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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058539
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】脊髄刺激装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010907
(22)【出願日】2023-01-27
(62)【分割の表示】P 2019569657の分割
【原出願日】2018-03-02
(31)【優先権主張番号】62/466,487
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/532,464
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519318030
【氏名又は名称】マンセル、ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンセル、ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、新たな脊髄刺激のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】脊髄刺激装置は、出力電流を生成するように構成された電子回路を備えるパルス発生器と、発生器と通信し、患者の脊柱の硬膜外腔内に延びるように構成された少なくとも1つのリードと、少なくとも1つのリードの遠位端に近接して配置され、患者の脊髄の一部に電気刺激を提供するように構成された少なくとも1つの電極接点と、少なくとも1つのリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定するように構成された、少なくとも1つのリードに沿って配置された少なくとも1つのセンサとを備えてもよく、発生器は特定された距離を受信し、発生器は、特定された距離に基づいて、少なくとも1つの電極接点によって提供された刺激を調整するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊髄刺激装置であって、
出力電流を生成するように構成された電子回路を備えるパルス発生器と、
前記発生器と通信し、患者の脊柱の硬膜外腔内に延びるように構成された少なくとも1つのリードと、
前記少なくとも1つのリードの遠位端に近接して配置され、患者の脊髄の一部に電気刺激を提供するように構成された少なくとも1つの電極接点と、
前記少なくとも1つのリードと前記患者の脊髄の表面との間の距離を特定するように構成された、前記少なくとも1つのリードに沿って配置された少なくとも1つのセンサとを備え、前記発生器が前記特定された距離を受信し、前記発生器が、前記特定された距離に基づいて、前記少なくとも1つの電極接点によって提供された前記刺激を調整するように構成される脊髄刺激装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリードの前記遠位端に近接して配置された複数の電極接点を備える電極アレイをさらに備える、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項3】
前記電極アレイが、第1の電極接点と第2の電極接点との間に誘導電流のゾーンを生成するように構成され、誘導電流の前記ゾーンが前記患者の脊柱内に配置される、請求項2に記載の脊髄刺激装置。
【請求項4】
前記発生器が、前記電極アレイによって生成された誘導電流の前記ゾーンの位置を調整することにより、前記特定された距離に基づいて前記刺激を調整するように構成される、請求項3に記載の脊髄刺激装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサが超音波センサを備える、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサが、超音波信号を生成するように構成された圧電素子と、反射された超音波信号を検出するように構成された検出器素子とを備える、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項7】
前記反射された超音波信号が、前記患者の脊髄の背面から反射される、請求項6に記載の脊髄刺激装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサが、前記少なくとも1つのリードと前記患者の脊髄の前記表面との間の前記距離を周期的に検出するように構成される、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリードを囲む絶縁材料をさらに含む、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項10】
患者による運動または動きを検出するように構成された運動センサをさらに備え、前記発生器が、前記少なくとも1つのセンサを起動して、前記運動センサによって検出された運動に基づいて、前記少なくとも1つのリードと前記患者の脊髄の前記表面との間の前記距離を特定するように構成される、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項11】
電気治療理学療法の方法であって、
患者の脊柱の硬膜外腔内に1つ以上のリードを配置することと、
患者の脊髄の標的刺激領域の近くに前記1つ以上のリードを配置することと、
前記1つ以上のリードと通信する発生器によって出力電流を生成することにより、前記1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された少なくとも1つの電極接点を刺激することと、
センサによって、前記1つ以上のリードと前記患者の脊髄の表面との間の距離を特定することと、
前記特定された距離に基づいて、前記少なくとも1つの電極接点の刺激を調整することとを含む方法。
【請求項12】
前記1つ以上のリードに対する前記患者の脊髄の位置の変化を検出することと、前記1つ以上のリードと前記患者の脊髄の前記表面との間の前記距離を特定するための前記センサを作動させることとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
患者の運動を検出することと、前記1つ以上のリードと前記患者の脊髄の前記背面との間の前記距離を特定するための前記センサを作動させることとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの電極接点を刺激することが、前記少なくとも1つの電極接点からの電流刺激により前記患者の脊髄の一部を刺激することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電極接点の前記刺激を調整することが、前記少なくとも1つの電極接点からの電流刺激の強度を調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの電極接点を刺激することが、
第1の電極接点を刺激することと、
第2の電極接点を刺激することと、
前記第1の電極接点および前記第2の電極接点を刺激することに基づいて、前記患者の脊髄内に誘導電流のゾーンを作り出すこととを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの電極接点の前記刺激を調整することが、前記第1の電極の前記刺激を調整することと、前記第2の電極の前記刺激を調整することとを含み、前記第1の電極の前記刺激を調整することおよび前記第2の電極の前記刺激を調整することによって、前記第1の電極接点および前記第2の電極接点の前記刺激によって作り出される誘導電流の前記ゾーンの位置が変更される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記センサによって前記1つ以上のリードと前記患者の脊髄の前記表面との間の前記距離を特定することが、
前記センサによって超音波信号を生成することと、
前記センサによって、反射された超音波信号を検出することと、ここで前記超音波信号は、前記患者の脊髄の前記表面によって反射され、
前記検出された反射された超音波信号を分析して、前記センサと前記脊髄の前記表面との間の距離を特定することとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの電極接点の前記刺激を調整することが、前記刺激のパルス強度、位相、周波数および持続時間のうちの少なくとも1つを調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
電気治療理学療法の方法であって、
患者の脊柱の硬膜外腔内に1つ以上のリードを配置することと、
患者の脊髄の標的刺激領域の近くに前記1つ以上のリードを配置することと、
前記1つ以上のリードと通信する発生器によって第1の出力電流を生成することにより、前記1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された第1の電極接点を刺激することと、
前記1つ以上のリードと通信する前記発生器によって第2の出力電流を生成することにより、前記1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された第2の電極接点を刺激することと、
前記第1の電極接点および前記第2の電極接点を刺激することに基づいて、刺激を引き起こす誘導電流のゾーンを作り出すことと、
センサによって、前記1つ以上のリードと前記患者の脊髄の表面との間の距離を特定することと、
前記特定された距離に基づいて、刺激を引き起こす誘導電流の前記ゾーンの位置を調整することとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療機器に関する。さらに詳細には、本開示は、脊髄刺激装置および心臓ペースメーカーなどを用いた電気治療刺激のための改善された方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
50年以上にわたり、慢性疼痛の治療のための治療法として、脊髄後柱の電気刺激が利用されてきた。一般に、標的電気刺激、または埋め込み装置からの薬理学的送達による治療効果を目的として、中枢、末梢または自律神経系を用いる治療的介入は、ニューロモデュレーションと呼ばれる。脊髄刺激(SCS)とも呼ばれる脊髄後柱刺激は、神経障害性疼痛の治療に使用されるニューロモデュレーションの最も確立された形態の一つである。神経障害性疼痛とは、神経組織によって生じる疼痛を指し、末梢神経系または中枢神経系の神経損傷に対する非適応性の反応である。神経障害性疼痛は、中枢神経系以外のあらゆる形態の組織損傷とは無関係に存在する場合がある。神経障害性疼痛を引き起こす可能性のある状態の例には、疾患(例えば、HIV、ヘルペス、糖尿病、癌、自己免疫障害)、急性外傷(手術、傷害、電気ショック)および慢性外傷(反復運動障害(repetitive motion disorder)、アルコール、化学療法または重金属などの化学毒性)が挙げられる。
【0003】
SCSは、虚血性疼痛症候群、例えば、慢性膵炎、慢性疼痛性膀胱症候群(chronic painful bladder syndrome)、慢性腹痛、腕神経叢損傷、幻肢痛および虚血性肢痛を含む慢性重症虚血肢、狭心症および他の内臓痛症候群の治療にも使用される。
【0004】
疼痛管理の方法としてのSCSの有効性に対する一つの課題は、SCSの電圧および電流の閾値が体位によって変化することが観察されているという観察結果である。仰臥位から座位または立位に移動する際の電圧または電流要件の顕著な変化が確認されている。したがって、姿勢位置の変化に動的に適応することができるSCSシステムを開発する継続的な必要性が存在する。さらに、内臓痛とともに体性痛の治療にSCSの治療効果を拡大することができる方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態では、脊髄刺激装置は、出力電流を生成するように構成された電子回路を備えるパルス発生器と、発生器と通信し、患者の脊柱の硬膜外腔内に延びるように構成された少なくとも1つのリードと、少なくとも1つのリードの遠位端に近接して配置され、患者の脊髄の一部に電気刺激を提供するように構成された少なくとも1つの電極接点と、少なくとも1つのリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定するように構成された、少なくとも1つのリードに沿って配置された少なくとも1つのセンサとを備えてもよく、発生器は特定された距離を受信し、発生器は、特定された距離に基づいて、少なくとも1つの電極接点によって提供された刺激を調整するように構成される。
【0006】
本開示の別の実施形態では、電気治療理学療法の方法は、患者の脊柱の硬膜外腔内に1つ以上のリードを配置することと、患者の脊髄の標的刺激領域の近くに1つ以上のリードを配置することと、1つ以上のリードと通信する発生器によって出力電流を生成することにより、1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された少なくとも1つの電極接点を刺激することと、センサによって、1つ以上のリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定することと、特定された距離に基づいて、少なくとも1つの電極接点の刺激を調整することとを含んでもよい。
【0007】
本開示のさらに別の実施形態では、電気治療理学療法の方法は、患者の脊柱の硬膜外腔内に1つ以上のリードを配置することと、患者の脊髄の標的刺激領域の近くに1つ以上のリードを配置することと、1つ以上のリードと通信する発生器によって第1の出力電流を生成することにより、1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された第1の電極接点を刺激することと、1つ以上のリードと通信する発生器によって第2の出力電流を生成することにより、1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された第2の電極接点を刺激することと、第1の電極接点および第2の電極接点を刺激することに基づいて、刺激を引き起こす誘導電流のゾーンを作り出すことと、センサによって、1つ以上のリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定することと、特定された距離に基づいて、刺激を引き起こす誘導電流のゾーンの位置を調整することとを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態によるSCSを示す。
図2】本開示の一実施形態による、患者の脊髄内に配置されたSCSの断面図を示す。
図3】本開示の一実施形態による、患者の脊髄内に配置されたSCSの別の断面図を示す。
図4】本開示の一実施形態によるSCS内で使用するための電極アレイを示す。
図5】本開示の一実施形態によるSCS内で使用するための電極アレイを示す。
図6A】本開示の一実施形態による2つの波形間の相互作用を示す。
図6B】本開示の一実施形態による2つの波形間の相互作用を示す。
図7】本開示の一実施形態によるSCSの1つ以上の素子間の通信を示す。
図8】本開示の一実施形態によるSCSを配置する際に使用するためのディスプレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示されるのは、SCSシステムが埋め込まれた対象の姿勢特徴の変化に応じてSCSシステムの電気出力の1つ以上の特徴を変化させる脊髄刺激(SCS)システムを備える電気治療理学療法である。一態様では、SCSシステムは、選択された時間に選択された持続時間にわたり電流を送達して、治療される対象の姿勢変化に対処し、内臓痛またはその両方に対処することができるように独立してプログラムすることができる複数の電極を備える。以下、このようなシステムを位相姿勢変化脊髄刺激装置と称し、PACSと呼ぶ。
【0010】
他に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、請求項に係る材料が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。以下の用語が定義される。
【0011】
本明細書で使用される用語「連通する」は、刺激リードが、所定の刺激部位に隣接しているか、概して近接しているか、近接しているか、直接隣接しているか、直接その上にあることを指す。したがって、刺激が神経活動を調節する場合、リードが所定の部位と「連通している」ことを理解されたい。所定の部位は、頸椎分節C1~C8、胸椎分節T1~T12、または腰椎分節L1およびL2に対応する脊髄領域を含み得る脊髄と脊髄の脊髄後柱とからなる群から選択され得る。さらに、脊髄は通常、第2腰椎L2またはそのすぐ上で終端することを理解されたい。ただし、特定の対象では、脊髄はL2椎骨分節の前または後ろで終端する場合があり、請求項に係る材料は、長さに関係なく脊髄の全長に沿って使用することを目的とする。
【0012】
本明細書で使用される「脊髄」、「脊椎分節に関連する脊髄神経組織」、「脊椎分節に関連する神経組織」または「脊椎分節またはレベルに関連する脊髄」には、脊椎レベルまたは分節に関連する任意の脊髄神経組織が含まれる。脊髄およびそれに関連する組織は、頸椎、胸椎および腰椎に関連していることを理解されたい。本明細書で使用される場合、C1は頸椎分節1を指し、C2は頸椎分節2を指し、以下同様である。T1は胸椎分節1を指し、T2は胸椎分節2を指し、以下同様である。特に明記しない限り、L1は腰椎分節1を指し、L2は腰椎分節2を指し、以下同様である。特定の場合、脊髄神経根は、この神経根が関連している脊椎分節とは異なる脊椎レベルで骨棘(bony spine)から離れる。例えば、T11神経根は、椎体T8~T9の後ろに位置する領域で脊髄(spinal cord myelum)から離れるが、T11とT12との間で骨棘から離れる。
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「脊髄後柱」の使用は、脊髄後角内の脊髄の背部に位置し、求心性体性感覚ニューロン(afferent somatosensory neuron)を含む脊髄の伝導経路を指す。脊髄後柱は、脊髄後索としても知られている。後角の深い部分には、内臓の求心性ニューロンが含まれている。
【0014】
本明細書で使用される場合、「硬膜外腔」または「脊髄硬膜外腔」とは、髄腔内空間の軟膜または外層と脊柱管の骨壁との間の間隔にある領域を指す。
【0015】
本明細書で使用される用語「ニューロンの(neuronal)」は、脳、脊柱および末梢神経の形態学的および機能的単位であるニューロンを指す。
【0016】
本明細書で使用される用語「体性感覚系(somatosensory system)」は、主に、12の脳神経および21の脊髄神経を含む皮膚および深部組織から感覚情報を受け取る求心性体性感覚ニューロンおよび求心性内臓感覚ニューロンを含む末梢神経系の区分を指す。
【0017】
本明細書で使用される用語「刺激する」または「刺激」は、神経系の所定の部位を調節する電気的、化学的、熱および/または磁気刺激を指す。
【0018】
本明細書で使用される用語「治療する」および「治療」は、対象が疾患の改善、例えば、知覚異常を伴わず疼痛の改善を有するように、電気刺激を用いて脊髄の特定の領域を調節することを指す。有益または望ましい臨床結果には、限定するものではないが、検出可能または検出不能を問わず、症状の緩和、疾患の程度の軽減、疾患の状態の安定化(すなわち悪化しない)、疾患の進行の遅延、疾患の状態の改善または緩和、および寛解(部分的または全体的を問わず)が挙げられる。治療は疾患の状態を改善し得るが、疾患の完全な治癒ではない場合があることを理解されたい。
【0019】
本明細書で使用される用語「疼痛」は、不快な感覚を指す。例えば、対象は、不快感、苦痛または苦しみを経験する。様々な痛みを伴う状態が、広く対立するか、そうでなければ有用なカテゴリーに従って分類され得ることが当業者に知られている。対立するカテゴリーの例には、侵害受容性疼痛に対する非侵害受容性疼痛および急性疼痛に対する慢性疼痛が挙げられる。当業者によって使用される疼痛の他の一般的なカテゴリーの例には、神経障害性疼痛および幻痛が挙げられる。
【0020】
本明細書で使用される用語「急性疼痛」は、本質的に一過性であるか、持続するのが1カ月未満である疼痛を指す。急性疼痛は、典型的には、軟部組織の損傷、感染または炎症などの即時の有害な過程に関連しており、その有害な状態を動物に知らせ、それによってその後の損傷の治療および予防を可能にする目的に役立つ。
【0021】
本明細書で使用される用語「慢性疼痛」は、1カ月よりも長く持続するか、急性組織損傷の解消を超えて持続するか、再発するか、継続または進行することが予測される組織損傷および/または慢性疾患に関連する疼痛を指す。継続または進行することが予測される慢性疾患の例には、癌、関節炎、炎症性疾患、慢性創傷、心血管事故、脊髄障害、中枢神経系障害、または手術からの回復が挙げられ得る。
【0022】
本明細書で使用される用語「神経障害」は、神経系の正常な機能に悪影響を及ぼす任意の状態を指す。神経障害は中枢または末梢神経系のどこからでも起こり得るが、神経障害性疼痛が生じるのは一部の症例のみである。
【0023】
本明細書で使用される用語「幻痛」は、患者が切断術によりもはや物理的に存在しないか、末梢神経全体の破壊により完全に無感覚であることが知られている身体の一部に疼痛を感じる状態を指す。
【0024】
本開示の一実施形態では、電極アレイまたは「リード」は、脊髄の背面に面する表面に組み込まれた圧電センサまたは超音波センサを有して、一定の間隔または条件によって起動される間隔で超音波パルスを発して、リードから脊髄までの距離を特定する。直接測定された距離情報は、患者の脊髄の理想的な刺激のために、電流量と電流印加のリード構成とを制御するために利用される。
【0025】
本開示の別の実施形態では、独自かつ別個の超生理的高周波信号または電流が様々なリードに同時に印加されて、単純なアノード-カソード単一周波数によって生成される電流曲線電場と、電流設計に使用される同一位相電流とにより、他の方法で快適に許容され得るよりも脊髄実質内でさらに深い誘導電流の非線形ゾーンを作り出す。
【0026】
本開示のさらに別の実施形態では、リードのための絶縁材料は、刺激装置発生器がリードアレイに光学情報を送信してリード内の導電率を制御し、リード構成を変更するか、追加の静電容量などの遠位リードアレイの他の特別な特徴を可能にすることができる光ファイバ材料、またはリード自体が、発生器をセーフモードに移行させ得る強磁場の感知などの光学情報を刺激装置発生器に送り返し、患者を損傷から保護することを可能にする光ファイバ材料から構成される。
【0027】
さらに別の実施形態では、磁気モーメントのない導電性炭素繊維を使用すると、高価なシールドを必要とせずにリードシステムが磁場に鈍感になる。
【0028】
別の実施形態では、術中プログラミングディスプレイシステムが、患者の脊椎の以前のMRIまたは他のイメージングの情報と、術中蛍光透視法、およびリードから脊髄までの超音波によって検出された距離とを組み合わせて、リードの配置中に生成されたモデル化された電場を表示して、埋め込み手順内の情報伝達を最適化する。
【0029】
図1を参照すると、最も単純な形態では、脊髄刺激は、硬膜外腔120に埋め込まれた刺激電極110と、下腹部または臀部領域に埋め込まれた電気パルス発生器102と、電極110を発生器102に接続する導線またはリード104と、場合により、発生器遠隔制御および発生器充電器とを備える。図1は、脊髄の横断正中矢状面図と、位相姿勢変化脊髄刺激(PACS)ならびに他の刺激用途に使用され得る一般的な刺激システム100とを示す。
【0030】
このようなシステム100は、典型的には、埋め込み型パルス発生器(IPG)102(電源としても知られ得る)と、線形または経皮刺激リード104と、刺激リード104の一部である電極アレイ110とを備えてもよい。電極アレイ110は、複数の電極接点112を備えてもよい。いくつかの実施形態では、電極接点112は、リード104の遠位端にあるインライン電極アレイ110に配置することができる。本明細書でさらに説明されるいくつかの実施形態では、他の電極アレイ構成も使用することができる。動作中、IPG102は、電極アレイ110内の選択された電極接点112に印加される刺激電流パルスを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電極接点112は、刺激電流パルスを印加するために個別かつ選択的に制御されてもよい。刺激リード104は、IPG102から電極アレイ110の電極接点112に刺激電流を導く。
【0031】
IPG102は、リード104および/または延長リードまたは他のリードコネクタのコネクタ端部を受け入れる少なくとも1つの開口部を有するヘッダピースまたはコネクタブロック105を備えてもよい。場合によっては、コネクタブロック105は、2つの刺激リードおよび/または延長リードのコネクタ端部を受け入れるための2つの開口部を有することができる。
【0032】
IPG102は、電気回路を含み、電気回路の使用を通じて各刺激チャネルに電流パルスを出力することができる内部電源により電力を供給され得る。埋め込まれたIPG102との通信は、外部プログラマまたはリモート(図示せず)を使用して達成することができる。
【0033】
図1に示すように、経皮刺激リード104の少なくとも一部、さらに具体的には電極アレイ110は、脊髄122に近接して、患者の硬膜外腔120に埋め込まれる。電極リード104が脊柱を出るリード出口点106の近くに空間がないため、IPG102は、腹部に埋め込まれても、臀部の上に埋め込まれてもよい。
【0034】
IPG102の電源は、単数または複数の接点に接続されて、脊髄への電気インパルスの伝導を可能にしてもよい。脊髄刺激装置リード106は、遠位先端、端部、または脊髄にインパルスを送るように構成されたパドル上に外部接触電極112を含んでもよい。一態様では、遠位接触電極112は、リード104内で互いに実質的に平行に走る別個の撚線(リード線)によって、リード104の近位端にある対応する接触端子に独立して接続される。次いで、近位リード端子と個別に接触し、電源から遠位リード電極への電気信号の伝送を可能にするリード延長コネクタを介して、近位導電端子が電源に接続されてもよい。
【0035】
一実施形態では、電源(またはIPG)102は、電気刺激を提供してもよく、振幅、周波数レートおよびパルス幅を含む電力の特徴の選択的かつ独立した変化を可能にするとともに、単数または複数のリード104内の導電性電極接点112の極性の変化を可能にする。
【0036】
本開示の一実施形態では、IPGシステムは、埋め込み型パルス発生器102および外部携帯型充電器を備えてもよい。IPG102は、密閉ケース内に収容されたメモリ回路などの電子回路142を囲む密閉ケース140を備えてもよく、電子回路は多数の独立した双方向出力電流源を含み、各出力電流源は電極ノードに接続される。電子回路140は、多数の結合コンデンサを備えてもよく、各結合コンデンサは、電極ノードのそれぞれに接続される。IPG102は、密閉ケース140に取り付けられたヘッダコネクタ105を備えてもよく、ヘッダコネクタ105は、それを貫通する多数の貫通ピンを有し、多数の結合コンデンサの各々は、ケースの密閉側で貫通ピンの1つに接続される。上述のように、IPG102は、上記密閉ケース140の外部に多数の電極112を有する電極アレイ110と通信してもよく、各電極112は、上記密閉ケース140の密封されていない側で貫通ピンの1つに取り外し可能に電気的に接続され、各出力電流源は、出力刺激電流源がイネーブルされた際に、それぞれの貫通ピンおよび結合コンデンサを介して接続された電極に導かれる、選択された振幅および極性を有する出力刺激電流を生成する。上述のように、IPGは、脊髄の背面までの距離を測定する埋め込み圧電素子に超音波適合性電流を送ることができる信号発生器、および信号と、信号が戻り脊髄までの距離を測定するのに必要な時間とを感知することができる回路素子を備えてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、IPG102は、電子回路、二次コイルおよび整流回路に動作電力を提供する充電式電池144を備えてもよい。IPGシステムはまた、二次コイルおよび整流回路を介して外部で生成されたエネルギーを受け取り、外部で生成されたエネルギーを使用して充電式電池144を充電する電池充電器および保護回路を備えてもよい。有利には、全波整流回路と中間整流回路(half-way rectifier circuit)との間で整流回路が変調されてもよく、この変調によって、IPG電池が完全に充電された際に、二次コイルを探査する反射インピーダンスを監視することによって、外部携帯型充電器を検出することが可能になる。
【0038】
図1に示される実施形態では、刺激システム100は、電源と物理的に連通し、線形またはパドル電極アレイ110の物理的な一部であるセンサ130を備えてもよい。センサ130は、電極アレイ110および/またはリード104に対する脊髄122の位置を特定するように構成されてもよい。この感知された位置および/または向きを使用して、電極アレイ110内の電極接点112の電力、極性および作動の特徴を特定してもよい。図1では、センサ130は、電極アレイ110の近くおよび/または内部に配置されるように示されているが、他の実施形態では、センサ130は、脊髄122の硬膜外腔120内にあるリード106の部分内のどこに配置されてもよい。
【0039】
図2を参照すると、リード106は、センサ130と流体連通している。センサ130は、音波132を生成および/または検出するように構成された超音波センサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ130は、超音波132を生成するように構成された圧電トランスデューサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ130は、脊髄122からセンサ130に向かって反射される超音波を検出するように構成された受信機を備えてもよい。図2に示すように、センサ130は、硬膜外腔120内に配置されてもよく、脊髄122の背面123に音波を導いてもよい。図2の一般化された図では、脊髄122は、後角124を含み得、脊髄液126によって囲まれ得る。いくつかの実施形態では、リード104は、脊柱管に屋根を提供し、脊髄の背部を保護する、各脊椎骨上の骨構造である脊椎椎弓と接触していてもよい。
【0040】
本明細書に開示される種類のPACS100は、脊髄122の実質の背面123までの距離を感知することによって、埋め込み装置を有する対象の姿勢変化を把握する。この距離は、電流およびリードの可変制御の刺激プログラミングにおける重要な変数である。特に、本明細書で開示される種類のPACSを有する対象の姿勢変化は、超音波センサ130によって検出される脊髄122の背面123までの距離に変化をもたらす。センサ130は、少なくとも1つのリード埋め込み圧電センサを備えてもよく、電源(またはIPG)および/または電気刺激の範囲および面積を調整するように構成され得る少なくとも1つのリードに対する電気信号を生成してもよい。検出された脊椎変位に基づいて調整を決定して、治療による疼痛緩和を維持および/または増大させてもよい。距離情報と患者からのフィードバックとを組み合わせることにより、各患者を効果的に刺激するためのIPGのプログラミングの詳細が促進される。
【0041】
理論に制限されることを望むものではないが、センサ130は、少なくとも1つの圧電トランスデューサ、あるいは複数の圧電トランスデューサを備えてもよい。センサ130は、超音波信号を生成するように構成された圧電素子および/または超音波信号を検出するように構成された検出器素子を備えてもよい。一実施形態では、本開示の超音波センサ130は、圧電トランスデューサから好適な周波数の超音波の短いバーストを放出することにより機能し得る距離センサである。いくつかの実施形態では、超音波センサ130は、ある種の運動センサによって検出され得る対象の姿勢変化に応じて超音波を生成または放出してもよい(例えば、IPGおよび/またはPACSの別の部分は運動センサを備えてもよい)。少量の音響エネルギーが、超音波センサ130の前の物体(すなわち、脊椎成分)によって反射され、圧電トランスデューサであり得るセンサ130の検出器に戻される。一実施形態では、超音波センサ130は、これらの反射信号(エコー)をマイクロコントローラに送信する受信機増幅器をさらに備えており、この受信機増幅器は、間質空間および脊髄液内の音波速度を使用して、これらの反射信号を計時して物体がどれくらい離れているかを特定する。次いで、計算された範囲が変換され、電気刺激のパターンおよび/または振幅を調整して疼痛を緩和するために使用される。本開示の一実施形態では、超音波センサ130からの計算された範囲によって得られた情報を使用して、姿勢変化に応じて電気刺激の出力および/または構成を調整してもよい。例えば、超音波センサ130から受信した情報を利用して、何らかの異なる単数または複数のリードからの刺激を除外しながら、単数または複数のリードの遠位端を使用した刺激を伴い得る疼痛緩和のための理学療法を決定してもよい。
【0042】
一例として、図3を参照すると、姿勢変化により、脊髄122が、リード106、したがってセンサ130に対して脊髄液126内で移動する可能性がある。この変化は、センサ130と脊髄122の背面123との間の距離(図3では、図2に示されている距離よりも大きな距離である)を特定することにより検出され得る。脊髄122、したがって後角124の動きは、リード106(すなわち、図1で説明した電極接点)による後角の刺激に影響を与える可能性がある。
【0043】
一態様では、電源(またはIPG)102は、単数または複数のリード104(したがって、電極アレイ110および電極接点112)の振幅、位相持続時間および位相関係を制御するために使用され得るプログラム可能な電流源を備えてもよい。例えば、本開示で使用されるプログラム可能な電流源は、パルス振幅制御、パルスタイミング制御およびパルス持続時間制御を使用して、単数または複数のリード104の電流、タイミングおよびパルス持続時間パラメータを個別に設定することができる。したがって、電極接点112のそれぞれは、必要に応じて、同じ時間および同じ持続時間にわたり同じ強度パルスを送達することができる。あるいは、パルス強度、位相および持続時間が、各電極接点112に対して互いにそれぞれ独立して調整されて、電極接点112の位相関係を生成してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、図2は、患者が仰臥している際の脊髄を示し得、外科医および/または技師は、システム100の配置中に、脊髄が図2に示される位置にある際に複数の電極構成を循環させて標的電場を確立してもよい。標的電場を確立するプロセスの一部として、センサ130を起動して、リード104と脊髄123の背面との間の現在の距離を特定してもよく、標的電場は、この特定された距離に関連付けられ得る。
【0045】
同様に、図3は、患者が伏臥している際の脊髄を示し得る。外科医および/または技師は、システム100の配置中に、脊髄が図3に示される位置にある際に複数の電極構成を循環させて標的電場を確立してもよい。標的電場を確立するプロセスの一部として、センサ130を起動して、リード104と脊髄123の背面との間の現在の距離を特定してもよく、標的電場はこの特定された距離に関連付けられ得、この距離および標的電場は、図2に示すように特定されたものとは異なり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、患者が第1の位置(例えば図2)にある際に第1の標的電場が確立され得、患者が第2の位置(例えば図3)にある際に第2の標的電場が確立され得る。
【0047】
図4を参照すると、そのような実施形態では、電極接点112によって生成される電気信号の位相は、体性感覚が発生する比較的表面の後角の過剰な刺激に関連する不快感を伴うことなく、内臓感覚処理が発生する脊髄の後角の比較的深部に浸透する位相信号を生成するように構成され得る。内臓痛の治療は、表面の後角を著しく刺激しないが、位相信号生成を介して比較的深部の後角に誘導電流の1つ以上のゾーンを作り出すことを可能にする超生理的周波数の使用、および/または生理的刺激周波数範囲にあるこれらの比較的深部の信号収束ゾーンを作り出すためのビート周波数の使用を介して達成され得る。
【0048】
後角の比較的表面の(または表面に近い)部分、脊髄の感覚部分は、腕および脚ならびに腹壁および胸壁を感知する。後角のさらに少し奥には、内臓を感知する神経がある。比較的表面の後角(痛みを伴う)を過剰に刺激することなく、比較的深部の後角を刺激する機能により、膵炎および/または癌性疼痛の種類などの内臓痛の治療が可能になる。現在のシステムは、非線形電場の生成を利用するために、対照的な、干渉する、異なる位相の、または異なる周波数の波形を有しない波形402を使用する。
【0049】
図5を参照すると、後角細胞を刺激するには高すぎる周波数では、周波数、振幅、電流、位相および追加のビート周波数の調整を使用して、比較的深部の組織を生理学的に刺激する低周波電流の誘導電流のゾーンを誘導してもよい。誘導電流のゾーンは、第1の電極接点501および第2の電極接点502(上述の電極接点112に類似し得る)の刺激を調整することにより、軸外距離510で形成され得る。一実施形態では、軸外距離510および周波数の属性が、誘導電流ゾーンを決定する。
【0050】
図6Aは、近軸の一例を示し、ここでは、波形601および602が同じ電圧で(ポイント604で)出会うため、電流は誘導されない。波形601および602自体は、表面の後角ニューロンを刺激しないほど高い周波数である。波形電圧がリードの軸の近くで出会う図6Aに示す実施形態では、電圧は同じであり、電流は誘導されない。
【0051】
図6Bを参照すると、位相調整の周波数差分(「ビート」周波数)を導入することにより、軸外波形の位相が異なるように影響を受ける可能性があり、これは、波形601と602とが出会う場所(ポイント604)に異なる電圧、または誘導電流が存在することを意味する。軸外波形601および602は、比較的浅い神経構造を過度に刺激することなく、比較的深部の構造を刺激し得、この技術は、標的刺激ゾーンまでの距離の情報に大きく依存している。これらの2つの波形601と602との電圧の差は、脊髄のこの場所で電流が誘導されることを意味する。ビート周波数、異なるリードの差分位相調整、および高周波の振幅変調を使用することによって同様の効果が発生して、電流曲線刺激場と同程度の大きさの磁束を有する誘導電流のゾーンが作り出される。
【0052】
一実施形態では、体性痛および内臓痛に苦しむ患者の両状態の緩和を達成するために、曲線モードおよび非曲線モードの両方の刺激が同時に使用され得るか、生理学的に同時に現れるような高速で切り替えることができる。いくつかの実施形態では、同じシステムが少なくとも1つの電極接点からの直流刺激を使用し、少なくとも2つの電極接点を使用して患者の脊髄の一部を刺激するための誘導電流のゾーンを生成することが可能であり得る。例えば、センサによって測定した際に、脊髄がリードから第1の距離だけ離れて位置していれば(上旬の通り)、1つ以上の電極接点からの直流刺激が、脊髄の標的領域を刺激するのに適切であり得る。次に、センサによって測定した際に、脊髄が(患者の動きに伴って)リードから第2の距離に移動する場合、2つの電極接点を使用して誘導電流のゾーンを生成することによって刺激を達成してもよく(上旬の通り)、ここで2つの接点のうちの1つは、直流刺激を生成した接点と同じである可能性がある。あるいは、電極接点はいずれも電極アレイの一部であってよく、いくつかの電極接点のいずれかが個別にまたは一緒に使用されてもよい。
【0053】
特定の種類の疼痛を治療するには、異なる電場構成が必要になる場合がある。一例として、狭心症を治療するために、比較的高い位置の胸髄および比較的低い位置の頸髄を刺激してもよい。脊髄自体が短縮されているため、脊髄実質は各脊髄神経が出る脊椎分節に対応していないため、刺激は典型的には、標的疼痛部位の神経支配に関連する実際の脊椎分節の上方で生じる。同様に、腎疝痛および/または膵炎を治療するために、胸髄の中部から上部を刺激してもよく、骨盤痛の発生源を治療するために、胸髄の下部を刺激してもよい。
【0054】
一実施形態では、本開示は、それらの経路が交差し、それらが文字通り干渉して干渉、相互作用、誘導またはビート周波数を生じるように構成される、対象組織(例えば脊椎)を同時に通過し得る多数の中周波から高周波電流を利用する干渉療法を含む。得られたビート周波数の正確な周波数は、入力周波数によって制御され得る。例示的かつ非限定的な実施例は、4000Hzの周波数を有する第1の信号と、3900Hzの周波数を有する随伴信号とを使用して、中域周波数3950Hzの振幅変調電流で伝送される100Hzのビート周波数をもたらすものである。この方法で内臓痛を治療する機能によって、慢性的なオピエート療法の必要性とそれに伴うリスクとが軽減され、関連する耐性の問題が回避される。一実施形態では、本開示は、表面組織(皮膚または筋肉など)の不快感を回避しながら電気刺激を提供するのに十分な強度の位相信号を可能にする。
【0055】
本明細書に開示されるあらゆるリード接点および導体は、人体に埋め込んでも安全な好適な絶縁材料によって電気的に絶縁されてもよい。図7を参照すると、いくつかの実施形態では、リード104(上述)を囲む絶縁材料704は、光ファイバ材料などの光通信特性を有してもよい。柔軟性が高く、機械的サイクルに耐える新しい光ファイバ材料を使用すると、刺激装置発生器と遠位リードとの間の通信が実用的になる。光ファイバ通信ツールとして絶縁体を使用すると、発生器102と、電極アレイ110など、リード104の遠位端にある構成要素との間の通信を改善することができる。絶縁材料704は、発生器から電極アレイへの通信を可能にして、電極アレイの構成を制御し、システムの機能性を増強し得る。例えば、光子が、矢印702によって示される方向に、発生器102から電極アレイ110(および/またはリード104の他の素子)まで移動し得る。リード104、および電極アレイ110などの他の素子も、発生器102と直接通信することができる。例えば、光子が、矢印710によって示される方向に、電極アレイ110(および/またはリード104の他の素子)から発生器102まで移動し得る。一実施形態では、遠位リードアレイ110の磁気検出素子が、IPG102に対する光信号を生成して、組織損傷に関連する磁気誘導電流から患者を保護するためにシステムをセーフモードにすることができる。別の実施形態では、IPG102は、遠位リードアレイ110に光学的に信号を送って、追加の静電容量素子または他の特徴を作動させることにより、リード構成を変更するか、リード機能を増強することができる。
【0056】
加えて、絶縁材料704は、磁場に影響されずに発生器102とリード104との間の通信が生じ得るように、磁気的に不感性であり得る。例えば、発生器および/または遠位リード線、および発生器によって感知された予期しない磁場が、自動的に光信号を生成して、システムを「セーフモード」にして磁場への曝露からの誘導電流を防ぐことができる。
【0057】
遠位接触電極は、可変接触表面積、ならびに電極間の可変間隔を有してもよい。電極の数も同様に変化してもよい。脊髄刺激発生器システムは、導電性素子から構成されるリードを介して脊髄に電流を伝達する。これらの導電性素子は、典型的には、白金イリジウム合金などの金属合金を含み、磁気共鳴画像(MRI)走査などの手順中に生成されるものなどの動的磁場による誘導電流を受けやすい。脊髄上に配置された接点に刺激装置発生器を接続する導電性素子によって誘導される電流は、隣接する組織および脊髄を損傷するリスクをもたらす。一実施形態では、本開示のSCSに利用されるリードは、動的磁場で誘導電流を生成しない材料から構成される。さらに、本開示に使用するのに適した材料は、反復的な機械的応力にさらされた際に変形に耐えることを特徴とし得る。一実施形態では、本開示の1つ以上のリードは、純粋な形態では磁気モーメントを有しない導電性炭素繊維またはナノチューブ導電性炭素繊維から製造されるか、および/またはそれらを含む。理論に制限されることを望むものではないが、反磁性導電性材料(例えば炭素繊維)を使用することにより、MRI適合性またはMRI安全性脊髄刺激システムに対するリスクとリスク軽減手段の費用とが大幅に低減される可能性がある。本開示のシステムは、磁場を誘導する装置の機能を含まない電磁適合性埋め込み型電子医療機器を提供する。
【0058】
一実施形態では、本明細書に開示される種類のSCSは、神経障害性疼痛の治療に使用される。別の実施形態では、本明細書に開示される種類のSCSは、侵害受容性疼痛を治療するために使用される。一実施形態では、本明細書に開示される種類のSCSは、腰椎術後症候群(failed back syndrome)の治療に使用される。
【0059】
いくつかの実施形態では、上述のようにPACSを埋め込むか挿入するプロセスは、術中プログラミングディスプレイシステムの使用を含み得る。現在、刺激装置システムは、外科医、現場支援担当者(または技師)および患者の間の3方向の口頭の情報伝達を介して配置されている。この試行錯誤の手法は、組織を通る特定の磁束、単にこの磁束を達成するための電流に対する配慮を欠く。
【0060】
図8を参照すると、ディスプレイ800を備える統合プログラミングシステムは、個々の患者の刺激標的ゾーンの画像(ならびに手術室(OR)画像)をインポートし、外科医のプログラミング中に、これらのゾーンを通る磁束を手術中にモデル化して、企業担当者および患者の応答と連携するように構成されてもよい。すでに患者の脊椎および脊髄の選択的術前画像を軸方向、冠状面および矢状面ビューに読み込んでいるシステムに、リード配置の進行中のリアルタイムOR画像がインポートされる。各椎体レベルのラベルを視覚的に重ね合わせる機能により、配置が容易になる。担当者が現在のレベルおよびリード構成を調整すると、現在の密度(磁束)によって色分けされた磁力線も表示される。これは、前後投影、冠状面、軸方向および矢状面ビューで同時に行うことができる。ディスプレイ800は、作業中に外科医にモデルを提供し得、このモデルは、それらが脊髄内のどこにあるか、それらがどの程度の深さまで進んでいるか、および磁場密度を示し、異なる色は、異なる磁場密度、または磁束のレベルを表し得る。
【0061】
現在、リードは、リードの脊椎分節レベルのみを示す蛍光透視下で配置されている。本明細書で説明される実施形態では、外科医が患者の脊髄内にリードを配置し調整している間に、担当者または技師が患者と意思疎通を図ってもよい。担当者は、様々な電極構成を循環させてもよく、ディスプレイ800は、現在の構成に基づいて電場の様々な特徴を示してもよい。ディスプレイ800は、患者の解剖学的構造のインポートされた画像、ならびにリアルタイムのリード構成情報を含んでもよい。手術室でこの画像を生成する機能には、脊髄の背面の距離を感知する機能が含まれる。
【0062】
本開示の実施形態は、MRI適合性心臓ペースメーカーを含む電気治療理学療法を含む。一実施形態では、本開示の心臓ペースメーカーは、一対の心内膜リードによって心臓に結合されてもよい。第1のリードは、右心房リードと呼ばれ、好適な方法で右心房と電気的に接触するために、その遠位端に双極の電極対を含む。第2のリードは、右心室リードと呼ばれ、同様に、好適な方法で右心室と電気的に接触するために、その遠位端に双極の電極対を含む。一実施形態では、心臓ペースメーカーリードシステムは、心房または心室の各房室用のリードの遠位部分に単一の接点を有してもよい。一実施形態では、心臓ペースメーカーリードシステムは、心房または心室の各房室用のリードの遠位部分に複数の接点を有してもよい。一実施形態では、本開示の1つ以上のリードは、純粋な形態では磁気モーメントを有しない導電性炭素繊維またはナノチューブ導電性炭素繊維から製造されるか、および/またはそれらを含む。心臓ペースメーカーは、限定するものではないが、心臓ペースメーカーを患者の皮膚の下に完全に埋め込むことを可能にする密閉エンクロージャをさらに含んでもよい。心臓ペースメーカーは、エンクロージャ内に、心房検知増幅器、心室検知増幅器、アナログからデジタルへの変換器、およびパルス発生器、マイクロプロセッサ、メモリおよび遠隔測定ステージを含んでもよい。
【0063】
本明細書では様々な装置および方法を説明してきたが、例示的な実施形態または態様は、限定するものではないが、以下を含むことができる。
【0064】
第1の実施形態では、脊髄刺激装置は、出力電流を生成するように構成された電子回路を備えるパルス発生器と、発生器と通信し、患者の脊柱の硬膜外腔内に延びるように構成された少なくとも1つのリードと、少なくとも1つのリードの遠位端に近接して配置され、患者の脊髄の一部に電気刺激を提供するように構成された少なくとも1つの電極接点と、少なくとも1つのリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定するように構成された、少なくとも1つのリードに沿って配置された少なくとも1つのセンサとを備えてもよく、発生器は特定された距離を受信し、発生器は、特定された距離に基づいて、少なくとも1つの電極接点によって提供された刺激を調整するように構成される。
【0065】
第2の実施形態は、少なくとも1つのリードの遠位端に近接して配置された複数の電極接点を備える電極アレイをさらに備える第1の実施形態の脊髄刺激装置を含むことができる。
【0066】
第3の実施形態は、第2の実施形態の脊髄刺激装置を含むことができ、電極アレイは、第1の電極接点と第2の電極接点との間に誘導電流のゾーンを生成するように構成され、誘導電流のゾーンは患者の脊髄内に配置される。
【0067】
第4の実施形態は、第3の実施形態の脊髄刺激装置を含むことができ、発生器は、電極アレイによって生成された誘導電流のゾーンの位置を調整することにより、特定された距離に基づいて刺激を調整するように構成される。
【0068】
第5の実施形態は、第1から第4の実施形態のいずれかの脊髄刺激装置を含むことができ、少なくとも1つのセンサは超音波センサを備える。
【0069】
第6の実施形態は、第1から第5の実施形態のいずれかの脊髄刺激装置を含むことができ、少なくとも1つのセンサは、超音波信号を生成するように構成された圧電素子と、反射された超音波信号を検出するように構成された検出器素子とを備える。
【0070】
第7の実施形態は、第6の実施形態の脊髄刺激装置を含むことができ、反射された超音波信号は、患者の脊髄の背面から反射される。
【0071】
第8の実施形態は、第1から第7の実施形態のいずれかの脊髄刺激装置を含むことができ、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのリードと患者の脊髄の表面との間の距離を周期的に検出するように構成される。
【0072】
第9の実施形態は、少なくとも1つのリードを囲む絶縁材料をさらに含む第1から第8の実施形態のいずれかの脊髄刺激装置を含むことができる。
【0073】
第10の実施形態は、患者による運動または動きを検出するように構成された運動センサをさらに備える第1から第9の実施形態のいずれかの脊髄刺激装置を含むことができ、発生器は、少なくとも1つのセンサを起動して、運動センサによって検出された運動に基づいて、少なくとも1つのリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定するように構成される。
【0074】
第11の実施形態では、電気治療理学療法の方法は、患者の脊柱の硬膜外腔内に1つ以上のリードを配置することと、患者の脊髄の標的刺激領域の近くに1つ以上のリードを配置することと、1つ以上のリードと通信する発生器によって出力電流を生成することにより、1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された少なくとも1つの電極接点を刺激することと、センサによって、1つ以上のリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定することと、特定された距離に基づいて、少なくとも1つの電極接点の刺激を調整することとを含んでもよい。
【0075】
第12の実施形態は、1つ以上のリードに対する患者の脊髄の位置の変化を検出することと、1つ以上のリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定するためのセンサを作動させることとをさらに含む第11の実施形態の方法を含むことができる。
【0076】
第13の実施形態は、患者の運動を検出することと、1つ以上のリードと患者の脊髄の背面との間の距離を特定するためのセンサを作動させることとをさらに含む第12の実施形態の方法を含むことができる。
【0077】
第14の実施形態は、第11から第13の実施形態のいずれかの方法を含むことができ、少なくとも1つの電極接点を刺激することは、少なくとも1つの電極接点からの電流刺激により患者の脊髄の一部を刺激することをさらに含む。
【0078】
第15の実施形態は、第11から第14の実施形態のいずれかの方法を含むことができ、少なくとも1つの電極接点の刺激を調整することは、少なくとも1つの電極接点からの電流刺激の強度を調整することを含む。
【0079】
第16の実施形態は、第11から第15の実施形態のいずれかの方法を含むことができ、少なくとも1つの電極接点を刺激することは、第1の電極接点を刺激することと、第2の電極接点を刺激することと、第1の電極接点および第2の電極接点を刺激することに基づいて、患者の脊髄内に誘導電流のゾーンを作り出すこととを含む。
【0080】
第17の実施形態は、第16の実施形態の方法を含むことができ、少なくとも1つの電極接点の刺激を調整することは、第1の電極の刺激を調整することと、第2の電極の刺激を調整することとを含み、第1の電極の刺激を調整することおよび第2の電極の刺激を調整することによって、第1の電極接点および第2の電極接点の刺激によって作り出される誘導電流のゾーンの位置が変更される。
【0081】
第18の実施形態は、第11から第17の実施形態のいずれかの方法を含むことができ、センサによって1つ以上のリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定することは、センサによって超音波信号を生成することと、センサによって、反射された超音波信号を検出することと、ここで超音波信号は、患者の脊髄の表面によって反射され、検出された反射された超音波信号を分析して、センサと脊髄の表面との間の距離を特定することとを含む。
【0082】
第19の実施形態は、第11から第18の実施形態のいずれかの方法を含むことができ、少なくとも1つの電極接点の刺激を調整することは、刺激のパルス強度、位相、周波数および持続時間のうちの少なくとも1つを調整することを含む。
【0083】
第20の実施形態では、電気治療理学療法の方法は、患者の脊柱の硬膜外腔内に1つ以上のリードを配置することと、患者の脊髄の標的刺激領域の近くに1つ以上のリードを配置することと、1つ以上のリードと通信する発生器によって第1の出力電流を生成することにより、1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された第1の電極接点を刺激することと、1つ以上のリードと通信する発生器によって第2の出力電流を生成することにより、1つ以上のリードの遠位端に近接して配置された第2の電極接点を刺激することと、第1の電極接点および第2の電極接点を刺激することに基づいて、刺激を引き起こす誘導電流のゾーンを作り出すことと、センサによって、1つ以上のリードと患者の脊髄の表面との間の距離を特定することと、特定された距離に基づいて、刺激の誘導電流のゾーンの位置を調整することとを含んでもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊髄刺激装置であって、
出力電流を生成するように構成された電子回路を備えるパルス発生器と、
前記発生器と通信し、患者の脊柱の硬膜外腔内に延びるように構成された少なくとも1つのリードであって、磁気モーメントを持たない材料から作られ、磁場を誘導しない少なくとも1本のリードと、
前記少なくとも1つのリードの遠位端に近接して配置され、前記患者の脊髄の一部に電気刺激を提供するように構成された複数の電極接点のうちの少なくとも1つの電極接点であって、前記複数の電極接点は、固有の別個の超生理学的高周波信号を生成するように構成され、当該固有の別個の超生理学的高周波信号は、誘導電流のゾーンを生成する、少なくとも1つの電極接点と、
前記少なくとも1つのリードと前記患者の前記脊髄の表面との間の距離を特定するように構成された前記少なくとも1つのリードに沿って配置された少なくとも1つのセンサと、を備え、
前記発生器が前記特定された距離を受信し、前記発生器が、前記特定された距離に基づいて、前記少なくとも1つの電極接点によって提供された前記刺激を調整するように構成される、脊髄刺激装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリードの前記遠位端に近接して配置された前記複数の電極接点を備える電極アレイをさらに備える、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項3】
前記電極アレイが、第1の電極接点と第2の電極接点との間に誘導電流の前記ゾーンを生成するように構成され、誘導電流の前記ゾーンが前記患者の前記脊柱内にある、請求項2に記載の脊髄刺激装置。
【請求項4】
前記発生器が、前記電極アレイによって生成された誘導電流の前記ゾーンの位置を調整することにより、前記特定された距離に基づいて前記刺激を調整するように構成される、請求項3に記載の脊髄刺激装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサが超音波センサを備える、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサが、超音波信号を生成するように構成された圧電素子と、何らの反射された超音波信号を検出するように構成された検出器素子とを備える、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項7】
前記反射された超音波信号が、前記患者の前記脊髄の背面から反射される、請求項6に記載の脊髄刺激装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサが、前記少なくとも1つのリードと前記患者の前記脊髄の前記表面との間の前記距離に関する信号を周期的に検出するように構成される、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリードを囲む絶縁材料をさらに含む、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項10】
患者による運動または動きを検出するように構成された運動センサをさらに備え、前記運動センサによって検出された運動に基づいて、前記少なくとも1つのリードと前記患者の前記脊髄の前記表面との間の前記距離を特定するために前記マイクロコントローラに超音波情報を送信するため、前記発生器は前記少なくとも1つのセンサを起動するように構成される、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのリードに対する前記患者の前記脊髄の位置の変化を検出し、前記少なくとも1つのリードと前記患者の前記脊髄の前記表面との間の前記距離に関する情報を収集するため前記少なくとも1つのセンサを作動させる、ように構成された、請求項10に記載の脊髄刺激装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのリードと前記脊髄の背側の表面との間の距離に関する情報を収集するように構成された、請求項11に記載の脊髄刺激装置。
【請求項13】
前記発生器は更に、前記少なくとも1つの電極接点からの電流刺激の強度を調整することによって、前記少なくとも1つの電極接点の前記刺激を調整するように構成された、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項14】
前記発生器は更に、前記少なくとも1つの電極接点からの電流刺激の強度を調整することによって、前記少なくとも1つの電極接点の前記刺激を調整するように構成された、請求項10に記載の脊髄刺激装置。
【請求項15】
前記発生器は更に、前記刺激のパルス強度、位相、周波数および持続時間のうちの少なくとも1つを調整することによって、前記少なくとも1つの電極接点によって提供された前記刺激を調整するように構成された、請求項1に記載の脊髄刺激装置。
【請求項16】
前記発生器は更に、前記刺激のパルス強度、位相、周波数および持続時間のうちの少なくとも1つを調整することによって、前記少なくとも1つの電極接点によって提供された前記刺激を調整するように構成された、請求項10に記載の脊髄刺激装置。
【外国語明細書】