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特開2023-58635過活動膀胱の治療のためのビベグロンの投薬
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  • 特開-過活動膀胱の治療のためのビベグロンの投薬 図1
  • 特開-過活動膀胱の治療のためのビベグロンの投薬 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058635
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】過活動膀胱の治療のためのビベグロンの投薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20230418BHJP
   A61P 7/12 20060101ALI20230418BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P7/12
A61P13/10
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019236
(22)【出願日】2023-02-10
(62)【分割の表示】P 2019568107の分割
【原出願日】2018-06-06
(31)【優先権主張番号】62/516,013
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/635,310
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/637,949
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519432679
【氏名又は名称】ウロバント サイエンシズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
【氏名又は名称原語表記】UROVANT SCIENCES GMBH
【住所又は居所原語表記】Viaduktstrasse 8, 4051 Basel, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100117422
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 かおり
(72)【発明者】
【氏名】ステファン シー.ピシテッリ
(72)【発明者】
【氏名】ポール マッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】過活動膀胱を治療する方法を提供する。
【解決手段】第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日(ここでは、第2の投薬量は、第1の投薬量よりも多い)を、それを必要とする対象に経口的に投与することを含む方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過活動膀胱を治療する方法であって、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とそ
の後の第2の投薬量のビベグロン/日(ここでは、第2の投薬量は、第1の投薬量よりも
多い)を、それを必要とする対象に経口的に投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
過活動膀胱(OAB)は、下部尿路の慢性及び時として消耗性の状態である。下部尿路
の機能は、尿を蓄積し、周期的に放出することである。これは、中枢及び末梢の神経効果
器機構の調節、並びに、結果として生じる、自律神経系並びに体性運動経路の交感神経及
び副交感神経成分の協調的な制御をもたらす、様々な求心性及び遠心性神経路を含む、蓄
積と排尿反射との調和のとれた統合を必要とする。これらは、収縮状態の膀胱(排尿筋)
及び尿道の平滑筋、並びに尿道の括約筋の横紋筋を近位で制御する。
【0002】
過活動膀胱は、病態生理学的観点から、排尿筋過活動と関連付けられている。OABは
、頻数及び夜間頻尿を通常伴う、切迫失禁を伴う又は伴わない、尿意切迫の症状を特徴と
する。米国及び欧州におけるOABの有病率は、18歳を超えている女性と男性のどちら
においても、16から17%と推定されている。過活動膀胱は、最も多くの場合、突発性
と分類されるが、神経学的状態、膀胱出口閉塞、及び他の原因に続発する可能性もある。
【0003】
現在、OABを治療するために使用される主流クラスの薬物は、抗ムスカリン薬である
。口腔乾燥、便秘、及びCNS有害作用(例えば、認知機能障害)の可能性を含めた、機
構に基づく副作用に起因する、控えめな有効性及び不十分な忍容性によって、抗ムスカリ
ン薬の臨床使用は限られている。臨床試験と実生活の場の両方において一般に処方される
2種の抗ムスカリン薬であるトルテロジンとオキシブチニンの両方については、高い中止
率が見られている。
【0004】
β3アドレナリン受容体(β-AR)活性化は、正常及び病原性状態の排尿筋を弛緩
させる有効な方式である。尿蓄積におけるβ-ARについての重要な役割の裏付けとし
ての機能的証拠は、インビボでの研究から生じる。β-ARアゴニストは、OABの症
状の緩和における有効性を示している。今までに、β-ARアゴニスト、ミラベグロン
(Astellas Pharma Global Development,Inc)
1種のみが、OABの治療のために、米国及び日本ンにおいて販売承認を受けている。ミ
ラベグロンは、膀胱における排尿筋内のβ-ARを活性化し、これは、筋弛緩及び膀胱
容量の増大をもたらす。ミラベグロンを用いて、排尿頻度、尿失禁、及び切迫エピソード
の低下、並びに1回排尿量の平均の増大が観察された。
【0005】
ビベグロン、(6S)-N-[4-[[(2S,5R)-5-[(R)-ヒドロキシ(
フェニル)メチル]ピロリジン-2-イル]メチル]フェニル]-4-オキソ-7,8-
ジヒドロ-6H-ピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-カルボキサミドは、細胞に基づ
くインビトロアッセイにおけるβ-ARの活性化について、β-AR及びβ-AR
と比較して>9,000倍の選択性を示す、強力且つ高度に選択的なβ3アドレナリン受
容体(β-AR)アゴニストである。Edmondson et al.,J.Med
.Chem.59:609-623(2016)を参照のこと。
【化1】
【0006】
ビベグロンは、米国特許第8,399,480号明細書及び同第8,247,415号
明細書に、β-ARアゴニストとして開示されている。ビベグロンを調製するための合
成方法は、米国特許出願公開第2017/0145014号明細書、同第2015/00
87832号明細書、同第2016/0176884号明細書、及び同第2014/02
42645号明細書に開示されている。引用した刊行物はすべて、その全体を参照によっ
て本明細書に組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】特別な集団において推定される、ビベグロン100mg及び75mgでの曝露の密度プロットのオーバーレイを示す。
図2】ビベグロンの代謝産物の化学構造を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、過活動膀胱を治療する方法であって、第1の期間の第1の投薬量のビベグロ
ン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日(ここでは、第2の投薬量は、第1の投
薬量よりも多い)を、それを必要とする対象に経口的に投与することを含む方法を提供す
る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を、より容易に理解することができるように、ある種の用語を最初に定義する。
本出願で使用する場合、本明細書で別様に明示的に規定される場合を除いて、次の用語の
それぞれは、下に記述した意味を有するものとする。この出願全体を通して、追加の定義
を記述する。
【0010】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、及び「the」に
は、文脈によって別様に明確に指示しない限り、複数の指示内容が含まれる。用語「a」
(又は「an」)、並びに用語「1つ又は複数の」及び「少なくとも1つの」は、本明細
書では互換的に使用することができる。ある種の態様では、用語「a」又は「an」は、
「単一の」を意味する。他の態様では、用語「a」又は「an」には、「2つ以上の」又
は「複数の」が含まれる。
【0011】
さらに、本明細書で使用される場合の「及び/又は」は、他のものを含む又は含まない
、2つの特定された特徴又は構成成分のそれぞれの個別の開示とみなされるべきである。
したがって、本明細書で「A及び/又はB」などの表現で使用される用語「及び/又は」
には、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)が含まれるこ
とが意図される。同様に、「A、B、及び/又はC」などの表現で使用される用語「及び
/又は」は、次の態様のそれぞれを包含することが意図される:A、B、及びC;A、B
、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独)
;B(単独);及びC(単独)。
【0012】
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、この開示
が関連する分野の技術者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。
【0013】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して数値に関して使用される用語「約」は、当業
者に熟知され且つ許容し得る、正確性の幅を表す。こうした正確性の幅は、±10%であ
る。
【0014】
用語「過活動膀胱」は一般に、場合によっては頻数及び夜間頻尿を伴う、切迫失禁を伴
う又は伴わない、尿意切迫を特徴とする臨床症候群を指す。
【0015】
本明細書で使用される用語「切迫性尿失禁」(UUI)は、突然の強い排尿の必要性を
伴う尿失禁を意味し、「切迫尿失禁」又は「切迫失禁」と互換的に使用することができる
。UUIは、労作若しくは身体活動(例えば、スポーツ活動)時の又はくしゃみ若しくは
咳嗽時の尿失禁である腹圧性尿失禁とは区別される。
【0016】
本明細書で使用される用語「障害」は、急性又は慢性の機能低下を意味する。例えば、
腎機能障害は、腎臓がその正常な機能を維持できず、その結果血液中に老廃物及び代謝産
物が蓄積する医学的状態を指す。
【0017】
本明細書で使用される用語「尿意切迫」は、先延ばしすることが困難である突然の抑え
きれない尿意を意味する。
【0018】
本明細書で使用される用語「尿意頻数」は、膀胱の頻繁な排出の必要性を指す。
【0019】
本明細書で使用される用語「遊離塩基」は、塩の形態ではない塩基性化合物それ自体を
指す。例えば、ビベグロン遊離塩基は、(6S)-N-[4-[[(2S,5R)-5-
[(R)-ヒドロキシ(フェニル)メチル]ピロリジン-2-イル]メチル]フェニル]
-4-オキソ-7,8-ジヒドロ-6H-ピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-カルボ
キサミドを指す。
【0020】
本明細書で使用される用語「OAB wet」は、失禁を伴う、尿意頻数及び尿意切迫
によって定義される過活動膀胱を意味する。
【0021】
本明細書で使用される用語「OAB dry」は、失禁を伴わない、尿意頻数及び尿意
切迫によって定義される過活動膀胱を意味する。
【0022】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、対象に使用するのに安全且つ有効であり、且つ、所
望される生物活性を有する、化合物の塩を意味する。
【0023】
塩基性化合物の薬学的に許容し得る塩は、有機又は無機酸の塩であり得る。いくつかの
実施形態では、有機及び無機酸には、限定はされないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン
酸、クエン酸、マレイン酸、マンデル酸、コハク酸、及びメタンスルホン酸が含まれる。
一般に、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるJournal of Pha
rmaceutical Science,66,2(1977)を参照のこと。
【0024】
本明細書で使用される用語「Cmax」は、投与された後の薬物の最大血漿中濃度を指
す。
【0025】
本明細書で使用される用語「Tmax」は、最大血漿中濃度に到達する時の薬物の投与
後の時間を指す。
【0026】
本明細書で使用される用語「AUC」は、薬物の投与後の時間に対する血漿中濃度のプ
ロットの曲線下面積を指す。
【0027】
用語「定常状態」は、全身に到達する薬物の量が、全身から離れる薬物の量とほぼ同じ
であることを意味する。したがって、「定常状態」では、患者の体は、薬物が血流への吸
収を通して患者の全身に利用可能になるのとほぼ同じ速度で、薬物を排出する。
【0028】
用語「治療期間」は、薬物が対象に投与される期間を意味する。例えば、治療期間は、
約2週から約2年であり得る。いくつかの実施形態では、治療期間は、約2、約4、約6
、約8、約10、約12、約14、約16、約18、約20、約24、約52、約76、
又は約104週であり得る。薬物の有効性は、ある種のパラメータを測定し、治療期間を
通したベースラインからの変化を算出することによって評価することができる。有効性パ
ラメータには、限定はされないが、排尿、切迫尿失禁エピソード、全尿失禁エピソード、
及び切迫エピソードが含まれる。
【0029】
治療の方法
本開示は、過活動膀胱を治療する方法であって、望ましくない副作用を最小限にしつつ
、所望される有効性が維持されるような投薬量のビベグロンを、それを必要とする対象に
経口的に投与することを含む方法に関する。予想外にも、ビベグロンの投薬量の選択によ
って、Cmax上昇に伴う副作用を非比例的に(disproportionally)
低下させることができる。
【0030】
本開示の方法は、副作用を最小限にしながら、過活動膀胱を治療するためのビベグロン
の治療効果を最大限にすることができる。医師は、年齢、性別、腎機能、同時に投与され
る薬物、及び個々の患者の他の特徴によって変動し得る、薬物の適切な投薬量を決定する
ことができる。医師は、低用量、例えば薬物の最適用量未満での治療を開始し、その状況
下で最適な効果が得られるまで、一定量ずつ用量を増大させることができる。
【0031】
本開示は、過活動膀胱を治療する方法であって、第1の期間の第1の投薬量のビベグロ
ン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を、対象に経口的に投与することを含む
方法を提供する。ビベグロンの有効性を評価するための治療期間には、第1の期間の一部
又は全体が含まれる可能性もあるし、第1の期間と、第2の投薬量のビベグロンが投与さ
れる期間の一部が含まれる可能性もあるし、ビベグロンが投与される第1の期間と第2の
期間が含まれる可能性もある。
【0032】
本開示はまた、膀胱平滑筋弛緩を増大させる方法であって、第1の期間の第1の投薬量
のビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を、対象に経口的に投与する
ことを含む方法を提供する。ビベグロンの有効性を評価するための治療期間には、第1の
期間の一部又は全体が含まれる可能性もあるし、第1の期間と、第2の投薬量のビベグロ
ンが投与される期間の一部が含まれる可能性もあるし、ビベグロンが投与される第1の期
間と第2の期間が含まれる可能性もある。
【0033】
いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、投与される第
1の投薬量のビベグロン/日よりも多い。
【0034】
いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/日は、約50mgか
ら約100mg、約50mgから約95mg、約50mgから約90mg、約50mgか
ら約85mg、約50mgから約80mg、約50mgから約75mg、約50mgから
約70mg、約50mgから約65mg、約50mgから約60mg、又は約50mgか
ら約55mgである。いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/
日は、50mgから75mg/日である。
【0035】
いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/日は、約55mg、
約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90m
g、又は約95mgである。
【0036】
いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/日は、約50mgで
ある。いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/日は、50mg
である。
【0037】
いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/日は、約75mgで
ある。いくつかの実施形態では、投与される第1の投薬量のビベグロン/日は、75mg
である。
【0038】
いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、約50mgか
ら約100mg、約60mgから約100mg、約65mgから約100mg、約70m
gから約100mg、約75mgから約100mg、約80mgから約100mg、約8
5mgから約100mg、約90mgから約100mg、又は約95mgから約100m
gである。いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、75
mgから100mgである。
【0039】
いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、約55mg、
約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90m
g、約95mg、又は約100mgである。
【0040】
いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、約75mgで
ある。いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、75mg
である。
【0041】
いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、約100mg
である。いくつかの実施形態では、投与される第2の投薬量のビベグロン/日は、100
mgである。
【0042】
いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する方法は、第1の期間の第1の投薬量の
約50mgのビベグロン/日と、その後の第2の投薬量の約75mgのビベグロン/日を
、対象に経口的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する
方法は、第1の期間の第1の投薬量の50mgのビベグロン/日と、その後の第2の投薬
量の75mgのビベグロン/日を、対象に経口的に投与することを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する方法は、第1の期間の第1の投薬量の
約50mgのビベグロン/日と、その後の第2の投薬量の約100mgのビベグロン/日
を、対象に経口的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療す
る方法は、第1の期間の第1の投薬量の50mgのビベグロン/日と、その後の第2の投
薬量の100mgのビベグロン/日を、対象に経口的に投与することを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する方法は、第1の期間の第1の投薬量の
約75mgのビベグロン/日と、その後の第2の投薬量の約100mgのビベグロン/日
を、対象に経口的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療す
る方法は、第1の期間の第1の投薬量の75mgのビベグロン/日と、その後の第2の投
薬量の100mgのビベグロン/日を、対象に経口的に投与することを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の期間は、約1週から約52週、約1週から約24週、
約1週から約16週、約1週から約12週、約1週から約10週、約1週から約8週、約
1週から約7週、約1週から約6週、約1週から約5週、約1週から約4週、約1週から
約3週、約1週から約2週である。いくつかの実施形態では、第1の期間は、約52週で
ある。いくつかの実施形態では、第1の期間は、約24週である。いくつかの実施形態で
は、第1の期間は、約16週である。いくつかの実施形態では、第1の期間は、約12週
である。いくつかの実施形態では、第1の期間は、約8週である。いくつかの実施形態で
は、第1の期間は、約4週である。いくつかの実施形態では、第1の期間は、約3週であ
る。いくつかの実施形態では、第1の期間は、約2週である。いくつかの実施形態では、
第1の期間は、約1週である。
【0046】
いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する方法は、約8週間の第1の投薬量の約
50mgのビベグロン/日と、その後の約75mgのビベグロン/日を、対象に経口的に
投与することを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する方法は、約8週間の第1の投薬量の約
50mgのビベグロン/日と、その後の約100mgのビベグロン/日を、対象に経口的
に投与することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、過活動膀胱を治療する方法は、約8週間の第1の投薬量の約
75mgのビベグロン/日と、その後の約100mgのビベグロン/日を、対象に経口的
に投与することを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、対象は、切迫性尿失禁、尿意切迫、及び尿意頻数の症状を有
する。
【0050】
いくつかの実施形態では、対象は、切迫性尿失禁(又は切迫尿失禁)、尿意切迫、尿意
頻数、及び夜間頻尿のうちの1つ又は複数の症状を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、対象は、哺乳類である。いくつかの実施形態では、対象は、
ヒト又は動物である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0052】
いくつかの実施形態では、対象は、18歳を超えている。いくつかの実施形態では、対
象は、約18歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、約6から約18歳、約6
から約12歳、又は約12から約18歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約2
0歳を超えている。いくつかの実施形態では、対象は、約25歳を超えている。いくつか
の実施形態では、対象は、約30歳を超えている。いくつかの実施形態では、対象は、約
35歳を超えている。いくつかの実施形態では、対象は、40歳を超えている。いくつか
の実施形態では、対象は、45歳を超えている。いくつかの実施形態では、対象は、50
歳を超えている。いくつかの実施形態では、対象は、55歳を超えている。いくつかの実
施形態では、対象は、60歳を超えている。いくつかの実施形態では、対象は、65歳を
超えている。いくつかの実施形態では、対象は、70歳を超えている。いくつかの実施形
態では、対象は、75歳を超えている。
【0053】
いくつかの実施形態では、この方法は、対象への投与の前に、ビベグロンを含む単位用
量医薬組成物を粉砕することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ビベグロンを含
む粉砕された医薬単位用量を経口的に投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、対象は、腎機能障害を患う、又は腎機能障害を患うリスクが
ある。いくつかの実施形態では、対象は、軽症腎機能障害、中等度腎機能障害、又は重度
腎機能障害を患う。
【0055】
いくつかの実施形態では、対象は、事前のOAB療法を受けている。いくつかの実施形
態では、対象は、事前のOAB療法を受けていない。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の投薬量又は第2の投薬量は、約0ng/mLから約3
13ng/mLのビベグロンの定常状態Cmaxを提供する。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の投薬量又は第2の投薬量は、約331ng・hr/m
Lから約3613ng・hr/mLのビベグロンの定常状態AUCを提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の投薬量又は第2の投薬量は、約0.5時間から約6.
0時間のビベグロンのTmaxを提供する。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の投薬量又は第2の投薬量は、約0ng/mLから約3
13ng/mLのビベグロンの定常状態Cmax、約331ng・hr/mLから約36
13ng・hr/mLのビベグロンの定常状態AUC、及び/又は約0.5時間から約6
.0時間のビベグロンのTmaxを提供する。
【0060】
いくつかの実施形態では、ビベグロンは、例えば、本出願に列挙したあらゆるものを含
めた、第2の医薬品と共に投与される。いくつかの実施形態では、ビベグロンは、第2の
医薬品と同時に投与される。いくつかの実施形態では、ビベグロンは、第2の医薬品と連
続して投与される。いくつかの実施形態では、ビベグロンは、第2の医薬品の前及び/又
は後に投与される。下に記載した実施形態には、こうした連続的投与が含まれる。
【0061】
いくつかの実施形態では、対象は、CYP3A阻害剤などのシトクロムP450阻害剤
を、次のCYP:CYP1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、及び3A
4の基質である薬物と同時に受けている、摂取している、又は別の方法でこれに曝露され
ている。
【0062】
いくつかの実施形態では、対象は、P糖タンパク質阻害剤を、同時に受けている、摂取
している、又は別の方法でP糖タンパク質阻害剤に曝露されている。
【0063】
CYP3A/P糖タンパク質阻害剤としては、限定はされないが、アミオダロン、カル
ベジロール、クラリスロマイシン、ドロネダロン、イトラコナゾール、ラパチニブ、ロピ
ナビルとリトナビル、プロパフェノン、キニジン、ラノラジン、リトナビル、サキナビル
とリトナビル、テラプレビル、チプラナビルとリトナビル、ベラパミル、クルクミン、シ
クロスポリンA、エルトロンボパグ、アタザナビルとリトナビル、クラリスロマイシン、
シクロスポリン、エリスロマイシン、ゲムフィブロジル、ロピナビルとリトナビル、リフ
ァンピン(例えば、単回投与)、シメプレビル、p-アミノ馬尿酸(PAH)(b)、プ
ロベネシド、テリフルノミド、シメチジン、ドルテグラビル、イサブコナゾール、ラノラ
ジン、トリメトプリム、及びバンデタニブが挙げられる。
【0064】
いくつかの実施形態では、対象は、ムスカリン受容体拮抗薬を、同時に受けている、摂
取している、又は別の方法でムスカリン受容体拮抗薬に曝露されている。
【0065】
ムスカリン受容体拮抗薬としては、限定はされないが、スコポラミン、アトロピン、ヒ
ドロキシジン、イプラトロピウム、トロピカミド、ピレンゼピン、ジフェンヒドラミン、
ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジサイクロミン、フラボキサート、オキシブチニン
、チオトロピウム、シクロペントラート、硝酸メチルアトロピン、トリヘキシフェニジル
/ベンズヘキソール、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、ベンズトロピン
、メベベリン、プロシクリジン、及びアクリジニウム臭化物が挙げられる。
【0066】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、且つムスカリン受容体拮抗薬を、同時に
受けている、摂取している、又は別の方法でこれに曝露されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、且つCYP3A阻害剤を、同時に受けて
いる、摂取している、又は別の方法でCYP3A阻害剤に曝露されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、且つP糖タンパク質阻害剤を、同時に受
けている、摂取している、又は別の方法でP糖タンパク質阻害剤に曝露されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、対象は、β遮断薬を、同時には受けていないし、摂取してい
ないし、別の方法でβ遮断薬に曝露されることもない。
【0070】
いくつかの実施形態では、対象は、アムロジピンを、同時には受けていないし、摂取し
ていないし、別の方法でアムロジピンに曝露されることもない。
【0071】
いくつかの実施形態では、ビベグロンは、食事と共に、食事後60分以内に、又は食事
後2時間以内に投与される。いくつかの実施形態では、ビベグロンは、対象が食事を取っ
ているか取っていないかに関係なく投与される。
【0072】
いくつかの実施形態では、ビベグロンは、食事を伴わずに又は食事の前に投与される。
いくつかの実施形態では、ビベグロンは、食事の2時間前よりも前に投与される。
【0073】
いくつかの実施形態では、ビベグロンは、1日に1回、1日に2回、又は1日に3回投
与される。いくつかの実施形態では、ビベグロンは、1日に1回投与される。
【0074】
ビベグロンを摂取している対象についての血圧(BP)及び心拍数(HR)の、ベース
ラインからの変化は、プラセボを摂取している対象と実質的に異ならない。いくつかの実
施形態では、対象は、治療期間(例えば、8週又は12週)を通したベースラインからの
収縮期血圧(SBP)の平均最大変化を受け、プラセボを摂取している対象からの平均最
大変化が、2.0mm/Hg未満、1.9mm/Hg未満、1.8mm/Hg未満、1.
7mm/Hg未満、1.6mm/Hg未満、1.5mm/Hg未満、1.4mm/Hg未
満、1.3mm/Hg未満、1.2mm/Hg未満、1.1mm/Hg未満、1.0mm
/Hg未満、0.9mm/Hg未満、0.8mm/Hg未満、0.7mm/Hg未満、0
.6mm/Hg未満、又は0.5mm/Hg未満である。
【0075】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取している対象からの、治
療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの2mm/Hg
未満の平均最大変化を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投
薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを
摂取している対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースライン
からのSBPの1mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0076】
いくつかの実施形態では、対象は、65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取し
ている対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの
SBPの2mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、
65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬
量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取している対象からの、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの1mm/Hg未満の平均最大
変化を受ける。
【0077】
いくつかの実施形態では、対象は、45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取し
ている対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの
SBPの2mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、
45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬
量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取している対象からの、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの1mm/Hg未満の平均最大
変化を受ける。
【0078】
いくつかの実施形態では、対象は、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベ
ースラインからの拡張期血圧(DBP)の平均最大変化を受け、プラセボを摂取している
対象からの平均最大変化が、2.0mm/Hg未満、1.9mm/Hg未満、1.8mm
/Hg未満、1.7mm/Hg未満、1.6mm/Hg未満、1.5mm/Hg未満、1
.4mm/Hg未満、1.3mm/Hg未満、1.2mm/Hg未満、1.1mm/Hg
未満、1.0mm/Hg未満、0.9mm/Hg未満、0.8mm/Hg未満、0.7m
m/Hg未満、0.6mm/Hg未満、又は0.5mm/Hg未満である。
【0079】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取している対象からの、治
療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからのDBPの2mm/Hg
未満の平均最大変化を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投
薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを
摂取している対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースライン
からのDBPの1mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0080】
いくつかの実施形態では、対象は、65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取し
ている対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの
DBPの2mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、
65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬
量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取している対象からの、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通した、ベースラインからのDBPの1mm/Hg未満の平均最大
変化を受ける。
【0081】
いくつかの実施形態では、対象は、45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取し
ている対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの
DBPの2mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、
45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬
量のビベグロン/日であり、プラセボを摂取している対象からの、治療期間(例えば、8
週又は12週)を通した、ベースラインからのDBPの1mm/Hg未満の平均最大変化
を受ける。
【0082】
いくつかの実施形態では、対象は、45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取し
ている対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの
DBPの1mm/Hg未満の平均最大変化、且つプラセボを摂取している対象からの、治
療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの1mm/Hg
未満の平均最大変化を受ける。
【0083】
いくつかの実施形態では、対象は、65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、プラセボを摂取し
ている対象からの、治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの
DBPの1mm/Hg未満の平均最大変化、且つプラセボを摂取している対象からの、治
療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの1mm/Hg
未満の平均最大変化を受ける。
【0084】
いくつかの実施形態では、対象は、治療期間(例えば、8週又は12週)を通したベー
スラインからの、収縮期血圧(SBP)の、10mm/Hg未満、9.5mm/Hg未満
、9mm/Hg未満、8.5mm/Hg未満、8mm/Hg未満、7.5mm/Hg未満
、7mm/Hg未満、6.5mm/Hg未満、6mm/Hg未満、5.5mm/Hg未満
、又は5mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0085】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば、8週又は12週)を
通したベースラインからのSBPの10mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0086】
いくつかの実施形態では、対象は、65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通したベースラインからのSBPの10mm/Hg未満の平均最大
変化を受ける。
【0087】
いくつかの実施形態では、対象は、45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通したベースラインからのSBPの10mm/Hg未満の平均最大
変化を受ける。
【0088】
いくつかの実施形態では、対象は、治療期間(例えば、8週又は12週)を通したベー
スラインからの、拡張期血圧(DBP)の、7mm/Hg未満、6.5mm/Hg未満、
6mm/Hg未満、5.5mm/Hg未満、5mm/Hg未満、4.5mm/Hg未満、
4mm/Hg未満、3.5mm/Hg未満、3mm/Hg未満、2.5mm/Hg未満、
又は2mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0089】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば、8週又は12週)を
通したベースラインからのDBPの7mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0090】
いくつかの実施形態では、対象は、65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通したベースラインからのDBPの7mm/Hg未満の平均最大変
化を受ける。
【0091】
いくつかの実施形態では、対象は、45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通したベースラインからのDBPの7mm/Hg未満の平均最大変
化を受ける。
【0092】
いくつかの実施形態では、対象は、45歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通した、ベースラインからのDBPの7mm/Hg未満の平均最大
変化、且つ治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの
10mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0093】
いくつかの実施形態では、対象は、65歳を超えており、第1の期間の第1の投薬量の
ビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば
、8週又は12週)を通した、ベースラインからのDBPの7mm/Hg未満の平均最大
変化、且つ治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからのSBPの
10mm/Hg未満の平均最大変化を受ける。
【0094】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば、8週又は12週)を
通した、24時間あたりの平均排尿回数の、ベースラインからの変化を受け、ここでは、
この変化は、プラセボを摂取している対象についての変化よりも大きい。プラセボとの差
は、約-0.4から約-1.5、例えば、約-0.4、-0.5、-0.6、-0.7、
-0.8、-0.9、-1.0、-1.1、-1.2、-1.3、-1.4、若しくは-
1.5、又は前述の値のいずれか2つの間の範囲である。
【0095】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、治療期間(例えば、8週又は12週)を
通した、24時間あたりの平均排尿回数の、約-1.5から約-2.5、例えば、約-1
.5、-1.6、-1.7、-1.8、-1.9、-2.0、-2.1、-2.2、-2
.3、-2.4、若しくは-2.5、又は前述の値のいずれか2つの間の範囲の、ベース
ラインからの変化を受ける。
【0096】
いくつかの実施形態では、対象は、治療前の1日あたり≧1回の切迫尿失禁(UUI)
エピソードの平均を有し、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の
投薬量のビベグロン/日を投与され、且つ、UUIエピソードの平均数の、治療期間(例
えば、8週又は12週)を通した、ベースラインからの変化を受け、ここでは、この変化
は、プラセボを摂取している対象についての変化よりも大きい。プラセボとの差は、約-
0.2から約-1.5、例えば、約-0.2、-0.3、-0.4、-0.5、-0.6
、-0.7、-0.8、-0.9、-1.0、-1.1、-1.2、-1.3、-1.4
、若しくは-1.5、又は前述の値のいずれか2つの間の範囲である。
【0097】
いくつかの実施形態では、対象は、治療前の1日あたり≧1回の切迫尿失禁(UUI)
エピソードの平均を有し、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の
投薬量のビベグロン/日を投与され、且つ、UUIエピソードの平均数の、治療期間(例
えば、8週又は12週)を通した、約-1.3から約-2.5、例えば、約-1.3、-
1.4、-1.5、-1.6、-1.7、-1.8、-1.9、-2.0、-2.1、-
2.2、-2.3、-2.4、若しくは-2.5、又は前述の値のいずれか2つの間の範
囲の、ベースラインからの変化を受ける。
【0098】
いくつかの実施形態では、対象は、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその
後の第2の投薬量のビベグロン/日を投与され、且つ1回排尿量(volume voi
ded per micturition)(mL)の、治療期間(例えば、8週又は1
2週)を通した、ベースラインからの変化を受け、ここでは、この変化は、プラセボを摂
取している対象についての変化よりも大きい。プラセボとの差は、約20mLから約35
mL、例えば、約20mL、21mL、22mL、23mL、24mL、25mL、26
mL、27mL、28mL、29mL、30mL、31mL、32mL、33mL、34
mL、若しくは30mL、又は前述の値のいずれか2つの間の範囲である。
【0099】
いくつかの実施形態では、対象は、治療前の1日あたり≧1回の切迫尿失禁(UUI)
エピソードの平均を有し、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の
投薬量のビベグロン/日を投与され、且つ治療期間(例えば、8週又は12週)を通した
、1日あたりのUUIエピソードの平均数の、少なくとも50%、少なくとも55%、少
なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも
80%、又は少なくとも85%の減少を受ける。
【0100】
いくつかの実施形態では、対象は、治療前の1日あたり≧1回の切迫エピソードの平均
を有し、第1の期間の第1の投薬量のビベグロン/日とその後の第2の投薬量のビベグロ
ン/日を投与され、且つ治療期間(例えば、8週又は12週)を通した、1日あたりの切
迫エピソードの平均数の、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少
なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも
70%、又は少なくとも75%の減少を受ける。
【0101】
いくつかの実施形態では、ビベグロンは、約4週で作用発現が得られる。いくつかの実
施形態では、ビベグロンは、約3週で作用発現が得られる。いくつかの実施形態では、ビ
ベグロンは、約2週で作用発現が得られる。「作用発現」は、本明細書で使用する場合、
投与後に薬物の効果が目立つようになるまでにかかる時間を指す。
【0102】
単位用量医薬組成物
本開示は、本明細書に開示した、ある投薬量のビベグロンを含む単位用量医薬組成物で
あって、経口投与に適した単位投薬量組成物を提供する。経口用剤形には、例えば、液体
製剤、錠剤、カプセル、及びジェルキャップ(gelcap)などの剤形が含まれること
が、当業者によって認識されている。いくつかの実施形態では、単位用量組成物は、錠剤
及びカプセルなどの固体剤形である。いくつかの実施形態では、単位用量組成物は、錠剤
である。
【0103】
薬学的に許容し得る賦形剤は、ラクトース、微結晶セルロース、デンプン、炭酸カルシ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、マ
ンニトール、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースなどの、安
全であると一般に認識される賦形剤である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示し
た単位用量医薬組成物は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、及び滑沢剤を含む。一般に、その全
体が参照によって本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceu
tical Sciences,20th ed.,Mack Publishing,
Easton PA(2000)を参照のこと。
【0104】
一実施形態では、本明細書に開示した単位用量医薬組成物は、マンニトール、微結晶セ
ルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、及びステア
リン酸マグネシウムを含む。
【0105】
経口用剤形は、標準の医薬製造技術によって調製することができる。こうした技術には
、例えば、湿式造粒、湿式粉砕、流動床乾燥、乾式粉砕、潤滑化、錠剤化、及び水性フィ
ルムコーティングが含まれる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、約50mgから約100m
gのビベグロンを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、約55mgから約100m
g、約60mgから約100mg、約65mgから約100mg、約70mgから約10
0mg、約75mgから約100mg、約80mgから約100mg、約85mgから約
100mg、約90mgから約100mg、又は約95mgから約100mgのビベグロ
ンを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、約50mgから約95mg
、約50mgから約90mg、約50mgから約85mg、約50mgから約80mg、
約50mgから約75mg、約50mgから約70mg、約50mgから約65mg、約
50mgから約60mg、又は約50mgから約55mgのビベグロンを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、約60mgから約90mg
、約65mgから約85mg、又は約70mgから約80mgのビベグロンを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、約55mg、約60mg、
約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、又は約9
5mgのビベグロンを含む。いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、
約75mgのビベグロンを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、粉砕することができる。い
くつかの実施形態では、本開示の単位用量医薬組成物は、経口投与の前に粉砕することが
できる。
【0112】
インビトロアッセイ
ビベグロンを、いくつかのインビトロアッセイにおいて試験して、ヒトβ-ARでの
そのアゴニスト効力、他のヒトβ-ARサブタイプに対するその選択性、及び他の種由来
のβ-ARでのその効力を決定した。
【0113】
ヒトβ-ARを安定的に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞におけ
る細胞アデニリルシクラーゼ活性の増大を測定する機能アッセイにおいて、ビベグロン活
性を測定した。証明済みの完全アゴニスト(イソプロテレノール)に対する活性化の程度
を、化合物EC50と共に測定した。
【0114】
ビベグロンは、1.1nMのEC50と、イソプロテレノールに対する84%の活性化
を有する、β-ARの強力且つ選択的なアゴニストである。40%ヒト血清の存在下で
は、この化合物の低い血漿タンパク質結合(ヒトでは49%の非結合)と一致して、小さ
い血清変化が観察される(EC50=1.7nM、102%の活性化)。
【0115】
さらに、β-及びβ-ARサブタイプと比較した、β-ARに対するビベグロン
の選択性を、β-AR又はβ-ARを発現するCHO細胞において試験することによ
って決定した。ビベグロンは、β-ARに対して、β-AR及びβ-ARよりも高
度に選択的であり、細胞に基づくインビトロ機能アッセイにおけるβ-ARの活性化に
ついて、β-AR又はβ-ARと比較して>9000倍の選択性を示す。
【0116】
ビベグロンのIC50を、組換え型β、β、又はβ-ARを発現する細胞から調
製した膜を使用する標準の競合結合アッセイにおいて決定した。ビベグロンは、フィルタ
ー結合アッセイにおける非特異的なβ-ARの放射標識されたアンタゴニスト125I-
CYPの競合について、β-AR IC50=193nM(86ng/mL)を有する
。ヒトβ-ARでのビベグロンの強力なインビトロでのアゴニスト活性に対する結合親
和性の相対的欠如は、化合物が、結合されていない受容体-対-結合されている受容体に
ついて競合する相対的能力(これらは、どちらもアンタゴニスト結合アッセイによって測
定されるであろう)に関連している。さらに、この化合物は、結合競合アッセイにおいて
示される通り、β-ARとβ-ARのいずれとも結合せず、この化合物が、これらの
受容体のアゴニストでもアンタゴニストでもないことを裏付けている。
【0117】
吸収、分布、代謝、及び排泄
ビベグロンは、健康な協力者における経口投与後、およそ1から3時間で最大血漿中濃
度(Cmax)に到達する。平均Cmax及びAUCは、400mgまで、用量に比例す
るよりも大きく増大する。定常状態濃度は、ビベグロンの1日1回投薬の7日以内に得ら
れた。定常状態AUCの幾何平均蓄積比は、若い男性対象では約2、高齢の対象(男性及
び女性)では約2.8であった。若い日本人男性対象におけるビベグロン曝露は、非日本
人の若い男性対象における曝露よりも、単一用量投与後に、中程度に(<2倍)増大した
【0118】
健康な中年及び高齢の女性における、食物を伴う反復経口用量の150mgビベグロン
の投与は、絶食状態での同じ用量と比較して、第1日に約42%及び59%、第14日に
約20%及び43%の平均AUC0-24及びCmax値をもたらした。
【0119】
肝不全を有する患者におけるビベグロンの薬物動態を調べるための、2パートの非盲検
の単一用量研究では、ビベグロンの見かけの分布容積(Vd/F)は、およそ9120L
であった。ビベグロンは(およそ49%)、ヒト血漿タンパク質に結合される。
【0120】
ビベグロンは、尿中排泄、胆汁中排泄、及び肝代謝を含めた様々な経路によって排出さ
れる。CYP3A4は、インビトロ代謝を担う主たるCYPであるが、代謝は、ビベグロ
ンの排出において些細な役割しか果たさないように思われる。健康な対象における物質収
支研究では、回収される用量の大部分は、変化していないビベグロンとして排出された。
排泄物中の放射能の平均合計回収率は、79%であり、この用量のおよそ59%及び20
%は、それぞれ大便及び尿中で回収された。
【0121】
ビベグロン用量の大部分は、変化していない親薬物として排出されることが判明した。
7種の微量の代謝産物が、尿及び大便中に検出され、そのうちの6種(M1、M3、M4
、M6、M11、及びM17)は、酸化的代謝産物であった(図2参照)。代謝産物M7
は、ビベグロンのO-グルクロニド抱合体である。血漿中の[14C]ビベグロン由来の
放射能の濃度は、0.3μMの平均Cmaxと2.5時間のTmaxを有していた。2及
び4時間での血漿試料の放射能プロフィールは、血漿放射能のそれぞれ約78%及び約7
3%が、変化していないビベグロンによって占められ、また、O-グルクロニド(M7)
が、主たる循環代謝産物(循環する薬物関連物質全体の約12~14%)であることを示
した。2種のさらなる微量の酸化的代謝産物M4(4~6%)及びM17(6~7%)も
、ヒト血漿において検出された。投薬後4時間を超える他の時点での、血漿試料における
放射能は、低すぎてプロファイルできなかった。半減期の推定を可能にするその後の時点
からの十分なデータのおかげで、血漿における循環代謝産物の蓄積の可能性は想定されな
かった。
【0122】
ビベグロンは、若い対象及び高齢対象において、59~94時間の終末相半減期t1/
を有する。定常状態では、若い男性における平均腎クリアランス(CLR)は、すべて
の用量レベルにわたって150から187mL/分の範囲であったのに対して、高齢対象
(男性及び女性)におけるCLRは、127mL/分で、やや少なかった。用量の増大と
共に、定常状態(fe0-24hr,ss)で排泄される用量の割合が増大する傾向が存
在しており、これは、用量が増大するにつれてバイオアベイラビリティが増大することを
反映している。fe0-24hr,ssは、若い男性と高齢者で同様であり、若い男性に
おいて100及び150mgで約14%、高齢対象において100mgで約17%であっ
た。若い日本人対象における平均fe0-24hr及びCLは、非日本人対象において
観察されるものと同様であった。
【実施例0123】
実施例1
ビベグロン錠剤処方
ビベグロン錠剤(50mg、75mg、及び100mg)の組成を、表1に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
実施例2
薬物動態学的データ
2.1 単回投与薬物動態
ビベグロンの単回投与薬物動態を、二本の二重盲検の、無作為化された、プラセボ対照
の、単回の用量漸増経口投与第1相研究で調べた。すべての対象は、健康な成人であった
。結果の概要を、表2に示す。2から600mgまでの範囲のビベグロンの単回経口投与
後、投薬後0.8から3時間で平均tmaxが生じた。終末相消失半減期t1/2は、健
康な若い男性対象における10から600mgまでのすべての用量について、43から7
5時間を平均した。全身曝露は、600mgまで、用量に比例するよりも大きかった。
【0126】
日本人の若い男性におけるビベグロン曝露は、非日本人の若い男性における曝露よりも
、中程度に増大した。ビベグロンAUC0-infについての幾何平均比(GMR;日本
人/非日本人)及び対応する90% CIは、用量の増大と共に、10mgでの1.75
(1.38、2.23)から300mgでの1.17(0.99、1.40)まで低下し
た。ビベグロンCmaxについてのGMR(日本人/非日本人)及び90% CIは、用
量によって影響を受けないように見え、すべての用量にわたって1.75(1.35、2
.26)(プールされた)であった。日本人対象におけるTmax値の中央値(1から3
時間)及び調和平均の見かけの終末相半減期t1/2推定値(58から71時間)は、非
日本人対象におけるものと同様であった。非日本人対象と同様に、日本人対象におけるA
UC0-inf及びCmaxは、300mgまで、用量に比例するよりも大きく増大する
ように見えた。
【0127】
非日本人の高齢の男性及び女性対象における50mgビベグロンの単回投与薬物動態も
、表2に示す。高齢の男性及び女性対象では、50mgビベグロンの投与後の平均AUC
0-inf及びCmaxは、若い男性における50mgの後の対応する値よりも、それぞ
れ約70%及び60%高かった。Tmaxは、若い男性において観察されたものと同様で
あった(Tmax中央値=1.0時間)が、見かけの終末相半減期t1/2は、高齢者で
は、若者よりもやや長かった(調和平均t1/2=52時間に対して92時間)。高齢の
女性におけるビベグロン曝露は、高齢の男性よりもいくらか高かった。
【0128】
【表2】
【0129】
2.2 反復投与薬物動態
ビベグロンの反復投与薬物動態を、二本の無作為化された、二重盲検の、プラセボ対照
の、用量漸増反復投与第1相研究で、健康な非日本人の若い男性対象、中年の男性及び女
性対象、並びに高齢の男性及び女性対象において、また、健康な日本人の若い男性対象、
並びに高齢の男性及び女性対象において調べた。非日本人対象が、7から28日間、25
から400mgまでの範囲の反復投与を受けたのに対して、日本人対象は、14日間、5
0から200mgの反復投与を受けた。投薬の14日後の薬物動態学的結果を、表3にま
とめて示す。
【0130】
平均すると、女性は、年齢に関係なく、男性と比較して50%高い曝露(AUC)を受
ける傾向がある。高齢対象における100mgビベグロンのQD投与後の定常状態AUC
及びCmax値は、若い男性と比較して、それぞれ約1.7倍及び1.3倍高かった。
【0131】
GM Cmax及びAUC蓄積比は、200mg用量レベルで、日本人対象について1
.78及び1.84であった。平均すると、日本人の若い男性対象における定常状態曝露
は、若い男性の非日本人対象よりも約30%高かった;曝露の差は、統計的に有意であっ
た。ビベグロンAUC及びCmax(用量にわたってプールされた)のGMR(日本人/
非日本人)及び対応する90% CIは、それぞれ、1.27(1.09、1.48)及
び1.33(1.06、1.67)であった。
【0132】
平均すると、高齢の男性及び女性の日本人対象における第14日での定常状態曝露は、
高齢の男性及び女性の非日本人対象よりも35%高かった;曝露の差は、統計的に有意で
あった。高齢のパネルについてのビベグロンAUC0-24及びCmaxの第14日のG
MR(日本人/非日本人)及び対応する90% CIは、それぞれ、1.35(1.09
、1.68)及び1.82(1.32、2.51)であった。
【0133】
【表3】
【0134】
2.3 バイオアベイラビリティ及び生物学的同等性
5本の第1相研究を、ビベグロンのカプセル製剤を使用して実施したのに対して、7本
の第1相研究及び1本の第2b相研究は、錠剤処方を使用した。18から45歳の健康な
男性対象における、非盲検の、無作為化された、2期の、クロスオーバーPK研究により
、ビベグロンのカプセル(1×150mgカプセル)と錠剤(3×50mg錠剤)製剤の
単回投与薬物動態を比較した。
【0135】
錠剤処方は、表4に示す通り、カプセル製剤に匹敵する曝露を提供した。Tmax及び
見かけの終末相半減期t1/2も、2つの製剤の間で同様であった。
【0136】
【表4】
【0137】
非盲検の、単回投与の、無作為化された、2期の、2治療の、2順序の、クロスオーバ
ー第1相研究により、わずかに異なる組成を有する2種類の錠剤:水性錠剤(被験)及び
非水性錠剤(参照基準)の相対的な生物学的同等性を評価した。
【0138】
【表5】
【0139】
2.4 経口吸収に対する食物の影響
ビベグロン50mgの単回投与の薬物動態に対する食物の影響を、二本の無作為化され
た、二重盲検の、プラセボ対照の、用量漸増単回投与第1相研究で、健康な非日本人及び
日本人の若い男性において評価したのに対して、中年の女性におけるビベグロン150m
gの反復投与薬物動態に対する食物の影響を、無作為化された、二重盲検の、プラセボ対
照の、用量漸増反復投与第1相研究で評価した。薬物動態学的結果の概要を、表6に列挙
する。
【0140】
非日本人の若い男性における高脂肪の食事を伴う50mgビベグロンの投与は、絶食状
態における投与と比較して、AUC0-inf及びCmaxのそれぞれ46%及び67%
低下と、約1時間のTmaxの遅延をもたらした。日本人の若い男性への、標準の日本人
の朝食を伴う50mgビベグロンの投与は、高脂肪の食事と共に同じ用量を投与された非
日本人男性対象における結果とほぼ同様の、AUC0-inf及びCmaxのそれぞれ3
7%及び52%低下をもたらした。
【0141】
健康な中年の女性における食物を伴う150mgビベグロンの反復経口投与の施与は、
絶食状態における同じ用量と比較して、第14日での平均AUC0-24hr及びCma
のそれぞれ20%及び47%低下をもたらした。定常状態でのTmaxは、絶食状態と
比較して、摂食状態では遅くなった(2.0時間に対して6.0時間)。
【0142】
【表6】
【0143】
2.5 標的疾患集団における薬物動態
OABを有する患者における、無作為化された、二重盲検の、プラセボ対照及び実対照
の、並行群の2パートの第2b相研究により、希薄なビベグロンのトラフ濃度(Ctro
ugh)のみを測定した;ビベグロン50mg及び100mg QDの平均(±SD)C
troughは、それぞれ27.4(±18.3)ng/mL及び73.6(±65.5
)ng/mLであった。健康な若い男性におけるビベグロン50mgの平均(±SD)C
troughは、15.2(±5.07)ng/mLであった。ビベグロン100mgの
平均(±SD)Ctrough値は、健康な若い男性における31.9(±11.5)か
ら、健康な高齢者における54.2(±15.3)までの範囲であった。
【0144】
実施例3
特別な集団における薬物動態
3.1 年齢の影響
ビベグロン曝露を、若い(18から45歳)、中年の(46から64歳)、及び高齢の
(65から85歳)男性及び女性において評価した。曝露は、中年の男性では、若い男性
と比較した場合に同様であったが、血漿中濃度は、高齢者では、中年及び若い対象と比較
して高かった。単回の50mg投与後、ビベグロンAUC0-inf及びCmaxは、高
齢対象では、若い対象と比較してそれぞれ70%及び60%高かった。消失半減期t1/
は、無作為化された、二重盲検の、プラセボ対照の、用量漸増単回投与研究において、
92時間時点での高齢者では、若い対象における52時間と比較して長かった。定常状態
ビベグロンAUC0-24h及びCmax値は、無作為化された、二重盲検の、プラセボ
対照の、用量漸増反復投与研究において、高齢者では、若い男性と比較してそれぞれ約1
.7倍及び約1.3倍大きかった。さらに、定常状態AUCの幾何平均蓄積比は、若い男
性では約2、高齢者では約2.8であった。高齢の日本人では、AUC0-24及びC
axは、高齢の非日本人と比較してそれぞれ約35%及び82%増大した。
【0145】
3.2 性別の影響
100又は150mg投与後の定常状態ビベグロン曝露に対する性別の影響を、無作為
化された、二重盲検の、プラセボ対照の、用量漸増反復投与研究において評価した。ビベ
グロン血漿中濃度は、中年の男性では、若い男性と比較した場合に同様であった;しかし
、曝露は、中年の女性では、中年の男性と比較して、やや高く(中年の女性では約1.5
倍高い定常状態AUC)、これは、高齢の女性における曝露を高齢の男性における曝露と
比較した場合にも認められた。
【0146】
3.3 腎機能障害の影響
腎機能障害を有する24人の患者(重度8人、中等度8人、及び軽症8人)における単
回投与ビベグロン100mgの薬物動態を、非盲検の、単回投与PK研究において、8人
の健康な対照の対象と比較した。薬物動態パラメータ、及び様々な程度の腎機能障害を有
する患者とその健康な対応対象との間の統計学的比較の概要を、表7に示す。
【0147】
軽症(eGFR≧60から<90mL/分/1.73m)、中等度(eGFR≧30
から<60mL/分/1.73m)、及び重度(eGFR<30mL/分/1.73m
だが透析を受けていない)腎機能障害を有する患者におけるビベグロンAUC0-in
は、健康な対応対照の対象と比較して、それぞれ49%、106%、及び83%高かっ
た。軽症、中等度、及び重度腎機能障害患者におけるビベグロンCmaxは、健康な対応
対照の対象と比較して、それぞれ96%、68%、及び42%高かった。まとめると、腎
機能障害の程度の増大は、ビベグロンAUC0-infの増大と関連していたが、Cma
では、はっきりした傾向は認められなかった。腎機能の低下は、より低いクリアランス
と関連していた。クリアランスと腎機能との関係を、線形回帰を使用してモデル化した。
回帰からの傾きに基づくと、CL/Fは、eGFRの1mL/分/1.73mの増大に
つき約0.8%増大することが判明した。この線形関係に基づくと、健康な対象に対する
軽症、中等度、及び重度集団についてのCL/F比は、それぞれ0.81、0.64、及
び0.50であると予測された。AUCについての対応する予測比は、1.24、1.5
7、及び2.00であった。CL/Fとクレアチニンクリアランスとの関係をモデル化す
ることにより、同様の結果がもたらされた。腎クリアランス(CLR)、及び48時間の
採取区間を通して尿中に排泄される用量の割合(fe[尿]48hr)は、腎機能障害の
程度の増大と共に低下した。軽症、中等度、及び重度腎機能障害を有する患者は、健康な
対応対照の対象と比較して、CLRをそれぞれ39%、65%、及び82%低下させてい
た。fe[尿]48hrは、軽症腎機能障害患者(8.5%)と健康な対応対照の対象(
7.9%)とで同等であり、また、中等度及び重度腎機能障害患者では、それぞれ5.5
%及び2.1%であった。
【0148】
【表7】
【0149】
3.4 肝障害の影響
ビベグロン100mgの単回投与の薬物動態を、2パートの、非盲検の、単回投与第1
相研究で、中等度肝障害(7から9のチャイルド・ピュー分類(Child-Pugh
Score))を有する8人の患者と、年齢、性別、及びBMIを対応させた8人の健康
な対象において評価した。ビベグロン薬物動態パラメータの統計学的比較を、表8に示す
。中等度肝障害患者及び健康な対照の対象についてのAUC0-inf及びCmax
MR(90% CI)は、それぞれ1.27(0.96、1.67)及び1.35(0.
88、2.06)であり、これは、中等度肝障害が、ビベグロンの曝露に対する臨床的に
重要な影響を受けなかったことを示唆していた。
【0150】
【表8】
【0151】
3.5 薬物相互作用研究
6種の化合物と組み合わせたビベグロンを評価する、4本の薬物相互作用研究を実施し
た。表9は、ビベグロンの薬物動態に対する、ケトコナゾール、ジルチアゼム、又はトル
テロジンの効果をまとめて示す。表10は、ジゴキシン、エチニルエストラジオール、レ
ボノルゲストレル、又はトルテロジンの薬物動態に対する、ビベグロンの効果をまとめて
示す。
【0152】
強力なCYP3A4/P-gp阻害剤、ケトコナゾール200mg、及び中程度のCY
P3A4/P-gp阻害剤、ジルチアゼム240mgの反復投与を、ビベグロン100m
gの単回投与と組み合わせて評価した。GMビベグロンAUC0-inf及びCmax
、200mgケトコナゾールの反復投与の存在下で、それぞれ2.08倍及び2.22倍
増大した。GMビベグロンAUC0-inf及びCmaxは、240mg又は180mg
ジルチアゼムの反復投与の存在下で、それぞれ63%及び68%増大した。GM t1/
は、ビベグロンが単独で、ジルチアゼムと共に、又はケトコナゾールと共に投与された
場合に、それぞれ75、75.4、及び80.2時間であった。この、ケトコナゾール又
はジルチアゼムの存在下でビベグロンt1/2が増大しなかったことは、吸収段階におい
て第一に相互作用が生じたことを示唆する。しかし、これらの相互作用は、臨床的に有意
であるとは考えられない。トルテロジンER 4mgは、ビベグロンの薬物動態に対する
効果を有しなかった。
【0153】
ビベグロンの反復投与を、p-gp基質、ジゴキシンと組み合わせて評価した。ビベグ
ロンと同時投与された場合のジゴキシンのAUC0-inf GMRについての90%
CIは、80~125%の生物学的同等性の範囲内に含まれており、これは、ビベグロン
が、臨床的に有意な程度までジゴキシン薬物動態に影響を与えないことを示唆していた。
エチニルエストラジオール(EE)及びレボノルゲストレル(LNG)、すなわち経口避
妊薬の2つの一般的な構成成分の薬物動態は、ビベグロンの反復投与によって変化しなか
った。EEのAUC及びCmaxについてのGMR(EE/LNG単独に対するEE/L
NG+ビベグロン)についての90% CIは、0.8及び1.25以内に含まれていた
。LNGのAUC及びCmaxは、ビベグロンの反復投与の存在下で、18から21%増
大したが、これらの増大は、臨床的に有意であるとは考えられなかった。ビベグロン10
0mg又は150mgが、トルテロジンER 4mgと同時投与される場合、臨床的に意
味のある薬物動態学的相互作用は生じない。
【0154】
【表9】
【0155】
【表10】
【0156】
3.6 QT間隔延長に対する影響
QTc間隔に対するビベグロンの影響を、単回経口投与研究において評価した。52人
の健康な対象が、400mgビベグロンの投与、ビベグロン200mgの単回投与、モキ
シフロキサシン400mgの単回投与、及びビベグロンと対応するプラセボの単回投与を
受けた。
【0157】
400mg用量のビベグロンは、投与後1時間で、4.60(2.71、6.48)ミ
リ秒という、QTcFの、プラセボとの最大LS平均差(90% CI)をもたらした。
200mg単回投与後のQTcFにおいて、同様の結果が記録され、ここでは、プラセボ
との最大LS平均差(90% CI)は、投与後1時間で、4.98(3.07、6.8
8)ミリ秒であった。すべての平均差の90% CIの上端は、10ミリ秒の目標を下回
った(表11)。QTcFに対するモキシフロキサシンの統計的に有意な影響が認められ
た。
【0158】
単回の200mg投与後に得られたGM(CV%)Cmax及びAUC0-23.5h
は、それぞれ366(50.4)ng/mL及び2270(37.3)ng・h/mL
であった。ビベグロンCmaxは、二重盲検の、無作為化された、プラセボ対照の、交代
の(パネルA及びB)、複数期間の、単回の用量漸増経口投与第1相研究において、10
0mgの反復投与を受けている高齢対象において得られた値の1.63倍であったが、A
UCは、ほぼ同じであった。400mgの単回投与後に得られたGM(CV%)Cmax
及びAUC0-23.5hrは、それぞれ1020(39.9)ng/mL及び6450
(34.0)ng・h/mLであった。これらのCmax及びAUC0-23.5hr
は、ビベグロン100mgの反復投与を受けている高齢対象において得られた値の4.5
5倍及び2.89倍である。
【0159】
200mg用量レベルと400mg用量レベルとの両方で、目標PK曝露が達成された
。100mgの最大臨床用量で高齢の女性対象において得られた定常状態Cmax及びA
UC0-24hr値は、それぞれ278ng/mL及び2620ng・h/mLであった
【0160】
【表11】
【0161】
実施例4
臨床的有効性データ
OAB(OAB wet及びOAB dryとして層別化されている)を有する男性及
び女性における、ビベグロンの、無作為化された、二重盲検の、プラセボ対照及び実対照
の、並行群の2パートの第2b相研究を完了した。パート1は、ビベグロンの安全性、忍
容性、及び有効性を評価するための用量範囲探索研究、並びにビベグロンのトルテロジン
ER 4mgとの同時投薬についての概念研究の立証であった。パート1におけるおよそ
980人の対象を、二重盲検の様式で、7つの治療アームのうちの1つに均等に無作為化
した:ビベグロン3mg、15mg、50mg、若しくは100mg(1日1回、8週間
);トルテロジンER 4mg(1日1回、8週間);プラセボ(1日1回、8週間);
又はビベグロン50mgをトルテロジンER 4mgと共に4週間、それに続いてビベグ
ロン50mgを4週間。パート2は、同時投薬の安全性及び有効性を継続して評価するた
めに設計された。パート2では、408人の対象を、二重盲検の様式で、4つの治療アー
ムのうちの1つに、2:2:2:1の比で無作為化した:ビベグロン100mg、トルテ
ロジンER 4mg、トルテロジンER 4mgと共にビベグロン100mg、又はプラ
セボ(1日1回、4週間)。パート1とパート2のどちらにおける対象も、1年の延長に
登録する選択肢を有していた。参加者は、それぞれの強い切迫、全尿失禁、及び切迫失禁
エピソードの発生を記録する排尿日記をつけるように求められた。パート1及びパート2
についての有効性データを、ここにまとめて示す。
【0162】
ベースラインでは、対象は、排尿日記において、日記の1日あたり≧8の平均排尿回数
を有していなければならない。さらに、OAB wet層における対象は、日記の1日あ
たり≧1の切迫性失禁エピソードの平均数を有していなければならない。OAB dry
層における対象は、日記の1日あたり≧3の切迫エピソードの平均数、且つ日記の1日あ
たり<1の切迫性失禁エピソードの平均を有していなければならない。すべての対象につ
いて、切迫性失禁エピソードの総数は、腹圧性失禁エピソードの総数を超えていなければ
ならない。
【0163】
この研究の主目的は、選択されたビベグロン用量(単独又はトルテロジンと組み合わせ
た)での治療の安全性及び忍容性を評価することと、第8週での、プラセボと比較した1
日あたりの排尿の平均数の用量関連の減少を調べることであった。
【0164】
パート1では、第8週での、ビベグロン100mg及び50mg治療群における、プラ
セボ群と比較した場合の1日あたりの排尿の平均数の統計的に有意な減少が認められた。
切迫性失禁及び全尿失禁(OAB wetを有する対象における)、並びにすべての対象
における切迫エピソードが含まれる副次的評価項目について、ビベグロン100mg及び
50mg治療群における、プラセボと比較した場合のベースラインからの統計的に有意な
減少も認められた。ビベグロン15、50、及び100mg治療群における副次的評価項
目:1回排尿量について、プラセボと比較した場合のベースラインからの統計的に有意な
増大も認められた。(表12及び13)。
【0165】
【表12】
【0166】
【表13】
【0167】
OABを有する男性及び女性におけるビベグロンの安全性及び有効性を評価するために
設計された、二重盲検の、無作為化された、プラセボ対照の、多施設の、第3相研究を完
了した。プラセボ慣らし期間の完了時に、1,232人の患者を、ビベグロン50mg(
N=370)、ビベグロン100mg(N=369)、プラセボ(N=369)、又はイ
ミダフェナシン0.2mg(対照群(comparator);N=117)を含めた1
2週間の盲検化された研究治療を受けるように無作為化した。これらの結果は、1日1回
のビベグロンが、排尿、UUIエピソード、全尿失禁エピソード、及び切迫エピソードを
含めた有効性パラメータの、統計的に有意な減少をもたらしたことを示す(表14)。O
ABを伴うビベグロンの長期(52週)安全性及び有効性を評価するために設計された、
別の、非盲検の、非対照の、多施設の、第3相研究を完了した。1週の観察期間の完了時
に、169人の患者は、ビベグロン50mg(1日1回)を開始した。8週後、この用量
は、臨床的に必要が示される場合、100mg(1日1回)に増大させることもできた。
患者は、第52週まで、50mg又は100mgの用量のビベグロンを継続した。1日1
回のビベグロンは、52週の治療期間を通して、排尿のエピソード、UUIエピソード、
全尿失禁エピソード、及び切迫エピソードを減少させた。
【0168】
【表14】
【0169】
実施例5
安全性データ
5.1 第I相安全性データ
15本の完了した第1相研究と、早期に終了した1本の研究(この研究は、有効性又は
安全性とは無関係の理由で終了した)が含まれる、16本の第1相研究からの安全性デー
タを収集した。第1相計画では、合計466人の対象が、ビベグロンの少なくとも1回の
投与を受け;238人の対象が、2から600mgまでの範囲の単回投与を受け、238
人の対象が、最大28日間、25から400mgまでの範囲の反復投与を受けた。第1相
計画にわたって、ビベグロンは、概して良好な耐容性を示していた。治療により発現した
重篤有害事象(SAE)又は死亡は報告されず、有害事象(AE)の大部分は、一過性で
、強度が軽い又は中程度であった。
【0170】
第1相研究では、症状(例えば、頭のふらつき、めまい、前失神)を伴う又は伴わない
、起立性低血圧(収縮期血圧>20mmHgの低下及び/又は拡張期血圧>10mmHg
の低下)の単独の発生が見られた。ビベグロン100mg又は150mgとトルテロジン
ER 4mgとの同時投与後の起立性のAEの発生率は、ビベグロン又はトルテロジン単
独の投与後のこれらのAEの発生率と同様であった。第1相反復投与研究における100
mgまでの用量では、体位性めまい、めまい、前失神、又は失神などのAEは、明白な用
量反応関係を呈していない。しかし、体位性めまいは、100mg以上の用量で増大する
ように見え、AE「症状を伴う起立性低血圧」の発生率は、ビベグロン用量>200mg
では、より高い傾向がある。ビベグロン100mgが、メトプロロール(典型的なβ遮断
薬)又はアムロジピン(典型的な血管拡張薬)のいずれかという安定したレジメンで、本
態性高血圧を有する対象に同時投与された場合には、起立性のAEは発生しなかった。
【0171】
予備的な第1相安全性データの評価は、実験室安全性パラメータ(化学、血液学、及び
尿分析)又はECGパラメータ(PR、QRS、及びQTc間隔が含まれる)の、臨床的
に意味のある変化を示さなかった。綿密な(thorough)QT研究が完了し、QT
c又は血圧に対する臨床的に意味のある影響は見られなかった。
【0172】
5.2 第II相安全性データ
933人の対象がビベグロンの少なくとも1回の投与を受けた、完了している単一の第
2B相研究からの第2相安全性データを収集した。対象は、主研究中に、最大8週間、3
から100mgまでの範囲のビベグロン投与(単独又はトルテロジンと組み合わせた)を
受けた。親(parent)研究を完了する者のうち、605人の対象は、延長研究中に
、最大52週間、ビベグロン50mg(単独)又はビベグロン100mg(単独又はトル
テロジン4mgと組み合わせた)の投与を受けた。主研究には、プラセボ群が含まれ、主
研究と延長には、トルテロジン単剤療法を受ける群が含まれた。研究中に、死亡は報告さ
れなかった。ビベグロンは、概して良好な耐容性を示した。プラセボと比較して、治療群
の間に、AE又は薬物関連AEの全発生率又は重症度の、意味のある差は認められなかっ
た。
【0173】
有害事象は、主研究における1393人の割り当てられた対象のうちの607人(43
.6%)において報告された。ビベグロン50mg及びビベグロン100mg治療群にお
ける、1つ又は複数のAEを有する対象の割合は、プラセボと同様であった(表14参照
)。ビベグロン15mg及びビベグロン50mg+トルテロジン4mg治療群では、プラ
セボと比較して、より高い割合の対象が、1つ又は複数のAEを報告した。最も頻繁に報
告されたAEは、口腔乾燥、頭痛、尿路感染症(UTI)、及び鼻咽頭炎であった。口腔
乾燥の発生率は、トルテロジン(単独又はビベグロンと共に)を受けた群では、プラセボ
又はビベグロン単剤療法群と比較して高かった。
【0174】
薬物関連AEを有する221人の対象が存在し、ビベグロン100mg治療群において
、薬物関連AEの最も低い発生率が報告された。薬物関連AEを有する対象の割合は、ビ
ベグロン単剤療法群では、プラセボと比較してほぼ同じであり、同時治療群では、プラセ
ボ又はいずれかの単剤療法と比較して少しだけ高かった。薬物関連AEが原因で中止した
対象の割合は、低く、すべての治療群にわたってほぼ同じであった。
【0175】
8人の対象において、治療群にわたって発生した、合計9件のSAEが報告された(プ
ラセボ2人;ビベグロン3mg 1人;ビベグロン50mg 1人;トルテロジン4mg
3人;ビベグロン50mg+トルテロジン4mg 1人)。報告されたSAEは、心房
細動、アナフィラキシー反応、肺腺癌(ステージIV)、慢性閉塞性肺疾患、高血圧、過
剰摂取、足骨折であり、1人の対象では、膵臓内視鏡処置後に、胃食道逆流症とめまいの
両方が発生し、入院を延長させた。1人を超える対象における特定のAE用語は報告され
なかった。研究者によって、すべてのSAEは、研究薬物とは無関係であると考えられた
【0176】
52週の延長中に、治療群の間に、有害事象又は重篤有害事象の全発生率の、意味のあ
る差は認められなかった。
【0177】
有害事象は、845人の対象のうちの531人(62.8%)に報告された。1つ又は
複数のAEを有する対象の割合は、すべての治療群にわたってほぼ同じであった。最も頻
繁に報告された有害事象は、UTI、鼻咽頭炎、上気道感染症、及び口腔乾燥であった。
口腔乾燥の発生率は、トルテロジンER 4mg治療群では、他の治療群と比較して高か
った。便秘の発生率は、同時治療群では、単剤療法治療群と比較して高かった。
【0178】
薬物関連AEを有する対象の割合は、トルテロジンER 4mg及び同時投薬アームに
ついては、ビベグロン50mg及び100mg治療アームと比較してやや高かった。AE
又は薬物関連AEが原因で中止した対象の割合は、トルテロジンER 4mgについては
、他の治療群と比較してやや高かった。延長中の41人の対象において、合計46件のS
AEが報告された。トルテロジンER 4mg及びビベグロン50mg治療群では、ビベ
グロン100mg治療群と比較して、より高い全発生率が報告された。トルテロジンER
4mg治療群では、麻痺性イレウスという1件の薬物関連SAEが報告された;対象は
、このAEが原因で中止した。
【0179】
下の表15は、過活動膀胱を有する患者においてビベグロン第2相計画において一般に
見られる有害事象をまとめて示す。
【0180】
【表15】
【0181】
ビベグロン単剤療法での治療の最初の12週の間に観察された重篤有害事象には、肺腺
癌(ステージIV)(n=1)及び慢性閉塞性肺疾患(n=1)が含まれており;ビベグ
ロン-トルテロジン組み合わせアームでは、過剰摂取というSAEが報告された。第2相
延長研究中には、単剤療法を受けている2人以上の対象によって報告されたSAEには、
脳血管発作(n=2)及び変形性関節症(n=2)が含まれていた。ビベグロン-トルテ
ロジン組み合わせアームにおいて報告された唯一のSAEは、ボレリア感染であった。(
治療中のあらゆる時点の)心拍数又は血圧の変化と潜在的に関連するSAEには、ビベグ
ロンの8週後の意識消失(これは、再投薬時には再発しなかった)(n=1)、並びにト
ルテロジン単剤療法アームにおける心房細動(n=1)及びめまい(n=1)が含まれて
いた。傷害の頻度は、トルテロジンアームでは、ビベグロンを伴うよりも数値的に高かっ
た(0.9%、n=4に対して2.1%、n=5)。SAEについての低い発生率及びパ
ターンの欠如を考慮すると、ビベグロンについては、重篤な事象が予測されるとは考えら
れない。
【0182】
ビベグロン治療と関連する可能性があるリスクの可能性には、非臨床データ、及び類似
の化合物についての入手可能なデータに基づくと、起立性低血圧、及び同時に強力なP-
gp誘導因子を摂取している患者における曝露増大(約2倍)が含まれる。
【0183】
5.3 心血管安全性
ビベグロンの心血管安全性を、OABを有する患者、及び健康な協力者において評価し
た。52週の延長を伴う、無作為化された、プラセボ対照及び対照薬(comparat
or)(トルテロジン)実対照の、2パートの有効性及び安全性研究では、6人(0.4
%)の対象において、7件の起立性関連のAE(これには、体位性めまい、前失神、及び
起立性低血圧という有害事象用語が含まれていた)が発生した。これらの事象は、それぞ
れ、プラセボ群(0.5%)、ビベグロン15mg群(0.3%)、及びビベグロン50
mg+トルテロジンER/ビベグロン50mg治療群(0.8%)における1人の対象に
おいて、また、ビベグロン100mg群(1.1%)における3人の対象において発生し
た。これらの事象は、研究全体を通して不定期に発生し、研究者によって重症度が軽度で
あると判断された。中止を引き起こすものはなかった。起立性の症状の全発生率は、低か
った。
【0184】
治療群にわたる、BP及びHRのベースラインからの変化を、表16に示す。収縮期血
圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)については、50mg及び100mgについての
第1週での平均変化及び8週を通した平均最大変化は、プラセボとビベグロンとで同等で
あり、差は<1mmHgであった。SBP及びDBPの絶対的な変化も、プラセボとビベ
グロンとの間で同様であり、ビベグロン対象のパーセントは100mgでわずかに増大し
、ベースラインからの変化はDBP>15mmHgであった(プラセボの0.5%に対し
て100mgの1.3%)。HRについては、8週を通した平均最大変化がプラセボに匹
敵していた(<2bpm)ように、用量依存性のパターンは検出できなかった。ビベグロ
ンについての、絶対的な心拍数及び血圧閾値を超える対象のパーセントのわずかな差は、
トルテロジンアームと同様であった。
【0185】
【表16】
【0186】
心拍数及び血圧のより徹底的な評価を、数本の第1相研究で、健康な協力者において実
施した。健康な対象におけるビベグロンの安全性、忍容性、及び反復投与PKを評価する
ための、6パートの、二重盲検化された、無作為化された、プラセボ対照の研究は、心拍
数についての具体的な分析を含んでいた。用量は、コホートに応じて、25から400m
gまで(1日1回、7から28日間)の範囲であった。投与後4時間を通した心拍数の移
動平均(MA4 HR)の、ベースラインからの最大変化の最小二乗平均及び90%信頼
区間を、表17に示す。心拍数に対する影響は、用量依存性であり、100mg用量は、
プラセボとの<1bpmの差を示した。
【0187】
【表17】
【0188】
心血管安全性はまた、それぞれ100mg及び200mgでのビベグロン定常状態曝露
を近似する200及び400mgの単回投与後の綿密なQT研究で、健康な協力者におい
て評価した。血圧及びRR間隔に対する最大の影響の平均は、表18に示す通り、より低
い用量で低下した。(3本の第1相研究からの)反復投与ビベグロン曝露からのlog-
log回帰分析を使用すると、75mg用量からの算出された平均±標準偏差Cmax
びAUCは、それぞれ120±74.7ng/mL及び1140±476ng・h/mL
であった。これらの推計は、200mg単回投与よりもそれぞれおよそ3.3倍及び2倍
低い、また、400mg単回投与よりもそれぞれ9.2倍及び6倍低いCmax及びAU
Cとなる。
【0189】
【表18】
【0190】
実施例6
用量漸増
6.1 用量比較有効性
実施例4で論じた第2相研究は、表19で分かる通り、排尿に対する用量依存性の効果
を実証した。逆に、切迫失禁又は全尿失禁に対する用量依存性の効果は認められなかった
。これらのデータは、50mgと100mg(1日1回)との間の比較的に浅い用量反応
関係を明らかにする。ビベグロン有効性は、50から100mgでプラトーに到達し始め
るので、75mgで、100mgで得られる有効性の大部分が獲得される。
【0191】
【表19】
【0192】
6.2 副作用の軽減
ビベグロンは、用量に比例するよりも大きい曝露の増大を示す。驚いたことに、50か
ら100mgまでの用量の増大は、Cmax、すなわち心血管の影響と最も密接に関連す
ると考えられるPKパラメータの、およそ3倍の増大をもたらす。75mg用量のPKパ
ラメータを説明するために、第1相研究からのデータを使用して、用量-Cmax及び用
量-AUCモデルを作成した。シミュレーションに基づくと、75mgのビベグロン投与
は、100mg用量で認められる曝露のおよそ29%を防ぎ、続いて、100mg用量で
得られ得る曝露の範囲の上限を低下させることが判明した。この外れたCmax値の低下
は、臨床的に関連する心血管の影響の可能性を低下させる。
【0193】
最大100mgまでの用量での第1相反復投与研究では、体位性めまい、めまい、前失
神、失神などの有害事象は、明白な用量反応関係を呈さなかった。しかし、体位性めまい
は、≧100mgの用量で増大するように見え、有害事象「症状を伴う起立性低血圧」の
発生率は、150mgを超えるビベグロン用量では、より高かった。これらの用量関連有
害事象のリスクは、用量を100mgから75mgに低下させることによって、非比例的
に低下させることができる。なぜなら、用量の25%低下は、Cmaxのおよそ40%低
下(100mgでの206ng/mLに対して75mgでの120ng/mL)をもたら
すからである。理論に拘泥されることは望まないが、用量の増大に伴う、用量に比例する
よりも大きいバイオアベイラビリティの増大は、腸内の飽和可能なP糖タンパク質(P-
gp)が媒介する排出に起因する可能性がある。曝露、及びしたがって有害事象のリスク
は、50mg用量を用いて、さらに低下させることができる。
【0194】
100mg用量と比較して、75mg用量での、より低い曝露は、特別な集団における
有害事象のリスクも同様に非比例的に低下させる。中等度腎機能障害を有する対象は、正
常な腎機能を有する対象と比較して、1.6倍のAUCの平均増大を有していたのに対し
て、強力なCYP3A/P-gp阻害剤を受けている対象は、およそ2倍高い曝露を有し
ていた。75mg用量のCmaxの2倍の増大と仮定すれば、これらの特別な集団が、1
00mgで認められるものを超えるビベグロンCmaxを達成する確率は、15%である
図1参照)。対象の曝露を最小限にして極限まで下げることは、健康な若い男性よりも
およそ50~70%高いCmaxを示す高齢者及び女性にとって重要である。
【0195】
曝露を制限しながら、ビベグロンの50mgの用量と100mgの用量との間の、比例
よりも大きいCmaxの増大を利用するために、用量漸増を使用することができる。用量
漸増は、所望される効果が得られるまで、医薬品の用量を徐々に調整するプロセスである
。これは、一つには、有害副作用の発生を監視及び低下させるために行われる。本発明の
方法では、ビベグロン剤形は、過活動膀胱を治療するために、対象に投与される。用量漸
増レジメンが実行される場合、第1の治療期間にわたる投薬は、後日の治療において投与
されるよりも少ない可能性がある。
【0196】
ビベグロンの50mgの用量と100mgの用量との間の比較的に浅い用量反応関係を
、ビベグロンの50mgの用量と100mgの用量との間の比例よりも大きいCmax
増大と併用して、曝露を非比例的に低下させながら有効性を維持する用量漸増を可能にす
る。
【0197】
実施例7
75mg用量についての薬物動態学的データ
ビベグロンとリファンピンの薬物相互作用を評価する薬物動態学的研究を完了した。す
べての対象は、健康な成人であった。予備的な結果の概要を、表20に示す。対象は、第
1日にビベグロン75mgの単回投与、第10~23日にリファンピン600mg QD
、及びリファンピン投与と同時に第17日にビベグロン75mgの単回投与を受けた。ビ
ベグロン及びリファンピンの投与は、健康な男性及び女性対象において良好な耐容性を示
した。研究中に、重度TEAE、SAE、又は死亡は報告されなかった。20人の対象の
うちの3人(15%)は、研究薬物に関連するAE、すなわち頭痛2人及び便秘1人、す
べて軽症を経験した。バイタルサイン、ECG、又は臨床検査による評価において、臨床
的に有意な変化又は結果は認められなかった。
【0198】
【表20】
【0199】
今や、本発明を十分に説明してきており、本発明の範囲又はそのあらゆる実施形態に影
響を与えずに、条件、製剤、及び他のパラメータの広く等価な範囲内で、同じことを実施
できることが、当業者に理解されるであろう。
【0200】
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察、及び本明細書に開示した本発明の実施から
、当業者に明らかであろう。本明細書及び実施例は、例示的であるに過ぎないとみなされ
、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図され
る。
【0201】
本明細書に引用したすべての特許、特許出願、及び他の刊行物の全体を、参照によって
本明細書に完全に組み込む。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-03-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としてビベグロンを含む過活動膀胱の治療用医薬組成物であって、第1の期間のビベグロン/日の第1の治療有効量と、その後のビベグロン/日の第2の治療有効量とを、それを必要とする対象に経口的に投与するためのものであって、前記第1の治療有効量は、50mg/日であり、前記第2の治療有効量は、100mg/日である医薬組成物。
【請求項2】
前記対象がヒトである請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記第1の期間が1週間から12週間である請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記第1の期間が8週間である請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
8週間の治療の最初の期間の後、ビベグロン/日の第1の治療有効量が不十分である場合、ビベグロン/日の第2の治療有効量を開始する請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記過活動膀胱の治療が、切迫性尿失禁(UUI)、尿意切迫感、頻尿、夜間頻尿又はその組み合わせからなる群から選択される1以上の症状を治療である請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記1以上の症状が、切迫性尿失禁(UUI)、尿意切迫感又は頻尿である請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記対象が、女性である請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記対象が、男性である請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記対象が、65歳を超えている請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記対象が、重度腎機能障害を患っている請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記対象が、中等度腎機能障害を患っている請求項1~10のいずれか一項に記載の
医薬組成物。
【請求項13】
前記対象が、CYP3A/P糖タンパク質阻害剤を同時に受けている請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
ビベグロンが、1日に1回投与されるものである請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
ビベグロンが、食事と共に投与されるものである請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
ビベグロンが、食事を伴わずに投与されるものである請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
ビベグロンが、錠剤である請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記錠剤が、投与前に粉砕されるものである請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
ビベグロンが、その薬学的に許容し得る塩として投与されるものである請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
第1の投薬量及び/又は第2の投薬量が、0ng/mLから313ng/mLのビベグロンの定常状態Cmaxを提供するものである請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
第1の投薬量及び/又は第2の投薬量が、331ng・hr/mLから3613ng・hr/mLのビベグロンの定常状態AUCを提供するものである請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
第1の投薬量及び/又は第2の投薬量が、0.5時間から6.0時間のビベグロンのTmaxを提供するものである請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
第1の投薬量及び/又は第2の投薬量が、
(i)0ng/mLから313ng/mLのビベグロンの定常状態Cmax
(ii)331ng・hr/mLから3613ng・hr/mLのビベグロンの定常状態AUC;及び
(iii)0.5時間から6.0時間のビベグロンのTmax
の2以上を提供するものである請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ビベグロンが、4週、3週又は2週で過活動膀胱の治療において有効であるものである請求項1~23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
対象が、第2の治療有効量のビベグロンの投与後に2mm/Hg未満のベースラインからの収縮期血圧の平均変化を経験するものである請求項1~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
第2の治療有効量の投与後の収縮期血圧の平均変化が1mm/Hg未満である請求項1~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
対象が、第1の治療有効量の投与後の収縮期血圧の平均変化よりも、第2の治療有効量の投与後の収縮期血圧の平均変化が低い請求項1~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
第2の治療有効量の投与後の収縮期血圧の平均変化が1mm/Hg未満である請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
対象は、治療期間にわたって、ベースラインからの緊急性尿失禁(UUI)エピソードの平均数の変化を-1.3から-2.5に経験するものである請求項1~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。