(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058749
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】超高密度波長ビーム結合レーザシステム
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02255 20210101AFI20230418BHJP
H01S 5/40 20060101ALI20230418BHJP
H01S 5/02253 20210101ALI20230418BHJP
【FI】
H01S5/02255
H01S5/40
H01S5/02253
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028770
(22)【出願日】2023-02-27
(62)【分割の表示】P 2019568155の分割
【原出願日】2018-06-13
(31)【優先権主張番号】62/519,113
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】316003531
【氏名又は名称】ヌブル インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ゼディカー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ステーゲマン, ロバート
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高輝度可視波長レーザビームを提供する。
【解決手段】複数のレーザダイオード101と、該複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティと、該複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための該レーザビーム経路内のコリメーティング光学手段151~155と、各レーザダイオードに対する1つのバンドエッジを有し、それにより各レーザダイオードの波長を決定し、該複数のレーザダイオードからの各レーザビーム経路を同一直線上に位置合わせし、空間で重なり合うようにすることにより、1つの複合出力レーザビームを提供するビーム結合光学手段とを有する。該複合出力レーザビームの、合成パワーを開口面積発散角積で除算した空間輝度が、該複数のレーザダイオード内の任意の単一レーザダイオードのレーザビームの輝度よりも大きくする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.各々が0.25W以上の出力を有する複数のレーザダイオードであって、それぞれレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される複数のレーザダイオードと;
b.該複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティと;
c.該複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための該レーザビーム経路内のコリメーティング光学手段と;
d.該共通の外部キャビティ内で該レーザ光路内のビーム結合光学手段であって、各レーザダイオードの対する1つのバンドエッジを有し、それにより各レーザダイオードの波長を決定し、該複数のレーザダイオードからの各レーザビーム経路を同一直線上に位置合わせし、空間で重なり合うようにすることにより、1つの複合出力レーザビームを提供するビーム結合光学手段と、
を有し、
e.該複合出力レーザビームの、合成パワーを開口面積発散角積で除算した空間輝度が、該複数のレーザダイオード内の任意の単一レーザダイオードのレーザビームの輝度よりも大きくなるようにしたレーザシステム。
【請求項2】
該ビーム結合光学手段が、帯域通過フィルタのスペクトルの低域端または高域端のいずれかのエッジで使用される一組の光学フィルタから形成される光学キャビティと、出力カプラまたはミラーを有する請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
10ワット以上の出力パワー及び0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で、400-500nmの範囲で動作する請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
10ワット以上の出力パワー及び0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で、500-600nm範囲で動作する請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項5】
10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で720-800nmの範囲で動作する請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項6】
10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で800-900nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項7】
10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で900-1200nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項8】
10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で1200nm-1120nmの範囲で動作する請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項9】
10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で1400-1500nmの範囲で動作する請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項10】
10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で1500-2200nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項11】
該複数のレーザダイオードはバンド間カスケードレーザであり、10ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で2200-3000nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項12】
該ビーム結合光学手段は、複数の体積ブラッグ格子フィルタを含み、第1の体積ブラッグ格子は、該複数のレーザダイオードの第1のレーザダイオードからの第1のレーザビームの光スペクトルの一部を該複数のレーザダイオードの第2のレーザダイオードからのレーザビームと同一線上に向け直すように構成される請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項13】
前記複数のレーザダイオードは量子カスケードレーザであり、10ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で3000nm-12000nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項14】
nが5以上である、請求項1、2、3、4または5のレーザシステム。
【請求項15】
前記ビーム結合光学手段は、複数の体積ブラッグ格子フィルタを含み、
第1の体積ブラッグ格子は、該複数のレーザダイオードの第1のレーザダイオードからの第1のレーザビームの光スペクトルの一部を該複数のレーザダイオードの第2のレーザダイオードからのレーザビームと同一線上に向け直すように構成されており、前記nが5以上である請求項1、2、3、4または5に記載のレーザシステム。
【請求項16】
該複数のレーザダイオードは、N個のダイオードからなり、該N個のダイオードのそれぞれは、発振スペクトルの第1ピークを規定し、該ビーム結合光学手段は、N-1個の体積ブラッグ格子フィルタからなる複数の体積ブラッグ格子からなり、該複数の体積ブラッグ格子と該レーザダイオードのN-1は光学的に関連付けられて該複数の体積ブラッグ格子の各体積ブラッグ格子を通る最大透過点が、該複数のレーザダイオードの該N-1のレーザダイオードのN-1、N-2からN-(N-1)の第1ピークと一致するように構成されており、前記空間輝度が前記単一レーザダイオードのレーザビームの輝度の少なくともN-1倍となるようにされている請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項17】
前記空間輝度が前記単一レーザダイオードのレーザビームの輝度のNとなるようされている、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項18】
前記複数のレーザダイオードのうちの1つのレーザダイオードは、体積ブラッグ格子と光学的に関連付けられておらず、当該レーザシステムは、該1つのレーザダイオードの最大ビーム偏向を提供する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項19】
放出されたレーザダイオード光の遅軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項20】
放出されたレーザダイオード光の速軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項17に記載のレーザシステム。
【請求項21】
放出されたレーザダイオード光の遅軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項18に記載のレーザシステム。
【請求項22】
放出されたレーザダイオード光の速軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項23】
放出されたレーザダイオード光の遅軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項17に記載のレーザシステム。
【請求項24】
放出されたレーザダイオード光の速軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項18に記載のレーザシステム。
【請求項25】
放出されたレーザダイオード光の遅軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項26】
放出されたレーザダイオード光の速軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項27】
1ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で400-500nmの範囲で動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項28】
1ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で500-600nmの範囲で動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項29】
1ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で720-800nmの範囲で動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項30】
a.複数Nのレーザダイオードであって、それぞれが、1つのレーザビームパワーで、出力伝搬方向を含むレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成されている複数のレーザダイオードと;
b.該複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティと;
c.該複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを作るための該レーザビーム経路に設けられるコリメーティング光学手段;
d.共通外部キャビティ内で出力伝搬方向の該レーザビーム経路内に設けられるビーム結合光学手段と;
を有し、
e.該ビーム結合光学手段は、光学コーティングを含むN-1個の光学素子を含み、該光学素子が、該複数のレーザダイオード内の1つのレーザダイオードからのレーザビームの光スペクトルの一部を、該レーザビーム経路に対して、90°までの角度で方向を変え、これにより1つの輝度を画定する複合出力レーザビームを提供し、
f.これにより、該複合出力レーザビームの、合成パワーを開口面積発散角積で除算した輝度が、複数のレーザダイオード内の任意の単一レーザダイオードの輝度のn倍になるようにしたレーザシステム。
【請求項31】
放出されたレーザダイオード光の遅軸で個々の反射光学コーティングのTEモードで動作する、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項32】
放出されたレーザダイオード光の遅軸で個々の反射光学コーティングのTMモードで動作するようにされており、該反射光学コーティングは単一の材料片への光学結合または他の低損失方法によって製造されている、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項33】
放出されたレーザダイオード光の速軸で個々の反射光学コーティングのTMモードで動作するようにされており、該反射光学コーティングは単一の材料片への光学結合または他の低損失方法によって製造されている、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項34】
N=nである、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項35】
N-1=nである、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項36】
10W以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で400-500nmの範囲で動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項37】
10W以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で500-600nmの範囲で動作する、請求項16に記載のレーザシステム。
【請求項38】
レーザビーム出力が0.5W以上である、請求項30、36および37に記載のレーザシステム。
【請求項39】
レーザビーム出力が1W以上である、請求項30、36および37に記載のレーザシステム
【請求項40】
a.N個の複数のレーザダイオードであって、それぞれは、1つのレーザビームパワーで1つの出力伝搬方向を含む1つのレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される複数のレーザダイオードと;
b.該複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティと;
c.該複数のレーザダイオードからのそれぞれの平行ビームを作成するための該複数のレーザダイオードの該レーザビーム経路内にあるコリメーティング光学手段と;
d.該外部キャビティ内で該複数のレーザダイオードのレーザビーム経路内にある1つのビーム結合光学手段と;を有し
e.該ビーム結合光学手段はN-1個の光学素子を含み;
f.該光学素子は、体積ブラッグ格子と光学コーティング要素で構成され、該体積ブラッグ格子と光学コーティング要素は、該複数のレーザダイオードのレーザビーム経路に前後して配置されており、該光学コーティングからの出力光の方向は、体積ブラッグ格子からの出力光の方向に対して最大90°であり、それにより、1つの輝度を画定する結合出力レーザビームを提供するようにされており;
g.該ブラッググ格子と該光学コーティングで結合された後の個々の該レーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度のn倍となるようにされており、この場合、n=Nまたはn=N-1、Nは個々のレーザダイオードビームの数、Cは光学コーティングの数とした場合、N/Cは体積ブラッグ格子によって結合される個々のレーザダイオードビームの数となる、レーザシステム。
【請求項41】
前記体積ブラッグ格子により結合されたレーザダイオードの個々の光学帯域幅は相互に排他的である、請求項40に記載のレーザシステム。
【請求項42】
任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光学帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子M-1の光学帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ ΔλM、λc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、 体積ブラッグ格子M-2からの光学帯域幅=ΔλM-2とした場合、ΔλM-2≒ΔλM、λc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2となる請求項41に記載のレーザシステム。
【請求項43】
任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光学帯域幅=ΔλX、光学コーティングX-1の光学帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλX、λc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、光学コーティングX-2からの光学帯域幅=ΔλX-2とした場合、ΔλX-2≒ΔλX、λc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2となる請求項41に記載のレーザシステム。
【請求項44】
任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光学帯域幅=ΔλX、体積ブラッグ格子の合計の光学帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1、λc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、光学コーティングX-1からの光学帯域幅=ΔλX-1、および体積ブラッグ格子の合計の光学帯域幅ΣΔλM2とした場合、ΔλX-1≧ΣΔλM2、λc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)となる請求項41に記載のレーザシステム。
【請求項45】
レーザダイオード遅軸でTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの速軸でTEモード動作する光学コーティングとを使用する、請求項40に記載のレーザシステム。
【請求項46】
レーザダイオード遅軸でTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの速軸でTMモードで動作する光学コーティングとを使用する、請求項41に記載のレーザシステム。
【請求項47】
レーザダイオード遅軸でTMモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの速軸でTEモードで動作する光学コーティングとを使用する、請求項42記載のレーザシステム。
【請求項48】
レーザダイオード遅軸でTMモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの速軸でTMモードで動作する光学コーティングとを使用する、請求項43に記載のレーザシステム。
【請求項49】
レーザダイオードの速軸でTMモード動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの遅軸でTMモードで動作する光学コーティングを使用する、請求項40に記載のレーザシステム。
【請求項50】
a.N個の複数のレーザダイオードであって、それぞれ、1つのレーザビームパワーで1つの出力伝搬方向を含むレーザビーム経路に沿って1つのレーザビームを提供するように構成された複数のレーザダイオードと;
b.複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される1つの共通の外部キャビティと
c.複数のレーザダイオードのそれぞれからの平行ビームを作成するため複数の該レーザビーム経路内の1つのコリメーティング光学手段と;
d.該外部キャビティ内で該複数のレーザビーム経路内のビーム結合光学手段と;
e.該ビーム結合光学手段はN-1個の光学素子を含み、
f.該光学素子は、複数の体積ブラッグ格子と複数の光学コーティング要素からなり、該体積ブラッグ格子と光学コーティング要素は、該複数のレーザ光路に沿って設けられ、該体積ブラッグ格子からの出力光の方向は、該光学コーティング要素からの出力光の方向に対して最大90°であり、それにより、1つの輝度を有する結合出力レーザビームを提供するものであり、
g.該体積ブラッググ格子と該光学コーティングで結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度のn倍であり、ここで、n=Nまたはn=N-1、Bを体積ブラッグ格子の数として、N/Bがグループとして光学コーティングによって結合される個々のレーザダイオードビームの数とされているレーザシステム。
【請求項51】
前記体積ブラッグ格子により結合されたレーザダイオードの個々の結合光学帯域幅は相互に排他的である、請求項50に記載のレーザシステム。
【請求項52】
任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光学帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子M-1の光学帯域幅=ΔλM-1として、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2としてΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2となるようにされた請求項51に記載のレーザシステム。
【請求項53】
任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光学帯域幅=ΔλX、および光学コーティングX-1からの光学帯域幅=ΔλX-1として、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、光学コーティングX-2からの光学帯域幅=ΔλX-2として、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2となるようにされた請求項51に記載のレーザシステム。
【請求項54】
任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光学帯域幅X=ΔλXおよび体積ブラッグ格子の合計の光学帯域幅ΣΔλM1として、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)、光学コーティングX-1からの光学帯域幅=ΔλX-1および体積ブラッグ格子の合計の光学帯域幅ΣΔλM2として、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)となるような請求項51に記載のレーザシステム。
【請求項55】
レーザダイオード速軸でTEモード動作する光学コーティング、及びその後に続くレーザダイオード遅軸でTEモード動作する反射体積ブラッグ格子を利用する、請求項51記載のレーザシステム。
【請求項56】
レーザダイオードの速軸でTEモード動作する光学コーティングと、それに続くレーザダイオードの遅軸でTMモード動作する反射体積ブラッグ格子を利用する、請求項51に記載のレーザシステム。
【請求項57】
レーザダイオード速軸でTMモード動作する光学コーティングと、それに続くレーザダイオードの遅軸でTEモード動作する反射体積ブラッグ格子を利用する、請求項51に記載のレーザシステム。反射軸ブラッグ格子。
【請求項58】
レーザダイオード速軸でTMモード動作する光学コーティングと、その後に続くレーザダイオードの遅軸でTMモード動作する反射体積ブラッグ格子を利用する、請求項51に記載のレーザシステム。
【請求項59】
レーザダイオード遅軸でTMモード動作する光学コーティングと、その後に続くレーザダイオード速軸でTMモード動作する透過体積ブラッグ格子を利用する、請求項51記載のレーザシステム。
【請求項60】
レーザダイオード速軸でTMモード動作する光学コーティングと、その後に続くレーザダイオード遅軸でTMモード動作する透過体積ブラッグ格子を使用する、請求項51に記載のレーザシステム。
【請求項61】
a.N個の複数のレーザダイオードであって、それぞれ、出力伝搬方向を含むレーザビーム経路に沿って1つのレーザビームパワーでレーザビームを提供するように構成された複数のレーザダイオードと;
b.該複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティと;
c.該複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを作成するため該レーザビーム経路内のコリメーティング光学手段と;
d.該外部キャビティ内で該レーザビーム経路内のビーム結合光学手段であって、
e.N-1個の光学素子を含むビーム結合光学手段と;
を含み、
f.該光学素子は以下を含む:
i.レーザダイオードビームの波長を決定し、レーザダイオードビーム経路を出力経路に向ける第1の手段;
ii.レーザダイオードビームの波長を決定し、レーザダイオードビーム経路を出力経路に向ける第2の手段と、
iii.ここで、第1の手段の出力経路は、第2の手段の出力経路に対して90°であり、それにより、1つの輝度を有する結合出力レーザビームを提供するようにされており、
g.第1の手段および第2の手段によって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもn倍明るいものであり、ここで、n=Nまたはn=N-1、Nは個々のレーザダイオードビームの数、E’は第1または第2の手段の数、N/E’は第1または第2の手段によってグループとして結合される個々のレーザダイオードビームの数のとされているレーザシステム。
【請求項62】
前記第1の手段が一次体積ブラッグ格子である、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記第2の手段が二次体積ブラッグ格子である、請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記第2の手段は、二次体積ブラッグ格子である、請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記第1の手段が一次コーティングである、請求項61に記載のシステム。
【請求項66】
前記第2の手段が二次コーティングである、請求項61に記載のシステム。
【請求項67】
前記第2の手段が二次コーティングである、請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
400-500nmの範囲で動作する請求項61に記載のシステム。
【請求項69】
500-600nmの範囲で動作する請求項61に記載のシステム。
【請求項70】
720-800nmの範囲で動作する請求項61に記載のシステム。
【請求項71】
800-900nmの範囲で動作する請求項61に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、35U.S.C.§119(e)(1)により2017年6月13日に提出された米国仮出願番号62/519,113として出願日の恩恵をうけ、その開示全体は参照として本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、レーザビームを結合して、溶接、切断、表面処理、表面被覆、3D印刷などのレーザ操作を実行するのに有用な特性を有するレーザビームを提供するシステム、方法および装置、および他のレーザシステムの励起源に関する。
【0003】
IR(赤外線)においては材料の反射率が高いため、現在のIRレーザでは処理できない材料を処理できるようにする強い必要性がある。青色レーザ光は、IRで高反射する材料に強く吸収される可能性があるが、商業的なレーザ操作のための一般的な適用性や有用性は見つかっていない。現在利用可能な青色レーザビームおよびシステムは、例えば、パワー、輝度など、IRレーザビームと同等の品質の青色レーザビームを提供することができない。本発明以前には、青色レーザビームシステムは、例えば、IRの反射率が高い銅などの厚い材料を商業的に溶接することは出来なかった。このようなことで、ヌブル インク(Nuburu Inc.)による最近の進歩を除いて、十分な輝度の可視波長レーザを構築することは長年業界では行われておらず、周波数倍増(frequency doubling)は試みられてきたが、ダブリングクリスタル(doubling crystal)の制限により商業的にほとんど成功してない。青色レーザダイオード自体は、一般に、IRで高反射性の材料を操作する商用レーザプリケーションの殆ど、全てではないが広範囲で、実行するには余りに低パワーである。これらの青色ダイオードのパワーレベルは通常非常に低く、これらのダイオードの「高パワー」は一般に約6ワット(W)を指す。さらに、従来のビーム結合方法(空間、偏光、離散波長)は、業界のニーズを満たすのに十分な輝度の青色レーザを構築するには不十分である。空間的結合は、レーザダイオードの光源をコリメートするために使用されるマイクロ光学素子の物理的なサイズによって輝度が制限される。偏光の結合(非コヒーレント)は、輝度を2倍にしか増やすことが出来ない。現在、波長の結合は、波長安定化・狭帯化素子または体積ブラッグ格子(VBG:volume Bragg grating)などの波長選択素子を結合してレーザダイオードの波長を制御し、後続する一連のダイクロイックフィルタを使用してビームを結合し広い帯域幅の単一の空間ビームにすることで実現している。この方法は個々のVBGを使用する必要があり、これはシステムの追加コストであると共にシステムのサイズを増加させる。コヒーレントな組み合わせは高輝度ソースを構築できるが、一般に商用システムに実装するには複雑で高価である。
【0004】
「レーザ加工」、「材料のレーザ加工」などの用語は、特に明記しない限り、可能な限り最も広い意味を与えられるべきであり、溶接、はんだ付け、製錬、接合、焼きなまし、軟化、粘着性、表面再形成、ピーニング、熱処理、融着、シーリング、およびスタッキングを含む。
【0005】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「UV」、「紫外線」、「UVスペクトル」、および「スペクトルのUV部分」および同様の用語は、最も広い意味を与えられるべきであり、約10nmから約400nm(ナノメートル)、および10nmから400nmの波長の光を含む。
【0006】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「可視」、「可視スペクトル」、および「スペクトルの可視部分」という用語および同様の用語には、最も広い意味を与え、約380nmから約750nm、および400nmから700nmの波長の光を含む。
【0007】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「青色レーザビーム」、「青色レーザ」、および「青色」は最も広い意味を与えられるべきであり、概ね、レーザビームを提供するシステム、レーザビーム、及び例えば、約400nmから約500nmおよび400nmから500nmの波長を有する光又はレーザビームを提供伝搬するレーザおよびダイオードレーザなどのレーザ光源に言及する。
【0008】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「緑色レーザビーム」、「緑色レーザ」および「緑色」は最も広い意味を与えられるべきであり、レーザビームおよび約500nmから約575nm、および500nmから575nmの波長を有する光またはレーザビームを提供伝搬するレーザ及びダイオードレーザなどのレーザ源、レーザビームを提供するシステムなどに言及する。
【0009】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「赤色レーザビーム」、「赤色レーザ」および「赤色」は最も広い意味を与えられるべきであり、概ね、約600nm-約750nm、および600nm-750nmの波長を有する光またはレーザビームを提供伝搬するレーザ及びダイオードレーザなどのレーザ源、レーザビーム、レーザビームシステムに言及する。
【0010】
本明細書で使用される「約」という用語は、特に明記しない限り、プラスマイナス10%の変動または範囲、規定値の取得に関連する実験または機器の誤差、および好ましくはこれらのうち大きい方を包含することを意味する。
【0011】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「IR」、「赤外線」、「IR波長」および「IRスペクトル」は、最も広い意味を与えられるべきであり、レーザビーム、例えば、700nm以上で約750nmを超える波長を有するレーザビームまたは光を提供する例えばレーザおよびダイオードレーザなどのレーザ源、レーザビーム、レーザビームを提供するシステムに言及する。
【0012】
レーザキャビティにおけるレーザビームのスペクトルビームの結合は、1993年以来知られている(Papen他による「外部キャビティに結合されたレーザダイオードアレイの多波長動作」Optics Letters 18,1441(1993))。しかしながら、高出力青色レーザダイオードと外部キャビティに配置された櫛形フィルタ素子とのスペクトルビーム結合は、本発明以前には実証も開示もされていないと考えられている。
【0013】
テラダイオード法(TeraDiode Method)は、当技術分野の課題を例示するものである。この方法は、ハミルトン(Hamilton)らおよびサンチェス(Sanchez)らの研究に基づいており、外部キャビティ(共振器)と格子を使用して、n個の複数のレーザダイオードの出力を結合する。ただし、テラダイオード法では、レーザダイオードの表面にくし形フィルタ(comb filter)を生成するために使用される格子の分散が小さいため、非常に長い(約1m以上)外部キャビティを必要とする。
【0014】
別の概念としては個々のレーザダイオードの波長が内部の格子構造を介してロックされるようにする方法であるが、これは高出力レベルでのレーザダイオードアレイの輝度を改善するためにレーザダイオードのスペクトルビーム結合には成功していない。ビームの結合は、一般的なレーザ共振器キャビティの外側の個々のレーザダイオードビームのそれぞれを空間的にオーバーラップさせる手段を提供する。空間ビーム結合誘電体フィルタアレイは、個々のレーザダイオードの出力波長特性と一致する必要があるため、スペクトルビーム結合のこの方法は複雑となる。さらに、レーザダイオード製造プロセス中にフィードバック構造を含める必要があるため、レーザダイオード構造の製造ははるかに複雑となる。可視レーザダイオードにおいてグレーティング(格子)構造を作ることはまだ実証されていないと考えられている。
【0015】
この技術には多くの欠点がある。重要なこととして、他の欠点の中でも、この技術は、青、青緑、緑のレーザビームと赤を結合したスペクトルビーム、または青、青緑、緑のレーザダイオードと赤レーザダイオードを組み合わせたスペクトルビームを教示または開示していない。当該技術が開示又は教示している外部キャビティは、大きく、熱機械的不安定になりやすい。とりわけ、当該技術は、コンパクトで安定したシステム、特に、青、青緑、緑、および赤の波長用のそのようなシステムを開示していないと考えられている。
【0016】
本発明の背景のセクションは、本発明の実施形態に関連し得る技術の様々な態様を紹介することを意図している。したがって、このセクションの以上の議論は、本発明をよりよく理解するための枠組みを提供するものであり、公知技術として承認するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の実施形態は、これらの長年の問題を克服して、高輝度可視波長レーザビーム、特に赤、緑、青、より具体的には、IRの反射率が高い素材への高輝度での商業レーザ操作および他のすべての素材への改良されたパフォーマンスを行うのに十分なパワーを有する青レーザビームを提供する。本発明の実施形態は、とりわけ、波長ビーム結合システムおよび方法を大幅に単純化することにより、これを達成する。
【0018】
レーザダイオードは現在のファイバーレーザと競合するようになっているが、ダイオードレーザビームの低輝度は長年の問題であり、それらの幅広い受け入れと利用を妨げている。さらに、高輝度レーザビームを提供できるコンパクトで小型のレーザシステムに対する長年にわたる未解決のニーズが存在している。本発明は、とりわけ、本明細書で教示および開示される製造品、デバイスおよびプロセスを提供することにより、これらのニーズを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明では以下を含む高出力高輝度レーザシステムが提供する:2つ以上の個々の高出力レーザダイオード;2つ以上の個々の高出力レーザダイオードで共有される共通の外部キャビティ;各高出力レーザダイオードから平行ビームを生成するコリメート光学手段;各レーザダイオードの波長を判定し、各レーザダイオードを空間的に同一直線上に重なり合うように整列させる、共通の外部キャビティ内のビーム結合光学手段;このレーザ光源の空間輝度は、単一のレーザダイオードのn倍の輝度であり、ここで輝度とは結合したパワーを開口面積発散角積(Aperture-divergence product)で除算したものとして定義される。
【0020】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される:ビーム結合光学手段がバンドパスフィルタのスペクトルのローパスまたはハイパス端のエッジで使用される光学フィルタのセットと、出力カプラまたはミラーで形成された光学キャビティからなる;400-500nmの範囲で動作し、出力が1ワット以上で、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;500-600nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;720-800nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;800-900nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;900-1200nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;1200nm-1120nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;1400-1500nmの範囲で動作し、出力が1ワット以上で、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;1500-2200nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;2200-3000nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上;3000nm-12000nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上。
【0021】
さらに、約0.1-約10mm-mrad、約0.5mm-mrad以上、約0.3mm-mrad以上、約1mm-mrad以上、約2mm-mrad以上、約3mm-mrad以上、これらの範囲内のすべての値、およびより大きい値と小さい値のビームパラメータ積を有する出力レーザビームを有する、または提供するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される。
【0022】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される。ビーム結合光学手段が、一連の体積ブラッグ格子フィルタと、個々のレーザダイオードからの光スペクトルの一部の方向を変えてアレイ内の前のレーザダイオードと同一線上に配置する1つ以上の体積ブラッグ格子と、該光学キャビティを完成させる出力カプラとであり;体積ブラッグ格子によって導かれた後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度が、個々のレーザダイオードビームの輝度のN倍になるものであり、ここでNは結合されるレーザダイオードの数;N個の一連の体積ブラッグ格子があって、体積ブラッグ格子Nの最大透過点はレーザダイオードN-1、N-2、N-3、…のレーザスペクトルのピークN-1、N-2、N-3、…と一致すると共に、レーザダイオードNの最大ビーム偏向を同時に提供する。
【0023】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される。放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸で個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸で個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸で個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で単一の材料に作られた個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸と、単一の材料に作られた個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で単一の材料に作られた個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で単一に作られた個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で単一の材料に作られた個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で単一の材料に作られた個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で単一の材料に作られた個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で単一の材料に作られた個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する。
【0024】
さらに、以下を含むレーザ源が提供される:共通の出力カプラへのコリメート後、レーザダイオードの出力光伝搬方向に対して最大90°の角度で個々のレーザダイオードからの光スペクトルの一部の方向を変える1つ以上の光学コーティング;ニアフィールド(近距離場)とファーフィールド(遠距離場)の光伝搬方向が、光学コーティングによって方向変えされた後で2つ以上の個々のレーザダイオード間でそれらを同一にするキャビティ内の往復経路によって画定され;レーザダイオードの数をNとして、光学コーティングによって導かれた後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度のN倍になる;光学コーティングNの最大透過点はレーザダイオードN-1、N-2、N-3、…のレーザスペクトルのピークN-1、N-2、N-3、…と一致すると共に、レーザダイオードNの最大ビーム偏向を同時に提供する。
【0025】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される:放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の反射光学コーティングのTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の反射光学コーティングのTEモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の反射光学コーティングのTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の反射光学コーティングのTMモードで動作する;放出されたレーザダイオード光の遅軸上で光学ボンディングまたはその他の低損失法によって単一の材料に加工された個々の反射光学コーティングのTEモードで動作する;放射されたレーザダイオード光の速軸上で光学ボンディングまたは他の低損失法によって単一の材料に加工された個別反射光学コーティングのTEモードで動作する;放射されたレーザダイオード光の遅軸上で光学ボンディングまたはその他の低損失法により単一の材料に加工された個々の反射光学コーティングのTMモードで動作する;放射されたレーザダイオード光の速軸上で光学ボンディングまたは他の低損失法によって単一の材料に加工された個々の反射光学コーティングのTMモードで動作する。
【0026】
さらに、以下を含むレーザ源が提供される:1つ以上の体積ブラッグ格子と、それに続く1つ以上の光学コーティング;光学コーティングからの出力光の方向は、体積ブラッグ格子からの出力光の方向に対して最大90°であり、各レーザダイオード光源の波長を画定し光学キャビティを完成させる出力カプラを有し;体積ブラッグ格子、光学コーティング、出力カプラによって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもN倍であり、ここでNは個々のレーザダイオードビームの数、Cは光学コーティングの数とした場合、N/Cは体積ブラッグ格子によってグループとして結合される個々のレーザダイオードビームの数となる;体積ブラッグ格子により結合されたレーザダイオードの個々の光帯域幅は相互に排他的である;任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子M-1の光帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ΔλM、λc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、 体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2とした場合、ΔλM-2≒ΔλM、λc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる;任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、光学コーティングX-1の光帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλX、λc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX-2とした場合、ΔλX-2≒ΔλX、λc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2などとなる;任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1、λc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1、および体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM2とした場合、ΔλX-1≧ΣΔλM2、λc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0027】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される:レーザダイオードの遅軸で反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で光学コーティングのTEモード動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの速軸で反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTEモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの遅軸で反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、その後に続くレーザダイオードの速軸で光学コーティングのTMモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの速軸で反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTMモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの遅軸で反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で光学コーティングのTEモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの速軸で反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTEモード動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの遅軸で反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で光学コーティングのTMモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの速軸で反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTMモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの遅軸で透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する透過体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で光学コーティングのTEモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの速軸で透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する透過体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTEモードで動作する光学コーティングを利用する;レーザダイオードの遅軸で透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する透過体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で光学コーティングとTMモードで動作する光学コーティングを利用する。
【0028】
さらに、以下を含むレーザ源が提供される:1つ以上の光学コーティング、それに続く1つ以上の体積ブラッグ格子と;体積ブラッグ格子からの出力光の方向は、出力カプラによって完成される光学キャビティによって画定される光学コーティングからの出力光の方向に対して最大90°であり;体積ブラッグ格子及び光学コーティングによって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもN倍であり、ここで、Nは個々のレーザダイオードの数であり、Bを体積ブラッグ格子の数として、N/Bがグループとして光学コーティングによって結合される個々のレーザダイオードビームの数とされており;体積ブラッグ格子により結合されたレーザダイオードの個々の結合光帯域幅は相互に排他的であり;任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子M-1の光帯域幅=ΔλM-1として、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2としてΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる;任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、および光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1として、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX-2として、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2などとなる;任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλXおよび体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM1として、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)、光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1および体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM2として、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0029】
さらに、以下を含むレーザ源が提供される:1つ以上の体積ブラッグ格子、それに続く1つ以上の体積ブラッグ格子;体積ブラッグ格子からの出力光の方向が、出力カプラによって完成される光学キャビティによって画定される前の体積ブラッグ格子からの出力光の方向に対して最大90°;体積ブラッグ格子によって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度のN倍であり、ここで、Nは個々のレーザダイオードの数、Bを二次体積ブラッグ格子の数として、N/Bがグループとして一次体積ブラッグ格子によってグループとして結合される個々のレーザダイオードビームの数とされている;一次体積ブラッグ格子により結合されたレーザダイオードの個々の結合光帯域幅は相互に排他的である;二次体積ブラッグ格子により結合されたレーザダイオードの個々の結合光帯域幅は相互に排他的である;任意の中心青色波長λc、一次体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、二次体積ブラッグ格子M-1の光帯域幅=ΔλM-1として、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、二次体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2としてΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる;任意の中心青色波長λc、二次体積ブラッグ格子Xからの光帯域幅=ΔλX、および二次体積ブラッグ格子X-1からの光帯域幅=ΔλX-1として、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、二次体積ブラッグ格子X-2からの光帯域幅=ΔλX-2として、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2などとなる;任意の中心青色波長λc、二次体積ブラッグ格子Xからの光帯域幅=ΔλXおよび一次体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM1として、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)、二次体積ブラッグ格子X-1からの光帯域幅=ΔλX-1および一次体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM2として、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0030】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有するレーザ源または方法が提供される:レーザダイオードの遅軸で動作する一次反射体積ブラッグ格子と、レーザダイオードの速軸上で二次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸上で光学コーティングのTEモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸上で反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTEモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTM-モードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTEモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、これに続いてレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTM-モードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTE-モードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTE-モード動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTM-モード動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTMモード動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、レーザダイオードの速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次反射体積ブラッグ格子のTEモード動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する。レーザダイオードの速軸で一次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、レーザダイオードの速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を利用する;レーザダイオードの速軸で一次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続きレーザダイオードの速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次反射体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子とを使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続くレーザダイオードの速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオード速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオード速軸で二次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子とを利用し、その後にレーザダイオードの遅軸で二次反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次反射体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオード速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモード動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、その後にレーザダイオード速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、その後にレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオード速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTEモード動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの遅軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオード速軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子を使用する;レーザダイオードの速軸で一次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する一次透過体積ブラッグ格子と、それに続いてレーザダイオードの遅軸で二次透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する二次透過体積ブラッグ格子と、最終要素である出力カプラとを使用し、出力カプラからのフィードバックから各レーザ源の波長を画定するために各ブラッグ格子を通る光学キャビティを画定する。
【0031】
さらに、以下を含むレーザ源が提供される:請求項30に記載の1つ以上の光学コーティングと、それに続く請求項30に記載の1つ以上の光学コーティングであって、後続の光学コーティングからの出力光の方向は、その前の光学コーティングからの出力光の方向に対して90°をなすようにされた光コーティングと、光学キャビティを完成し、各レーザダイオード光源からの波長を画定する往復光路を提供する出力カプラ;輝度が、光学コーティングで結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計であり、Nは、個々のレーザダイオードビームの数として、個々のレーザダイオードビームの輝度のN倍、Cを二次光学コーティングの数とした場合、N/Cは、一次光学コーティングによってグループとして結合される個々のレーザダイオードビームの数となる;一次光学コーティングによって結合されたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅が相互に排他的;二次光学コーティングによって結合されたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅が相互に排他的;任意の中心青色波長λc、一次光学コーティングMからの光帯域幅=ΔλM、一次光学コーティングM-1の光帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、一次光学コーティングM-2からの光帯域幅≒ΔλM-2とした場合、ΔλM-2=ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2等となる;任意の中心青色波長λc、一次光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、二次光学コーティングX-1の光帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、二次光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX2とした場合、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2など;任意の中心青色波長λc、二次コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、および一次光学コーティングの合計の光帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、二次光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1および一次光学コーティングの合計の光帯域幅ΣΔλM2とした場合、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)等となる。
【0032】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有するこれらの高出力レーザ、システムおよび方法が提供される:レーザダイオードの遅軸で一次光学コーティングのTEモードで動作する一次光学コーティングと、その後、レーザダイオードの速軸で二次光学コーティングのTEモードで動作するの二次光学コーティングを使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTEモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの遅軸で二次光学コーティングのTEモードで動作する二次光学コーティングとを使用する;レーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTEモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの速軸で二次光学のTMモードで動作する二次光学コーティングとを使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTEモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの遅軸で二次光学コーティングのTMモードで動作する二次光学コーティングとを使用する;レーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの速軸で二次光学コーティングのTEモード動作する二次光学コーティングとを使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの遅軸で二次光学コーティングのTEモードで動作する二次光学コーティングとを使用する;レーザダイオードの遅軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの速軸で二次光学コーティングのTMモードで動作する二次光学コーティングとを使用する;レーザダイオードの速軸で光学コーティングのTMモードで動作する一次光学コーティングと、続いてレーザダイオードの遅軸で二次光学コーティングのTMモードで動作する二次光学コーティングと、システムの出口にもうけた出力カプラであって、フィルターシステムを介して各レーザダイオード光源に光フィードバックを提供する出力カプラとを有する;出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が5mm-mrad以上で400-500nmの範囲で動作する;500-600nmの範囲で、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が5mm-mrad以上で動作する;720-800nmの範囲で、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が5mm-mrad以上で動作する;出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が5mm-mrad以上の800-900nmの範囲で動作する。
【0033】
さらに、以下を有する高出力、高輝度レーザシステムが提供される:各々が0.25W以上の出力を有する複数のレーザダイオードであって、それぞれがレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される複数のレーザダイオード;複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティ;複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するためのレーザビーム経路内のコリメーティング光学手段; 共通の外部キャビティ内でレーザ光路内のビーム結合光学手段;ビーム結合光学手段は、各レーザダイオードの波長を判定し、複数のレーザダイオードからの各レーザビーム経路を同一直線上に整合し空間で重なり合わせることにより、1つの複合出力レーザビームが提供されており;複合出力レーザビームの結合されたパワーを開口面積発散角積で除算したものとして定義される空間輝度は、複数のレーザダイオードの単一レーザダイオードの輝度のn倍である。
【0034】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有するこれらのレーザシステムおよび方法が提供される:ビーム結合光学手段が、バンドパスフィルタのスペクトルの低域端または高域端のいずれかのエッジで使用される光学フィルタのセットである;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で400-500nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で500-600nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で720-800nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で800-900nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で900-1200nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で1200nm-1120nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で1400-1500nmの範囲で動作する;出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で1500-2200nmの範囲で動作する;ここで、複数のレーザダイオードがバンド間カスケードレーザである;システムが、出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で2200-3000nmの範囲で動作する;ビーム結合光学手段が、複数の体積ブラッグ格子フィルタを含み、第1の体積ブラッグ格子が、複数のレーザダイオードの第1のレーザダイオードからの第1のレーザビームの光スペクトルの一部を複数のレーザダイオードの第2のレーザダイオードからのレーザビームと同一線上に方向を変えるように構成される;複数のレーザダイオードは量子カスケードレーザであり、システムが、出力が100ワット以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で3000nm-12000nmの範囲で動作する。
【0035】
加えて、以下の特徴の1つ以上を有するこれらのレーザシステムおよび方法が提供される;nは25以上である;ビーム結合光学手段が、複数の体積ブラッグ格子フィルタを含む;第1の体積ブラッグ格子は、複数のレーザダイオードの第1のレーザダイオードからの第1のレーザビームの光スペクトルの一部を方向を変えて、複数のレーザダイオードの第2のレーザダイオードからのレーザビームと同一線上となるように構成されている;ここで、nは25以上である;ここで、複数のレーザダイオードはN個のダイオードからなる;ここで、N個のダイオードのそれぞれは、発振スペクトルの第1ピークを画定する;ここで、ビーム結合光学手段は、N-1個の体積ブラッグ格子フィルタからなる複数の体積ブラッグ格子と1つの出力カプラからなる;複数の体積ブラッグ格子とN-1レーザダイオードは光学的に結合されて、複数の体積ブラッグ格子の各体積ブラッグ格子の最大透過点が、複数のレーザダイオードのN-1レーザダイオードの第1ピークN-1、N-2からN-(N-1)のと一致するようにされ;Nはnに等しく;ここで、N-1はnに等しく;レーザダイオードN’は1つの体積ブラッグ格子と光学的に関連付けられておらず、システムは、レーザダイオードN’の最大ビーム偏向を提供する。
【0036】
さらに、以下を有する高出力、高輝度レーザシステムが提供される:N個の複数のレーザダイオードであって、それぞれが、1つのレーザビームパワーでレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される;ここで、レーザビーム経路は出力伝搬方向を含む;複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティ;複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための出力伝搬方向のレーザビーム経路内のコリメーティング光学手段;共通外部キャビティ内で出力伝搬方向のレーザビーム経路内のビーム結合光学手段;ここで、ビーム結合光学手段は、光学コーティングを有するN-1個の光学素子を含む;光学素子は、複数のレーザダイオードのレーザダイオードからのレーザビームの光スペクトルの一部を、出力伝搬方向のレーザビーム経路に対して最大90°の角度で方向転換して、1つの輝度を画定する複合出力レーザビームを提供する;これにより、複合出力レーザビームの開口面積発散角積で除算された合成パワーとして定義される輝度は、複数のレーザダイオード内の任意の単一レーザダイオードの輝度のn倍になる。
【0037】
さらに、N=n;N-1=nとして、以下の特徴のうちの1つ以上を有するこれらのレーザシステムおよび方法が提供される。
【0038】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有するこれらのレーザシステムおよび方法が提供される:出力が10W以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で400-500nmの範囲で動作する;出力が10W以上、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上で500W-600nmの範囲で動作する;レーザビームの出力は0.5W以上である;レーザビーム出力は1W以上である。
【0039】
加えて、以下を有する高出力、高輝度のレーザシステムが提供される:N個の複数のレーザダイオードであって、複数のレーザダイオードのそれぞれは、1つのレーザビームパワーでレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される;ここで、レーザビーム経路は出力伝搬方向を含む;複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティ;複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための出力伝搬方向のレーザビーム経路のコリメーティング光学手段;共通外部キャビティ内で出力伝搬方向のレーザビーム経路内のビーム結合光学手段; ビーム結合光学手段は、N-1個の光学素子を含む;光学要素は、体積ブラッグ格子と光学コーティング要素からなり、体積ブラッグ格子と光学コーティング要素は、レーザ光路に沿って互いに順次配列される;光学コーティングからの出力光の方向は、体積ブラッグ格子からの出力光の方向に対して90°であり、それにより、1つの輝度を画定する結合出力レーザビームを提供する;体積ブラッグ格子と光学コーティングによって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもn倍明るくなる;n=Nまたはn=N-1、Nは個々のレーザダイオードビームの数、Cは光学コーティングの数、N/Cは体積ブラッグ格子と出力カプラによって結合される個々のレーザダイオードビームの数。
【0040】
さらに、以下を有する高出力、高輝度レーザシステムが提供される:N個の複数のレーザダイオードであって、それぞれ、出力伝搬方向を含むレーザビーム経路に沿って1つのレーザビームパワーでレーザビームを提供するように構成されている複数のレーザダイオード;複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティ;複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための出力伝搬方向のレーザビーム経路内のコリメーティング光学手段;共通外部キャビティ内で出力伝搬方向のレーザビーム経路内のビーム結合光学手段;ビーム結合光学手段は、N-1個の光学素子を含み、光学素子は、体積ブラッグ格子と光学コーティング素子で構成される;ここで、体積ブラッグ格子と光学コーティング要素は、レーザビーム経路に沿って順次配列される;体積ブラッグ格子からの出力光の方向は、光学コーティング要素からの出力光の方向に対して90°であり、それにより、1つの輝度を画定する結合出力レーザビームを提供する;体積ブラッグ格子と光学コーティングによって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもn倍明るくなる;ここで、n=Nまたはn=N-1、Nは個々のレーザダイオードビームの数、Bはボリュームブラッグ格子の数、N/Bはグループとして光学コーティングによって結合される個々のレーザダイオードビームの数。
【0041】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有するこれらのレーザシステムおよび方法が提供される:外部キャビティ内の体積ブラッグ格子と出力カプラによって結合されたレーザダイオードの個々の結合光帯域幅は、相互に排他的;任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子M-1の光帯域幅=ΔλM-1として、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1であり、体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2として、ΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2など;任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、光学コーティングX-1の光帯域幅=ΔλX-1として、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)ΔλX-1≧となり、光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX-2として、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2など;任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλXおよび体積ブラッグ格子の和の光帯域幅ΣΔλM1として、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)であり、光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1および体積ブラッグ格子の和の光帯域幅ΣΔλM2として、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0042】
さらに、以下を有する高出力、高輝度レーザシステムが提供される:N個の複数のレーザダイオードであって、それぞれは、1つのレーザビームパワーでレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される;レーザビーム経路は出力伝搬方向を含む;複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティ;複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための出力伝搬方向のレーザビーム経路内のコリメーティング光学手段;共通外部キャビティ内で出力伝搬方向のレーザビーム経路内のビーム結合光学手段;ビーム結合光学手段は、N-1個の光学素子を含む;光学素子は、レーザダイオードビームの波長を判定し、レーザダイオードビーム経路を1つの出力経路に向けるための第1の手段と、レーザダイオードビームの波長を判定し、レーザダイオードビーム経路を1つの出力経路に向ける第2の手段を有する;第1の手段の出力経路は、第2の手段の出力経路に対して90°であり、それにより、1つの輝度を画定する結合出力レーザビームを提供する;第1の手段および第2の手段によって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度のn倍明るい;ここで、n=Nまたはn=N-1、Nは個々のレーザダイオードビームの数、E’は第1または第2の手段の数、N/E’は第1または第2の手段によるグループとしての結合レーザダイオードビームの数。
【0043】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有するこれらのレーザシステムおよび方法が提供される:第1の手段は一次体積ブラッグ格子である;第2の手段は二次体積ブラッグ格子である;第1の手段は一次コーティングである;第2の手段は二次コーティングであり、出力カプラは、光学コーティングまたは体積ブラッグ格子であり得る部分反射要素である;システムは400-500nmの波長範囲で動作する;システムは500-600nmの波長範囲で動作する;システムは720-800nmの波長範囲で動作する;システムは800-900nmの波長範囲で動作する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1-1A】
図1及び
図1Aは、本発明による外部キャビティ;レーザシステムの実施形態の概略図であり、各レーザダイオードを特定の波長で動作させるコンバイナブロックに不可欠な出力カプラからのフィードバック信号によって結合される複数のレーザダイオードを示している。
【0045】
【
図2】
図2は、コンバイナの外部に出力カプラを備えた本発明による外部キャビティレーザシステムの実施形態の概略図である。
【0046】
【
図3】
図3は、二次元アレイのレーザダイオードをロックアップするように拡張された、本発明による外部キャビティレーザシステムの実施形態の概略図である。
【0047】
【
図4】
図4は、本発明に従って使用されるバンドパスフィルタの実施形態の各透過関数間の関係を示すグラフである。
【0048】
【
図5】
図5は、コンバイナブロックの実施形態の透過関数であり、本発明によるバンドパス透過関数の高波長側を使用する場合に、各レーザダイオードを適切な透過ピークに受動的にロックすることになる、外部キャビティでの損失が最小となる各レーザダイオードの最大透過ピークを示す。
【0049】
【
図6】
図6は、本発明によるバンドパス透過関数の低波長側を使用する場合のコンバイナブロックの透過関数である。
【0050】
【
図7】
図7は、本発明によるバンドパスフィルタ透過関数の高波長エッジを使用した、レーザダイオードからの0.25度のビーム発散に基づくレーザダイオードビームコンバイナブロックの透過関数である。
【0051】
【
図8】
図8は、本発明による、レーザダイオード光を発散させるためのバンドパスフィルタ透過関数の低波長エッジを使用するコンバイナブロックの透過関数である。
【0052】
【
図9】
図9は、コンバイナブロック透過関数と、レーザダイオードアレイの発振帯域幅を画定する本発明による外部キャビティバンドパス透過フィルタ関数からのフィードバックとの重なりを示すグラフである。
【0053】
【
図10】
図10は、1つの行からのコンバイナブロック透過関数と、第2の行で使用される、本発明に従って2軸におけるレーザダイオードへのフィードバックを可能にするバンドパス透過関数のより広いコンバイナブロック透過関数の重なりを示すグラフである。
【0054】
【
図11】
図11は、広帯域出力カプラ反射関数の場合のコンバイナブロックの応答関数の重なりを示し、狭帯域出力カプラ反射関数を使用することにより、発振帯域幅がどのように低減されるかを示すグラフである。
【0055】
【
図12】
図12は、広帯域出力カプラ反射関数の場合のコンバイナブロックの応答関数のオーバーラップに対する応答関数の実施形態を示すグラフであり、狭帯域出力カプラ反射関数を使用することにより、
図3に示すような本発明による2軸システムにタオして発振帯域幅をどのように低減することができるかを示す。
【0056】
【
図13】
図13は、本発明によるレーザシステムの一実施形態のブロック概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、概ね、より高輝度のレーザビームを提供するためのレーザビームのスペクトルビーム結合のための方法、システムおよび装置に関する。特に、本発明の実施形態は、レーザダイオードからのビームなどの低輝度レーザビームを結合し、ファイバーレーザから得られるレーザビームに匹敵する高輝度レーザビームにすることに関する。
【0058】
本発明の実施形態は、概ね、共通の外部キャビティ内で2つ以上の個々のレーザダイオードを使用して高出力および高輝度動作を可能とする高出力ダイオードレーザシステムである。レーザは、材料加工、レーザ支援蒸着製造、その他のレーザ利得媒体のポンピングなど、さまざまな適用ができる。共通の外部キャビティからのレーザの出力は、速軸、遅軸、または両方の軸のスペクトルビームの結合によって輝度を高める。スペクトルビーム結合のこの方法は、レーザダイオードアレイに対して想定されている他のすべてのビーム結合方法よりも簡潔で複雑ではない。
【0059】
本発明の実施形態は、狭いスペクトル帯域幅を有する高輝度レーザビームを提供する。この狭いスペクトル帯域幅は、希土類ファイバーレーザ、希土類レーザ、ラマンレーザ、およびラマンファイバーレーザをポンピングするのに利点がある。
【0060】
本発明の実施形態は、例えば、溶接、切断、表面被覆および3D印刷、ならびに他のレーザシステムおよび他の用途の励起源として有用である。本発明の実施形態は、現在のファイバーレーザに等しくそれに匹敵するレーザビーム輝度を提供するものであり、例えば約1kW-約10kW、2kW-8kW、約5W-約20W及びこれら範囲の全てのパワー、それ以上及び以下のパワーを有するレーザビームで、約1mm mradから約40mm mrad、約30mm mradから約35mm mradのBPP(ビームパラメータ積)を有するパワー、およびこれらの範囲内のすべての値、およびより大きい値と低い値のパワーのビームを提供する。本発明の実施形態は、レーザダイオードアレイの空間輝度を増加させるための新規な方法であり、非常にコンパクトなシステム、例えば約100cm、約5cm未満、約5cmから約200cm、これらの範囲内のすべてのサイズ、より大きなサイズとより小さなサイズ、システムから高輝度レーザビーム、さらに、とりわけ、スペクトルビーム結合レーザダイオードアレイの製造性を大幅に簡素化する。
【0061】
本発明は、レーザダイオードのすべての波長に適用される。したがって、本明細書が高出力可視青色レーザダイオードを使用して可視スペクトルの高出力高輝度レーザ光源を生成するためことに焦点を合わせている限り、本発明の適用およびその範囲はそのように限定されるべきではない。
【0062】
本発明の実施形態は、IRレーザで処理することが不可能ではないにしても、非常に困難な高反射率材料をレーザ処理する能力の必要性に答える。可視レーザ光、好ましくは緑色および青色レーザ光、より好ましくは青色レーザ光は、通常、IRを高反射する材料に強く吸収される。したがって、本発明に係るスペクトルビーム結合システムによって得られた輝度の増加した青色レーザ光は、銅、金、アルミニウム、銅からアルミニウム、銅から鋼、金からアルミニウム、金から鋼、銅からニッケル銅粉、アルミニウム粉、銅合金、アルミニウム合金、チタン合金、ニッケル合金などの材料の処理に最適である。
【0063】
本発明の実施形態は、外部キャビティ内のダイクロイックフィルタまたは体積ブラッグ格子を使用してN個のレーザダイオードの出力を結合することにより、波長ビーム結合方法を大幅に簡素化し、したがって、好ましくは、それぞれに別個の波長制御要素の必要性を無くす。レーザダイオードは、フロントファセットに最初に反射防止(AR)コーティングまたは低反射コーティングが施されているため、レーザダイオードはゲイン要素となり、外部キャビティへの統合に最適である。レーザダイオードの背面にある高反射率(HR)コーティングは広帯域(>20nm)であり、通常は修正する必要はない。外部キャビティ内の各フィルタは、透過関数が重なって所定の量だけ透過帯域が分離される限り、ローパス、ハイパス、またはバンドパスのいずれかのフィルタにできる。このフィルタは、N個のレーザのコリメート出力内に配置されるが、Nの値は、レーザ光源に必要な最終帯域幅と、チャネル間隔を設定する各フィルタのオーバーラップする透過帯域によって決められる。
【0064】
シングルモードダイオードを使用する実施形態では、発散は0.1mm mradであり得る。実施形態において、ビーム結合光学手段は、光学キャビティ内の光学フィルタから成り、ここで、ダイオードからフィルタを介した出力カプラへの往復により、各ダイオード素子の発振波長が規定される。一実施形態では、バンドパスフィルタは、各フィルタ間に空気がある個々の要素である。一実施形態では、バンドパスフィルタは、例えば、光学結合または透明接着剤のいずれかで組み立てられたモノリシック光学素子に組み立てられる。
【0065】
図1において、外部キャビティビーム結合アセンブリ100が示されている。アセンブリ100は、レーザダイオード光源101、例えば、レーザダイオードのアレイ、レーザダイオードバー、または個々のチップの集合体を有する。このアセンブリは、(好ましくは、遅軸、速軸、または両方でコリメートされたレーザビームを提供する)コリメーティング光学手段151、152、153、154、155を有する。レーザダイオード光源は、個々のレーザダイオード101a、101b、101c、101d、101eを備えている。レーザダイオード光源101は、平行なレーザビーム経路に沿って進むレーザビーム102a、102b、102c、102d、102eを提供する。レーザビームは、矢印107で示される偏光方向を持つ(TEはダイオードレーザに関し、TMはコーティングに関する)。各レーザダイオード、例えば101aは、AR(反射防止)コーティングまたは低反射コーティングを有する表面または面、例えば103aを有する。各レーザダイオード、例えば101aは、HR(高反射)コーティングを有する表面または面、例えば104aを有する。レーザビーム、例えば102aは、ビーム経路に沿って移動し、一体型スタック・光カプラ105に到達する。光カプラ105は、レーザビーム102aが光カプラの長さに沿って方向付けられ、レーザビーム102b、102c、102d、および102eと組み合わされるようにするTIR(全内部反射)表面112を有し、フィルタ108、109、110、111により、レーザビーム106を提供する。光カプラは、ガラスアセンブリに浸漬されコーティングか、光学コーティングの片側にエアギャップを備えた個別のガラス部品で、より急峻なバンドエッジを可能とする、第1の透過フィルタ108、第2の透過フィルタ109、第3の透過フィルタ110、および第4の透過フィルタ111を有する。第1の透過フィルタ108は、446.25nmのバンドエッジおよび6nmのバンドパスを有し、これは透過プロファイル108aによって示される(このプロファイルのそれぞれについて、y軸は透過%であり、x軸はnm単位の波長である)。第2の透過フィルタ109は、447nmのバンドエッジと6nmのバンドパスを有し、これは透過プロファイル109aによって示されている。第3の透過フィルタ110は447.75nmのバンドエッジと6nmのバンドパスを有しており、これは透過プロファイル110aによって示されている。第4の透過フィルタ111は、448.5nmのバンドエッジと6nmのバンドパスを有し、これは透過プロファイル110aによって示される。
【0066】
一実施形態では、コリメート・レーザダイオードデバイスを出るレーザビームは、遅軸において4.5mradの発散を有する。この場合、レーザビームは約0.1mradから約5mradの発散軸を持つことができ、これは、レーザビームの発散がフィルタバンドエッジの急峻さを決定するためである。発散が大きいほど、バンドエッジがシャープでなくなり、その結果、各フィルタのために必要な間隔が広くなる。
【0067】
この実施形態では、外部キャビティビーム結合アセンブリ100は、1、2、10、20、12、数十個、および数百個のレーザダイオード、および対応するフィルタを有することができる。このアセンブリは、1、2、10、20以上のレーザダイオードバーと、各レーザダイオードに対応するフィルタを有することができる。好ましくは、各ダイオードレーザは、それ自身のフィルタと光学的に関連付けられている(すなわち、そのダイオードレーザのレーザビーム経路上にある)。しかし、1、2、3またはそれ以上のレーザダイオードを単一のフィルタに光学的に関連付けることができる。
【0068】
図1Aには外部キャビティビーム結合アセンブリ200が示されている。該アセンブリ200は、レーザダイオード光源201(好ましくは、遅軸、速軸、または両方でコリメートされたレーザビームを提供する)、例えば、レーザダイオードのアレイ、レーザダイオードバー、または個々のチップの集合体を有する。レーザダイオード光源は、個々のレーザダイオード201a、201b、201c、201d、201eを備えている。レーザダイオード光源201は、レーザビーム経路に沿って進むレーザビーム202a、202b、202c、202d、202eを提供レーザする。レーザビームは、矢印207で示すように偏光方向を持っている。201aなどのレーザダイオードはそれぞれ、AR(反射防止)コーティングを有する203aなどの表面または面を有する。201aなどのレーザダイオードはそれぞれ、HR(高反射)コーティングを有する204aなどの表面または面を有する。レーザビーム、例えば、202aは、ビーム経路に沿って、片側に一体型に又は分離型でエアギャップを備えた光学フィルタのスタック・光カプラ205に進む。一体型スタック・光カプラ205はTIR(全内部反射)表面212を有し、レーザビーム202aを光カプラの長さ方向に向け、VBGノッチフィルタ208、209、210、211によって方向付けられてフィルタリングされるレーザビーム202a、202b、202c、202d、および202eと結合されてフィルタレーザビーム206を提供する。光カプラ205は、第1のVBGノッチフィルタ208、第2のVBGノッチフィルタ209、第3のVBGノッチフィルタ210、第4のVBGノッチフィルタ211を有する。結合されたVGBの反射スペクトルは、グラフ213(y軸は%透過率、x軸はnm単位の波長)に示されており、第1のVBGノッチフィルタ208a、第2のVBGノッチフィルタ209a、第3のVBGノッチフィルタ210a、および第4のVBGノッチフィルタ211aの反射スペクトルを示す。VBGを使用すると、バンドパスフィルタ要素を使用した場合よりもチャネル間隔を大幅に近づけることができる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「外部キャビティ」は、レーザダイオード光源の外側または離れた空間または領域にあり、一般に、1つの光学ブロック、複数の光学ブロックまたは光学部品を含み、または同様のタイプの構造とされる。
たとえば、外部キャビティは、一体型の光カプラ、またはフィルタとカプラのスタックによって形成される。外部キャビティは、光学的に透過性の固体材料(例えば、シリカ、サファイアなど)、自由空間(例えば、固体材料が存在しない)、またはその両方にあっても、またはそれらを含んでもよい。外部キャビティは、例えば、レーザセンブリ、レーザツール、またはレーザデバイスを構成または収容することができるハウジング内にあるか、またはハウジングによって画定されていてもよい。したがって、例えば、ハウジングは、一体型光カプラの一部またはすべてを含むことができ、または一体型光カプラとレーザダイオード光源の両方の一部またはすべてを含むことができる。
【0070】
図13を参照すると、レーザセンブリ1300の実施形態のブロック概略図が示されている。アセンブリ1300は、それぞれレーザビーム経路1303a、1304a、1305a、1306aに沿ってレーザビーム1303、1304、1305、1306を生成するダイオードアレイ1301を有する。レーザビームは、ダイオード1370、1371、1372、1373と光学的に関連するコリメーティング光学手段を持つダイオードによって生成される。コリメーティング光学手段は、レーザダイオード光源の速軸をコリメートするが遅軸はわずかにコリメートされないままにするのに使用される単一の非球面光学レンズとすることができるが、2つの光学要素すなわちレーザダイオードの速軸をコリメートする高速円筒光学部品と、レーザダイオードの遅軸をコリメートする低速円筒光学部品とを有するようにすることもできる。通常、高速円筒光学部品は焦点距離が短く、ダイオードレーザ自体の近くまたは上に取り付けられるが、低速円筒光学部品は、レーザ光源の発散を円形にしたり、アセンブリで使用されるフィルタまたはVBGの許容角度の要件を満たしたりするために、十分に長い焦点距離を有する。レーザビーム経路は、ダイオードアレイ1301内のダイオードから、例えば
図3の光学ブロック、
図2のフィルタスタック、または
図1、1Aのカプラなどの光学アセンブリ1320まで延びる。光学アセンブリ1320は、レーザビームを結合して、レーザビーム経路1307aに沿って進むレーザビーム1307にする。ダイオードアレイ1301の外部にある外部キャビティ1302がある。外部キャビティ1302は、ブロック1320、ならびにレーザビームおよびビーム経路を含む。外部キャビティは、ビーム経路1307aに沿ってレーザビーム1307を伝送するための窓を有するハウジング1350に囲まれている。
【0071】
ダイオードレーザは、任意のタイプのダイオードレーザとすることができ、小型半導体レーザ、バンド間カスケードレーザ(ICL)、量子カスケードレーザ(QCL)などとすることができる。
【0072】
図1および1Aでは、光カプラはフィルタのスタックと一体化している。
図2の実施形態では、光カプラはフィルタのスタックから分離されている。
【0073】
図2には、ビーム結合アセンブリ220が示されている。アセンブリ220は、レーザダイオード光源201(好ましくは、遅軸、速軸、または両方でコリメートされたレーザビームを提供する)、例えば、レーザダイオードのアレイ、レーザダイオードバー、または個々のチップの集合体を有する。レーザダイオード光源は、個々のレーザダイオード221a、221b、221c、221d、221eを有する。レーザダイオード光源221は、レーザビーム222a、222b、222c、222d、222eを提供し、レーザビームと一致するレーザビーム経路に沿って進む。レーザビームは、矢印227で示すように偏光方向を持っている。レーザダイオード、例えば221aはそれぞれ、AR(反射防止)コーティングを有する表面または面、例えば223aを有する。レーザダイオード、例えば221aはそれぞれ、HR(高反射)コーティングを有する表面または面、例えば224aを有する。レーザビーム、例えば、222aは、ビーム経路に沿ってフィルタスタック225へと進む。フィルタスタック225は、レーザビーム222aがスタックの長さに沿って方向付けられ、レーザビーム222a、222b、222c、222d、および222eと組み合わされるように、TIR(全内部反射)表面232を有する。これらは、レーザビーム226を提供するために、波長固有フィルタ228、229、230、231によって導かれ、フィルタにかけられる。各フィルタは、異なる波長、好ましくは他のフィルタに対してたとは異なる特定の波長を持ち、例えば、帯域通過、高帯域通過、低帯域通過、およびこれらの組み合わせのフィルタであり得る。レーザビーム226は、そのレーザビーム経路に沿って、スタック225の外部にありレーザビーム235を提供する出力カプラ233(R≦∞)まで進み、出力カプラ233はレーザダイオード(221a、b、c、d、e)からコンバイナセンブリ(220)を通り、ミラー(223)に至り、コンバイナセンブリ(220)を通り、レーザダイオード(221a、b、c、d、e)に戻る往復光路によって画定される、レーザ源へのフィードバックを提供する。
【0074】
加えて、スペクトルビーム結合は、
図3に示されるように、より広い帯域幅で外部キャビティ内の速軸および遅軸において同時に起こり得る。すなわち、レーザダイオードの5つの列301、302、303、304、305の構成を有するレーザセンブリ300があり、各列は5個のレーザダイオード、例えば340aを有し、個々のレーザビーム、例えば340bを生成する。レーザビームは、レーザビーム経路に沿って第1の光学ブロック320に進み、そこで各行からのレーザビームは単一ビーム311、312、313、314、315に結合される。結合されたレーザビームは、レーザビーム経路に沿って第2の光学ブロック330に進んで結合されて単一のレーザビーム316になり、レーザビームパスに沿って光学手段340(適切な反射率(>30-40%)の広帯域ミラーまたは狭帯域などの波長選択デバイスのいずれかになる)帯域ミラー)を通る。行(row)の透過関数は例えば3nm幅だが、レーザダイオードの全体的なゲイン機能は20nmであり、最大6行を結合してレーザシステムの輝度をさらに高めることができる。このキャビティ透過関数は、
図10により詳細に示されている。
【0075】
図4には、結合器ブロックで使用される4つのバンドパスフィルタの透過関数の実施形態が示されており、最後の反射器が内部全反射面であるスペクトルビーム結合キャビティの複合透過関数を画定する。4つのバンドパスフィルタは、結合関数410を提供するために結合される透過関数401、402、403、404(それぞれシリーズ1、シリーズ2、シリーズ3、シリーズ4)によって示されている。
図4-
図8では、y軸の透過率はパーセントで、x軸の波長はnmである。
【0076】
コリメーションが1mrad以下の高度にコリメートされたレーザ光源に対する、外部キャビティ内のレーザダイオードのそれぞれに対する重なり合う複合透過関数が
図5及び
図6に示されている。
図5は、透過関数の長波長エッジを使用して、各レーザダイオード光源の通過帯域を生成する場合のローパス構成である。ライン505は452.75nm、ライン504は453.40nm、ライン503は454.00nm、ライン502は454.60nm、ライン501は455.00nmである。ビームコンバイナの往復透過スペクトルは、
図1を使用して最もよく説明できる。第1のライン505の往復透過関数は、
図1に112として示されるTIR表面の広帯域反射特性と、後続の各フィルタ(401、402、403、404)の透過関数の積であるため広い。
図4に示すようにフィルタはオーバーラップするように選択されているため、レーザビームには、上部波長帯域のエッジよりも短い波長の光を通過させるラウンドトリップ透過機能がある。ピーク504は、ピーク505よりも狭くなっている。これは、フィルタ108の反射特性(フィルタ401(1-透過))と、フィルタ402、403、404の透過特性の積であり、453.4nmにおいて幅0.75nmの透過帯域となる。ピーク503は、フィルタ109(フィルタ402)の反射特性と、フィルタ403および404の透過特性の積であり、これにより、454nmで0.75nm幅の通過帯域が得られる。ピーク503は、フィルタ110(フィルタ403)の反射特性とフィルタ404の透過特性の積で、454.6nmの通過帯域が得られる。ピーク502はフィルタ111(フィルタ404)の反射特性であり、帯域幅は出力カプラの帯域幅によって画定される。出力カプラの反射帯域幅が狭いほど、ピーク505と501は狭くなる。505と501のこの波長ピークは、出力カプラが幅2.25nmの帯域反射フィルタであることを前提としています。
図6は、透過関数の短波長エッジを使用して外部キャビティ内の各レーザダイオードの一連の通過帯域を生成する場合のハイパス構成である。ライン601は446.00nm、ライン602は447.14nm、ライン603は447.73nm、ライン604は448.33nmの、ライン604は448.94nmである。各コンバイナフィルタは45度の角度で配置され、10マイクロラジアン以内で、各レーザダイオードビームが重なり合って、元のレーザダイオードの輝度のN倍の単一のレーザビームを形成する。結果として得られる透過関数は、レーザダイオードの波長、帯域幅、空間輝度を決定する。透過関数は上記と同じ方法で計算されるが、ここではフィルタの短い波長のエッジを使用し、長い波長の光を通過させる。この場合も、601および605の帯域幅は、幅が2.25nmの狭帯域出力カプラによって制限される。10マイクロラジアンのアライメントは、複合ビームの1mradの発散からのわずかな偏差であり、該ビームはいずれかの軸で1.05mradまたはM2値1.1になる。
【0077】
図5及び
図6は、M2値で形成されるビームが1に近づくシングルモードレーザダイオード光源の使用に対応している。ただし、マルチモードレーザダイオードの遅軸の発散は0.25度以下程度となり得る高い発散角を有するので、この高い発散角ではフィルタに対して異なる透過関数となる。
図7及び
図8は、0.25度の発散を有するレーザ源に対してより広い透過関数を使用する場合の外部キャビティ結合器の複合透過関数を示している。フィルタはすべて、オーバーラップするポイントで透過関数を10dB減少させるように設計されている。これは、通過帯域領域の外側の寄生レーザを抑制するのに十分である。
図17においてライン705は452.75nm、ライン704は453.40nm、ライン703は454.00、ライン702は454.60nm、ライン701は455.00nmである。
図8において、ライン801は446.00nm、ライン802は447.14nm、ライン803は447.73nm、ライン804は448.33nm、ライン805は448.94nmである。
図5についての上記の説明と同様に、外側帯域は、使用される出力カプラによって規定されている。
図7では、幅が2.25nmの出力カプラがライン705および701の帯域幅を画定する。ライン705は、TIR表面とフィルタ401、402、403、404の反射曲線の積である。ライン704は、フィルタ401(1-透過)の反射曲線とフィルタ402、403、404の透過関数の積である。ライン703は、フィルタ402の反射曲線とフィルタ403および404の透過関数の積である。ライン702は、フィルタ403の反射曲線とフィルタ404の透過関数の積である。ライン701は、フィルタ404の反射曲線と、
図4には示されていない出力カプラの透過関数との積である。
図8では、より短い波長のエッジが使用され、
図6に関する上記の説明と同様である。外側帯域は、使用される出力カプラによって規定される。
図8では、幅2.25nmの出力カプラは、ライン805および801の帯域幅を画定する。ライン805は、TIR表面とフィルタ401、402、403、404の反射曲線の積である。ライン804は、フィルタ404(1-透過)の反射曲線と、フィルタ401、402、403の透過関数の積である。ライン803は、フィルタ403の反射曲線とフィルタ401および402の透過関数の積である。ライン802は、フィルタ402の反射曲線とフィルタ401の透過関数の積である。ライン801は、フィルタ401の反射曲線と、
図4には示されていない出力カプラの透過関数との積である。
【0078】
次に、本発明の実施形態のさらなる詳細な議論に移る。
図1および1Aにおいて、2つ以上のレーザダイオードは、レーザダイオードの裏側面に高反射コーティングを有し、レーザダイオードの表側面に反射防止コーティングを有する。レーザダイオードの速軸と遅軸で光をコリメートするために光学素子が使用されている。レーザダイオードの光がコリメートされると、一連の光学コーティングまたは体積ブラッグ格子(スペクトルビームコンバイナ)が、光の放射方向に対して最大90°の角度で光を偏向する。光学コーティングまたは体積ブラッグ格子は、各レーザダイオードから放射される光が近接場(ニアフィールド)と遠方場(ファーフィールド)とで同時に空間的に重なるように配置される。光学コーティングまたは体積ブラッグ格子の設計により、当該システムを通過する通過帯域であって、外部キャビティの最小損失経路を決定し、各レーザダイオードが発振する波長と帯域幅を画定する透過帯域を決める。中心波長と対応する光帯域幅の各グループは、光スペクトルでは相互に排他的である。外部レーザキャビティは、出力カプラミラー、帯域幅制限反射光学コーティングまたは体積ブラッグ格子によって形成され、帯域幅制限光学コーティングまたは体積ブラッグ格子は、外部レーザキャビティの全光帯域幅を画定する。
図1に示されるように、出力カプラミラー、帯域幅制限レーザキャビティ出力光学コーティングまたは体積ブラッグ格子は、個々の光学コーティングまたは体積ブラッグ格子を含むモノリシック光学素子の表面/サブサーフェス上に配置できる。出力カプラミラー、帯域幅制限レーザキャビティ出力光学コーティング、または体積ブラッグ格子は別の光学部品であることを除いて、
図2は
図1と同一である。
【0079】
レーザキャビティは、1つまたは2つのスペクトルビームコンバイナを含むことができる。2つのスペクトルビームコンバイナの場合、特定の各スペクトルビームコンバイナが、レーザダイオード光の速軸または遅軸のいずれかで動作し、両方のスペクトルビームコンバイナは、(レーザダイオード放射面に関して)お互いに直交する軸上で動作する必要がある。個別のスペクトルビームコンバイナは、スペクトルビームの合成が最初に1つの軸で実行され、その後直交軸で実行されるように、シリアル方式で動作する。
【0080】
外部キャビティの出力は、外部レーザキャビティ内のレーザダイオードの数がNとした場合、単一のレーザダイオードと比較してN倍の輝度向上を示す。
【0081】
個々の各レーザダイオードは、外部レーザキャビティ内の光フィードバックにより、複合光学部品の透過機能内で最も損失の少ない波長でレーザ発光する。これは、外部レーザキャビティ内の光フィードバックにより、個々のレーザダイオードのゲイン帯域幅が複合光コンバイナの透過関数内に収まることを前提とする。
【0082】
外部キャビティレーザの発振帯域幅は、最低損失波長帯域のみが発振するようにキャビティの損失を制御するために外部キャビティ内の異なるタイプのフィルタで修正または変更することができる。
【0083】
単一軸スペクトルビーム結合外部キャビティのための光学コーティングまたは体積ブラッグ格子(バンドパスフィルタ)の設計が
図4に示されている。外部レーザキャビティは、
図5に示すようにローパス構成で動作するようにするか、
図6に示すようなハイパス構成で動作するようにすることができる。
図5及び
図6は、レーザダイオード光の速軸または両軸においてシングルモードのダイオードレーザのフィルタ透過関数を示している。0.25°の適度な発散のマルチモードレーザダイオードの場合に関し、
図7はローパス構成の透過関数、
図8はハイパス構成を示している。マルチモードレーザダイオードの発散角により、伝送損失がわずかに高くなっている。組み合わせることができるビーム発散にはさまざまな組み合わせがあるが、コンバイナブロックは概ね光源の発散と使用する光源のタイプ、たとえば個々のレーザダイオードまたはレーザダイオードバーに応じて、自由開口サイズとチャネル間隔に関して構成される
【0084】
図9は、例えば
図4の実施形態の個々のバンドパスフィルタが重複するように設計され、その透過関数の積がΣΔλ
BPF≦Δλ
OCである櫛形フィルタ型関数を生成する例を示しており、ここで、ΣΔλ
BPF(901)は光学コーティングまたは体積ブラッグ格子の透過関数、およびΣΔλ
OC(902)は出力カプラの帯域幅である。Nを個々のレーザダイオードエミッタの数とすると、個々のバンドパスフィルタの帯域幅は、Δλ
BPF≒Δλ
OC/N(903)となるように画定される。中心波長λ
Cの場合、λ
C
N(Δλ
BPF
N)-λ
C
N-1(Δλ
BPF
N-1)≧Δλ
BPF
N-1、ここでλ
C
N(Δλ
BPF
N)はバンドパスフィルタN(904)、λ
C
N-1(Δλ
BPF
N-1)の中心波長は、バンドパスフィルタN-1(905)の中心波長であり、Δλ
BPF
N-1はバンドパスフィルタN-1(906)の帯域幅である。さらに、λ
C
N-1(Δλ
BPF
N-1)-λ
C
N-2(Δλ
BPF
N-2)≧Δλ
BPF
N-2なども、個々のレーザダイオードに固有の発振波長を確保するために保持される。
【0085】
4つのレーザダイオードを備える単一軸スペクトルビーム結合外部キャビティは、1つの軸の透過関数を直角をなす軸の透過関数と重ね合わせることにより、
図3に示すように、両軸におけるスペクトルビーム結合に拡張することができる。この例では、個々のレーザダイオードからの光は、個別の光学手段によって速軸と速軸に集められる。次に、レーザダイオードの各列Xは、
図1と構造が類似するが個々の行よりも広い櫛形フィルタ機能(例えば、
図10の1050は
図3の行301に対応し、
図10の1051は、
図3の行302に対応する)を備えているビームコンバイナによって速軸でスペクトル的にビーム結合される。前の場合と同様に、遅軸の個々のバンドパスフィルタは、それらの透過関数の積がΣΔλ
BPF,S
X≒Δλ
BPF,F
Xになるようにスペクトル帯域幅が設計されている。ここで、ΣΔλ
BPF,S
X(1001)は行Xのバンドパスフィルタの透過関数の積、Δλ
BPF,F
X(1002)は行Xでスペクトル結合されたレーザダイオードに対応する速軸における次のバンドパスフィルタの帯域幅である。速軸においてX行を結合するための基準は、Δλ
BPF,F
X≒Δλ
OC/XおよびΣΔλ
BPF,F≦Δλ
OCであり、ここで、ΣΔλ
BPF,F(1003)は速軸バンドパスフィルタの透過関数の積である。個々のレーザダイオードに固有のレーザ波長を確保するには、各行XのM個の個々のレーザダイオードを考慮し、以下の追加の制限がある。λ
C
X*M(Δλ
BPF,S
X*M)-λ
C
X*M-1(Δλ
BPF,S
X*M-1)≧Δλ
BPF,S
X*(M-1)、ここで、λ
C
X*M(Δλ
BPF,S
X*M)(1004)は、行XのレーザダイオードMの中心波長、λ
C
X*M-1(Δλ
BPF,S
X*M-1)(1005)は行XのレーザダイオードM-1の中心波長、Δλ
BPF,S
X*M-1(1006)は行XのレーザダイオードM-1の隣接するバンドパスフィルタによって画定されたくし形フィルタの帯域幅である。また、λ
C
X*M-1(Δλ
BPF,S
X*M-1)-λ
C
X*M-2(Δλ
BPF,S
X*M-2)≧Δλ
BPF,S
X*M-2なども保持され、λ
C
X*M-(M-1)(Δλ
BPF,S
X*M-(M-1))>λ
C
(X-1)*M(Δλ
BPF,S
(X-1)*M)、λ
C
(X-1)*M-(M-1)(Δλ
BPF,S
(X-1)*M-(M-1))>λ
C
(X-2)*M(Δλ
BPF,S
(X-2)*M)などまた、保持されなければならない。ここで、λ
C
X*M-(M-1)(Δλ
BPF,S
X*M-(M-1))は、行X(1007)の最低波長バンドパスフィルタの中心波長;λ
C
(X-1)*M(Δλ
BPF,S
(X-1)*M)は、行X-1(1008)の最高波長バンドパスフィルタの中心波長である。さらに、λ
C(Δλ
BPF,F
X)-λ
C(Δλ
BPF,F
X-1)≧Δλ
BPF,F
X-1、ここで、λ
C(Δλ
BPF,F
X)(1009)は、行Xの速軸バンドパスフィルタの中心波長;λ
C(Δλ
BPF,F
X-1)(1010)は、行X-1の速軸バンドパスフィルタの中心波長; Δλ
BPF,F
X-1(1011)は、行X-1の速軸バンドパスフィルタの帯域幅である。また、λ
C(Δλ
BPF,F
X-1)-λ
C(Δλ
BPF、F
X-2)≧Δλ
BPF,F
X-2なども保持する。最後に、ΣΔλ
BPF,F≒Δλ
OC、ここで、Δλ
OC(1012)は、外部レーザキャビティへの出力カプラの帯域幅である。この設計の別の反復では、速軸が最初にスペクトルビーム結合され、その後に遅軸のスペクトルビーム結合が続く。
【0086】
ΔλBPF>ΔλOCの場合、透過関数は、外部レーザキャビティ出力カプラとして機能する帯域幅制限反射光学コーティングまたは体積ブラッグ格子を備えた外部キャビティ構成で動作する場合、速軸、遅軸、または両方の軸のいずれかにおいてエッジフィルタのように機能する。ここで、速軸または低軸、または両方の軸のいずれかにおいて固有の波長でN個の個別のエミッターを動作させる場合の制限について概説する。
【0087】
4個のレーザダイオードを備えた仮想単一軸スペクトルビーム結合外部キャビティについて、帯域通過フィルタの実装が
図11に示されている。連続フィルタの立ち上がり(または立ち下がり)エッジの中心波長に重なる個々のバンドパスフィルタの透過関数はλ
C
RE(BPF
N)-λ
C
RE(BPF
N-1)≒(1-1/N)*Δλ
OCとなる。ここで、λ
C
RE(BPF
N)(1101)は、バンドパスフィルタNの立ち上がり(または立ち下がり)エッジの中心波長、λ
C
RE(BPF
N-1)(1102)は、バンドパスフィルタN-1の立ち上がり(または立ち下がり)エッジの中心波長、Nはレーザーダイオードキャビティ内の個々のエミッターの数である。さらに、Δλ
BPF
N>Δλ(N)、Δλ
BPF
N-1>Δλ(N-1)などとなり、ここで、Δλ
BPF
N(1104)はN番目のバンドパスフィルタの帯域幅、Δλ(N)(1105)はN番目のレーザダイオードの帯域幅である。前述のように、λ
C
RE(BPF
N)>λ
C
RE(BPF
N-1)、λ
C
RE(BPF
N-1)>λ
C
RE(BPF
N-2)などの基準により、個々のレーザダイオードのための固有の発振波長が保証される。
図11のローパス構成では、λ
C
N>λ
C
N-1の一連のN個のレーザダイオードの場合、λ
C
N(1106)はΔλ
OC(1107)の最高波長エッジとΔλ
BPF
N(1108)の最低波長エッジ間でレーザを照射する。λ
C
N-1(1109)は、Δλ
BPF
Nの最低波長エッジ(1108)とΔλ
BPF
N-1の最低波長エッジ(1110)の間でレーザを照射する。
【0088】
4つのレーザダイオード(
図1および
図2)を備える単軸スペクトルビーム結合外部キャビティは、
図3に示されたアレイ構成を使用して、しかし
図12に示されるような行を結合する場合はバンドパスフィルタのより広い透過関数をもって、両軸におけるスペクトルビーム結合に拡張することができる。この例では、個々のレーザダイオードからの光は、個別の光学系によって速軸と遅軸において集められる。レーザダイオードの各行Xは、
図1に示すコンバイナによって速軸でスペクトルビーム結合される。前のケースと同様に、遅軸に対する個々のバンドパスフィルタは、スペクトル帯域幅の合計がΣΔλ
BPF,S
X>Δλ
BPF,F
Xになるようにスペクトル帯域幅に合わせて設計される。ここで、ΣΔλ
BPF,S
X(1201)は、行Xのバンドパスフィルタのスペクトル帯域幅の合計、Δλ
BPF,F
X(1202)は、行Xでスペクトル結合されたレーザダイオードに対応する、速軸における次のバンドパスフィルタの帯域幅である。速軸におけるX行を結合するための基準は、Δλ
BPF,F
X≧Δλ
OC/XおよびΣΔλ
BPF,F≧Δλ
OCであり、ここで、ΣΔλ
BPF,F(1203)は、速軸バンドパスフィルタの帯域幅の合計であり、Δλ
OC(1204)は、出力カプラの帯域幅である。個々のレーザダイオードごとに固有のレーザ波長を確保するには、各行XのM個の個々のレーザダイオード及び、以下の追加の制限λ
CRE(Δλ
BPF,S
X*M)>λ
C
RE(Δλ
BPF,S
X*M-1)、λ
C
RE(Δλ
BPF,
S
X*M-1)>λ
C
RE(Δλ
BPF,S
X*M-2)などを考慮する。ここで、λ
C
RE(Δλ
BPF,S
X*M)(1205)は行Xの遅軸バンドパスフィルタMの立ち上がりエッジの中心波長、λ
C
RE(Δλ
B
PF
,S
X*M-1)(1206)は行Xの遅軸バンドパスフィルタM-1の立ち上がりエッジなどである。また、λ
C(X*M)>λ
C(X*M-1)>λ
C(X*M-2)なども保持します。また、λ
C(X*M)>λ
C(X*M-1)>λ
C(X*M-2)なども保持する。ここで、λ
C(X*M)(1207)はレーザダイオードX*Mの中心波長、λ
C(X*M-1)(1208)はレーザダイオードX*M-1の中心波長などである。追加の基準、λ
C(X*M-(M-1))>λ
C((X-1)*M)、λ
C((X-1)*M-(M-1))>λ
C((X-2)*M)なども保持されなければならない。ここで、λ
C(X*M-(M-1))は、X行(1209)の最低波長レーザダイオードの中心波長で、λ
C((X-1)*M)は、X-1行(1210)の最高波長レーザダイオードの中心波長である。
【0089】
さらに、λ
C(Δλ
BPF,F
X)>λC(Δλ
BPF,F
X-1)>λC(Δλ
BPF、F
X-2)などの条件が必要とされる。ここで、λ
C(Δλ
BPF,F
X)(1211)は、行Xの速軸バンドパスフィルタの中心波長、λ
C(Δλ
BPF,F
X-1)(1212)は、行X-1の速軸バンドパスフィルタの中心波長である。最後に、ΣΔλ
BPF,F≧Δλ
OC、ここでΔλ
OC(1204)は外部レーザキャビティへの出力カプラの帯域幅である。
図12に示すように、λ
C
(X*M)>λ
C
(X*M-1)の一連のX*Mレーザダイオードの場合、λ
C(
X*M)(1207)はΔλ
OC(1213)の最高波長エッジとΔλ
BPF、S
X*M(1214)の最低波長エッジとの間でのレーザ放出、λ
C
(X*M-1)(1208)は、Δλ
BPF、S
X*M(1214)の最低波長エッジとΔλ
BPF,S
X*M-1(1215)などの最低波長エッジの間でのレーザ放出である。最後のパラメーターは、λ
C(1)(1216)がΔλ
BPF、S1(1217)の最高波長エッジと出力カプラ(1218)の最低波長の間でレーザ放出される。この設計の別の反復では、速軸で最初にスペクトルビーム結合され、その後に遅軸のスペクトルビーム結合が行われる。
【0090】
実施形態では、結合されたレーザビーム、例えば、1307の、開口面積発散角積で除算した合計出力として定義される。ここで、輝度は、レーザセンブリのためのダイオード集合(ダイオードアレイ、レーザダイオードのアレイ、レーザダイオードバー、または個々のチップの集合など)における単一のダイオードよりもn倍(「n」x)明るい。したがって、結合ビームは約1.5x、約10x、約25x、約50x、約150x、約300x、約1.5xから約300x、約100xから約150x、およびこれらの範囲内のすべての値、レーザダイオードの集合で使用される単一のレーザダイオードよりも5x、50x、100x以上明るい。特に、輝度のこのn倍の増加は、青、緑、青緑、および可視波長のレーザビームの実施形態である。
【0091】
表1は、2次元スペクトルビーム結合構成の140-2.5ワットのレーザダイオードで達成可能な出力、輝度、および性能を示している。この表は、ビルディングブロック350Wモジュールに基づくレーザシステムの出力と輝度が、ファイバーコンバイナを使用してプロセスファイバーに入射することで、数kWの出力レベルにどのように拡大するかを示している。
【0092】
【0093】
同じモジュールは、輝度を保存するがモジュールの交換をわずかに複雑にする自由空間で組み合わせることができる。自由空間の組み合わせで達成できるパワーとビームのビームパラメータ積を表2に示す。
【0094】
【0095】
以下の表は、各デバイスが約6.5ワットである高出力青色レーザダイオードを使用しての効果を示している。140個のレーザダイオードのベースモジュールは約900ワットであり、これらのモジュールはファイバーコンバイナを介して結合され、表3に示すとおり、高出力、高輝度の青色レーザダイオードシステムを構築する。
【0096】
【0097】
例(Examples)
【0098】
以下の例は、本レーザシステムおよび動作の様々な実施形態を例示するものであり、電子記憶装置内のコンポーネントを含むコンポーネントを溶接するためのレーザシステムを含む。これらの例は、例示を目的とするものであり、予測的なものであり、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、そうであると見なされるべきではない。
【0099】
例1
【0100】
高出力、高輝度レーザシステムの実施形態は、2つの個別の高出力レーザダイオードを有する。ダイオードは、約2W-10Wの範囲のものとすることができる。好ましいダイオードレーザは、赤外線で達成可能なストライプ幅<100ミクロンの10ワットのものである。青い波長範囲のダイオードは、ストライプ幅が40ミクロン未満の約2.5W-6.5ワットのものとすることができる。このシステムは、これら個々の高出力レーザダイオードによって共有される共通の外部キャビティを有する。このシステムは、3、4、10、1ダース以上のレーザダイオードを使用してスケーリングできる(たとえば、
図3)。このシステムは更に、各高出力レーザダイオードから平行ビームを生成するためのコリメート光学手段を有する。このシステムは、共通の外部キャビティ内に各レーザダイオードの波長を決定するビーム結合光学手段を有し、各レーザダイオードは、同一直線上に整合され、空間で重なり合うように調整される。このシステムは、単一のレーザダイオードの輝度のn倍の、システムからのレーザ光源の空間輝度を提供するものであり、ここで輝度は、組み合わせたパワーを開口面積発散角積で割ったものとして定義される。レーザダイオードの利用可能なゲインカーブを完全に満たす2次元アレイは、単一のレーザダイオードの輝度の30倍の光源を生成できる(たとえば、
図3)。 最初の30個のレーザダイオードのゲインスペクトル以外の異なるゲインスペクトルを持つレーザダイオードを選択することで、さらに高い空間輝度が実現可能になり、レーザダイオード光源の空間輝度を単一のデバイスの空間輝度の2倍から60倍に増やすことが可能になる。これは、目的のレーザ光源の最終帯域幅に応じて、広範囲に拡張できる。実用的な範囲は、全体の空間輝度が150倍に近づく場合、~100nm、たとえば405-505nmである。
【0101】
例2
【0102】
外部キャビティの一実施形態では、ビーム結合光学手段は、バンドパスフィルタのスペクトルの低域端または高域端のいずれかのエッジで使用される光学フィルタのセットである。
【0103】
例3
【0104】
例1のシステムの実施形態では、外部キャビティレーザは400-500nmの範囲で動作し、出力パワーは1ワット以上であり、ビームパラメータ積は0.1mm-mrad以上である。
【0105】
例4
【0106】
一実施形態では、外部キャビティレーザは500-600nmの範囲で動作して、1ワット以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積となる。
【0107】
例5
【0108】
一実施形態では、外部キャビティレーザは、720-800nmの範囲で動作し、出力は1ワット以上であり、ビームパラメータ積は0.1mm-mrad以上である。
【0109】
例6
【0110】
外部キャビティレーザの一実施形態では、出力が>1ワットで、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上の800-900nmの範囲で動作している。
【0111】
例7
【0112】
外部キャビティレーザの一実施形態では、900-1200nmの範囲で動作し、出力が1ワットを超え、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上である。
【0113】
例8
【0114】
外部キャビティレーザの一実施形態では、1200nm-1120nmの範囲で動作し、出力が1ワット以上であり、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上である。
【0115】
例9
【0116】
外部キャビティレーザの一実施形態では、出力が1ワット以上で、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上の1400-1500nmの範囲で動作している。
【0117】
例10
【0118】
外部キャビティレーザの一実施形態では、1500-2200nmの範囲で動作し、出力が>1ワットであり、ビームパラメータ積が0.1mm-mrad以上である。
【0119】
例11
【0120】
一実施形態では、バンド間カスケードレーザに基づく外部空洞レーザで、(1)>1ワットの出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で2200-3000nmの範囲で動作する。
【0121】
例12
【0122】
一実施形態では、量子カスケードレーザに基づく外部キャビティレーザで、(1)>1ワットの出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で3000nm-4000nmの範囲で動作する。
【0123】
例13
【0124】
一実施形態では、システムの外部キャビティは、一組の体積ブラッグ格子フィルタであるビーム結合光学手段を有する。これらのフィルタは非常に狭い反射スペクトルを持つことができ、同じ性能を達成するためにダイクロイックコンバイナプローチのように2つのフィルタの違いに依存しない。さらに、これらのブラッグ格子は、単一の感光性ガラスに直接書き込むことができ、後研磨や個々のブロックの位置合わせの必要性を排除する。1つ以上の体積ブラッグ格子は、個々のレーザダイオードからの光スペクトルの一部を、アレイ内の前のレーザダイオードと同一線上に方向変えする。このようにして、体積ブラッグ格子によって導かれた後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度のN倍(Nは結合されるレーザダイオードの数)になる。このように、一連のN個の体積ブラッグ格子においては、体積ブラッグ格子Nを透過する最大点は、レーザダイオードN-1、N-2、N-3、…1のレーザスペクトルのピークN-1、N-2、N-3、…1と一致し、同時にレーザダイオードNの最大ビーム偏向を提供する。この実施形態は、例1および他の例の実施形態で利用することができる。その実施形態の1つが
図1Aに示されている。
【0125】
例14
【0126】
例13のシステムなどのレーザシステムの実施形態では、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0127】
例15
【0128】
レーザシステムの実施形態、例えば例13のシステムでは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0129】
例16
【0130】
レーザシステムの実施形態、例えば、例13のシステムでは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する。
【0131】
例17
【0132】
レーザシステムの実施形態、例えば、例13のシステムでは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する。
【0133】
例18
【0134】
レーザシステムの実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0135】
例19
【0136】
例13のシステムなどのレーザシステムの実施形態では、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0137】
例20
【0138】
レーザシステムの実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する。
【0139】
例21
【0140】
レーザシステムの一実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する。
【0141】
例22
【0142】
レーザシステムの一実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で、単一素材に形成された個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0143】
例23
【0144】
レーザシステムの実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で、単一の素材に形成された個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0145】
例24
【0146】
レーザシステムの実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で、単一の素材に形成された個々の反射体積ブラッグ格子のTMードで動作する。
【0147】
例25
【0148】
レーザシステムの一実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で、単一の素材に形成された個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する。
【0149】
例26
【0150】
レーザシステムの一実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の遅軸上で、単一素材に形成された個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0151】
例27
【0152】
レーザシステムの一実施形態、例えば例13のシステムでは、レーザシステムは、放出されたレーザダイオード光の速軸上で、単一素材に形成された個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する。
【0153】
例28
【0154】
システムの一実施形態では、システムは、コリメーション後のレーザダイオード出力光伝搬方向に対して最大90°の角度で個々のレーザダイオードからのパワーの一部を方向変えする1つ以上の光学コーティングを有する。このシステムでは、近距離場(ニアフィールド)と遠距離場(ファーフィールド)での光伝搬方向は、光学コーティングによって方向変えされた後、2つ以上の個々のレーザダイオード間で同一とされる。このようにして、光学コーティングによって導かれた後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりも、組み合わされるレーザダイオードの数Nとして、N倍明るくなる。したがって、一連のN個の光学コーティングでは、光学コーティングNの最大透過点はN-1、N-2、N-3、…1のレーザダイオードのN-1、N-2、N-3、…1のレーザスペクトルのピークと一致し、同時にレーザダイオードNの最大ビーム偏向を提供する。この実施形態は、例1の実施形態、および
図1の実施形態を含む他の例において利用することができる。
【0155】
例29
【0156】
一実施形態では、レーザ源は、1つ以上の体積ブラッグ格子を有する。光学コーティングからの出力光の方向は、体積ブラッグ格子からの出力光の方向に対して90°である。体積ブラッグ格子と光学コーティングによって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、Nを個々のレーザの数とした場合、ダイオードビーム個々のレーザダイオードビームの輝度のN倍になり、光学コーティングの数をCとした場合、N/Cはグループとして体積ブラッグ格子によってグループとして結合される個々のレーザダイオードビームの数となる。体積ブラッグ格子によって組み合わされた個々のレーザダイオードの組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的となる。
【0157】
したがって、任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子の光帯域幅M-1=ΔλM-1、体積ブラッグ格子M-1の高額帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2とした場合、ΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる。
【0158】
さらに、任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、光学コーティングX-1の光帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1、光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX-2とした場合、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2等々となる。
【0159】
さらに、任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、および体積ブラッグ格子の光帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1、および体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM2≒λcとした場合、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0160】
例30
【0161】
一実施形態では、システムは、1つ以上の光学コーティングを有する。
体積ブラッグ格子からの出力光の方向は、光学コーティングからの出力光の方向に対して90°である。体積ブラッグ格子と光学コーティングによって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、Nを個々のレーザの数とした場合、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもN倍明るく、Bを体積ブラッグ格子の数とした場合、N/Bはグループとして光学コーティングによって結合される個々のレーザダイオードビームの数となる。体積ブラッグ格子によって組み合わされたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的である。
【0162】
光学コーティングによって組み合わされたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的である。
【0163】
したがって、任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、体積ブラッグ格子M-1の光帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1であり、体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2とした場合、ΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる。
【0164】
さらに、任意の中心青色波長λc、光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、光学コーティングX-1の光帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1で、光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX-2とした場合、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2などとなる。
【0165】
さらに、任意の中心青色波長λc、体積ブラッグ格子Xからの光帯域幅=ΔλXおよびコーティングの合計の光帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、体積ブラッグ格子X-1からの光帯域幅=ΔλX-1、光学コーティングの合計の光帯域幅ΣΔλM2-1とした場合、λc(ΔλX-1)≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0166】
例30A
【0167】
例30の実施形態は、他の例の実施形態で利用される。
【0168】
例31
【0169】
レーザシステムの実施形態では、システムは、後続の体積ブラッグ格子からの出力光方向が、その前の体積ブラッグ格子からの出力光方向に対して90°である体積ブラッグ格子によって結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームの輝度よりもN倍明るくなる。この場合のNは個々のレーザダイオードビームの数であり、Bを二次的体積ブラッグ格子の数とした場合、N/Bは、グループとして一次体積ブラッグ格子によって結合される個々のレーザダイオードビームの数となる。
【0170】
一次体積ブラッグ格子によって組み合わされたレーザダイオードの各個々の組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的である。二次体積ブラッグ格子によって結合されたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的である。
【0171】
したがって、任意の中心青色波長λc、一次体積ブラッグ格子Mからの光帯域幅=ΔλM、一次体積ブラッグ格子M-1の光帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ΔλM、λc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、二次体積ブラッグ格子M-2からの光帯域幅=ΔλM-2とした場合、ΔλM-2≒ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる。
【0172】
さらに、任意の中心青色波長λc、一次体積ブラッグ格子Xからの光帯域幅=ΔλX、二次体積ブラッグ格子X-1の光帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλXおよびλc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、二次体積ブラッグ格子X-2からの光帯域幅=ΔλX-2とした場合、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2などとなる。
【0173】
さらに、任意の中心青色波長λc、一次体積ブラッグ格子Xからの光帯域幅=ΔλX、および一次体積ブラッグ格子の和の光帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、二次体積ブラッグ格子X-1からの光帯域幅=ΔλX-1、および一次体積ブラッグ格子の合計の光帯域幅ΣΔλM2とした場合、(ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0174】
例31A
【0175】
例31の実施形態は、他の例の実施形態で利用される。
【0176】
例32
【0177】
一実施形態では、レーザシステムは、1つまたは複数の光学コーティングを有する。次の光学コーティングからの出力光の方向は、前の光学コーティングからの出力光の方向に対して90°とされる。光学コーティングで結合された後の個々のレーザダイオードビームの合計の輝度は、個々のレーザダイオードビームのN倍で、この場合のNは個々のレーザダイオードビームの数であり、Cを二次光学コーティングの数とした場合、N/Cは、グループとして一次光学コーティングによって結合される個々のレーザダイオードビームの数となる。
【0178】
一次光学コーティングによって組み合わされたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的である。二次光学コーティングによって組み合わされたレーザダイオードの個々の組み合わせの光帯域幅は、相互に排他的である。
【0179】
したがって、任意の中心青色波長λc、一次光学コーティングMからの光帯域幅=ΔλM、二次光学コーティングM-1の光帯域幅=ΔλM-1とした場合、ΔλM-1≒ΔλMおよびλc(ΔλM)-λc(ΔλM-1)≧ΔλM-1となり、二次光学コーティングM-2からの光帯域幅≒ΔλM-2とした場合、ΔλM-2=ΔλMおよびλc(ΔλM-1)-λc(ΔλM-2)≧ΔλM-2などとなる。
【0180】
さらに、任意の中心青色波長λc、二次光学コーティングXからの光帯域幅=ΔλX、二次光学コーティングX-1の光帯域幅=ΔλX-1とした場合、ΔλX-1≒ΔλX、λc(ΔλX)-λc(ΔλX-1)≧ΔλX-1となり、2次光学コーティングX-2からの光帯域幅=ΔλX2とした場合、ΔλX-2≒ΔλXおよびλc(ΔλX-1)-λc(ΔλX-2)≧ΔλX-2などとなる。
【0181】
さらに、任意の中心青色波長λc、二次コーティングXからの光帯域幅=ΔλXおよび一次光学コーティングの合計の光帯域幅ΣΔλM1とした場合、ΔλX≧ΣΔλM1およびλc(ΔλX)≒λc(ΣΔλM1)となり、二次光学コーティングX-1からの光帯域幅=ΔλX-1および一次光学コーティングの合計の光帯域幅ΣΔλM2とした場合、ΔλX-1≧ΣΔλM2およびλc(ΔλX-1)≒λc(ΣΔλM2)などとなる。
【0182】
例32A
【0183】
例32の実施形態は、他の実施例の実施形態で利用される。
【0184】
本発明の実施形態の主題である、またはそれに関連する、新規で画期的なプロセス、システム、材料、性能、または他の有益な特徴および特性の基礎となる理論を提供または言及することは必要とされない。しかしながら、この分野の技術をさらに前進させるために、本明細書ではさまざまな理論が提供されている。本明細書に記載されている理論は、特に明記されていない限り、クレームされた発明に与えられる保護の範囲を決して制限、または狭めるものではない。これらの理論の多くは、本発明を利用するために必要でも実際的なものでもない。さらに、本発明は、本発明の方法、物品、材料、デバイス、およびシステムの実施形態の機能特徴を説明するための新しい、そしてこれまで未知の理論を導き得ることが理解される。そして、そのような後に開発された理論は、本発明に与えられる保護の範囲を制限するものではない。
【0185】
本明細書に記載のシステム、機器、技術、方法、活動および動作の様々な実施形態は、本明細書に記載のものに加えて、様々な他の活動および他の分野で使用することができる。
さらに、これらの実施形態は、例えば、以下で使用されてもよい:将来開発される可能性のある他の機器または活動;また、本明細書の教示に基づいて部分的に変更される可能性のある既存の機器またはアクティビティ。さらに、本明細書に記載のさまざまな実施形態は、異なるさまざまな組み合わせで互いに使用することができる。したがって、例えば、本明細書の様々な実施形態で提供される構成を互いに使用することができる。また、本発明に与えられる保護の範囲は、特定の実施形態、例、または特定の図の実施形態に記載されている特定の実施形態、構成または配置に限定されるべきではない。
【0186】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示されたもの以外の形態で具現化されてもよい。説明された実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.各々が0.25W以上の出力を有する複数のレーザダイオードであって、それぞれレーザビーム経路に沿ってレーザビームを提供するように構成される複数のレーザダイオードと;
b.該複数のレーザダイオードのそれぞれによって共有される共通の外部キャビティと;
c.該複数のレーザダイオードのそれぞれから平行ビームを生成するための該レーザビーム経路内のコリメーティング光学手段と;
d.該共通の外部キャビティ内で該レーザビーム経路内のビーム結合光学手段であって、各レーザダイオードの対する1つのバンドエッジを有し、それにより各レーザダイオードの波長を決定し、該複数のレーザダイオードからの各レーザビーム経路を同一直線上に位置合わせし、空間で重なり合うようにすることにより、1つの複合出力レーザビームを提供するビーム結合光学手段と、
を有し、
e.該複合出力レーザビームの、合成パワーを開口面積発散角積で除算した空間輝度が、該複数のレーザダイオード内の任意の単一レーザダイオードのレーザビームの輝度よりも大きくなるようにしたレーザシステムであって、
該複数のレーザダイオードは、N個のダイオードからなり、該N個のダイオードのそれぞれは、第1ピークを有する発振スペクトルのレーザビームを放射し、該ビーム結合光学手段は、N-1個の体積ブラッグ格子フィルタからなる複数の体積ブラッグ格子からなり、該複数の体積ブラッグ格子と該レーザダイオードのN-1個は光学的に関連付けられて該複数の体積ブラッグ格子の各体積ブラッグ格子を通る最大透過点が、該複数のレーザダイオードの該N-1個のレーザダイオードのN-1、N-2からN-(N-1)から放射されたレーザビームの該第1ピークと一致するように構成されており、該空間輝度が該単一レーザダイオードのレーザビームの輝度の少なくともN-1倍となるようにされている、レーザシステム。
【請求項2】
該空間輝度が該単一レーザダイオードのレーザビームの輝度のN倍となるようされている、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
該複数のレーザダイオードのうちの1つのレーザダイオードは、体積ブラッグ格子と光学的に関連付けられておらず、当該レーザシステムは、該1つのレーザダイオードの最大ビーム偏向を提供する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
該放出されたレーザビームの遅軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項5】
該放出されたレーザビームの速軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項2に記載のレーザシステム。
【請求項6】
該放出されたレーザベームの遅軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項7】
該放出されたレーザビームの速軸および個々の反射体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項8】
該放出されたレーザビームの遅軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項2に記載のレーザシステム。
【請求項9】
該放出されたレーザビームの速軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTEモードで動作する、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項10】
該放出されたレーザビームの遅軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項11】
該放出されたレーザビームの速軸および個々の透過体積ブラッグ格子のTMモードで動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項12】
1ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で400-500nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項13】
1ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で500-600nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項14】
1ワット以上の出力および0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で720-800nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項15】
10W以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で400-500nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項16】
10W以上の出力パワーおよび0.1mm-mrad以上のビームパラメータ積で500-600nmの範囲で動作する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項17】
該複数のレーザダイオードのそれぞれのレーザビーム出力が0.5W以上である、請求項15又は16に記載のレーザシステム。
【請求項18】
該複数のレーザダイオードのそれぞれのレーザビーム出力が1W以上である、請求項15又は16に記載のレーザシステム