(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058431
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】自己修復の海底リンク
(51)【国際特許分類】
H04B 10/032 20130101AFI20230418BHJP
【FI】
H04B10/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022151322
(22)【出願日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/255,418
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/541,501
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】サブコム,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マキシム エー. ボルシュティアンスキー
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA11
5K102AA44
5K102AB06
5K102PD15
5K102PD16
5K102PH13
5K102PH15
5K102PH42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自己修復の海底リンクが開示され、光通信信号恢復機器及び海底光通信信号リピータを提供する。
【解決手段】海底光通信恢復機器は、複数の入力404と、複数の出力406と、複数の光スイッチモジュール410、418、420、422と、を含む。各入力は、海底光ケーブルの対応する光ファイバに接続するように操作可能であってもよく、且つ、複数本の光ファイバは光信号を担持し、且つ、複数本の光ファイバのうちの少なくとも1本は、使用可能な光信号を担持できない利用不能な光路428である。各出力は、他の対応する光ファイバに結合可能であり、且つ、複数の出力は、損失のある出力として指定されてよい。複数の光スイッチモジュールのそれぞれは、利用不能な光路に結合された複数の入力のうちの1つを、複数の損失のある出力のうちの1つに接続するように操作可能であってもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力であって、前記複数の入力のそれぞれは、海底光ケーブルの複数本の光ファイバのうちの対応の光ファイバに接続するように操作可能であり、且つ、前記複数本の光ファイバの一部は光信号を担持し、且つ、前記複数本の光ファイバのうちの少なくとも1本は、使用可能な光信号を担持できない利用不能な光路である、複数の入力と、
複数の出力であって、前記複数の出力のそれぞれは、他の対応する光ファイバに結合され、且つ、前記複数の出力の幾つかは、損失のある出力として指定される、複数の出力と、
前記利用不能な光路に結合された前記複数の入力のうちの1つを、幾つかの損失のある出力のうちの1つに接続するように操作可能な複数の光スイッチモジュールと、を含む、
海底光通信恢復機器。
【請求項2】
前記複数の光スイッチモジュールのうちの対応の光スイッチモジュールのそれぞれは、所定数の光スイッチを含む、
請求項1に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項3】
前記所定数の光スイッチは、3つの光スイッチであり、且つ、前記3つの光スイッチのそれぞれは、2つの入力及び2つの出力を含む、
請求項2に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項4】
各光スイッチモジュールは、同じ数の光スイッチ入力及び光スイッチ出力を含み、且つ、
対応する光スイッチモジュールのそれぞれは、前記幾つかの損失のある出力のうちの1つに接続された指定の出力に入力を接続するように操作可能である、
請求項2に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項5】
各光スイッチモジュールは、前記複数の出力のうちの損失のある出力に接続されるように指定された出力を含む、
請求項4に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項6】
前記複数の光スイッチモジュールの第1の部分は、入力光スイッチング部品に配置され、且つ、前記複数の光スイッチモジュールの第2の部分は、出力光スイッチング部品に配置される、
請求項1に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項7】
前記入力光スイッチング部品は、前記出力光スイッチング部品と同じ数の前記複数の光スイッチモジュールを含む、
請求項6に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項8】
前記複数の入力のそれぞれに結合された各本の光ファイバの間の光信号ロスを等化するように操作可能なロス等化機をさらに含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項9】
前記複数の光スイッチモジュールの第1の部分は、入力光スイッチング部品に配置され、
前記複数の光スイッチモジュールの第2の部分は、出力光スイッチング部品に配置され、且つ、
所述ロス等化器は、前記入力光スイッチング部品と前記出力光スイッチング部品との間に位置付けられる、
請求項8に記載の海底光通信恢復機器。
【請求項10】
複数本の光ケーブルセグメントのうちの対応の光ケーブルセグメントに結合するように操作可能な光通信信号リピータであって、前記複数本の光ファイバのうちの対応の光ファイバによって伝送される対応の光信号を増幅するように操作可能な光通信信号リピータと、
光通信恢復機器と、
前記光通信信号リピータ及び前記光通信恢復機器を含む筐体と、を含み、
前記光通信恢復機器は、複数の光スイッチモジュールを含み、且つ、対応する光ケーブルセグメントにおける少なくとも1本の光ファイバの光通信信号の故障に応えて、前記少なくとも1本の光ファイバを前記複数の光スイッチモジュールのうちの1つの、損失のある出力として指定された出力に接続するように操作可能である、
海底光通信信号リピータ。
【請求項11】
前記光通信恢復機器の前記複数の光スイッチモジュールのそれぞれは、複数の入力及び複数の出力を有し、且つ、前記複数の入力と前記複数の出力とは数が同じである、
請求項10に記載の海底光通信信号リピータ。
【請求項12】
前記光通信信号の故障は、前記光通信信号リピータの部品、1つの対応する光ケーブルセグメント、又は前記複数本の光ファイバのうちの1本の対応する光ファイバ、の少なくとも1つの故障である、
請求項10に記載の海底光通信信号リピータ。
【請求項13】
前記複数の光スイッチモジュールのうち、第1組の光スイッチモジュールは、入力光スイッチング部品として配置され、且つ、前記複数の光スイッチモジュールのうち、前記第1組の光スイッチモジュールと異なる第2組の光スイッチモジュールは、出力光スイッチング部品として配置される、
請求項10に記載の海底光通信信号リピータ。
【請求項14】
前記光通信信号リピータは、前記複数本の光ケーブルセグメントを含む光ケーブル通信経路に結合するように操作可能であり、前記光ケーブルの複数のセグメントのそれぞれは、複数本の光ファイバを有する、
請求項10に記載の海底光通信信号リピータ。
【請求項15】
前記光通信恢復機器の複数の入力のそれぞれに結合された各本の光ファイバの間の光信号ロスを等化するように操作可能なロス等化器をさらに含み、
前記複数の光スイッチモジュールの第1の部分は、入力光スイッチング部品として配置され、且つ、
前記複数の光スイッチモジュールの第2の部分は、出力光スイッチング部品として配置され、
前記ロス等化器は、前記入力光スイッチング部品と前記出力光スイッチング部品との間に位置付けられる、
請求項10から14のいずれか一項に記載の海底光通信信号リピータ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連する出願の相互参照]
本願は、2021年10月13日に提出された「自己修復の海底リンク(SELF-HEALING SUBMARINE LINKS)」を主題とする米国仮特許出願第63/255,418、および2021年12月3日に提出された「自己修復の海底リンク(SELF-HEALING SUBMARINE LINKS)」を主題とする米国特許出願No.17/541501の優先権を主張し、引用により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
海底光通信システムのような長距離光通信システムは、通常、様々な要因(散乱、吸収及び曲げを含む)による信号減衰を受ける。減衰を補償するために、これらの長距離システムは、信号伝送経路に沿って隔てられて、受信器での信頼性の高い検出を可能にするように光信号を増幅又は強化して配置された一連の光増幅器を含んでもよい。伝送経路の長さ(例えば、500kmなど)によって、経路に沿って位置付けられる光増幅器の数(及びそれらの間の長さ)が異なる可能性がある。
【0003】
リピータのコストは、海底光ケーブルシステム、特に大容量リンクの総コストの大きな源である。海底光通信システムにおける多くの増幅器は信頼性が高い。海底増幅器の信頼性は、通常、陸地光通信システムにおける増幅器の5~10倍である。海底光ケーブルシステムで信頼性の低い陸地エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)及び半導体光増幅器(SOA)を用いることは、小型化及び低いコストを与える可能性がある。しかし、これらのタイプの増幅器は、信号線内における信頼性の低い部品を含む。これらのタイプの増幅器の信頼性の低さに対する解決手段は、増幅器の数を倍に増加して冗長を実現することであるが、これにより、サイズ及びコストを倍にしてしまう。また、幾つかの実施形態では、シャットダウン増幅器が必要である可能性があり、このシャットダウン増幅器は、通信可能な部品が、コストを増加して追加のパワーを必要とするような解決手段に含まれることを必要とする。
【0004】
また、EDFAの場合において、レーザポンプは最も信頼性の低い部品である。レーザポンプは、増幅器の一部とみなされてよく、ここで、単一のポンプの故障は、増幅器の故障を意味し、又は、レーザポンプは、信頼性を高めるために、通常のように単独で多重化されてよい。
【0005】
冗長により信頼性を高める一方で、増幅器の数を倍にせず又はより僅かなスイッチを必要とする海底光通信システムトポロジを有することは、有益で有利である。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、海底光通信恢復機器を提供する。海底光通信恢復機器は、複数の入力と、複数の出力と、複数の光スイッチモジュールとを含んでもよい。複数の入力のそれぞれは、海底光ケーブルの複数本の光ファイバのうちの対応の光ファイバに接続するように操作可能であり、且つ、複数本の光ファイバの一部は光信号を担持し、且つ、当該複数本の光ファイバの少なくとも1本の光ファイバは、例えば経路における幾つかの光学部品の故障により使用可能な光信号を担持できない利用不能な光路に属する。複数の出力のそれぞれは、他の対応する光ファイバに結合可能であり、且つ、複数の出力は、損失のある出力として指定されてよい。複数の光スイッチモジュールのそれぞれは、利用不能な光路に結合された複数の入力のうちの1つを、複数の損失のある出力のうちの1つに接続するように操作可能である。
【0007】
他の態様では、筐体と、光通信信号リピータと、海底光通信恢復機器とを含む海底光通信信号リピータを提供する。光通信信号リピータは、複数の光ケーブルセグメントのうちの対応の光ケーブルセグメントに結合するように操作可能であり、且つ、複数本の光ファイバのうちの対応の光ファイバによって伝送される対応の光信号を増幅するように操作可能である。筐体は、光通信信号リピータ及び海底光通信恢復機器を含んでもよい。海底光通信恢復機器は、複数の光スイッチモジュールを含んでもよく、且つ、対応する光ケーブルセグメントにおける少なくとも1本の光ファイバの光通信信号の故障に応えて、この少なくとも1本の光ファイバを、複数の光スイッチモジュールのうちの1つの出力に接続するように操作可能であってもよい。光スイッチモジュールの出力は、損失のある出力として指定されてよい。
【0008】
他の態様では、光ケーブル通信経路と、第1の光信号リピータ部分と、海底光通信恢復機器とを備える光通信恢復システムを提供する。光ケーブル通信経路は、複数の光ケーブルセグメントを含んでもよい。各光ケーブルセグメントは、通信データ信号及びモニタデータ信号を含みうる光データ信号を伝送するように操作可能であってもよい。複数の光ケーブルセグメントのうちの少なくとも1つは、利用不能な光路を含んでもよい。第1の光信号リピータ部分は、光ケーブル通信経路の複数の光ケーブルセグメントの対応の第1のセグメント及び対応の第2のセグメントの間に結合可能である。第1の光信号リピータ部分は、1組の対応する増幅器に結合される第1組の接続具及び第2組の接続具を含んでもよい。海底光通信恢復機器は、複数の入力及び複数の出力を有してもよく、海底光通信恢復機器は、利用不能な光路を複数の入力のうちの1つに接続し、利用不能な光路を海底光通信恢復機器の複数の出力のうちの損失のある出力に結合するように操作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】光通信恢復を容易にする冗長増幅器の例を示す。
【
図1B】本明細書に記載のようなリピータ部分における増幅器に変調レーザを提供するために使用可能な光ポンプユニットを示す。
【
図2A】光ケーブル通信経路のマルチリピータ部分の例を示す。
【
図2B】1つの実施例に係る、海底光通信恢復機器と組み合わせられた
図2Aのマルチリピータ部分を幾つか有する光通信経路の例を示す。
【
図3】他の実施例に係る光通信経路の詳細例を示す。
【
図5】本明細書に記載のような異なる実施例に使用可能な光スイッチの例を示す。
【
図6】実施例に係る光通信恢復システムの例を示す。
【
図7】実施例に係る、主題の2つの利用不能な光路の側面から恢復するときの光スイッチモジュールの異なる状態の例を示す。
【
図9】実施例に係る、他の光通信恢復システムの例を示す。
【
図10A】実施例に係る、入力の数に基づいて光スイッチの数を決定するためのテーブルを示す。
【
図10B】他の実施例に係る、入力の数に基づいて光スイッチの数を決定するための他のテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、リピータ機器における光通信信号の故障に応えて、より僅かな増幅器及びより僅かな光スイッチのメリットを提供することができる、海底光通信恢復機器、光通信恢復システム及び技術の例を説明する。
【0011】
図1Aは、光通信恢復を容易にする冗長増幅器の例を示す。冗長増幅器装置100aは、一対の増幅器106及び108と、一対のスイッチ又はスプリッタ102及び104とを含む。図に示されるように、冗長増幅器装置100aは、2つのスイッチを利用し、且つ、光通信信号110の恢復を提供するために、冗長増幅器(例えば、増幅器108)と、2つのスイッチ102及び104とを必要とするため、100%のオーバヘッドを必要とする。
【0012】
スイッチ又はスプリッタ102及び104は、固定的なロス、例えば‐3dBなどを有する可能性がある。操作では、スイッチ又はスプリッタ102は、入力光信号110が増幅器106を通過するように配置されてよく、且つ、スイッチ又はスプリッタ104は、増幅された光信号を増幅器106から受信して、増幅された信号を出力するように配置されてよい。増幅器106の故障に応えて、スイッチ又はスプリッタ102及び104は、入力光信号110を増幅器108にリダイレクトして増幅し、スプリッタ又はスイッチ104から出力するように配置されてよく、これにより、増幅器106の故障から恢復する。
【0013】
複数の増幅器(例えば、106及び108)及び複数の光スイッチ(例えば、102及び104)を必要とすることは、冗長増幅器装置100aの実施及びメインテナンスのコストを高くする。より良い解決手段を用いてコストを低減して、使用される部品の数を減少することができ、これにより、故障発生の可能性のある部品の数が減少されるため、全体の信頼性が向上される。以下の例では、改善された海底光通信恢復機器、装置、技術及びシステムを説明する。
【0014】
図1Bは、本明細書に記載のようなリピータ部分における増幅器に変調レーザを提供するために使用可能な光ポンプユニットを示す。光ポンプユニット100bは、本明細書に記載のような光通信リピータに使用可能なレーザ装置の例である。
【0015】
図1Bの例において、光ポンプユニット100bは、一対のレーザポンプ110及び112と、コンバイナ114と、スプリッタ118及び116とを含む。レーザポンプ110及び112のそれぞれは、同じ波長及びパワーの光を出力することができる。コンバイナ114は、レーザポンプ110及び112の出力を組み合わせて、光増幅器が用いることに適した光束を提供する。光束は、コンバイナ114からスプリッタ116及び118に出力される。スプリッタ116は、コンバイナ114から出力された光束を2つの付加の光束に分けることができ、これらの付加の光束は、第1の光通信ケーブルに沿って東(例えば、東ケーブル1)に向かってリピータ部分に出力され、また、西(例えば、西ケーブル1)に向かって第2の光通信ケーブルに出力される。スプリッタ118は、コンバイナ114から出力された光束を2つの付加の光束に分けることができ、これらの付加の光束は、第1の光通信ケーブルに沿って東(例えば、東光ケーブル2)に向かって他のリピータ部分に出力され、また、西(例えば、西ケーブル2)に向かって第2の光通信ケーブルに出力される。
【0016】
光ポンプユニット100bは、故障発生の可能性のある光通信リピータの増幅器(例えば、増幅器106及び108)以外の他の部品の例である。光通信リピータにおける任意の部品が故障することにより、光通信信号は、全パワーで伝送できず、或いは全く伝送できない可能性がある。このような光通信信号の故障は、海底光ケーブルの影響される光ファイバを利用不能な光路(すなわち、光通信信号又はモニタ信号の伝送に利用不能なもの)にする。
【0017】
光ポンプユニット110bの実施形態は、光通信システムに対して光信号の増幅のための光パワーを提供するものである。光ポンプユニット100bは、光ケーブルなどにおける光ファイバの数に基づいて複数種類の異なる配置で用いられることが可能であるため、複数のレーザポンプは、入力の光通信信号を増幅するための光パワーを提供するように操作可能であってもよい。例えば、2つのレーザ―4つの出力である光ポンプユニット(OPU)の配置を示したにも関わらず、他の配置、例えば4つのレーザ―4つの出力である配置なども可能である。
【0018】
図2Aは、光ケーブル通信経路のマルチリピータ部分の例を示す。マルチリピータ部分200aは、光通信リピータ204、206及び208と、光ケーブルセグメント202、222、224及び226とを含む。光ケーブルセグメント202、222、224及び226は、光ケーブル通信経路を形成することができる。光ケーブルセグメント202、222、224及び226のそれぞれは、各光通信リピータの間の長距離、例えば、60km、80km又は100kmまでを跨ぐことができる。もちろん、より短い又はより長い距離に適することができる。対応する光通信リピータ204、206及び208のそれぞれは、各種の装置において複数の増幅器、例えば増幅器106又は増幅器108を含んでもよく、且つ、必要であれば、光ポンプユニット、例えば光ポンプユニット100bをさらに含んでもよい。光通信リピータ204、206及び208は、互いにほぼ均一的に隔てられてよい(例えば、60又は80km隔てられる)。
【0019】
光ケーブル通信経路は、海洋、海域、河川などを通る通信システムの一部である海底光ケーブルの一部であってよい。各光ケーブルセグメントは、海底光ケーブルに光通信信号及び/又は光モニタ信号を担持するように操作可能な複数本の光ファイバを含んでもよい。海底光ケーブルにおける光ファイバ数は、4、8、16、24又は32本の光ファイバ又はより多くの数であってよい。
【0020】
リピータ204、206及び208のそれぞれは、対応するリピータのそれぞれの間の距離において対応する光信号(例えば、光通信信号及び/又は光学モニタ信号)を増幅するように、対応する光ケーブルセグメント202、222、224及び226における各光ファイバに用いられる増幅器を含んでもよい。リピータ204、206又は208の1つにおける任意の増幅器の故障は、光通信信号の故障をもたらす可能性がある。光通信信号の故障は、光通信システムの光信号規格を満たさない光通信信号と認識されてよい。各光信号に用いられる光通信システムの光信号規格は、パワーレベル、周波数範囲、ガードバンド範囲などを含んでもよい。代替的又は追加的には、故障は光ファイバ経路の故障と考えられてよい。光ファイバ経路は、光ファイバ経路における海底光通信恢復機器間の、単一の指定の光ファイバ上の複数の増幅器及び/又は複数のOPUの故障を含みうる同じ光ファイバであってよい。光ファイバ経路は、複数の増幅器及び/又は複数OPUを含むマルチリピータ部分を含んでもよい。トラフィックが途切れられる。例えば、光ケーブルセグメントの1本または複数本の光ファイバにおける光通信信号(モニタ信号を含む)は、対応するリピータ204、206及び208における部品(例えば、増幅器、カプラ、接合箇所、光ポンプユニットなど)の故障で損なわれる。
【0021】
代替的には、光通信信号の故障は、光ケーブルセグメント202、222、224及び226の1つ又は複数における光ファイバの損ないによる。例えば、アンカー又は嵐が、光ケーブルセグメント202に損ない(例えば、ケーブルのスライス若しくは切り欠き、又は、セグメントとリピータ若しくは他の部品との接続具)をもたらす可能性があり、これで、光ケーブルセグメントにおける(複数本の)光ファイバの使用可能な光信号を担持する能力を損なってしまう。この場合、損失のある光ファイバは、損失のある光信号(すなわち、光学システムの規格を満たさないもの)を担持し、又は光信号を全く担持しない(例えば、光ポンプユニットの故障又は光通信経路の損ないによる)光ファイバである利用不能な光路となってしまう。
【0022】
図2Aに示されるように、1つの光ケーブルセグメント(例えば、光ケーブルセグメント202)に利用不能な光路が存在すると、光通信リピータ204、206又は208に任意の部品が存在するかどうかに関わらず、後続の光ケーブルセグメント222、224又は226内における光路も影響される。
図2Bは、利用不能な光路を解決する解決手段を提供する。
【0023】
図2Bは、1つの実施例に係る、海底光通信恢復機器と組み合わせられた
図2Aのマルチリピータ部分を複数有する光通信経路の例を示す。この例では、光通信経路200bは、東光ケーブルセグメント210aと、西光ケーブルセグメント210bと、マルチリピータ部分212、216及び220と、海底光通信恢復機器214及び218とを含む。
【0024】
東光ケーブルセグメント210aは、光信号を、東部に位置する光信号源から西部の光信号受信器に伝送するように操作可能であってもよい。反対的に、西光ケーブルセグメント210bは、光信号を、西部に位置する光信号源から東部の光信号受信器に伝送するように操作可能である。210a及び210bに類似した光ケーブルセグメントは、各マルチリピータ部分と各海底光通信恢復機器との間に位置してもよい。各光ケーブルセグメント(例えば、210a及び210b、並びに対応するマルチリピータ部分と海底光通信恢復機器との間のもの)は光ファイバを含み、光信号は当該光ファイバによって伝送することができる。1本又は複数本の光ファイバは、光通信信号又は光モニタ信号を担持するように割り当てられていないスペアの光ファイバであってよい。代替的には、1本又は複数本のスペアの光ファイバは、冗長な光通信信号又は光学モニタ信号を担持するように配置されてよく、故障が発生した場合、故障に影響された光通信又は光モニタ信号を担持するようにスイッチすることができる。例において、東光ケーブルセグメント210aと西光ケーブルセグメント210bとは、全てのマルチリピータ部分212、216及び220、並びに対応する海底光通信恢復機器214及び218を通過して延びているセグメントと呼ばれてよい。
【0025】
マルチリピータ部分212、216及び220のそれぞれは、複数のリピータ、例えば
図2Aのマルチリピータ部分200aを含んでもよい。マルチリピータ部分212、216及び220における各リピータは、光ケーブルセグメント、例えば東光ケーブルセグメント210a及び西光ケーブルセグメント210bに結合可能である。各リピータは、対応する光ケーブルセグメントのそれぞれにおける単独な光ファイバに接続するように操作可能であってもよい。
【0026】
マルチリピータ部分212、216又は220の少なくとも1つにおけるリピータの故障に応えて、海底光通信恢復機器214及び218は、故障のリピータを迂回するように操作可能である。例えば、マルチリピータ部分216におけるリピータの1つにおいて、増幅器が故障する可能性があり、当該リピータは、東光ケーブルセグメント210aの光ファイバにおける光通信信号を増幅する。海底光通信恢復機器218は、故障の増幅器に影響された光ファイバを、東光ケーブルセグメント210aにおけるスペアの光ファイバにスイッチするように操作可能であってもよい。
【0027】
以下の例を参照して、海底光通信恢復機器及びプロセスに対する操作のより詳しい討論をより詳しく説明する。
【0028】
図3は、他の実施例に係る光通信経路の詳細例を示す。光通信経路300は、海底光通信恢復機器に対する拡張討論以外においては、
図2Bの光通信経路200bに類似している。光通信経路300は、海底光ケーブル320と、マルチリピータ部分306、308及び310と、複数の海底光通信恢復機器312、314、316及び318とを有してもよい。
【0029】
海底光ケーブル320は、例えば、OPU1 EW Path、OPU2 EW Path、OPU1 WE Path、及びOPU1 WE Pathのような4本の光ファイバを有してもよく、且つ、各本の光ファイバは、光通信及びモニタ信号を担持することができる。例えば、光ファイバOPU1 EW Path、OPU2 EW Pathは、光通信及びモニタ信号を東部での発信器(不図示)から、矢印302に示された東から西への方向に沿って西部での受信器(不図示)に搬送することができる。光ファイバOPU1 WE Path、OPU2 WE Pathは、光通信及びモニタ信号を西部での発信器(不図示)から、矢印304に示された西から東への方向に沿って東部での受信器(不図示)に搬送することができる。海底光ケーブルは、各発信器によって出力された光通信信号及び/又はモニタ信号を担持するように操作可能な複数本の他の光ファイバ(この例では不図示)を含んでもよいが、説明及び討論の便宜上、光ファイバOPU1 EW Path、OPU2 EW Path、OPU1 WE Path、及びOPU1 WE Pathのみが示される。
【0030】
各マルチリピータ部分306、308及び310は、類似した態様で配置されてよい。例えば、マルチリピータ部分306は、
図2Aの例に示されるように、複数のリピータを含んでもよい。各リピータは、前の例に示されるように、各光ファイバに用いられる増幅器と、レーザ器を含む1つ又は複数の光ポンプユニットとを含んでもよい。
【0031】
海底光通信恢復機器312、314、316及び318は、マルチリピータ部分306、308及び310の間で隔てられてよい。対応する海底光通信恢復機器のそれぞれは、対応するマルチリピータ部分におけるリピータの1つから出力された利用不能な光路を迂回するように配置されてよい。
【0032】
操作例では、光ファイバに結合された増幅器は、マルチリピータ部分308におけるリピータの1つにおいて故障する可能性がある。増幅器は、海底光ケーブル320のOPU1 WE Pathにおける光ファイバに結合可能である。増幅器の故障により、光通信信号の故障が発生し、OPU1 WE経路において、増幅器に結合された光ファイバが損失のあるり利用不能になったりしてしまう可能性がある。海底光通信恢復機器316は、光通信信号の故障を経た光ファイバに光信号を提供する入力を、増幅器の故障に影響されない他の光ファイバにスイッチするように操作可能であってもよい。海底光通信恢復機器316によるスイッチングに踏まえて、海底光通信恢復機器318は、マルチリピータ部分308から出力された利用不能な光路(この例では不図示)を、この場合に備えて保留された所定の出力である損失のある出力(この例では不図示)にスイッチするように操作可能であってもよい。
【0033】
図4を参照して、海底光通信恢復機器の例示的な配置及び操作を説明する。
【0034】
図4は、海底光通信恢復機器のより詳しい例を示す。海底光通信恢復機器402は、他の例を参照して討論されるように、一対の光信号リピータ間の光通信経路に位置付けられるように配置されてよい。海底光通信恢復機器402は、入力404と、出力406と、複数の光スイッチモジュール410、418、420及び422とを含む。幾つかの例において、海底光通信恢復機器402は、光スイッチロス補償器408をさらに含んでもよい。
【0035】
光スイッチモジュール410、418、420及び422のそれぞれは、複数の光スイッチ、例えば光スイッチ412、414及び416を含む。各光スイッチは、光信号、例えば光通信信号又は光学モニタ信号をスイッチするように操作可能である。例えば、光スイッチモジュール410は、2×2のスイッチ(すなわち、2つの入力及び2つの出力)である光スイッチ412、414及び416を含む。異なる数の入力及び/又は出力を有する他の光スイッチを用いることもできる。
【0036】
一態様では、海底光通信恢復機器402は、複数の入力404と、複数の出力406とを含んでもよい。複数の入力404のそれぞれは、海底光ケーブル(本例では不図示)又は光ケーブルセグメントにおける複数本の光ファイバの対応する光ファイバを、複数の出力406におけるいずれかの出力に接続するように操作可能である。
【0037】
海底光ケーブルの複数本の光ファイバの一部は光信号を担持し、且つ、複数本の光ファイバのうちの少なくとも1本は、光信号を担持できない利用不能な光路である。用語の「利用不能な光路」とは、損失のある光信号を担持し(例えば、光通信システムに用いられる光信号規格を満たさない)、又は光信号を全く担持しない(例えば、光ファイバの一部が切断され、又はリピータにおける部品の故障が全ての信号の通過を阻止する)光ファイバのことをいえる。海底光通信恢復機器402は、利用不能な光路に結合されるように指定されたスペアの入力及びスペアの出力を有してもよい(後述の例を参照して例を説明する)。
【0038】
複数の出力406における各出力は、他の海底光ケーブルの他の対応する光ファイバに結合され(引き続き伝送するため)、且つ、出力総数(例えば、16~64)のうちの所定数(例えば、1~5)は、損失のある出力(例えば、430)として指定される。海底光通信恢復機器402は、利用不能な光路(すなわち、利用不能(損失のある)428)に結合された複数の入力404における入力を、損失のある出力430として指定された複数の損失のある出力406の出力に接続するように操作可能な複数の光スイッチモジュール(例えば、410、418、420及び422)をさらに含む。
【0039】
例において、海底光通信恢復機器402の複数の光スイッチモジュールのうちの対応の光スイッチモジュールのそれぞれ(例えば、410、418、420又は422)は、所定数の光スイッチ(例えば、412、414、416)を含んでもよい。
図4の例において、入力光スイッチング部品424は、5つの光スイッチモジュールを含み、各光スイッチモジュールは、3つの光スイッチを含む。各光スイッチモジュールは、4つの入力×4つの出力であるモジュールであり、且つ、光スイッチは、4つの入力のいずれかを対応する所定の出力に到達させることが可能な2つの入力×2つの出力である光スイッチである。
【0040】
海底光通信恢復機器402は、鏡像となっている一対の光スイッチング部品を有する。この例において、海底光通信恢復機器402は、入力光スイッチング部品424として配置された複数の光スイッチモジュールの第1部分と、出力光スイッチング部品426として配置された複数の光スイッチモジュールの第2部分とを含んでもよい。入力光スイッチング部品424及び出力光スイッチング部品426のそれぞれは、同じ数の光スイッチモジュールを有してもよい。同じ数の光スイッチモジュールにより、海底光通信恢復機器402は、同じ数の入力404及び出力406を有してもよい。特定の例において、光スイッチの数を予め決定してもよい。例えば、所定数の光スイッチは、3つの光スイッチであってよく、且つ、これらの3つの光スイッチ(例えば、412、414及び416)のそれぞれは、2つの入力及び2つの出力を含んでもよい。鏡像となっている一対の光スイッチング部品424及び426により、海底光通信恢復機器402は、適切な冗長を提供することに必要なスイッチの数を減少してもよい(
図1Aの例に比べて)。
【0041】
また、海底光通信恢復機器402の対応する光スイッチモジュールのそれぞれは、海底光通信恢復機器402の損失のある出力への経路に結合されるように指定された指定の出力を有してもよいため、対応する光スイッチモジュールのそれぞれは、入力をその対応する指定の出力に結合するように操作可能である。海底光通信恢復機器402は、利用不能な(損失のある)入力428を1つの損失のある出力430に結合するように操作可能である。1つの損失のある出力430は、複数の損失のある出力の1つであってよい。
【0042】
他の例において、海底光通信恢復機器402の光スイッチロス補償器408は、光信号が海底光通信恢復機器402を通過するときの信号ロスを考慮するように配置されてよい。例えば、光スイッチ412、414及び416を含む海底光通信恢復機器402において、全ての光スイッチは、対応する光スイッチを通過する光信号に信号ロスを導入する。例えば、光スイッチ412、414及び416のそれぞれは、単独でおよそ0.3dBのロスを導入してもよいが、光スイッチモジュールについては、0.6dBのロスを導入する。したがって、複数の光スイッチモジュールを通過した光通信信号は、顕著なロスを有する可能性がある。光スイッチロス補償器408は、海底光通信恢復機器402にいずれかの入力の最大ロスを補償するように配置されてよい。例えば、光スイッチモジュール418及び光スイッチモジュール420に対する光信号は、海底光通信恢復機器402を通過する任意の光信号の最大信号ロスを経験することができる。したがって、光スイッチロス補償器408は、他の全ての入力の信号ロスを最大信号ロスに等化するように操作可能であってもよい。光スイッチモジュール420は、海底光通信恢復機器402の他の全ての光スイッチモジュールと異なってよいため、410、418又は422のような他の光スイッチモジュールに用いられる3つの光スイッチより少ないものを用いることができる。光スイッチロス補償器408は、出力光スイッチング部品426における信号ロスを補償するように操作することもできる。光スイッチロス補償器408は、光ロスを光通信経路内に組み込む異なる機器、例えば光アッテネータ(LBO)機器を有してもよい。
【0043】
この実施形態では、光スイッチモジュール420が2つの光スイッチを用いるという事実のため、海底光通信恢復機器402は、合計29個の光スイッチを用いてもよい。全ての使用可能な光ファイバ(すなわち、システム規格を満たす光信号を有するもの)は、海底光通信恢復機器402の入力と、海底光通信恢復機器402からの出力とに接続されることが可能である。
【0044】
海底光通信恢復機器402は、それぞれの対応する光スイッチモジュールのスイッチングロジックを制御して、入力での利用不能な光路から指定の出力(すなわち、損失のある出力として指定されたもの)への結合を提供するように操作可能なプロセッサ又はハードウェア/ソフトウェア機器、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)又はファームウェア機器を含んでもよい。プロセッサ又はハードウェア/ソフトウェア機器は、モニタ信号又はモニタ光信号トラフィック(traffic)に応え、且つ、恢復操作を実行することによりトラフィック変化(例えば、光信号パワーロス又は信号完全ロスなど)に応えるように操作可能であってもよい。また、下流の接続及びスイッチングを改めて配置して、光スイッチ装置による恢復を考慮してもよい。
【0045】
図5は、本明細書に記載のような異なる実施例に使用可能な光スイッチの例を示す。光スイッチモジュール504~508のそれぞれは、利用不能な光路がどの入力に接続されているかによらず、利用不能な光路を所定のスイッチ出力に導くように操作可能である。
【0046】
光スイッチ502は、光スイッチモジュールとも呼ばれてもよく、ここで、入力数が2であり、且つ「不良」の出力数が1(すなわち、1b)である。「不良」の出力は、ここに利用不能な光路が接続された出力である。光スイッチ502の例において、利用不能な光路は、スイッチングロジック及び制御によって、「不良の出力」(すなわち、「不良」の出力として保留又は所定された出力)として指定されてよいトップ部出力(又は第1の出力)に導かれる「不良」の入力である。複数の光スイッチ、例えば光スイッチ502を利用することにより、光スイッチモジュールの異なる配置を提供することができる。
【0047】
例において、光スイッチモジュール504は、海底光ケーブルの4本の光ファイバに結合される4つの光信号入力を有し(ここで、4本の光ファイバのうちの1本は利用不能な光路である(すなわち、不良(Bad)))、且つ、4つの光信号出力を有する。4つの光信号出力のうちの1つ、例えば光スイッチモジュール504のトップ部又は第1の出力は、「不良」の出力として指定されてよい。例において、光スイッチモジュール504は、複数の光スイッチ、例えば光スイッチ502を含んでもよく、且つ、光スイッチモジュールにおける複数の光スイッチの対応するスイッチをスイッチすることにより接続を完成させ、例えばボトム部での利用不能な光路又は4つの入力における第4の入力をトップ部又は第1の出力に結合するように操作可能であってもよい。「不良」の入力に接続されるトップ部又は第1の出力の指定は、初期の光スイッチモジュール設計時に完成したり、制御ソフトウェア、リモート命令などに基づいて調整されたりすることができる。
【0048】
他の例において、光スイッチモジュール506は、海底光ケーブルの8本の光ファイバに結合される8つの光信号入力を有し(ここで、8本の光ファイバのうちの1本は利用不能な光路である(すなわち、不良(Bad)))、且つ、8つの光信号出力を有する。光スイッチモジュール506は、8つもの入力(そのうちの1つは「不良」の入力として決定されてよい)と、8つもの出力とを収容することができ、ここで、1つの不良の入力は所定の出力にある。光スイッチモジュール506は、8×1bと呼ばれてよく、ここで、8は入力の数であり、且つ、1bは「不良」の出力の数である。光スイッチモジュール506は、複数の光スイッチ、例えば光スイッチ502を含んでもよく、且つ、光スイッチモジュール506の光スイッチの数を配置して、例えば8つの入力における番号5の入力で「不良」の入力を、「不良」の入力に接続されるように指定又は所定されてよいトップ部又は第1の出力に接続するように操作可能であってもよい。「不良」の入力に接続されるトップ部又は第1の出力の指定は、初期の光スイッチモジュール設計時に完成したり、制御ソフトウェア、リモート命令などに基づいて調整されたりすることができる。
【0049】
他のより広範な例において、光スイッチモジュール508は、海底光ケーブルの16本の光ファイバに結合される16個の光信号入力を有し(ここで、16本の光ファイバのうちの1本は利用不能な光路である(すなわち、不良(Bad)))、且つ、16個の光信号出力を有する。光スイッチモジュール508は、16個もの入力(そのうちの1つは「不良」の入力として決定されてよい)と、16個もの出力とを収容することができ、ここで、1つの不良の入力は所定の出力にある。光スイッチモジュール508は、16×1bと呼ばれてよく、ここで、16は入力の数であり、且つ、1bは「不良」の出力の数である。光スイッチモジュール508は、複数の光スイッチ、例えば光スイッチ502を含んでもよく、且つ、光スイッチモジュール508の光スイッチ(例えば光スイッチ502)の数を配置して、16個の入力における番号8の入力で「不良」の入力を、「不良」の入力に接続されるように指定又は所定されてよいトップ部又は第1の出力に接続するように操作可能であってもよい。「不良」の入力に接続されるトップ部又は第1の出力の指定は、初期の光スイッチモジュール設置時に完成したり、制御ソフトウェア、リモート命令などに基づいて調整されたりすることができる。
【0050】
この例における例示的な光スイッチモジュールは、入力光スイッチング部品の例、例えば
図4の424を示した。本例における光スイッチモジュールのそれぞれのトップ部出力は、
図4の426のような出力光スイッチング部品の入力を通過するように所定される。出力部品(例えば、部品426)は、入力部品(例えば、424)の鏡像であってよく、これにより、入力側の任意の位置で単一の入力を任意の出力に接続することができる。
【0051】
海底光通信恢復機器を有する光通信恢復システムを考慮することは役に立つ可能性がある。
【0052】
図6は、実施例に係る光通信恢復システムの例を示す。光通信恢復システム600は、マルチリピータ部分602、606及び610と、第1の海底光通信恢復機器604と、第2の海底光通信恢復機器608と、第1の光ケーブル612のトップ部(東トップ部)と、第1の光ケーブル614のボトム部(東ボトム部)と、第2の光ケーブル616のトップ部(西トップ部)と、光ケーブル618のボトム部(西ボトム部)とを含む。
【0053】
この例において、光ポンプユニット(不図示)、例えば
図1Bの光ポンプユニット100bは、西トップ部の光ケーブルセグメントと、西ボトム部の光ケーブルセグメントと、東トップ部の光ケーブルセグメントと、東ボトム部の光ケーブルセグメントとを有する光通信経路に入力を提供するように操作可能であってもよい。
【0054】
東向きのケーブルは、単一の32×2b×32の光スイッチモジュール又は一対の16×1b×16の光スイッチモジュールにより収容可能な光ケーブル612(東トップ部)及び光ケーブル614(東ボトム部)を含む。オーバヘッドは、2/30又は7%であり、ここで、収容され得る「不良」の光ファイバ数は2であり、且つ、まだ操作可能な光ファイバ(すなわち、伝送が光通信システムの光通信規格を満たす光信号)の数は、32本の光ファイバ対(FP)ケーブルのうちの30本である。2×4(2つのレーザポンプ及び4つの出力)又は4×4(4つのレーザポンプ及び4つの出力)の光ポンプユニット(OPU)を利用する例において、有効な30FPシステムは16個のOPUを含む。幾つかの例において、半導体光増幅器(SOA)を使用すれば、又はOPUの故障保護が必要でなければ(例えば、OPUが、例えばエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)を必要とせず、又はOPUが、他のリピータ部品よりも高い信頼性を持っているとき)、代わりに32×1b×32の光スイッチモジュールを使用してもよい。そして、システムは、31FPシステムとなり、又は7%ではなく3%のオーバヘッドとなる。この例において、光通信恢復システム600は、各マルチリピータ部分において1~4回の故障を受けたり、各マルチリピータ部分における単一のOPUの故障を受けたりするように操作可能である。
【0055】
可能な実施形態において、各マルチリピータ部分604又は608は、各方向部分に用いられる4つのOPUを有してもよく(すなわち、東トップ部は4つのOPUを有し、東ボトム部は4つのOPUを有し、西トップ部は4つのOPUを有し、且つ、西ボトム部は4个のOPUを有する)、且つ、OPUの故障は、それぞれの対応する方向の「不良」の光ファイバ(すなわち、東トップ部での「不良」の光ファイバ、東ボトム部での「不良」の光ファイバ、西トップ部での「不良」の光ファイバ、及び西ボトム部での「不良」の光ファイバ)をもたらす。
【0056】
海底光通信恢復機器604及び608は、それぞれの対応する光スイッチモジュールのスイッチングロジックを制御して、入力での利用不能な光路から指定の出力(すなわち、損失のある出力として指定されたもの)への結合を提供するように操作可能なプロセッサ又はハードウェア/ソフトウェア機器、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)又はファームウェア機器を含んでもよい。プロセッサ又はハードウェア/ソフトウェア機器は、モニタ信号又はモニタ光信号トラフィックに応え、且つ、恢復操作を実行することによりトラフィック変化(例えば、光信号パワーロス又は信号完全ロスなど)に応えるように操作可能であってもよい。また、下流の接続及びスイッチングを改めて配置して、光スイッチ装置による恢復を考慮してもよい。下流の接続及びスイッチングを改めて配置して、光スイッチ装置による恢復を考慮してもよい。例えば、海底光通信恢復機器608は、マルチリピータ部分606における利用不能な光路(例えば、光通信信号の故障による)に応えて、光通信信号がマルチリピータ部分606を迂回できるようにする第1のスイッチング装置を有してもよい。光通信信号の伝達を維持するために、海底光通信恢復機器604の光スイッチモジュールは、光通信信号を発信器から引き続き所定の受信器に伝送できるように改めて配置されてよい。
【0057】
示される例のメリットは、部品数を減少することであり、その減少は、光スイッチのオーバヘッドの量を減少する。例えば、光通信恢復システム600は、116個の光スイッチを利用して64本の光ファイバにサービスする。それに引き換え、
図1Aに示されるような実施形態を実施すれば、128個の光スイッチ(光ファイバごとに2つ)を用いるようになる。したがって、例示的な海底光通信恢復機器は、部品数の減少と、利用不能な光路を解決する能力とにより、より信頼性の高い光通信システムを実現することができる。
【0058】
図7は、実施例に係る、主題の2つの利用不能な光路の側面から恢復するときの光スイッチモジュールの異なる状態の例を示す。この例は、冗長度を向上させるとともに部品の数を減少する光スイッチング装置を示す。
【0059】
2-利用不能なスイッチングモジュール714は、複数の光スイッチ716を含む光スイッチモジュールである。この例において、各光スイッチ716は、2つのスイッチを有し、且つ、各2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714には4つの光スイッチ716がある。各2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714は、2つの利用不能な光路(「不良」と表記する)を受けるように操作可能である。以前の例について言及されたように、利用不能な光路は、損失のある光信号を担持し(例えば、光通信システムの光信号規格を満たさない)、又は光信号を全く担持しない(例えば、一部の光ファイバが切断され、又はリピータにおける部品の故障が全ての信号の通過を阻止する)光ファイバである。
【0060】
2-利用不能なI/Oスイッチ状態702では、2つの利用不能な(すなわち、「不良」の)入力は、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部又は第1の入力及び第2の入力である。各2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714は、4つの入力、すなわち、トップ部/第1の入力、第2の入力、第3の入力、第4の入力と、4つの出力、すなわち、トップ部/第1の出力、第2の出力、第3の出力、第4の出力とを有する。例示的なスイッチングモジュールにおいて、2-利用不能なファイバスイッチングモジュール714は、「不良」の又は損失のある光ファイバ(「不良(Bad)」と表記する)を出力するように指定された2つの出力を有する。2つの指定の出力は、対応する光スイッチ716のトップ部出力、又は2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に対応する。
【0061】
図7において、2-利用不能なI/Oスイッチ状態702は、「不良」の光ファイバが、トップ部/第1の入力及び第2の入力に結合され、且つ、スイッチが、本例の指定の出力である、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に出力されることを指示する。
【0062】
2-利用不能なI/Oスイッチ状態704は、「不良」の光ファイバが、トップ部/第1の入力及び第3の入力に結合され、且つ、本例の指定の出力である、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に出力されることを指示する。
【0063】
2-利用不能なI/Oスイッチ状態706は、「不良」の光ファイバが、トップ部/第1の入力及び第4の入力に結合され、且つ、本例の指定の出力である、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に出力されることを指示する。
【0064】
2-利用不能なI/Oスイッチ状態708は、「不良」の光ファイバが、第2の入力及び第3の入力に結合され、且つ、本例の指定の出力である、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に出力されることを指示する。
【0065】
2-利用不能なI/Oスイッチ状態710は、「不良」の光ファイバが、第2の入力及び第4の入力に結合され、且つ、本例の指定の出力である、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に出力されることを指示する。
【0066】
2-利用不能なI/Oスイッチ状態712は、「不良」の光ファイバが、第3の入力及び第4の入力に結合され、且つ、本例の指定の出力である、2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のトップ部/第1の出力及び第3の出力に出力されることを指示する。
【0067】
これらの6種類の異なる状態を用いて、海底光通信恢復機器は、2本の光ファイバを影響する光通信信号の故障から恢復するように操作可能であってもよい。この光恢復機器は、他の例に示される。
【0068】
図8は、海底光通信恢復機器の他の例を示す。海底光通信恢復機器800である。海底光通信恢復機器800は、他の例を参照して討論されるように、一対の光信号リピータ間の光通信経路に位置付けられるように配置されてよい。海底光通信恢復機器800は、入力802と、出力804と、複数の光スイッチモジュール816、818、820、822、824及び826とを含む。幾つかの例において、海底光通信恢復機器800は、光スイッチロス補償器828をさらに含んでもよい。
【0069】
光スイッチモジュール816、818、820、822、824及び826のそれぞれは、複数の光スイッチ(例えば、
図7の光スイッチ716)を含んでもよい。光スイッチの数は、
図4の2-利用不能な光ファイバスイッチングモジュール714のように4つであってよい。各光スイッチは、光信号、例えば光通信信号又は光学モニタ信号をスイッチするように操作可能である。例えば、光スイッチモジュール816は、それぞれが2×2のスイッチ(すなわち、2つの入力及び2つの出力)である4つの光スイッチを含んでもよい。もちろん、異なる数の入力及び/又は出力を有する他の光スイッチを用いて類似した配置を提供することもできる。
【0070】
一態様では、海底光通信恢復機器800は、複数の入力802と、複数の出力804とを含んでもよい。複数の入力802のそれぞれは、海底光ケーブル(本例では不図示)又は光ケーブルセグメントにおける複数本の光ファイバの対応する光ファイバを、複数の出力804におけるいずれかの出力に接続するように操作可能である。
【0071】
海底光ケーブルの複数本の光ファイバの一部は光信号を担持し、且つ、複数本の光ファイバのうちの少なくとも1本は、光信号を担持できない利用不能な光路である。用語「利用不能な光路」とは、損失のある光信号を担持し(例えば、光通信システムに用いられる光信号規格を満たさない)、又は光信号を全く担持しない(例えば、光ファイバの一部が切断され、又はリピータにおける部品の故障が全ての信号の通過を阻止する)光ファイバのことをいえる。海底光通信恢復機器402は、利用不能な光路に結合されるように指定されたスペアの入力及びスペアの出力を有してもよい(後述の示例を参照して例を説明する)。
【0072】
複数の出力804における各出力は、他の海底光ケーブルの他の対応する光ファイバに結合可能であり(引き続き伝送するため)、且つ、出力総数(例えば、16~64)の所定数(例えば、1~5)は、損失のある出力(例えば、損失のある810及び損失のある812)として指定される。海底光通信恢復機器402は、光スイッチモジュール(例えば、816、818、820、822、824及び826)をさらに含み、当該光スイッチモジュールは、利用不能な光路(例えば、入力806及び808)に結合された複数の入力802の各入力を、損失のある出力(例えば、810及び812)として指定された複数の損失のある出力804の出力に接続するように操作可能であってもよい。
【0073】
例において、海底光通信恢復機器800の複数の光スイッチモジュールのうちの対応の光スイッチモジュールのそれぞれ(例えば、816、818、820、822、824及び826)は、所定数の光スイッチ(本例では不図示)を含んでもよい。
【0074】
海底光通信恢復機器800は、鏡像となっている一対の光スイッチング部品を有してもよい。この例において、海底光通信恢復機器800は、入力光スイッチング部品830として配置された複数の光スイッチモジュールの第1の部分と、出力光スイッチング部品832として配置された複数の光スイッチモジュールの第2の部分とを含んでもよい入力光スイッチング部品830及び出力光スイッチング部品832のそれぞれは、同じ数の光スイッチモジュールを含んでもよい。例えば、
図8に示されるように、入力光スイッチング部品830は、光スイッチモジュール816、818、820と、少なくとも4つの他の光スイッチモジュールとを含んでもよく、且つ、出力光スイッチング部品832は、光スイッチモジュール822、824、826と、少なくとも4つの他の光スイッチモジュールとを含んでもよい。同じ数の光スイッチモジュールにより、海底光通信恢復機器は、同じ数の入力802及び出力804を有してもよい。
【0075】
また、海底光通信恢復機器800の対応する光スイッチモジュールのそれぞれは、海底光通信恢復機器800の損失のある出力への経路に結合されるように指定された複数の指定の出力、例えば810及び812を有してもよいため、対応する光スイッチモジュールのそれぞれは、入力をその対応する指定の出力に結合するように操作可能である。海底光通信恢復機器800は、利用不能な(損失のある)入力806及び808の1つまたは両者を、対応する損失のある出力810又は812に結合するように操作可能であってもよい。
【0076】
他の例において、海底光通信恢復機器800の光スイッチロス補償器828は、光信号が海底光通信恢復機器800を通過するときの信号ロスを考慮するように配置されてよい。例えば、海底光通信恢復機器800における全ての光スイッチモジュールは、対応する光スイッチを通過する光信号に信号ロスを導入することができる。光スイッチロス補償器828は、海底光通信恢復機器800にいずれかの入力の最大ロスを補償するように配置されてよい。例えば、光スイッチモジュール820及び光スイッチモジュール822に対する光信号は、海底光通信恢復機器800を通過する任意の光信号の最大信号ロスを経験することができる。したがって、光スイッチロス補償器828は、他の全ての入力の信号ロスを最大信号ロスに等化するように操作可能であってもよい。光スイッチロス補償器828は、光ロスを光通信経路に組み込む他の機器、例えば三ホウ酸リチウム機器を有してもよい。
【0077】
この実施形態では、海底光通信恢復機器800は、合計56個の光スイッチを用いてもよい。全ての使用可能な光ファイバ(すなわち、システム規格を満たす光信号を有するもの)は、海底光通信恢復機器800からの入力802及び出力806に接続されることが可能である。
【0078】
図9は、実施例に係る他の光通信恢復システムの例を示す。
【0079】
光通信恢復システム900は、マルチリピータ部分902、906及び910と、第1の海底光通信恢復機器904と、第2の海底光通信恢復機器908と、第1の光ケーブル912のトップ部(東トップ部)と、第1の光ケーブル914のボトム部(東ボトム部)と、第2の光ケーブル916のトップ部(西トップ部)と、光ケーブル918のボトム部(西ボトム部)とを含んでもよい。
【0080】
この例において、光ポンプユニット(不図示)、例えば
図1Bの光ポンプユニット100bは、西トップ部の光ケーブルセグメントと、西ボトム部の光ケーブルセグメントと、東トップ部の光ケーブルセグメントと、東ボトム部の光ケーブルセグメントとを有する光通信経路に入力を提供するように操作可能であってもよい。
【0081】
2×4又は4×4のポンプを用い、4つの利用不能な光路から恢復するように操作可能である場合、システムは、効果的に28FP(例えば、14%のオーバヘッドに相当する4個の不良の経路/28個の良の経路)を有する。例において、光通信恢復システム900は、16個のOPUを利用することができる。なお、SOAを用いれば、又はOPUの故障保護が必要でなければ、代わりに32×2b×32を用いてもよい。光通信恢復システム900は、そして、30FPのシステム(7%のオーバヘッドを有する)となる。
図9の例において、光通信恢復システム900は、各マルチリピータ部分において2~8回の故障を受けたり、各マルチリピータ部分における2つのOPUの故障を受けたりするように操作可能であってもよい。マルチリピータ部分におけるリピータ間の同じ光ファイバ又は光通信経路に発生する故障は、単一の故障とみなされてよい。このオーバヘッドは、2本の不良の光ファイバ/30本の良の光ファイバ又は7%である。
【0082】
海底光通信恢復機器904及び908は、それぞれの対応する光スイッチモジュールのスイッチングロジックを制御して、入力での利用不能な光路から指定の出力(すなわち、損失のある出力として指定されたもの)への結合を提供するように操作可能なプロセッサ又はハードウェア/ソフトウェア機器、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)又はファームウェア機器を含んでもよい。プロセッサ又はハードウェア/ソフトウェア機器は、モニタ信号又はモニタ光信号トラフィックに応え、且つ、恢復操作を実行することによりトラフィック変化(例えば、光信号パワーロス又は信号完全ロスなど)に応えるように操作可能であってもよい。また、下流の接続及びスイッチングを改めて配置して、光スイッチ装置による恢復を考慮してもよい。下流の接続及びスイッチングを改めて配置して、光スイッチ装置による恢復を考慮してもよい。例えば、海底光通信恢復機器908は、マルチリピータ部分906における利用不能な光路(例えば、光通信信号の故障による)に応えて、光通信信号がマルチリピータ部分906を迂回できるようにする第1のスイッチング装置を有してもよい。光通信信号の伝達を維持するために、海底光通信恢復機器904の光スイッチモジュールは、光通信信号を発信器から引き続き所定の受信器に伝送できるように改めて配置されてよい。
【0083】
示される例のメリットは、部品数を減少することであり、その減少は、光スイッチのオーバヘッドの量を減少する。例えば、光通信恢復システム900は、224個の光スイッチ(例えば、56×4)を利用して64本の光ファイバにサービスするが、2つの利用不能な光路を収容する能力を持っている。それに引き換え、
図1Aに示されるような実施形態を実施すれば、各光ファイバにおける各増幅器の冗長(
図1Aに示されるように)のために、128個の光スイッチ(光ファイバごとに2つ)を必要とするようになる。したがって、例示的な海底光通信恢復機器904及び908は、部品数の減少と、利用不能な光路を解決する能力とにより、より信頼性の高い光通信システムを実現することができる。
【0084】
図10Aは、実施例に係る、入力の数に基づいて光スイッチの数を決定するためのテーブルを示す。
【0085】
以上に示された光通信恢復の解決手段は、増幅器数が倍になる(すなわち、冗長増幅器により、100%の増幅器のオーバヘッドになる)ことをもたらさず、より僅かなスイッチを利用することにより実行することができ、これにより、増幅器のオーバヘッドのパーセンテージを減少する。
【0086】
テーブル1000aにおいて、Y係数は、1つの利用不能な光路を占める海底光通信恢復機器の入力数及び出力数に対応してもよい。Yの値に基づいて、スイッチの数(#)を決定してもよい。例えば、16個の入力があれば、
図4の例に示されるように、スイッチ数は、冗長経路を提供して利用不能な光路を迂回し、且つ、使用可能な光ファイバを提供して故障のマルチリピータ部分、又は損失のある光ケーブルセグメントの周りで光通信信号又はモニタ信号を伝送することに用いられる。
【0087】
図10Bは、他の実施例に係る、入力の数に基づいて光スイッチの数を決定するための他のテーブルを示す。
【0088】
テーブル1000bにおいて、Z係数は、2つの利用不能な光路を占める海底光通信恢復機器の入力数及び出力数に対応することできる。Zの値に基づいて、スイッチの数(#)を決定してもよい。例えば、16個の入力があれば、
図4の示されるように、スイッチ数は、冗長経路を有効にすることに用いられ、当該冗長経路は、2つの利用不能な光路を迂回し、且つ、使用可能な光ファイバを提供して故障のマルチリピータ部分、又は損失のある光ケーブルセグメントの周りで光通信信号又はモニタ信号を伝送することに用いてもよい。
【0089】
開示された例について、光スイッチは、「不良」の光ファイバをリダイレクトするように配置されているため、光通信システムにおける他のFPは、恢復期間において一時的に影響される可能性があり、例えば、光信号トラフィックが中断される可能性がある。例えば、発信器/受信器(Tx-Rx)の光ファイバ対は、恢復期間において、潜在的にTxを異なるRxに結合することにより改めて配置される。光分岐挿入装置(OADM)は、異なる光チャネルを単一モードの光ファイバに多重化してルーティングしたり、単一モードの光ファイバからルーティングしたりするための波長分割多重光通信システムに用いられる装置である。固定のOADMを用いれば、海底光通信恢復機器がパススルーの光ファイバを廃棄しないように、実施期間においてOADMの配置を考慮することができ、その逆も同様である。再配置可能なOADMを用いれば、制御システムは、恢復期間において対応してOADMを改めて配置してもよい。以下の付図、説明及び請求項から、他の技術的特徴は当業者にとって明らかである。
【0090】
ここで、改善された海底光通信恢復に用いられる新規でユニークな技術、機器及びシステムが開示された。本開示の範囲は、本明細書に記載の具体的な例によって制限されない。実際には、本明細書に記載のものの他に、前記した説明及び付図により、本開示の他の様々な例及び変更は、当業者にとって明らかである。
【0091】
したがって、このような他の例及び変更は、本開示の範囲に入ることを意図する。また、特定の目的に対して、特定の環境における特定の実施形態のコンテキストにおいて本開示を説明したが、当業者であれば、その用途はこれに限定されず、且つ、本開示は、任意の数の環境において、任意の数の目的のために有益に実施することができることが分かる。したがって、本明細書に記載の本開示の全範囲と精神に基づいて、以下に記載の請求項を解釈するべきである。
【外国語明細書】