(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058724
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】穴あけ可能な膜を有するエアロゾル送達用の取り外し可能な容器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20230418BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20230418BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20230418BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/44
A24F40/40
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025845
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2020501314の分割
【原出願日】2018-06-28
(31)【優先権主張番号】15/648,181
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド・シー・ブレス
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ジェイ・ノバック・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ビー・シアーズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装置の有用性を拡張し得るような改善された電子機器をエアロゾル送達装置に提供する。
【解決手段】エアロゾル送達装置100を形成するために制御本体102に連結されているかあるいは連結可能なカートリッジであって、エアロゾル前駆体組成物の容器と、エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成されたリザーバ108を囲む噴霧器と、を含むカートリッジが提供される。容器と噴霧器とは、互いに取り外し可能に連結可能であり、隔壁と、カニューレと、を含むコネクタとをそれぞれ含み、隔壁とコネクタとは、容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器と噴霧器とが連結されると係合される。噴霧器は、作動して、リザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素をさらに含む。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置を形成するために制御本体と連結されているかあるいは連結可能なカートリッジであって、カートリッジが、
エアロゾル前駆体組成物の容器と、
エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成されたリザーバを囲む噴霧器と、
を含み、
容器と噴霧器とが、互いに取り外し可能に連結可能であり、隔壁と、カニューレを含むコネクタと、をそれぞれ含み、容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器と噴霧器とが連結されるときに隔壁とカニューレを含むコレクタとが係合されており、
噴霧器が、作動してリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素をさらに含む、カートリッジ。
【請求項2】
カニューレが、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
噴霧器が、容器と噴霧器とが連結されるときに隔壁に係合される第2のカニューレをさらに含み、容器への空気の通過を可能にするように第2のカニューレと隔壁とが係合される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
噴霧器が、リザーバ内にありリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成された多孔質要素をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
噴霧器が、多孔質要素から加熱要素へのエアロゾル前駆体組成物の流体連通を可能にする輸送構成要素をさらに含む、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
容器と噴霧器とが互いに螺合可能に連結可能である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
容器と噴霧器とが互いにスナップ嵌め接続で係合可能である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
容器と噴霧器とが互いに圧入接続で係合可能である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項9】
エアロゾル前駆体組成物の容器であって、容器が、
エアロゾル送達装置用の噴霧器と容器とを取り外し可能に連結するように構成されたコネクタであって、噴霧器が、エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成されたリザーバを囲む、コネクタと、
容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器と噴霧器とが連結されるときに噴霧器のカニューレに係合される、隔壁と、
を含み、
噴霧器が、作動して、リザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素をさらに含む、容器。
【請求項10】
カニューレに係合される隔壁が、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路および容器への空気の通過のための第2の通路を含むカニューレに係合される隔壁を含む、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
隔壁が、容器と噴霧器とが連結されるときに噴霧器の第2のカニューレとさらに係合され、隔壁と第2のカニューレとが係合されて容器内への空気の通過を可能にする、請求項9に記載の容器。
【請求項12】
容器からリザーバ内の多孔質要素にエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするようにカニューレに係合される隔壁を、カニューレに係合される隔壁が含み、該多孔質要素が、リザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成される、請求項9に記載の容器。
【請求項13】
コネクタが、噴霧器に容器を螺合可能に連結するように構成される、請求項9に記載の容器。
【請求項14】
コネクタが、噴霧器に容器をスナップ嵌めするように構成される、請求項9に記載の容器。
【請求項15】
コネクタが、噴霧器に容器を圧入するように構成される、請求項9に記載の容器。
【請求項16】
エアロゾル送達装置用の噴霧器であって、噴霧器が、
エアロゾル前駆体組成物の容器と噴霧器を取り外し可能に連結するように構成される、コネクタと、
エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成される、リザーバと、
容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように噴霧器と容器とが連結されるときに容器の隔壁に係合される、カニューレと、
作動してリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素と、
を含む、噴霧器。
【請求項17】
カニューレが、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含む、請求項16に記載の噴霧器。
【請求項18】
噴霧器が、容器と噴霧器とが連結されるときに隔壁に係合される第2のカニューレをさらに含み、容器への空気の通過を可能にするように第2のカニューレと隔壁とが係合されている、請求項16に記載の噴霧器。
【請求項19】
リザーバ内にありリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成された多孔質要素をさらに含む、請求項16に記載の噴霧器。
【請求項20】
多孔質要素から加熱要素へのエアロゾル前駆体組成物の連通を可能にする輸送構成要素をさらに含む、請求項19に記載の噴霧器。
【請求項21】
コネクタが、容器と噴霧器を螺合可能に連結するように構成される、請求項16に記載の噴霧器。
【請求項22】
コネクタが、容器と噴霧器とをスナップ嵌めするように構成される、請求項16に記載の噴霧器。
【請求項23】
コネクタが、容器と噴霧器とを圧入するように構成される、請求項16に記載の噴霧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品などのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために電気的に生成された熱を利用してもよいエアロゾル送達装置(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙品)に関する。喫煙品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書および2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願番号第15/222,615号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に記載されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【0003】
しかし、装置の有用性を拡張し得るような改善された電子機器をエアロゾル送達装置に提供することが望ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,881,737号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【特許文献7】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献8】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置、そのような装置を形成する方法およびそのような装置の要素に関する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0006】
例示的な実施形態1:エアロゾル送達装置を形成するために制御本体と連結されているか、あるいは連結可能なカートリッジであって、カートリッジが、エアロゾル前駆体組成物の容器と、エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成されたリザーバを囲む噴霧器とを含み、容器と噴霧器とが、互いに取り外し可能に連結可能であり、隔壁と、コネクタと、をそれぞれ含み、容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器と噴霧器とが連結されるときに隔壁とカニューレを含むコネクタとが係合され、噴霧器が、作動してリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素をさらに含む、カートリッジ。
【0007】
例示的な実施形態2:カニューレが、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含む、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのカートリッジ。
【0008】
例示的な実施形態3:噴霧器が、容器と噴霧器とが連結されるときに隔壁に係合される第2のカニューレをさらに含み、容器への空気の通過を可能にするように第2のカニューレと隔壁とが係合される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのカートリッジ。
【0009】
例示的な実施形態4:噴霧器が、リザーバ内にありリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成された多孔質要素をさらに含む、前述の例示的な実施形態のカートリッジ、または前述の例示的な実施形態の組合せ。
【0010】
例示的な実施形態5:噴霧器が、多孔質要素から加熱要素へのエアロゾル前駆体組成物の流体連通を可能にする輸送構成要素をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのカートリッジ。
【0011】
例示的な実施形態6:容器と噴霧器とが互いに螺合可能に連結可能である、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのカートリッジ。
【0012】
例示的な実施形態7:容器と噴霧器とが互いにスナップ嵌め接続で係合可能である、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのカートリッジ。
【0013】
例示的な実施形態8:容器と噴霧器とが互いに圧入接続で係合可能である、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのカートリッジ。
【0014】
例示的な実施形態9:エアロゾル前駆体組成物の容器であって、容器が、エアロゾル送達装置用の噴霧器と容器とを取り外し可能に連結するように構成されるコネクタであって、
噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成されたリザーバを囲む、コネクタと、
容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器と噴霧器とが連結されるときに噴霧器のカニューレに係合される、隔壁と、
を含み、
噴霧器が、作動して、リザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素をさらに含む、容器。
【0015】
例示的な実施形態10:カニューレに係合される隔壁が、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路および容器への空気の通過のための第2の通路を含むカニューレに係合される隔壁を含む、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの容器。
【0016】
例示的な実施形態11:隔壁が、容器と噴霧器とが連結されるときに噴霧器の第2のカニューレとさらに係合されており、隔壁と第2のカニューレとが係合されて容器内への空気の通過を可能にする、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの容器。
【0017】
例示的な実施形態12:容器から、リザーバ内のへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするようにカニューレに係合される隔壁を、カニューレに係合される隔壁が含み、該多孔質要素が、リザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの容器。
【0018】
例示的な実施形態13:コネクタが、噴霧器と容器とを螺合可能に連結するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの容器。
【0019】
例示的な実施形態14:コネクタが、噴霧器と容器とをスナップ嵌めするように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの容器。
【0020】
例示的な実施形態15:コネクタが、噴霧器に容器を圧入するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの容器。
【0021】
例示的な実施形態16:エアロゾル送達装置用の噴霧器であって、噴霧器が、
エアロゾル前駆体組成物の容器と噴霧器を取り外し可能に連結するように構成される、コネクタと、
エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成される、リザーバと、
容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように噴霧器と容器とが連結されるときに容器の隔壁に係合される、カニューレと、
作動してリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素と、
を含む、噴霧器。
【0022】
例示的な実施形態17:カニューレが、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含む、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0023】
例示的な実施形態18:噴霧器が、容器と噴霧器とが連結されるときに隔壁に係合される第2のカニューレをさらに含み、容器への空気の通過を可能にするように第2のカニューレと隔壁とが係合される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0024】
例示的な実施形態19:噴霧器が、リザーバ内にありリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成された多孔質要素をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0025】
例示的な実施形態20:噴霧器が、多孔質要素から加熱要素へのエアロゾル前駆体組成物の連通を可能にする輸送構成要素をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0026】
例示的な実施形態21:コネクタが、容器と噴霧器を螺合可能に連結するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0027】
例示的な実施形態22:コネクタが、容器と噴霧器とをスナップ嵌めするように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0028】
例示的な実施形態23:コネクタが、容器と噴霧器とを圧入するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの噴霧器。
【0029】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に記載の特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の前後関係が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組合せ可能に思えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0030】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または主旨を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実施形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0031】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による、制御本体に連結されたカートリッジを含むエアロゾル送達装置の正面図を示す。
【
図1B】本開示の例示的な実施形態による、
図1Aのエアロゾル送達装置の断面図を示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、
図2のカートリッジの部分切欠き図を示す。
【
図3A】本開示の例示的な実施形態による、
図2のカートリッジの部分切欠き図を示す。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態による、
図2のカートリッジの部分切欠き図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、前後関係で他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0034】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達システムに関する。本開示によるエアロゾル送達システムは、吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用して(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく、および/または材料を著しく化学変化させることなく)材料を加熱し、そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なされるのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達システムの構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0035】
特定の好ましいエアロゾル送達システムのエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が従来型の喫煙品を使用するのと同じように、その部品を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0036】
本開示のエアロゾル送達システムはまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0037】
本開示のエアロゾル送達システムは、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられた多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を形成することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。エアロゾル送達装置は、多くの場合、紙巻タバコまたは葉巻などの特定の従来の喫煙装置の態様を模倣するように構成されている。これに関して、エアロゾル送達装置は、典型的には、実質的に円筒形の構成を規定する。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得るかつそれ自体従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る、細長いシェルまたは本体を含むことができる。エアロゾル送達装置は、多くの場合、端面を重ね合わせた関係で取り付けられて、実質的に円筒形の構成を規定する制御本体およびカートリッジを含む。
【0038】
このような構成は、従来の喫煙品に類似した外観および雰囲気を提供し得るが、これらの構成は、特定の不利益を被る可能性がある。例えば、円筒形に構成されたエアロゾル送達装置は、使用しない時にエアロゾル送達装置を所望の位置に保持するために使用可能な取付け点を規定し得ない。さらに、円筒形の構成では、マウスピースが周囲の環境に露出され、ひいては汚染の影響を受けやすくなる可能性がある。したがって、従来の喫煙品に関連する形状とは異なる構成のエアロゾル送達装置を提供することが望ましい場合がある。
【0039】
一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され、分離可能な2つ以上のハウジングを含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能な電池および/またはキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを含む制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを他端に取り外し可能に連結可能に有することができる。
【0040】
最も好ましくは、電源(すなわち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素(例えば、個別にマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段)、ヒータまたは発熱部材(例えば、単独でまたは1つ以上の追加要素と組み合わせて、一般に「噴霧器」と呼ばれ得る電気抵抗加熱要素または他の構成要素)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)ならびにエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にする吸い口端領域および先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸入によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを、本開示のエアロゾル送達システムは含む。
【0041】
様々な例では、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを含むことができる。リザーバは、バルク流体用の空隙空間であってもよく、または特に、多孔質材料(例えば、剛性の多孔質材料または主に繊維質材料)から形成することができ、したがって、多孔質基材と呼ばれ得る。
【0042】
エアロゾル送達装置のリザーバとして有用な繊維質基材は、複数の繊維またはフィラメントから形成された織布または不織布材料であってよく、天然繊維および合成繊維の一方または両方から形成することができる。例えば、繊維質基材は、ガラス繊維材料を含んでもよい。特定の例では、酢酸セルロース材料を使用することができる。他の例示的な実施形態では、炭素材料を使用することができる。さらなる例示的な実施形態では、有機綿、ポリエチレンテレフタレート、多孔質セラミックもしくはガラスまたは多孔質焼結体を使用することができる。リザーバは、実質的に容器の形態であってよく、その中に含まれる繊維質材料を含んでもよい。他の実施形態では、リザーバは、ガラス、プラスチック、または本明細書に明示的に記載されていない他の材料から形成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、1つ以上の発光ダイオード、またはディスプレイを介したグラフィカルユーザインターフェイスを含んでもよいインジケータを含むことができる。インジケータは、コネクタ回路を介して制御構成要素と通信し、例えば、フローセンサによって検出されるようにユーザが吸い口端を吸引する間に発光することができる。
【0044】
本開示のエアロゾル送達システム内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、様々なエアロゾル送達システム構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術の項で参照される代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して理解することができる。
【0045】
本開示の例示的な実施形態に従って、
図1Aは、エアロゾル送達装置100の正面図を示し、
図1Bは、エアロゾル送達装置の改変された断面図を示す(総称して
図1)。図示されるように、エアロゾル送達装置は、制御本体102およびカートリッジ104を含んでもよい。具体的には、
図1は、互いに連結された制御本体およびカートリッジを示す。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係で取り外し可能に位置合わせされてもよい。様々な機構がカートリッジを制御本体に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの例では、エアロゾル送達装置は、カートリッジおよび制御本体が組み立てられた構成にある場合、いくつかの例示的な実施形態では、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。他の例では、追加の形状および寸法、例えば、長方形または三角形の断面、多面体形状などが包含される。カートリッジおよび制御本体は、複数の異なる材料のうちのいずれかから形成され得る別個のそれぞれのハウジングまたは外側本体を含んでもよい。ハウジングは、好適な構造的に安定した材料の任意の組合せから形成されてもよい。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどのような金属または合金のうち少なくとも1つから形成されてもよい。他の好適な材料には、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネート)、プラスチック上の金属めっき、ガラスなどが挙げられる。
【0046】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100の制御本体102またはカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。エアロゾル送達装置は、制御本体またはカートリッジ内に配置されるか、そうでなければそれに連結される様々な他の構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、様々な方法のいずれかで制御本体とカートリッジとの間に配置されてもよい。例えば、制御本体は、交換可能な電池または取り外し可能な電池または再充電可能な電池を有してもよく、したがって、典型的な交流電気コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタなどを介したコンピュータへの接続、または光起電力電池(時に太陽電池と呼ばれる)もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。例えば、一端にUSBコネクタと、対向端に制御本体コネクタとを含むアダプタが、その全体が参照により本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されている。
【0047】
1つの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100を形成する制御本体102およびカートリッジ104は、取り外し可能に互いに連結されてもよい。使い捨てであるように構成されてもよく、および/または恒久的な連結のために構成された第1および第2の外側本体を含んでもよいエアロゾル送達装置の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に開示されている。別の例示的な実施形態では、カートリッジおよび制御本体は、本明細書に開示される構成要素、態様および特徴を組み込んでもよい。ただし、別の例示的な実施形態では、例えば、カートリッジが再充填または交換されてもよいように、制御本体およびカートリッジは分離可能に構成されてもよい。
【0048】
図1Bは、エアロゾル送達装置100のさらに特定の例を示し、ここで構成要素は、好適な制御本体102およびカートリッジ104内に存在し得る構成要素を表し、本開示に包含される制御本体およびカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。
【0049】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ108を囲みかつヒータ110(時には加熱要素と呼ばれる)を含む噴霧器106から形成することができる。様々な構成では、この構造はタンクと呼ばれてもよい。したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバを囲み、かつヒータを含むシェルまたは他のハウジングを指すために区別なく使用され得る。
【0050】
いくつかの例では、カートリッジ104のリザーバ108は、再充填可能なリザーバを含んでもよい。リザーバは、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、リザーバは、特に、多孔質材料(例えば、繊維質材料)から形成することができ、したがって、多孔質基材(例えば、繊維質基材)と呼ばれてもよい。エアロゾル送達装置のリザーバとして有用な繊維質基材は、複数の繊維またはフィラメントから形成された織布または不織布材料であってよく、天然繊維および合成繊維の一方または両方から形成することができる。例えば、繊維質基材は、ガラス繊維材料を含んでもよい。特定の例では、酢酸セルロース材料を使用することができる。他の例示的な実施形態では、炭素材料を使用することができる。リザーバは、実質的に容器の形態であってよく、その中に含まれる繊維質材料を含んでもよい。他の実施形態では、リザーバは、ガラス、セラミック、プラスチック、または本明細書に明示的に記載されていない他の材料から形成されてもよい。
【0051】
リザーバ108は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ110に吸い上げるか、その他の方法で輸送するように構成された液体輸送要素と流体連通してもよい。いくつかの例では、弁が、リザーバとヒータとの間に配置され、リザーバからヒータに送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0052】
電流が印加されるときに熱を発生するように構成された様々な例の材料を使用して、ヒータ110を形成してもよい。これらの例におけるヒータは、コイルなどの抵抗加熱要素であってよい。コイルを形成してもよい材料の例には、チタン(Ti)、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。加熱要素は、液体輸送要素の周りに配置されたメッシュ、スクリーンまたは格子構造を画定するワイヤ構造を含んでもよい。ワイヤメッシュ、スクリーンまたは格子を形成してもよい材料の例には、チタン、白金、銀、パラジウム、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、黒鉛および黒鉛系材料ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なヒータまたは加熱部材の例示的な実施形態がさらに以下に記載され、本明細書に記載の装置にこれらを組み込むことができる。
【0053】
内部に画定された開口部を有するマウスピース112が、(例えば、吸い口端で)噴霧器106に連結されて、カートリッジ104からの形成されたエアロゾルの放出を可能にしてもよい。
【0054】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子部品を含んでもよい。電子部品は、有線または無線手段によって制御本体の制御構成要素および/または外部装置と通信するように構成されてもよい。電子部品は、カートリッジまたはその基部114内のどこに配置されてもよい。
【0055】
図1Bに示すように、制御本体102は、制御構成要素118(例えば、プリント回路基板(PCB)、集積回路、メモリ部品、個別にマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサなど)、電源120、および発光ダイオード(LED)などの1つ以上のインジケータ122を含むことができる制御本体シェル116から形成することができ、このような構成要素は、可変に位置合わせすることができる。電源は、例えば、電池(使い捨てまたは再充電可能)、スーパーキャパシタなどを含んでもよい。LEDに加えて、またはLEDの代替として、追加のインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)を含めることができる。発光ダイオード(LED)構成要素など、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類ならびにそれらの構成および使用は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書およびScatterdayの米国特許第8,539,959号明細書ならびに2014年2月5日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/173,266号明細書に記載されている。
【0056】
制御構成要素118は、電源120からヒータ110に電力を導いて、カートリッジ104に保持されたエアロゾル前駆体組成物を加熱して、ユーザがカートリッジのマウスピース112を吸引する間に生じ得る蒸気を生成するように構成されてもよい。制御構成要素118は、多数の電子部品を含んでもよく、いくつかの例では、電子部品を支持し電気的に接続する電子回路基板またはプリント回路基板(PCB)から形成されてもよい。好適な電子部品の例には、マイクロプロセッサまたはプロセッサコア、集積回路(IC)、メモリなどが挙げられる。
【0057】
いくつかの例では、制御構成要素118は、統合されたプロセッサコアおよびメモリを有するマイクロコントローラを含んでもよく、1つ以上の統合された入力/出力周辺機器をさらに含んでもよい。いくつかの例では、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティング装置または他の適切にイネーブルされた装置との無線通信を可能にするために通信インターフェイスに連結されてもよい。好適な通信インターフェイスの例は、2015年3月4日に出願されたMarionらの米国特許出願番号第14/638,562号明細書に開示されており、その内容は参照によりその全体が組み込まれる。エアロゾル送達装置が無線通信するように構成されてもよい好適な方法の例は、2014年7月10日に出願されたAmpoliniらの米国特許出願番号第14/327,776号明細書および2015年1月29日に出願されたHenry,Jr.らの米国特許出願番号第14/609,032号明細書に開示されており、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0058】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。
図1Bに示すように、制御本体はコネクタ124を含むことができる。カートリッジの基部114は、コネクタに係合するように構成することができ、コネクタ内に嵌合するように構成された突起を含むことができる。このような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電池120および制御構成要素118とカートリッジ内のヒータ110との間の電気的接続を確立することができる。さらに、制御本体シェル116は、吸気口を含むことができ、吸気口はシェル内のノッチであってよく、ここでノッチはコネクタに接続し、これにより、コネクタ周辺の周囲空気が通過してシェル内に入り、次いでコネクタを通過し、突起を介してカートリッジ内に入ることが可能になる。
【0059】
本開示による有用なコネクタおよび基部は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。ただし、様々な他の例の構造、形状および構成要素を使用して、基部をコネクタに連結してもよい。いくつかの例では、カートリッジ104の基部と制御本体102のコネクタとの間の接続は、例えば、使い捨ておよび/または再充填可能であり得る1つ以上の追加のカートリッジとともに制御本体が再利用され得るように解放可能であってよい。
【0060】
図1Bに示されるリザーバ108は、この例では、噴霧器106の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成することができる。リザーバ内にエアロゾル前駆体組成物を保持することができる。例えば、リザーバによって液体成分を保持することができる。リザーバは、液体輸送要素と流体接続することができる。液体輸送要素は、この例では、金属ワイヤコイルの形態であるヒータ110に、毛細管作用によって、リザーバ内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、ヒータは液体輸送要素を伴った加熱構成にある。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なリザーバおよび輸送要素の例示的な実施形態がさらに以下に記載され、本明細書に記載の装置に、このようなリザーバおよび/または輸送要素を組み込むことができる。具体的には、後述する加熱部材と輸送要素との特定の組合せが、装置に組み込まれてもよい。
【0061】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸引するときに、フローセンサによって空気流が検出され、ヒータ110が作動してエアロゾル前駆体組成物の成分が気化される。いくつかの実施形態では、手動ボタンのみを使用するか、手動ボタンをフローセンサと組み合わせて使用してヒータを作動させてもよい。あるいは、フローセンサの代わりに手動ボタンを押してヒータを作動させてもよい。エアロゾル送達装置のマウスピース112を吸引すると周囲空気が吸気口に入り、コネクタ124と、基部114の突起内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と混合して、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、ヒータから吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、エアロゾル送達装置のマウスピースの開口部から出る。
【0062】
エアロゾル送達装置100には、入力要素126が含まれていてもよい。入力要素は、ユーザが装置の機能を制御し、および/またはユーザに対して情報を出力することを可能にするために含まれていてもよい。例えば、ユーザは、入力要素を利用して、エアロゾル前駆体組成物を気化し、および/またはオンオフ機能を作動させてもよい。入力要素は、ユーザからの入力を受け取るように構成された押しボタンまたは他のスイッチを含んでもよい。入力要素を作動させると、エアロゾル送達装置が、エアロゾル送達装置の状態に対応する出力を生成してもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、音、振動または光を出力してもよい。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる2014年2月28日に出願されたWormらの米国特許出願番号第14/193,961号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよい。同様に、参照により本明細書に組み込まれる2015年3月10日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/643,626号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。さらなる例として、エアロゾル送達装置の特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。参照により本明細書に組み込まれる2014年12月9日に出願されたHenryらの米国特許出願番号第14/565,137号明細書を参照されたい。
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置自体の入力要素126に加えて、またはその代わりに、モバイルコンピュータ(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ)などのコンピューティング装置が、入力要素として使用されてもよい。具体的には、エアロゾル送達装置100は、USBコードまたは類似のプロトコルの使用を介するなどして、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。エアロゾル送達装置はまた、無線通信を介して入力として作用するコンピュータまたは他の装置と通信してもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年7月10日に出願されたAmpoliniらの米国特許出願番号第14/327,776号明細書に記載されているように、読み出し要求を介して装置を制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、コンピューティング装置に接続してアプリケーションソフトウェアを使用して、エアロゾル送達装置に制御命令を入力してもよく、そのような制御命令は、例えば、ニコチン含有量および/または含有される追加の香味の含有量を選択することによって、特定の組成のエアロゾルを形成する能力を含む。
【0064】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、多数の追加のハードウェア実装機能またはソフトウェア制御機能を含んでもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、電池入力、電池端子への負荷、および充電入力を検出するように構成された電池保護回路を含んでもよい。電池保護回路は、短絡保護および低電圧ロックアウトを含んでもよい。エアロゾル送達装置はまた、周囲温度測定のための構成要素を含んでもよく、その制御構成要素118は、充電開始前または充電中に、周囲温度が特定の温度(例えば、0℃)を下回るか、特定の温度(例えば、45℃)を超えた場合に、電池充電を禁止するために少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよい。
【0065】
電池120からの電力供給は、電力制御機構に従って装置100の各吸煙の経過にわたって変化してもよい。装置は、ユーザまたは偶発的な作用が装置に連続的に吸煙させようとする場合に、制御構成要素118が、少なくとも1つの機能要素を制御して、ある期間(例えば、4秒)後に自動的に吸煙を終了させてもよいように、「長期吸煙」安全タイマを含んでもよい。さらに、装置を用いた吸煙の間の時間は、ある時間(例えば、100ミリ秒)よりも長く制限されてもよい。ウォッチドッグ安全タイマは、エアロゾル送達装置上で実行されるその制御構成要素またはソフトウェアが不安定になり、適切な時間間隔(例えば、8秒)内にタイマを動作させない場合、エアロゾル送達装置を自動的にリセットしてもよい。フローセンサの欠陥、そうでなければ故障の場合には、不慮の加熱を防止するためにエアロゾル送達装置を恒久的に使用不能にするなど、追加の安全保護が提供されてもよい。4秒の最大吸煙時間後に装置を停止することなく連続的に作動させる圧力センサが故障した場合に、吸煙リミットスイッチが装置を停止させてもよい。
【0066】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当該技術分野に記載され市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができる電池の例は、Peckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
エアロゾル送達装置100は、吸引中にヒータ110への電力量を制御するための制御構成要素118または別の制御機構を組み込むことが最も好ましい。いくつかの実施形態では、制御構成要素は、エアロゾル送達装置に対して様々な出力設定の制御を実施してもよい。例えば、エアロゾル送達装置内のエアロゾル生成を調節するために、少なくとも低、中および高出力の設定が制御されてもよい。代表的な種類の電子部品、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な操作方法は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書、Panの米国特許第8,205,622号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書および2014年3月13日に出願されたHenryらの米国特許出願番号第14/209,191号明細書に記載されている。
【0068】
エアロゾル送達装置100は、エアロゾル生成が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)、ヒータ110への電力の供給を制御するためのフローセンサもしくは別のセンサまたは検出器を組み込むこともできる。このように、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合に加熱要素への電力供給をオフにし、吸引中に加熱要素による熱の発生を作動させるか引き起こすために電力供給をオンにする様式または方法が提供される。追加の代表的な種類の感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な操作方法は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書およびFlickのPCT特許出願公開国際公開第2010/003480号パンフレットに記載されている。
【0069】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、2013年8月28日に出願されたDavisらの米国特許出願番号第14/011,992号明細書および2014年2月3日に出願されたBlessらの米国特許出願番号第14/170,838号明細書に記載されている。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のウィッキング材料の構成および操作が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0209105号明細書に記載されている。
【0070】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込むことが最も好ましい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末状のタバコ薄片などのタバコの部分または片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味剤などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0071】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な成分を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物に含まれ得る様々な成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に記載されている。追加の代表的な種類のエアロゾル前駆体組成物は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSensabaugh, Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、Biggsらの米国特許第6,779,531号明細書、Zhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco, R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。
【0072】
代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および調合物もまた、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書、Chongらの第2013/0213417号明細書、Collettらの第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの第2015/0020823号明細書およびKollerの第2015/0020830明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号パンフレットに記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(R)製品、Imperial Tobacco Group PLCのBLU(TM)製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0073】
エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚特性および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の外観に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が使用されることが非常に好ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品あたりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。典型的には、エアロゾル送達システム内、特にエアロゾル生成部品内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、約5g未満、一般に約2.5g未満、多くの場合約2g未満、頻繁に約1g未満である。
【0074】
LEDおよび関連構成要素、聴覚要素(例えば、スピーカ)、振動要素(例えば、振動モータ)など、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類がエアロゾル送達装置100に使用されてもよい。好適なLED部品の例ならびにそれらの構成および使用は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayの米国特許第8,539,959号明細書および2014年2月5日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/173,266号明細書に記載されている。
【0075】
本開示のエアロゾル送達装置に組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Kataseの米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されている。
【0076】
図2は、いくつかの例では
図1のエアロゾル送達装置100に対応し得る好適なエアロゾル送達装置200の斜視図を示す。図示するように、エアロゾル送達装置は、
図1の制御本体102およびカートリッジ104にそれぞれ対応し得る制御本体202およびカートリッジ204を含むことができる。制御本体は、ユーザの手の中に快適に収まるように構成された人間工学的形状を画定してもよい。ただし、ハウジングの形状は限定されず、本明細書に記載の様々な要素を収容する任意の形状であってよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、明確に非円筒形であってよい。
【0077】
先に説明したように、カートリッジ204は、リザーバ208をその中に囲む噴霧器206から形成することができ、いくつかの例では、噴霧器206は、
図1の噴霧器106およびリザーバ108に対応し得る。いくつかの例示的な実施形態では、リザーバは再充填可能なリザーバであってよく、リザーバを再充填するためにエアロゾル前駆体組成物の容器が設けられてもよい。カートリッジと容器との間に密封された連結が構成されて、容器とエアロゾル送達装置との間のエアロゾル前駆体組成物の移送を可能にし得るように、カートリッジと容器とは、互いに取り外し可能に、密封可能に接続可能であってよい。
【0078】
図3は、いくつかの例では
図2のカートリッジ204または
図1A、
図1Bのカートリッジ104に対応し得る、エアロゾル送達装置のカートリッジ300の一部を示す。図示するように、カートリッジは、
図2のカートリッジ204の噴霧器206、リザーバ208およびヒータ210のそれぞれに対応し得る外壁302、リザーバ306およびヒータ308を備えた噴霧器304を含んでもよい。
【0079】
図3にさらに詳細に示すように、カートリッジ300は、エアロゾル前駆体組成物の容器312と、エアロゾル前駆体組成物を受容し運ぶように構成されたリザーバ306を囲む噴霧器304とを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、リザーバは再充填可能なリザーバであり、リザーバを再充填するためにエアロゾル前駆体組成物の容器が設けられる。容器および噴霧器は、コネクタ310を介して互いに取り外し可能に連結可能である。
【0080】
図3に示すように、容器312は隔壁318を含んでもよく、噴霧器304は、カニューレ320を含むコネクタ310を含んでもよく、容器からリザーバ306へのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器と噴霧器とが連結されるときに、隔壁318とコネクタ310とは係合される。隔壁は、カニューレと容器との間に密封された連結をもたらして、容器とリザーバとの間のエアロゾル前駆体組成物の移送を可能にし、かつ漏れを防ぐことができ得る。
【0081】
容器312は、キャビティに隣接する大きな開口を画定する円筒状部分を含んでもよいが、隔壁が固体材料であり得る場合、円筒形部分は隔壁318によって閉鎖され得る。いくつかの実施形態では、隔壁は、シリコーン、ゴムなどの任意の好適なエラストマー材料から成形されるか、その他の方法で形成されてもよい。また、いくつかの実施形態では、隔壁は金属箔材料から構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、隔壁は、様々なエラストマー材料から作られていてもよく、様々なエラストマー材料は、異なる剛性および柔軟性を有してもよい。例えば、隔壁は、隔壁を通るカニューレの移動を容易にするために、隔壁の残りの部分と同じまたは異なるエラストマー材料の軟弱化したコアを有してもよい。同時に、残りの部分は強力なエラストマー材料から形成されているため、隔壁の完全性が維持される。
【0082】
隔壁318の材料にカニューレ320が挿入されて、カニューレの遠位開口部を容器312内のエアロゾル前駆体組成物と連通させて、カニューレの内腔を通る流体の流れを促進してもよい。いくつかの実施形態では、カニューレは、剛性隔壁を貫通する鋭利な遠位端と、剛性度が低い隔壁を貫通する鈍端とを含んでもよい。隔壁は、カニューレによって貫通されるときに、カニューレの周囲で自己シールしてもよい。カニューレは、カニューレを覆うために噴霧器304の外壁302内に収容され、カニューレが容器から取り外された際に、カニューレの鋭利な遠位部に触れることによる負傷のリスクを低減してもよい。
図3に示すように、カニューレが隔壁の中に延び、隔壁を通ってキャビティの中に延びる際に、外壁は容器の円筒形部分の上に適合してもよい。
【0083】
いくつかの例では、噴霧器304は、作動して、リザーバ306内のエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素308を含んでもよい。これに関して、加熱要素は、金属ワイヤコイルの形態の抵抗加熱要素を含んでもよい。抵抗加熱要素を通る電流の流れを促進するように、適切な配線(図示せず)を取り付けて、噴霧器304が制御本体202に接続された際に抵抗加熱要素と電源212との電気的接続を形成するように、その両端に正および負の端子を含んでもよい。噴霧器が制御本体に接続されるときに、電流が電源から抵抗加熱要素に制御可能に流れるように電気的接続が形成されてもよい。
【0084】
図3Aに示すように、いくつかの例では、カニューレ320は、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路322と、容器への空気の通過のための第2の通路324とを含んでもよい。
図3に示すように、第1の通路は、毛細管通路を提供し、容器312からリザーバ306内の加熱要素308へのエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成される。前駆体組成物レベルが低下した際の容器312内への空気の交換を可能にするために、第2の通路が含まれてもよい。代替的な実施形態では、
図3Bに示すように、噴霧器304は、容器312と噴霧器とが連結されるときに、隔壁318に係合される第2のカニューレ326をさらに含んでもよく、第2のカニューレと隔壁とは係合されて、容器への空気の通過を可能にする。
【0085】
いくつかの実施形態では、噴霧器304は、
図3に示すように、リザーバ306内にありリザーバ内のエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成された多孔質要素328をさらに含んでもよい。特に、多孔質要素は、カニューレ320の第1の通路322からエアロゾル前駆体組成物を受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、多孔質要素は、ニッケル、ステンレス鋼繊維フェルト、高分子ポリマー発泡体もしくは発泡セラミック、または液体の吸収および拡散に適した能力と、リザーバ内の前駆体組成物を吸収する能力とを備えた任意の材料を含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、噴霧器304は、多孔質要素322から加熱要素308へのエアロゾル前駆体組成物の流体連通を可能にする輸送構成要素314をさらに含んでもよい。上述のように、リザーバ306は、リザーバ内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ308に吸い上げるか、その他の方法で輸送するように構成された輸送要素314と流体連通してもよい。本発明に従って使用するための輸送要素は、リザーバから喫煙品内のエアロゾル化ゾーンにエアロゾル前駆体組成物の1つ以上の成分を輸送するように機能する任意の構成要素であり得る。リザーバから喫煙品内のエアロゾル化ゾーンでは、抵抗加熱要素がエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化してエアロゾルを形成する。特に、輸送要素は、特に、エアロゾル前駆体組成物の輸送に毛細管作用を利用するウィックであり得る。本明細書の実施形態に従って使用するためのウィックは、エアロゾル前駆体組成物の1つ以上の成分をエアロゾル化ゾーンに輸送するのに十分なウィッキング作用を提供する任意の材料であり得る。非限定的な例には、天然および合成繊維、例えば、綿、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、ガラス繊維、それらの組合せなどが挙げられる。ウィックに使用され得る他の例示的な材料には、金属、セラミックおよび炭化材料(例えば、材料の非炭素成分を除去するために焼成された炭素質材料から形成された発泡体またはモノリス)が挙げられる。用語「ウィック」はまた、毛細管を包含することも意図されており、所望の毛細管作用を提供する要素の任意の組合せを使用することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、容器312と噴霧器304とは、互いに螺合可能に連結可能である。特に、噴霧器は雌ねじであり得、容器は雄ねじ部を含んでもよい。容器は、噴霧器の雌ねじ部に螺合可能であることにより、噴霧器と密封可能に接続可能であってよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、容器312と噴霧器304とは、互いにスナップ嵌め接続で係合可能である。特に、容器と噴霧器とを解放可能に接合し、安全な接続を可能にするために、スナップ嵌め係合が提供されてもよい。スナップ嵌め接続の一例には、噴霧器に一体的に形成された係止アーム、および容器に一体的に形成された剛性の係止枠(図示せず)が挙げられる。係止アームは、段部およびカム面を画定し得る突起を含んでもよい。係止枠は、一般に長方形の形状を有してもよく、係止アームを受容するように構成された一般に長方形の開口を画定してもよい。一体型の弾性タブが噴霧器から係止枠開口内に外向きに延びていてもよい。弾性タブは、係止枠開口に係止アームを挿入することにより偏向され得、係止アームと係止枠との間の確実な係合を維持し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、容器312と噴霧器304とは、互いに圧入接続で係合可能である。圧入接続の一例には、容器に形成された凹形受け部(図示せず)が挙げられる。これらの受け部は、噴霧器から突き出ているピン(図示せず)を受容してもよい。容器と噴霧器との間の係合は、圧入係合の様式であり得る。あるいは、容器に沿って内部リップ(図示せず)が設けられ得、このリップが噴霧器の対応する凹部に受容されてもよい。
【0090】
いくつかの例では、制御構成要素は、容器312と噴霧器304との係合に基づいて、エアロゾル送達装置の機能要素の動作を制御するように構成されてもよい。以下の例に記載されるように、この制御構成要素は、制御本体102の制御構成要素208であってよい。ただし、制御構成要素は、代わりに制御本体または噴霧器104の別の制御構成要素であってよいことを理解されたい。
【0091】
エアロゾル送達装置100の機能要素は、容器312と噴霧器304との係合に基づいて、いくつかの異なる様式のいずれかで制御されてもよい。例えば、機能要素は、エアロゾル送達装置の係止状態を変更するように制御されてもよい。これは、例えば、容器と噴霧器とが係合された際のエアロゾル送達装置の1つ以上の構成要素の動作を有効または無効にすることを含み得る。
【0092】
エアロゾル送達装置100の係止状態を変更するための制御に加えて、またはその代わりに、エアロゾル前駆体組成物の量を示す、ユーザが知覚可能なフィードバック(例えば、視覚、可聴、触覚フィードバック)を提供するために、インジケータ122(例えば、視覚インジケータ、音声インジケータ、触覚インジケータ)が制御されてもよい。フィードバックは、例えば、容器312と噴霧器306とが係合されているまたは係合されていないという視覚、可聴および/または触覚通知を含んでもよい。容器と噴霧器とが係合されていない場合、インジケータは、警報、ブザー、振動または視覚インジケータ(例えば、LED)などのユーザが知覚可能なフィードバックを提供して、ユーザに警告してもよい。
【0093】
物品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な例示的な実施形態に適用され得る。しかし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
図1から
図3に示されたか、そうでなければ上記に記載された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれ得る。
【0094】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有する、本開示が関連する当業者には、本明細書に記載された開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。さらに、上記の説明および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例の組合せの観点から例示的な実施形態を記載しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態によって要素および/または機能の異なる組合せが提供されてもよいことが理解されるべきである。これに関して、例えば、添付の特許請求の範囲のいくつかに記載され得るように、明示的に上述されたもの以外の要素および/または機能の異なる組合せも考えられる。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジと連結可能な制御本体であって、制御本体に電力を供給するための電池を含む、制御本体と、
エアロゾル前駆体組成物を保持するリザーバを含むカートリッジであって、作動しエアロゾル前駆体組成物の成分を気化するために、制御本体によって、制御可能である、カートリッジと
を含む、エアロゾル送達装置であって、
カートリッジが、カートリッジのコネクタを介して、容器に密封可能に接続可能であり、コネクタが容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の移送を可能にするために容器の隔壁と係合可能なカニューレを含み、
カニューレと隔壁が係合されるとき、カニューレが、リザーバに第1の開口および容器内に第2の開口を含む、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
制御本体が、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合を介してカートリッジと連結可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
リザーバが、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された物質を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
カニューレが、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
カートリッジが、容器とカートリッジが接続されるとき、隔壁と係合可能でもある第2のカニューレをさらに含み、容器への空気の通過を可能にするように第2のカニューレと隔壁が係合可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
カートリッジが、リザーバのエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成された多孔質要素をリザーバにさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
カートリッジが、
作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化するために電池によって電力が供給可能な加熱要素を含む噴霧器と、
多孔質要素から噴霧器の加熱要素へのエアロゾル前駆体組成物の流体連通を可能にする輸送構成要素と
をさらに含む、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
容器と噴霧器が、互いに螺合連結可能である、請求項7に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
容器とカートリッジが、互いにスナップ嵌めまたは圧入で係合可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
エアロゾル前駆体組成物の容器であって、容器が、
エアロゾル前駆体組成物を受け入れ、保持するように構成されたリザーバを含むカートリッジと取り外し可能に連結するように構成されたコネクタであって、カートリッジが、作動し、リザーバによって保持されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化するように制御可能である、コネクタと、
容器からカートリッジのリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするようにコネクタのカニューレと係合可能である隔壁であって、カニューレと隔壁が係合されるとき、カニューレがリザーバに第1の開口と、容器内の第2の開口とを含む、隔壁と
を含む、容器。
【請求項11】
隔壁が、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含むカニューレと係合可能である、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
隔壁が、容器とカートリッジが連結されるとき、カートリッジの第2のカニューレとさらに係合可能であり、容器内への空気の通過を可能にするように隔壁と第2のカニューレが係合される、請求項10に記載の容器。
【請求項13】
隔壁が、容器からリザーバの多孔質要素にエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするようにカニューレと係合され、リザーバのエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成される、請求項10に記載の容器。
【請求項14】
コネクタが、カートリッジと容器を螺合連結するように構成される、請求項10に記載の容器。
【請求項15】
コネクタが、カートリッジと容器をスナップ嵌めまたは圧入するように構成される、請求項10に記載の容器。
【請求項16】
エアロゾル送達装置用のカートリッジであって、カートリッジが、
エアロゾル前駆体組成物の容器とカートリッジを取り外し可能に連結するように構成されたコネクタと、
エアロゾル前駆体組成物を受け入れ、保持するように構成されたリザーバと、
容器からリザーバへのエアロゾル前駆体組成物の通過を可能にするように容器の隔壁に係合可能であるコネクタのカニューレであって、カニューレと隔壁とが係合されるとき、カニューレがリザーバの第1の開口と容器内の第2の開口とを含む、カニューレと
を含む、カートリッジであって、
カートリッジが、電池を含む制御本体と連結可能であり、カートリッジが、作動し、リザーバによって保持されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化するように制御本体によって制御可能である、カートリッジ。
【請求項17】
制御本体が、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合を介してカートリッジと連結可能である、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
リザーバが、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された物質を含む、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項19】
カニューレが、エアロゾル前駆体組成物の通過のための第1の通路と、容器への空気の通過のための第2の通路とを含む、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項20】
容器とカートリッジが連結されるとき、隔壁に係合可能でもある第2のカニューレをさらに含み、容器への空気の通過を可能にするように第2のカニューレと隔壁が係合可能である、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項21】
リザーバのエアロゾル前駆体組成物によって少なくとも部分的に飽和されるように構成されたリザーバの多孔質要素をさらに含む、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項22】
作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化するために電池によって電力が供給可能な加熱要素を含む噴霧器と、
多孔質要素からカートリッジの加熱要素へのエアロゾル前駆体組成物の連通を可能にする輸送構成要素と
をさらに含む、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
コネクタが、容器とカートリッジを螺合連結するように構成される、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項24】
コネクタが、容器およびカートリッジをスナップ嵌めまたは圧入するように構成される、請求項16に記載のカートリッジ。