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特開2023-58396情報端末の制御方法、プログラム及び表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058396
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】情報端末の制御方法、プログラム及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230418BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230418BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20230418BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q50/10
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168443
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 真人
(72)【発明者】
【氏名】城戸 清規
(72)【発明者】
【氏名】干場 圭太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L049CC17
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】情報端末が取得した情報と情報端末のユーザの位置との少なくとも一方に基づいて、設備を含む地図を情報端末の表示部に表示させる情報端末の制御方法を提供する。
【解決手段】情報端末の制御方法は、表示部32を有する情報端末3の制御方法である。本制御方法は、施設の内部を表す地図W1を含む第1画面G1を表示部32に表示するステップを有する。第1画面G1は、地図W1上に、施設内に設置された設備5a,5bを示す設備ポイントS1,S2を含む。情報端末3及び情報端末3のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置(ユーザポイントP1)と情報端末3が取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、地図W1の所定領域を表示部32に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する情報端末の制御方法であって、
施設の内部を表す地図を含む第1画面を前記表示部に表示するステップを有し、
前記第1画面は、前記地図上に、前記施設内に設置された設備を示す設備ポイントを含み、
前記情報端末及び前記情報端末のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と前記情報端末が取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、前記地図の所定領域を前記表示部に表示する
情報端末の制御方法。
【請求項2】
前記取得情報は、前記設備に関連する関連情報を含む
請求項1に記載の情報端末の制御方法。
【請求項3】
前記取得情報は、前記設備に関連する警報情報を含む
請求項2に記載の情報端末の制御方法。
【請求項4】
前記地図上に、前記警報情報に関する前記ユーザの移動のための案内情報を表示する
請求項3に記載の情報端末の制御方法。
【請求項5】
前記第1画面は、前記地図上に、前記ユーザ位置を示すユーザポイントを含む
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報端末の制御方法。
【請求項6】
所定期間における前記ユーザ位置の動線を前記地図上に示す第2画面を前記表示部に表示するステップを有する
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報端末の制御方法。
【請求項7】
前記所定期間は、前記ユーザによる前記設備に対する作業期間を含む
請求項6に記載の情報端末の制御方法。
【請求項8】
前記第1画面は、前記地図上に、前記施設内に位置する前記ユーザ以外の他者の位置を示す他者ポイントを含む
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報端末の制御方法。
【請求項9】
前記第1画面は、前記他者ポイントを含む領域に、前記他者に連絡するための連絡操作部を有する
請求項8に記載の情報端末の制御方法。
【請求項10】
前記設備は、複数の設備の1つであり、
前記複数の設備のうち、前記ユーザ位置の所定範囲内に含まれる設備の前記設備ポイントは、他の設備の前記設備ポイントと比較して大きく前記地図上に表示される
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報端末の制御方法。
【請求項11】
前記設備は、複数の設備の1つであり、
前記複数の設備のうち、前記ユーザ位置の所定範囲内に含まれる設備の前記関連情報を前記地図上に表示する
請求項2に記載の情報端末の制御方法。
【請求項12】
前記設備は、複数の設備の1つであり、
前記地図の拡大に伴って前記設備の前記関連情報を前記地図上に表示する
請求項2に記載の情報端末の制御方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1つに記載の情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
表示部を有する表示システムであって、
施設の内部を表す地図を含む第1画面を前記表示部に表示する制御部を更に有し、
前記第1画面は、前記地図上に、前記施設内に設置された設備を示す設備ポイントを含み、
前記制御部は、前記表示システム及び前記表示システムのユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と前記表示システムが取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、前記地図の所定領域を前記表示部に表示する
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に情報端末の制御方法、プログラム及び表示システムに関し、より詳細には、情報端末の表示部に情報を表示するための情報端末の制御方法、プログラム及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施設に設置された設備システムを制御するための制御システムが記載されている。特許文献1に記載の制御システムは、制御ユニットと、他ユニットとを備える。他ユニットは、通信ユニットと、電源ユニットとを含む。
【0003】
制御ユニットは、制御部と、取得部と、出力部とを有する。制御部は、施設に設置された1以上の設備システムを制御する。取得部は、制御ユニットに関する情報、及び制御ユニットに接続される他ユニットに関する情報の少なくとも一方を取得する。出力部は、取得部が取得した情報を報知又は所定の出力先に出力する。一例として、出力部は、取得部が取得した情報を制御ユニットが備えるディスプレイに出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-48090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の制御システム(表示システム)は、制御システムが情報を取得したときに、設備システム(設備)を制御対象とする制御ユニットと、他ユニットに関する情報とをディスプレイ(表示部)に表示するものであって、設備ユニットを含む地図を、情報端末が取得した情報と情報端末のユーザの位置との少なくとも一方に基づいてディスプレイに表示するものではなかった。
【0006】
本開示の目的は、情報端末が取得した取得情報と情報端末のユーザの位置との少なくとも一方に基づいて、設備を含む地図を情報端末の表示部に表示させることが可能な情報端末の制御方法、プログラム及び表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報端末の制御方法は、表示部を有する情報端末の制御方法である。前記制御方法は、施設の内部を表す地図を含む第1画面を前記表示部に表示するステップを有する。前記第1画面は、前記地図上に、前記施設内に設置された設備を示す設備ポイントを含む。前記情報端末及び前記情報端末のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と前記情報端末が取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、前記地図の所定領域を前記表示部に表示する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本開示の一態様に係る表示システムは、表示部を有する表示システムである。前記表示システムは、施設の内部を表す地図を含む第1画面を前記表示部に表示する制御部を更に有する。前記第1画面は、前記地図上に、前記施設内に設置された設備を示す設備ポイントを含む。前記制御部は、前記表示システム及び前記表示システムのユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と前記表示システムが取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、前記地図の所定領域を前記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、情報端末が取得した取得情報と情報端末のユーザの位置との少なくとも一方に基づいて、設備を含む地図を情報端末の表示部に表示させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る情報端末を含むシステム全体(遠隔管理システム)のブロック図である。
図2図2は、同上の情報端末の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図3図3は、同上の情報端末の表示部に表示される別の画面の一例を示す図である。
図4図4は、同上の情報端末の表示部に表示されるさらに別の画面の一例を示す図である。
図5図5は、同上の情報端末の表示部に表示されるさらに別の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る情報端末の制御方法、プログラム及び表示システムについて、図面を参照して説明する。
【0013】
(実施形態)
(1)概要
まず、実施形態に係る情報端末の制御方法の概要について、図1を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る情報端末の制御方法は、表示部32を有する情報端末3を制御する制御方法である。情報端末3は、ユーザが携帯して使用可能な情報端末(例えばタブレット端末)である。情報端末3としては、汎用の情報端末が使用可能である。情報端末3は、クラウドA1に通信接続可能であり、クラウドA1を介して設備管理システム2に通信接続可能である。なお、設備管理システム2は、施設100に設置された複数の設備5を管理及び制御(すなわち操作)する。ユーザは、情報端末3からクラウドA1を介して設備管理システム2に通信接続することで、情報端末3を用いて、遠隔から複数の設備5を管理及び制御することが可能である。これにより、ユーザは、情報端末3を用いて何時でも何処からでも複数の設備5を管理及び制御することが可能である。
【0015】
ここで、施設100は、例えば、工場、商業施設、アミューズメント施設、病院、事務所、ビル等の非住宅である。本実施形態では、施設100が複数のフロアを有するビル(オフィスビル)であるとして説明する。
【0016】
より詳細には、情報端末3は、施設100の内部を表す地図W1であって複数の設備5の各々の設備ポイントS1,S2を含む地図W1を情報端末3の表示部32に表示可能である(図2参照)。これにより、ユーザは、情報端末3の表示部32に表示された地図W1を用いて、複数の設備5を管理及び制御することが可能である。
【0017】
また、情報端末3は、情報端末3のユーザの位置(ユーザ位置)と情報端末3が取得した取得情報(例えば警報情報)との少なくとも一方に基づいて、地図W1図2参照)の所定領域を情報端末3の表示部32に表示することが可能である。これにより、地図W1の所定領域として、ユーザ位置を含む所定領域、及び取得情報に関連する場所(例えば警報発生場所)を含む領域を表示することが可能である。
【0018】
また、情報端末3は、人(情報端末3のユーザ及び他の情報端末3のユーザ(他者))の位置情報を取得する。そして。情報端末3は、取得した人の位置情報に基づいて、地図W1上に各種情報を表示したり、各種情報を取得して保存したり、複数の設備5に対する遠隔操作を制限したりすることが可能である。
【0019】
例えば、情報端末3は、各種情報として、情報端末3のユーザの位置及び他の情報端末3のユーザ(他者)の位置を地図W1上に表示することが可能である。これにより、ユーザは、情報端末3の表示部32に表示された地図W1上で、情報端末3のユーザの位置及び他者の位置を確認することが可能である。また、情報端末3は、各種情報として、上記警報情報に関するユーザの移動(避難)のための案内情報63(図3参照)を地図W1上に表示することが可能である。また、情報端末3は、各種情報として、情報端末3のユーザの作業中の動線70(図4参照)を表示することが可能である。また、情報端末3は、各種情報として、各設備5に対する自端末のユーザの作業時間を収集して保存することが可能である。また、情報端末3は、設備5の近くに他者が居る場合に、当該設備5に対する遠隔操作を制限することが可能である。
【0020】
また、ユーザは、情報端末3を用いて遠隔から複数の設備5を管理及び制御(操作)する際に、情報端末3の表示部32上で、通話アプリを用いて設備5の近くに居る他者との通話が可能である。これにより、ユーザは、設備5の近くに居る他者との通話によって当該他者の状態(作業中である否か)を直接確認することが可能となる。
【0021】
また、情報端末3は、自端末のユーザの移動中は、自端末の表示部32を画面ロックする機能を有する。これにより、ユーザが歩きながら情報端末3を操作することを禁止することが可能である。
【0022】
(2)遠隔管理システム
本実施形態に係る情報端末の制御方法は、例えば図1に示す遠隔管理システム200によって実現可能である。遠隔管理システム200は、ゲートウエイ1と、設備管理システム2と、複数の情報端末3とを備える。
【0023】
設備管理システム2は、ゲートウエイ1を介してクラウドA1に有線又は無線で通信接続されている。複数の情報端末3は、クラウドA1に無線で通信接続されている。
【0024】
遠隔管理システム200は、情報端末3からクラウドA1及びゲートウエイ1を介して設備管理システム2に通信接続することで、各情報端末3から、設備管理システム2が管理する複数の設備5を、遠隔で管理及び制御することが可能なシステムである。
【0025】
クラウドA1(クラウドコンピューティングともいう)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態である。クラウドA1は、クラウドサーバ4を含む。クラウドサーバ4は、クラウドA1が提供する各種サービスを利用するために必要な情報(アプリなど)を記憶したり、複数の情報端末3で生成された各種情報を受け取って保存したりする。上記各種情報は、各情報端末3のユーザの作業時間の情報、及び、各情報端末3のユーザの作業中の動線の情報を含む。
【0026】
設備管理システム2は、施設100に設置された複数の設備5を管理及び制御するシステムである。設備管理システム2は、施設100内に設置されている。
【0027】
各情報端末3は、各ユーザと一対一に対応し、対応するユーザが携帯して使用する情報端末である。各情報端末3のユーザは、設備5から離れた場所に配置して、情報端末3を用いて遠隔で設備5を管理及び制御することが可能である。また、各情報端末3のユーザは、設備5の近くで情報端末3を用いて設備5を直に見ながら管理及び制御することも可能である。
【0028】
ゲートウエイ1は、異なるシステム同士を通信接続するための通信機器であり、本実施形態では、ゲートウエイ1は、設備管理システム2とクラウドA1とを通信接続する。
【0029】
この遠隔管理システム200では、各情報端末3は、遠隔管理システム200に従って動作するために必要なアプリケーションソフト(プログラム)、及び、地図W1に関する地図情報をクラウドサーバ4からダウンロードして取得する。以下、アプリケーションソフトをアプリと記載する。なお、本実施形態では、各情報端末3は、上記の必要なアプリケーション及び上記の地図情報をクラウドサーバ4からダウンロードするが、クラウドサーバ4以外のサーバからダウンロードしてもよい。上記地図情報には、複数の設備5の情報(例えば位置及び仕様など)が組み込まれている。各情報端末3は、取得したアプリを起動し、かつ、取得した地図W1を情報端末3の表示部32に表示する。ユーザは、自身の情報端末3から遠隔管理システム200にサインインして遠隔管理システム200を利用する。
【0030】
また、各情報端末3は、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して設備管理システム2に通信接続することで、上述のように、設備管理システム2を介して複数の設備5を管理及び制御が可能になる。
【0031】
また、各情報端末3は、自端末位置を検出する位置検出部35を有する。位置検出部35は、例えばGPS又はLPSを用いて自端末位置を検出する。なお、上記GPS(Global Positioning System)は、衛星測位システムであり、上記LPS(Local Positioning system)は、屋内測位システムである。各情報端末3は、位置検出部35によって自端末位置を検出することで、自端末位置の情報を取得する。そして、各情報端末3は、検出した自端末位置の情報をクラウドA1を介して他の情報端末3に送信する。これにより、各情報端末3は、自端末以外の他の情報端末3の位置情報を取得する。なお、本実施形態では、情報端末3はユーザに携帯されるため、情報端末3の位置(自端末位置)は、情報端末3のユーザの位置(ユーザ位置)と見なされる。したがって、各情報端末3は、自端末のユーザ位置の情報と他端末のユーザ位置の情報を取得する。
【0032】
なお、上記LPSでは、情報端末3の位置検出部35は、設備5に設けられたビーコン発信器27から定期的に発信されるビーコン信号(Bluetooth(登録商標)信号)を受信することで、自端末位置を検出する。ビーコン発信器27から発信されるビーコン信号は、発信元のビーコンの位置情報を含む。情報端末3の位置検出部35は、ビーコン発信器27から発信されたビーコン信号を受信し、その受信強度から当該ビーコン発信器27と自端末との相対距離を検出する。そして、各情報端末3は、検出した相対距離と、受信したビーコン信号に含まれる発信元のビーコン位置情報とから、自端末位置を検出する。
【0033】
なお、上記の説明では、設備5にビーコン発信器27が設けられ、情報端末3にビーコン受信器(位置検出部35)が設けられるが、情報端末3にビーコン発信器が設けられ、設備5にビーコン受信器が設けられてもよい。この場合は、情報端末3から発信されるビーコン信号は、発信元の情報端末3の位置情報を含む。そして、設備5に設けられたビーコン受信器において、受信したビーコン信号から当該情報端末3の位置を検出する。そして、ビーコン受信器は、検出した当該情報端末3の位置情報をゲートウエイ1及びクラウドA1を介して複数の情報端末3の全てに送信する。これにより、情報端末3は、自端末位置の情報及び他の情報端末3の位置の情報を取得する。
【0034】
なお、ユーザが情報端末3以外のビーコン発信器(例えば社員証)を携帯する場合は、その社員証から発信されるビーコン信号に基づいて、社員証の位置を検出してもよい。この場合は、ユーザは社員証を携帯しているため、社員証の位置がユーザの位置と見なされる。本実施形態では、情報端末3の位置と情報端末3のユーザの位置(例えば社員証の位置)との少なくとも一方の位置によって、情報端末3のユーザの位置(ユーザ位置)が与えられる。
【0035】
このように、情報端末3は、自端末位置を検出し、検出した自端末位置の情報をクラウドA1を介して他の情報端末3に送信する。これにより、各情報端末3は、人(自端末のユーザ及び他端末のユーザ(他者))の位置情報を取得する。各情報端末3は、この取得した人の位置情報に基づいて、上述のように、地図W1上に各種情報を表示したり、各種情報を収集して保存したり、上記の複数の設備5に対する遠隔操作を制限したりすることが可能である。
【0036】
各情報端末3のユーザは、各情報端末3の表示部32において、通話アプリ(例えばマイクロソフト社のTeams(登録商標))を用いて他の情報端末3のユーザ(他者)との通話が可能である。
【0037】
各情報端末3は、自端末内で生成した各種情報(例えば自端末のユーザの作業時間の情報、及び、自端末のユーザの動線の情報)をクラウドサーバ4に送信してクラウドサーバ4に保存することが可能である。
【0038】
また、設備管理システム2は、複数の設備5のうちの何れかの設備5で異常が発生すると、その異常を検知する。そして、設備管理システム2は、異常内容と異常発生元の設備5の情報(設備5の設置場所及び設備5の仕様など)とを、警報情報として、ゲートウエイ1及びクラウドA1を介して全ての情報端末3に送信する。各情報端末3は、この警報情報(取得情報)を取得すると、上述のように、情報端末3の表示部32に、警報情報を表示したり、警報情報に関するユーザの移動のための案内情報を表示したりする。
【0039】
(3)設備管理システムの構成
設備管理システム2の構成について、図1を参照して説明する。
【0040】
図1に示す設備管理システム2は、中央監視装置21と、複数(図示例では4つ)の設備5と、操作装置26と、複数のビーコン発信器27と、を備える。
【0041】
設備管理システム2は、施設100に設けられた複数の設備5を管理するためのシステムである。本実施形態では、複数の設備5は、照明システム22と、空調システム23と、入退管理システム24と、環境システム25と、を含む。本明細書において、「設備」とは、設備管理システム2によって管理される管理対象となり得る機器(システム)をいう。したがって、本実施形態では、設備管理システム2によって管理される複数の設備5が「設備」に該当し、複数の設備5を管理する設備管理システム2は「設備」に該当しない。
【0042】
本明細書において、「設備を管理する」とは、例えば、設備を監視すること、設備を制御することをいう。また、本明細書において、「設備を監視する」とは、例えば、設備の状態を確認すること、設備の異常を確認することをいう。また、本明細書において、「設備を制御する」とは、例えば、設備を動作させること、設備を停止させること、設備の動作を変更させることをいう。
【0043】
中央監視装置21、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25及び操作装置26の各々は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。中央監視装置21、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25及び操作装置26の各々では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、中央監視装置21、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25及び操作装置26の各々の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0044】
(3.1)操作装置
操作装置26は、施設100に設けられた複数の設備5の状態を表示したり、複数の設備5に対する作業者の操作を受け付ける装置である。
【0045】
(3.2)中央監視装置
中央監視装置21は、施設100に設けられた複数の設備5を監視するための装置である。中央監視装置21は、操作装置26に入力された操作と、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して複数の情報端末3の各々から受信する制御信号とに基づいて、複数の設備5を制御する。また、中央監視装置21は、複数の設備5の何れかに異常(故障など)が発生したか否かを監視する。そして、中央監視装置21は、異常の発生を検出すると、警報情報をゲートウエイ1及びクラウドA1を介して複数の情報端末3に送信する。警報情報は、異常発生元の設備5の情報(設備5の配置場所及び設備5の仕様)を含む。
【0046】
(3.3)設備
照明システム22は、複数の照明器具と、照明制御コントローラと、を備える。各照明器具は、施設100の各フロアの天井に設置されている。照明制御コントローラは、例えば、中央監視装置21からの制御信号に従って、各照明器具の点灯、消灯、調光及び調色等を制御する。また、照明制御コントローラは、各照明器具の状態を示す状態情報を中央監視装置21に出力する。ここで、設備5が照明システム22の場合、状態情報は、例えば、各照明器具の点灯、消灯、調光及び調色等を含む。
【0047】
空調システム23は、複数の空調装置と、空調制御コントローラと、を備える。各空調装置は、施設100の各フロアの天井に設置されている。空調制御コントローラは、中央監視装置21からの制御信号に従って、各空調装置のオン、オフ、温度及び運転切替等を制御する。また、空調制御コントローラは、各空調装置の状態を示す状態情報を中央監視装置21に出力する。ここで、設備5が空調システム23の場合、状態情報は、例えば、各空調装置231のオン、オフ、温度及び運転切替等を含む。
【0048】
入退管理システム24は、施設100の各フロアへの人の入退室を管理するためのシステムである。入退管理システム24は、複数の認証装置と、コントローラと、を備える。各認証装置は、例えば、カードリーダである。各認証装置は、施設100の各フロアにおける複数の領域の各々の出入り口に設置されている。入退管理システム24では、例えば、ユーザが所持するICカードを認証装置(カードリーダ)にかざして認証に成功した場合に、上記の複数の領域の各々への入室が許可される。コントローラは、各認証装置の認証結果に基づく上記の複数の領域の各々への人の入退室に関する情報を中央監視装置21に出力する。ここで、設備5が入退管理システム24の場合、状態情報は、例えば、各認証装置の状態(正常、異常)を示す情報を含む。
【0049】
環境システム25は、複数の温度センサと、複数の湿度センサと、複数の照度センサと、コントローラと、を備える。各温度センサは、温度情報として、上記の複数の領域の各々の内部の温度(室内温度)を検出する。各湿度センサは、湿度情報として、上記の複数の領域の各々の内部の湿度(室内湿度)を検出する。各照度センサは、照度情報として、上記の複数の領域の各々の内部の照度(室内照度)を検出する。コントローラは、各温度センサから取得した温度情報、各湿度センサから取得した湿度、及び各照度センサから取得した照度情報を中央監視装置21に出力する。ここで、設備5が環境システム25の場合、状態情報は、例えば、各種センサの状態(正常、異常)を示す情報を含む。
【0050】
ここで、本実施形態では、設備5に関連する関連情報は、設備5の周囲環境に関する環境情報を含む。環境情報は、例えば、上述の温度情報、湿度情報及び照度情報を含む。すなわち、本実施形態では、環境情報は、各種センサ(温度センサ、湿度センサ、照度センサ)によって取得可能なセンサ情報である。また、本実施形態では、関連情報は、施設100内に存在する人に関する情報を含み、例えば、上述の入退室に関する情報を含む。また、関連情報は、設備5に関連する警報情報を含む。
【0051】
(3.4)ビーコン発信器
複数のビーコン発信器27は、上述の通り、各情報端末3の位置を検出するためのビーコン信号を定期的に発信する発信器である。ビーコン発信器27は、複数の設備5の各々に設けられている。各ビーコン発信器は、中央監視装置21に接続されており、中央監視装置21によって制御される。
【0052】
(4)クラウドサーバの構成
次に、クラウドサーバ4の構成について、図1を参照して説明する。
【0053】
図1に示すクラウドサーバ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を備える。
【0054】
クラウドサーバ4は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。クラウドサーバ4では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、クラウドサーバ4の各部の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0055】
(4.1)通信部
通信部41は、クラウドA1と通信接続している通信装置(情報端末3及びゲートウエイ1)と無線又は有線で通信を行う。通信部41は、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して設備管理システム2と無線又は有線で通信を行う。
【0056】
(4.2)記憶部
記憶部42は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部42は、クラウドA1が提供する各種サービスを利用するために必要な情報(アプリなど)を記憶したり、複数の情報端末3で生成された各種情報を受け取って保存したりする。上記各種情報は、各情報端末3のユーザの作業時間の情報、及び、各情報端末3のユーザの作業中の動線の情報を含む。
【0057】
(4.3)制御部
制御部43は、クラウドサーバ4の各部(通信部41及び記憶部42)を制御するように構成されている。制御部43は、クラウドA1に通信接続された通信装置からの制御に応じて、記憶部42に記憶された各種情報を当該通信装置に送信する。これにより、クラウドサーバ4に保存された上記各種情報を当該通信装置を介して外部装置に取り出して活用することが可能になる。
【0058】
(5)情報端末(表示システム)の構成
次に情報端末3の構成について、図1を参照して説明する。
【0059】
図1に示す情報端末3は、ユーザが携帯可能な携帯端末である。情報端末3は、通信部31と、表示部32と、入力部33と、記憶部34と、位置検出部35と、制御部36と、を備える。
【0060】
情報端末3は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。情報端末3では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、情報端末3の各部の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0061】
(5.1)通信部
通信部31は、クラウドA1と無線で通信接続して、クラウドA1と通信接続している通信装置(クラウドサーバ4、ゲートウエイ1及び他の情報端末3)と通信を行う。通信部31は、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して設備管理システム2と通信を行う。
【0062】
通信部31は、クラウドサーバ4から、クラウドA1を介して、各種アプリ(プログラム)、及び、上記地図W1に関する地図情報を取得する。各種アプリは、情報端末3が遠隔管理システム200に従って動作するために必要なアプリを含む。また、通信部31は、設備管理システム2から、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して、上記の関連情報及び上記の状態情報を取得する。また、通信部31は、他の情報端末3から、クラウドA1を介して各種情報を取得する。この各種情報は、当該他の情報端末3のユーザによる設備5に対する作業の開始情報及び終了情報、及び、当該他の情報端末3の位置情報(他者位置情報)を含む。通信部31が取得するこれら各種情報は、通信部31が取得する取得情報の一例である。
【0063】
ここで、上記の関連情報は、設備5に関連する関連情報である。上記の関連情報は、設備5の異常に関する情報、及び設備5の周囲環境の異常に関する情報の両方を含む。設備5の異常に関する情報は、例えば、設備5が故障した場合に設備管理システム2から発信される警報情報を含む。設備5の周囲環境の異常に関する情報は、例えば、上述の各種センサ(温度センサ、湿度センサ、照度センサ)が故障した場合に発せられる警報情報を含む。すなわち、上記の関連情報は、設備5の故障時又は各種センサの故障時に発せられる警報情報を含む。
【0064】
(5.2)表示部
表示部32は、例えば液晶モニタのような各種情報を表示可能な表示装置である。表示部32は、制御部36からの制御信号に従って各種情報を表示する。各種情報は、例えば、通信部31が取得した取得情報を含む。具体的には、表示部32は、上記地図W1を含む画面を表示すると共に、上記地図W1上に、位置検出部35が検出する後述のユーザ位置、及び、通信部31が取得した取得情報(他者位置、警報情報及び案内情報など)などを表示する。
【0065】
(5.3)入力部
入力部33は、情報端末3のユーザの操作入力を受け付ける。入力部33は、例えば、表示部32の表示画面へのタッチ操作を検出するタッチパネルとして構成されている。これにより、ユーザは、表示部32の表示画面をタッチ操作することで、情報端末3への操作入力が可能である。
【0066】
(5.4)記憶部
記憶部34は、各種情報を記憶するための不揮発性の記憶装置である。記憶部34は、例えば、クラウドサーバ4、設備管理システム2及び他の情報端末3から取得した取得情報、及び、情報端末3が各種機能を実行するためのプログラムを記憶する。
【0067】
(5.5)位置検出部
位置検出部35は、上述のように、GPS又はLPSを用いて情報端末3の位置(すなわちユーザ位置)を検出する。位置検出部35は、情報端末3の位置を検出すると、検出した位置の情報を、通信部31からクラウドA1に通信接続している他の全ての情報端末3に送信する。
【0068】
(5.6)制御部
制御部36は、情報端末3の各部(表示部32、入力部33及び記憶部34)を制御する。制御部36は、位置検出部35が検出した情報端末3の位置(ユーザ位置)と情報端末3が取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、通信部31が取得した上記地図WS1の所定領域を表示部32に表示する。また、制御部36は、位置検出部35が検出した情報端末3の位置(ユーザ位置)、及び、通信部31が取得した取得情報(他者位置、警報情報及び案内情報)を表示部32に表示された上記地図W12上に表示する。上記案内情報は、警報情報に関する案内情報であって、情報端末3のユーザの移動(避難)のための案内情報である。
【0069】
また、制御部36は、情報端末3のユーザが設備5に対する作業(例えば点検及び保守など)を行ったときにその作業時間を計時する。より詳細には、ユーザは、設備5に対する作業を開始するとき、作業対象の設備5に一定範囲内に接近した状態で作業開始の操作を入力部33に入力する。制御部36は、この入力によって当該設備5に対するユーザの作業開始を検出し、その開始時刻を記憶する。また、作業開始の操作の入力後にユーザが当該設備5の一定距範囲の外に離れると、制御部36は、位置検出部35の検出結果に基づいてその一定距範囲の外に離れたことを検出する。そして、制御部36は、この検出によって当該設備5に対するユーザの作業終了を自動的に検出し、その終了時刻を記憶する。制御部36は、記憶した開始時刻及び終了時刻に基づいて、当該設備5に対するユーザの作業時間を計時する。制御部36は、計時した作業時間を通信部31からクラウドサーバ4に送信して、クラウドサーバ4に保存させる。
【0070】
また、制御部36は、位置検出部35の検出結果に基づいて、情報端末3のユーザの施設100内での動線を作成する。動線とは、ユーザの施設100内での移動経路の軌跡である。本実施形態では、動線は、移動経路上の各点の通過時刻の情報(通過時刻情報)を含む。その通過時刻情報により、ユーザが動線上の各点を通過した順番を知ることが可能である。制御部36は、作成した動線の情報を通信部31からクラウドサーバ4に送信して、クラウドサーバ4に保存する。クラウドサーバ4では、各情報端末3からの動線情報を保存することで、ユーザ毎の通過時間情報を含む動線を保存できる。
【0071】
また、制御部36は、ユーザが、表示部32に表示された地図W1に表示された他者のうちの一人をタッチ選択したことを検出すると、情報端末3内で通話アプリを作動させて通話アプリ上で当該他者との通話を可能にする。
【0072】
また、制御部36は、ユーザが情報端末3を携帯した状態で歩いていることを検出すると、情報端末3の画面をロックする(すなわち入力部33への操作入力を禁止する)。より詳細には、制御部36は、位置検出部35の検出結果に基づいて情報端末3の移動(すなわちユーザの移動)を検知し、かつ、情報端末3の揺れ検出部(例えばジャイロセンサ)によって情報端末3の揺れを検出する場合は、ユーザが情報端末3を携帯した状態で歩いていると判断して、情報端末3の入力部33への操作入力を禁止する。制御部36は、情報端末3の単位時間当たりの移動距離が所定距離以上である場合(すなわち情報端末3の移動速度が所定速度以上である場合)に、情報端末3の移動(ユーザの移動)を検知する。
【0073】
(6)表示例
次に、情報端末3の表示部32の表示例について、図2図6を参照して説明する。
【0074】
(6.1)基本画面
図2では、情報端末3の表示部32に画面G1(基本画面、第1画面)が表示されている。要するに、情報端末3がアプリケーションソフトを実行することで、情報端末3の表示部32には、画面G1が表示可能となる。画面G1は、施設100の内部を表す地図(フロア図)W1を含む画面である。地図W1には、設備5の情報(位置及び仕様など)が組み込まれている。より詳細には、画面50は、地図W1の所定領域を示す画面である。図2の例では、上記所定領域は、情報端末3のユーザの位置(後述のユーザポイントP1で示される位置)を含む一定領域である。
【0075】
画面G1は、地図W1上に、フロア選択アイコン50と、サイン状況情報51と、人の位置情報(ユーザポイントP1及び他者ポイントP2)と、設備5の位置情報(設備ポイントS1,S2)と、警報アイコン52と、フロア検索アイコン53と、マイページアイコン54とを表示する。
【0076】
フロア選択アイコン50は、表示部32に表示するフロア図を選択するためのアイコンである。フロア選択アイコン50は、例えば、表示部32の表示画面の上部において横に並んで表示される。フロア選択アイコン50は、複数(例えば3つ)のアイコン50a,50b,50cと、フロア情報50dと、を有する。
【0077】
3つのアイコン50a,50b,50cのうち、左側の2つのアイコン50a,50bは、施設100の複数の階(フロア)のうちの2つの階の各々に対応するフロアアイコンである。図2では、2つのフロアアイコン50a,50bは、1階に対応する1Fアイコン、及び、2階に対応する2Fアイコンである。2つのフロアアイコン50a,50bの一方をタッチ操作すると、タッチ操作したフロアアイコンに対応する階のフロア図が表示部32に表示される。図2では、2Fアイコンがタッチ操作されて2階のフロア図が表示部32に表示されている。2つのフロアアイコン50a,50bのうち、タッチ操作されたアイコンは、例えばアイコンの色が変化する。これにより、タッチ操作されたアイコンを視覚的に識別可能である。なお、タッチ操作されたアイコンは、アイコンの色を変化させる代わりに、アイコンのデザインを変更させてもよい。
【0078】
3つのアイコン50a,50b,50cのうち、右側のアイコン50cは、スクロールアイコンである。スクロールアイコン50cは、左側の2つのフロアアイコン50a,50bを別の階を表すフロアアイコンに変更するためのアイコンである。情報端末3には、施設100の複数の階の各々に対応する複数のフロアアイコン(1Fアイコン、2Fアイコン、…)が設定されている。上記複数のフロアアイコンは、1Fアイコンから順番に横一列に並んで設定されている。表示部32には、上記複数のフロアアイコンのうちの連続する2つのフロアアイコン(図2では1Fアイコン及び2Fアイコン)だけが選択的に表示される。スクロールアイコン50cを1回タッチ操作する毎に、上記複数のフロアアイコンが1アイコン分ずつ横にスクロースされて、表示部32に表示される2つのフロアアイコン50a,50bが変化する。例えば、図2の表示状態(すなわち1Fアイコン及び2Fアイコンが表示される状態)からスクロールアイコン50cを1回押すと、表示される2つのフロアアイコンが1アイコン分ずれて2Fアイコン及び3Fアイコンが表示される。
【0079】
フロア情報50dは、2つのフロアアイコン50a,50bのうちタッチ操作(選択)されたフロアアイコンで指定された階の情報を表示する。図2の例では、フロア情報50dとして、タッチ操作された2Fアイコンで指定された2階は「宅盤6系統 管理棟・保安棟」であるという情報が表示される。なお、フロア情報50dは、2つのフロアアイコン50a,50bの各々で指定された階の情報を表示してもよい。
【0080】
サイン状況情報51は、他の情報端末3のユーザ(他者)に関する遠隔管理システム200へのサイン状況の情報を表示する。サイン状況情報51は、例えば、フロア選択アイコン50の下側に表示される。より詳細には、サイン状況情報51は、他者のサイン状況の情報51aと、施設100内での当該他者の居場所の情報51bとを含む。例えば、他者がサインインすると、他者のサイン状況の情報51aとして他者の登録名(図2の例では「作業者A」等)が表示される。すなわち、他者の登録名が表示されることで、他者がサインインしていることが判る。図2の例では、他者のサイン状況の情報51aとして登録名「作業者A」及び登録名「作業者B」が表示されており、これにより、他者として「作業者A」及び「作業者B」がサインインしていることが解る。また、当該他者(「作業者A」及び「作業者B」)の居場所の情報51bとしてそれぞれ、「管理棟2F」が表示されている。これにより、当該他者がそれぞれ管理棟2Fに居ることが判る。
【0081】
なお、各ユーザは、自身の情報端末3において、後述のマイページアイコン54をタッチ操作することで画面G1からマイページ画面に遷移し、マイページ画面で、サインインの操作入力を行うことでサインインし、サインアウトの操作入力を行うことでサインアウトする。また、上記の他者の居場所は、他者の情報端末3の位置である。情報端末3は、他者の情報端末3から当該他者のサイン状況の情報と当該他者の情報端末3の位置の情報とを取得し、取得したこれらの情報に基づいて、サイン状況情報51を表示する。
【0082】
ユーザポイントP1は、地図W1上での情報端末3のユーザの位置(換言すれば情報端末3の位置)を示すマーク(例えば赤色円形のマーク)である。ユーザポイントP1は、情報端末3の位置検出部35の検出結果に基づいて表示される。図2の例では、ユーザポイントP1は、美装員室内に表示されている。ユーザポイントP1によって、地図W1上での情報端末3のユーザの位置を確認できる。
【0083】
本実施形態では、情報端末3のユーザの位置(すなわちユーザポイントP1で示される位置)を含む所定領域が表示部32に表示されるように、地図W1が表示部32に表示される。なお、情報端末3のユーザの位置は、情報端末3の位置と同じ位置である。したがって、本実施形態では、情報端末3及び情報端末3のユーザの位置の少なくとも一方の位置であるユーザ位置に基づいて、地図W1の所定領域が表示部32に表示される。
【0084】
他者ポイントP2は、地図W1においてサインインしている他者の位置(すなわち他者の情報端末3の位置)を示すマーク(例えば青色円形のマーク)である。情報端末3は、サインインしている他者の情報端末3から当該他者の情報端末3の位置(すなわち当該他者の位置)の情報を取得し、その取得した情報に基づいて、他者ポイントP2を表示する。図2の例では、他者ポイントP2は、通信室内の設備5aの近くに表示されている。他者ポイントP2によって、地図W1上での他者の現在位置の確認できる。また、地図W1には、他者ポイントP2と共に設備5a,5bの後述の設備ポイントS1,S2も表示されるため、遠隔操作対象の設備5a,5bの近くに他者が居るか否かの確認を行うことができる。
【0085】
設備ポイントS1,S2は、地図W1上の設備5a,5bの位置を示すマークである。設備ポイントS1,S2の周囲には、設備ポイントS1,S2に関する設備5a,5bの識別情報S1a,S2aが表示される。図2の例では、設備ポイントS1は、識別情報「EF-C6-21-1」で識別される設備5aの位置を示し、設備ポイントS2は、識別情報「SF-C6-21-1」で識別される設備5bの位置を示している。設備ポイントS1,S2は、地図W1の地図情報に組み込まれた設備5の位置情報に基づいて形成される。つまり、情報端末3は、取得した地図情報に基づいて設備ポイントS1,S2を表示する。図2の例では、設備ポイントS1,S2はそれぞれ、通信室内の設備5a,5bの位置を示している。設備ポイントS1,S2によって、地図W1上の設備5a,5bの位置を確認できる。
【0086】
なお、識別情報S1a,S1bは、常時、設備ポイントS1,S2の近くに表示される代わりに、設備ポイントS1,S2をタッチ操作するとポップアップ画面が表示されるようにして、そのポップアップ画面に識別情報S1a,S1bを表示するようにしてもよい。なお、ポップアップ画面とは、小窓状の比較的小さい画面である。
【0087】
警報アイコン52は、表示部32に表示された画面G1を警報リスト画面に遷移させるためのアイコンである。警報アイコン52をタッチ操作すると、表示部32の表示画面が画面G1から警報リスト画面に遷移する。警報リスト画面は、過去の警報の履歴を一覧リストを含む画面である。警報リスト画面は、警報の発生日時、発生復旧の別、警報発生元の設備の識別情報などの情報を含む。警報リスト画面は、情報端末3が設備管理システム2から取得する警報情報に基づいて生成される。
【0088】
フロア検索アイコン(グラフィックアイコンともいう)53は、表示部32に表示するフロア図を選択するためのアイコンである。より詳細には、フロア検索アイコン53は、表示部32に表示されている画面G1をフロア一覧画面に遷移させるためのアイコンである。フロア一覧画面は、選択可能なフロアの一覧リストを表示する。ユーザは、フロア一覧画面の中から所望のフロア(階)をタッチ操作すると、表示部32に表示されている画面G1からタッチ操作されたフロアのフロア図に一気に遷移する。
【0089】
なお、フロア選択アイコン50のフロアアイコン50a,50bに表示頻度の高いフロアのフロア図を登録してもよい。そして、表示頻度が高くないフロアは、上記フロア一覧画面に登録しておき、フロア検索アイコン53の操作でそのフロア図(表示頻度の高くないフロアのフロア図)を表示部32に表示してもよい。
【0090】
マイページアイコン54は、表示部32に表示されている画面G1をマイページ画面に遷移させるためのアイコンである。マイページ画面は、情報端末3のユーザの個人情報を表示する画面である。マイページ画面は、上述のように、ユーザのサイン状況を変更する操作、各種の設定を入力又は変更する操作を受け付けることが可能である。本実施形態では、表示部32の表示画面の上部と下部に各種のアイコン50a~50c、52~54が配置される。表示画面の上部及び下部には、アイコンの操作性及び視認性を考慮して個数制限してアイコンが配置される。図2の例では、表示部32の表示画面の上部に3つのアイコン50a~50cが配置され、表示画面の下部に3つのアイコン52~54が配置される。
【0091】
本実施形態では、下記のように、情報端末3によって設備5の遠隔操作が可能である。画面G1において遠隔操作対象の設備5の設備ポイント(例えばS1)をタッチ操作すると、当該設備ポイントS1の付近にポップアップ画面が表示される。そのポップアップ画面には、当該設備5の状態及び制御変数が表示される。上記「設備5の状態」とは、当該設備5の現在の状態(例えば作動中又は停止)を示す。上記「設備5の制御変数」とは、当該設備5の制御可能な変数(例えば作動変数及び停止変数)である。上記ポップアップ画面において作動変数(又は停止変数)を選択すると、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して情報端末3から設備管理システム2に制御信号が送信され、設備管理システム2によって当該設備5が作動(又は停止)させられる。このように、情報端末3によって設備5の遠隔操作が可能である。
【0092】
また、本実施形態では、表示部32の表示画面に対するユーザのタッチ操作によって、表示部32に表示された画面G1を、拡大/縮小させたり、上下左右にスクロールさせたりすることが可能である。これにより、地図W1のうち表示部32に表示されていない領域も表示部32に所望の大きさで表示可能である。
【0093】
(6.2)警報画面
次に図3を参照して、警報画面G2について説明する。警報画面G2は、情報端末3のユーザの位置の付近で警報(例えば酸欠又は水漏れ)が発生した場合に表示部32に表示される画面である。つまり、情報端末3のユーザの付近で警報が発生した場合は、表示部32の表示画面は、画面G1(図2)から警報画面G2(図3)になる。
【0094】
警報画面G2は、地図W1上に、ユーザポイントP1及び設備ポイントS1,S2の他に、警報情報60と、警報アイコン61と、案内情報63と、強調表示64とが表示される。ユーザポイントP1及び設備ポイントS1,S2は、画面G1の場合と同じである。
【0095】
警報情報60は、情報端末3のユーザの位置の近くで警報(異常)が発生したときに、情報端末3のユーザに警報の発生を報知するための情報であり、例えば、表示部32の表示画面の上部に表示される。警報情報60は、例えば、警報の発生を報知する内容の文字情報(図2の例では「警報発生中」)である。図2の例では、警報情報60は、「警報発生中」の例えば黒色文字で表された文字情報であり、例えば赤色などの目立つ色で表された警報表示領域60a上に表示される。目立つ色の警報表示領域60a上に警報情報60を表示することで、情報端末3のユーザにより確実に警報発生を知らせることができる。
【0096】
警報アイコン61は、地図W1上の警報発生場所に表示される。警報アイコン61によって、地図W1上の警報発生場所を明示的に示すことが可能である。図2の例では、設備5aで警報が発生する場合を想定するため、警報アイコン61は、警報発生元の設備5a上に重ねて表示される。警報アイコン61は、例えば、画面G1の警報アイコン52と同じアイコンである。つまり、警報アイコン61で警報発生元を明示的に示すと共に、警報アイコン61を選択することで、過去の警報リストを閲覧することが可能である。
【0097】
なお、警報発生場所が情報端末3のユーザの位置の付近でない場合、すなわち警報発生場所が表示部32の表示画面のフレーム外にある場合は、警報アイコン61は、表示部32には表示されない。この場合は、警報情報60をタッチ操作すると、地図W1がスクロールして警報発生場所(すなわち警報アイコン61)が表示部32に表示される。これにより、警報発生場所を地図W1上で確認できる。なお、警報発生場所が、情報端末3のユーザが居る階とは別の階にある場合は、警報情報60をタッチ操作すると、その別の階のフロア図の警報発生場所が表示部32に表示されるように、その別の階のフロア図が表示部32に表示される。これにより、警報が情報端末3のユーザの位置の付近で発生していない場合でも、地図W1上で警報発生場所を確認できる。
【0098】
案内情報63は、警報情報に関する情報端末3のユーザの移動(避難)のための案内情報である。案内情報63は、地図W1上の避難経路であって、ユーザポイントP1から安全な場所に移動するための避難経路である。案内情報63は、例えば赤線などで目立つ色で表示される。情報端末3のユーザは、案内情報63で示される経路に沿って移動することで、安全な場所に素早く避難できる。
【0099】
強調表示64は、警報発生を強調して報知するための表示である。強調表示64は、例えは、表示部32の表示画面の周縁を赤枠などの目立つ色で表された枠で囲むことで、警報発生を更に強調して表示する。強調表示64によって、情報端末3のユーザに警報発生をより確実に知らせることがきる。
【0100】
警報表示領域60aの右上角部には、「×」マーク60bが表示されている。この「×」マーク60bをタッチ操作することで、警報に関する表示(警報情報60、警報表示領域60a、警報アイコン61、案内情報63、及び、後述の強調表示64)を地図W1上から削除することが可能である。また、「×」マーク60bをタッチ操作することで、表示部32の表示画面が警報画面G2から画面G1に戻るようにしてもよい。これにより、警報発生場所が情報端末3のユーザの位置の付近でない場合は、情報端末3のユーザは、「×」マーク60bによって上記の警報に関する表示を消すことで、引き続き、設備5の遠隔操作を続行できる。
【0101】
本実施形態では、情報端末3が取得した警報情報で示された警報発生場所(すなわち警報アイコン61の表示位置)とユーザポイントP1(すなわち情報端末3及び情報端末3のユーザの位置の少なくとも一方の位置であるユーザ位置)とが表示部32に表示されるように、地図W1が表示部32に表示される。警報情報は、情報端末3が取得する取得情報の一例であり、かつ、設備5に関連する関連情報の一例である。従って、本実施形態では、情報端末3が取得する取得情報(例えば上記関連情報、更に詳細には上記警報情報)と上記ユーザ位置との少なくとの一方に基づいて、地図W1の所定領域が表示部32に表示される。
【0102】
(6.3)通話画面
次に図4を参照して、通話画面G3について説明する。通話画面G3は、情報端末3のユーザが情報端末3の表示部32に表示された地図W1上の他者ポイントP2に対応する他者と通話するための画面である。
【0103】
情報端末3の表示部32に画面G1が表示されているときに、情報端末3のユーザが画面G1上の他者ポイントP2をタッチ操作すると、通話アプリが作動して、表示部32の表示画面が画面G1から通話画面G3に遷移する。通話画面G3が表示部32に表示された状態では、通話アプリの機能によって、ユーザの情報端末3と、タッチ操作した他者ポイントP2に対応する他者の情報端末3とが通話可能に繋がる。これにより、ユーザは、通話アプリの通話機能によって、他者と通話が可能である。これにより、設備5の近くに他者が居る場合に、ユーザは、通話アプリによって、当該他者が設備5の近くで何をしているか(すなわち他者の状態)を直接音声で確認できる。これにより、ユーザが情報端末3を用いて設備5を遠隔操作するにあたり、例えば、当該他者が当該設備5で作業をしているときは、当該他者に当該設備5から離れるように指示できる。
【0104】
本実施形態では、画面G1上の他者ポイントP2が他者に連絡するための連絡操作部として機能している。すなわち、画面G1は、地図W1上に、他者ポイントP2を含む領域に、他者に連絡するための連絡操作部(他者ポイントP2)を有する。
【0105】
なお、通話アプリに画像供給機能がある場合は、ユーザは、他者との通話中に画像を共有したり、他者との通話中にカメラで撮像した画像を共有することが可能である。
【0106】
なお、本実施形態では、ユーザは、通話アプリを用いた他者との通話で、他者の状態(作業中であるか否か)を確認する。ただし、地図W1上の他者の他者ポイントP2をタッチ操作すると、他者ポイントP2の付近にポップアップ画面が表示され、そのポップアップ画面に当該他者の状態(作業中であるか否か)が表示されるようにしてもよい。又は、他者の他者ポイントP2のマークの色、形状又は模様が、他者が作業中であるか否かで変化するようにしてもよい。これらにより、ユーザは、通話アプリを用いなくても、他者の状態を知ることができる。
【0107】
なお、これらの場合、他者は、設備5の一定範囲内に接近しかつ自身の情報端末3を操作して当該他者の状態を作業中に変更する。これにより、他者の情報端末3において、他者の状態が「作業中である」に変更される。また、他者が設備5の一定範囲から離れると、自動的に他者の状態が「作業中でない」に変更される。なお、他者が設備5の一定範囲内に接近したか一定範囲から離れたかは、他者の情報端末3の位置検出部35で検出される。これらの情報が他者の情報端末3から当該他者以外の他者の情報端末3に送信されることで、当該他者以外の他者の情報端末3においても当該他者の状態が共有される。これにより、各情報端末3において上記ポップアップ画面の当該他者の状態が「作業中である」又は「作業中でない」に自動的に変更される。また、当該他者の他者ポイントP2の色、形状又は模様が、当該他者の状態が「作業中である」又は「作業中でない」に応じて自動的に変化する。
【0108】
(6.4)動線画面
次に図5を参照して、動線画面G4(第2画面)について説明する。動線画面G4は、所定期間におけるユーザの動線70を地図W1上に示す画面である。上記所定期間は、情報端末3のユーザによる設備5に対する作業時間を含む。画面G1のマイページアイコン54をタッチ操作して画面G21からマイページ画面に遷移して、マイページ画面で動線表示を選択すると、表示部32の表示画面が動線画面G4に遷移する。図6の例では、所定期間が例えば9時から18時までの期間である場合のユーザの動線70を示す。動線70は、情報端末3の制御部36が位置検出部35の検出結果に基づいて生成した動線の情報に基づいて生成される。上記所定時間の時間帯を変更することで、所望の所定時間の動線70を表示部32に表示可能である。上記所定時間の時間帯の変更は、例えば、マイページアイコン54をタッチ操作して遷移するマイページ画面上で可能である。
【0109】
(7)情報端末による設備5の遠隔操作の制限
遠隔管理システム200では、情報端末3による設備5の遠隔操作が可能であるが、下記の場合は、情報端末3による設備5の遠隔操作を制限する。なお、情報端末3による設備5の遠隔操作の制限は、情報端末3の操作可否(遠隔操作を完全に禁止するか否か)、情報端末3の操作範囲の制限、又は、情報端末3の操作を条件付きで許可することを含む。
【0110】
(7.1)遠隔操作する場所の制限
遠隔操作で用いる情報端末3又はそのユーザの位置によって、情報端末3による設備5の遠隔操作を制限する。実現方法としては、情報端末3又はそのユーザの位置を位置測位手段(例えばGPS,LPS又は入退室情報)で検出し、検出した位置によって、情報端末3の遠隔操作の操作範囲を変える。
【0111】
具体例(例1)としては、例えば情報端末3の位置検出部35によって情報端末3の位置を検出し、検出した位置が設備5の一定範囲内に位置するときだけ、情報端末3による遠隔操作を許可する。すなわち、情報端末3の位置検出部35によって、情報端末3による遠隔操作が可能なエリア内に情報端末3が位置するか否かが判定される。なお、上記一定範囲は、例えば、設備5に異常が発生したときに、情報端末3のユーザが設備5に直ぐに駆け寄ることが可能な距離である。
【0112】
また、他の具体例(例2)としては、設備5にビーコン発信器を設置し、そのビーコン発信器からのビーコン信号が届く範囲(例えば設備5の10m以内の範囲)に情報端末3又はそのユーザが位置するときだけ、情報端末3による遠隔操作を許可する。
【0113】
(7.2)遠隔操作対象の設備の近くに他者が居るか否かによる制限
遠隔操作対象の設備5の近くに他者が居るか否かによって、情報端末3による設備5の遠隔操作を制限する。実現方法としては、設備5にビーコン発信器を設置し、そのビーコン発信器からのビーコン信号が届く範囲(例えば設備5の10m以内の範囲)に他者が居るか否かによって、情報端末3による遠隔操作を制限する。具体例(例1)としては、設備5の近くに他者が居るときは、設備5が動作した時の事故防止のために、情報端末3による遠隔操作前に設備5の周囲に警告を出す。他の具体例(例2)としては、設備5の近くに他者が居ないときは、情報端末3による遠隔操作を禁止する。すなわち、設備5に異常が発生したときに対処可能な状況であるときだけ、情報端末3による遠隔操作を許可する。
【0114】
(7.3)遠隔操作している状況による制限
遠隔操作で用いる情報端末3又はそのユーザの状態及び周辺環境によって、情報端末3による設備5の遠隔操作を制限する。実現方法としては、情報端末3の加速度センサ又は位置検出部35等の情報によって、情報端末3のユーザが移動中であるか又は別の作業中であるかを判断し、この判断結果に基づいて、情報端末3に対する操作を禁止する。具体例としては、情報端末3の振動が多い時は、情報端末3の誤操作防止のために、情報端末3による制御系の操作は禁止する。また、情報端末3を携帯するユーザが移動しているときは、情報端末3に対する操作を禁止する。
【0115】
(8)主要な効果
本実施形態に係る情報端末の制御方法は、表示部32を有する情報端末3の制御方法である。この制御方法は、施設100の内部を表す地図W1を含む第1画面G1を表示部32に表示するステップを有する。第1画面G1は、地図W1上に、施設100内に設置された設備5を示す設備ポイントS1,S2を含む。情報端末3及び情報端末3のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と情報端末3が取得した取得情報(例えば警報情報)との少なくとも一方に基づいて、地図W1の所定領域を表示部32に表示する。
【0116】
この構成により、情報端末3が取得した情報(例えば警報情報)と情報端末3のユーザの位置との少なくとも一方に基づいて、設備5を含む地図W1を情報端末3の表示部32に表示できる。つまり、地図W1の所定領域として、ユーザ位置を含む所定範囲及び取得情報に関連する場所を含む所定範囲を情報端末3の表示部32に表示できる。
【0117】
(9)表示システム及びプログラムなど
上述の実施形態に係る情報端末の制御方法と同様の機能は、情報端末3(表示システム)、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0118】
一態様に係る情報端末3は、表示部32を有する情報端末である。情報端末3は、施設100の内部を表す地図W1を含む第1画面G1を表示部32に表示する制御部36を更に有する。第1画面G1は、地図W1上に、施設100内に設置された設備5を示す設備ポイントS1,S2をむ。制御部36は、情報端末3及び情報端末3のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と情報端末3が取得した取得情報(例えば警報情報)との少なくとも一方に基づいて、地図W1の所定領域を表示部32に表示する。
【0119】
一態様に係るプログラムは、上記の実施形態に係る情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させる。
【0120】
一態様に係る非一時的記録媒体は、同上の情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるプログラムを一時的に記録する。
【0121】
(10)変形例
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0122】
(10.1)変形例1
上記実施形態において、複数の設備5のうち、情報端末3のユーザの位置(ユーザ位置)の所定範囲内に含まれる設備5の設備ポイントは、他の設備5(すなわち前記所定範囲内に含まない設備5)の設備ポイントと比較して大きく地図W1上に表示されてもよい。この構成により、複数の設備ポイントを地図W1上に全て表示しても混み合うことなく見やすく表示できる。
【0123】
(10.2)変形例2
上記実施形態において、複数の設備5のうち、情報端末3のユーザの位置(ユーザ位置)の所定範囲内に含まれる設備5の関連情報を地図W1上に表示するようにしてもよい。そして、複数の設備5のうち、上記ユーザ位置の所定範囲内に含まれない設備5に関連する関連情報は、地図W1上に表示しないようにしてもよい。これらの構成により、複数の設備5の各々の関連情報のうちユーザ位置の所定範囲内に含まれる設備5に関連する関連情報だけを表示するため、関連情報を見やすく表示できる。
【0124】
(10.3)変形例3
上記実施形態において、地図W1の拡大に伴って、設備5に関連する関連情報を地図W1上に表示してもよい。地図W1の拡大は、表示部32の表示画面に対するタッチ操作で行われる。より詳細には、地図W1が所定の拡大率未満の大きさに拡大された状態では、全ての設備5の設備ポイントには、ポップアップ画面は表示されない。そして、地図W1が所定の拡大率以上の大きさに拡大されると、地図W1上の全ての設備5の各々の設備ポイントの付近にポップアップ画面が表示され、各ポップアップ画面に当該設備5の関連情報が表示される。さらに、地図W1が拡大されると、この拡大に従ってポップアップ画面も拡大されて、より多くの関連情報が表示可能になる。この構成により、地図W1上に複数の設備5が設置されている場合に、各設備5の関連情報を混み合うことなく見やすく表示できる。
【0125】
(10.4)変形例4
上記実施形態では、情報端末3がアプリケーションソフトを実行することで、情報端末3の表示部32に画面G1等の画面が表示される場合を例示したが、これに限られない。情報端末3の表示部32に画面G1等の画面を表示させるアプリケーションソフトを、例えばサーバ4等の情報端末3以外の装置が実行することで、情報端末3の表示部32に画面G1等の画面を表示させるようにしてもよい。すなわち、情報端末3の表示部32に画面G1等の画面を表示させるアプリケーションソフトは、Webアプリケーションソフトであってもよい。例えば、サーバ4がアプリケーションソフトを実行することで画面G1等の画面を生成し、情報端末3が所定のURLにアクセスすることで、情報端末3の表示部32に画面G1等の画面が表示されてもよい。
【0126】
(10.5)その他の変形例
本開示における情報端末3は、例えば、制御部36に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における情報端末3としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1乃至複数の電子回路で構成される。
【0127】
また、情報端末3における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは情報端末3に必須の構成ではない。情報端末3の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、情報端末3の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0128】
(11)態様
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0129】
第1の態様に係る情報端末の制御方法は、表示部(32)を有する情報端末(3)の制御方法である。前記制御方法は、施設(100)の内部を表す地図(W1)を含む第1画面(G1)を表示部(32)に表示するステップを有する。第1画面(G1)は、地図(W1)上に、施設(100)内に設置された設備(5)を示す設備ポイント(S1,S2)を含む。情報端末(3)及び情報端末(3)のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と情報端末(3)が取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、地図(W1)の所定領域を表示部(32)に表示する。
【0130】
この構成によれば、情報端末(3)が取得した取得情報と情報端末(3)のユーザの位置との少なくとも一方に基づいて、設備(5)を含む地図(W1)を情報端末(3)の表示部(32)に表示できる。つまり、地図(W1)の所定領域として、ユーザ位置を含む所定範囲又は取得情報に関連する場所を含む所定範囲を情報端末(3)の表示部(32)に表示できる。
【0131】
第2の態様に係る情報端末の制御方法は、第1の態様において、前記取得情報は、設備(5)に関連する関連情報を含む。
【0132】
この構成によれば、地図(W1)の所定領域として、前記関連情報に関連する場所を含む所定領域を情報端末(3)の表示部(32)に表示できる。
【0133】
第3の態様に係る情報端末の制御方法は、第2の態様において、前記取得情報は、設備(5)に関連する警報情報を含む。
【0134】
この構成によれば、地図(W1)の所定領域として、警報情報に関連する設備(5)を含む所定領域を情報端末(3)の表示部(32)に表示できる。
【0135】
第4の態様に係る情報端末の制御方法は、第3の態様において、地図(W1)上に、警報情報に関するユーザの移動のための案内情報(63)を表示する。
【0136】
この構成によれば、情報端末(3)が警報情報を取得したとき、表示部(32)に表示される地図(W1)上に案内情報(63)を表示できる。これにより、情報端末(3)が警報情報を取得したとき、情報端末(3)のユーザを安全な場所に案内できる。
【0137】
第5の態様に係る情報端末の制御方法は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、第1画面(G1)は、地図(W1)上に、ユーザ位置を示すユーザポイント(P1)を含む。
【0138】
この構成によれば、ユーザポイント(P1)によって、ユーザ位置を情報端末(3)の表示部(32)に表示された地図(W1)上で確認できる。
【0139】
第6の態様に係る情報端末の制御方法は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、所定期間におけるユーザ位置の動線(70)を地図(W1)上に示す第2画面(G4)を表示部(32)に表示するステップを有する。
【0140】
この構成によれば、所定期間におけるユーザ位置の動線(70)を情報端末(3)の表示部(32)に表示された地図(W1)上で確認できる。
【0141】
第7の態様に係る情報端末の制御方法は、第6の態様において、所定期間は、ユーザによる設備(5)に対する作業期間を含む。
【0142】
この構成によれば、ユーザによる設備(5)に対する作業期間中のユーザの動線(70)を、情報端末(3)の表示部(32)に表示された地図(W1)上に表示できる。
【0143】
第8の態様に係る情報端末の制御方法は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、第1画面(G1)は、地図(W1)上に、施設(100)内に位置するユーザ以外の他者の位置を示す他者ポイント(P2)を含む。
【0144】
この構成によれば、ユーザ以外の他者の位置をユーザの情報端末(3)の表示部(32)に表示された地図(W1)上に表示できる。
【0145】
第9の態様に係る情報端末の制御方法は、第8の態様において、第1画面(G1)は、他者ポイント(P2)を含む領域に、他者に連絡するための連絡操作部(P2)を有する。
【0146】
この構成によれば、第1画面(G1)上の連絡操作部(P2)を操作することで、地図(W1)上に表示された他者ポイント(P2)に対応する他者とシームレスで連絡を取ることができる。
【0147】
第10の態様に係る情報端末の制御方法は、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、設備(5)は、複数の設備(5)の1つである。複数の設備(5)のうち、ユーザ位置の所定範囲内に含まれる設備(5)の設備ポイントは、他の設備(5)の設備ポイントと比較して大きく地図(W1)上に表示される。
【0148】
この構成によれば、複数の設備ポイントを地図(W1)上に全て表示しても混み合うことなく見やすく表示できる。
【0149】
第11の態様に係る情報端末の制御方法は、第2の態様において、設備(5)は、複数の設備(5)の1つである。複数の設備(5)のうち、ユーザ位置の所定範囲内に含まれる設備(5)の関連情報を地図(W1)上に表示する。
【0150】
この構成によれば、複数の設備(5)の各々の関連情報のうちユーザ位置の所定範囲内に含まれる設備(5)の関連情報だけを表示するため、関連情報を見やすく表示できる。
【0151】
第12の態様に係る情報端末の制御方法は、第2の態様において、設備(5)は、複数の設備(5)の1つである。地図(W1)の拡大に伴って設備(5)の関連情報を地図(W1)上に表示する。
【0152】
この構成によれば、地図(W1)上に複数の設備(5)が設置されている場合に、各設備(5)の関連情報を混み合うことなく見やすく表示できる。
【0153】
第13の態様に係るプログラムは、第1~第12の態様の情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させる。
【0154】
この構成によれば、上記の情報端末の制御方法を1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムを提供できる。
【0155】
第14の態様に係る表示システム(3)は、表示部(32)を有する表示システム(3)である。表示システム(3)は、施設(100)の内部を表す地図(W1)を含む第1画面(G1)を表示部(32)に表示する制御部(36)を更に有する。第1画面(G1)は、地図(W1)上に、施設(100)内に設置された設備(5)を示す設備ポイント(S1,S2)を含む。制御部(36)は、表示システム(3)及び表示システム(3)のユーザの少なくとも一方の位置であるユーザ位置と表示システム(3)が取得した取得情報との少なくとも一方に基づいて、地図(W1)の所定領域を表示部(32)に表示する。
【0156】
この構成によれば、地図(W1)の所定領域として、ユーザ位置を含む所定範囲及び取得情報に関連する場所を含む所定範囲を表示システム(3)の表示部(32)に表示できる。
【符号の説明】
【0157】
3 情報端末
5 設備
32 表示部
36 制御部
63 案内情報
70 動線
100 施設
G1 第1画面
G4 第2画面
P1 ユーザポイント
P2 他者ポイント
S1,S2 設備ポイント
W1 地図
図1
図2
図3
図4
図5