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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058957
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】出荷納入支援システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230419BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168795
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】512146410
【氏名又は名称】サンネット物流株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 正則
(72)【発明者】
【氏名】川澄 信夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 諒
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】ドライバーの出荷・納入における行動支援を行う。
【解決手段】本システムは、出荷伝票別の出荷情報に基づいて、外部の地図・ルート情報提供システムから提供される積み込み先住所に基づく地図・ルート情報及び納入先住所に基づく地図・ルート情報をドライバーのユーザ端末に表示させるための第1選択領域、第2選択領域を含む出荷納入支援情報を生成する。ユーザ端末で出荷納入支援情報をブラウザで表示するためのURL情報を含み、ユーザ端末のコード読取機能で読み取り可能なコード情報を生成し、ドライバーに渡される出荷伝票にコード情報が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力する。ドライバーが出荷伝票に印字されたコード情報をユーザ端末で読み取ることで該当する出荷納入支援情報がユーザ端末に提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物自動車のドライバーを支援する出荷納入支援システムであって、
出荷伝票別の出荷情報に基づいて、外部の地図・ルート情報提供システムに対して積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、前記地図・ルート情報提供システムから提供される前記積み込み先住所に基づく地図・ルート情報をドライバーのユーザ端末に表示させるための第1選択領域と、前記地図・ルート情報提供システムに対して納入先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、前記地図・ルート情報提供システムから提供される前記納入先住所に基づく地図・ルート情報を前記ユーザ端末に表示させるための第2選択領域と、を含む出荷納入支援情報を生成する支援情報生成部と、
前記ユーザ端末で前記出荷納入支援情報をブラウザで表示するためのURL情報を含み、前記ユーザ端末のコード読取機能で読み取り可能なコード情報を生成するコード情報生成部と、
ドライバーに渡される出荷伝票に前記コード情報が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力する出荷伝票制御部と、
ドライバーが出荷伝票に印字された前記コード情報を前記ユーザ端末で読み取ることで前記ユーザ端末から受信するアクセス要求を受け付け、該当する前記出荷納入支援情報を前記ユーザ端末に送信する支援制御部と、
を有することを特徴とする出荷納入支援システム。
【請求項2】
各納入先と紐付けて納入先注意喚起情報を記憶する第1記憶部を備え、
前記支援情報生成部は、出荷伝票別の出荷情報に基づいて、前記納品先注意喚起情報を前記ユーザ端末に表示させるための第3選択領域を含むように前記出荷納入支援情報を生成し、
前記支援制御部は、前記第3選択領域が選択された場合に、該当する前記納入先注意喚起情報を前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の出荷納入支援システム。
【請求項3】
前記納入先注意喚起情報は、納入先の事業者によって取り決められた当該納入先での搬入ルール又は搬入時の注意事項であり、
前記支援情報生成部は、納入先から通知された前記納入先注意喚起情報が所定の期間内に通知された又は前記第1記憶部に更新された情報である場合に、前記納入先注意喚起情報の閲覧を促すための所定の情報が表示されるように前記出荷納入支援情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の出荷納入支援システム。
【請求項4】
出荷情報は、担当するドライバー情報が紐付いており、
前記支援情報生成部は、過去の出荷情報に基づいて今回生成する前記出荷納入支援情報と同じ納品先に関するドライバーの納入実績を抽出し、抽出された前記納入実績を前記ユーザ端末に表示させるための第4選択領域を含むように前記出荷納入支援情報を生成し、
前記納入実績は、前記出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身の同じ納入先への納入回数、前記出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身の同じ納入先への直近の納入日、及び他のドライバーを含む直近納入者のドライバー情報を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の出荷納入支援システム。
【請求項5】
前記ドライバー情報は、ドライバーの氏名及び連絡先を含み、
前記支援情報生成部は、前記納入実績として提供される直近納入者のドライバー情報が他のドライバーである場合、他のドライバーの連絡先を閲覧可能に前記出荷納入支援情報を生成し、
前記支援制御部は、前記ユーザ端末から他のドライバーの連絡先に対する閲覧要求を受け付けて前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項4に記載の出荷納入支援システム。
【請求項6】
出荷情報は、担当するドライバー情報が紐付いており、
前記出荷伝票制御部は、過去の出荷情報に基づいて同じ納品先に関するドライバーの納入実績を抽出し、ドライバーに渡される出荷伝票に前記納入実績が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力し、
前記納入実績は、ドライバー自身の同じ納入先への納入回数、前記出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身の同じ納入先への直近の納入日、及び他のドライバーを含む直近納入者のドライバー情報を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の出荷納入支援システム。
【請求項7】
前記出荷納入支援情報は、前記URL情報とともに所定の閲覧期限が関連付けられており、
前記支援制御部は、前記ユーザ端末からアクセス要求を受け付けた際に、前記閲覧期限を過ぎているか否かを判定し、前記閲覧期限を過ぎていると判断された場合、前記出荷納入支援情報を前記ユーザ端末に送信しないことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の出荷納入支援システム。
【請求項8】
コンピュータ装置によって実行されるプログラムであって、前記コンピュータ装置に、
出荷伝票別の出荷情報に基づいて、外部の地図・ルート情報提供システムに対して積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、前記地図・ルート情報提供システムから提供される前記積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を貨物自動車のドライバーが保持するユーザ端末に表示させるための第1選択領域と、前記地図・ルート情報提供システムに対して納入先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、前記地図・ルート情報提供システムから提供される前記納入先住所に基づく地図・ルート情報を前記ユーザ端末に表示させるための第2選択領域と、を含む出荷納入支援情報を生成する第1機能と、
前記ユーザ端末で前記出荷納入支援情報をブラウザで表示するためのURL情報を含み、前記ユーザ端末のコード読取機能で読み取り可能なコード情報を生成する第2機能と、
ドライバーに渡される出荷伝票に前記コード情報が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力する第3機能と、
ドライバーが出荷伝票に印字された前記コード情報を前記ユーザ端末で読み取ることで前記ユーザ端末から受信するアクセス要求を受け付け、該当する前記出荷納入支援情報を前記ユーザ端末に送信する第4機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の出荷・納入におけるドライバーの支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
荷主からの出荷依頼に対し、トラック(貨物自動車)のドライバーは、出荷伝票に基づいて、出荷倉庫(積み込み場所)まで移動し、出荷倉庫から又は現在地から納入先まで荷物を運ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-177321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、出荷伝票に基づく出荷倉庫及び納入先まで各運送は、「ドライバー任せ」であり、ドライバー側の努力によって支えされている側面がある。
【0005】
例えば、積み込み先である出荷倉庫は、多数存在する。これは、出荷倉庫のキャパシティー等など様々な理由があるが、同じ荷物であって毎回同じ出荷倉庫に集荷に向かうわけではなく、今まで行ったことがない出荷倉庫を含め、各所に点在する出荷倉庫に正しく向かわなければならない。このため、出荷伝票の記載された出荷倉庫に間違わずに向かう必要があり、初めて向かう出荷倉庫までのルート確認等を含め、ドライバーは注意を払う必要がある。納入先への運送においても同様である。ドライバーは、誤納入をしないように、出荷伝票の記載された納入先に間違わずに向かう必要がある。
【0006】
なお、ドライバーは、目的地の間違いに注意を払うことはもちろんであるが、初めて行く目的地までのルート確認に時間を要したり、道を間違えたりすると、その分目的地に到着するまでに多くの時間が掛かったり、余分に注意を払うことになる。また、出荷受付のとき(出荷伝票をドライバーに渡すとき)、初めて行く出荷倉庫や納入先に対してドライバーに経路をレクチャーすることもある。この場合、レクチャーを受ける時間分、余計に多くの時間が掛かると共に、出荷受付側の業務負担にもなる。
【0007】
他方で、専用のナビゲーションサービスやクラウド型のナビゲーションサービスなどの公知のサービスを利用すれば、住所を入力して目的地までのルート(経路)を確認することができる。公知のナビゲーションシステムを使用すれば、ドライバーの負担を軽減することができるが、以下のような課題があった。
【0008】
まず、ナビゲーションサービスへの入力操作が手間であり、さらには誤入力も懸念される。誤字、脱字、見間違いなどで間違った目的地に誘導されてしまう。また、ナビゲーションシステムは目的地を登録できる機能があり、行ったことのある過去の履歴でルート検索やルート設定ができるが、逆にこの機能によって、例えば、今回向かう場所と勘違いしたり、操作ミスで過去に行ったことがある出荷倉庫や納入先を目的地に間違って設定したりする可能性がある。
【0009】
このように従来は、受け取った出荷伝票を目視で確認し、出荷倉庫及び納入先の各目的地までどのように移動するかをドライバー自身が考えて行動しなければならず、ドライバー側の負担が大きかった。
【0010】
また、ナビゲーションサービスの入力手間等の軽減を図る技術として、例えば、出荷伝票を撮影した画像を文字認識処理して住所をテキスト化したり、住所情報が埋め込まれたコードを読み取ってテキスト化したりすることも考えられるが、これでは単にナビゲーションサービスに対する使い勝手をよくしただけであり、ドライバー自身が考えて行動し、多くの注意を払わなければならないことに変りはなく、負担の軽減には寄与し難い。
【0011】
そこで、本発明は、ドライバーが受け取る出荷伝票毎に出荷納入支援情報を提供し、出荷納入支援情報を通じてドライバーの出荷・納入における行動支援を行う出荷納入支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明の出荷納入支援システムは、貨物自動車のドライバーを支援する。本システムは、出荷伝票別の出荷情報に基づいて、外部の地図・ルート情報提供システムに対して積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、地図・ルート情報提供システムから提供される積み込み先住所に基づく地図・ルート情報をドライバーのユーザ端末に表示させるための第1選択領域と、上記地図・ルート情報提供システムに対して納入先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、地図・ルート情報提供システムから提供される納入先住所に基づく地図・ルート情報をユーザ端末に表示させるための第2選択領域と、を含む出荷納入支援情報を生成する支援情報生成部と、ユーザ端末で出荷納入支援情報をブラウザで表示するためのURL情報を含み、ユーザ端末のコード読取機能で読み取り可能なコード情報を生成するコード情報生成部と、ドライバーに渡される出荷伝票にコード情報が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力する出荷伝票制御部と、ドライバーが出荷伝票に印字されたコード情報をユーザ端末で読み取ることでユーザ端末から受信するアクセス要求を受け付け、該当する出荷納入支援情報をユーザ端末に送信する支援制御部と、を有する。
【0013】
(2)上記(1)において、本システムは、各納入先と紐付けて納入先注意喚起情報を記憶する第1記憶部を備えるように構成することができる。このとき、上記支援情報生成部は、出荷伝票別の出荷情報に基づいて、納品先注意喚起情報をユーザ端末に表示させるための第3選択領域を含むように出荷納入支援情報を生成することができ、上記支援制御部は、第3選択領域が選択された場合に、該当する納入先注意喚起情報をユーザ端末に送信するように構成することができる。
【0014】
(3)上記(2)において、上記納入先注意喚起情報は、納入先の事業者によって取り決められた当該納入先での搬入ルール又は搬入時の注意事項とすることができる。そして、上記支援情報生成部は、納入先から通知された納入先注意喚起情報が所定の期間内に通知された又は上記第1記憶部に更新された情報である場合に、納入先注意喚起情報の閲覧を促すための所定の情報が表示されるように出荷納入支援情報を生成するように構成することができる。
【0015】
(4)上記(1)から(3)において、上記出荷情報は、担当するドライバー情報が紐付くように構成することができる。そして、上記支援情報生成部は、過去の出荷情報に基づいて今回生成する出荷納入支援情報と同じ納品先に関するドライバーの納入実績を抽出し、抽出された納入実績をユーザ端末に表示させるための第4選択領域を含むように出荷納入支援情報を生成するように構成することができる。上記納入実績は、出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身の同じ納入先への納入回数、出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身の同じ納入先への直近の納入日、及び他のドライバーを含む直近納入者のドライバー情報を含むように構成することができる。
【0016】
(5)上記(4)において、上記ドライバー情報は、ドライバーの氏名及び連絡先を含むように構成することができ、上記支援情報生成部は、納入実績として提供される直近納入者のドライバー情報が他のドライバーである場合、他のドライバーの連絡先が閲覧可能に当該出荷納入支援情報を生成するように制御することができる。そして、上記支援制御部は、ユーザ端末から他のドライバーの連絡先に対する閲覧要求を受け付けてユーザ端末に送信するように構成することができる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)において、上記出荷情報は、担当するドライバー情報が紐付くように構成することができ、上記出荷伝票制御部は、過去の出荷情報に基づいて同じ納品先に関するドライバーの納入実績を抽出し、ドライバーに渡される出荷伝票に納入実績が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力することができる。このとき、上記納入実績は、ドライバー自身の同じ納入先への納入回数、出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身の同じ納入先への直近の納入日、及び他のドライバーを含む直近納入者のドライバー情報を含むように構成することができる。
【0018】
(7)上記(1)から(6)において、上記出荷納入支援情報は、URL情報とともに所定の閲覧期限が関連付けられるように構成することができ、上記支援制御部は、当該ユーザ端末からアクセス要求を受け付けた際に、上記閲覧期限を過ぎているか否かを判定し、閲覧期限を過ぎていると判断された場合、出荷納入支援情報をユーザ端末に送信しないように制御することができる。
【0019】
(8)本発明のコンピュータ装置によって実行されるプログラムは、出荷伝票別の出荷情報に基づいて、外部の地図・ルート情報提供システムに対して積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、地図・ルート情報提供システムから提供される積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を貨物自動車のドライバーが保持するユーザ端末に表示させるための第1選択領域と、地図・ルート情報提供システムに対して納入先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、地図・ルート情報提供システムから提供される納入先住所に基づく地図・ルート情報をユーザ端末に表示させるための第2選択領域と、を含む出荷納入支援情報を生成する第1機能と、ユーザ端末で出荷納入支援情報をブラウザで表示するためのURL情報を含み、ユーザ端末のコード読取機能で読み取り可能なコード情報を生成する第2機能と、ドライバーに渡される出荷伝票にコード情報が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力する第3機能と、ドライバーが出荷伝票に印字されたコード情報をユーザ端末で読み取ることでユーザ端末から受信するアクセス要求を受け付け、該当する出荷納入支援情報をユーザ端末に送信する第4機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、ドライバーに受け渡される出荷伝票にドライバーを支援するための出荷納入支援情報に紐付くコード情報が印字される環境を提供しつつ、ドライバーは、ユーザ端末からコード情報を読み取るだけで出荷納入支援情報を通じ、出荷伝票に記載された積み込み先及び納入先の地図・ルート情報へのアクセスを自動的に行うことができる環境が実現される。これにより、ドライバーの出荷・納入における行動支援を行うことができ、ドライバーの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態の出荷納入支援システムのネットワーク構成図である。
図2】第1実施形態の出荷納入管理装置及びユーザ端末の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態の各種情報と出荷納入支援情報の説明図である。
図4】第1実施形態の出荷納入支援情報を通じた地図・ルート情報の提供方法を説明するための図である。
図5】第1実施形態の出荷納入支援情報を通じた納入先の庭先情報の提供方法を説明するための図である。
図6】第1実施形態の納入実績情報の一例を示す図である。
図7】第1実施形態の納入実績情報が印字された出荷伝票の一例を示す図である。
図8】第1実施形態の出荷納入支援システムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1から図8は、第1実施形態を説明するための図である。図1は、本実施形態の出荷納入支援システムのネットワーク構成図であり、図2は、出荷納入管理装置100(以下、支援装置と称する)及びユーザ端末300の機能ブロック図である。
【0023】
図1に示すように、出荷納入支援システムは、出荷納入支援装置100(以下、支援装置と称する)を中心に、ドライバーが保持するユーザ端末300とネットワークを通じて接続し、各種情報を提供する。出荷伝票200には、コード情報210が印字されており、貨物自動車のドライバーは、ユーザ端末300でコード情報210を読み取ることで支援装置100にアクセスし、出荷伝票に基づく行動支援を受けることができる。
【0024】
ユーザ端末300は、スマートフォンなどの多機能携帯電話機やタブレット端末などの持ち運び可能な携帯端末(モバイル端末)であり、無線通信機能を備えている。図2に示すように、通信・通話部310は、IP網や4G/5G/LTE回線(携帯電話回線を介したモバイルデータ通信)などの移動通信網でのデータ通信制御と、電話番号に基づく通話制御を行う。ユーザ端末300は、Wi-Fi(無線LAN)機能やSIMカードを利用したモバイルデータ通信機能を備えている。
【0025】
また、ユーザ端末300は、制御部320、カメラ330、タッチパネル方式の表示入力部340、マイク・スピーカー350、記憶部360を備えている。
【0026】
制御部320は、表示制御部321とコード情報読取部322とを備えている。表示制御部321は、例えば、Webブラウザであり、支援装置100及び地図・ルート情報提供装置500への接続制御や、支援装置100及び地図・ルート情報提供装置500から提供される情報や画面を表示する制御を行う。コード情報読取部322は、カメラ330で撮影されたコード情報の画像から後述するURL情報を読み取り、表示制御部321に出力する。
【0027】
コード情報210は、QRコード(登録商標)などの2次元コードで構成されている。なお、コード情報210は、2次元コード以外のコード情報であってもよく、ユーザ端末300が出荷納入支援情報にアクセスするためのURL情報を読み取れるコード情報であればよい。
【0028】
なお、本実施形態のユーザ端末300は、専用のアプリケーションを事前にインストールする必要はなく、表示制御部321としてのWebブラウザを通じた情報提供の仕組みを採用している。このため、本システムを利用するに際してドライバーに、アプリケーションを事前にインストールしたり、ユーザ登録したりするなどの手間を掛けることがなく、本システムを初めて利用するドライバーも過去に利用したことがあるドライバーも、出荷伝票に印字されたコード情報を読み取るだけで、簡単に行動支援を受けることができる。
【0029】
支援装置100は、通信装置110、制御装置120及び記憶装置130を備え、ユーザ端末300で出荷伝票に印字されたコード情報を読み取ることをトリガーとした行動支援を提供するWebサーバであり、ユーザ端末300との間で、HTTPやHTTPSの通信方式でユーザ端末300(表示制御部321)とデータのやり取りを行う。
【0030】
また、支援装置100は、既存の出荷受発注システムと連携している。既存の出荷受発注システムとは、荷主からの出荷依頼を受け付けて出荷納入オーダーを管理し、出荷伝票に記載される出荷情報を提供する機能を備えている。出荷受発注システムから提供される出荷情報は、出荷コード、伝票番号、出荷先(納入先)名、出荷先(納入先)住所、荷物情報(品名、数量等)、積込日、納入日、時間指定、乗務員(ドライバー)、積み込み先(出荷倉庫)名、積み込み先住所などを含む。支援装置100は、所定のタイミングで出荷受発注システムから出荷情報を受信し、記憶装置130に格納する。
【0031】
制御装置120は、支援情報生成部121、出荷伝票印字用コード情報生成部122、出荷伝票制御部123及び支援制御部124を含んで構成されている。また、記憶部130は、出荷受発注システムから提供される出荷情報131や、納入別庭先情報132、ドライバー情報133、出荷納入支援情報134の各種情報を記憶する。
【0032】
さらに、支援装置100及びユーザ端末300は、ネットワークを通じて外部の地図・ルート情報システム(地図・ルート情報提供装置500)に接続することができる。ユーザ端末300は、後述する出荷納入支援情報を通じ、地図・ルート情報提供装置500から積み込み先及び納入先の各地図・ルート情報を取得することができる。地図・ルート情報提供装置500は、Webブラウザを通じて地図・ルート情報をユーザ端末300に提供する。
【0033】
図3は、本実施形態の各種情報と出荷納入支援情報の説明図である。
【0034】
支援情報生成部121は、出荷伝票別に、出荷情報に基づいて出荷納入支援情報を生成する。出荷納入支援情報は、HTML形式やXML形式などのマークアップ言語で記述された情報であり、ユーザ端末300に提供されるWebページである。支援情報生成部121は、生成される出荷納入支援情報に対し、Webページの場所を示すURL情報を割り当て、記憶装置130に記憶する。これにより、ユーザ端末300の表示制御部321から該当する出荷納入支援情報にアクセスし、閲覧することができる。
【0035】
出荷納入支援情報は、地図・ルート情報に関する第1選択領域及び第2選択領域(接続先が外部の地図・ルート情報提供装置500)と、納入先の庭先情報に関する第3選択領域(接続先が支援装置100)を含んで構成されている。
【0036】
第1選択領域は、外部の地図・ルート情報提供装置500に対して積み込み先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、地図・ルート情報提供装置500から提供される積み込み先住所に基づく地図・ルート情報をユーザ端末300に表示させるための選択領域である。当該選択領域には、出荷情報に基づく積み込み先住所が関連付けられており、表示制御部321は、第1選択領域が選択されると、地図・ルート情報提供装置500に対し、積み込み先住所を含むリクエストを送信する。図3の例において、「積倉庫 地図(ルート)」表示欄の「地図(ルート)表示ボタン」が第1選択領域に相当する。
【0037】
第2選択領域は、外部の地図・ルート情報提供装置500に対して納入先住所に基づく地図・ルート情報を要求し、地図・ルート情報提供装置500から提供される納入先住所に基づく地図・ルート情報をユーザ端末300に表示させるための選択領域である。当該選択領域には、出荷情報に基づく納入先住所が関連付けられており、表示制御部321は、第2選択領域が選択されると、地図・ルート情報提供装置500に対し、納入先住所を含むリクエストを送信する。図3の例において、「出荷先 地図(ルート)」表示欄の「地図(ルート)表示ボタン」が第2選択領域に相当する。
【0038】
第3選択領域は、支援装置100に格納された庭先情報をユーザ端末300に表示させるための領域であり、記憶装置130に記憶された庭先情報の格納場所が関連付けられている。庭先情報とは、納入先注意喚起情報であり、納入先別に仕分けされている。一例として、納入先の事業者によって取り決められた当該納入先での搬入ルール又は/及び搬入時の注意事項が、納入先注意喚起情報である。図3の例において、「出荷先 庭先情報)」表示欄の「庭先情報ボタン」が第3選択領域に相当する。
【0039】
出荷納入支援情報は、その他に、出荷伝票の伝票番号や積み込み先住所、納入先住所などが表示される表示領域を含むように構成することができる。
【0040】
また、本実施形態では、出荷納入支援情報に関連して、出荷納入支援管理情報を保持している。出荷納入支援管理情報には、出荷納入支援情報別に閲覧期限が設定されている。閲覧期限は、ユーザ端末300からアクセス要求を受け付けた際に(コード情報を読み取ったとき、又は読み取った後にユーザ端末300に保存されている閲覧履歴から再度アクセスするときを含む)、閲覧期限を過ぎているか否かを判定し、閲覧期限を過ぎていると判断された場合、支援装置100が、出荷納入支援情報をユーザ端末300に送信しないように制御する制限情報として使用される。
【0041】
そして、支援装置100は、出荷伝票印字用コード情報生成部122を備え、ユーザ端末300で出荷納入支援情報をブラウザで表示するためのURL情報を含み、ユーザ端末300のコード読取機能で読み取り可能なコード情報を生成すると共に、ドライバーに渡される出荷伝票にコード情報が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力する出荷伝票制御部123を備える。これにより、コード情報210が印字された出荷伝票200が、ドライバーに受け渡される。
【0042】
ドライバーは、出荷伝票に印字されたコード情報をユーザ端末300で読み取ると、ユーザ端末300の表示制御部321は、読み取ったURL情報に基づいて支援装置100にアクセスする。支援制御部124は、アクセス要求を受け付け、該当する出荷納入支援情報をユーザ端末300に送信する。また、支援制御部124は、出荷納入支援情報を介したドライバーからの情報取得要求に応じて、各種情報(庭先情報、後述する納入実績等)を提供する制御を行う。
【0043】
ドライバーは、出荷納入支援情報を通じて積み込み先までのルート情報や納入先までのルート情報を閲覧したり、納入先の庭先情報を閲覧したりすることができ、現在位置から積み込み先までの移動、積み込み先から納入先までの移動及び納入先での荷卸しに至るまでの一連の行動支援がドライバーに提供される。
【0044】
図4は、本実施形態の出荷納入支援情報を通じた地図・ルート情報の提供方法を説明するための図である。
【0045】
上述したように、出荷納入支援情報の第1選択領域は、地図・ルート情報提供装置500に、積み込み先住所を含むリクエストを送信する画面部品であり、地図・ルート情報提供装置500の接続先情報と、地図・ルート情報提供装置500に渡す引数として積み込み先住所と、が関連付けられている。表示制御部321は、第1選択領域が選択されると、積み込み先住所を引数として、地図・ルート情報提供装置500にアクセスする。
【0046】
同様に、出荷納入支援情報の第2選択領域も、地図・ルート情報提供装置500に、納入先住所を含むリクエストを送信する画面部品であり、地図・ルート情報提供装置500の接続先情報と、地図・ルート情報提供装置500に渡す引数として納入先住所とが関連付けられている。表示制御部321は、第1選択領域が選択されると、納入先住所を引数として、地図・ルート情報提供装置500にアクセスする。
【0047】
出荷納入支援情報を通じて地図・ルート情報提供装置500にアクセスしたユーザ端末300は、その後、地図・ルート情報提供装置500との間で、当該地図・ルート情報提供装置500が提供するナビゲーションサービスを利用することができる。例えば、ユーザ端末300は、GPS機能を備えることができる。ユーザ端末300は、GPS機能を通じて取得された現在位置情報を地図・ルート情報提供装置500に送信し、地図・ルート情報提供装置500は、現在位置から積み込み先住所までのルート情報、現在位置から納入先住所までのルート情報を生成して、ユーザ端末300に提供することができる。
【0048】
本実施形態の出荷納入支援情報は、地図・ルート情報提供装置500への仲介役として機能し、住所情報等を入力することなく、表示された出荷納入支援情報の地図(ルート)表示ボタンを押すだけで、少なくとも地図・ルート情報提供装置500に対して積み込み先住所、納入先住所それぞれが自動的に提供されるようにしている。なお、積み込み先や納入先住所を含む各リクエストに、GPS機能で取得したユーザ端末300の現在位置情報が含まれるように構成してもよい。
【0049】
また、図4の例において、地図・ルート情報提供装置500が提供するナビゲーションサービスが、貨物自動車の車種などの特殊条件に対応したルート情報を提供可能な場合がある。この場合、引数として車種等のトラック情報を地図・ルート情報提供装置500に提供するように構成してもよい。
【0050】
支援装置100は、各ドライバーの情報をマスタ情報として予め登録しておくことができる。例えば、ドライバーID、ドライバー名、連絡先、トラック情報(車種、車両情報)を含むドライバー情報を記憶装置130に保持することができる。
【0051】
そこで、支援情報生成部121は、第1選択領域及び第2選択領域に、該当するドライバーのトラック情報が関連付けられるように(含まれるように)、出荷納入支援情報を生成することができる。このように構成することで、住所情報と共にトラック情報を引数として地図・ルート情報提供装置500に自動的に送信することができる。貨物自動車の車種などの特殊条件に対応したルート情報の提供を受けるための引数等は、予め地図・ルート情報提供装置500との間で予め取り決めておくことができる。
【0052】
また、別の態様として、支援装置100がユーザ端末300から第1選択領域又は第2選択領域の各選択に基づく地図・ルート情報要求を受け付け、地図・ルート情報提供装置500から提供される地図・ルート情報を、ユーザ端末300に提供する態様であってもよい。この場合、支援装置100は、ユーザ端末300から現在位置を含む地図・ルート情報要求を受け付けると、トランクの現在位置、積み込み先住所及び出荷納入支援情報に紐付くドライバーのトラック情報を含むリクエストを生成し、地図・ルート情報提供装置500に送信する。トラック情報は、車高、車幅、重量などが含まれる。そして、地図・ルート情報提供装置500は、支援装置100からのリクエストに含まれる条件に適合する地図・ルート情報を生成し、支援装置100に提供する。支援装置100は、地図・ルート情報提供装置500から受信した地図・ルート情報をユーザ端末300に提供する。
【0053】
また、さらに、ユーザ端末300に複数の地図・ルート情報を提供し、ドライバーがその中から選んで地図・ルート情報を閲覧可能に構成することもできる。例えば、地図・ルート情報提供装置500に対してトラック情報を提供せずに、地図・ルート情報提供装置500が、現在位置と積み込み先住所又は納入先住所に基づいて、大型貨物自動車の地図・ルート情報、中型貨物自動車の地図・ルート情報などの車両の大きさに応じて異なる地図・ルート情報を提供し、ユーザ端末300でドライバーが自分のトラックの車種に応じて選択するように構成することができる。
【0054】
図5は、本実施形態の出荷納入支援情報を通じた納入先の庭先情報の提供方法を説明するための図である。
【0055】
図5に示すように、支援装置100は、納入先別に庭先情報を記憶装置130に保持することができる。庭先情報は、PDF形式等の所定のファイル形式で保存されており、第3選択領域には、庭先情報のURL情報(Webページとしての格納場所)が含まれるように構成することができる。ユーザ端末300の表示制御部321は、第3選択領域が選択されると第3選択領域に含まれる庭先情報のURL情報に基づいて支援装置300に接続し、支援制御部124が、該当する納入先注意喚起情報をユーザ端末300に送信する。
【0056】
このとき、ユーザ端末300には、最新の庭先情報が提供される。庭先情報は、納入先の事業者によって取り決められた当該納入先での搬入ルール又は搬入時の注意事項であるので、ルールや注意事項が変更されたりする。そこで、納入先別に庭先情報の更新履歴を保持するように構成する。つまり、納入先から通知された日時又は支援装置100(記憶装置130)に更新(格納)された日時を更新履歴として保持する。
【0057】
支援情報生成部121は、納入先から通知された庭先情報が現在日付から所定期間以内に通知された又は現在日付から所定期間内に更新された情報であるかを判別し、所定期間内に通知又は更新された情報である場合に、庭先情報の閲覧を促すための所定の情報が表示されるように出荷納入支援情報を生成する。図5の例では、所定の情報として、注意喚起を示すマークが、第3選択領域付近に表示されている。このように構成することで、納入先に初めて納入するドライバーはもちろん、過去に同じ納入先に納入したことがあるドライバーに対しても、注意喚起を行うことができる。
【0058】
図6は、本実施形態の納入実績情報の一例を示す図である。上述のように出荷伝票、すなわち、出荷情報には、担当するドライバーが含まれており、ドライバー情報が紐付く。そこで、本実施形態の支援情報生成部121は、過去の出荷情報に基づいて今回生成する出荷納入支援情報と同じ納品先に関するドライバーの納入実績を抽出し、抽出された納入実績をユーザ端末300に表示させるための第4選択領域を含むように、当該出荷納入支援情報を生成する。図6の例において、「積倉庫 出荷先」表示欄の「過去の納入実績ボタン」が第4選択領域に相当する。
【0059】
納入実績は、出荷納入支援情報が提供されるドライバー自身が同じ納入先へ納入した回数(納入回数)、ドライバー自身が同じ納入先へ納入した直近(最新)の納入日、及び他のドライバーを含む直近納入者のドライバー情報(ドライバーの氏名等)とその納入日を含むように構成することができる。
【0060】
支援情報生成部121は、出荷納入支援情報を生成する際に、出荷納入支援情報が提供されるドライバー及び納入先をキーに納入回数、前回納入日を抽出し、さらに、納入先をキーに直近納入者を抽出し、納入実績情報を生成する。生成された納入実績情報は、記憶装置130に格納され、納入実績情報も出荷納入支援情報と同様にWebページとして生成することができる。第4選択領域には、納入実績情報のURL情報が含まれるように構成される。
【0061】
なお、納入回数は、ドライバー自身が初めて納入する場合、0回と表示することもできるが、「初めて」などの文字情報を表示してもよい。前回納入日については、初めての場合は、ブランクにすることができる。また、直近納入者は、ドライバー自身の場合と他のドライバーの場合とが含まれ、そのドライバーの氏名が表示される。
【0062】
また、図6に示すように、直近納入者への連絡手段を提供するように構成することもできる。上述のように、支援装置100は、ドライバー情報として、電子メールアドレスや携帯電話番号などの連絡先を予め登録しておくことができる。そこで、図6の例に示すように、支援情報生成部121は、納入実績として提供される直近納入者のドライバー情報が他のドライバーである場合、他のドライバーの連絡先を閲覧可能とする出荷納入支援情報を生成することができる。
【0063】
例えば、電子メールを示すアイコンや電話を示すアイコンが含まれるように構成し、これらのアイコンが選択された場合、支援制御部124は、ユーザ端末300から他のドライバーの連絡先に対する閲覧要求を受け付けて、当該ユーザ端末300に連絡先情報を送信するように構成することができる。ドライバーは、提供された電子メールアドレス宛にユーザ端末300からメールを送信したり、電話を掛けたりすることができる。
【0064】
図7は、本実施形態の納入実績情報が印字された出荷伝票の一例を示す図である。納入先実績情報をユーザ端末300に提供する態様以外にも、図7に示すように、出荷伝票に印字することもできる。そこで、出荷伝票制御部123は、ドライバーに渡される出荷伝票に納入実績が印字されるように、出荷情報に基づく出荷伝票の印刷情報を出力することができる。このとき、出荷伝票制御部123は、支援情報生成部121が出荷納入支援情報に関連して生成した納入実績情報を用いて、出荷伝票の印刷情報を出力することができる。
【0065】
なお、納入実績情報は、出荷納入支援情報を通じたWeb形式での提供方法以外に、Web形式で提供せずに、出荷伝票だけに印字する提供方法であってもよい。この場合、出荷伝票制御部123は、支援情報生成部121と同様の、上述した過去の出荷情報に基づいて同じ納品先に関するドライバーの納入実績を抽出する処理等を行い、コード情報及び納入実績情報を含む、出荷情報に基づいた出荷伝票の印刷情報を出力することができる。
【0066】
図8は、本実施形態の出荷納入支援システムの処理フローを示す図である。
【0067】
支援装置100は、各種情報を蓄積し、記憶装置130に格納する(S101)。例えば、納入先(出荷先)、積み込み先、ドライバー情報、トラック情報、庭先情報などをマスタ情報として登録することができる。また、出荷受発注システムから出荷情報の提供を受けて記憶装置130に格納する。
【0068】
支援装置100は、出荷伝票別に、出荷納入支援情報の生成処理を行う(S102)。この生成処理は、図3に示した出荷納入支援管理情報の生成、庭先情報が所定期間内に通知又は更新された情報であるか否かの判別、納入実績情報の生成などの各種処理も含まれる。また、支援装置100は、生成される出荷納入支援情報にURL情報を割り当て、割り当てられたURL情報がコード化されたコード情報を生成する(S103)。
【0069】
出荷伝票受渡場所では、ドライバーに出荷伝票を受け渡すために出荷伝票を印刷する。出荷伝票受渡場所には、IP網を通じて支援装置100に接続可能なコンピュータ端末と印刷装置が設置されており、コンピュータ端末から支援装置100に接続して出荷伝票印刷要求を送信する。支援装置100(出荷伝票制御部123)は、出荷伝票別に、コード情報を含む出荷伝票印刷データを生成し(S104)、コンピュータ端末に印刷データを送信する(S105)。このとき、納入実績情報を出荷伝票に印字する場合は、コード情報及び納入実績情報を含む出荷伝票印刷データを生成し、コンピュータ端末に提供する。そして、印刷装置で出荷伝票が印刷され、ドライバーに受け渡される。
【0070】
ドライバーは、受け取った出荷伝票に印字されたコード情報をユーザ端末300で読み取る。ユーザ端末300の表示制御部321は、読み取ったURL情報に基づいて支援装置300に接続する(S301)。支援装置100の支援制御部124は、ドライバーが出荷伝票に印字されたコード情報を当該ユーザ端末300で読み取ることで受信するアクセス要求を受け付け、該当する出荷納入支援情報をユーザ端末300に送信する(S106)。
【0071】
その後、ドライバーは、ユーザ端末300で出荷納入支援情報を閲覧し、第1選択領域及び第2選択領域それぞれを選択することで、地図・ルート情報提供装置500に地図・ルート情報の取得要求を送信する(S302)。地図・ルート情報提供装置500は、住所等を含む条件でルート検索処理を行い、ユーザ端末300にルート情報をユーザ端末300に提供する。ユーザ端末300は、提供されたルート情報を表示する(S303)。
【0072】
また、ドライバーは、出荷納入支援画面において、第3選択領域を選択し(S304)、出荷伝票に対応する納品先の庭先情報を閲覧することができる。支援装置100は、該当する庭先情報をユーザ端末300に提供し、ユーザ端末300は、提供された庭先情報を表示する(S107,S305)。
【0073】
さらに、ドライバーは、出荷納入支援画面において、納品実績情報(第4選択領域)を選択し(S306)、出荷伝票に対応する納品先への納品実績情報を閲覧することができる。支援装置100は、出荷伝票と同じ納品先への過去の納品実績情報をユーザ端末300に提供し、ユーザ端末300は、提供された納品実績情報を表示する(S108,S308)。
【0074】
このとき、納品実績情報には、他のドライバーを含む直近納入者のドライバー情報が含まれる。支援装置100は、出荷伝票に係るドライバー以外の他のドライバーが直近納入者である場合、納品実績情報に当該他のドライバーへの連絡手段を提示する電子メールを示すアイコンや電話を示すアイコンが含まれるように構成し、これらのアイコンが選択された場合(S308)、支援装置100は、連絡先情報を当該ユーザ端末300に送信する(S109)。ドライバーは、提供(表示)された電子メールアドレス宛にユーザ端末300からメールを送信したり、電話を掛けたりすることができる(S309)。
【0075】
本実施形態の出荷納入支援システムは、以下のような特徴がある。
a)ドライバーに受け渡される出荷伝票に、ドライバーの行動支援のための出荷納入支援情報に紐付くコード情報が印字される環境を提供し、ドライバーは、ユーザ端末300からコード情報を読み取るだけで出荷納入支援情報にアクセスすることができる。そして、出荷納入支援情報を通じ、出荷伝票に記載された積み込み先及び納入先の地図・ルート情報へのアクセスを自動的に行うことができる。
【0076】
b)また、出荷納入支援情報からこれから向かう納入先の庭先情報も参照することができ、事前に納入先のルールや注意事項を把握できるので、納入先で納入トラブル等が生じないかの不安を解消することができる。
【0077】
c)特に、ドライバーに提示される庭先情報が、現在日付から所定期間以内に通知された又は現在日付から所定期間内に更新されたものである場合、当該最新の庭先情報の閲覧を促すための注意喚起を示すマークが表示されるので、納入先に初めて納入するドライバーはもちろん、過去に同じ納入先に納入したことがあるドライバーに対し、事前に最新の庭先情報を把握する動機付けを提供することができる。
【0078】
d)人手不足の中、初心者ドライバーやスポットドライバーに対して行動支援を行うことができると共に、経験豊富なドライバーに対しても誤納入防止の観点において適切な行動支援を行うことができる。経験豊富なドライバーは、ドライバー自身が道路事情に精通し、多くの積み込み先、納入先を知っている。このため、経験豊富な知識が逆に邪魔をし、思い込みによる勘違いが生じることがある。例えば、A社への納入経験はあるが、B社への納入経験は無かった場合に、勘違いしてB工場の荷物をA工場に納入してしまうなどの誤納入が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、納入実績情報を提供し、ドライバー自身が過去に行ったことがある納入先なのか(納入回数)、その納入先に前回行ったのはいつなのか(前回納入日)、他ドライバーを含めた直近の納入ドライバーは誰なのか(直近納入者)を、ドライバーの視角に訴えるようにしている。これにより、ドライバーに負担を掛けることなく、一目見ただけで思い込みや誤りに気付かせることができる。納入回数に「初めて」と表示されていれば、いつも行っている納入先ではないことに気が付く。前回納入日をみれば、先月行ったのか、先々月行ったのかのなどの時間的なスパンを把握でき、思い込みに傾く思考にブレーキを掛ける(気付き与える)ことができる。また、直近納入者を見れば、最新情報を持つ他のドライバーが分かり、当該他のドライバーに連絡して情報を得るなどして、納入に伴う不安を解消することができる。
【0079】
e)そして、本実施形態の出荷納入支援システムは、出荷伝票に印字されたコード情報を読み取って提供される出荷納入支援情報を起点に、各種の行動支援のための情報にアクセスできる。このため、ドライバーは手間を掛けずに、又は操作ミス・誤認識による誤入力等の不安がなく、1つの出荷伝票において要する行動全体のサポートを受けることができ、運送業務のドライバー負担を軽減することができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、出荷納入支援装置100を構成する各制御装置及び各記憶装置は、1つ又は複数のコンピュータ装置で実現することができ、また、複数のコンピュータ装置に各処理部を任意に分散させて構築することもできる。
【0081】
また、出荷納入支援装置100の各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、各部の機能を動作させることができる。
【0082】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【符号の説明】
【0083】
100 出荷納入支援装置
110 通信装置
120 制御装置
121 支援情報生成部
122 コード情報生成部
123 出荷伝票制御部
124 支援制御部
130 記憶装置
131 出荷情報
132 納入先別庭先情報
133 トライバー情報
134 出荷納入支援情報
200 出荷伝票
210 コード情報
300 ユーザ端末
310 通信・通話部
320 制御部
321 表示制御部
322 コード情報読取部
330 カメラ
340 タッチパネル方式表示・入力部
350 マイク・スピーカー
360 記憶部
500 地図・ルート情報提供装置(外部ナビゲーションサービス)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8