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  • 特開-殺菌機能付きエアーシャワー装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058768
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】殺菌機能付きエアーシャワー装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20230419BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20230419BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20230419BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20230419BHJP
【FI】
F24F7/06 C
A61L9/20
A61L9/00 Z
F24F8/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168466
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】511116432
【氏名又は名称】株式会社バンブーケミカル研究所
(71)【出願人】
【識別番号】595170317
【氏名又は名称】西岡 守
(71)【出願人】
【識別番号】512189451
【氏名又は名称】株式会社岡部機械工業
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 正幸
【テーマコード(参考)】
3L058
4C180
【Fターム(参考)】
3L058BF04
3L058BG04
4C180AA07
4C180AA16
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH19
4C180KK04
4C180LL20
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、病院や保健機関、及び食品や精密機器工場の入口付近に設置されて、人が小部屋に入って衣服等に着いたゴミやウイルス菌を除去する機能を有するエアーシャワー装置に関するものである。
【解決手段】
本体1と、空気タンク2内の中の空気をタンクの内部に取り付けられた深紫外LED3aで殺菌し、この空気タンク2内の空気を、フィルター4aを通過して、送風駆動部5によって空気が圧送される給気配管6を通って、シャワー室7の壁面に取り付けられた送風ノズル8まで送られて、入室者に向かって空気が勢いよく吹き付けられる。この空気タンク内で殺菌された空気が人の衣服に当たって、衣服などに着いたゴミやウイルス菌を吹き落とし、下部の空気排出口9から出て、排気管10とフィルター4bを通って再度空気タンク2の中に戻される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、空気吹き出しノズルが内壁に取り付けられたシャワー室と、人が出入りする開閉扉部と、送風発生器と、排気グレーチング部と、駆動源としての電源供給部と、制御部とから構成されるエアーシャワー装置において、空気吹き出しノズルから噴出する直前に内部に貯めている空気を殺菌するLEDを配置した空気タンクと、前記空気タンクからシャワー室に接続される給気管と、シャワー室から排気される空気を空気タンクに接続する排気管から構成される閉ループの循環構造を形成することを特長とする殺菌機能付きエアーシャワー装置。
【請求項2】
人が入るシャワー室内にも空気を殺菌、又は不活性化するLEDを配置し、不使用の時に空気タンクと循環系路内で連動してシャワー室内の空気を殺菌することを特徴とする請求項1に記載の殺菌機能付きエアーシャワー装置。
【請求項3】
空気タンク内で空気に照射するLEDが波長の短い深紫外線を発するLEDであることを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載のエアーシャワー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人が小部屋に入って衣服等に着いたゴミ、及び菌を除去する機能を有するエアーシャワーに関するもので、従来の密閉空間内で人体に空気を吹き付けて衣服に付着しているゴミ等を落とす機能に加えて、コロナウイルス菌等の感染力の強い菌に対して殺菌又は、不活性化の効果を有するエアーシャワー機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、エアーシャワーは密閉空間内で人体に空気を吹き付けて衣服に付着しているゴミ等を落とす機能をもつ機器であり、これは新型コロナウイルス等の感染防止には、何も効果を発揮せず、衣服等に付いたウイルス菌を小部屋内にまき散らかすだけで殺菌、又は不活性化させる機能は全く有していない。
また、消毒機能をもつエアーシャワーは使われる場合もあるが、新型コロナウイルスなどの強い感染力のある対象のウイルスに対しては、十分に効果を発揮しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-098378号公報
【特許文献2】特開平11-063605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、エアーシヤワーに用いる循環空気を、衛生上クリーンなものにすることによって、カビや雑菌類が発生しないように工夫した循環式エアーシヤワー装置を提供する内容である。
その解決手段として、本体内に区画形成した空気浄化室とシヤワー室の間を連通する空気流通路に、殺菌灯とオゾン灯を設け、シヤワー室に入室者が入っていない時にオゾン灯の点灯と、空気を循環するブロアーの減速運転を行なってオゾン燻蒸を行ない、シヤワー室に入室者がいる時は殺菌灯の点灯とブロアーの通常運転を行なって、エアーノズルを通してシヤワー室内に殺菌済みの空気を噴射する。
この場合、殺菌灯とオゾン灯によって入室者が入っている時といない時に分けて、シャワー室と循環経路を殺菌するが、新型コロナウイルスなどの強い感染力のある対象のウイルスに対しては、十分に効果を発揮しないという問題 ある。
また、特許文献2の場合、極めて簡単な構造で、エアーシャワー室を無菌状態に保持し、殺菌に使用した薬品の悪臭等を短時間で能率よく消臭して、快適に使用する。
エアーシャワー室の換気方法は、吸入フィルターを介して、無菌室内の空気をエアーシャワー室に吸入し、エアーシャワー室の空気を無菌室に排気して、エアーシャワー室を無菌室に換気する。
この特許文献2はエアーシャワー室の空気を無菌室に排気することで、エアーシャワー室を無菌室に換気することができるが、新型コロナウイルスなどの強い感染力のある対象のウイルスに対しては、十分に効果を発揮しないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、シャワー室に入った人の衣服などに付着している感染力の強いウイルス菌に対して、空気タンク内で効果的に深紫外LEDを照射して完全に菌を死滅、又は不活性化させた空気を、シャワー室内のノズルから空気を吹き付けて、入室した人の衣服等に付着しているウイルス菌等を除去して、空気タンク内に戻して、この空気タンク内に取り付けられた深紫外LEDを照射させることで、ウイルス菌を死滅又は、不活性化させるためのエアーシャワー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、例えば新型コロナウイルスの様な感染し易い菌に対して、シャワー室内で衣服に着いたゴミと共に、殺菌力の強い菌を除去するだけでなく、更に衣服から除去したウイルス菌を確実に空気タンク内に戻して深紫外LEDの照射によって殺菌、又は不活性化させる機能を有するエアーシャワーを提供することである。
実施例として、本体1と、空気タンク2内の中の空気をタンクの内部に取り付けられた深紫外LED3aで殺菌又は不活性化し、この空気タンク2内の空気を、フィルター4aを通過して、送風駆動部5によって空気が圧送される給気配管6を通って、シャワー室7の壁面に取り付けられた送風ノズル8まで送られて、入室者の衣服に空気が勢いよく吹き付けられる。この空気タンク内で殺菌された空気が勢いよく当たって、衣服などに着いたゴミやウイルス菌を吹き落とし、下部の空気排出口9から出て、排気管10とフィルター4bを通って再度空気タンク2に戻される。また、新しい空気の取り入れ口11には、フィルター12が取り付けられ、配管13は、流量調節バルブ14を経て、空気タンク2に接続される。またシャワー室7の壁面に入室した人を感知するセンサー15と深紫外LED3b、が取り付けられて、開閉扉16と、全体の制御機器17で構成されている。
シャワー室7内に取り付けられた深紫外LED 3bは、人がシャワー室7内に入室している時は、人の皮膚などに深紫外LEDの照射光が直接当たると安全性が保証できないため、このシャワー室内のLED 3bは、人がシャワー室7から退室して開閉扉16が閉まってから、内部の空気循環系統で一定時間を稼動させて殺菌する際に、シャワー室7内を含む機器内に取り付けられている全ての深紫外LED3a、3b,が照射してウイルス菌を殺菌又は、不活性化させるようになっている。
この空気を人の衣服に吹き付けて、使用済みの空気を再度空気タンク2まで循環することにより、空気タンク内2の深紫外LED3aと、シャワー室内7内の深紫外LED3bとで殺菌又は不活性化させて、この循環を毎回繰り返すことで、空気の殺菌、又は不活性化の効果を益々高めることができると同時に、菌の混入の可能性のある空気をシャワー室の外部に出さないことで安全である。
更に、新鮮な空気も一定の比率で空気取入れ口11から、フィルター12を通過して流入させることができるようになっている。
まず、入室者が開閉扉16から入室すると、センサー13が人を感知してシャワー室7の壁面に取り付けられた送風ノズル8から空気タンク2内で殺菌又は不活性化された空気が吹き出して、衣類に着いたゴミやウイルス菌などを除去し、一定の設定時間が経過したら空気の吹き出しが停止して、人が開閉扉16から外に出る。この人が入室している間は、シャワー室7内に取り付けられている深紫外LED3bは照射しないが、人が退室した後は、設定時間内で、シャワー室内の3bと空気タンク内の深紫外LED3aが同時に点灯して内部の空気に照射し、空気循環により機器内の経路全体を殺菌、又は不活性化する機能をもっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば感染力の強い新型コロナウイルスに対して99.9%まで菌を死滅、又は不活性化させることが可能な短波長の深紫外LEDを一定時間、空気タンクの中で空気に照射させることで、空気が殺菌、又は不活性化されて、その空気をシャワー室内に入った人の衣服等にノズルから勢いよく吹き付けて、ゴミと菌を同時に衣服から除去することが可能な機能を備えた殺菌、又は不活性化機能付きのエアーシャワーを提供することができる。
また、人の衣服などに当たって回収された空気は再度、空気タンクに戻されて、空気タンクの中で、深紫外LEDによって殺菌、又は不活性化されて、ゴミはフィルターによって収集されて除去される。この様に機器内の空気タンクとシャワー室の空気を閉ループで循環させることで、殺菌又は不活性化の度合いが増す効果があると同時に、菌を含んだ空気をシャワー室の外に出さず、菌を外に拡散させない効果もある。
本発明は、現在、病院や保健機関、及び食品工場や、半導体などの精密機器を製造する工場などの入り口付近に設置されて、衣服に付着しているゴミの除去が実施されているが、この機能に加えて、ウイルス菌の殺菌、又は不活性化と、菌の拡散防止に対する取り組みとして、その問題の解決につながる発明である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による殺菌機能付きエアーシャワー装置の側面図
図2】本発明の実施形態による殺菌機能付きエアーシャワー装置の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図1図2を用いて、本発明の実施形態による殺菌用LED付きエアーシャワー装置を説明する。
尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【0010】
図1図2に示すように、本実施形態は、本体1と、空気タンク2、深紫外LED3a、3b,フィルター4a4b、送風駆動部5、給気配管6 ,シャワー室7, 送風ノズル8, 空気排出口9. 排気管10, 空気の取り入れ口11,フィルター12, .送風機13 ,流量調節バルブ14 ,センサー15,開閉扉16,制御機器17で構成される。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は産業上では日常生活において、病院や保健機関、及び食品工場や、精密機器を製造する工場などで、衣服などに付着しているゴミを除去すると同時に、コロナウイルス菌等の感染力の強い菌に対して、確実に機器の内部で殺菌、又は不活性化できる機器として利用できる。
【符号の説明】
【0012】
本体1、空気タンク2、深紫外LED3a、3b,フィルター4a4b ,送風駆動部5、給気配管6 シャワー室7, 送風ノズル8,a8b 空気排出口9. 排気管10, 空気の取り入れ口11,フィルター12, .送風機13 ,流量調節バルブ14 ,センサー15,開閉扉16,制御機器17
図1
図2