴い、運動量保存則に従って給気SAの速度は低減し、速やかに減速する。また、誘引量が増加することに伴い、給気SAを速やかに昇温させることができ、空調空間P内の上下温度差をより小さくできる。その結果、空調空間P内をなるべく少風量で効率よく空調でき、省エネルギー性に優れる。
【0043】
ダクトユニット13は、ベース14上における空調機11の背面に取り付けられる。ダクトユニット13は、還気バイパスダクト131、外気バイパスダクト132、還気ダクト133及び外気ダクト134を有する。還気バイパスダクト131、外気バイパスダクト132、還気ダクト133及び外気ダクト134は、それぞれ上下方向に延び、並列配置される。
【0044】
還気バイパスダクト131は、空調機11の背面側において上下方向に延びる角ダクトである。還気バイパスダクト131は、上端が空調空間P内と連通し、下端が還気バイパス吸込口111aを介して下部筐体111の内部と連通する。還気バイパスダクト131の上端は、空調空間P内の居住域よりも上方(例えば空調ユニット1の設置面から2.5mの高さ)に位置する。還気バイパスダクト131は、空調空間P内からの還気RAを、還気バイパス吸込口111aを介して下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間に導入する。すなわち、還気バイパスダクト131は、空調空間P内からの還気RAを、フィルタ113及び熱交換器114を通過させずに下部筐体111の内部に導入する。還気バイパスダクト131から下部筐体111の内部に導入される還気RAは、フィルタ113及び熱交換器114を通過せずに給気ファン115により給気ユニット12に送り出される。還気バイパスダクト131には、ダンパ131a及びフィルタ131bが設けられている。ダンパ131aは、還気バイパスダクト131を流れる還気RAの風量を調整する。ダンパ131aは、例えば風量調整ダンパ(VD:Volume Damper)である。ただし、ダンパ131aは、モータダンパ(MD:Motor Damper)であってもよい。フィルタ131bは、還気バイパスダクト131を流れる還気RAに含まれる汚染物質(例えば塵埃)を除去する。これにより、汚染物質が除去された還気RAが下部筐体111の内部に導入される。フィルタ131bは、例えば中高性能のエアフィルタである。
【0045】
外気バイパスダクト132は、還気バイパスダクト131に隣接して設けられる。外気バイパスダクト132は、空調機11の背面側において上下方向に延びる角ダクトである。外気バイパスダクト132は、上端が空調空間P外と連通し、下端が外気バイパス吸込口111bを介して下部筐体111の内部と連通する。外気バイパスダクト132は、空調空間P外からの外気OAを、外気バイパス吸込口111bを介して下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間に導入する。すなわち、外気バイパスダクト132は、空調空間P外からの外気OAを、フィルタ113及び熱交換器114を通過させずに下部筐体111の内部に導入する。外気バイパスダクト132から下部筐体111の内部に導入される外気OAは、フィルタ113及び熱交換器114を通過せずに給気ファン115により給気ユニット12に送り出される。外気バイパスダクト132には、ダンパ132a及びフィルタ132bが設けられている。ダンパ132aは、外気バイパスダクト132を流れる外気OAの風量を調整する。ダンパ132aは、例えば風量調整ダンパである。ただし、ダンパ132aは、モータダンパであってもよい。フィルタ132bは、外気バイパスダクト132を流れる外気OAに含まれる汚染物質(例えば塵埃)を除去する。これにより、汚染物質が除去された外気OAが下部筐体111の内部に導入される。フィルタ131bは、例えば中高性能のエアフィルタである。
【0046】
還気ダクト133は、還気バイパスダクト131に隣接して設けられる。還気ダクト133は、空調機11の背面側において上下方向に延びる角ダクトである。還気ダクト133は、上端が空調空間P内と連通し、下端が還気吸込口111cを介して下部筐体111の内部と連通する。還気ダクト133の上端は、空調空間P内の居住域よりも上方(例えば空調ユニット1の設置面から2.5mの高さ)に位置する。還気ダクト133は、空調空間P内からの還気RAを、還気吸込口111cを介して下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に導入する。還気ダクト133から下部筐体111の内部に導入される還気RAは、フィルタ113及び熱交換器114を通過して給気ファン115により給気ユニット12に送り出される。還気ダクト133には、ダンパ133aが設けられている。ダンパ133aは、還気ダクト133を流れる還気RAの風量を調整する。ダンパ133aは、例えば風量調整ダンパである。ただし、ダンパ133aは、モータダンパであってもよい。
【0047】
外気ダクト134は、外気バイパスダクト132に隣接して設けられる。外気ダクト134は、空調機11の背面側において上下方向に延びる角ダクトである。外気ダクト134は、上端が空調空間P外と連通し、下端が外気吸込口111dを介して下部筐体111の内部と連通する。外気ダクト134は、空調空間P外からの外気OAを、外気吸込口111dを介して下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に導入する。外気ダクト134から下部筐体111の内部に導入される外気OAは、フィルタ113及び熱交換器114を通過して給気ファン115により給気ユニット12に送り出される。外気ダクト134には、ダンパ134a1,134a2が設けられている。ダンパ134a1,134a2は、外気ダクト134を流れる外気OAの風量を調整する。ダンパ134a1,134a2は、例えば風量調整ダンパである。ただし、ダンパ134a1,134a2は、モータダンパであってもよい。
【0048】
ベース14は、空調機11、給気ユニット12及びダクトユニット13を保持する。
【0049】
(空調ユニットの動作)
図9図12を参照し、実施形態の空調ユニット1の動作の一例について説明する。空調ユニット1は、空調モードにおける冷房、空調モードにおける暖房、全外気モードにおける冷房及び全外気モードにおける暖房のいずれかの制御状態で動作する。
【0050】
図9は、空調モードにおける冷房時の空調ユニット1の制御状態を示す図である。図9では、還気RA、外気OA及び給気SAの少なくともいずれかが流れているダクト等を太実線で示す。図9に示されるように、空調モードにおける冷房時には、ダンパ131aの開度を調整することにより、下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間に所定の流量(例えば1200m/h)の還気RAを導入する。また、ダンパ133aの開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(例えば1950m/h)の還気RAを導入する。また、ダンパ134a2の開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(例えば1350m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ132a,134a1を閉じる。
【0051】
これにより、空調モードにおける冷房時には、還気ダクト133から下部筐体111の内部に導入される還気RAと外気ダクト134から下部筐体111の内部に導入される外気OAとの混合空気が熱交換器114により冷却される。冷却された混合空気は、還気バイパスダクト131からフィルタ113及び熱交換器114を通過せずに下部筐体111の内部に導入される還気RAと混合される。これにより、給気ユニット12の給気に適した温度、言い換えると空調空間P内の温度より若干低温の給気SAが作り出される。空調機11により作り出された給気SAは給気ユニット12に送り出され、吹出口123から所定の流量(例えば4500m/h)で空調空間P内に吹き出される。その結果、空調空間P内の下部付近の温度が極端に低くならず、冷え過ぎによる不快感が生じることを抑制できる。また、空調空間Pに温度成層が形成される。これにより、居住空間を空調ユニット1が備える中高性能のエアフィルタで清浄にされた空気で満たすことができ、空中に浮遊する埃や微小なウイルスは、上方に移動する空気によって上方に運ばれる。そのため、空調空間の床から給気ユニット12の高さ辺りに至る空調空間Pを清浄に保つことができる。その結果、体育館が避難場所として利用される場合の感染リスクの抑制も期待できる。
【0052】
一方、還気バイパス吸込口111a及び還気バイパスダクト131が設けられていない場合、熱交換器114により冷却された混合空気がそのまま給気SAとして給気ユニット12に送り出される。そのため、給気SAの温度が給気ユニット12の給気に適した温度よりも低くなり、冷房が効き過ぎる場合がある。その結果、空調空間P内の下部付近の温度が低くなり、冷え過ぎによる不快感の原因となり得る。
【0053】
図10は、空調モードにおける暖房時の空調ユニット1の制御状態を示す図である。図10では、還気RA、外気OA及び給気SAの少なくともいずれかが流れているダクト等を太実線で示す。図10に示されるように、空調モードにおける暖房時には、ダンパ133aの開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(例えば3150m/h)の還気RAを導入する。また、ダンパ134a2の開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(例えば1350m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ131a,132a,134a1を閉じる。
【0054】
これにより、空調モードにおける暖房時には、還気ダクト133から下部筐体111の内部に導入される還気RAと外気ダクト134から下部筐体111の内部に導入される外気OAとの混合空気が熱交換器114により加熱される。加熱された混合空気は、給気ユニット12に送り出され、吹出口123から所定の流量(例えば4500m/h)で空調空間P内に吹き出される。
【0055】
図11は、全外気モードにおける冷房時の空調ユニット1の制御状態を示す図である。図11では、還気RA、外気OA及び給気SAの少なくともいずれかが流れているダクト等を太実線で示す。図11に示されるように、全外気モードにおける冷房時には、ダンパ132aの開度を調整することにより、下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間に所定の流量(例えば2000m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ134a1の開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(1150m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ134a2の開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(1350m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ131a,133aを閉じる。
【0056】
これにより、全外気モードにおける冷房時には、外気ダクト134から下部筐体111の内部に導入される外気OAが熱交換器114により冷却される。冷却された外気OAは、外気バイパスダクト132からフィルタ113及び熱交換器114を通過せずに下部筐体111の内部に導入される外気OAと混合される。これにより、給気ユニット12の給気に適した温度、言い換えると空調空間P内の温度より若干低温の給気SAが作り出される。空調機11により作り出された給気SAは給気ユニット12に送り出され、吹出口123から所定の流量(例えば4500m/h)で空調空間P内に吹き出される。その結果、空調空間P内の下部付近の温度が極端に低くならず、冷え過ぎによる不快感が生じることを抑制できる。また、空調空間Pに温度成層が形成される。これにより、居住空間を空調ユニット1が備える中高性能のエアフィルタで清浄にされた空気で満たすことができ、空中に浮遊する埃や微小なウイルスは、上方に移動する空気によって上方に運ばれる。そのため、空調空間の床から給気ユニット12の高さ辺りに至る空調空間Pを清浄に保つことができる。その結果、体育館が避難場所として利用される場合の感染リスクの抑制も期待できる。
【0057】
一方、外気バイパス吸込口111b及び外気バイパスダクト132が設けられていない場合、熱交換器114により冷却された外気OAがそのまま給気SAとして給気ユニット12に送り出される。そのため、給気SAの温度が給気ユニット12の給気に適した温度よりも低くなり、冷房が効き過ぎる場合がある。その結果、空調空間P内の下部付近の温度が低くなり、冷え過ぎによる不快感の原因となり得る。
【0058】
図12は、全外気モードにおける暖房時の空調ユニット1の制御状態を示す図である。図12では、還気RA、外気OA及び給気SAの少なくともいずれかが流れているダクト等を太実線で示す。図12に示されるように、全外気モードにおける暖房時には、ダンパ132aの開度を調整することにより、下部筐体111の内部における熱交換器114と給気ファン115との間に所定の流量(例えば2000m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ134a1の開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(1150m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ134a2の開度を調整することにより、下部筐体111の内部におけるフィルタ113の上流側に所定の流量(1350m/h)の外気OAを導入する。また、ダンパ131a,133aを閉じる。
【0059】
これにより、全外気モードにおける暖房時には、外気ダクト134から下部筐体111の内部に導入される外気OAとの混合空気が熱交換器114により加熱される。加熱された混合空気は、外気バイパスダクト132からフィルタ113及び熱交換器114を通過せずに下部筐体111の内部に導入される外気OAと混合されて給気ユニット12に送り出され、吹出口123から所定の流量(例えば4500m/h)で空調空間P内に吹き出される。
【0060】
(空調ユニットの設置態様)
図13及び図14を参照し、実施形態の空調ユニット1の設置態様の一例として、空調空間Pの一例である体育館5に空調ユニット1を設置する場合について説明する。図13は空調ユニット1が設置された体育館5を正面側から見たときの概略図である。図14は空調ユニット1が設置された体育館5を上方から見たときの概略図であり、説明の便宜上、天井51を取り除いた状態を示す。
【0061】
体育館5は、略直方体状の空間を有し、天井51、床52、正面壁53、背面壁54、右側壁55及び左側壁56によって区画される。床52の面積は例えば600mであり、床52から天井51までの高さは例えば10mである。
【0062】
空調ユニット1は、体育館5内の四隅の床52上に設置される。すなわち、空調ユニット1は、右側壁55における正面壁53近傍の床52上、右側壁55における背面壁54近傍の床52上、左側壁56における正面壁53近傍の床52上及び左側壁56における背面壁54近傍の床52上に設置される。右側壁55における正面壁53近傍の床52上に設置される空調ユニット1と、左側壁56における正面壁53近傍の床52上に設置される空調ユニット1とは、例えば対向して配置される。また、右側壁55における背面壁54近傍の床52上に設置される空調ユニット1と、左側壁56における背面壁54近傍の床52上に設置される空調ユニット1とは、例えば対向して配置される。ただし、空調ユニット1の配置及び数はこれに限定されず、体育館5の形状、サイズ、窓の配置等に応じて定められる。空調ユニット1は、給気ユニット12の吹出口123から、体育館5の気流を乱さないように、空調機11が作り出す給気SAを低風速(例えば0.5m/sec以下)で体育館5の下部(居住域)に向かって吹き出す。
【0063】
(作用・効果)
第1の実施形態に係る空調ユニット1によれば、空調空間P内の下部(例えば居住域)に空調空間P内の温度より若干低温の給気SAを低風速(例えば0.5m/sec以下)で供給する。これにより、空調空間P内に供給された給気SAが空調空間P内に存在する発熱体等によって加熱されて発生する上昇流により、空調空間P内で生じた塵埃やガス等の汚染物質を空調空間P内の上方に搬送される。そして、空調空間P内の居住域よりも上方に位置する空調ユニット1の還気バイパスダクト131の上端及び還気ダクト133の上端から加熱された給気SAと共に汚染物質が取り込まれることにより、空調空間P内の換気が行われる。
【0064】
このように空調空間P内に供給された給気SAが空調空間P内に存在する発熱体等によって加熱されて加圧上昇気流を発生させるので、この加圧上昇気流により汚染空気が広がりにくい。そのため、体育館5を避難所等として使用する際も汚染空気に触れにくい。また、ピストンフローにより汚染空気の入れ替えが速いので換気効率が良い。
【0065】
また、空調空間P内に供給される給気SAの気流速度が0.5m/sec以下であるので、ドラフト感がなく、快適な空調を実現できる。また、居住域のみを空調するので、省エネルギー性に優れる。
【0066】
また、空調ユニット1は、空調機11と給気ユニット12とダクトユニット13とが一体となった一体型機器であるので、空調空間P内への施工が容易であり、工期を短縮できる。
【0067】
〔第2の実施形態〕
図15図18を参照し、第2の実施形態に係る空調ユニットの一例について説明する。図15は空調ユニットの正面図であり、前扉が取り外されている状態を示す。図16は空調ユニットを左方から見た側面図である。図17は空調ユニットを上方から見た平面図である。図18は空調ユニットにおける外気OA及び給気SAの流れを説明する概略図である。
【0068】
第2の実施形態に係る空調ユニット2は、全外気型の空調ユニットである点で、第1の実施形態に係る空調ユニット1と異なる。以下、空調ユニット1と異なる点を中心に説明する。
【0069】
空調ユニット2は、空調機21、給気ユニット22及びベース24を備える。一方、空調ユニット2は、空調ユニット1と異なり、ダクトユニットを備えていない。
【0070】
空調機21は、ベース24上に設置される。空調機21は、下部筐体211、上部筐体212、フィルタ213、熱交換器214及び給気ファン215を有する。
【0071】
下部筐体211は、フィルタ213、熱交換器214及び給気ファン215を収容する。下部筐体211は、外気吸込口211d及び給気口211eを有する。
【0072】
外気吸込口211dは、下部筐体111の背板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。外気吸込口211dには、外気ダクト(図示せず)が接続される。外気吸込口211dは、外気ダクトの内部と、下部筐体211の内部におけるフィルタ213の上流側とを連通させる。
【0073】
給気口211eは、下部筐体211の天板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。給気口211eは、下部筐体211における給気ファン215の下流側と上部筐体112の内部とを連通させる。
【0074】
上部筐体212、フィルタ213、熱交換器214及び給気ファン215は、それぞれ上部筐体112、フィルタ113、熱交換器114及び給気ファン115と同様の構成であってよい。
【0075】
係る空調機21は、外気吸込口211dから吸い込まれる外気OAを取り込んで給気SAを作り出し、給気ユニット22に送り出す。
【0076】
給気ユニット22は、ベース24上における空調機21の右側壁に取り付けられる。ただし、給気ユニット22は、ベース24上における空調機21の左側壁に取り付けられてもよい。給気ユニット22が取り付けられる位置は、空調ユニット2が設置される場所に応じて決定される。給気ユニット22は、筐体221、整流布222及び吹出口223を有する。筐体221、整流布222及び吹出口223は、それぞれ筐体121、整流布122及び吹出口123と同様の構成であってよい。
【0077】
係る給気ユニット22は、吹出口223から、空調空間P内の気流を乱さないように、空調機21が作り出す給気SAを低風速で空調空間P内の下部、特に床面に沿うように吹き出す。給気ユニット22が吹き出す給気SAの風速は、例えば0.5m/sec以下であることが好ましい。これにより、ドラフト感がなく、快適な空調を実現できる。また、給気ユニット22は、吹出口223に固定され、空調空間P内に吹き出される給気SAに旋回成分を与えるための複数枚のガイドフィン(図示せず)を有していてもよい。
【0078】
ベース24は、空調機21及び給気ユニット22を保持する。
【0079】
以上に説明したように、第2の実施形態に係る空調ユニット2によれば、第1の実施形態に係る空調ユニット1と同様の効果が得られる。
【0080】
また、第2の実施形態に係る空調ユニット2によれば、空調機21の背面にダクトユニットが取り付けられていないので、空調ユニット2を薄型化できる。
【0081】
〔第3の実施形態〕
図19図22を参照し、第3の実施形態に係る空調ユニットの一例について説明する。図19は空調ユニットの正面図であり、前扉が取り外されている状態を示す。図20は空調ユニットを左方から見た側面図である。図21は空調ユニットを上方から見た平面図である。図22は空調ユニットにおける還気RA及び給気SAの流れを説明する概略図である。
【0082】
第3の実施形態に係る空調ユニット3は、循環型の空調ユニットである点で、第1の実施形態に係る空調ユニット1と異なる。以下、空調ユニット1と異なる点を中心に説明する。
【0083】
空調ユニット3は、空調機31、給気ユニット32、ダクトユニット33及びベース34を備える。
【0084】
空調機31は、ベース34上に設置される。空調機31は、下部筐体311、上部筐体312、フィルタ313、熱交換器314及び給気ファン315を有する。
【0085】
下部筐体311は、フィルタ313、熱交換器314及び給気ファン315を収容する。下部筐体311は、還気吸込口311c及び給気口311eを有する。
【0086】
還気吸込口311cは、下部筐体311の背板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。還気吸込口311cは、後述する還気ダクト333の内部と、下部筐体311の内部におけるフィルタ313の上流側とを連通させる。
【0087】
給気口311eは、下部筐体311の天板を貫通する開口であり、例えば矩形状を有する。給気口311eは、下部筐体311における給気ファン315の下流側と上部筐体312の内部とを連通させる。
【0088】
上部筐体312、フィルタ313、熱交換器314及び給気ファン315は、それぞれ上部筐体112、フィルタ113、熱交換器114及び給気ファン115と同様の構成であってよい。
【0089】
係る空調機31は、還気吸込口311cから吸い込まれる還気RAを取り込んで給気SAを作り出し、給気ユニット32に送り出す。
【0090】
給気ユニット32は、ベース34上における空調機31の右側壁に取り付けられる。ただし、給気ユニット32は、ベース34上における空調機31の左側壁に取り付けられてもよい。給気ユニット32が取り付けられる位置は、空調ユニット3が設置される場所に応じて決定される。給気ユニット32は、筐体321、整流布322及び吹出口323を有する。筐体321、整流布322及び吹出口323は、それぞれ筐体121、整流布122及び吹出口123と同様の構成であってよい。
【0091】
係る給気ユニット32は、吹出口323から、空調空間P内の気流を乱さないように、空調機31が作り出す給気SAを低風速で空調空間P内の下部、特に床面に沿うように吹き出す。給気ユニット32が吹き出す給気SAの風速は、例えば0.5m/sec以下であることが好ましい。これにより、ドラフト感がなく、快適な空調を実現できる。また、給気ユニット32は、吹出口323に固定され、空調空間P内に吹き出される給気SAに旋回成分を与えるための複数枚のガイドフィン(図示せず)を有していてもよい。
【0092】
ダクトユニット33は、ベース34上における空調機31の左側壁に取り付けられる。すなわち、ダクトユニット33は、空調機31の側面のうち給気ユニット32が取り付けられていない側面に取り付けられる。ダクトユニット33は、還気ダクト333を有する。
【0093】
還気ダクト333は、空調機11の左方において上下方向に延びる角ダクトである。還気ダクト333は、上端が空調空間P内と連通し、下端が還気吸込口311cを介して下部筐体311の内部と連通する。還気ダクト333の上端は、空調空間P内の居住域よりも上方(例えば空調ユニット3の設置面から2.5mの高さ)に位置する。還気ダクト333は、空調空間P内からの還気RAを、還気吸込口311cを介して下部筐体311の内部におけるフィルタ313の上流側に導入する。還気ダクト333から下部筐体311の内部に導入される還気RAは、フィルタ313及び熱交換器314を通過して給気ファン315により給気ユニット32に送り出される。還気ダクト333には、ダンパ333aが設けられている。ダンパ333aは、還気ダクト333を流れる還気RAの風量を調整する。ダンパ333aは、例えば風量調整ダンパである。ただし、ダンパ333aは、モータダンパであってもよい。
【0094】
ベース34は、空調機31、給気ユニット32及びダクトユニット33を保持する。
【0095】
以上に説明したように、第3の実施形態に係る空調ユニット3によれば、第1の実施形態に係る空調ユニット1と同様の効果が得られる。
【0096】
また、第3実施形態の空調ユニット3によれば、空調機31の左側壁にダクトユニット33が取り付けられているので、空調ユニット3を薄型化できる。
【0097】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 :空調ユニット
11 :空調機
111 :下部筐体
111a :還気バイパス吸込口
111b :外気バイパス吸込口
111c :還気吸込口
111d :外気吸込口
111e :給気口
112 :上部筐体
112a :前扉
112b :後扉
112c :給気口
113 :フィルタ
114 :熱交換器
115 :給気ファン
12 :給気ユニット
121 :筐体
122 :整流布
123 :吹出口
13 :ダクトユニット
131 :還気バイパスダクト
131a :ダンパ
131b :フィルタ
132 :外気バイパスダクト
132a :ダンパ
132b :フィルタ
133 :還気ダクト
133a :ダンパ
134 :外気ダクト
134a1:ダンパ
134a2:ダンパ
14 :ベース
2 :空調ユニット
21 :空調機
211 :下部筐体
211d :外気吸込口
211e :給気口
212 :上部筐体
213 :フィルタ
214 :熱交換器
215 :給気ファン
22 :給気ユニット
221 :筐体
222 :整流布
223 :吹出口
24 :ベース
3 :空調ユニット
31 :空調機
311 :下部筐体
311c :還気吸込口
311e :給気口
312 :上部筐体
313 :フィルタ
314 :熱交換器
315 :給気ファン
32 :給気ユニット
321 :筐体
322 :整流布
323 :吹出口
33 :ダクトユニット
333 :還気ダクト
333a :ダンパ
34 :ベース
5 :体育館
51 :天井
52 :床
53 :正面壁
54 :背面壁
55 :右側壁
56 :左側壁
OA :外気
P :空調空間
RA :還気
SA :給気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22