(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005854
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】スイッチボックス、スイッチボックスの扉開閉検出装置、スイッチボックスの扉開閉検出方法及び開閉装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/22 20060101AFI20230111BHJP
E06B 9/68 20060101ALI20230111BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H01H9/22
E06B9/68 Z
H01H36/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108072
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】和気 亮二
【テーマコード(参考)】
2E042
5G046
5G052
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
5G046AB01
5G046AC52
5G046AE04
5G052AA05
5G052AA28
5G052LA07
5G052LB05
(57)【要約】
【課題】スイッチボックス内への雨水等の侵入による誤動作を防止し、内蔵される電池等の消費を抑え、電池の寿命を長期化する。
【解決手段】スイッチボックス18が扉182を備えている場合、扉が開いた状態でしか操作子185~186を操作することができない。そこで、この発明では、扉の少なくとも1個所に磁石193を設け、扉が閉められ、磁石が近接した場合にその磁石に反応してスイッチオフとなり、扉が開けられて磁石が離間した場合にスイッチオンとなるようなリードスイッチ200を設けた。リードスイッチは、磁石の磁力に反応するタイプのものなので、雨水等の侵入によってスイッチ手段の接点等が導通状態とならない。また、扉が閉じた状態でスイッチオフとなるので、電池等の不必要な消費を回避することができ、電池の寿命を長期化することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子の操作状態に応じた制御信号を開閉装置に出力する操作子手段を収納した扉付きのボックスであって、前記扉を開けることによって前記操作子手段を操作することができるように構成されたスイッチボックスにおいて、
前記扉の少なくとも1個所に設けられた磁石と、
前記扉が閉められ、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるスイッチ手段とを備えたことを特徴とするスイッチボックス。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチボックスにおいて、
前記開閉装置に各種信号を送信する電子回路と、前記電子回路に電力を供給する電池とを備え、前記電子回路と前記電池との間に前記スイッチ手段を設けたことを特徴とするスイッチボックス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイッチボックスにおいて、
前記操作子手段は、開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成され、
前記スイッチ手段は、前記磁石に反応してスイッチオフとなった場合に前記押しボタンスイッチから前記制御信号が出力されないように、前記3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、若しくは3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は前記1点式の押しボタンスイッチの前後に設けられることを特徴とするスイッチボックス。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のスイッチボックスにおいて、
前記スイッチ手段は、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるリードスイッチで構成されることを特徴とするスイッチボックス。
【請求項5】
操作子の操作状態に応じた制御信号を開閉装置に出力する操作子手段を収納した扉付きのボックスであって、前記扉を開けることによって前記操作子手段を操作することができるように構成されたスイッチボックスの扉開閉検出装置において、
前記扉の少なくとも1個所に設けられた磁石と、
前記扉が閉められ、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるスイッチ手段とを備えたことを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置において、
前記スイッチボックス内に前記開閉装置に各種信号を送信する電子回路と、前記電子回路に電力を供給する電池とを備え、前記電子回路と前記電池との間に前記スイッチ手段を設けたことを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置において、
前記操作子手段は、開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成され、
前記スイッチ手段は、前記磁石に反応してスイッチオフとなった場合に前記押しボタンスイッチから前記制御信号が出力されないように、前記3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、若しくは3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は前記1点式の押しボタンスイッチの前後に設けられることを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出装置。
【請求項8】
請求項5、6又は7に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置において、
前記スイッチ手段は、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるリードスイッチで構成されることを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出装置。
【請求項9】
操作子の操作状態に応じた制御信号を開閉装置に出力する操作子手段を収納した扉付きのボックスであって、前記扉を開けることによって前記操作子手段を操作することができるように構成されたスイッチボックスの扉開閉検出方法において、
前記扉の少なくとも1個所に磁石を設け、
前記扉が閉められ、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるスイッチ手段を前記スイッチボックス内に設けることによって、前記扉の開閉を検出することを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出方法。
【請求項10】
請求項9に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法において、
前記スイッチボックス内に前記開閉装置に各種信号を送信する電子回路と、前記電子回路に電力を供給する電池とを備えている場合に、前記電子回路と前記電池との間に前記スイッチ手段を設けたことを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法において、
前記操作子手段は、開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成され、
前記スイッチ手段は、前記磁石に反応してスイッチオフとなった場合に前記押しボタンスイッチから前記制御信号が出力されないように、前記3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、若しくは3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は前記1点式の押しボタンスイッチの前後に設けられることを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出方法。
【請求項12】
請求項9、10又は11に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法において、
前記スイッチ手段は、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるリードスイッチで構成されることを特徴とするスイッチボックスの扉開閉検出方法。
【請求項13】
請求項1から4までのいずれか1に記載のスイッチボックス、請求項5から8までのいずれか1に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置、又は請求項9から12までのいずれか1に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法を備えたことを特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
家屋、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の窓や出入口などの開口部に設置される開閉装置に係り、特に開閉装置の動作を制御する操作子(押しボタンスイッチ等)を収納するスイッチボックス、スイッチボックスの扉開閉検出装置、スイッチボックスの扉開閉検出方法及び開閉装置に関する。
【0002】
ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部に設置されるシャッターやドアなどの開閉装置には、その開閉動作を電動で行う電動シャッターや電動ドアが使用されることが多い。このように電動で開閉動作を行うもので壁に設置されるタイプの押しボタンスイッチの場合、セキュリティを考慮してシリンダー錠を備え付けた鍵付スイッチボックス内に設置される場合が多い。鍵付スイッチボックスに設けられた鍵を開錠し、スイッチボックスの扉又は蓋を開け、内部の押しボタンスイッチ等を操作して、開閉装置の開閉停の各動作を制御している。特許文献1には、電磁波遮蔽性の材料で構成されたスイッチボックスが開示されている。
【特許文献1】特開2018-025051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的なスイッチボックスは、金属製の筐体と扉から構成される。扉には防犯用の鍵と、筐体の内部に設けられた開ボタン、閉ボタン、停ボタンの押しボタンスイッチを備えている。一方、特許文献1に記載のスイッチボックスは、構造物に設けられた開閉装置に無線により操作信号を送信するスイッチボックスであって、電磁波遮蔽性の材料で構成され、第一の開口部が設けられたケースと、電磁波遮蔽性の材料で構成され、第一の開口部を開閉可能に覆う蓋と、ケースに収容され、スイッチボタンと、スイッチボタンの操作信号を無線送信するアンテナと、を有したスイッチユニットとを備えている。また、スイッチボックスの中には、押しボタンスイッチの他に起動スイッチや電池(バッテリー)を備えたものがある。
【0004】
通常、スイッチボックスは、構造物躯体の外側に設置されているので、風雨に曝されることが多く、雨水等の侵入によって押しボタンスイッチや起動スイッチの接点等が導通状態となり、誤動作を起こす可能性がある。また、導通状態によって電池が不必要に消費され、寿命が短くなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、スイッチボックス内への雨水等の侵入による誤動作を防止し、内蔵される電池等の消費を抑え、電池の寿命を長期化することのできるスイッチボックス、スイッチボックスの扉開閉検出装置、スイッチボックスの扉開閉検出方法及び開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチボックスの第1の特徴は、操作子の操作状態に応じた制御信号を開閉装置に出力する操作子手段を収納した扉付きのボックスであって、前記扉を開けることによって前記操作子手段を操作することができるように構成されたスイッチボックスにおいて、前記扉の少なくとも1個所に設けられた磁石と、前記扉が閉められ、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるスイッチ手段とを備えたことにある。
開閉装置は、ビル、住宅、工場、倉庫等の建物などの構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部などを開閉移動するものや閉移動だけするシャッターカーテンなどの開閉部材や閉部材で構成され、災害発生時や閉店時などに防火・防煙・防水・防風・防犯などのために開口部を仕切るために繰り出される。開閉装置は、窓シャッター装置、ガレージシャッター装置、シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などである。開閉装置が、例えば防火区画形成用の防火・防煙シャッターカーテンの場合には、建物などの開口部の周縁部の一つである上部に収納され、まぐさなどを通過して防火シャッターカーテンが下降し、開口部を閉鎖する。これ以外にも開閉装置が開口部の側部に収納され横引き方式で開閉移動したり、開口部の下部に収納され上昇方式で開閉移動したりするものもある。また、開閉装置には、閉鎖によって開口部を全閉するものも全閉しないものも含む。
開閉装置には、開閉装置の動作を制御する操作子(押しボタンスイッチ等)を収納するスイッチボックスが開閉装置近傍に設置されている。このスイッチボックス内の操作子を操作することによって操作子の操作状態に応じた制御信号が開閉装置に出力される。操作子を収納したスイッチボックスは、セキュリティを考慮してシリンダー錠などを備えた扉を有する場合が多い。本明細書中において扉にはスイッチボックスの蓋を含む。このようなスイッチボックスは、構造物躯体の外側に設置されることがあり、風雨に曝されることが多く、雨水等の侵入によって操作子の接点等が導通状態となり、誤動作を起こす可能性がある。また、導通状態となることによって電池が不必要に消費され、寿命が短くなることもある。
スイッチボックスが扉を備えている場合、扉が開いた状態でしか操作子を操作することができない。そこで、この発明では、扉の少なくとも1個所に磁石を設け、扉が閉められ、磁石が近接した場合にその磁石に反応してスイッチオフとなり、扉が開けられて磁石が離間した場合にスイッチオンとなるようなスイッチ手段を設けるようにした。スイッチ手段は、磁石の磁力に反応するタイプのものなので、雨水等の侵入によってスイッチ手段の接点等が導通状態とならないもの(防水加工等を施されたもの)を使用することによって、雨水等の侵入による接点等が導通状態となるのを防止することができる。また、扉が閉じた状態でスイッチオフとなるので、電池等の不必要な消費を回避することができ、電池の寿命を長期化することができる。
【0007】
本発明のスイッチボックスの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のスイッチボックスにおいて、前記開閉装置に各種信号を送信する電子回路と、前記電子回路に電力を供給する電池とを備え、前記電子回路と前記電池との間に前記スイッチ手段を設けたことにある。
これは、スイッチボックス内の電子回路と、この電子回路に電力を供給する電池との間に、スイッチ手段を設けたものである。スイッチ手段は磁石が近接した場合にその磁石に反応してスイッチオフとなり、扉が開けられて磁石が離間した場合にスイッチオンとなる。これによって、扉が閉じた状態でスイッチオフとなるので、電池等の不必要な消費を回避することができ、電池の寿命を長期化することができる。
【0008】
本発明のスイッチボックスの第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載のスイッチボックスにおいて、前記操作子手段は、開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成され、前記スイッチ手段は、前記磁石に反応してスイッチオフとなった場合に前記押しボタンスイッチから前記制御信号が出力されないように、前記3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、若しくは3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は前記1点式の押しボタンスイッチの前後に設けられることにある。
これは、操作子手段が開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成された場合に、押しボタンスイッチの押圧時による制御信号が出力されないように、スイッチ手段を3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は1点式の押しボタンスイッチの前後に設けるようにしたものである。
【0009】
本発明のスイッチボックスの第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載のスイッチボックスにおいて、前記スイッチ手段は、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるリードスイッチで構成されることにある。
リードスイッチは磁石が近接した場合にその磁石に反応してスイッチオフ又はスインチオンとなり、扉が開けられて磁石が離間した場合にスイッチオン又はスイッチオフとなるスイッチングデバイスである。この発明では、磁石が近接した場合にその磁石に反応してスイッチオフとなり、扉が開けられて磁石が離間した場合にスイッチオンとなるリードスイッチをスイッチ手段として使用するようにしたものである。
【0010】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出装置の第1の特徴は、操作子の操作状態に応じた制御信号を開閉装置に出力する操作子手段を収納した扉付きのボックスであって、前記扉を開けることによって前記操作子手段を操作することができるように構成されたスイッチボックスの扉開閉検出装置において、前記扉の少なくとも1個所に設けられた磁石と、前記扉が閉められ、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるスイッチ手段とを備えたことにある。
これは、前記スイッチボックスの第1の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出装置の発明である。
【0011】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置において、前記スイッチボックス内に前記開閉装置に各種信号を送信する電子回路と、前記電子回路に電力を供給する電池とを備え、前記電子回路と前記電池との間に前記スイッチ手段を設けたことにある。
これは、前記スイッチボックスの第2の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出装置の発明である。
【0012】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置において、前記操作子手段は、開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成され、前記スイッチ手段は、前記磁石に反応してスイッチオフとなった場合に前記押しボタンスイッチから前記制御信号が出力されないように、前記3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、若しくは3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は前記1点式の押しボタンスイッチの前後に設けられることにある。
これは、前記スイッチボックスの第3の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出装置の発明である。
【0013】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出装置の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置において、前記スイッチ手段は、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるリードスイッチで構成されることにある。
これは、前記スイッチボックスの第4の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出装置の発明である。
【0014】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出方法の第1の特徴は、操作子の操作状態に応じた制御信号を開閉装置に出力する操作子手段を収納した扉付きのボックスであって、前記扉を開けることによって前記操作子手段を操作することができるように構成されたスイッチボックスの扉開閉検出方法において、前記扉の少なくとも1個所に磁石を設け、前記扉が閉められ、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるスイッチ手段を前記スイッチボックス内に設けることによって、前記扉の開閉を検出することにある。
これは、前記スイッチボックスの扉検出装置の第1の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出方法の発明である。
【0015】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法において、前記スイッチボックス内に前記開閉装置に各種信号を送信する電子回路と、前記電子回路に電力を供給する電池とを備え、前記電子回路と前記電池との間に前記スイッチ手段を設けたことにある。
これは、前記スイッチボックスの扉開閉検出装置の第2の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出方法の発明である。
【0016】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出方法の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法において、前記操作子手段は、開閉停の3点式の押しボタンスイッチ又は1点式の押しボタンスイッチで構成され、前記スイッチ手段は、前記磁石に反応してスイッチオフとなった場合に前記押しボタンスイッチから前記制御信号が出力されないように、前記3点式の押しボタンスイッチの開ボタン及び閉ボタンと停ボタンとの間に、若しくは3点式の押しボタンスイッチの共通線に、又は前記1点式の押しボタンスイッチの前後に設けられることにある。
これは、前記スイッチボックスの扉開閉検出装置の第3の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出方法の発明である。
【0017】
本発明のスイッチボックスの扉開閉検出方法の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法において、前記スイッチ手段は、前記磁石が近接することによって前記磁石に反応してスイッチオフとなり、前記扉が開けられて前記磁石が離間することによってスイッチオンとなるリードスイッチで構成されることにある。
これは、前記スイッチボックスの扉開閉検出装置の第4の特徴に対応したスイッチボックスの扉開閉検出方法の発明である。
【0018】
本発明の開閉装置の特徴は、前記第1の特徴から第4の特徴までのいずれか1に記載のスイッチボックス、前記第1の特徴から第4の特徴までのいずれか1に記載のスイッチボックスの扉開閉検出装置、又は前記第1の特徴から第4の特徴までのいずれか1に記載のスイッチボックスの扉開閉検出方法を備えたことにある。
これは、開閉装置が上述のスイッチボックス、スイッチボックスの扉開閉検出装置、又はスイッチボックスの扉開閉検出方法のいずれかの特徴を備えたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の目的は、スイッチボックス内への雨水等の侵入による誤動作を防止し、予備電源等の消費を抑え、電池の寿命を長期化することのできるスイッチボックス、スイッチボックスの扉開閉検出装置、スイッチボックスの扉開閉検出方法及び開閉装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の開閉装置の概略構成を示す図である。
【
図3】
図3(A)は、
図2のリードスイッチを備えたスイッチボックス内の配線を示す図、
図3(B)は、
図3(A)の変形例を示す図、
図3(C)は、リードスイッチを備えたスイッチボックスに内蔵される電池と制御回路とリードスイッチの配線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に従って本発明に係るスイッチボックスを備えた開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉装置として上下に開閉制御されるシャッター装置を例に説明する。
図1は、本発明の開閉装置の概略構成を示す図である。このシャッター装置は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース11、シャッターカーテン12、ガイドレール13,14、モータ15、シャッター駆動回路16、開閉体制御装置17、スイッチボックス18及びリモコンスイッチ19などから構成される。これ以外の巻取シャフトやチェーンなどについては図示を省略してある。
【0022】
ガイドレール13,14は、シャッターカーテン12の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン12は、このガイドレール13,14の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。
【0023】
図示していない巻取りシャフトは、シャッターケース11の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン12を巻き取ったり巻き戻したりする。図示していないチェーンは、モータ15の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取りシャフトの回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ15の回転駆動力はチェーンを介して巻取りシャフト側に伝達され、モータ15が回転すると、チェーンを介して巻取りシャフトが回転し、シャッターカーテン12の開閉動作が制御されるようになっている。
【0024】
シャッター駆動回路16は、マイクロコンピュータ構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。シャッター駆動回路16は、開閉体制御装置17からの制御信号に基づいて、モータ15の回転を制御する。開閉体制御装置17とスイッチボックス18内の3点式の押しボタンスイッチとは、特定小電力無線(例えば、周波数429[MHz])によって無線接続されている。
【0025】
開閉体制御装置17は、スイッチボックス18内の3点式の押しボタンスイッチからの信号を受信するアンテナを備えている。なお、開閉体制御装置17とスイッチボックス18内の3点式の押しボタンスイッチは、有線接続されていても良い。なお、スイッチボックス18内の3点式の押しボタンスイッチに代えて無線型リモコンスイッチ19やモーション操作スイッチなどを用いて操作できるようにしてもよい。モーション操作スイッチは、電気や磁気、光、超音波などを使って操作者(対象者)の動きを感知するセンサである。
【0026】
スイッチボックス18は、3点式の押しボタンスイッチを内蔵しており、ガイドレール14の前面側の平坦部、すなわち開口部の周縁部に配置される。スイッチボックス18は、シャッター近傍の壁などに設置してもよい。スイッチボックス18内には昇(開)ボタン、停止(停)ボタン、下降(閉)ボタンの3点式の押しボタンスイッチが収納されている。押しボタンスイッチはスイッチボックス18内に収納されているので、図では点線で示している。なお、スイッチボックス18内の押しボタンスイッチは、1点式の押しボタンスイッチでもよい。スイッチボックス18内の押しボタンスイッチは、マイクロコンピュータ構成になっており、シャッターカーテン12の開閉動作を制御するためのプログラムや各種パラメータを記憶したメモリ等を内蔵しており、電池又はACアダプタからの電源によって動作する。
【0027】
リモコンスイッチ19は、スイッチボックス18内の昇(開)ボタンに対応した開スイッチ、停止(停)ボタンに対応した停スイッチ、下降(閉)ボタンに対応した閉スイッチを有し、それぞれの開閉停の各スイッチの操作状態に対応した開閉停の各動作に関する制御信号(送信機IDを含む)を開閉体制御装置17のリモコン受信機(図示せず)に出力する。開閉体制御装置17のリモコン受信機は、リモコンスイッチ19の間で所定の周波数帯(例えば、426[MHz])で接続され、リモコンスイッチ19特有の送信機IDを介してそれぞれ接続されるようになっている。すなわち、開閉体制御装置17のリモコン受信機は、制御信号に含まれる送信機IDが登録済のものと適合した場合に限り開閉停の各動作を実行するようになっている。
【0028】
図2は、スイッチボックスの一例を示す図である。スイッチボックス18の詳細構成は特許文献1に記載してあるので、ここでは概略構成を示す。スイッチボックス18は、ケース181、扉182、カバープレート183及びスイッチユニット184から構成される。ケース181は、前面に開口部を有する直方体形状の箱型をしている。ケース181の開口部にカバープレート183がネジ止め固定されている。昇(開)ボタン185、停止(停)ボタン186、下降(閉)ボタン187からなるスイッチユニット184は、カバープレート183の各ボタンに対応した穴から各ボタンの表面がカバープレートから突出するように、カバープレート183の裏面に取り付けられている。扉182は、Z型のヒンジ191の一端にねじ等の結合具や接着剤等で結合されている。ヒンジ191の他端は、ケース181内に回動可能に支持されている。従って、扉182は、ヒンジ191の回動によってケース181の開口部を塞ぐようになっている。
【0029】
扉182の裏面側(ケース181の収納側)には、ロック機構190が設けられている。ロック機構190は、扉182の表面側(図の裏側)に設けられているキー挿入口にキーを挿入し回転させることによって、ロック部材192を協働回転させ、ケース181の内壁面に設けられたスリット状の開口部に係合することによって扉182の開動作をロックするようになっている。
【0030】
この実施の形態では、ロック機構190の先端部(ケース181内のカバープレート183側)には磁石193のN極がカバープレート183の表面に対抗する位置に設けられている。扉182が閉じたときに磁石193の対抗する位置のカバープレート183上にリードスイッチ200が設けられている。リードスイッチ200は、磁石193のN極が近接することによって、スイッチングオフとなり、磁石193のN極が離間することでスイッチングオンとなるデバイスである。リードスイッチ200の構造は、2本の磁性体(磁化されやすい金属)リード片を、一定の重なり(オーバーラップ)で接触するようにガラス管の中に封入したものである。
【0031】
すなわち、リードスイッチ200は常時オン状態を維持している。ガラス管の中には不活性ガス(窒素ガス)が封入され、接点の活性化を防いでいる。リードスイッチ200に磁石193が近接すると、ガラス管内のリード片が磁化され、接点部分のリード片が共にS極となり、同極同士が反発することによって、リード片が所定の間隔で離間し、接点がオフ状態となる。磁石193が遠ざかるように離間すると、接点の磁極が消え、接点はそれぞれ接触し、スイッチオン状態となる。
【0032】
従って、スイッチボックス18は、扉182が閉じられた状態のときは、リードスイッチ200はスイッチオフ状態を維持し、扉182が開かれた(開放された)ときに、スイッチオン状態となり、昇(開)ボタン185、停止(停)ボタン186、下降(閉)ボタン187の操作が可能となり、操作に対応した制御信号が出力されるようになる。
【0033】
図3(A)は、
図2のリードスイッチを備えたスイッチボックス内の配線を示す図である。
図3(B)は、
図3(A)の変形例を示す図である。
図3(A)及び
図3(B)において、昇(開)ボタン185の押圧操作によって開信号が、停止(停)ボタン186の押圧操作によって停止信号が、下降(閉)ボタン187の押圧操作によって閉信号がそれぞれスイッチボックス18内の制御回路202に出力される。制御回路202は、昇(開)ボタン185、停止(停)ボタン186、下降(閉)ボタン187の押圧操作に対応した制御信号を無線方式にて開閉体制御装置17に送信する。
【0034】
図3(A)では、リードスイッチ200は、下降(閉)ボタン187と停止(停)ボタン186との間に設けられている。
図3(B)では、リードスイッチ200は、共通線に設けられている。
図3(A)及び
図3(B)では、スイッチボックス18の扉182が閉じており、リードスイッチ200はオフ状態にある。従って、上昇(開)ボタン185及び/又は下降(閉)ボタン187が雨水等の侵入によって、接点が誤って導通状態となったとしても、リードスイッチ200はオフ状態なので、接点導通による誤動作を起こすことはない。
【0035】
図3(C)は、リードスイッチを備えたスイッチボックスに内蔵される電池と制御回路とリードスイッチの配線を示す図である。
図3(C)では、電池201と制御回路202との間にリードスイッチ200が設けられている。
図3(C)では、スイッチボックス18の扉182が閉じており、リードスイッチ200はオフ状態にある。従って、スイッチボックス18の扉182が開けられた場合にのみ電池201から制御回路202に電源が供給されるようになるので、不必要に電池が消費されることはないので、電池201の寿命を長期化することができる。
【0036】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出される開閉装置を例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉装置としては、例えば、シャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
上述の実施の形態では、シャッターボックスが電磁波遮蔽性の材料で構成されている場合について説明したが、これ以外の金属性の材料などで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
11…シャッターケース
12…シャッターカーテン
13,14…ガイドレール
15…モータ
16…シャッター駆動回路
17…開閉体制御装置
18…スイッチボックス
181…ケース
182…扉
183…カバープレート
184…スイッチユニット
185…昇(開)ボタン
186…停止(停)ボタン
187…下降(閉)ボタン
19…リモコンスイッチ
190…ロック機構
191…ヒンジ
192…ロック部材
193…磁石
200…リードスイッチ
201…電池
202…制御回路