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特開2023-58831コントローラユニット、及び、コントローラ交換方法
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  • 特開-コントローラユニット、及び、コントローラ交換方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058831
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コントローラユニット、及び、コントローラ交換方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
G05B19/05 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168579
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 康博
(72)【発明者】
【氏名】生沼 貴久
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA09
5H220BB15
5H220CC02
5H220CX09
5H220JJ02
5H220JJ04
(57)【要約】
【課題】コントローラの交換に要する交換時間を短くする。
【解決手段】作業者は、支持台Sに設置された既設コントローラを新規コントローラ20に交換するときに、既設コントローラを支持台Sから取り外す。その後、作業者は、新規コントローラ20と、支持部材40と、複数の既設の配線L1及びL2を新規コントローラ20に接続するための接続部材30とを備えるコントローラユニット10を、既設コントローラが取り外された支持台Sに設置する。このとき、作業者は、接続部材30を、支持台Sの既設コントローラの設置箇所に設置する。さらに、作業者は、複数の配線を接続部材30に接続することにより、この複数の配線を新規コントローラ20に接続する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持台に設置された既設コントローラと交換される新規コントローラと、
前記支持台に取り付けられ、前記新規コントローラを支持する支持部材と、
前記新規コントローラに配線を介して接続されており、前記支持台の前記既設コントローラが配置されていた箇所に配置され、前記既設コントローラに接続されていた複数の既設配線が接続されることで、前記複数の既設配線を前記コントローラに接続するように構成された接続部材と、
を備えるコントローラユニット。
【請求項2】
前記支持部材は、前記接続部材を覆うカバーを備え、
前記新規コントローラは、前記カバーに固定されている、
請求項1に記載のコントローラユニット。
【請求項3】
前記新規コントローラの少なくとも一部は、
前記カバーの、前記カバーが前記接続部材を覆ったときに前記接続部材に向く第1面と反対側の第2面に固定されており、
前記カバーが前記接続部材を覆った状態でユーザにより視認可能な表示部を備える、
請求項2に記載のコントローラユニット。
【請求項4】
前記接続部材は、前記複数の既設配線がそれぞれ接続される複数の接続箇所を有し、
前記複数の接続箇所の互いの位置関係は、前記既設コントローラが備える前記複数の既設配線が接続される複数の接続箇所の互いの位置関係と同じである、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコントローラユニット。
【請求項5】
支持台に設置された既設コントローラを新規コントローラに交換するコントローラ交換方法であって、
前記既設コントローラを前記支持台から取り外す第1ステップと、
前記新規コントローラ、前記新規コントローラを支持する支持部材、及び、前記新規コントローラに配線を介して接続されており前記新規コントローラと前記既設コントローラに接続されていた複数の既設配線とを接続するための接続部材を備えるコントローラユニットを、前記既設コントローラが取り外された前記支持台に設置する第2ステップと、を備え、
前記第2ステップは、
前記接続部材を、前記支持台の前記既設コントローラの設置箇所に設置する設置ステップと、
前記複数の既設配線を前記接続部材に接続することにより、前記複数の既設配線を前記新規コントローラに接続する接続ステップと、を備える、
コントローラ交換方法。
【請求項6】
前記接続部材は、前記複数の既設配線がそれぞれ接続される複数の接続箇所を有し、
前記複数の接続箇所の互いの位置関係は、前記既設コントローラが備える前記複数の既設配線が接続される複数の接続箇所の互いの位置関係と同じである、
請求項5に記載のコントローラ交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラユニット、及び、コントローラ交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調システムの熱源設備などを制御対象とする各種のコントローラ(例えば、特許文献1)は、新規のコントローラ、例えば、新たな機能が追加されたコントローラに交換されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-207646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コントローラの交換は、例えば、コントローラの制御対象の停止時間をできるだけ短くするため、短時間で行われる方がよい。しかし、例えば新旧のコントローラで複数の配線の各接続箇所が異なることなどを原因として、コントローラの交換に要する作業時間は長い傾向にある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、コントローラの交換に要する交換時間を短くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るコントローラユニットは、支持台に設置された既設コントローラと交換される新規コントローラと、前記支持台に取り付けられ、前記新規コントローラを支持する支持部材と、前記新規コントローラに配線を介して接続されており、前記支持台の前記既設コントローラが配置されていた箇所に配置され、前記既設コントローラに接続されていた複数の既設配線が接続されることで、前記複数の既設配線を前記コントローラに接続するように構成された接続部材と、を備える。
【0007】
前記支持部材は、前記接続部材を覆うカバーを備え、前記新規コントローラは、前記カバーに固定されている、ようにしてもよい。
【0008】
前記新規コントローラの少なくとも一部は、前記カバーの、前記カバーが前記接続部材を覆ったときに前記接続部材に向く第1面と反対側の第2面に固定されており、前記カバーが前記接続部材を覆った状態でユーザにより視認可能な表示部を備える、ようにしてもよい。
【0009】
前記接続部材は、前記複数の既設配線がそれぞれ接続される複数の接続箇所を有し、前記複数の接続箇所の互いの位置関係は、前記既設コントローラが備える前記複数の既設配線が接続される複数の接続箇所の互いの位置関係と同じである、ようにしてもよい。
【0010】
本発明に係るコントローラ交換方法は、支持台に設置された既設コントローラを新規コントローラに交換するコントローラ交換方法であって、前記既設コントローラを前記支持台から取り外す第1ステップと、前記新規コントローラ、前記新規コントローラを支持する支持部材、及び、前記新規コントローラに配線を介して接続されており前記新規コントローラと前記既設コントローラに接続されていた複数の既設配線とを接続するための接続部材を備えるコントローラユニットを、前記既設コントローラが取り外された前記支持台に設置する第2ステップと、を備え、前記第2ステップは、前記接続部材を、前記支持台の前記既設コントローラの設置箇所に設置する設置ステップと、前記複数の既設配線を前記接続部材に接続することにより、前記複数の既設配線を前記新規コントローラに接続する接続ステップと、を備える。なお、このコントローラ交換方法は、支持台に設置されたコントローラユニットを新たに生産する方法ないし、コントローラユニットが設置された支持台を新たに生産する方法でもある。
【0011】
前記接続部材は、前記複数の既設配線がそれぞれ接続される複数の接続箇所を有し、前記複数の接続箇所の互いの位置関係は、前記既設コントローラが備える前記複数の既設配線が接続される複数の接続箇所の互いの位置関係と同じである、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コントローラの交換に要する交換時間が短くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、既設コントローラが設置されている支持台を示す斜視図である。
図2図2は、図1の既設コントローラから配線が抜かれた状態を示す斜視図である。
図3図3は、図2の状態から既設コントローラが取り外された支持台を示す斜視図である。
図4図4は、図3の状態の支持台に、新規コントローラを含むコントローラユニットを取り付けた後の様子を示す斜視図である。
図5図5は、図4のコントローラユニットのカバーを閉状態としたときの斜視図である。
図6図6は、既設の配線をコントローラユニットに接続した様子を示す斜視図である。
図7図7は、変形例に係るコントロールユニットが設置された支持台の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、作業者が、図1図5に示すように、既設コントローラ90(図1及び図2)を、既設コントローラ90には無い新規な機能を有する新規コントローラ20(図4及び図5)に交換する。既設及び新規のコントローラ90及び20は、熱源設備を制御するコントローラとして構成されている。コントローラ90及び20は、空調設備などの他の設備を制御するコントローラとして構成されてもよい。
【0015】
図1及び図2に示すように、既設コントローラ90は、ラック形状の支持台Sにより支持されている。既設コントローラ90は、支持台Sの後方の背板S1にボルトなどにより固定されている。
【0016】
支持台Sは、水平方向に延びるダクトS2を備えている。ダクトS2の内部には、その一端部がダクトS2の貫通孔S3を介してダクトS2の外部に取り出された複数の既設配線である2本の配線L1及び16本の配線L2が通っている。配線L1は、電源を供給する電源線である。配線L2は、熱源設備を構成する各種装置から供給される又はこの各種装置に供給する信号を伝送する信号線である。配線L2の各一端は、コネクタCとなっている。既設コントローラ90は、ダクトS2に固定され支持されてもよい。
【0017】
既設コントローラ90は、1つのコントローラ本体91と、このコントローラ本体91に接続され、コントローラ本体91と各種装置との間で行われる通信を中継する8つのI/O(Input/Output)モジュール92~99と、を備える。コントローラ本体91は、端子台T1を備える。端子台T1には、先端がコネクタでない電導線が露出したバラの配線L1がネジ式で電気的に接続されている。図2に示すように、I/Oモジュール92~99のそれぞれは、端子台T2~T17のうちの符号の数字が連番の端子台を2つずつ備える。例えば、I/Oモジュール92は、端子台T2及びT3を備える。I/Oモジュール93は、端子台T4及びT5を備える。端子台T2~T17は、それぞれ、配線L2のコネクタCと接続されている。端子台T2~T17のそれぞれと、この端子台に接続されるコネクタCとは、互いに対となる2ピースコネクタを構成している。
【0018】
作業者は、既設コントローラ90を交換するとき、まず、図2に示すように、配線L1及びL2を、既設コントローラ90から外す。図2では、端子台T2から外された配線L2の一端部が省略されている。配線L1及びL2の取り外し後、作業者は、既設コントローラ90を支持台Sから取り外す。図3に既設コントローラ90の取り外し後の支持台Sを示す。図3では、全ての配線L2の一端部が省略されている。
【0019】
その後、作業者は、図4に示すように、コントローラユニット10を支持台Sに設置する。コントローラユニット10は、新規コントローラ20と、接続部材30と、支持部材40と、ダンパ50と、留め具60と、配線L3及びL4と、を備える。図の見やすさのため、図4では本来有るはずの配線L1及びL2が省略されている。
【0020】
図4及び図5に示すように、新規コントローラ20は、コントローラ本体21と、6つのI/Oモジュール22~27と、を備える。新規コントローラ20は、全体として、配線L1及びL2(図1図6参照)それぞれにより交換前の既設コントローラ90に伝送されていた電力又は信号などが入力可能に構成されていればよい。特に、新規コントローラ20は、当該新規コントローラ20への交換後に、後述の接続部材30と配線L3及びL4とを介して入力されるように構成されていればよい。ここでは、コントローラ本体21は、既設コントローラ90のコントローラ本体91と2つのI/Oモジュール92及び93との組み合わせに対応している(対応するもの同士で共通の入力及び機能を有する)。6つのI/Oモジュール22~27は、既設コントローラ90の残りの6つのI/Oモジュール94~99にそれぞれ対応している。従って、既設コントローラ90を新規コントローラ20に交換することで、コントローラ本体91と2つのI/Oモジュール92及び93とがコントローラ本体21に更新され、I/Oモジュール94~99がI/Oモジュール22~27にそれぞれ更新される。後述のように、新規コントローラ20には、既設コントローラ90に接続されていた配線L1及びL2(図1図6参照)が接続部材30を介して接続される。この接続により、新規コントローラ20は、既設コントローラ90と同様の制御を行える。
【0021】
図5に示すように、コントローラ本体21及びI/Oモジュール22~27のそれぞれは、自身の動作状態などをユーザに報知するLEDランプなどを含む表示部21A~27Aをそれぞれ有する。
【0022】
図4に示すように、接続部材30は、支持台Sの既設コントローラ90の設置箇所に配置されるように構成されている。接続部材30は、新規コントローラ20と配線L3及びL4を介して接続されており、図1などの配線L1及びL2が接続されることで、これら配線L1及びL2を新規コントローラ20に接続する接続口として機能している。図4の配線L3及びL4は、模式的に描かれている。例えば、図4に描かれた1の配線L3は、実際には2本の配線L3から構成され、図4に描かれた各配線L4は、実際には4本の配線L4から構成されている。
【0023】
接続部材30は、ベース31と、このベースに固定され、配線L3及びL4が接続される端子台t1~t17と、を備える。
【0024】
図4及び図5にその一部を示すように、端子台t1は、配線L3を介してコントローラ本体21の電源端子(不図示)と接続されている。端子台t2及びt4は、配線L4を介してコントローラ本体21の端子台21Bと接続されている。端子台t3及びt5は、配線L4を介してコントローラ本体21の端子台21Cと接続されている。端子台t6は、配線L4を介して、I/Oモジュール22の端子台22Bと接続されている。端子台t7は、配線L4を介して、I/Oモジュール22の端子台22Cと接続されている。同様に、端子台t8、t10、t12、t14、t16は、配線L4を介して、I/Oモジュール23~27の各端子台23B、24B、25B、26B、27Bとそれぞれ接続されている。端子台t9、t11、t13、t15、t17は、配線L4を介して、I/Oモジュール23~27の各端子台23C、24C、25C、26C、27Cとそれぞれ接続されている。
【0025】
図4の端子台t1~t17と、図2の既設コントローラ90の端子台T1~T17(図2)とは、符号の番号が同じもの同士で対応している。具体的に、端子台t1は端子台T1に、端子台t2は端子台T2に、端子台t3は端子台T3に、・・・端子台t17は端子台T17に対応している。端子台t1は、端子台T1と同じ規格で形成されている。これにより、端子台t1には、図6に示すように、端子台T1と同様に電源用の2本の配線L1がネジ式で接続される。端子台t2~t17と端子台T2~T17との対応するもの同士は、同じ規格で形成されている。従って、図6に示すように、端子台t2~t17は、複数の配線L2の各コネクタCとそれぞれ接続される。図の見やすさのため、図6では本来有るはずの配線L3及びL4が省略されている。端子台t2~t17それぞれは、端子台T2~T17それぞれと同様に、コネクタCと2ピースコネクタを構成している。
【0026】
配線L1が端子台t1に接続されたとき、配線L1は、配線L3を介してコントローラ本体21の電源端子に接続される。配線L2が端子台t2~t17にそれぞれ接続されたとき、配線L2は、配線L4を介してコントローラ本体21又はI/Oモジュール23~27の各端子台T2~T17にそれぞれ接続される。
【0027】
図2及び図4に示すように、端子台t1~t17の互いの位置関係と、既設コントローラ90の端子台T1~T17の互いの位置関係とは、同じとなっている。つまり、接続部材30と既設コントローラ90とでは、配線L1及びL2の接続箇所の、作業者から見た(ここでは、前方から見た)位置関係、より具体的には配列方向及び配列順序が、同じとなっている。
【0028】
図4に示すように、支持部材40は、新規コントローラ20を支持する。図4に示すように、支持部材40は、カバー41と、第1固定部材42と、第2固定部材43と、を備える。カバー41は、ヒンジ機構Hを介して第1固定部材42に固定されている。カバー41は、ヒンジ機構Hにより、支持台Sに設置された接続部材30を覆うことが可能に開閉する。カバー41の、カバー41が接続部材30を覆う閉状態にあるときに前方を向く前面つまりカバー41の接続部材30に対向する後面と反対側の前面には、新規コントローラ20がネジなどにより固定されている。第1固定部材42は、左右方向に延びている板状の第2固定部材43の一端が溶接などにより固定されている。第2固定部材43は、支持台Sの背板S1にネジなどにより固定されている。第2固定部材43の中央部には、直接又は所定の取り付け部材を介して間接的に、接続部材30が固定されている。このような構成により、支持部材40は、支持台Sに固定されるとともに、新規コントローラ20を支持する。さらに、支持部材40を介して接続部材30が支持台Sに固定される。なお、第2固定部材43の他端には、ダンパ50が溶接など固定されている。
【0029】
図4及び図5のように、新規コントローラ20は、カバー41を間において接続部材30の前方に配置されている。新規コントローラ20と接続部材30とを接続する配線L3及びL4のうちの一部は、支持部材40のカバー41の上側を通り、他の一部は、カバー41の下側を通り、他の一部は、カバー41に設けられた貫通孔を通る。配線L3及びL4それぞれの引き回し態様は上記に限らず任意である。配線L3及びL4の少なくとも一部は、例えば、カバー41とヒンジ機構Hとにより構成される開口X、又は、カバー41の左右端部の少なくとも一方と支持台Sとの間を通ってもよい。
【0030】
ダンパ50は、カバー41が閉じられたときに、当該カバー41に当たり、当該カバー41からの衝撃を吸収する。
【0031】
留め具60は、ダンパ50に取付けられた第1部材61と、カバー41に設けられカバー41が閉じた状態のときに第1部材61に補足される第2部材62と、を備える。留め具60は、例えば、ボールキャッチャからなる。留め具60は、カバー41が閉じられたときに、当該閉じられた状態を保持するものであれば、その具体的態様は任意である。
【0032】
作業者は、コントローラユニット10を支持台Sに設置したあと、図6に示すように、端子台t1~t17に配線L1及びL2を接続する。具体的に、図1の既設コントローラ90の端子台T1の上側端子に接続されていた配線L1を、端子台t1の上側端子に接続し、端子台T1の下側端子に接続されていた配線L1を、端子台t1の上側端子に接続する。さらに、端子台T2に接続されていた配線L2を、端子台t2に接続し、端子台T3に接続されていた配線L2を、端子台t3に接続する。これらのように、端子台T2~T17それぞれに接続されていた各配線L2を端子台T2~T17それぞれに対応する端子台t1~t17それぞれに接続する。これら接続により、配線L1及びL2が、新規コントローラ20に接続される。その後、図5に示すようにカバー41が閉じられる。
【0033】
以上説明したコントローラユニット10は、予め工場で組み立てられる。そして、このコントローラユニット10は、既設コントローラ90の設置場所に搬入されて、既設コントローラ90の代わりに支持台Sに設置される。
【0034】
上記のように、本実施の形態において、作業者は、支持台Sに設置された既設コントローラ90を新規コントローラ20に交換するときに、既設コントローラ90を支持台Sから取り外す。その後、作業者は、新規コントローラ20と、支持部材40と、複数の既設の配線L1及びL2を新規コントローラ20に接続するための接続部材30とを備えるコントローラユニット10を、既設コントローラ90が取り外された支持台Sに設置する。そして、作業者は、コントローラユニット10を支持台Sに設置するとき、接続部材30を、支持台Sの既設コントローラ90の設置箇所に設置する。さらに、作業者は、複数の配線L1及びL2を接続部材30に接続することにより、この複数の配線L1及びL2を新規コントローラ20に接続する。これにより、接続部材30を配線L1及びL2の態様に応じて予め形成しておくことができ、コントローラユニット10の設置、配線L1及びL2の接続部材30への接続により、新規コントローラ20への交換が終了する。従って、配線L1及びL2の新規コントローラ20への直接の配線時間などを省略でき、既設コントローラ90と新規コントローラ20との交換に要する作業時間を短くすることができる。なお、作業者は、配線L1及びL2の接続部材30への接続のあとに、接続部材30への設置を行ってもよい。
【0035】
さらに、接続部材30は、複数の配線L1及びL2がそれぞれ接続される複数の接続箇所(端子台t1~t17)を有し、複数の接続箇所の互いの位置関係(配列方向及び配列順序など)は、既設コントローラ90が備える、複数の配線L1及びL2が接続される複数の接続箇所(端子台T1~T17)の互いの位置関係と同じである。これにより、既設コントローラ90と新規コントローラ20との交換時における配線L1及びL2の付け替えが容易となり、既設コントローラ90と新規コントローラ20との交換に要する作業時間がより短くなる。なお、既設コントローラ90と接続部材30との配線L1及びL2の接続箇所は、端子台として構成されていなくてもよい。また、位置関係を同じとする接続箇所は、例えば、信号線である配線が接続される端子台T2~T17及びt2~t17のみとしてもよい。つまり、既設コントローラ90の電源用の端子台T1の端子台T2などに対する位置関係と、接続部材30の電源用の端子台t1の端子台t2などに対する位置関係とは、異なってもよい。
【0036】
さらに、新規コントローラ20が支持部材40の接続部材30を覆うカバー41に固定されていることで、新規コントローラ20を接続部材30の近傍、つまり、既設コントローラ90が配置されている位置の近傍に配置することができる。これにより、新規コントローラ20と既設コントローラ90との位置が大きく変わってしまうことが抑制される。
【0037】
さらに、新規コントローラ20は、カバー41の、カバー41が接続部材30を覆ったときに接続部材30に向く第1面(後面)と反対側の第2面(前面)に固定されている(図5)。そして、新規コントローラ20は、カバー41が接続部材30を覆った状態でユーザ(熱源設備の管理者など)により視認可能な表示部21A~27A(図5)を有する。これにより、ユーザは、表示部21A~27Aを容易に視認できる。
【0038】
上記実施の形態については、種々の変形を行うことができる。以下、変形例を列挙するが、下記の変形例のうち少なくとも一部同士を適宜組み合わせることができる。
【0039】
新規コントローラ20のコントローラ本体21とI/Oモジュール22~27の組み合わせは、全体として、既設コントローラ90のコントローラ本体91とI/Oモジュール92~99との組み合わせに対応していればよい。例えば、コントローラ本体同士、及び又は、I/Oモジュール同士が一対一で対応してなくてもよく、両コントローラで共通の入力があればよい。従って、既設コントローラ90を新規コントローラ20に交換することで、全体として、コントローラ本体91とI/Oモジュール92~99とがコントローラ本体21とI/Oモジュール22~27とに更新されればよい。新規コントローラ20のI/Oモジュールは、1つ当たり、既設コントローラ90の複数のI/Oモジュールに対応してもよい。つまり、新規コントローラ20の1つのI/Oモジュールは、既設コントローラ90の複数のI/Oモジュール全体と同じ入力及び機能を少なくとも有してもよい。配線L1及びL2の付け替えを新規コントローラ20に対して直接行うとした場合、新規コントローラ20と既設コントローラ90とにおいてI/Oモジュール及びコントローラ本体同士が一対一に対応していない方(特に、I/Oモジュールが一対一に対応していないことが多い)が、付け替えが複雑化し、当該付け替えに時間を要する。従って、I/Oモジュール及びコントローラ本体同士(特に、I/Oモジュール同士)が一対一に対応していない場合には、特に、上記実施の形態のように接続部材30を用いることによる効果が大きい。
【0040】
カバー41の開閉方向は、図7に示すように上下方向であってもよい。この場合、カバー41の下端が、支持台Sに固定される固定部材にヒンジ機構を介して固定される。また、カバー41の開閉範囲を制限するリンク機構が設けられるとよい。リンク機構は、例えば、一端が支持台Sに固定される固定部材に回転可能に固定された第1リンクと、一端が第1リンクの他端に回転可能に固定され、他端がカバー41に回転可能に固定された第2リンクと、を備える。このような変形例は、支持台Sの周囲に物体(壁などの構造物、各種装置などを含む)があり、カバー41を上記実施の形態のように左右方向に開けない場合に採用されるとよい。
【0041】
新規コントローラ20を構成するコントローラ本体21、I/Oモジュール22~27などの各種装置の一部と残りの一部とを、カバー41の表面及び裏面に分けて固定するようにしてもよい。
【0042】
例えば、配線L1~L2それぞれの電気的接続の形式は任意である。バラの配線L1は、端部がコネクタとなっている配線に変更されてもよい。コネクタを有する配線L2は、バラの配線に変更されてもよい。バラの配線を接続部材30の端子台に直接接続する場合、既設コントローラ90の何番の端子台に接続していたか印をつける、悪くなった先端は絶縁被膜をきれいに剥き直すなどの作業が必要になり、手間がかかる。上記のように、既設コントローラ90及び接続部材30と、配線L1及びL2の少なくとも一方(特に少なくとも配線L2)との接続を、バラの配線を用いたものではなく、2ピースコネクタとすることで、前記手間がなくなりコントローラの交換の作業性がより向上する。
【0043】
上記実施の形態で説明した各種の装置ないし部材の形状などは適宜変更可能である。
【0044】
以上、実施の形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記の実施の形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施の形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0045】
10…コントローラユニット、16 配線、20 新規コントローラ、21 コントローラ本体、22~27 I/Oモジュール、21A~27A 表示部、21B~27B 端子台、21C~27C 端子台、30 接続部材、31 ベース、40 支持部材、41 カバー、42 第1固定部材、43 第2固定部材、50 ダンパ、60 留め具、61 第1部材、62 第2部材、90 既設コントローラ、91 コントローラ本体、92~99 I/Oモジュール、C コネクタ、H ヒンジ機構、L1~L4 配線、S 支持台、S1 背板、S2 ダクト、S3 貫通孔、t1~t17 端子台、T1~T17 端子台。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7