(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058787
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】特定システム、及び特定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230419BHJP
G01S 1/68 20060101ALI20230419BHJP
G01C 5/06 20060101ALI20230419BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20230419BHJP
E04G 21/00 20060101ALI20230419BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20230419BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
G06Q10/06
G01S1/68
G01C5/06
G01C15/00 104C
E04G21/00 ESW
G06Q50/08
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168497
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】福田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】寺島 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】森保 伸也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祥平
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC12
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF32
5H181FF40
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】特定対象を管理するために有用な情報を特定する特定システム及び特定プログラムを提供する事を目的とするとする。
【解決手段】特定対象の位置又は領域を特定するためのサーバ装置2であって、建物に関する位置及び当該位置に対応する領域を示す位置領域関連情報を格納する格納手段と、前建物に関して特定対象が存在する位置を示す位置情報、又は、建物に関して特定対象が存在する領域を示す領域情報の内の一方の情報を取得する取得部231と、取得部231が取得した一方の情報と格納手段の位置領域関連情報とに基づいて、位置情報又は領域情報の内の他方の情報であって、一方の情報に関連する他方の情報を特定する管理部232と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定対象の位置又は領域を特定するための特定システムであって、
建物に関する位置及び当該位置に対応する領域を示す位置領域関連情報を格納する格納手段と、
前記建物に関して前記特定対象が存在する位置を示す位置情報、又は、前記建物に関して前記特定対象が存在する領域を示す領域情報の内の一方の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記一方の情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記位置情報又は前記領域情報の内の他方の情報であって、前記一方の情報に関連する前記他方の情報を特定する管理手段と、
を備える特定システム。
【請求項2】
前記位置情報は、前記建物内の水平方向の位置又は垂直方向の高さを示す情報であり、
前記領域情報は、少なくとも、前記建物の棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域を示す情報を含む、
請求項1に記載の特定システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記建物内における垂直方向の所定位置の気圧を示す第1気圧情報と、前記特定対象が存在する位置の気圧を示す第2気圧情報とに基づいて、前記建物内において前記特定対象が存在する垂直方向の高さを示す情報を前記位置情報として取得し、
前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記位置情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する階を示す情報を前記領域情報として特定する、
請求項1又は2に記載の特定システム。
【請求項4】
前記建物には、無線信号を出力するビーコンが設置されており、
前記取得手段は、前記特定対象側で受信した前記ビーコンからの前記無線信号に基づいて、前前記特定対象が存在する前記建物内の水平方向の位置を示す情報を前記位置情報として取得し、
前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記位置情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する工区を示す情報を前記領域情報として特定する、
請求項1から3の何れか一項に記載の特定システム。
【請求項5】
前記取得手段は、
前記特定対象が存在する階を入力するための階入力画面であって、前記建物の各階を選択するための複数の選択欄が降順に表示されている前記階入力画面を表示する第1処理と、
前記第1処理で表示した前記階入力画面において、ユーザが1個の階を選択するための選択操作を行った場合に、当該選択操作で選択された前記1個の階を示す情報を前記領域情報として取得する第2処理と、を行う、
請求項1から4の何れか一項に記載の特定システム。
【請求項6】
前記格納手段の前記位置領域関連情報は、前記建物の各階を示す情報と、各階に対応する前記建物の垂直方向の標準高さを示す情報とを含み、
前記取得手段は、前記特定対象が存在する階を示す情報を前記領域情報として取得し、
前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記領域情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する垂直方向の標準高さを示す情報を前記位置情報として特定する、
請求項1から5の何れか一項に記載の特定システム。
【請求項7】
前記格納手段の前記位置領域関連情報は、前記建物の各部屋を示す情報と、各部屋に対応する前記建物の水平方向の座標を示す情報とを含み、
前記建物の各部屋には、前記建物の各部屋を示すコード情報が付されており、
前記取得手段は、前記特定対象側で読み取った前記コード情報に基づいて、前記特定対象が存在する部屋を示す情報を前記領域情報として取得し、
前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記領域情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する水平方向の座標を示す情報を前記位置情報として特定する、
請求項1から6の何れか一項に記載の特定システム。
【請求項8】
前記管理手段は、前記一方の情報と、当該一方の情報に関連する前記他方の情報とを出力する、
請求項1から7の何れか一項に記載の特定システム。
【請求項9】
特定対象の位置又は領域を特定するための特定プログラムであって、
コンピュータを、
建物に関する位置及び当該位置に対応する領域を示す位置領域関連情報を格納する格納手段と、
前記建物に関して前記特定対象が存在する位置を示す位置情報、又は、前記建物に関して前記特定対象が存在する領域を示す領域情報の内の一方の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記一方の情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記位置情報又は前記領域情報の内の他方の情報であって、前記一方の情報に関連する前記他方の情報を特定する管理手段と、
として機能させる特定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定システム、及び特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末を有するユーザの位置情報を検出する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建物に関して特定対象を管理する際に、特定対象が存在する位置を特定することが要望される場合や、あるいは、特定対象が存在する領域を特定することが要望される場合があり、特定対象を管理するために有用な情報を特定する技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、特定対象を管理するために有用な情報を特定する特定システム及び特定プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の特定システムは、特定対象の位置又は領域を特定するための特定システムであって、建物に関する位置及び当該位置に対応する領域を示す位置領域関連情報を格納する格納手段と、前記建物に関して前記特定対象が存在する位置を示す位置情報、又は、前記建物に関して前記特定対象が存在する領域を示す領域情報の内の一方の情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記一方の情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記位置情報又は前記領域情報の内の他方の情報であって、前記一方の情報に関連する前記他方の情報を特定する管理手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の特定システムは、請求項1に記載の特定システムにおいて、前記位置情報は、前記建物内の水平方向の位置又は垂直方向の高さを示す情報であり、前記領域情報は、少なくとも、前記建物の棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域を示す情報を含む。
【0008】
請求項3に記載の特定システムは、請求項1又は2に記載の特定システムにおいて、前記取得手段は、前記建物内における垂直方向の所定位置の気圧を示す第1気圧情報と、前記特定対象が存在する位置の気圧を示す第2気圧情報とに基づいて、前記建物内において前記特定対象が存在する垂直方向の高さを示す情報を前記位置情報として取得し、前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記位置情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する階を示す情報を前記領域情報として特定する。
【0009】
請求項4に記載の特定システムは、請求項1から3の何れか一項に記載の特定システムにおいて、前記建物には、無線信号を出力するビーコンが設置されており、前記取得手段は、前記特定対象側で受信した前記ビーコンからの前記無線信号に基づいて、前前記特定対象が存在する前記建物内の水平方向の位置を示す情報を前記位置情報として取得し、前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記位置情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する工区を示す情報を前記領域情報として特定する。
【0010】
請求項5に記載の特定システムは、請求項1から4の何れか一項に記載の特定システムにおいて、前記取得手段は、前記特定対象が存在する階を入力するための階入力画面であって、前記建物の各階を選択するための複数の選択欄が降順に表示されている前記階入力画面を表示する第1処理と、前記第1処理で表示した前記階入力画面において、ユーザが1個の階を選択するための選択操作を行った場合に、当該選択操作で選択された前記1個の階を示す情報を前記領域情報として取得する第2処理と、を行う。
【0011】
請求項6に記載の特定システムは、請求項1から5の何れか一項に記載の特定システムにおいて、前記格納手段の前記位置領域関連情報は、前記建物の各階を示す情報と、各階に対応する前記建物の垂直方向の標準高さを示す情報とを含み、前記取得手段は、前記特定対象が存在する階を示す情報を前記領域情報として取得し、前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記領域情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する垂直方向の標準高さを示す情報を前記位置情報として特定する。
【0012】
請求項7に記載の特定システムは、請求項1から6の何れか一項に記載の特定システムにおいて、前記格納手段の前記位置領域関連情報は、前記建物の各部屋を示す情報と、各部屋に対応する前記建物の水平方向の座標を示す情報とを含み、前記建物の各部屋には、前記建物の各部屋を示すコード情報が付されており、前記取得手段は、前記特定対象側で読み取った前記コード情報に基づいて、前記特定対象が存在する部屋を示す情報を前記領域情報として取得し、前記管理手段は、前記取得手段が取得した前記領域情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記特定対象が存在する水平方向の座標を示す情報を前記位置情報として特定する。
【0013】
請求項8に記載の特定システムは、請求項1から7の何れか一項に記載の特定システムにおいて、前記管理手段は、前記一方の情報と、当該一方の情報に関連する前記他方の情報とを出力する。
【0014】
請求項9に記載の特定プログラムは、特定対象の位置又は領域を特定するための特定プログラムであって、コンピュータを、建物に関する位置及び当該位置に対応する領域を示す位置領域関連情報を格納する格納手段と、前記建物に関して前記特定対象が存在する位置を示す位置情報、又は、前記建物に関して前記特定対象が存在する領域を示す領域情報の内の一方の情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記一方の情報と前記格納手段の前記位置領域関連情報とに基づいて、前記位置情報又は前記領域情報の内の他方の情報であって、前記一方の情報に関連する前記他方の情報を特定する管理手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の特定システム、及び請求項7に記載の特定プログラムによれば、位置領域関連情報に基づいて、位置情報又は領域情報を特定することにより、例えば、特定対象を管理するために有用な情報を特定することが可能となる。
【0016】
請求項2に記載の特定システムによれば、位置情報は建物内の水平方向の位置又は垂直方向の高さを示す情報であり、領域情報は建物の棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域を示す情報であることにより、例えば、水平方向の位置又は垂直方向の高さを、棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域に変換したり、あるいは、棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域を、水平方向の位置又は垂直方向の高さに変換したりして、特定対象を管理するために有用な情報を特定することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の特定システムによれば、建物内における垂直方向の所定位置の気圧を示す第1気圧情報と、特定対象が存在する位置の気圧を示す第2気圧情報とに基づいて、垂直方向の高さを示す情報を取得することにより、例えば、高さを示す情報の精度を向上させることができるので、特定対象を管理するために適切な情報を特定することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の特定システムによれば、ビーコンからの無線信号に基づいて位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて領域情報を特定することにより、例えば、GPS信号等を受信し難い建物内でも、ビーコンからの無線信号に基づいて正確な位置情報を取得することがでるので、当該位置情報に基づく領域情報の特定精度を向上させることが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の特定システムによれば、階入力画面においてユーザが1個の階を選択するための選択操作を行った場合に、当該選択操作で選択された1個の階を示す情報を領域情報として取得することにより、例えば、階入力画面を用いて直観的に領域情報を入力させることができるので、利便性を向上させることが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の特定システムによれば、取得手段が取得した領域情報と格納手段の位置領域関連情報とに基づいて、特定対象が存在する垂直方向の標準高さを示す情報を位置情報として特定することにより、例えば、階を標準高さに変換することができるので、特定対象を管理するために適切な情報を特定することが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の特定システムによれば、各部屋に付されているコード情報に基づいて領域情報を取得し、当該領域情報に基づいて位置情報を特定することにより、例えば、特定対象側での部屋を示す情報の入力ミスを防止することができるので、正確な領域情報を取得することができ、位置情報の特定精度を向上させることが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の特定システムによれば、位置情報及び領域情報を出力することにより、位置情報及び領域情報をユーザに知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【
図2】情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。
【
図7】情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。
【
図8】情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。
【
図11】情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る特定システム、及び特定プログラムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、特定システム、及び特定プログラムに関する。特定システムは、特定対象が存在する位置又は領域を特定するためのシステムである。
【0026】
「特定対象」とは、存在する位置又は存在する領域が特定される対象であり、例えば、作業員、端末装置、又は任意の資機材(例えば、建設現場で用いられる高所作業車等)等を含む概念である。
【0027】
「位置」とは、特定対象が存在する場所であり、例えば、所定の座標系を基準とした水平方向又は垂直方向の座標、あるいは、基準位置からの垂直方向の高さ等を含む概念である。「領域」とは、特定対象が存在している一定の広がりを持った区域又は空間等であり、例えば、建物の棟、階、又は工区等を含む概念である。なお、「工区」とは、工事の種類である工種毎に定められている工事が行われる領域を示す概念である。
【0028】
そして、以下の実施の形態では、ユーザ(つまり、ユーザが携帯する端末装置)が存在する領域を特定する場合を例示して説明する。
【0029】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0030】
(構成)
まず、本実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図であり、
図2は、情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。なお、
図1の情報処理システム100に含まれる各装置の個数は任意であるが、例えば、代表して図示されているものについて説明する。また、
図2の建物においては、ビーコン9が多数設けられているが、説明の便宜上、3個のみが図示されている。
【0031】
図1の情報処理システム100は、例えば、端末装置1、サーバ装置2、基準気圧計8、及びビーコン9を備える。
【0032】
(構成‐端末装置)
端末装置1は、ユーザ端末であり、ユーザ(例えば、作業員)によって携帯されるスマートフォン又はタブレット端末等を含む概念であり、一例としては、
図1に示すように、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、気圧測定部14、記録部15、及び制御部16を備える。
【0033】
通信部11は、外部機器(例えば、サーバ装置2)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ13は、各種の画像を表示する画像表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド12と当該ディスプレイ13とがタッチパネルとして一体形成されている。気圧測定部14は、端末装置1が設けられている位置での気圧を測定する気圧測定手段であり、例えば、公知の気圧センサを用いて構成することができる。記録部15は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部16は、端末装置1を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0034】
(構成‐サーバ装置)
図1のサーバ装置2は、前述の特定システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0035】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部21は、外部機器(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0036】
(構成‐サーバ装置‐記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部22は、例えば、図面関連情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)、ビーコン関連情報DB222、工区関連情報DB223、及び階数関連情報DB224を備えており、基準気圧計情報が格納されている。
【0037】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐図面関連情報DB)
図1の図面関連情報DB221は、図面関連情報を格納する手段である。
【0038】
図3は、図面関連情報を例示した図であり、また、
図4は、図面情報を例示した図である。「図面関連情報」は、情報処理システム100が適用される建物(以下、「対象建物」)の図面に関連する情報であり、例えば、
図3に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0039】
図3の階数情報は、対象建物の階を示す情報である(
図3では、1階を示す「1F」等)。
図3の図面情報は、対象建物の平面図の画像を示す情報である。この図面情報としては、
図2に示す対象建物の1階を示す
図4の画像である「101.jpg」等が格納されている。
【0040】
そして、
図3の最上段の情報については、1階の平面図を示す図面情報が「101.jpg」でこと等が示されている。なお、この図面関連情報については、管理者等によって入力された情報に基づいて格納される(特記する場合を除いて、他の情報も同様にして格納されることとする)。
【0041】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐ビーコン関連情報DB)
図1のビーコン関連情報DB222は、ビーコン関連情報を格納する手段である。
【0042】
図5は、ビーコン関連情報を例示した図である。「ビーコン関連情報」は、ビーコン9に関連する情報であり、例えば、
図5に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0043】
図5のビーコンIDは、ビーコン9を一意に識別するビーコン識別情報である(以下、識別情報を「ID」とも称する)。
図5では、
図2に示すように建物の1階に設置されているビーコン901を識別する「ID901」、及びビーコン902、903を識別する「ID902」、「ID0903」等が図示されている。
【0044】
図5の設置位置情報は、ビーコン9が設置されている位置を示す情報である。
図5では、図面情報における座標を設置位置情報として用いる場合が例示されている。なお、ここでの座標の座標系は任意であるが、例えば、1mmが座標の「1」となる直交座標系を用いてもよい。
図5では、例えば、
図2のビーコン901が設置されている1階の図面情報である
図4の「101.jpg」におけるビーコン901が設置されている位置に対応する座標である「X101,Y101」等が図示されている。
【0045】
そして、
図5の最上段の情報については、「IDb901」が識別するビーコン901の位置が、「X101,Y101」に対応する位置であることが示されている。なお、このビーコン関連情報については、後述するビーコン関連情報格納処理を実行することによって格納される。
【0046】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐工区関連情報DB)
図1の工区関連情報DB223は、工区関連情報を格納する手段である。
【0047】
図6は、工区関連情報を例示した図であり、また、
図7~
図8は、情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。「工区関連情報」は、工区に関連する情報であり、具体的には、位置領域関連情報であり、例えば、
図6に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0048】
なお、ここでは、鉄筋工事の工種において、
図7に示す1階の「A-1工区」(ビーコン901の設置位置を含む図面上で斜線が付された領域に対応する工区)等の工区が設定されており、また、内装工事の工種において、
図8に示す1階の「B-1工区」(ビーコン901、903の設置位置を含む図面上で斜線が付された領域に対応する工区)等の工区が設定されている場合を例示して説明する。
【0049】
なお、
図7では、説明の便宜上、鉄筋工事の工区として「A-1工区」のみが図示されているが、実際には、鉄筋工事の工区として他の工区(例えば、「A-2工区」等)も設定されている。なお、
図8も同様である。
【0050】
図6の工種情報は、工種の名称を示す情報である。
図6の工区情報は、建物に関する位置に対応する領域を示す情報であり、例えば、設定されている工区の名称を示す情報である。
図6の範囲情報は、建物に関する位置を示す情報であり、例えば、設定されている工区の階及び範囲を示す情報である。
図6では、図面情報における座標を基準にした情報を範囲を示す情報として用いる場合が例示されている。なお、「Dc011」等は説明の便宜上の記載であり、複数の座標を示すものとする。例えば、
図7の斜線が付されている領域である「A-1工区」関して、1階を示す「1F」と、
図4の「101.jpg」の「A-1工区」の領域に対応する領域を示す座標の集合である「Dc011」との組み合わせである「1F,Dc011」等が図示されている。なお、領域を示す座標の集合としては、工区を特定可能な任意の座標を用いることができるが、例えば、工区の境界を示す座標の集合、あるいは、工区が多角形で示されていることとし、当該多角形の頂点に対応する座標の集合等を用いてもよい。
【0051】
そして、
図6の最上段の情報については、「鉄筋工事」の工種に設定されている工区が「A-1工区」であることが示されており、また、当該「A-1工区」の領域が、1階の「Dc011」で特定される領域であることが示されている。なお、この工区関連情報については、後述する工区関連情報格納処理を実行することによって格納される。
【0052】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐階数関連情報DB)
図1の階数関連情報DB224は、階数関連情報を格納する手段である。
【0053】
図9は、階数関連情報を例示した図である。「階数関連情報」は、階数に関連する情報であり、具体的には、位置領域関連情報であり、例えば、
図9に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0054】
図9の階数情報は、建物に関する位置に対応する領域を示す情報であり、例えば、建物の階を示す情報である。
図9の高さ情報は、建物に関する位置を示す情報であり、例えば、基準位置(一例としては、平均海面等)からの垂直方向の高さを示す情報である。
【0055】
そして、
図9の最上段の情報については、「1F」が示す1階の高さが、基準位置から0mm以上~3000mm未満の高さに対応すること等が示されている。
【0056】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐基準気圧計情報DB)
図1の記録部22の「基準気圧計情報」は、基準気圧計8に関する情報であり、例えば、基準気圧計が設置されている位置の高さを示す情報である。本実施の形態では、基準気圧計8が対象建物の2階に設置されており、例えば、対象建物内にける基準位置(つまり、平均海面等)からの高さが4000mmの位置に設置されていることとし、「基準気圧計情報」としてはこの4000mmを示す情報が格納されていることとする。
【0057】
(構成‐サーバ装置‐制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、機能概念的には、例えば、取得部231、及び管理部232を備える。取得部231は、建物に関して特定対象が存在する位置を示す位置情報、又は、建物に関して特定対象が存在する領域を示す領域情報の内の一方の情報を取得する取得手段である。管理部232は、取得手段が取得した一方の情報と格納手段の位置領域関連情報とに基づいて、位置情報又は領域情報の内の他方の情報であって、一方の情報に関連する他方の情報を特定する管理手段である。なお、このような制御部23の各部によって行われる処理については後述する。
【0058】
(構成‐基準気圧計)
図1の基準気圧計8は、所定の高さ位置に固定して設置されている気圧計であり、例えば、公知の気圧センサを用いて構成することができる。本実施の形態では、前述したように、基準気圧計8が対象建物内における基準位置(つまり、平均海面等)からの垂直方向の高さが4000mmの位置に固定して設置されている場合について説明する。
【0059】
(構成‐ビーコン)
図1のビーコン9は、対象建物内における端末装置1の位置を特定するために用いられる装置である。このビーコン9の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、建設中の建物内の所定位置(天井等)に対して固定して複数個設けられている。また、ビーコン9は、不図示の自己の記録部に自己を一意に識別するビーコンIDが記録されており、このビーコンIDを含むビーコン側信号(無線信号)を、所定時間間隔(例えば、1秒~2秒間隔等)で所定強度にてあらゆる方向に電波として出力(発信)するように構成されている。
【0060】
例えば、
図2に示すように、ビーコン901~903等が、建物の1階に固定して設けられており、
図1に示すように、これらのビーコン901~903の記録部にビーコンIDとして「IDb901」~「IDb903」が格納されている場合について説明する。
【0061】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム100によって実行されるビーコン関連情報格納処理、工区関連情報格納処理、及び情報表示処理について説明する。
【0062】
(処理‐ビーコン関連情報格納処理)
最初に、ビーコン関連情報格納処理について説明する。「ビーコン関連情報格納処理」は、
図5のビーコン関連情報を格納するための処理である。
【0063】
まず、管理者が、対象建物の所定位置(例えば、
図2に図示されている位置等)にビーコン9を設置する。次に、管理者が、設置したビーコン9のビーコンID、設置階、及び設置位置を把握した上で、把握した情報に基づいて
図5のビーコン関連情報を格納するための操作を行った場合に、当該ビーコン関連情報が格納される。
【0064】
例えば
図5の最上段の情報については、ビーコン901の設置階が1階であるので、管理者が、自己の端末装置1を介して
図3の1階を示す図面情報である「101.jpg」をサーバ装置2から取得する操作を行うことにより、
図4の図面情報がディスプレイ13に表示される。次に、管理者が、自己の端末装置1を介して、ビーコン901のビーコンIDである「IDb901」を入力し、また、
図4の図面情報においてビーコン901の設置位置に対応する位置をタップして当該位置を入力する操作を行った場合に、入力された「IDb901」、及びタップした位置を示す座標である「X101,Y101」が端末装置1からサーバ装置2に送信されて、当該送信された情報に基づいて
図5の最上段の情報が格納される。そして、他のビーコン9に関しても同様にして
図5のビーコン関連情報が格納される。
【0065】
なお、
図5のビーコン関連情報については、ここで説明した手法以外の他の手法で格納されることとしてもよい(工区関連情報も同様とする)。
【0066】
(処理‐工区関連情報格納処理)
次に、工区関連情報格納処理について説明する。「工区関連情報格納処理」は、
図6の工区関連情報格納処理を格納するための処理である。
【0067】
管理者が、対象建物における工種の名称、工区の名称、及び工区の階及び領域を把握した上で、把握した情報に基づいて
図6の工区関連情報を格納するための操作を行った場合に、当該工区関連情報が格納される。
【0068】
例えば
図6の最上段の情報については、「A-1工区」の設定階が1階であるので、管理者が、自己の端末装置1を介して
図3の1階を示す図面情報である「101.jpg」をサーバ装置2から取得する操作を行うことにより、
図4の図面情報がディスプレイ13に表示される。次に、管理者が、自己の端末装置1を介して、工種の名称である「鉄骨工事」、工区の名称である「A-1工区」、及び1階を示す「1F」を入力し、また、
図4の図面情報において「A-1工区」の四隅に対応する位置をタップして工区の領域を指定した場合に、入力された「鉄骨工事」、「A-1工区」、「1F」、及び指定された領域を示す座標の集合である「Dc011」が端末装置1からサーバ装置2に送信されて、当該送信された情報に基づいて
図6の最上段の情報が格納される。そして、他の工区に関しても同様にして
図6の工区関連情報が格納される。
【0069】
(処理‐情報表示処理)
次に、情報表示処理について説明する。「情報表示処理」は、各種情報を表示する処理であり、例えば、ユーザ(つまり、ユーザが携帯する端末装置1)が存在する領域を特定して表示する処理である。
図10は、情報表示処理のフローチャートであり(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)、
図11は、情報処理システムが適用される現場である建物の1階部分の平面図である。
【0070】
ここでは、例えば、「鉄筋工事」の工種の作業を行う作業員(以下、「ユーザ」と称する)が、端末装置1を携帯した状態で、
図11に示すようにビーコン901の近傍に存在している場合を例示して説明する。
【0071】
例えば、ユーザが自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己の工種である「鉄筋工事」を入力した上で、情報表示処理を起動するための所定操作を行った場合に、情報表示処理が起動することとし、当該情報表示処理が起動したところから説明する。
【0072】
===SA1===
図10のSA1においてサーバ装置2の取得部231は、端末側情報を取得する。例えば、端末装置1が、所定時間(例えば、30秒~60秒等)以内にビーコン9から受信したビーコン側信号の内の最も電波強度が強いビーコン側信号のビーコンIDを特定し、また、気圧測定部14で測定した気圧を特定し、また、情報表示処理の起動時に入力された工種を特定し、これらの特定した事項を示す端末側情報をサーバ装置2に送信する。一方、サーバ装置2の取得部231は、この送信された端末側情報を受信して取得する。
【0073】
例えば、端末装置1が、ビーコンID=「IDb901」、気圧=「AAA」(便宜上の記載で有って数値を示しており、単位は例えばヘクトパスカル)、及び工種=「鉄筋工事」を含む端末側情報を送信し、サーバ装置2の取得部231は、この端末側情報を受信して取得する。
【0074】
===SA2===
図10のSA2においてサーバ装置2の制御部23は、SA1で取得した端末側情報、
図9の階数関連情報、及び
図1の基準気圧計情報等に基づいて、端末装置1が存在する階を特定する。
【0075】
例えば、まず、取得部231が、基準気圧計8との間で通信を行って当該基準気圧計8で測定した気圧(以下、基準気圧)である「BBB」(便宜上の記載で有って数値を示しており、単位は例えばヘクトパスカル)(第1気圧情報)を取得する。次に、この「BBB」とSA1で取得した「AAA」(第2気圧情報)との差分に基づいて、基準気圧である「BBB」に対応する高さ(つまり、基準気圧計8が設けられている高さ)に対する、「AAA」に対応する相対的な高さを特定し、基準気圧計情報(基準気圧計8が4000mmの高さに設けられていることを示す情報)に基づいて、「AAA」に対応する基準位置(つまり、平均海面等)からの高さを特定して、当該特定し「AAA」に対応する高さを示す情報(位置情報)として「1500」(mm)を取得する。次に、管理部232は、
図9の階数関連情報を参照して、前述の取得した「1500」が属する高さ情報である「0-3000」に関連付けられている階数情報(領域情報)である「1F」を特定する。このようにして、端末装置1が存在する階として1階を特定する。
【0076】
===SA3===
図10のSA3においてサーバ装置2の制御部23は、SA1で取得した端末側情報、SA2で特定した階、及び工区関連情報等に基づいて、端末装置1が存在する工区を特定する。
【0077】
例えば、まず、取得部231は、
図5のビーコン関連情報を参照して、SA1で取得した「IDb901」に関連付けられている「X101,Y101」を、端末装置1が存在する水平方向における位置を示す情報(位置情報)として特定して取得する(つまり、端末装置1が受信した最も強いビーコン側信号を出力したビーコン901の位置を、端末装置1が存在する位置として特定する)。次に、管理部232は、
図6の工区関連情報を参照して、SA1で取得した「鉄筋工事」の工種情報に関連付けられており、且つ、SA2で特定した階である1階を示し且つ前述の取得した「X101,Y101」を含む範囲を示す範囲情報(ここでは、「1F,Dc011」)に関連付けられている工区情報(領域情報)である「A-1工区」を特定し、当該「A-1工区」を端末装置1が存在する工区を特定する。
【0078】
===SA4===
図10のSA4においてサーバ装置2の管理部232は、SA2及びSA3の処理結果に基づいて、位置領域表示画面を表示する。
【0079】
=位置表示画面=
図12は、位置領域表示画面を例示した図である。「位置領域表示画面」とは、端末装置1(つまり、端末装置1を携帯するユーザ)が存在する位置及び領域を表示して出力するための画面であり、例えば
図12に示すように、位置アイコンG11、及び表示情報G12を有する。
【0080】
位置アイコンG11は、端末装置1が存在する位置を示す情報であり、例えば、図面情報における端末装置1が存在するものとされる位置に重畳されて表示される印である。表示情報G12は、端末装置1が存在する領域を示す情報であり、例えば、当該情報を示すテキスト情報である。
【0081】
=SA4の処理=
管理部232は、
図3の図面関連情報を参照して、SA2で特定した階を示す「1F」に関連付けられている「101.jpg」(
図4参照)を取得し、当該取得した「101.jpg」において、SA3で特定した端末装置1が存在する位置である「X101,Y101」に位置アイコンG11を表示し、且つ、SA2で特定した「1階」及びSA3で特定した「A-1工区」を位置アイコンG11に対応する表示情報G12として表示する
図12の位置領域表示画面を生成するための画面情報を生成し、当該画面情報を端末装置1に送信することにより、端末装置1のディスプレイ13に
図12の位置領域表示画面を表示する。
【0082】
そして、ユーザは、端末装置1を介して
図12の位置領域表示画面を視認することにより、自己が存在する位置及び領域を確認することが可能となる。これにて、表示処理を終了する。
【0083】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、位置領域関連情報に基づいて、位置情報又は領域情報を特定することにより、特定対象を管理するために有用な情報を特定することが可能となる。
【0084】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0085】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0086】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、サーバ装置2の少なくとも一部の要素を端末装置1に実装したり、あるいは、端末装置1の少なくとも一部の要素をサーバ装置2に実装したりしてもよい。
【0087】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0088】
(位置情報の特定)
また、上記実施の形態では、位置情報に基づいて領域情報を特定する場合について説明したが、これに限らず、領域情報に基づいて位置情報を特定するように構成してもよい。
【0089】
=例1=
例えば、ユーザが、自己が存在する領域(つまり、端末装置1が存在する領域)及び工種を示す情報として「A-1工区」及び「鉄骨工事」を入力してもよい。この場合、取得部231が、当該入力された情報を取得し、管理部232が、当該取得された情報に基づいて、ユーザが存在する位置を示す情報を特定する。具体的には、
図6の工区関連情報を参照して、「A-1工区」及び「鉄骨工事」に関連付けられている「1F,Dc011」を特定してもよい。この特定した「1F,Dc011」の利用手法は任意であるが、例えば、BIM(Building Information Modeling)の技術を用いて建物の三次元構造に関する処理を行うシステム側に当該情報を送信して利用してもよい(後述する例2、例3も同様とする)。
【0090】
=例2=
例えば、ユーザが、自己が存在する階を示す情報として「1F」を入力してもよい。この場合、取得部231が、当該入力された情報を取得し、管理部232が、当該取得された情報に基づいて、ユーザが存在する位置を示す情報を特定する。具体的には、
図9の階数関連情報を参照して、「1F」に関連付けられている「0-3000」を特定してもよい。
【0091】
=例3=
上述の例2の場合は、位置情報として高さの範囲を特定することになるが、例えば、標準高さを示す情報を特定するように構成してもよい。
図13は、階数関連情報を例示した図である。例えば、
図9の階数関連情報の代わりに又は当該情報と共に、
図13の階数関連情報を格納して用いてもよい。
図13の階数情報は、
図9の同一名称の情報と同様である。
図13の標準高さ情報は、建物に関する位置を示す情報であり、例えば、基準位置(一例としては、平均海面等)からの垂直方向の標準的な高さを示す情報である。標準的な高とは、例えば、
図9の高さ情報が示す高さの内の、予め定められた1個の高さを示しており、一例としては、下限の高さを示している。
【0092】
処理については、例2の場合と同様であるが、例えば、ユーザが、自己が存在する階として「1F」を入力した場合に、
図13の階数関連情報を参照して、「1F」に関連付けられている「0」を特定してもよい。
【0093】
(領域情報について)
また、上記実施の形態では、建物の階又は工区を示す情報を領域情報として用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、建物の棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域の内の1個以上を示す情報を領域情報として用いてもよい。なお、「面」とは、例えば、建物における特定の外壁を示す概念であり、一例としては、南側の外壁を示す南面、及び東側の外壁を示す東面等を含む概念である。「部位」とは、建物の全体に対する場所(例えば、柱、床、ベランダ、階段等)を示す概念である。
【0094】
具体的な処理としては、実施の形態の場合と同様であり、例えば、前述の領域(つまり、建物の棟、階、工区、面、通芯、部屋、空間、又は部位に基づいて定まる領域の内の1個以上)と当該領域の位置とを相互に関連付ける情報を格納した上で、位置に基づいて領域を特定したり、あるいは、領域に基づいて位置を特定したりするように構成してもよい。
【0095】
そして、これらの位置を示す情報(位置情報)を出力してユーザに報知するように構成してもよい。
【0096】
(位置情報について)
また、上記実施の形態では、水平方向の座標を位置情報として用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、相互に直交するX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、及びZ軸(垂直方向)にて定義される三次元直交座標系において定まる水平方向及び垂直方向の座標(つまり、X、Y、Zから成る三次元座標)を位置情報として用いてもよい。
【0097】
具体的な処理としては、例えば、
図5のビーコン関連情報における設置位置情報として、前述の平方向及び垂直方向の座標を示す情報を格納することにより、ビーコン9の水平方向及び垂直方向の設置位置を格納する。また、
図6の工区関連情報の範囲情報として、工区に対応する領域を定める三次元座標の集合を格納する。また、
図9の階数関連情報の高さ情報として、各階に対応する領域を定める垂直方向の座標(つまり、Z座標)の範囲を格納する。
【0098】
そして、取得部231が、端末装置1で受信したビーコン側信号を出力したビーコン9の設置位置(つまり、X、Y、Zから成る三次元座標)を端末装置1が存在する位置情報として取得し、管理部232が、工区関連情報又は階数関連情報を参照して、前述の取得した位置情報に対応する工区情報又は階数情報を領域情報として特定してもよい。
【0099】
(位置の特定について(その1))
また、上記実施の形態では、ビーコン9を用いて端末装置1の位置を特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、端末装置1に対してGPS信号を利用して自己の位置を特定する機能を設けて、当該機能を利用して位置を特定するように構成してもよい。あるいは、対象建物の複数の位置に二次元コード(当該コードが設けられている位置を示す情報)(例えば、QRコード(登録商標))を設置し、端末装置1のカメラ機能を用いて二次元コードの近傍で当該二次元コードを撮影して当該コードの情報を読み取って特定される二次元コードの位置を、端末装置1の位置として特定してもよい。あるいは、二次元コードに対して、当該コードを識別するIDを格納しておき、IDとIDが示す二次元コードの設置位置を示す情報が相互に関連付けられた情報を記録しておき、端末装置1のカメラ機能を用いて二次元コードの近傍で当該二次元コードを撮影して当該コードのIDを取得し、取得したIDと前述の記録されている情報とに基づいて特定される二次元コードの位置を、端末装置1の位置として特定してもよい。また、ユーザが手入力で端末装置1の座標を入力し、当該入力された座標が示す位置を端末装置1の位置と特定してもよい。
【0100】
(位置の特定について(その2))
また、部屋を示す情報を領域情報として取得して、当該取得した領域情報に基づいて、部屋に対応する座標を示す情報を位置情報として特定するように構成してもよい。
【0101】
図16は、建物の5階の平面図であり、
図17は、部屋関連情報を例示した図である。例えば、
図16に示すように、建物に501号室~507号室の部屋が設けられており、各部屋の入口に、コード情報(不図示)が記載された紙が付されていることとする。「コード情報」とは、例えば、前述の二次元コードであり、一例としては、QRコード(登録商標)である。この各部屋の入口に付されているコード情報には、各部屋の名称を示す情報が格納されていることとする。
【0102】
また、
図17の部屋関連情報が記録部22に記録されていることとする。「部屋関連情報」は、部屋に関連する情報であり、位置領域関連情報であり、例えば、
図17に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0103】
図17の部屋情報は、建物に設けられている部屋の名称を示す情報である。
図17の位置情報は、各部屋の位置を示す情報であり、例えば、各部屋の代表的な位置(一例としては、中心位置)の座標を示す情報である。
【0104】
処理については例えば、ユーザが
図16の501号室の部屋の入口において、自己の端末装置1のカメラ機能を用いて当該501号室の入口に設けられているコード情報を読み取る操作を行った場合、端末装置1は当該コード情報において「501号室」を読みって、読み取った「501号室」を示す情報をサーバ装置2に送信する。
【0105】
一方、サーバ装置2の取得部231は、端末装置1からの「501号室」を示す情報を領域情報として取得する。次に、管理部232は、
図17の部屋関連情報を参照して、前述の取得した情報が示す「501号室」に対応する位置情報として「X51,Y51」を特定し、501号室の位置として「X51,Y51」を特定する。このように処理することにより、コード情報から読み取った部屋の情報を、当該部屋の位置を示す座標の情報に変換することが可となる。
【0106】
なお、ここでは、
図17の位置情報として二次元座標が格納されている場合を例示したが、三次元座標を格納して上述の処理と同様な処理を行ってもよい。
【0107】
(階入力画面について)
また、階入力画面を用いて階を示す情報を入力するように構成してもよい。
図14は、高所作業車管理情報を例示した図であり、また、
図15は、階入力画面を例示した図である。例えば、建設中の建築物で用いられる高所作業車を管理する場合を例示して説明する。
【0108】
図14の高所作業車管理情報が記録部22に記録されていることとする。「高所作業車管理情報」とは、高所作業車が設置されている階及び当該高所作業車の予約等を管理するための情報であり、例えば、
図14に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
図14の名称情報は、高所作業車の名称を示す情報である。
図14の設置階情報は、高所作業車が設けられている階を示す情報である。
【0109】
図15の階入力画面は、高所作業車が設置されている階を表示又は入力するための画面であり、例えば、「1F」~「6F」等の欄、及び階表示画像G21、G22等を有する。
【0110】
「1F」の欄(階表示画像G21が図示されている欄)は、建物の1階を示す欄であり、例えば、建物の1階を選択する欄である。「2F」~「6F」等の欄も同様である。「階表示画像」G21、G22は、高所作業車が設置されている階を表示するための情報であり、例えば、階表示画像G21、G22各々は、「4m-1号機」及び「4m-2号機」各々の高所作業車が設置されている階を表示している。なお、
図15の階入力画面においては、「1F」~「6F」等の選択欄が、画面上方から画面下方に向かって降順(つまり、階数の数値が大きいものから小さいものに向かう順)に並べられている。そして、
図15においては、「4m-1号機」が1階に設置されており、「4m-2号機」が5階に設置されていることが示されている。
【0111】
まず、取得部231は、
図14の高所作業車管理情報に基づいて、例えば、「4m-1号機」及び「4m-2号機」が「1F」及び「5F」に設置されていることを特定し、「4m-1号機」及び「4m-2号機」が「1F」及び「5F」に設置されていることを示す
図15の階入力画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、
図15の階入力画面をディスプレイ13に表示する。
【0112】
次に、
図15の階入力画面において、ユーザが、階表示画像G21をドラックして「1F」の欄から「2F」の欄に移動させる操作(つまり、「4m-1号機」の設置階として2Fを選択する選択操作)を行った場合、端末装置1は、「4m-1号機」の設置階情報として「2F」をサーバ装置2に送信する。一方、取得部231は、この送信された「2F」を受信して領域情報として取得した上で、
図14の設置階情報を「1F」から「2F」に変更して更新することにより、「4m-1号機」が2階に設置されていることを示す情報を格納する。
【0113】
この後の処理は任意であり、例えば、取得部231が、高所作業車が設置されている階を示す情報を取得し、管理部232が、当該取得された情報に基づいて、高所作業車が存在する位置を特定する。具体的には、
図14の「4m-1号車」に関連付けられている「1F」を取得し、
図9又は
図13の階数情報を参照して、「1F」に関連付けられている「0-3000」又は「0」を特定してもよい。この特定した「0-3000」又は「0」については、例えば、前述したように、BIMの技術を用いて建物の三次元構造に関する処理を行うシステム側に当該情報を送信して利用してもよい。
【0114】
(組み合わせについて)
また、上記実施形態の技術と、変形例で説明した技術とを任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 端末装置
2 サーバ装置
8 基準気圧計
9 ビーコン
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 気圧測定部
15 記録部
16 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 情報処理システム
221 図面関連情報DB
222 ビーコン関連情報DB
223 工区関連情報DB
224 階数関連情報DB
231 取得部
232 管理部
901 ビーコン
902 ビーコン
903 ビーコン
G11 位置アイコン
G12 表示情報
G21 階表示画像
G22 階表示画像