(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058737
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ロール製品パッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20230418BHJP
B65D 33/08 20060101ALI20230418BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D33/08
B65D75/62 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026871
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2018205959の分割
【原出願日】2018-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
(57)【要約】
【課題】交換頻度の少ない重いロールを複数個入りとした製品であっても持ちやすく、持手部のシールラインや開封用ミシン目での破れを抑制し、かつ開封性に優れるロール製品パッケージを提供する。
【解決手段】本発明は、包装袋1と複数個のロール製品5とを含むロール製品パッケージ6であって、包装袋1は、本体部2と持手部3の境界に設けられるシールライン32aを有し、持手部3は、開封用のミシン目31と、2つの指掛け穴33、34と、を有し、シールライン32aは、シール部と非シール部が連続的に繰り返し設けられて構成され、ロール製品5は、コアを含むロール1つ当たりの重量が180g~380gであり、複数個のロール製品の総重量が2000g~4500gであり、ミシン目の強度/複数個のロール製品の総重量が、0.8~2.0であり、シール部の長さ/非シール部の長さが、0.2~7.0である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部の上端側に持手部と、を備える包装袋と、
前記包装袋の本体部に収納される複数個のロール製品と、を含むロール製品パッケージであって、
前記ロール製品が軸方向を上下にして1列に4個並べた段を3段重ねて前記本体部内に収納され、
前記包装袋は、フィルムから形成され、前記本体部と前記持手部の境界に設けられるシールラインを有し、
前記持手部は、横方向の略中央に設けられ、縦方向に延びる開封用のミシン目と、前記ミシン目を中心に横対称に設けられた2つの指掛け穴と、を有し、
前記シールラインは、シール部と非シール部が連続的に繰り返し設けられて構成され、
前記ロール製品は、コアを含むロール1つ当たりの重量が180g~380gであり、
前記複数個のロール製品の総重量が2000g~4500gであり、
前記ミシン目の強度/前記複数個のロール製品の総重量が、0.8~2.0であり、
前記シール部の長さ/前記非シール部の長さが、0.2~7.0である、ことを特徴とするロール製品パッケージ。
【請求項2】
前記各シール部の長さが、1.0mm~6.0mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項3】
前記各非シール部の長さが、0.5mm~5.0mmである、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロール製品パッケージ。
【請求項4】
前記2つの指掛け穴の距離が、15mm~40mmである、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロール製品パッケージ。
【請求項5】
前記持手部のフィルムの総厚み/前記複数個のロール製品の総重量が、0.06~0.13である、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のロール製品パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロール製品を複数個包装袋に収納したロール製品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパー等のロール製品を包装する包装袋として、ポリエチレン等の筒状フィルムにガゼット(ガセット)を対称的に折り込んで本体とし、その上部を平面状に折り畳んで把持部を構成したものが用いられている(特許文献1)。また、一般的に、把持部には購入者が運搬するための指掛け用開口部が備えられている。また、上記した包装袋の本体と別体の帯状の把持部を、包装袋の上面を跨いで、両端部をそれぞれ本体の対向する側面に接合したものが用いられている(特許文献2)。さらに、上記の指掛け用開口部を設けた領域の強度を強化するために、指掛け用開口部を設けた領域に、補強用フィルムを設けた包装袋が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-269010号公報
【特許文献2】特開2005-153959号公報
【特許文献3】特開2010-202252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、トイレットロール製品の中には、交換頻度やコンパクト性に優れた1.5倍巻や2倍巻といった長尺の製品が販売されている。特に、2倍巻12ロール入りのように、長尺のロールが複数個入りとなっている製品は重いため、持手部の指掛け穴での破れを防止するために、フィルムの厚みを厚くし、また、手に持った際に指が痛くなることを防ぐため、指掛け穴の形状検討が行われている。
しかしながら、3倍巻12ロール入りのような更に重いロールが複数個入ったロール製品パッケージでは、持手部のシールラインで破れたり、開封用のミシン目が意図せずに破れたりするなどの問題があった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、交換頻度の少ない重いロールを複数個入りとした製品であっても持ちやすく、持手部のシールラインや開封用ミシン目での破れを抑制し、かつ開封性に優れるロール製品パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、(1)本発明は、本体部と、前記本体部の上端側に持手部と、を備える包装袋と、前記包装袋の本体部に収納される複数個のロール製品と、を含むロール製品パッケージであって、前記ロール製品が軸方向を上下にして1列に4個並べた段を3段重ねて前記本体部内に収納され、前記包装袋は、フィルムから形成され、前記本体部と前記持手部の境界に設けられるシールラインを有し、前記持手部は、横方向の略中央に設けられ、縦方向に延びる開封用のミシン目と、前記ミシン目を中心に 横対称に設けられた2つの指掛け穴と、を有し、前記シールラインは、シール部と非シール部が連続的に繰り返し設けられて構成され、前記ロール製品は、コアを含むロール1つ当たりの重量が180g~380gであり、前記複数個のロール製品の総重量が2000g~4500gであり、前記ミシン目の強度/前記複数個のロール製品の総重量が、0.8~2.0であり、前記シール部の長さ/前記非シール部の長さが、0.2~7.0である。
【0007】
(2)上記(1)の構成において、前記各シール部の長さが、1.0~6.0mmである。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記非シール部の長さが、0.5~5.0mmである。
【0008】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの構成において、前記2つの指掛け穴の距離が、15~40mmである。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、前記持手部のフィルムの総厚み/前記複数個のロール製品の総重量が、0.06~0.13である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、交換頻度の少ない重いロールを複数個入りとした製品であっても持ちやすく、持手部のシールラインや開封用ミシン目での破れを抑制し、かつ開封性に優れるロール製品パッケージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るロール製品パッケージの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るロール製品パッケージの正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る包装袋の上部の拡大図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る包装袋の開封方法を説明する図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る包装袋の開封方法を説明する図である。
【
図6】ミシン目の強度の測定結果のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、以下の実施形態は例示の目的で提示するものであり、本発明は、以下に示す実施形態に、何ら限定されるものではない。
【0012】
図1及び
図2を用いて、本発明のロール製品パッケージについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るロール製品パッケージの斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係るロール製品パッケージの正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る包装袋1の上部の拡大図である。
図1及び
図2に示すように、ロール製品パッケージ6は、包装袋1とその包装袋1内に収められている複数個のロール製品5とで構成される。包装袋1は複数個のロール製品5が収納できるチューブ状フィルムからなる本体部2と、本体部2の上端側に持手部3と、を備える。本体部2内には、ロール製品5が軸方向を上下にして1列に4個並べた段を3段重ねて収納されている。
【0013】
図2において、包装袋1は、チューブ状フィルムの左右両側をガセットとして内側に対称的に折り込まれ、各ガセットの折り込み端縁が包装袋の横方向中央付近で近接するように平面状に折り畳まれ、ヒートシールなどによりシールライン32a、32bが形成されている。持手部3には購入後、持ち帰るときのために指掛け穴33、34が備えられている。本体部2は下端が開口し、下端の開口部21からトイレットペーパー等のロール製品5を収納し、その後開口部21をヒートシールで封止するようになっている。ロール製品5を収納する時は、本体部のガセットが展開され、本体部2は矩形断面の4つの側面を構成する。
【0014】
(ミシン目)
図2、
図3に示すように、持手部3には開封用のミシン目31が設けられており、このミシン目31は、横方向の略中央に設けられ、縦方向(上下方向)に延びている。ミシン目31は、切込み部と非切込み部が交互に連続的に繰り返されて形成されている。
【0015】
(指掛け穴)
持手部3には、ミシン目31を中心に横対称に、2つの指掛け穴33、34が設けられている。持手部3の指掛け穴33、34について、下にスリット部が形成され、上に折り返し部が形成され、指掛け穴33、34の折返し片が上に残るのが好ましい。
指掛け穴33、34の折返し片が上に残る場合、フィルムの厚みによって指への負荷が分散されるため、持ちやすいという利点がある。また指掛け穴33、34のスリット部が上に形成され、上が切れて、下に折返し片が残る場合、結合部がダメージを受けため、重さによって裂けやすくなってしまう。
【0016】
2つの指掛け穴33、34の距離Xは、15mm~40mmであることが好ましく、より好ましくは17~35mm、さらに好ましくは20~30mmである。2つの指掛け穴33、34の距離Xが、15mm未満の場合、手に持った際に指が広がらずに把持しにくい、40mmを超えると指が広がりすぎて把持しにくくなる。
指掛け穴33、34の上下方向の長さは、8~30mmが好ましく、より好ましくは10~25mm、さらい好ましくは15~20mmである。指掛け穴33、34の左右方向の長さは、10~50mmが好ましく、より好ましくは15~45mm、さらに好ましくは20~35mmである。指掛け部33、34がこの範囲であると製品を把持しやすい。
【0017】
(シールライン)
持手部3には、本体部2と持手部3と境界にはシールライン32a、持手部3の上辺近傍にはシールライン32bが設けられている。製造時にフィルムの破裂を避けるためにシールライン32a、シールライン32bに非シール部36a~36dを設けて通気部37、38を形成することにより、この通気部37、38を介して本体部2内の空気が外部へ導かれる。
図3に示すように、シールライン32aは、シール部Sと非シール部Tが交互に連続的に繰り返し設けられて構成されている。図では、シールライン32aのみで説明しているが、シールライン32bも同様に構成することができる。シール部Sは、熱溶着、超音波溶着などによって溶着することができる。
【0018】
シール部Sの長さ(幅方向)S1は、1.0~6.0mmであるのが好ましく、より好ましくは1.5~5.0mm、さらに好ましくは2.0~4.0mmである。シール部Sの長さS1が、1.0未満の場合、溶着できずに持手部3のシールライン32aで破れてしまい、6.0mmを超えるとシールライン32aのムラによって溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。
非シール部Tの長さ(幅方向)T1は、0.5~5.0mmであるのが好ましく、より好ましくは1.0~4.5mm、さらに好ましくは1.5~3.5mmである。非シール部Tの長さT1が、0.5mm未満の場合、ヒートシールの際に溶着のムラが発生し、溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。非シール部Tの長さT1が、6.0mmを超えると非シール部Tが起点となって持手部3のシールライン32aで破れてしまう。
通気部37、38を構成する空気抜き用の非シール部36a~36dの長さYは、5~25mmが好ましく、より好ましくは6~20mm、さらに好ましくは8~15mmである。5mm未満の場合、空気が抜けずに製造工程で圧縮された際に、シールライン32aで破れてしまう。25mmを超えると非シール部が起点となって破れてしまう。
【0019】
図4は、本発明の実施形態に係る包装袋1の開封方法を説明する図であり、ミシン目の作用図である。
図5は、本発明の実施形態に係る包装袋1の開封方法を説明する図であり、フィルムが横方向に引裂かれる作用図である。
図4及び
図5に示すように、包装袋1の持手部3は、持手部3の中央側に縦方向に延びる開封用のミシン目31を備えることが好ましい。この様な開封用のミシン目31を備えることによって、包装袋1からロール製品5を取り出す場合に、開封用のミシン目31に沿って持手部3を縦方向(1)に引き裂いた後、左右どちらかの横方向、例えば(2)方向に力を作用させて取出し口35を形成し、ロール製品5を取出すことができる。
【0020】
(ミシン目の強度)
ミシン目31の強度は、切込み部の長さ、非切込み部の長さ、ボンド率で調整をすることができる。また、これら上記の値が同じであってもフィルムの厚みによって強度が変わる。ミシン目31の強度は、2500~6500gf/30mmであることが好ましく、より好ましくは2800~5500gf/30mm、さらに好ましくは3000~5000gf/30mmである。上記の範囲である場合、ミシン目を開封しやすい。
【0021】
ミシン目31の切込み部の長さは、1~7mmが好ましく、より好ましくは1.5~6mm、さらに好ましくは2~5mmである。ミシン目の切込み部の長さが、1mm未満では、開封しにくく、7mmを超えると意図せずに破れてしまう。ミシン目31の非切込み部の長さは、1~6mmが好ましく、より好ましくは1.5~5mm、さらに好ましくは2~4mmである。ミシン目31の非切込み部の長さが1m未満では意図せずに破れてしまい、6mmを超えると開封しにくくなってしまう。
【0022】
(ミシン目の強度の測定方法)
ミシン目31の強度の測定方法は、次の通りである。ミシン目がテンシロン万能試験機の引張方向と直交するように、かつ、チャック間を100mmとなるように、テンシロン万能試験機にセットする。フィルムサンプルの幅方向の寸法(テンシロン万能試験機の引張方向と直交する方向の寸法)は30mmに調整し、当該方向にミシン目(30mm)が、チャック間の中央にくるようにセットした。その後、100mm/minのスピードで引張り、ミシン目から破断するまで引張強度を測定した。6回測定し、平均値を算出した。
ミシン目31の全長が30mmに満たない場合、出来るだけ幅広く調整し、30mm幅へ換算した値を用いた。
【0023】
表1は、フィルムの厚さの異なる試験片(フィルムの厚さ35μm、45μm、50μm)を用いてミシン目強度の測定結果を示す。
図6は、ミシン目の強度の測定結果のグラフを示す図である。
【0024】
【0025】
(ミシン目のボンド率)
ミシン目31のボンド率は、非切込み部/(切込み部+非切込み部)×100によって算出される。ミシン目31のボンド率は、15~90%が好ましく、より好ましくは25~80%、さらに好ましくは35~70%である。ミシン目のボンド率が、15%未満ではミシン目から意図せずに破れてしまい、90%を超えると開封しにくくなってしまう。
【0026】
(フィルム)
包装袋1を構成するフィルムの材質は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)などがあるが、特にはPEが好ましい。これらの材質は伸びが良好であるため、指掛け穴33、34での破れを低減できる。
フィルムの厚みは、35~70μmであるのが好ましく、より好ましくは38~65μm、さらに好ましくは45~60μmである。フィルムの厚みが、35μm未満では重さによって指掛け穴33、34から破れたり、ミシン目31の強度が低くなってミシン目31で破れたりしてしまう。フィルムの厚みが、70μmを超えるとヒートシールのムラによって溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。
フィルムの厚みはJIS P8118に準拠して、指掛け穴の切れ込み部を含まない箇所で測定する。
フィルムには、両面の少なくとも一方に印刷が施されていてもよく、包装袋1の外面及び内面のいずれでも印刷層を付与することができる。
【0027】
(補強フィルム)
包装袋1を構成するフィルムを補強するため、補強フィルムを積層することができる。この場合、補強フィルムの厚みは、70~120μmであるのが好ましく、より好ましくは75~105μm、さらに好ましくは85~95μmである。補強フィルムの厚みが、70μm未満では、指掛け穴33、34が破れてしまう。補強フィルムの厚みが120μmより大きいとヒートシールのムラによって溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。
【0028】
(持手部の指掛け穴部のフィルムの総厚み)
持手部3の指掛け穴部33、34のフィルムの総厚みは、210~400μmであるのが好ましく、より好ましくは230~360μm、さらに好ましくは260~330μmである。持手部3の指掛け穴部33、34のフィルムの総厚みが210μm未満の場合、指掛け穴33、34が破れてしまう。持手部3の指掛け穴部33、34のフィルムの総厚みが400μmより大きいとヒートシールのムラによって 溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。
持手部3のフィルムの総厚みは、ガゼット折込部(フィルム厚み4枚分)に補強フィルム1枚を足した厚みとなる。
【0029】
(ロール製品)
ロール製品5は、コアを含むロール1つ当たりの重量が180~380gであるのが好ましく、より好ましくは210~350g、さらに好ましくは230~310gであるのが良い。
フィルムを除く、複数個のロール製品の総重量(パック重量)が2000~4500gであるのが好ましく、より好ましくは2400~4100g、さらに好ましくは2800~3600gである。各ロール製品及び複数個のロール製品の総重量が上記よりも小さい場合、ロール製品の交換頻度が多くなる。
上記を超えるとミシン目31の強度/パック重量が小さくなって、ミシン目で破れたり、フィルム厚み/パック重量が小さくなって、指掛け穴が破れたりする。
【0030】
ロール製品5の坪量は、1プライの場合15~22g/m2が好ましく、より好ましくは16~21g/m2、さらに好ましくは17~20g/m2であり、2プライの場合11~19g/m2が好ましく、より好ましくは12~18g/m2、さらに好ましくは13~17g/m2である。
ロール製品5の巻長は、1プライの場合110~220mが好ましく、より好ましくは120~210m、さらに好ましくは130~200mであり、2プライの場合50~110mであることが好ましく、より好ましくは60~100m、さらに好ましくは70~85mである。
ロール製品5のロール幅(シート幅)は、1プライ、2プライともに105~118mmであることが好ましく、より好ましくは107~117mm、さらに好ましくは110~116mmである。
ロール製品5の巻径は、1ブライ、2プライともに100~150mmであることが好ましく、より好ましくは105~145mm、より好ましくは110~130mmである。
ロール製品5のコアの重量は、1ブライ、2プライともに3.2~7.0g/個であることが好ましく、より好ましくは4.0~6.5g/個、さらに好ましくは5.0~6.0g/個である。
【0031】
(ミシン目の強度/複数個のロール製品の総重量)
ミシン目31でフィルムが破れることを防ぐため、ミシン目31の強度とパック重量の比を規定する。具体的には、ミシン目31の強度/複数個のロール製品の総重量は、0.8~2.0であるのが好ましく、より好ましくは0.9~1.7、さらに好ましくは1.2~1.5である。ミシン目31の強度/複数個のロール製品の総重量が、0.8未満では重量に耐えられず、持ち運びの際にミシン目31で意図せずに破れてしまい、2.0を超えるとミシン目31の強度が高くなって開封性が劣ってしまい、又はパックの重量が低くなって交換頻度が多くなってしまう。
【0032】
(シール部の長さ/非シール部の長さ)
持手部3のシールライン32aでフィルムが破れるのを防ぐために、シールライン32aを構成するシール部Sと非シール部Tの比率を規定する。非シール部Tを設けることで、ヒートシールのムラによって溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れることを防止できる。
シール部Sの長さS1/非シール部Tの長さT1は、0.2~7.0であるのが好ましく、より好ましくは0.5~4.0、さらに好ましくは1.0~3.0である。シール部Sの長さS1/非シール部の長さT1が0.2以下では接着面積が少なく持手部3のシールライン32で破れてしまい、7.0を超えるとヒートシールのムラによって溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。他のシールライン32bでも同様にシール部Sと非シール部Tを設ける。
【0033】
(持手部のフィルムの総厚み/複数個のロール製品の総重量)
持手部のフィルムの総厚み/複数個のロール製品の総重量が、0.06~0.013であるのが好ましく、より好ましくは0.07~0.11、さらに好ましくは0.08~0.10である。持手部のフィルムの総厚み/複数個のロール製品の総重量が、0.06未満では重量に耐えられず指掛け穴33、34が破れてしまい、0.013を超えるとフィルムが厚くなってヒートシールのムラによって溶着の弱い箇所や過加熱により溶融した箇所から破れてしまう。又、パック重量が小さくなって交換頻度が増えてしまう。ここでフィルムの厚みは多層フィルムからなる場合はフィルムの総厚みとなる。
【0034】
(包装袋の寸法)
包装袋1の寸法は、下記の通りである。
包装後のパッケージの高さ方向の寸法が、280mm~370mmが好ましく、より好ましくは290~360mm、さらに好ましくは300~350mmである。
包装後のパッケージの幅方向の寸法が、190mm~320mmが好ましく、より好ましくは200~280mm、さらに好ましくは220~250mmである。
包装後のパッケージの奥行方向の寸法が、190mm~320mmが好ましく、より好ましくは200~280mm、さらに好ましくは220~250mmである。
包装前のパッケージの高さ方向の寸法が、650mm~770mmが好ましく、より好ましくは670~750、さらに好ましくは690~730である。
包装前のパッケージの幅方向の寸法が、190mm~240mmが好ましく、より好ましくは198~232mm、さらに好ましくは205~225mmである。
上記の範囲である場合、製品の包装状態が良好になり、また製品を把持しやすい。
【0035】
以上詳述した様に、本発明のロール製品パッケージ1は、交換頻度の少ない重いロールを複数個入りとした製品であっても持ちやすく、持手部3のシールライン32や開封用ミシン目31での破れを抑制し、かつ開封性に優れる。
【実施例0036】
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
【0037】
(実施例)
ポリエチレンフィルムを用いて、本実施例1~実施例21のロール製品パッケージを製造し、このロール製品パッケージについて評価を行った。条件、結果を表2に示す。評価はモニター20人により行った。
モニター20人が、各評価項目について、「よい」又は「悪い」を選択する方式で行った。評価基準は以下のとおりである。◎、○、△を合格とした。
◎:「よい」が18人以上20人以下のとき
○:「よい」が14人以上17人以下のとき
△:「よい」が10人以上13人以下のとき
×:「よい」が6人以上9人以下のとき
××:「よい」がいないか、1人以上5人以下のとき
【0038】
各評価項目については下記の通り評価を行った。
<ロールの交換頻度の少なさ>
各トイレットロールに関して、1ロールを使い切るまでの期間を評価した。
<指掛け穴が破れないこと>
指掛け穴に指を入れ、ロール製品パッケージを1分間上下方向に往復して振った後の指掛け穴の破れにくさを評価した。
<ミシン目が意図せずに破れないこと>
指掛け穴に指を入れ、ロール製品パッケージを1分間上下方向に往復して振った後のミシン目の破れにくさを評価した。
<持手部のヒートシールが破れないこと>
指掛け穴に指を入れ、ロール製品パッケージを1分間上下方向に往復して振った後の持手部のヒートシール部の破れにくさを評価した。
<ミシン目の開封性>
ミシン目の左右部を両手の指で摘まんで左右方向に引っ張って開封する際の容易さを評価した。
<把持のしやすさ>
指掛け穴に指を通して把持した時の、容易さを評価した。
【0039】
【0040】
表2に示すように、本実施例1~実施例21のロール製品パッケージでは、ミシン目強度と複数個のロール製品の総重量(ロール製品のパック重量)との関係、シールライン32(特にシールライン32a)のシール部Sの長さと非シール部Tの長さの関係、指掛け穴33、34の距離X、フィルムの厚みとロール製品のパック重量の関係を規定することで、重量の重い交換頻度の少ないトイレットロール製品であっても、指掛け穴33、34、ミシン目31、持手部3のシールライン(ヒートシール部)32が破れることがなく、またミシン目31の開封性に優れ、把持のしやすいロール製品パッケージを提供することができる。
【0041】
(比較例)
ポリエチレンフィルムを用いて、比較例1~比較例10のロール製品パッケージを製造し、このロール製品パッケージを評価した。条件、結果を表3に示す。
【0042】
【0043】
表3に示すように、比較例1~比較例10のロール製品パッケージでは、ミシン目強度とロール製品のパック重量との関係、シールライン32(特にシールライン32a)のシール部Sの長さと非シール部Tの長さとの関係、指掛け穴33、34の距離X、フィルムの厚みとロール製品のパック重量の関係がある範囲を外れてしまうと、指掛け穴33、34、ミシン目31、持手部3のシールライン(ヒートシール部)32が破れてしまい、またミシン目31の開封性、把持のしやすさが低下してしまうことがわかる。
【0044】
以上、本実施例によれば、交換頻度の少ない重いロールを複数個入りとした製品であっても持ちやすく、持手部のシールラインや開封用ミシン目での破れを抑制し、かつ開封性に優れるロール製品パッケージを提供することができる。
前記持手部のフィルムの総厚み/前記複数個のロール製品の総重量が、0.06~0.13である、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のロール製品パッケージ。