(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058701
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】生体情報測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0537 20210101AFI20230418BHJP
【FI】
A61B5/0537
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024412
(22)【出願日】2023-02-20
(62)【分割の表示】P 2019044559の分割
【原出願日】2019-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】児玉 美幸
(72)【発明者】
【氏名】和泉 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】小野 博和
(57)【要約】
【課題】 身体の変化が使用目的に合致しているか否かを判断可能な生体情報測定装置を提供すること。
【解決手段】 使用目的に対する表示順序で対応付けられている複数の体組成に関するデータの変化方向についての組合せ関係に応じて、前記使用目的に対して合致する程度が関連づけられている使用目的合致度関係に基づいて、測定された複数の体組成に関するデータにおいて設定されている使用目的に対して合致する程度を判断する制御部を有する生体情報測定装置である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用目的に対する表示順序で対応付けられている複数の体組成に関するデータの変化方向についての組合せ関係に応じて、前記使用目的に対して合致する程度が関連づけられている使用目的合致度関係に基づいて、測定された複数の体組成に関するデータにおいて設定されている使用目的に対して合致する程度を判断する制御部を有する生体情報測定装置。
【請求項2】
前記制御部は、過去に前記測定された複数の体組成に関するデータの存在状況に応じて、現在に前記測定された複数の体組成に関するデータにおいて設定されている使用目的に対して合致する程度を判断することを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記使用目的合致度関係には、前記使用目的に対して合致する程度に応じてアドバイス情報が更に関連づけられており、
前記制御部は、前記アドバイス情報が更に関連づけられている前記使用目的合致度関係に基づいて、前記判断した合致する程度に対するアドバイス情報を更に判断することを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記測定された複数の体組成に関するデータごとに、その変化方向と前記設定されている使用目的に対して合致する程度を判断することを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体重計が改良されて、体重以外の生体情報をも測定する、体組成計と称される生体情報測定装置が普及している。例えば、下記特許文献1には、生体情報測定装置の使用目的に対応する順序で、測定結果を表示する生体情報測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の生体情報測定装置では、生体情報測定装置の使用目的に対応した順所で測定結果を表示するだけであり、生体情報測定装置のユーザは、自身の身体(より具体的には、身体の指標である体組成)の変化が使用目的に対して好ましいものなのか、そうではないのかを自己判断するしかなかった。特に、ユーザが専門知識を有しない場合には、体組成の測定結果のどこに注目してよいのかが理解できないため測定結果を漫然と知るだけとなり、自身の身体の変化が使用目的に対して好ましいか否かを判断することが困難であった。
【0005】
従って、本発明は、生体情報測定装置により得られるユーザの体組成の変化が、体組成計の使用目的に対して好ましいものか否かを判断することが可能な生体情報測定装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、
使用目的に対する表示順序で対応付けられている複数の体組成に関するデータの変化方向についての組合せ関係に応じて、使用目的に対して合致する程度が関連づけられている使用目的合致度関係に基づいて、測定された複数の体組成に関するデータにおいて設定されている使用目的に対して合致する程度を判断する制御部を有する生体情報測定装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の少なくとも実施の形態によれば、体組成データの変化が体組成計の使用目的に対してどれほど合致しているかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施の形態にかかる体組成計の外観形状を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態にかかる操作部の構成を説明するための図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態にかかる体組成計の内部構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、体組成計の使用目的に関連付けられる表示順序データ及びアドバイス情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施の形態にかかる使用目的合致度関係の一例を示す図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、目的合致度評価順位に関連付けられたアドバイス情報の具体例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、設定モードにおける体組成計の動作例を説明する際に参照されるフローチャートである。
【
図8】
図8は、測定モードにおける体組成計の動作例を説明する際に参照されるフローチャートである。
【
図9】
図9は、過去の体組成の測定結果データがない場合における、体組成の測定結果データの表示態様例を示す図である。
【
図10】
図10は、体組成の過去の測定結果データがない場合における、アドバイス情報等の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、過去の体組成の測定結果データがある場合における、体組成の測定結果データの表示態様例を示す図である。
【
図12】
図12は、体組成変化総合評価及びアドバイス情報の表示例を説明するための図である。
【0009】
以下、本発明の実施の形態等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<一実施の形態>
<変形例>
以下に説明する実施の形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施の形態等に限定されるものではない。
【0010】
<一実施の形態>
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。以下に説明する実施の形態では、本発明を、体組成に関するデータ(以下、体組成データと適宜、称する)を測定する生体情報測定装置(以下、体組成計と適宜、称する。)に適用した例について説明する。体組成の種類としては、体重、脂肪率、内臓脂肪レベル、体水分量、筋肉量、基礎代謝量、骨量、除脂肪量、体細胞量、内臓脂肪面積、BMI、肥満度、細胞内液量、細胞外液量等を挙げることができる。本実施の形態では、体組成の種類として「体重」、「体脂肪率又は体脂肪量」、「体内年齢(基礎代謝、体脂肪及び体重に基づいて得られる何歳くらいの体組成に近いかを示す指標)」、「基礎代謝量」、「内臓脂肪レベル」、「筋肉量」、「推定骨量」、「BMI」を用いて説明する。これらの体組成データは、公知の測定及び演算が行われることにより体組成計により取得される。
【0011】
[体組成計について]
(体組成計の外観形状)
図1は、本発明の一実施の形態にかかる体組成計の外観形状を示す図である。
図1に示すように、体組成計1は、ユーザが乗るための載せ台10の上面11に、電極、表示部及び操作部を形成する。
【0012】
載せ台10の上面11は、ユーザが乗る(立つ)ために略平坦とされている。載せ台10の上面11は、体組成データの測定時にユーザの身体の一部である足裏が接触する載置領域であり、この上面11には、金属板から形成される電流供給用電極15R、電流供給用電極15L、電圧測定用電極16R及び電圧測定用電極16Lが互いに離間して形成されている。なお、各電極は、導電性があれば、金属板でなくとも良い。各電極は特定のものに限定されるものではないが、上述したように各電極を金属板により形成することにより、足を載せる位置をユーザが容易に認識することができる。
【0013】
電流供給用電極15R及び電流供給用電極15Lは、ユーザの接触する身体の部位(例えば爪先側の足裏)からユーザの体内に電流を供給するための電極である。一方、電圧測定用電極16R及び電圧測定用電極16Lは、ユーザの接触する身体の部位間(例えば右側の踵側の足裏と左側の踵側の足裏の身体間)に生じる電圧を検出するための電極である。供給した電流及び検出した電圧の値に基づいて、ユーザの生体インピーダンスを求めることができる。一実施の形態では、電流供給用電極15Rにユーザの右足の爪先側の足裏が接触し、電圧測定用電極16Rにユーザの右足の踵側の足裏が接触する。また、電流供給用電極15Lにユーザの左足の爪先側の足裏が接触し、電圧測定用電極16Lにユーザの左足の踵側の足裏が接触する。
【0014】
載せ台10の上面には、表示部17が設けられている。表示部17としては、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を適用することができる。
図1に示すように、本実施の形態にかかる表示部17は、2個のディスプレイを有している。以下に説明する表示内容は、例えば、表示部17の下側のディスプレイに表示される。なお、表示部17は、1個又は3個以上のディスプレイも良いし、体組成計1とは別体のディスプレイでも良い。表示部17が体組成計1とは別体のディスプレイである場合には、体組成計1から表示部17に対して有線又は無線による通信により体組成の測定結果が送信される。そして、体組成の測定結果が表示部17により受信され表示される。なお、表示部17が、ユーザが所持するスマートフォンやパーソナルコンピュータのディスプレイであっても良い。
【0015】
載せ台10の上面には、各種の入力を受け付ける操作部30が設けられている。例えば、操作部30は、体組成計1の中央付近にある表示部17の下側に設けられている。これにより、ユーザが足を載せ台10に載せたときに、足裏で誤って操作部30を操作し、意図しない操作入力を行ってしまうことを防止できる。また、ユーザの進入方向に沿って操作部30と表示部17とを形成することにより、ユーザは、表示部17の表示を確認しながら操作部30に対する操作入力を行い、ユーザの生年月日等の設定を行うことができる。
【0016】
以上、体組成計1の外観例について説明した。ユーザは、一方の足を上げ、上面11に形成された一対の電極(例えば、電流供給用電極15R及び電圧測定用電極16R)に足を載せる。続いて、ユーザは、他方の足を上げ、上面11に形成された他の一対の電極(例えば、電流供給用電極15L及び電圧測定用電極16L)に足を載せる。そして、ユーザの体組成データの測定が開始される。
【0017】
[操作部について]
本実施の形態の形態にかかる操作部30は、6つのタッチスイッチ(タッチスイッチ30a、タッチスイッチ30b、タッチスイッチ30c、タッチスイッチ30d、タッチスイッチ30e及びタッチスイッチ30f)を有しており、これらのタッチスイッチは、
図2に示す態様で配置されている。なお、操作部30が有するタッチスイッチの数や配置位置は適宜、変更できる。なお、操作部30はタッチスイッチに限定されず、メカニカルなスイッチ(例えば、ユーザが押下するプッシュスイッチ)でも良い。
【0018】
ここで、操作部30を構成する各タッチスイッチに割り当てられる機能の一例について説明する。タッチスイッチ30a及びタッチスイッチ30bはそれぞれ、数値を増減するためのアップキー、ダウンキーである。タッチスイッチ30cは、メニューを表示するメニューキーである。タッチスイッチ30dは、選択したものを決定するときに使用する決定キーである。タッチスイッチ30cにタッチした後、タッチスイッチ30a又はタッチスイッチ30bをタッチすることで、(1)呼出測定、(2)ゲスト測定、(3)前回値、(4)結果表示の速度変更、(5)使用目的の設定、(6)測定結果の表示選択、(7)データ登録、(8)データ消去、(9)日時変更、(10)地域変更、のように、メニュー項目が切り替わる。そして、タッチスイッチ30dにタッチすると、ユーザはメニュー項目の中から一つを設定することができる。このとき、データの登録人数が0人である場合、上述したメニュー項目(1)、メニュー項目(3)、メニュー項目(4)、メニュー項目(5)、メニュー項目(6)とメニュー項目(8)は表示されない。また、登録データが17歳以下の場合、メニュー項目(5)は表示されない。
【0019】
タッチスイッチ30eは、体重だけを測定したいときに使用する体重キーである。タッチスイッチ30eにタッチした後、体組成計1に乗ると、体重のみの測定が行われる。タッチスイッチ30fは、電源を切るときや、設定や測定を中断するときに使用するOFFキーである。例えば、上述したメニュー項目を選択する段階で、ユーザが選択を中断したいときはタッチスイッチ30fを押せば良い。
【0020】
「体組成計の内部構成例(電気的構成)」
次に、一実施の形態にかかる体組成計1の内部構成例について説明する。
図3は、一実施の形態にかかる体組成計1の内部構成例を示すブロック図である。体組成計1は、上述した表示部17及び操作部30の他に、演算・制御部50(以下、制御部50と適宜、略称する)と、生体インピーダンス測定部60と、体重測定部70と、記憶部80とを備える。表示部17及び操作部30の詳細については既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
【0021】
制御部50は、プログラムに基づいて、体組成計1の各部を統括的に制御する。制御部50は、使用目的に対する表示順序で対応付けられている複数の体組成に関するデータの変化方向についての組合せ関係に応じて、前記使用目的に対して合致する程度が関連づけられている使用目的合致度関係に基づいて、測定された複数の体組成に関するデータにおいて設定されている使用目的に対して合致する程度を判断する。制御部50には、操作部30に対する操作入力に応じた操作信号が供給される。制御部50は、操作信号に応じた制御を実行する。この他に公知の制御を制御部50は実行する。なお、制御部50によって行われる処理の詳細は後述する。
【0022】
生体インピーダンス測定部60は、電流供給回路61及び電圧検出回路62と、上述した電流供給用電極(15R,15L)及び電圧測定用電極(16R,16L)を有する。電流供給回路61は、ユーザが載せ台10に乗ったときに、載せ台の上面11に形成された電流供給用電極15R及び電流供給用電極15Lを介してユーザの足裏に高周波の微弱な定電流を印加する。電圧検出回路62は、電圧測定用電極16R及び電圧測定用電極16Lを介して電位差を検出し、制御部50に出力する。
【0023】
体重測定部70は、例えば、重量センサ71及び重量検出回路72を有する。重量センサ71は、例えば、起歪体と歪みゲージとからなるロードセルを適用することができる。起歪体の一端部が載せ台10の内部に支持され、起歪体の他端部が載せ台10の背面側にある脚部(不図示)に支持されるように構成される。ユーザが載せ台10の上面11に載ったときの荷重により起歪体が撓むと、歪みゲージが伸縮して歪みゲージの伸縮に応じて抵抗値(出力値)が変化する。この抵抗値の変化を荷重信号出力の変化として体重を測定することができる。重量センサ71から出力された信号は、重量検出回路72によって重量データに変換され、制御部50に出力される。
【0024】
記憶部80は、例えば、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、書き換え可能メモリとを有する。ROMは、不揮発性のメモリであり、当該ROMには、制御部50に各種処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。また、ROMには、体脂肪率、体内年齢、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、筋肉量、推定骨量、BMI及び体重の各々を求めるための演算式が記憶されている。なお、これらのプログラムとしては、ROMとは異なる記憶装置、例えば、ハードディスクやコンパクトディスク等の光記憶媒体に記憶されているプログラムを使用することも可能である。
【0025】
RAMは、制御部50のワークエリアとして機能する。書き換え可能メモリには、身長、年齢及び性別や過去に測定された体組成データといった個人データが、個人を識別する識別情報と関連付けられて記憶されている。
【0026】
また、記憶部80には、使用目的に関連付けられた、表示順序データ及びアドバイス情報が記憶されている。表示順序データは、測定された体組成データの表示順序が規定されたデータである。
【0027】
図4は、使用目的に関連付けられた、表示順序データ及びアドバイス情報を示している。
図4に示すように、体組成計1の使用目的の一つである「ダイエット」には、体重、体脂肪率、体内年齢、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、筋肉量、推定骨量、BMIの順序で測定結果を表示する表示順序データが関連付けられている。体組成計1の使用目的の一つである「鍛えて引き締めたい」には、体重、筋肉量、体脂肪率、基礎代謝量、体内年齢、内臓脂肪レベル、推定骨量、BMIの順序で測定結果を表示する表示順序データが関連付けられている。体組成計1の使用目的の一つである「健康維持」には、体重、体脂肪率、内臓脂肪レベル、体内年齢、筋肉量、推定骨量、BMI、基礎代謝量の順序で測定結果を表示する表示順序データが関連付けられている。体組成計1の使用目的の一つである「太りたい」には、体重、BMI、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、体内年齢の順序で測定結果を表示する表示順序データが関連付けられている。体組成計1の使用目的が「設定しない」には、体重、体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量、体内年齢、基礎代謝量、推定骨量、BMIの順序で測定結果を表示する表示順序データが関連付けられている。表示順序データは、各使用目的に対して重要と考えられる体組成の順序となるように規定されている。
【0028】
また、各使用目的には、表示順序データに加え、使用目的に対応する内容のアドバイス情報が関連付けられている。
図4に示すように、例えば、使用目的の一つである「ダイエット」には、アドバイス情報AD1が関連付けられている。また、使用目的の一つである「鍛えて引き締めたい」には、アドバイス情報AD2が関連付けられている。図示は省略しているが使用目的「健康維持」、「太りたい」、「設定しない」のそれぞれにも所定のアドバイス情報が関連付けられている。
【0029】
更に、記憶部80には、使用目的合致度関係が記憶されている。使用目的合致度関係は、使用目的に対する表示順序で対応付けられている複数の体組成に関するデータの変化方向についての組合せ関係に応じて、使用目的に対して合致する程度が関連づけられている関係である。換言すると、使用目的に対する重要度の高い体組成に関するデータの順から、体組成に関するデータの変化方向の区分毎に次の順位の体組成に関するデータの変化方向の区分が対応付けなされた関係である。
【0030】
図5は、使用目的「ダイエット」に対応する使用目的合致度関係の一例を示している。なお、
図5に示す使用目的合致度関係は、男性がダイエットする場合に用いられる使用目的合致度関係、即ち、男性用の使用目的合致度関係である。
【0031】
使用目的が「ダイエット」である場合、「ダイエット」に対する表示順序で対応付けられている「体脂肪率(%)」、「体内年齢」、「基礎代謝量」の変化方向についての組合せ関係に応じて、「ダイエット」に対して合致する程度が関連付けられている。ここで、「体脂肪率(%)」、「体内年齢」、「基礎代謝量」は、使用目的「ダイエット」に対して重要度が高い順の体組成計データである。即ち、本例にかかる使用目的「ダイエット」に対応する使用目的合致度関係は、使用目的「ダイエット」に対する重要度の高い体組成(本例では「体脂肪率(%)」)に関するデータの順から、「体脂肪率(%)」の変化方向の区分毎に次の順位の体組成(本例では「体内年齢」)に関するデータの変化方向の区分が対応付けされ、「体内年齢」の変化方向の区分毎に次の順位の体組成(本例では「基礎代謝量」)に関するデータの変化方向の区分が対応付けされた関係である。
【0032】
図5に示すように、変化方向の組合せ関係に応じて、「ダイエット」に対して合致する程度が関連付けられている。本例における合致する程度は、変化方向の組合せ関係に関連付けられた目的合致度評価順位及び当該目的合致度評価順位を点数化した目的合致度評価データである。目的合致度評価データは、体組成変化総合評価として表示される。
【0033】
使用目的合致度関係には、使用目的に対して合致する程度に応じたアドバイス情報が更に関連付けられている。
図6Aは、使用目的が「ダイエット」であり、「体脂肪率(%)」、「体内年齢」、「基礎代謝量」が「ダイエット」に対して良好な変化を示し、目的合致度評価順位が高順位(例えば、目的合致度評価順位が1,2位)の場合のアドバイス情報の例を示している。また、
図6Bは、使用目的が「ダイエット」であり、目的合致度評価順位が中程度の順位、具体的には、「体脂肪率(%)」は減っているのもの「基礎代謝量」も低下してしまっている順位(目的合致度評価順位が3,6,9位)の場合のアドバイス情報の例を示している。
【0034】
[体組成計の動作例]
(設定モードについて)
次に、体組成計1の動作例について説明する。始めに、
図7に示すフローチャートを参照して、体組成計1に対して各種の設定を行う設定モードにおける体組成計1の動作例について説明する。以下に説明する処理は、操作部30に対する入力に応じて制御部50の制御により実行される。設定内容は、記憶部80に記憶される。なお、以下の説明では、設定モードにより設定可能なユーザに関する情報(後述する個人番号、生年月日、性別の情報等)を属性と称する場合がある。
【0035】
ステップST1では、タッチスイッチ30c(メニューキー)がタッチされることにより、メニュー項目が表示部17に表示される。そして、処理がステップST2に進む。
【0036】
ステップST2では、ユーザによる操作によりメニュー項目が切り替えられる。メニュー項目は、タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)がタッチされることにより切り替えることができ、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることにより、メニュー項目が設定される。
【0037】
ステップST2において、メニュー項目(7)(データ登録)が設定されると、処理がステップST3に進む。ステップST3では、表示部17に個人番号の設定画面が表示され、個人番号の設定がなされる。個人番号とは、同じ体組成計1を使用するユーザ(例えば家族など)の間での識別番号であり、例えば、1から5の整数である。この場合、5人までユーザの登録が可能である。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)に対するタッチで識別番号が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることにより個人番号が設定される。そして、処理がステップST4に進む。
【0038】
ステップST4では、ユーザの生まれた年が設定される。生まれた年は、例えば西暦により設定することができる。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)のタッチで年が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることによりユーザの生まれた年が設定される。そして、処理がステップST5に進む。
【0039】
ステップST5では、ユーザの生まれた月が設定される。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)のタッチで月が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることによりユーザが生まれた月が設定される。そして、処理がステップST6に進む。
【0040】
ステップST6では、ユーザの生まれた日が設定される。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)のタッチで日が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることによりユーザの生まれた日が設定される。そして、処理がステップST7に進む。
【0041】
ステップST7では、ユーザの性別が設定される。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)のタッチで性別が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることによりユーザの性別が設定される。そして、処理がステップST8に進む。
【0042】
ステップST8では、ユーザの身長が設定される。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)のタッチで身長(数値)が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることによりユーザの身長が設定される。そして、処理がステップST9に進む。
【0043】
ステップST9では、体組成計1の使用目的が設定される。使用目的とは、体組成計1を使用するユーザが自分の体をどのように管理したいかという目的であり、本実施の形態では、「ダイエット」、「鍛えて引き締めたい」、「健康維持」及び「太りたい」の4個の使用目的が設定可能とされている。また、使用目的を「設定しない」ことも可能とされている。タッチスイッチ30a(アップキー)又はタッチスイッチ30b(ダウンキー)のタッチで使用目的が選択された後、タッチスイッチ30d(決定キー)がタッチされることにより体組成計1の使用目的が設定される。そして、処理がステップST12に進み、各種の情報を設定する処理が終了する。
【0044】
以上、説明したステップST3~ステップST9の処理は、例えば、体組成計1を購入した後、初回の使用時に初期登録として行われる。
【0045】
ステップST2において、メニュー項目(5)(使用目的の設定)が選択されると、処理がステップST10に進む。ステップST10では、個人番号の設定が行われる。ステップST10における個人番号の設定では、既に属性が登録済の個人番号が選択される。個人番号の選択がなされると、処理がステップST11に進む。
【0046】
ステップST11では、ステップST9と同様の操作が行われることにより、体組成計1の使用目的が設定される。そして、処理がステップST12に進み、使用目的の新たな設定若しくは使用目的を変更する処理が終了する。
【0047】
ステップST10及びステップST11の処理を行うことにより、初期登録時に体組成計1の使用目的が設定されていない場合でも、後から使用目的を設定することが可能となる。また、初期登録時に体組成計1の使用目的が設定されている場合でも、生活リズムの変化等に応じてユーザが体組成計1の使用目的を変更することができる。
【0048】
(測定モードについて)
次に、
図8に示すフローチャートを参照して、測定モードにおける体組成計1の動作例について説明する。
【0049】
ステップST21では、ユーザが載せ台10の上面11に乗る動作に応じて、体組成計1内で測定モードにかかる処理が開始される。なお、本例では、属性を登録済みのユーザが体組成計1に乗ったものとして説明する。属性の一つである個人番号は、ユーザが体組成計1に乗る際に入力されても良いし、体組成計1により自動で認識されても良い。そして、処理がステップST22に進む。
【0050】
ステップST22では、体組成計1により体重と生体インピーダンスが測定されると共に、これらの情報を使用した演算により各種体組成データの測定が行われる。この段階で測定された体組成データをユーザの現在の測定結果データと適宜、称する。また、当該ユーザのそれ以前に測定され、記憶部80に記憶されている体組成データを過去の測定結果データと適宜、称する。そして、処理がステップST23に進む。
【0051】
ステップST23では、制御部50が、個人番号に対応する使用目的を判断し、判断した使用目的に対応する表示順序データを判断する。以下の説明において、表示順序データを判断する処理を処理Aと適宜、称する。そして、処理がステップST24に進む。
【0052】
ステップST24では、制御部50が記憶部80に記憶されている情報を参照し、個人番号に対応する過去の測定結果データがあるか否かを判断する。個人番号に対応する過去の測定結果データがない場合は、処理がステップST25に進む。
【0053】
ステップST25では、上述した処理Aで判断された表示順序データに基づく表示順序で、ステップST22で測定された体組成の測定結果データが表示部17に表示される。そして、処理がステップST26に進む。
【0054】
ステップST26では、体組成の測定結果が表示された後、使用目的に関連付けられたアドバイス情報が表示される。そして、処理がステップST32に進み、一連の処理が終了する。
【0055】
ステップST24の判断処理において、過去の測定結果データが記憶部80に記憶されている場合は、処理がステップST27に進む。ステップST27では、制御部50が、過去の測定された複数の体組成に関する測定結果データの存在状況、具体的には、記憶部80に記憶されている過去の測定結果データの件数を判断する。過去の測定結果データが2~4件である場合には、処理がステップST28に進む。
【0056】
ステップST28では、制御部50が、所定期間内に測定された過去の測定結果データをサンプルとした近似線を判断する。例えば、体組成毎に3件の過去の測定結果データが記憶部80に記憶されている例を考える。制御部50は、3件の過去の測定結果データを使用した近似線を体組成毎に判断する。近似線は、横軸を時間軸とし、縦軸を体組成の測定結果データとして3件の過去の測定結果データをプロットし、それに対して最小自乗法等を適用することにより得られる直線である。そして、制御部50は、現在の測定結果データと、現在に対応する近似線上の測定結果データとの差(「現在の測定結果データ」-「現在に対応する近似線上の測定結果データ」)を判断する。そして、処理がステップST29に進む。
【0057】
ステップST29では、制御部50が、ステップST28で求めた差から体組成毎の変化傾向を判断する。制御部50は、例えば、差が一定以内なら「変化なし」と判断し、差が+であり且つ一定以上である場合には「+変化」と判断し、差が-であり且つ一定以上である場合は「-変化」と判断する。制御部50は、使用目的合致度関係に基づいて、体組成毎の変化傾向の組合せ関係に応じた目的合致度評価順位及び目的合致度評価順位を点数化した目的合致度評価データを判断する。例えば、「体脂肪率(%)」の変化傾向が-変化であり、「体内年齢」の変化傾向が-変化であり、「基礎代謝量」の変化傾向が+変化である場合は、目的合致度評価順位は「1位」となり目的合致度評価データは「100点」となる(
図5参照)。
【0058】
また、ステップST29にかかる処理では、変化傾向に対する評価(例えば、点数化)が体組成毎に行われる。例えば、「体脂肪率」に関して、ステップST28で求めた差に基づく変化傾向が「-変化」である場合には高得点が割り当てられ、ステップST28で求めた差に基づく変化傾向が「変化なし」である場合には中程度の得点が割り当てられ、ステップST28で求めた差に基づく変化傾向が「+変化」である場合には低得点が割り当てられる。
【0059】
また、制御部50は、目的合致度評価順位及び目的合致度評価データに関連付けられているアドバイス情報を判断する。なお、以下の説明では、ステップST29にかかる処理を「処理B」と適宜、称する。ステップST29の処理が終了すると、処理がステップST30に進む。
【0060】
ステップST30では、上述した処理Aで判断された表示順序データに基づいて、体組成毎の現在の測定結果データが表示される。そして、処理がステップST31に進む。
【0061】
ステップST31では、制御部50が、処理Bで判断された目的合致度評価データ及びアドバイス情報を表示する。そして処理がステップST32に進み、一連の処理が終了する。
【0062】
ステップST27にかかる判断処理において、過去の測定結果データの件数が5件以上である場合には、処理がステップST33に進む。
【0063】
ステップST33では、制御部50が、所定期間内に測定された過去の測定結果データをサンプルとして近似線を判断する。例えば、体組成毎に10件の過去の測定結果データが記憶部80に記憶されている例を考える。制御部50は、10件の過去の測定結果データを使用した近似線を体組成毎に判断する。近似線は、横軸を時間軸とし、縦軸を体組成の測定結果データとして10件の過去の測定結果データをプロットし、それに対して最小自乗法等を適用することにより得られる直線である。そして、制御部50は、現在の測定結果データと、現在に対応する近似線上の測定結果データとの差(「現在の測定結果データ」-「現在に対応する近似線上の測定結果データ」)を判断する。そして、処理がステップST29に進む。
【0064】
ステップST29~ステップST31にかかる処理の具体的内容については既に説明しているため、概略的な説明に留める。ステップST29では、制御部50が、ステップST33で求めた差から体組成毎の変化傾向を判断する。また、制御部50は、使用目的合致度関係に基づいて、体組成毎の変化傾向の組合せ関係に応じた目的合致度評価順位及び目的合致度評価順位を点数化した目的合致度評価データを判断する。また、ステップST29にかかる処理では、変化傾向に対する評価(例えば、点数化)が体組成毎に行われる。また、制御部50は、目的合致度評価順位及び目的合致度評価データに関連付けられているアドバイス情報を判断する。そして、処理がステップST30に進む。
【0065】
ステップST30では、上述した処理Aで判断された表示順序データに基づいて、体組成毎の現在の測定結果データが表示される。処理がステップST31に進む。
【0066】
ステップST31では、制御部50が、処理Bで判断された目的合致度評価データ及びアドバイス情報を表示する。そして処理がステップST32に進み、一連の処理が終了する。
【0067】
ステップST27にかかる判断処理において、過去の測定結果データが複数件ない場合、換言すれば、過去の測定結果データが1件である場合には、処理がステップST34に進む。なお、ステップST34では、現在の測定結果データと1件の過去の測定結果データとの差が判断される。そして、処理がステップST29に進む。
【0068】
ステップST29では、ステップST34で判断された差に基づいて、制御部50が、体組成毎の変化傾向を判断する。制御部50は、例えば、ステップST34で判断された差が一定以内なら「変化なし」と判断し、差が+であり且つ一定以上である場合には「+変化」と判断し、差が-であり且つ一定以上である場合は「-変化」と判断する。そして、制御部50は、使用目的合致度関係に基づいて、体組成毎の変化傾向の組合せ関係に応じた目的合致度評価順位及び目的合致度評価順位を点数化した目的合致度評価データを判断する。また、ステップST29にかかる処理では、変化傾向に対する評価(例えば、点数化)が体組成毎に行われる。また、制御部50は、目的合致度評価順位及び目的合致度評価データに関連付けられているアドバイス情報を判断する。そして、処理がステップST30に進む。
【0069】
ステップST30では、上述した処理Aで判断された表示順序データに基づいて、体組成毎の現在の測定結果データが表示される。そして、処理がステップST31に進む。
【0070】
ステップST31では、制御部50が、処理Bで判断された目的合致度評価データ及びアドバイス情報を表示する。そして処理がステップST32に進み、一連の処理が終了する。
【0071】
図9は、使用目的として「ダイエット」が設定されている場合の、上述したステップST25にかかる処理の具体的な表示例を示している。使用目的として「ダイエット」が設定されているので、「ダイエット」に関連付けられている表示順序データに従って、
図9の<1>~<8>で示される順序(体重→体脂肪率→体内年齢→基礎代謝量→内臓脂肪→筋肉量→推定骨量→BMI)で体組成の測定結果データが表示される。
【0072】
図10は、使用目的として「ダイエット」が設定されている場合の、ステップST26にかかる処理の具体的な表示例を示している。
図10に示すように使用目的「ダイエット」に関連付けられているアドバイス情報AD1が表示部17に表示される。なお、ステップST26では過去の測定結果データが無く目的合致度評価データが判断できないことから、ステップST26では、
図10に示すように、今回は「体組成変化総合評価」の具体的内容が判断できない旨が表示される、換言すれば、次回から「体組成変化総合評価」が判断される旨のコメントC1が表示される。
【0073】
図11は、使用目的として「ダイエット」が設定されている場合の、上述したステップST30にかかる処理の具体的な表示例を示している。使用目的として「ダイエット」が設定されているので、「ダイエット」に関連付けられている表示順序データに従って、
図11の<1>~<8>で示される順序(体重→体脂肪率→体内年齢→基礎代謝量→内臓脂肪→筋肉量→推定骨量→BMI)で現在の測定結果データが表示される。また、ステップST30では、ステップST29で判断された体組成毎の変化傾向が関連付けられて表示される。即ち、体組成の変化傾向が「変化なし」の場合には体組成の種類を示す表示の横に「→」が表示され、体組成の変化傾向が「+変化」の場合には体組成の種類を示す表示の横に「↑」が表示され、体組成の変化傾向が「-変化」の場合には体組成の種類を示す表示の横に「↓」が表示される。
【0074】
図12は、使用目的として「ダイエット」が設定されている場合の、上述したステップST31にかかる処理の具体的な表示例を示している。
図12に示すように、制御部50は、表示部17の上半分にアドバイス情報AD5を表示する。また、制御部50は、アドバイス情報AD5の下に「体組成変化総合評価」という項目を表示し、当該項目の右側に目的合致度評価データである「90点」を表示する。また、制御部50は、「体組成変化総合評価」という項目の下に使用目的「ダイエット」にとって重要度の高い体組成である「体脂肪率」、「体内年齢」及び「基礎代謝」を重要度の高い順に上から表示する。そして、体組成の種類を示す表示の横に、ステップST29で判断された変化傾向に対応する矢印、変化傾向に対して割り当てられた体組成毎の点数に対応する長さのバー及び具体的な点数が表示される。
図12に示す例では、例えば「体脂肪率」の右側に変化傾向「-変化」を示す矢印「↓」が表示され、その右側に「**********」というバーが表示され、さらにその右側に「体脂肪率」の変化傾向に割り当てられた点数である「99点」が表示されている。バーは、点数が高いほど右側に長く伸びるように表示される。
【0075】
以上説明した本実施の形態によれば、体組成計の使用目的にあわせて、自分の身体に起きている変化が良い方向であるのか、又はそうでないのかを判断することができる。判断結果がユーザに対して表示されるので、ユーザは、専門的な知識がない場合でも、日々の生活傾向や努力の方向性に基づく身体の変化が使用目的に合っているのかどうかを知る手がかりになり、測定結果について実質的な意味をもって捉えることが可能となる。そのため、変化の実感を得やすいだけでなく、目的に向かった努力や生活改善が長続きしやすくなるので、モチベーションの維持に効果的でスポーツジムや美容目的の施設等においての指導にも体組成計を有効活用することができる。
【0076】
<変形例>
本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0077】
図13は、使用目的合致度関係の他の例を示す図である。
図13に示す例は、体組成計1の使用目的が「鍛えて引き締めたい」である場合の使用目的合致度関係の例である。使用目的が「鍛えて引き締めたい」の使用目的合致度関係には、複数の体組成として、重要度の高い順に「筋肉量」、「体脂肪率」、「基礎代謝量」が用いられる。
【0078】
図14は、使用目的が「鍛えて引き締めたい」である使用目的合致度関係に関連付けられているアドバイス情報の例を示している。具体的には、ユーザの体組成があまり変化せず、目的合致度評価データが中程度の点数(例えば、
図13に示す使用目的合致度関係の目的合致度評価順位が14位に対応する点数)に関連付けられているアドバイス情報の例である。
【0079】
図15は、使用目的合致度関係の他の例を示す図である。
図15に示す例は、体組成計1の使用目的が「健康維持」である場合の使用目的合致度関係の例である。使用目的が「健康維持」の使用目的合致度関係には、複数の体組成として、重要度の高い順に「体脂肪率」、「内蔵脂肪レベル」、「体内年齢」が用いられる。
【0080】
図16に示す例は、体組成計1の使用目的が「ダイエット」である場合の使用目的合致度関係の例である。同じ使用目的であっても
図5に示す使用目的合致度関係は男性用であるのに対して、
図16に示す使用目的合致度関係は女性用である点で相違する。ユーザが女性である場合には、体のむくみがある時期は体脂肪量が減ったとしても体重が増加するため、体重全体に占める体脂肪率が減らない。このようなケースを考慮して、女性の場合は「体脂肪率」ではなく「体脂肪量」を使用した方が適切な評価を行うことができる。そこで、設定モードにおいて設定された個人の属性が「女性」である場合には、同じ使用目的であっても、
図16に示す使用目的合致度関係が使用される。このように、同一の使用目的であっても、個人の属性に応じて、使用される使用目的合致度関係が変更されるようにしても良い。
【0081】
上述した実施の形態では、過去の所定期間内に測定された測定結果データに基づく近似線を判断し、現在の測定結果データと、現在に対応する近似線上の測定結果データとの差を判断するようにした。上記所定期間をユーザが設定できるようにしても良い。一般に、身体の変化が「ダイエット」にマッチする変化であるか否かを評価するには、ある程度、長期間における過去の測定結果データが必要となる。しかしながら、その期間の間に、ユーザが使用目的に反する行動をとってしまうこともあり得る。例えば、使用目的が「ダイエット」であってもユーザが暴飲暴食をしてしまった期間もあり得る。そのような期間を除いて、即ち、ユーザが真剣にダイエットに取り組んでいた期間の測定結果データを用いることが好ましい。従って、過去の測定結果データの使用範囲(例えば、過去1週間以内や、日付の範囲指定)をユーザが設定できるようにしても良い。
【0082】
上述した実施の形態において、過去の測定結果データのばらつきが大きい場合には、「測定結果の規則性が良くないですよ」や「波瀾万丈な生活のようですね。生活リズムを見直しましょう」等のコメントが表示されるようにしても良い。
【0083】
上述した実施の形態では、個々の体組成の測定結果データが表示された後に、目的合致度評価データやアドバイス情報が表示されるようにしたが、目的合致度評価データやアドバイス情報が先に表示されても良い。体組成の測定結果データを全て表示するには一定時間要するため、目的合致度評価データやアドバイス情報が先にユーザに表示されるようにしても良い。また、目的合致度評価データやアドバイス情報が先に表示され、所定の操作があった場合のみ個々の体組成の測定結果データが表示されるようにしても良い。また、目的合致度評価データやアドバイス情報と、体組成の測定結果データとのどちらを先に表示させるかをユーザが設定できるようにしても良い。これにより、ユーザは、自分が気になる情報を先に表示させることができる。
【0084】
記憶部80に過去の測定結果データが記憶されていない場合であっても、現在の測定結果データが、ある属性に関する体組成の測定結果データの平均値と比較されても良い。そして、現在の測定結果データと平均値との差から変化傾向が判断され、変化傾向が点数化され、当該点数が表示されるようにしても良い。
【0085】
過去の測定結果データの数に応じて、ステップS31で表示される情報が変更されても良い。例えば、過去の測定結果データが5件以上の場合には、ステップST31で、体組成変化総合評価の信頼性が高い旨が表示されるようにしても良い。反対に、過去の測定結果データが1件の場合には、ステップST31で、体組成変化総合評価の信頼性が低い旨が表示されるようにしても良い。
【0086】
使用目的合致度関係に関連付けられる合致する程度は、目的合致度評価順位や目的合致度評価データ以外のものでも良く、合致する程度を示す指標なら何でも良い。また、上述した実施の形態では、使用目的に対して合致(適合)しているかを判定する上で、重要度の高い体組成の順から3個としたが、2個でも良いし、4個以上でも良い。
【0087】
上述した実施の形態における体組成計1に左手と右手で握れる構成を追加し、手で握る部分に左手用の電極と右手用の電極を配置し、手と足とを通してインピーダンス測定ができるようにしても良い。
【0088】
図3に示した構成と異なる構成が体組成計1に追加されてもよい。例えば、スマートフォン等の携帯機器と近接無線通信を行う通信モジュールや、インターネット等のネットワークと接続するための通信モジュールが体組成計1に追加されてもよい。体組成計1で行われる演算の全部又は一部が、スマートフォンやクラウド上のサーバー装置で行われても良い。また、目的合致度評価データやアドバイス情報が音声で再生されるようにしても良い。
【符号の説明】
【0089】
1・・・体組成計、17・・・表示部、30・・・操作部、50・・・演算・制御部