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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058459
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
B41J2/01 303
B41J2/01 129
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163466
(22)【出願日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2021168336
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】小西 美沙輝
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩徳
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056FA10
2C056FD20
2C056HA37
2C056HA44
2C056KD10
(57)【要約】
【課題】プリンタの外部に光が漏れることを抑制する漏れ光抑制カバーを開いた状態に安定して維持すること。
【解決手段】プリンタ10は、本体ケース50の第2開口58Bを閉塞する第1位置P1と第2開口58Bを開放する第2位置P2との間で移動可能に構成され、第1位置P1に位置するときに紫外線照射装置26Aから照射された光が第2開口58Bから外部に漏れることを抑制する遮蔽部材81と支持軸82とを備えた上流側漏れ光抑制カバー80と、支持軸82が挿入され副走査方向Xに延びる長孔44と、を備え、長孔44は、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するときに支持軸82が配置される第1部分44Aと、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するときに支持軸82が配置されかつ第1部分44Aよりも下方かつ副走査方向Xの下流側に位置する第2部分44Bと、を含む。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に設けられ、記録媒体が載置されるプラテンと、
前記プラテンよりも上方に位置し、主走査方向に移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジに搭載され、前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送される前記記録媒体に光硬化性インクを吐出するインクヘッドと、
前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体に吐出された光硬化性インクに向けて光を照射する光照射装置と、
前記キャリッジおよび前記インクヘッドおよび前記光照射装置を収容する内部空間と、前記キャリッジよりも前記副走査方向の上流側に位置し、前記内部空間と外部とを連通する開口とを有し、前記ベース部材に支持される本体ケースと、
前記開口を閉塞する第1位置と前記開口を開放する第2位置との間で移動可能に構成され、かつ、前記第1位置に位置するときに前記光照射装置から照射された光が前記開口から外部に漏れることを抑制する遮蔽部材と前記遮蔽部材に設けられかつ前記主走査方向に延びかつ前記遮蔽部材を前記本体ケースに対して回動可能に支持する支持軸とを備えた漏れ光抑制カバーと、
前記ベース部材または前記本体ケースに形成され、前記支持軸が挿入されかつ前記副走査方向に延びる長孔と、を備え、
前記長孔は、
前記漏れ光抑制カバーが前記第1位置に位置するときに前記支持軸が配置される第1部分と、
前記漏れ光抑制カバーが前記第2位置に位置するときに前記支持軸が配置されかつ第1部分よりも下方かつ前記副走査方向の上流側または下流側に位置する第2部分と、を含み、
前記支持軸は、前記長孔の前記第1部分と前記第2部分との間で前記副走査方向に移動可能に構成されている、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記ベース部材または前記本体ケースに設けられ、前記漏れ光抑制カバーの前記副走査方向への移動を規制する規制部材を備え、
前記支持軸が前記第1部分に配置されているときに、前記遮蔽部材が前記規制部材と接触することにより、前記規制部材は前記支持軸が前記第1部分から前記第2部分に移動することを規制する、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記規制部材は、前記ベース部材または前記本体ケースに支持される被支持部と、前記被支持部から突出しかつ前記遮蔽部材と接触可能に設けられた接触部とを備え、
前記第2部分は、前記第1部分よりも前記副走査方向の下流側に位置し、
前記接触部は、前記長孔の前記第1部分より下方かつ前記副走査方向の上流側に位置する、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記ベース部材または前記本体ケースに固定される固定部と、前記固定部から突出しかつ前記漏れ光抑制カバーを下方から支持する支持部と、を有する支持部材を備え、
前記遮蔽部材には、前記遮蔽部材が回動するときに前記支持部を通過する切り欠き部が形成され、
前記ベース部材または前記本体ケースと前記被支持部とが接触する部分である基準位置から前記接触部のうち前記被支持部から前記主走査方向に最も離れた部分までの前記主走査方向の長さは、前記基準位置から前記切り欠き部のうち前記被支持部から前記主走査方向に最も離れた部分までの前記主走査方向の長さよりも長い、請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記ベース部材または前記本体ケースに固定される固定部と、前記固定部から突出しかつ前記漏れ光抑制カバーを下方から支持する支持部と、を有する支持部材を備え、
前記遮蔽部材には、前記遮蔽部材が回動するときに前記支持部を通過する切り欠き部が形成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記支持部材は、ゴムまたは樹脂から形成されかつ前記支持部の表面を被覆する被覆部を備え、
前記被覆部は、前記遮蔽部材と接触する、請求項4または5に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記長孔は、前記副走査方向に関して前記第1部分と前記第2部分との間に位置しかつ前記第1部分よりも上方に位置する第3部分を含む、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記漏れ光抑制カバーが前記第2位置に位置するときに前記プラテンよりも前記副走査方向の上流側に位置するように前記ベース部材または前記本体ケースに取り付けられ、前記記録媒体が載置されるガイドテーブルを備えている、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光硬化性インクを使用したインクジェットプリンタ(以下、単に「光硬化型のプリンタ」ということがある。)が知られている。光硬化型のプリンタは、インクヘッドから光硬化性のインク(例えば紫外線硬化インク)を吐出し、吐出した光硬化性インクに光照射装置から光(例えば紫外線)を照射する。これにより、記録媒体上で素早く光硬化性インクが硬化されてインク層が形成され、所望の画像を印刷することができる。
【0003】
ここで、光硬化型のプリンタでは、光(典型的には紫外線)がプリンタの外部に漏れないようにする必要がある。特許文献1に開示されたインクジェットプリンタは、プラテンとの間に形成された本体ケースの開口から後方に向けて漏れる紫外線がプリンタの外部に漏れることを抑制する上流側漏れ光抑制カバーを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-30592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、上流側漏れ光抑制カバーのうち第1漏れ光抑制カバーは、支軸を中心にして開位置と閉位置との間で回動する。そして、比較的厚みの厚い記録媒体を用いるときには、第1漏れ光抑制カバーを閉位置から180°以上回動させて、本体ケースの縦壁に寄り掛かるようにしている。これにより、第1漏れ光抑制カバーは開状態を保持している。しかしながら、縦壁に寄り掛かるようにしているだけでは、振動等によって第1漏れ光抑制カバーが意図せずに閉位置に移動してしまう虞がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、プリンタの外部に光が漏れることを抑制する漏れ光抑制カバーを開いた状態に安定して維持することができるインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェットプリンタは、ベース部材と、前記ベース部材に設けられ、記録媒体が載置されるプラテンと、前記プラテンよりも上方に位置し、主走査方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに搭載され、前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送される前記記録媒体に光硬化性インクを吐出するインクヘッドと、前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体に吐出された光硬化性インクに向けて光を照射する光照射装置と、前記キャリッジおよび前記インクヘッドおよび前記光照射装置を収容する内部空間と、前記キャリッジよりも前記副走査方向の上流側に位置し、前記内部空間と外部とを連通する開口とを有し、前記ベース部材に支持される本体ケースと、前記開口を閉塞する第1位置と前記開口を開放する第2位置との間で移動可能に構成され、かつ、前記第1位置に位置するときに前記光照射装置から照射された光が前記開口から外部に漏れることを抑制する遮蔽部材と前記遮蔽部材に設けられかつ前記主走査方向に延びかつ前記遮蔽部材を前記本体ケースに対して回動可能に支持する支持軸とを備えた漏れ光抑制カバーと、前記ベース部材または前記本体ケースに形成され、前記支持軸が挿入されかつ前記副走査方向に延びる長孔と、を備え、前記長孔は、前記漏れ光抑制カバーが前記第1位置に位置するときに前記支持軸が配置される第1部分と、前記漏れ光抑制カバーが前記第2位置に位置するときに前記支持軸が配置されかつ第1部分よりも下方かつ前記副走査方向の上流側または下流側に位置する第2部分と、を含み、前記支持軸は、前記長孔の前記第1部分と前記第2部分との間で前記副走査方向に移動可能に構成されている。
【0008】
本発明のインクジェットプリンタでは、長孔は、漏れ光抑制カバーが第1位置に位置するときに支持軸が配置される第1部分と、漏れ光抑制カバーが第2位置に位置するときに支持軸が配置されかつ第1部分よりも下方かつ副走査方向の上流側または下流側に位置する第2部分と、を含む。即ち、漏れ光抑制カバーが第1位置に位置するとき(即ち開口を閉塞するとき)よりも、漏れ光抑制カバーが第2位置に位置するとき(即ち開口を開放するとき)のほうが、漏れ光抑制カバーの支持軸は副走査方向の上流側または下流側かつより低い位置に設定されている。このため、漏れ光抑制カバーが第2位置に位置するときには、支持軸が長孔内で副走査方向に移動することが抑制されるため、漏れ光抑制カバーを第2位置に安定して位置させることができる。即ち、漏れ光抑制カバーを開いた状態(開口が開放された状態)に安定して維持することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プリンタの外部に光が漏れることを抑制する漏れ光抑制カバーを開いた状態に安定して維持することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る第1記録媒体に印刷する場合のプリンタを示す斜視図である。
図2】一実施形態に係る第1記録媒体に印刷する場合のプリンタを示す正面図である。
図3A図2中のA-A線に沿う断面図である。
図3B】左サイドフレームに形成された長孔の形状および上流側漏れ光抑制カバーの支持軸の断面形状を表す図である。
図3C図3Aの一部拡大図である。
図4】一実施形態に係る第1記録媒体に印刷する場合のプリンタを示す背面図である。
図5】一実施形態に係るインクヘッドユニットを示す底面図である。
図6】一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーが第1位置に位置する状態を示す斜視図である。
図7】一実施形態に係るプリンタの断面図であり、上流側漏れ光抑制カバーが第2位置に位置する状態を示す断面図である。
図8】一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーが第2位置に位置する状態を示す斜視図である。
図9】一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーと支持部材との位置関係を示す斜視図である。
図10】一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーと支持部材との位置関係を示す斜視図である。
図11】一実施形態に係る第2記録媒体に印刷する場合のプリンタを示す斜視図である。
図12】一実施形態に係る第2記録媒体に印刷する場合のプリンタを示す正面図である。
図13図12中のB-B線に沿う断面図である。
図14】一実施形態に係る第2記録媒体に印刷する場合のプリンタを示す背面図である。
図15】一実施形態に係る上流側ガイドテーブルが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図16】他の一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーが第1位置に位置する状態を示す斜視図である。
図17】他の一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーが第1位置に位置する状態を示すプリンタの一部の断面図である。
図18】他の一実施形態に係る上流側漏れ光抑制カバーが第1位置に位置する状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と称する)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10を示す斜視図である。図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体5に印刷を行う。記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。記録媒体5には、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類以外に、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエステル等の樹脂材料から形成されたものや、アルミや鉄等から形成された金属板、ガラス板、木材板および段ボール等から形成されたものが含まれる。記録媒体5のうちロール状に巻かれて用いられる記録媒体を第1記録媒体5Aとする。第1記録媒体5Aの厚みは、比較的薄い。第1記録媒体5Aは、比較的剛性が低く曲がり易い性質を有する。記録媒体5のうちシート状に形成された記録媒体を第2記録媒体5B(図11参照)とする。第2記録媒体5Bの厚みは、比較的厚い。第2記録媒体5Bは、定型サイズである。第2記録媒体5Bは、比較的剛性が高く曲がり難い性質を有する。以下の説明では、第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5Bを総称して記録媒体5と称することがある。
【0013】
以下の説明では、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいる作業者から見た左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、作業者がプリンタ10の正面を向いているときにプリンタ10の後部から作業者に向かう方向を前方、作業者からプリンタ10の後部に向かう方向を後方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。後述するインクヘッドユニット20(図2参照)は、左方および右方に移動可能に設けられている。プリンタ10の後側を上流側と称し、プリンタ10の前側を下流側としたとき、記録媒体5は、上流側から下流側に向けて搬送される。本実施形態では、インクヘッドユニット20の移動方向を主走査方向Yといい、記録媒体5の搬送方向を副走査方向Xという。ここでは、主走査方向Yは左右方向に対応し、副走査方向Xは前後方向に対応する。主走査方向Yと副走査方向Xとは直交している。ただし、主走査方向Yおよび副走査方向Xは特に限定される訳ではなく、プリンタ10の形態等に応じて適宜に設定可能である。
【0014】
図1に示すように、プリンタ10は、主走査方向Yに延びる本体部40Aを有するベース部材40と、記録媒体5が載置されるプラテン15と、本体ケース50と、右脚部16Rと、左脚部16Lと、インクヘッドユニット20(図2参照)と、媒体支持装置12(図2参照)とを備えている。右脚部16Rおよび左脚部16Lは、ベース部材40の下部(ここでは本体部40A)に取り付けられている。右脚部16Rおよび左脚部16Lは、ベース部材40を支持する。媒体支持装置12は、ロール状に巻かれた第1記録媒体5Aを支持する部材である。媒体支持装置12は、シート状に形成された第2記録媒体5Bは支持しない。
【0015】
図1に示すように、ベース部材40は、本体部40Aと、第1左サイドフレーム41Lと、第1右サイドフレーム41R(図2参照)と、第2左サイドフレーム42Lと、第2右サイドフレーム42Rとを備えている。第1左サイドフレーム41Lは、プラテン15より左方に配置され、本体部40Aから上方に延びる。第1右サイドフレーム41Rは、プラテン15より右方に配置され、本体部40Aから上方に延びる。第2左サイドフレーム42Lは、プラテン15より左方かつ第1左サイドフレーム41Lより右方に設けられ、上下方向に延びる。第2左サイドフレーム42Lは、本体部40Aから上方かつ副走査方向Xに延びる。第2右サイドフレーム42Rは、プラテン15より右方かつ第1右サイドフレーム41Rより左方に設けられ、上下方向に延びる。第2右サイドフレーム42Rは、本体部40Aから上方かつ副走査方向Xに延びる。
【0016】
図1に示すように、プラテン15は、記録媒体5への印刷の際、記録媒体5を支持するものである。プラテン15は、第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5B(図11参照)を載置可能に形成されている。プラテン15は、主走査方向Yに延びる。プラテン15は、ベース部材40に設けられている。プラテン15は、ベース部材40の中央部に設けられている。プラテン15は、ベース部材40の本体部40Aに支持されている。プラテン15は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに当接させた状態で、第2左サイドフレーム42Lと第2右サイドフレーム42Rとの間に配置されている。図3Aに示すように、プラテン15は、上面が平坦状に形成された第1プラテン15Aと、上面が後方から前方(即ち副走査方向Xの上流側から下流側)に向けて斜め下方に傾く第2プラテン15Bと、上面が前方から後方(即ち副走査方向Xの下流側から上流側)に向けて斜め下方に傾く第3プラテン15Cと、を有する。第1プラテン15Aには、第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5Bが載置される。第2プラテン15Bおよび第3プラテン15Cは、第1記録媒体5Aの移動をガイドする。第1記録媒体5Aは、第2プラテン15Bおよび第3プラテン15Cに沿って移動する。第2記録媒体5Bは、第2プラテン15Bおよび第3プラテン15Cに沿って移動しない。第2プラテン15Bは、第1プラテン15Aより前方(即ち副走査方向Xの下流側)に配置されている。第3プラテン15Cは、第1プラテン15Aより後方(即ち副走査方向Xの上流側)に配置されている。
【0017】
図1に示すように、本体ケース50は、ベース部材40に取り付けられている。本体ケース50は、箱型状に形成され、プラテン15およびプラテン15の上方に配置されるインクヘッドユニット20等が収容される内部空間50A(図3A参照)を有する中央ケース50Cと、複数のインクカートリッジ(図示せず)が保持される左側ケース50Lと、プリンタ10を操作する操作部が設けられている右側ケース50Rとを、含む。本体ケース50は、上壁51と、前壁52と、左前カバー54Lと、右前カバー54Rと、左側壁55L(図3A参照)と、右側壁55Rと、第1後壁56Aと、第2後壁56B(図3A参照)と、第1下壁57A(図3A参照)と、第2下壁57B(図3A参照)と、左後壁59L(図4参照)と、右後壁59R(図4参照)と、を備えている。図3Aに示すように、本体ケース50(ここでは中央ケース50C)には第1開口58Aおよび第2開口58Bが形成されている。第1開口58Aは、本体ケース50の内部空間50Aと外部とを連通する空間であって、本体ケース50とプラテン15との間に形成され、インクヘッドユニット20の後述するキャリッジ22よりも前方に位置する。第2開口58Bは、本体ケース50の内部空間50Aと外部とを連通する空間であって、本体ケース50とプラテン15との間に形成され、キャリッジ22よりも後方に位置する。第1開口58Aおよび第2開口58Bは連通している。第2開口58Bは、開口の一例である。
【0018】
図1に示すように、上壁51は、本体ケース50の上面を構成する部材であって、主走査方向Yに延びる。上壁51は、ベース部材40の上方に位置する。上壁51は、インクヘッドユニット20より上方に配置されている。前壁52は、本体ケース50の前面を構成する部材であって、上壁51の前端から前斜め下方に延びる。前壁52は、主走査方向Yに延びる。前壁52は、左前カバー54Lと右前カバー54Rとの間に位置する。図3Aに示すように、第1開口58Aは、例えば、前壁52と第2プラテン15Bとの間に形成されている。
【0019】
図4に示すように、左側壁55Lは、本体ケース50の左側面を構成する部材であって、ベース部材40の本体部40Aの左端から上方に延びるように配置されている。左側壁55Lは、上壁51の左端、左前カバー54Lの左端および左後壁59Lの左端を接続する。図1に示すように、右側壁55Rは、本体ケース50の右側面を構成する部材であって、ベース部材40の本体部40Aの右端から上方に延びるように配置されている。右側壁55Rは、上壁51の右端、右前カバー54Rの右端および右後壁59R(図4参照)の右端を接続する。
【0020】
図1に示すように、左前カバー54Lは、左側壁55Lとベース部材40の第1左サイドフレーム41Lとの間に配置される左側ケース50Lの前面を構成する部材であって、上壁51の左側部分の前端から前斜め下方に延びる。左前カバー54Lは、上壁51の前端を中心に開閉可能に構成されている。左前カバー54Lは、プラテン15より左方に配置されている。右前カバー54Rは、右側壁55Rとベース部材40の第1右サイドフレーム41Rとの間に配置される右側ケース50Rの前面を構成する部材であって、上壁51の右側部分の前端から前斜め下方に延びる。右前カバー54Rは、上壁51の前端を中心に開閉可能に構成されている。右前カバー54Rは、プラテン15より右方に配置されている。
【0021】
図3Aに示すように、第1後壁56Aと、第2後壁56Bと、第1下壁57Aと、第2下壁57Bとは、第1左サイドフレーム41Lと第1右サイドフレーム41Rとの間に配置され、本体ケース50の後面を構成する部材である。第1後壁56Aは、上壁51の後端から後斜め下方に延びる。第1後壁56Aは、主走査方向Yに延びる。第2後壁56Bは、第1後壁56Aの下端から下方に延びる。図4に示すように、第2後壁56Bは上下方向かつ主走査方向Yに延びる。第2後壁56Bは、副走査方向Xの上流側から下流側を見たとき(即ち背面視で)プラテン15の上方に位置する。図3Aに示すように、第2後壁56Bは、本体ケース50において副走査方向Xの最も上流側に位置する壁である。即ち、第2後壁56Bは、本体ケース50の後端である。第1下壁57Aは、第2後壁56Bの下部から前方に延びる。第2下壁57Bは、第1下壁57Aの前端から下方に延びる。第1下壁57Aおよび第2下壁57Bは、ベース部材40の第2左サイドフレーム42L(図4も参照)および第2右サイドフレーム42R(図4参照)に接続されている。第1下壁57Aおよび第2下壁57Bは、プラテン15より上方に位置する。第2開口58Bは、例えば、第2後壁56Bとプラテン15との間に形成されている。図4に示すように、左後壁59Lは、左側ケース50Lの後面を構成する部材であって、左側壁55Lの後端から右方に延びる。右後壁59Rは、右側ケース50Rの後面を構成する部材であって、右側壁55Rの後端から左方に延びる。左後壁59L、右後壁59Rおよび第2後壁56Bは面一に形成されている。第2後壁56Bは、縦壁の一例である。
【0022】
図2に示すように、プリンタ10は、主走査方向Yおよび上下方向に延びる中央壁17を備えている。中央壁17は、ベース部材40に支持されている。中央壁17は、プラテン15の上方に配置されている。中央壁17とプラテン15との間には、記録媒体5が通過可能な間隙15H(図3A参照)が形成されている。中央壁17は、本体ケース50に収容されている。
【0023】
図2に示すように、プリンタ10は、ガイドレール18を備えている。ガイドレール18は、主走査方向Yに延びる。ガイドレール18は、中央壁17に設けられている。ガイドレール18は、プラテン15の上方に配置されている。
【0024】
図2に示すように、インクヘッドユニット20は、ベース部材40に設けられている。インクヘッドユニット20は、本体ケース50の内方に配置されている。即ち、インクヘッドユニット20は、本体ケース50に収容されている。インクヘッドユニット20は、プラテン15より上方に配置されている。インクヘッドユニット20は、キャリッジ22と、キャリッジ22に搭載される複数のインクヘッド24(図5参照)と、紫外線照射装置26A、26Bとを備えている。キャリッジ22、インクヘッド24および紫外線照射装置26A、26Bは、本体ケース50の内部空間50Aに収容される。紫外線照射装置26A、26Bは、光照射装置の一例である。キャリッジ22は、ベース部材40に設けられている。キャリッジ22は、プラテン15より上方に位置する。キャリッジ22は、ガイドレール18に係合している。キャリッジ22は、ガイドレール18に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0025】
図2に示すように、プリンタ10は、キャリッジ移動機構30を備えている。キャリッジ移動機構30は、プラテン15に載置された記録媒体5に対してキャリッジ22を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。なお、キャリッジ移動機構30の構成は特に限定されない。キャリッジ移動機構30は、第1プーリ31と、第2プーリ32と、無端状のベルト33と、キャリッジモータ34とを備えている。第1プーリ31は、ガイドレール18の左端側に設けられている。第2プーリ32は、ガイドレール18の右端側に設けられている。ベルト33は、第1プーリ31と第2プーリ32とに巻き掛けられている。ベルト33は、キャリッジ22の背面上部に固定されている。第2プーリ32には、キャリッジモータ34が接続されている。ただし、キャリッジモータ34は、第1プーリ31に接続されていてもよい。ここでは、キャリッジモータ34が駆動して、第2プーリ32が回転することで、第1プーリ31と第2プーリ32との間においてベルト33が走行する。これにより、キャリッジ22は主走査方向Yに移動する。
【0026】
図5に示すように、インクヘッド24は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長い形状に形成されている。複数のインクヘッド24(本実施形態では3つ)は、同じ形状かつ同じ大きさに形成されている。インクヘッド24は、副走査方向Xに並ぶ複数の第1ノズル24Aと、副走査方向Xに並ぶ複数の第2ノズル24Bと、第1ノズル24Aおよび第2ノズル24Bが形成されたノズル面24Cを備えている。第1ノズル24Aおよび第2ノズル24Bは微小であるため、図5では複数の第1ノズル24Aおよび複数の第2ノズル24Bを直線で表している。インクヘッド24の第1ノズル24Aおよび第2ノズル24Bは、副走査方向Xに搬送される記録媒体5に光硬化性インクを吐出する。本実施形態では、プリンタ10は3つのインクヘッド24を備えているが、インクヘッド24の数は3つに限定されない。
【0027】
図1に示すように、プリンタ10は、インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部19を備えている。カートリッジ収容部19は、本体ケース50に設けられている。カートリッジ収容部19は、本体ケース50の上壁51に設けられている。インクヘッド24(図5参照)は、カートリッジ収容部19に収容されたインクカートリッジ(図示せず)と連通されている。インクカートリッジには、それぞれ、光硬化性インクが貯留されている。
【0028】
光硬化性インクは、光(例えば紫外線)が照射されると硬化する性質を有する。光硬化性インク(例えば紫外線硬化インク)は、顔料等の着色剤と光重合性モノマーと光重合開始剤系とを含み、必要に応じてその他の各種添加剤、例えば、光増感剤、重合禁止剤、捕捉剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、レベリング剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、溶剤等を含み得る。光硬化性インクは、例えば、プロセスカラーインクやホワイトインクやグロスインクやメタリックインクである。例えば、プロセスカラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等が挙げられる。
【0029】
紫外線照射装置26A、26Bは、第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5Bに吐出された光硬化性インクに向けて紫外線を照射する。これにより、第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5B上にインク層が形成される。紫外線照射装置26A、26Bは、キャリッジ22の主走査方向Yの両側にそれぞれ搭載されている。紫外線照射装置26A、26Bは、プラテン15より上方に位置する。図5に示すように、紫外線照射装置26Aは、インクヘッド24の左方に配置されている。紫外線照射装置26Bは、インクヘッド24の右方に配置されている。
【0030】
図3Aに示すように、プリンタ10は、媒体移動機構35を備えている。媒体移動機構35は、プラテン15に載置された記録媒体5をインクヘッドユニット20に対して副走査方向Xに相対的に移動させるものである。媒体移動機構35は、プラテン15に載置された記録媒体5を副走査方向Xに移動させる。より詳細には、媒体移動機構35は、第1プラテン15Aに載置された第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5Bを副走査方向Xに搬送する。媒体移動機構35は、複数のグリットローラ36(図1も参照)と、複数のピンチローラ37(図2も参照)とを備えている。
【0031】
図1に示すように、グリットローラ36は、プラテン15(ここでは第1プラテン15A)に設けられている。グリットローラ36は、グリットローラ36の上部が外部に露出するように第1プラテン15Aに埋設されている。グリットローラ36は、主走査方向Yに並列している。グリットローラ36は、ピンチローラ37の下方に配置されている。グリットローラ36は、ピンチローラ37との間に記録媒体5を挟み込む。グリットローラ36とピンチローラ37との間に記録媒体5が挟まれた状態で、グリットローラ36に接続されたフィードモータ(図示せず)が駆動してグリットローラ36が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。即ち、グリットローラ36は、第1記録媒体5Aおよび第2記録媒体5Bを副走査方向Xに搬送するように構成されている。
【0032】
図2に示すように、ピンチローラ37は、プラテン15より上方に配置されている。ピンチローラ37は、ガイドレール18より下方に配置されている。ピンチローラ37は、グリットローラ36と対向する位置に配置されている。ピンチローラ37は、プラテン15に載置された記録媒体5を上から押さえる。
【0033】
図1に示すように、プリンタ10は、フロントカバー60を備えている。フロントカバー60は、第1開口58A(図3A参照)を開閉する。図3Aに示すように、フロントカバー60が第1開口58Aを閉じているときには、フロントカバー60は、後方から前方に向けて斜め下方に傾斜している。フロントカバー60は、ベース部材40に設けられている。フロントカバー60は、ベース部材40の第1左サイドフレーム41L(図1および図3A参照)および第1右サイドフレーム41R(図2参照)に支持されている。フロントカバー60は、第1左サイドフレーム41Lおよび第1右サイドフレーム41Rに回動自在に支持されている。フロントカバー60は、前壁52の前方に配置されている。フロントカバー60は、第1プラテン15Aより前方に配置されている。フロントカバー60が第1開口58Aを閉じているときには、フロントカバー60の下端60Bは、第2プラテン15Bより前方に位置する。なお、「フロントカバー60が第1開口58Aを閉じる」とは、フロントカバー60が第1開口58Aの少なくとも一部を閉じる場合と、第1開口58Aの全部を閉じる場合とを含む。
【0034】
図1に示すように、プリンタ10は、紫外線照射装置26A、26B(図2参照)から照射された光がフロントカバー60とプラテン15との間(即ち第1開口58Aの一部)から外部に漏れることを抑制する板状部材71を有する下流側漏れ光抑制カバー70を備えている。なお、下流側漏れ光抑制カバー70(より詳細には板状部材71)は、紫外線照射装置26A、26Bから照射された光のうち、プリンタ10の外部に漏れる光を例えば5%以下(好ましくは0%)に抑制している。後述するように、下流側漏れ光抑制カバー70は、プラテン15に載置される記録媒体5の厚みに応じてフロントカバー60に対する角度が変更可能に構成されている。下流側漏れ光抑制カバー70は、ベース部材40に取り付けられている。下流側漏れ光抑制カバー70は、ベース部材40の第2左サイドフレーム42L(図1および図3A参照)および第2右サイドフレーム42R(図2参照)に着脱自在に取り付けられている。
【0035】
図1図2および図3Aに示すように、下流側漏れ光抑制カバー70は、プラテン15に載置される記録媒体5の厚みが比較的薄い場合(即ち第1記録媒体5Aに印刷を行う場合)、フロントカバー60に対して第1の角度でベース部材40に取り付けられる。ここでは、下流側漏れ光抑制カバー70は、フロントカバー60と略平行である。図3Aに示すように、下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、少なくともフロントカバー60の下端60Bより下方において上下方向に延びる。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、後方から前方に向けて下降傾斜するように(即ち斜め下方に傾くように)配置されている。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71の上端70Tは、フロントカバー60の下端60Bより上方かつ後方に位置する。板状部材71の上端70Tは、プラテン15より上方に位置する。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71の下端70Bは、プラテン15の下端15Xより下方に位置する。下流側漏れ光抑制カバー70は、プラテン15より前方に位置する。図2に示すように、下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、正面視で(即ち副走査方向Xの下流側から見たときに)プラテン15と重なるように配置されている。
【0036】
図11図12および図13に示すように、下流側漏れ光抑制カバー70は、プラテン15に載置される記録媒体5の厚みが比較的厚い場合(即ち第2記録媒体5Bに印刷を行う場合)、フロントカバー60に対して第2の角度でベース部材40に取り付けられる。ここでは、下流側漏れ光抑制カバー70は、フロントカバー60に対する角度はα(図13参照)である。図13に示すように、下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、フロントカバー60の下端60Bより下方において副走査方向Xの下流側に延びるように配置されている。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、プラテン15の少なくとも一部(ここでは第2プラテン15B)の上方に配置されている。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、水平方向に延びるように配置されている。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71の前端70F(即ち副走査方向Xの下流側の端部)は、フロントカバー60より前方に位置する。板状部材71の前端70Fは、第2左サイドフレーム42Lの前端42LFより前方に位置する。下流側漏れ光抑制カバー70は、第1プラテン15Aより前方に位置する。下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71の後端70Rは、フロントカバー60の下端60Bよりも後方に位置する。図12に示すように、下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71は、正面視でプラテン15の一部(ここでは第2プラテン15Bの一部)と重なるように配置されている。
【0037】
図13に示すように、プリンタ10は、プラテン15から搬送された第2記録媒体5Bの移動をガイドする下流側ガイドテーブル45を備えている。即ち、下流側ガイドテーブル45は、第2記録媒体5Bがプラテン15に載置される場合(即ち第2記録媒体5Bに印刷を行うとき)に用いられる。下流側ガイドテーブル45は、ベース部材40に着脱可能に設けられている。下流側ガイドテーブル45は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42R(図11参照)に取り付けられる。下流側ガイドテーブル45は、第1プラテン15Aより前方(即ち副走査方向Xの下流側)に配置されている。下流側ガイドテーブル45は、第1プラテン15Aより下方かつ第2プラテン15Bの一部より上方に配置されている。下流側ガイドテーブル45は、下流側漏れ光抑制カバー70の板状部材71より下方に配置されている。
【0038】
図3Aに示すように、プリンタ10は、紫外線照射装置26A、26B(図2参照)から照射された光が第2開口58Bから外部に漏れることを抑制する上流側漏れ光抑制カバー80を備えている。上流側漏れ光抑制カバー80は、漏れ光抑制カバーの一例である。なお、上流側漏れ光抑制カバー80(より詳細には後述する遮蔽部材81)は、紫外線照射装置26A、26Bから照射された光のうち、プリンタ10の外部に漏れる光を例えば5%以下(好ましくは0%)に抑制している。上流側漏れ光抑制カバー80は、プラテン15に載置される記録媒体5の厚みに応じてその取り付け態様が異なる。
【0039】
図3Aに示すように、上流側漏れ光抑制カバー80は、第2開口58Bよりも後方(即ち副走査方向Xの上流側)に位置するようにベース部材40(より詳細には第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42R)に取り付けられている。上流側漏れ光抑制カバー80は、後述する長孔44に沿って副走査方向Xにスライド移動可能に構成されている。上流側漏れ光抑制カバー80は、本体ケース50の第2後壁56Bよりも前方(即ち副走査方向Xの下流側)に位置する。ここで、上流側漏れ光抑制カバー80が第2後壁56Bよりも前方に位置するとは、上流側漏れ光抑制カバー80の全体が第2後壁56Bよりも前方に位置する場合と、上流側漏れ光抑制カバー80の少なくとも回動中心(即ち支持軸82)が第2後壁56Bよりも前方に位置する場合とを含む。図4に示すように、上流側漏れ光抑制カバー80は、背面視で(即ち副走査方向Xの上流側から下流側を見たときに)、第2開口58B(図3Aも参照)の上下方向の全体と重なり、第2開口58Bを閉塞する第1位置P1と、第2開口58Bの上下方向の一部のみと重なり、第2開口58Bを開放する第2位置P2(図13および図14参照)との間で移動可能(例えば回動可能)なように構成されている。なお、第2開口58Bの上下方向の全体と重なるとは、第2開口58Bの上下方向の長さの90%以上(好ましくは100%)と重なることを意味する。本実施形態では、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するとき、上流側漏れ光抑制カバー80は第2開口58Bの上下方向の長さの100%と重なる。図3Aに示すように、上流側漏れ光抑制カバー80は、プラテン15より後方に位置する。上流側漏れ光抑制カバー80は、第1記録媒体5Aがプラテン15に載置される場合(即ち第1記録媒体5Aに印刷される場合)、および、第2記録媒体5Bがプラテン15に載置される場合(即ち第2記録媒体5Bに印刷される場合)のいずれの場合にも、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに取り付けられている。なお、上流側漏れ光抑制カバー80は、第1記録媒体5Aに印刷を行う場合には第1位置P1に位置し、第2記録媒体5Bに印刷を行う場合には第2位置P2に位置する。
【0040】
図4に示すように、上流側漏れ光抑制カバー80は、主走査方向Yに延びる遮蔽部材81と、遮蔽部材81の左端および右端に設けられた支持軸82と、後述する検出センサ95と接触する押圧板83(図3A参照)とを備えている。上流側漏れ光抑制カバー80は、支持軸82を中心に第1位置P1(図3A参照)と第2位置P2(図7参照)との間で回動可能に構成されている。遮蔽部材81は、紫外線照射装置26A、26Bから照射された光が第2開口58Bからプリンタ10の外部(後側)に漏れることを抑制する部材であって、板金を折り曲げて構成されている。図3Aに示すように、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するときにおいて、遮蔽部材81は、主走査方向Yおよび上下方向に延びる第1部分81Aと、第1部分81Aの上端から前方に延びる第2部分81Bと、第1部分81Aの下端から前方に延びる第3部分81Cと、第3部分81Cの前端から後斜め上方に延びる第4部分81Dとを有する。第1部分81Aは、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するときに上下方向に延び、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2(図7参照)に位置するときに副走査方向Xに延びる。図6に示すように、第1部分81Aの左端81Lには、右方に凹む切り欠き部81Xが形成されている。上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置する状態で遮蔽部材81が回動するときに切り欠き部81Xはカバー支持部材75の支持部76Bを通過する。なお、図示は省略するが、第1部分81Aの右端81R(図4参照)にも、切り欠き部81Xと左右対称の形状を有する左方に凹む切り欠き部が形成されている。図3Aに示すように、第3部分81Cの副走査方向Xの長さは、第2部分81Bの副走査方向Xの長さよりも長い。図4に示すように、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するとき、背面視で第1部分81Aは第2開口58Bの上下方向の全体と重なる。図14に示すように、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するとき、背面視で第3部分81Cは第2開口58Bの上下方向の一部と重なる。図4に示すように、支持軸82は主走査方向Yに延びる。図3Aに示すように、支持軸82は遮蔽部材81の第2部分81Bに設けられている。支持軸82は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rにそれぞれ形成された後述する長孔44に挿入されている。支持軸82は、遮蔽部材81を本体ケース50に対して回動可能に支持する。押圧板83は、遮蔽部材81の第1部分81Aに設けられている。押圧板83は、前方に向けて突出する。押圧板83は、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するときに、後述する検出センサ95と接触するように構成されている。
【0041】
図3Aに示すように、第2左サイドフレーム42Lには、長孔44が形成されている。なお、図17に示すように、第2右サイドフレーム42Rにも同形状の長孔44が形成されている。長孔44には、上流側漏れ光抑制カバー80の支持軸82が挿入される。長孔44は、副走査方向Xに延びる。図3Bは長孔44の形状を表す拡大図である。図3Bに示すように、長孔44は、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1(図3A参照)に位置するときに支持軸82が配置される第1部分44Aと、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2(図13参照)に位置するときに支持軸82が配置される第2部分44Bと、第1部分44Aと第2部分44Bとの間に位置する第3部分44Cとを含む。第2部分44Bは、第1部分44Aより前方(即ち副走査方向Xの下流側)に位置する。第2部分44Bは、第1部分44Aより下方に位置する。第3部分44Cは、第1部分44Aより上方に位置する。図3Bに示すように、上流側漏れ光抑制カバー80の支持軸82は、断面が四角形状の非係合部82aと、非係合部82aの先端側に設けられた断面円形の係合部82bとを有している。長孔44には係合部82bが係合している。支持軸82は、長孔44の第1部分44Aと第2部分44Bとの間で副走査方向Xに移動可能に構成されている。
【0042】
図13に示すように、プリンタ10は、上流側漏れ光抑制カバー80を下方から支持するカバー支持部材75を備えている。カバー支持部材75は、支持部材の一例である。カバー支持部材75は、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するときに上流側漏れ光抑制カバー80を下方から支持する。カバー支持部材75は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rにそれぞれ設けられている。なお、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに設けられたカバー支持部材75は、副走査方向Xに延びる直線に対して平面視で左右対称であるため、以下では第2左サイドフレーム42Lに設けられたカバー支持部材75について説明する。図6に示すように、カバー支持部材75は、第2左サイドフレーム42Lに固定されたL字状の板部材76と、板部材76に設けられた係止部77とを有する。板部材76は、上下方向および副走査方向Xに延びる固定部76Aと固定部76Aの上端から右方に延びる支持部76Bとを有する。支持部76Bは、上流側漏れ光抑制カバー80を下方から支持する。係止部77は、支持部76Bの上面に設けられている。係止部77は、例えば、ゴム材料から形成されている。図13に示すように、カバー支持部材75は、第3プラテン15Cより後方に配置されている。カバー支持部材75は、長孔44より後方に配置されている。カバー支持部材75は、第1下壁57Aより下方に配置されている。カバー支持部材75は、本体ケース50の第2後壁56Bより前方に配置されている。カバー支持部材75は、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1(図3A参照)に位置するときには、上流側漏れ光抑制カバー80を支持しない。
【0043】
図3Aに示すように、上流側漏れ光抑制カバー80は、第2左サイドフレーム42Lに形成された長孔44の第1部分44A(図7参照)に挿入された支持軸82を中心にして図3Aの矢印R1の方向に回転可能に構成されている。図9に示すように、上流側漏れ光抑制カバー80が第1部分44Aに挿入された支持軸82を中心に回転すると、上流側漏れ光抑制カバー80の遮蔽部材81に形成された切り欠き部81Xはカバー支持部材75の支持部76Bを通過する。これにより、遮蔽部材81をカバー支持部材75よりも上方に位置させることができる。この状態で、上流側漏れ光抑制カバー80を前方にスライド移動させて、支持軸82を長孔44の第3部分44C(図7参照)を通過させて第2部分44B(図3A参照)に挿入させる。これにより、図10に示すように、遮蔽部材81の端部81Zがカバー支持部材75の係止部77(図9参照)上に配置される。即ち、端部81Zと係止部77との副走査方向Xの位置が一致する。このようにして、上流側漏れ光抑制カバー80はカバー支持部材75の支持部76Bによって下方から支持された状態で、第2位置P2(図7参照)に位置する状態を保持している。上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するとき、遮蔽部材81は前後方向(副走査方向X)に延びる。一方、上流側漏れ光抑制カバー80を第2位置P2から第1位置P1(図3A参照)に移動させるときには、図7の状態から上流側漏れ光抑制カバー80を後方にスライド移動させて、支持軸82を長孔44の第3部分44C(図7参照)を通過させて第1部分44Aに挿入させる。これにより、遮蔽部材81の端部81Zとカバー支持部材75の係止部77との副走査方向Xの位置がずれて遮蔽部材81の切り欠き部81Xはカバー支持部材75を通過可能になる。そして、上流側漏れ光抑制カバー80を図7の矢印R2の方向に回転させると、遮蔽部材81の切り欠き部81Xはカバー支持部材75の支持部76Bを通過して、上流側漏れ光抑制カバー80は第1位置P1に位置する。このとき、上流側漏れ光抑制カバー80の押圧板83は検出センサ95の後述するスイッチ97(図8参照)を押圧する。上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するとき、遮蔽部材81は上下方向に延びる。
【0044】
図3Aに示すように、プリンタ10は、上流側漏れ光抑制カバー80または後述する上流側ガイドテーブル65(図13参照)が取り付けられているか否かを検出する検出センサ95を備えている。検出センサ95は、上流側漏れ光抑制カバー80の押圧板83が検出センサ95のスイッチ97(図8参照)を押圧したときに、上流側漏れ光抑制カバー80が取り付けられていることを検出する。検出センサ95は、上流側ガイドテーブル65の後述する押圧部材67(図13参照)が検出センサ95のスイッチ97を押圧したときに、上流側ガイドテーブル65が取り付けられていることを検出する。検出センサ95は、第2左サイドフレーム42Lに設けられている。図8に示すように、検出センサ95は、箱状の本体部96と、本体部96に設けられかつ押圧されたときにオン状態となり上流側漏れ光抑制カバー80または上流側ガイドテーブル65が取り付けられていることを検知するスイッチ97と、を備えている。スイッチ97は、上流側漏れ光抑制カバー80の押圧板83または上流側ガイドテーブル65の押圧部材67に押圧される。
【0045】
検出センサ95は、第1記録媒体5Aがプラテン15に載置される場合(即ち第1記録媒体5Aに印刷を行う場合)には、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1(図3A参照)に位置するときに、上流側漏れ光抑制カバー80が取り付けられていることを検出するように構成されている。また、検出センサ95は、第2記録媒体5Bがプラテン15に載置される場合(即ち第2記録媒体5Bに印刷を行う場合)には、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置(図13参照)に位置しかつ上流側ガイドテーブル65が第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに取り付けられているときに、上流側ガイドテーブル65が取り付けられていることを検出するように構成されている。
【0046】
図13に示すように、プリンタ10は、第2記録媒体5Bの移動をガイドしてプラテン15に搬送する上流側ガイドテーブル65を備えている。即ち、上流側ガイドテーブル65は、第2記録媒体5Bがプラテン15に載置される場合(即ち第2記録媒体5Bに印刷を行うとき)に用いられる。上流側ガイドテーブル65には第2記録媒体5Bが載置される。上流側ガイドテーブル65は、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置させることで、上流側漏れ光抑制カバー80との干渉を防止しつつ、プラテン15よりも後方(即ち副走査方向Xの上流側)に位置するようにベース部材40に取り付けられる。上流側ガイドテーブル65は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42R(図11参照)に着脱可能に取り付けられる。上流側ガイドテーブル65は、第1プラテン15Aより後方(即ち副走査方向Xの上流側)に配置されている。上流側ガイドテーブル65は、第1プラテン15Aより下方かつ第3プラテン15Cの一部より上方に配置されている。上流側ガイドテーブル65は、上流側漏れ光抑制カバー80より下方に配置されている。上流側ガイドテーブル65の後端65Rは、本体ケース50の第2後壁56Bより後方に位置する(図15も参照)。なお、上流側ガイドテーブル65は、第1記録媒体5Aがプラテン15に載置される場合(即ち第1記録媒体5Aに印刷を行うとき)にはプリンタ10から取り外される。上流側ガイドテーブル65は、ガイドテーブルの一例である。
【0047】
図13に示すように、上流側ガイドテーブル65は、主走査方向Yに延びる板部材66と、検出センサ95と接触する押圧部材67とを備えている。板部材66には、第2記録媒体5Bが載置される。板部材66は、第2記録媒体5Bの移動をガイドする部材である。板部材66は、紫外線照射装置26A、26Bから照射された光の一部が第2開口58Bからプリンタ10の外部(後側)に漏れることを抑制する部材である。板部材66は、板金を折り曲げて構成されている。板部材66は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに延びる第1部分66Aと、第1部分66Aの前端から前斜め下方に延びる第2部分66Bと、第1部分66Aの後端から下方に延びる第3部分66Cとを有する。第2部分66Bは、第3プラテン15Cの上方に位置する。第3部分66Cは、本体ケース50の第2後壁56Bより後方に位置する。押圧部材67は、第1部分66Aに設けられている。押圧部材67は、上流側ガイドテーブル65が後述するテーブル支持部材110に支持されているときに、検出センサ95と接触するように構成されている。押圧部材67は、検出センサ95のスイッチ97(図8参照)を押圧する。
【0048】
図13に示すように、プリンタ10は、上流側ガイドテーブル65を下方から支持するテーブル支持部材110を備えている。テーブル支持部材110は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rにそれぞれ設けられている。なお、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに設けられたテーブル支持部材110は、副走査方向Xに延びる直線に対して平面視で左右対称であるため、以下では第2左サイドフレーム42Lに設けられたテーブル支持部材110について説明する。テーブル支持部材110は、上下方向および副走査方向Xに延び、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに固定される固定壁111(図10も参照)と、固定壁111の下端から右方に突出しかつ上流側ガイドテーブル65を下方から支持する支持壁112(図10も参照)と、を備えている。テーブル支持部材110は、第1プラテン15Aより後方に配置されている。テーブル支持部材110は、第3プラテン15Cの一部より上方に配置されている。テーブル支持部材110は、長孔44より下方に配置されている。テーブル支持部材110は、カバー支持部材75より下方に配置されている。テーブル支持部材110は、検出センサ95より上方に配置されている。図3Cおよび図6に示すように、テーブル支持部材110の支持壁112には、切り欠き部112Hが形成されている。切り欠き部112Hは、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するときに、上流側漏れ光抑制カバー80(詳細には遮蔽部材81)とテーブル支持部材110との干渉を防止するために形成されている。上流側漏れ光抑制カバー80は、支持壁112のうち切り欠き部112Hの前方に位置する支持部分112Xに指示される。なお、図8および図15では、テーブル支持部材110の図示を省略している。
【0049】
以上のように、本実施形態のプリンタ10では、長孔44は、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するときに支持軸82が配置される第1部分44Aと、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するときに支持軸82が配置されかつ第1部分44Aよりも下方かつ副走査方向Xの下流側(ここでは前方)に位置する第2部分44Bと、を含む。即ち、上流側漏れ光抑制カバー80が第1位置P1に位置するとき(即ち本体ケース50の第2開口58Bを閉塞するとき)よりも、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するとき(即ち第2開口58Bを開放するとき)のほうが、上流側漏れ光抑制カバー80の支持軸82は副走査方向Xの下流側かつより低い位置に設定されている。このため、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するときには、支持軸82が長孔44内で副走査方向Xに移動することが抑制されるため、上流側漏れ光抑制カバー80を第2位置P2に安定して位置させることができる。即ち、上流側漏れ光抑制カバー80を開いた状態(第2開口58Bが開放された状態)に安定して維持することができる。
【0050】
本実施形態のプリンタ10によれば、遮蔽部材81には、遮蔽部材81が回動するときにカバー支持部材75の支持部76Bを通過する切り欠き部81Xが形成されている。ここで、遮蔽部材81に切り欠き部81Xが形成されていない場合は、遮蔽部材81が回動するときに遮蔽部材81とカバー支持部材75とが干渉するため、遮蔽部材81を回動させた後に、カバー支持部材75は、ベース部材40の第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rを固定しなければならない。よって、遮蔽部材81の開閉動作に手間がかかる。一方、カバー支持部材75が第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに固定されている場合であっても、上記切り欠き部81Xにより、遮蔽部材81が回動するときに遮蔽部材81とカバー支持部材75との干渉を防止することができる。さらに、上流側漏れ光抑制カバー80は、支持軸82が副走査方向Xに延びる長孔44に挿入されているため、支持軸82を長孔44に沿って移動させることで、上流側漏れ光抑制カバー80の切り欠き部81Xを副走査方向Xに移動させることができる。これにより、遮蔽部材81を回動させた後は、切り欠き部81Xを副走査方向Xに移動させることで、遮蔽部材81をカバー支持部材75と上下方向で重なる位置に配置できる。よって、遮蔽部材81が回動するときには、切り欠き部81Xにより第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに固定されているカバー支持部材75との干渉を防止しつつ、上流側漏れ光抑制カバー80の回動後は長孔44に沿って上流側漏れ光抑制カバー80を副走査方向Xに移動させることで、カバー支持部材75に支持させることができる。
【0051】
本実施形態のプリンタ10によれば、長孔44は、副走査方向Xに関して第1部分44Aと第2部分44Bとの間に位置しかつ第1部分44Aよりも上方に位置する第3部分44Cを含む。かかる構成によると、上流側漏れ光抑制カバー80の支持軸82を第1部分44Aから第2部分44Bに移動させるとき、および、第2部分44Bから第1部分44Aに移動させるときには支持軸82を上方に意図しても持ち上げなければならないため、通常の使用時には上流側漏れ光抑制カバー80が意図せずに副走査方向Xにスライド移動することを抑制することができる。
【0052】
本実施形態のプリンタ10によれば、上流側漏れ光抑制カバー80が第2位置P2に位置するときにプラテン15よりも副走査方向Xの上流側に位置するようにベース部材40に取り付けられ、第2記録媒体5Bが載置される上流側ガイドテーブル65を備えている。かかる構成によると、第2開口58Bから後方に向けて漏れる光がプリンタ10の外部に漏れることを抑制しつつ、比較的厚みの厚い第2記録媒体5Bを用いて印刷を行うことができる。
【0053】
図16は、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ210(以下プリンタ210とする)の背面側から見たときの上流側漏れ光抑制カバー180が第1位置P1に位置する状態を示す斜視図である。図16に示すように、第2実施形態に係るプリンタ210では、上流側漏れ光抑制カバー180を備えること、規制部材100が設けられていること、支持部76Bに被覆部76Cが設けられていることを除き第1実施形態に係るプリンタ10と同様である。上流側漏れ光抑制カバー180は、その外形が上流側漏れ光抑制カバー80の外形と異なる点を除いて、上流側漏れ光抑制カバー80と同様の構成である。図17に示すように、上流側漏れ光抑制カバー180が第1位置P1に位置するときにおいて、遮蔽部材181は、主走査方向Yおよび上下方向に延びる第1部分181Aと、第1部分181Aの上端から前斜め上方に延びる第2部分181Bと、第1部分181Aの下端から前方に延びる第3部分181Cと、第3部分181Cの前端から上方に延びる第4部分181Dとを有する。第1部分181Aは、上流側漏れ光抑制カバー180が第1位置P1に位置するときに上下方向に延び、上流側漏れ光抑制カバー180が第2位置P2(例えば図7参照)に位置するときに副走査方向Xに延びる。支持軸82は遮蔽部材181の第2部分181Bに設けられている。支持軸82は、第2右サイドフレーム42Rに形成された長孔44に挿入されている。
【0054】
図16に示すように、遮蔽部材181の第1部分181Aの右端181Rには、左方に凹む切り欠き部81Xが形成されている。上流側漏れ光抑制カバー180が第1位置P1に位置する状態で遮蔽部材181が回動するときに切り欠き部81Xはカバー支持部材75の支持部76Bを通過する。ここで、カバー支持部材75は、支持部76Bの表面を被覆する被覆部76Cを備えている。被覆部76Cは、遮蔽部材181の端部181Zと接触する。上流側漏れ光抑制カバー180が第2位置P2に位置するとき、遮蔽部材181の端部181Zがカバー支持部材75の被覆部76C上に配置され、遮蔽部材181はカバー支持部材75の支持部76Bによって下方から支持されている。被覆部76Cは、ゴムまたは樹脂(例えばポリ塩化ビニル)から形成されている。被覆部76Cは、例えば、支持部76Bにディッピング処理を施すことによって形成される。即ち、液状のゴムまたは樹脂に支持部76Bを浸すことで支持部76Bの表面に被覆部76Cを形成する。被覆部76Cは、支持部76Bの表面に固着されているため、被覆部76Cに遮蔽部材181がどの方向から接触しても被覆部76Cは、支持部76Bから外れない。
【0055】
図16に示すように、プリンタ210は、規制部材100を備えている。規制部材100は、上流側漏れ光抑制カバー180の副走査方向Xの移動を規制する。規制部材100は、ベース部材40(より詳細には第2右サイドフレーム42R)に取り付けられている。規制部材100は、第2右サイドフレーム42Rから左方に突出する。図17に示すように、規制部材100は、長孔44より下方に位置する。規制部材100は、被支持部101と、接触部102とを備えている。被支持部101は、ベース部材40(より詳細には第2右サイドフレーム42R)に支持されている。接触部102は、被支持部101から突出(ここでは左方に突出)する。接触部102は、遮蔽部材181と接触可能に設けられている。接触部102は、長孔44の第1部分44Aより下方かつ副走査方向Xの上流側(ここでは後方)に位置する。接触部102は、カバー支持部材75より下方かつ副走査方向Xの下流側(ここでは前方)に位置する。接触部102は、断面L字状に形成されている。図16に示すように、接触部102は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに延びる横壁102Aと、主走査方向Yおよび上下方向に延びる縦壁102Bとを備えている。
【0056】
図18に示すように、ベース部材40(より詳細には第2右サイドフレーム42R)と被支持部101とが接触する部分である基準位置K1から接触部102のうち被支持部101から主走査方向Yに最も離れた部分(即ち左端102L)までの主走査方向Yの長さK2は、基準位置K1から切り欠き部81Xのうち被支持部101から主走査方向Yに最も離れた部分(即ち左縁81XL)までの主走査方向Yの長さK3よりも長い。このため、遮蔽部材181の切り欠き部81Xが規制部材100の接触部102を通過することはない。
【0057】
図17に示すように、支持軸82が長孔44の第1部分44Aに配置されているときに、遮蔽部材181が規制部材100と接触することにより、規制部材100は支持軸82が第1部分44Aから第2部分44Bに移動することを規制する。即ち、遮蔽部材181が第1部分44Aに配置された支持軸82を中心にして図17の矢印T1の方向に回転しようとすると、遮蔽部材181(より詳細には第2部分181B)が規制部材100の接触部102と接触するため、支持軸82は第1部分44Aに留まる。一方、遮蔽部材181が第1部分44Aに配置された支持軸82を中心にして図17の矢印T2の方向に回転させると、遮蔽部材181に形成された切り欠き部81Xはカバー支持部材75の支持部76Bを通過する。そして、支持軸82を第1部分44Aから第2部分44Bに移動させることができる。
【0058】
本実施形態のプリンタ210は、ベース部材40の第2右サイドフレーム42Rに設けられ、上流側漏れ光抑制カバー180の副走査方向Xへの移動を規制する規制部材100を備え、支持軸82が第1部分44Aに配置されているときに、遮蔽部材181が規制部材100と接触することにより、規制部材100は支持軸82が第1部分44Aから第2部分44Bに移動することを規制する。上記態様によれば、支持軸82が第1部分44Aに配置されているとき、即ち、上流側漏れ光抑制カバー180が第1位置P1に位置するときには、規制部材100によって支持軸82が長孔44内で副走査方向Xに移動することが抑制されるため、上流側漏れ光抑制カバー180を第1位置P1に安定して位置させることができる。即ち、上流側漏れ光抑制カバー180が閉じた状態(第2開口58Bが閉塞された状態)に安定して維持することができる。
【0059】
本実施形態のプリンタ210は、規制部材100は、ベース部材40の第2右サイドフレーム42Rに支持される被支持部101と、被支持部101から突出しかつ遮蔽部材181と接触可能に設けられた接触部102とを備え、接触部102は、長孔44の第1部分44Aより下方かつ副走査方向Xの上流側に位置する。上記態様によれば、規制部材100によって支持軸82が長孔44内で副走査方向Xに移動することをより確実に抑制することができる。
【0060】
本実施形態のプリンタ210では、ベース部材40の第2右サイドフレーム42Rと被支持部101とが接触する部分である基準位置K1から接触部102のうち被支持部101から主走査方向Yに最も離れた部分(即ち左端102L)までの主走査方向Yの長さK2は、基準位置K1から切り欠き部81Xのうち被支持部101から主走査方向Yに最も離れた部分(即ち左縁81XL)までの主走査方向Yの長さK3よりも長い。上記態様によれば、遮蔽部材181が回動するときに、規制部材100の接触部102は切り欠き部81Xを通過することがないため、接触部102は確実に遮蔽部材182と接触することができる。これにより、規制部材100の配置場所の自由度が高まる。
【0061】
本実施形態のプリンタ210では、カバー支持部材75は、ゴムまたは樹脂から形成されかつ支持部76Bの表面を被覆する被覆部76Cを備え、被覆部76Cは、遮蔽部材181と接触する。上記態様によれば、支持部76Bの表面が被覆部76Cによって被覆されているため、支持部76B上に上流側漏れ光抑制カバー180の遮蔽部材181を配置するときに異音が発生したり、遮蔽部材181に摩耗が生じたりすることを抑制することができる。また、被覆部76Cは支持部76Bの表面を被覆しているため、使用時に脱落することが抑制される。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0063】
上述した各実施形態では、長孔44は、ベース部材40の第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに形成されていたが、本体ケース50に形成されていてもよい。即ち、上流側漏れ光抑制カバー80は本体ケース50に取り付けられていてもよい。
【0064】
上述した各実施形態では、カバー支持部材75は、ベース部材40の第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに設けられていたが、本体ケース50に設けられていてもよい。また、カバー支持部材75は、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rにそれぞれ設けられていたが、第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rのいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0065】
上述した各実施形態では、上流側ガイドテーブル65は、ベース部材40の第2左サイドフレーム42Lおよび第2右サイドフレーム42Rに取り付けられていたが、本体ケース50に取り付けられていてもよい。
【0066】
上述した各実施形態では、長孔44の第2部分44Bは、第1部分44Aより前方(即ち副走査方向Xの下流側)に位置していたが、第2部分44Bは、第1部分44Aより後方(即ち副走査方向Xの上流側)に位置していてもよい。
【符号の説明】
【0067】
5 記録媒体
5B 第2記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
15 プラテン
22 キャリッジ
24 インクヘッド
26A、26B 紫外線照射装置
40 ベース部材
42L 第2左サイドフレーム
42R 第2右サイドフレーム
44 長孔
44A 第1部分
44B 第2部分
44C 第3部分
65 上流側ガイドテーブル
75 カバー支持部材(支持部材)
76B 支持部
76C 被覆部
80 上流側漏れ光抑制カバー(漏れ光抑制カバー)
81 遮蔽部材
81X 切り欠き部
82 支持軸
100 規制部材
101 被支持部
102 接触部
110 テーブル支持部材
180 上流側漏れ光抑制カバー(漏れ光抑制カバー)
181 遮蔽部材
210 プリンタ(インクジェットプリンタ)
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18