(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058958
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】配管用流動促進装置
(51)【国際特許分類】
C02F 11/00 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
C02F11/00 ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168796
(22)【出願日】2021-10-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】加藤 輝美
【テーマコード(参考)】
4D059
【Fターム(参考)】
4D059AA03
4D059CB01
4D059CB13
4D059CB18
(57)【要約】
【課題】配管内における流体の流動を促進できるようにした配管用流動促進装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る配管用流動促進装置は、円筒状の配管本体部と、前記配管本体部内において、周方向に沿う第1方向および第2方向に回転可能に設けられる円筒状の配管回転部と、前記配管回転部の内周面に設けられ、当該配管回転部の軸心方向に対して傾斜する傾斜部と、を備え、前記配管回転部内を流れる流体が前記傾斜部を押圧することにより、前記配管本体部内において前記配管回転部が前記第1方向に回転する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の配管本体部と、
前記配管本体部内において、周方向に沿う第1方向および第2方向に回転可能に設けられる円筒状の配管回転部と、
前記配管回転部の内周面に設けられ、当該配管回転部の軸心方向に対して傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記配管回転部内を流れる流体が前記傾斜部を押圧することにより、前記配管本体部内において前記配管回転部が前記第1方向に回転する配管用流動促進装置。
【請求項2】
前記配管回転部を前記第2方向に付勢する付勢部を備える請求項1に記載の配管用流動促進装置。
【請求項3】
前記配管回転部の外周面において、当該配管回転部の軸心方向に沿う第1溝部と、
前記配管回転部の外周面において、当該配管回転部の周方向に沿う第2溝部と、
前記第1溝部および前記第2溝部に水を供給する給水部と、
を備える請求項1または2に記載の配管用流動促進装置。
【請求項4】
前記配管本体部内における前記配管回転部の回転を規制する回転規制部を備える請求項1から3の何れか1項に記載の配管用流動促進装置。
【請求項5】
前記回転規制部により前記配管回転部の回転が規制されていることを報知する報知部を備える請求項4に記載の配管用流動促進装置。
【請求項6】
前記配管本体部内における前記配管回転部の回転を促進する回転促進部を備える請求項1から5の何れか1項に記載の配管用流動促進装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配管内における流体の流動を促進できるようにした配管用流動促進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば活性汚泥法による下水処理システムにおいては、最終沈殿池に沈降した汚泥は、反応タンクあるいは汚泥処理設備に送られる。より詳細に説明すると、最終沈殿池に沈降した汚泥のうち一部の汚泥は、返送汚泥ポンプによって最終沈殿池から引き抜かれ、その引き抜かれた汚泥は、配管を通して反応タンクに送られる。また、最終沈殿池に沈降した汚泥のうち残りの汚泥は、余剰汚泥ポンプによって最終沈殿池から引き抜かれ、その引き抜かれた汚泥は、配管を通して汚泥処理設備に送られる。
【0003】
そして、例えば特許文献1に開示されているように、この種の下水処理システムにおいては、例えば汚泥の濃度を計測する濃度計や汚泥の流量を計測する流量計などといった各種の計測装置が配管の途中部に備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の下水処理システムの配管に備えられる計測装置は、配管の一部に一体化されて設けられており、配管の外装部から内部に例えば超音波を与えたり電磁誘導を作用させたりすることによって汚泥の濃度や流量などを計測するように構成されている。しかしながら、汚泥は、その粘性が高く、従って、配管の内周面に付着しやすく、また、配管内において沈降したり滞留したりしやすい。そして、例えば、汚泥が配管の内周面に付着した状態、あるいは、汚泥が配管内において沈降したり滞留したりした状態においては、つまり、配管内において汚泥が円滑に流動していない状態においては、配管の外部の計測装置では、配管の内部の測定が困難となり、測定誤差の増大や測定精度の低下を招いてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本実施形態は、配管内における流体の流動を促進できるようにした配管用流動促進装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る配管用流動促進装置は、円筒状の配管本体部と、前記配管本体部内において、周方向に沿う第1方向および第2方向に回転可能に設けられる円筒状の配管回転部と、前記配管回転部の内周面に設けられ、当該配管回転部の軸心方向に対して傾斜する傾斜部と、を備え、前記配管回転部内を流れる流体が前記傾斜部を押圧することにより、前記配管本体部内において前記配管回転部が前記第1方向に回転する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る配管用流動促進装置の構成例を概略的に示すものであって、軸心方向に沿う縦断面図
【
図2】第1実施形態に係る配管用流動促進装置の構成例を概略的に示すものであって、軸心方向に直交する方向に沿う縦断面図
【
図3】第1実施形態に係る配管用流動促進装置の動作例を概略的に示すものであって、配管回転部が第1方向に回転する場合を示す図
【
図4】第1実施形態に係る配管用流動促進装置の動作例を概略的に示すものであって、配管回転部が第2方向に回転する場合を示す図
【
図5】第2実施形態に係る配管用流動促進装置の構成例を概略的に示すものであって、軸心方向に沿う横断面図
【
図6】第3実施形態に係る回転規制機能部およびその周辺部分の構成例を概略的に示すものであって、軸心方向に直交する方向に沿う縦断面図
【
図7】第3実施形態に係る回転規制機能部によって配管本体部の回転が規制されている状態例を概略的に示すものであって、軸心方向に直交する方向に沿う縦断面図(その1)
【
図8】第3実施形態に係る回転規制機能部によって配管本体部の回転が規制されている状態例を概略的に示すものであって、軸心方向に直交する方向に沿う縦断面図(その2)
【
図9】第4実施形態に係る回転規制機能部およびその周辺部分の構成例を概略的に示すものであって、軸心方向に直交する方向に沿う縦断面図
【
図10】第5実施形態に係る配管用流動促進装置の構成例を概略的に示すものであって、軸心方向に沿う横断面図
【
図11】第5実施形態に係る切替栓の構成例を概略的に示す図
【
図12】第5実施形態に係る回転促進機能部によって配管回転部の第2方向への回転が促進されている状態例を概略的に示すものであって、軸心方向に沿う横断面図
【
図13】第5実施形態に係る回転促進機能部によって配管回転部の第1方向への回転が促進されている状態例を概略的に示すものであって、軸心方向に沿う横断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の配管用流動促進装置に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1に例示する配管用流動促進装置100は、例えば活性汚泥法による下水処理システムを構成する配管10の途中部に設けられている。詳しい図示および説明は省略するが、配管10の上流側には、最終沈殿池に沈降した汚泥を引き抜くポンプが設けられている。また、配管10の下流側には、例えば汚泥を処理する汚泥処理設備などといった設備類が設けられている。ポンプによって最終沈殿池から引き抜かれた汚泥は、配管10内を上流側から下流側に向かって流れて汚泥処理設備などの設備類に送られる。本開示における汚泥は、流体の一例である。
【0011】
また、配管10の途中部には、計測装置20が一体的に設けられている。計測装置20は、例えば、配管10内における汚泥の濃度を計測する濃度計や配管10内における汚泥の流量を計測する流量計などである。計測装置20が備える図示しない検出器やセンサなどは、配管10の途中部に組み込まれている計測装置部対応配管21の外装部に一体化されて設けられている。そして、計測装置20は、配管10の一部を構成する計測装置部対応配管21の外装部から内部に例えば超音波を与えたり電磁誘導を作用させたりすることによって計測装置部対応配管21内、ひいては、配管10内における汚泥の濃度や流量などを計測するように構成されている。なお、計測装置20は、濃度計や流量計に限られるものではなく、配管10内における流体の各種の物性を計測可能なものであれば、種々の計測装置を適用することができる。
【0012】
本開示に係る配管用流動促進装置100は、配管10のうち計測装置20よりも上流側部分に備えられている。次に、この配管用流動促進装置100の構成例について詳細に説明する。以下、配管用流動促進装置100を、単に「流動促進装置100」と称する場合がある。
【0013】
図1に例示するように、流動促進装置100は、配管本体部110および配管回転部120を備えている。
【0014】
配管本体部110は、配管10の延伸方向、換言すれば、配管10の軸心方向に沿う長尺な円筒状に形成されている。配管本体部110の軸心方向における両端部には、それぞれ、当該配管本体部110の径方向外側に延出するフランジ111が設けられている。配管本体部110は、フランジ111を、配管10の下流側の端部および計測装置部対応配管21の上流側の端部に設けられているフランジ11に締結することによって、配管10の途中部に組み込まれている。配管10の途中部に組み込まれた配管本体部110は、配管10の一部を構成する。なお、配管10および計測装置部対応配管21のフランジ11と配管本体部110のフランジ111との締結は、例えばボルトなどといった締結用部材Tを用いて強固に行われている。
【0015】
配管回転部120は、配管10の軸心方向に沿う長尺な円筒状に形成されている。配管回転部120の外径寸法は、配管本体部110の内径寸法よりも若干小さくなっており、配管回転部120は、その全体が配管本体部110の内部に収容されている。配管本体部110の内部に配管回転部120が収容された状態において、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間には、僅かな隙間が形成されている。
【0016】
また、
図2に例示するように、配管回転部120は、配管本体部110の内部において、周方向に沿う矢印R1方向および矢印R2方向に回転可能に設けられている。矢印R1方向は、第1方向の一例であり、この場合、配管10の上流側から見て時計回り方向となっている。また、矢印R2方向は、第2方向の一例であり、この場合、配管10の上流側から見て反時計回り方向となっている。
【0017】
また、
図1および
図2に例示するように、配管回転部120の内周面には、複数、この場合、3つの傾斜翼部121が設けられている。傾斜翼部121は、傾斜部の一例である。傾斜翼部121は、配管回転部120の内周面から内方、つまり、配管回転部120の軸心に向かって突出している。また、傾斜翼部121は、配管回転部120内において流体が流れる方向、つまり、当該配管回転部120の軸心方向に対して緩やかに傾斜した構成となっている。
【0018】
傾斜翼部121は、受け面部121aおよび非受け面部121bを有している。特に
図1に例示するように、受け面部121aは、配管10の上流側つまり計測装置20とは反対側に指向つまり面している。一方、非受け面部121bは、配管10の下流側つまり計測装置20側に指向つまり面している。
【0019】
図1において破線矢印Aで例示するように、配管回転部120内を上流側から下流側に向かって流れる汚泥は、傾斜翼部121の受け面部121aを押圧する。これにより、汚泥によって傾斜翼部121が矢印R1方向に押されるようになり、これに伴い、配管本体部110内において配管回転部120が矢印R1方向に回転するようになる。
【0020】
また、配管回転部120の軸心方向における両端部には、それぞれ段差部122が設けられている。段差部122は、配管回転部120の軸心方向における両端部の外周面に設けられている。また、段差部122は、配管回転部120の周方向に沿って連続して設けられている。
【0021】
そして、流動促進装置100は、この段差部122内に捻りコイルばね130を備えている。捻りコイルばね130は、付勢部の一例である。捻りコイルばね130の一端部130aは、配管本体部110の内周面に固定されている。一方、捻りコイルばね130の他端部130bは、配管回転部120の外周面、より具体的には、段差部122の外周面に固定されている。
【0022】
上述したように、配管回転部120内を上流側から下流側に汚泥が向かって流れることにより、傾斜翼部121が矢印R1方向に押されるようになり、これに伴い、配管本体部110内において配管回転部120が矢印R1方向に回転するようになる。そして、配管本体部110内において配管回転部120が矢印R1方向に回転することに伴い、捻りコイルばね130が定常状態から変形し、これにより、捻りコイルばね130には定常状態に戻ろうとする復帰力が発生するようになる。このような復帰力が発生した捻りコイルばね130は、配管本体部110内において配管回転部120を矢印R1方向とは反対方向である矢印R2方向に付勢するようになる。
【0023】
以上のように構成される流動促進装置100によれば、配管回転部120内を上流側から下流側に向かって汚泥が流れることにより、配管本体部110内において配管回転部120を矢印R1方向に回転させることができる。そして、
図3に例示するように、配管本体部110内において配管回転部120が矢印R1方向に回転し始め、さらに加速しながら回転することに伴い、傾斜翼部121の位置が変位することから、
図3において矢印B1で例示するように、流動促進装置100よりも下流側つまり計測装置20側において汚泥が流れる向きや速さに変化を与えることができる。このとき、傾斜翼部121の変位量や変位速度によっては、流動促進装置100よりも下流側において、例えば渦流や旋回流などといったダイナミックな動きを汚泥に形成することも可能である。なお、
図3に例示する矢印B1は、流動促進作用を受けている汚泥の流れをイメージとして示すものである。
【0024】
また、配管本体部110内における配管回転部120の矢印R1方向への回転量は、例えば、配管回転部120内を上流側から下流側に向かって流れる汚泥の流速や流量が大きいほど大きくすることができる。また、汚泥に形成される渦流や旋回流などは、傾斜翼部121付近、つまり、配管回転部120の内径域に形成されやすく、配管回転部120の軸心部分あるいはその近傍部分を含む広い領域にわたって渦流や旋回流が形成されるわけではない。そのため、汚泥に形成される動きが、計測装置20の測定精度に影響を与えてしまうことは抑制される。
【0025】
また、流動促進装置100によれば、例えば、配管回転部120内を上流側から下流側に向かって流れる汚泥の流速や流量が小さくなったり、配管回転部120内における汚泥の流れが止まったりすることにより、捻りコイルばね130が発生する復帰力つまり付勢力により、配管本体部110内において配管回転部120を矢印R2方向に回転させることができる。そして、
図4に例示するように、配管本体部110内において配管回転部120が矢印R2方向に回転し始め、さらに加速しながら回転することに伴い、傾斜翼部121の位置が変位することから、
図4において矢印B2で例示するように、この傾斜翼部121の動きによって、配管回転部120内の汚泥に動きを与えることができる。このとき、傾斜翼部121の変位量や変位速度によっては、流動促進装置100よりも下流側に汚泥を押し出すような動きを形成することも可能である。なお、
図4に例示する矢印B2は、流動促進作用を受けている汚泥の流れをイメージとして示すものである。
【0026】
以上に例示した本開示に係る流動促進装置100によれば、配管回転部120内における汚泥の状況に応じて、当該配管回転部120が配管本体部110内において矢印R1方向および矢印R2方向に回転するように構成されている。この構成例によれば、配管本体部110内において配管回転部120が矢印R1方向および矢印R2方向に回転することにより、流動促進装置100内や、当該流動促進装置100よりも下流側の計測装置部対応配管21内や配管10内において、汚泥が流れる向きや速さに変化を与えたり、汚泥に動きを与えたりすることができる。これにより、流動促進装置100内、ひいては、当該流動促進装置100よりも下流側の計測装置部対応配管21内や配管10内における汚泥の流動を促進することができる。
【0027】
そして、流動促進装置100によれば、上述のようにして配管10内における汚泥の流動を促進することにより、配管10内、特に流動促進装置100よりも下流側の計測装置部対応配管21内における汚泥の流動を促進することができる。これにより、計測装置部対応配管21内において、例えば、汚泥が配管の内周面に付着した状態、あるいは、汚泥が配管内において沈降したり滞留したりした状態が形成されてしまうこと、つまり、配管内において汚泥が円滑に流動していない状態が形成されてしまうことを抑制することができ、計測装置20において測定誤差が増大したり測定精度が低下したりすることを回避することができる。
【0028】
(第2実施形態)
図5に例示する流動促進装置100は、軸心方向溝部210および周方向溝部220を備えている。軸心方向溝部210は、第1溝部の一例であり、配管回転部120の外周面において、当該配管回転部120の軸心方向に沿って延びている。軸心方向溝部210の軸心方向における両端部は、配管回転部120の軸心方向の両端部に設けられている段差部122に接続されている。また、周方向溝部220は、第2溝部の一例であり、配管回転部120の外周面において、当該配管回転部120の周方向に沿って延びている。また、周方向溝部220は、配管回転部120の全周にわたり連通している。また、軸心方向溝部210および周方向溝部220は、配管回転部120の軸心方向における中央部において交差している。
【0029】
そして、流動促進装置100は、軸心方向溝部210と周方向溝部220とが交差する交差部230に給水栓240を備えている。給水栓240は、給水部の一例であり、配管本体部110の外部から軸心方向溝部210内および周方向溝部220内に水を供給可能に構成されている。給水栓240が軸心方向溝部210内および周方向溝部220内に供給する水は、例えば水道水であるが、水道水以外の水であってもよい。軸心方向溝部210内および周方向溝部220内に供給された水は、これら軸心方向溝部210内および周方向溝部220内を流れるとともに、その一部の水は、これら軸心方向溝部210内および周方向溝部220内から溢れ出て、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に行き渡る。
【0030】
以上に例示した流動促進装置100によれば、軸心方向溝部210内および周方向溝部220内に水を供給することによって、その水を配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に行き渡らせることができる。これにより、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間から空気を抜くことができ、また、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に水を充填することができる。
【0031】
そして、このように配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間から空気を抜き、且つ、その隙間内に水を充填することにより、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との摩擦抵抗を低減することができる。これにより、配管本体部110内における配管回転部120の回転を一層円滑に行うことができる。即ち、給水栓240から供給する水を、配管回転部120の回転を円滑化する潤滑液として活用することができる。
【0032】
また、給水栓240から軸心方向溝部210内に供給された水は、当該軸心方向溝部210が接続されている段差部122内に到達する。これにより、段差部122内を水で充填することができ、当該段差部122内に汚泥が流入することを阻止することできる。そして、段差部122内に汚泥が流入することを阻止することにより、当該段差部122内の捻りコイルばね130に汚泥が付着することを阻止することができる。これにより、捻りコイルばね130が良好に動作できる状態を維持することができる。
【0033】
(第3実施形態)
図6に例示する流動促進装置100は、回転規制機能部300を備えている。回転規制機能部300は、回転規制部の一例であり、回転規制用金具310および回転規制用溝部320を備えている。この場合、回転規制用金具310は、配管本体部110側に設けられており、回転規制用溝部320は、配管回転部120側に設けられている。
【0034】
回転規制用金具310は、頭部311およびねじ込み部312を一体的に備えるボルト状の構成である。回転規制用金具310は、配管本体部110の周壁面を貫通する貫通孔112内にねじ込み部312をねじ込むことによって取り付けられている。配管本体部110の周壁面に対する回転規制用金具310のねじ込み量は、適宜調整することができる。
【0035】
回転規制用溝部320は、配管回転部120の外周面に設けられている。この場合、回転規制用溝部320は、大溝部320aおよび小溝部320bを備えている。配管回転部120の周方向に沿う大溝部320aの幅寸法は、配管回転部120の周方向に沿う小溝部320bの幅寸法よりも大きくなっている。
【0036】
以上に例示した構成例によれば、
図7に例示するように、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部が大溝部320a内に到達し且つ小溝部320b内に到達していない状態においては、配管本体部110内における配管回転部120の回動可能範囲は、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部が大溝部320aの端部に当接するまでの範囲に規制される。
【0037】
また、
図8に例示するように、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部が小溝部320b内に到達している状態においては、配管本体部110内における配管回転部120の回動可能範囲は、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部が小溝部320bの端部に当接するまでの範囲に規制される。
【0038】
このように、第3実施形態によれば、配管本体部110内における配管回転部120の回動可能範囲を所定の範囲内に規制することができる。これにより、配管回転部120が必要以上に回転してしまうことを抑制することができる。また、捻りコイルばね130が必要以上に変形してしまうことを抑制することができる。
【0039】
また、第3実施形態の構成例によれば、上述したように配管本体部110内における配管回転部120の回動可能範囲を2段階で切り替えることができ、これに伴い、傾斜翼部121の変位量や変位速度として、少なくとも2つの異なる態様を選択できる。一方、汚泥は、長期化するほど性状が固体化しやすい流体である。そのため、配管本体部110内における配管回転部120の回動可能範囲を定期的に切り替えることにより、換言すれば、傾斜翼部121の変位量や変位速度の態様を定期的に切り替えることにより、仮に汚泥が固体化したとしても、その固体化された状態の解消を図ることができ、ひいては、汚泥の流動の促進を図ることができる。
【0040】
(第4実施形態)
図9に例示する流動促進装置100は、上述した第3実施形態の構成例について、さらに、発光機能部400を備えた構成例となっている。発光機能部400は、報知部の一例であり、圧電素子401および発光素子402を備えている。
【0041】
圧電素子401は、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部の内部に設けられている。換言すれば、圧電素子401は、流動促進装置100の外部から視認することができない部分に設けられている。圧電素子401は、所定の大きさ以上の圧力、振動、衝撃などを受けることによって発電する周知の圧電素子により構成されている。
【0042】
発光素子402は、例えばLED(LED:Light Emitting Diode)などといった周知の発光素子により構成されており、圧電素子401が発生する電力により発光可能に構成されている。発光素子402は、回転規制用金具310の頭部311よりも外側の部分に設けられている。換言すれば、発光素子402は、流動促進装置100の外部から視認することができる部分に設けられている。
【0043】
以上に例示した構成例によれば、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部が大溝部320aの端部あるいは小溝部320bの端部に当接すると、つまり、配管本体部110内における配管回転部120の回動が規制されると、ねじ込み部312の先端部が大溝部320aの端部あるいは小溝部320bの端部に当接することに伴い発生する衝撃や振動などを受けて圧電素子401が発電する。そして、その圧電素子401が発生する電力を受けて発光素子402が発光する。これにより、回転規制用金具310によって配管回転部120の回転が規制されていることを視覚的に報知することができる。
【0044】
また、この構成例によれば、回転規制用金具310のねじ込み部312の先端部が大溝部320aの端部あるいは小溝部320bの端部に当接することに伴い、つまり、配管本体部110内において配管回転部120が良好に回転することに伴い、発光素子402が発光する。そのため、例えば点検作業者は、発光素子402が発光するか否かに基づき、配管本体部110内において配管回転部120が良好に回転しているか否か、ひいては、配管10内において汚泥が良好に流動しているか否かを確認することができる。
【0045】
また、例えば点検作業者は、最終沈殿池に沈降した汚泥を引き抜くポンプを起動してから発光素子402が発光するまでの所要時間に基づき、配管10内を流れる汚泥の流速や流量を推定することができる。即ち、配管10内を流れる汚泥の流速や流量が大きい場合には、配管本体部110内における配管回転部120の回転が速く進行することから、ポンプを起動してから発光素子402が発光するまでの所要時間が短くなる。一方、配管10内を流れる汚泥の流速や流量が小さい場合には、配管本体部110内における配管回転部120の回転が遅く進行することから、ポンプを起動してから発光素子402が発光するまでの所要時間が長くなる。よって、例えば点検作業者は、ポンプを起動してから発光素子402が発光するまでの所要時間に基づき、配管10内を流れる汚泥の流速や流量を推定することが可能である。
【0046】
また、汚泥の流動性が低下して付着が増加するほど、ポンプを起動してから発光素子402が発光するまでの所要時間が長めとなり、汚泥の流動が良好である場合の所要時間との差が大きくなる。さらには、配管本体部110内における配管回転部120の回動が大溝部320aによって規制される場合と小溝部320bによって規制される場合とで、発光までの所要時間に差が生じやすくなる。従って、ポンプを起動してから発光素子402が発光するまでの所要時間を記録し管理することによって、あるいは、配管本体部110内における配管回転部120の回動が大溝部320aによって規制されている場合における所要時間と小溝部320bによって規制されている場合における所要時間との差を記録し管理することによって、汚泥の流動状態の良否を判断しやすくでき、早めの改善措置対応を図ることができる。
【0047】
(第5実施形態)
図10に例示する流動促進装置100は、回転促進機能部500を備えている。回転促進機能部500は、回転促進部の一例であり、配管回転部120の外周面に上流側溝部510および下流側溝部520を備えている。
【0048】
上流側溝部510は、配管回転部120の軸心方向における中央部よりも上流側に設けられている。上流側溝部510は、配管回転部120の軸心方向に対して傾斜している。また、上流側溝部510の内側面には、円弧状に窪む複数の凹部が連続して設けられている。また、配管回転部120の軸心方向における中央部よりも上流側には、複数の上流側溝部510が設けられている。また、複数の上流側溝部510の先端部は、配管回転部120の周方向に沿う上流側周方向溝部510aによって相互に連通されている。また、上流側周方向溝部510aは、配管回転部120の全周にわたり連通している。なお、上流側溝部510の傾斜角度や数は、適宜変更して実施することができる。
【0049】
下流側溝部520は、配管回転部120の軸心方向における中央部よりも下流側に設けられている。下流側溝部520は、配管回転部120の軸心方向に対して傾斜している。また、下流側溝部520の内側面には、円弧状に窪む複数の凹部が連続して設けられている。また、配管回転部120の軸心方向における中央部よりも下流側には、複数の下流側溝部520が設けられている。また、複数の下流側溝部520の先端部は、配管回転部120の周方向に沿う下流側周方向溝部520aによって相互に連通されている。また、下流側周方向溝部520aは、配管回転部120の全周にわたり連通している。なお、下流側溝部520の傾斜角度や数は、適宜変更して実施することができる。
【0050】
また、流動促進装置100は、複数、この場合、2つの給水栓511,521を備えている。給水栓511は、配管本体部110の外部から上流側溝部510内に給水可能に構成されている。給水栓511が上流側溝部510内に供給する水は、例えば水道水であるが、水道水以外の水であってもよい。一方、給水栓521は、配管本体部110の外部から下流側溝部520内に給水可能に構成されている。給水栓521が下流側溝部520内に供給する水は、例えば水道水であるが、水道水以外の水であってもよい。
【0051】
また、
図11に例示するように、流動促進装置100は、切替栓530を備えている。切替栓530は、配管本体部110の外部において給水栓511および給水栓521に接続されている。切替栓530は、図示しない外部の水源から供給される水を、給水栓511に導く状態と給水栓521に導く状態とに切り替え可能に構成されている。
【0052】
図12に矢印W2で例示するように、給水栓511から上流側溝部510内に水が供給される状態においては、給水栓511から上流側溝部510内に供給される水が当該上流側溝部510を矢印R2方向に押圧する。これにより、配管本体部110内における配管回転部120の矢印R2方向への回転が促進されるようになる。また、上流側溝部510内に供給された水は、上流側周方向溝部510a内に流れ込み、図示しない排水口から流動促進装置100の外部に排出される。このように上流側周方向溝部510a内を水が流れることによって、配管本体部110内における配管回転部120の矢印R2方向への回転を一層促進することができ、配管本体部110内において配管回転部120を矢印R2方向へ一層大きく回転させることができる。
【0053】
一方、
図13に矢印W1で例示するように、給水栓521から下流側溝部520内に水が供給される状態においては、給水栓521から下流側溝部520内に供給される水が当該下流側溝部520を矢印R1方向に押圧する。これにより、配管本体部110内における配管回転部120の矢印R1方向への回転が促進されるようになる。また、下流側溝部520内に供給された水は、下流側周方向溝部520a内に流れ込み、図示しない排水口から流動促進装置100の外部に排出される。このように下流側周方向溝部520a内を水が流れることによって、配管本体部110内における配管回転部120の矢印R1方向への回転を一層促進することができ、配管本体部110内において配管回転部120を矢印R1方向へ一層大きく回転させることができる。
【0054】
このように、第5実施形態によれば、配管本体部110内における矢印R1方向および矢印R2方向への配管回転部120の回転を、回転促進機能部500によって促進することができる。これにより、配管本体部110内における配管回転部120の回転を一層良好に行うことができる。
【0055】
また、第5実施形態によれば、汚泥の流動性が低下して付着が増加することが推察される場合であっても、回転促進機能部500により、配管回転部120を矢印R1方向あるいは矢印R2方向に強制的に回転させることができ、汚泥が付着した状態の解消を図ることができる。
【0056】
また、配管回転部120を矢印R1方向あるいは矢印R2方向に強制的に回転させることにより、捻りコイルばね130に、当該捻りコイルばね130に残存する引っ張り応力、あるいは、その応力を上回る力を加えることができ、捻りコイルばね130の応力や反力の復元や増強を図ることができる。また、配管回転部120を矢印R1方向あるいは矢印R2方向に強制的に回転させることにより、捻りコイルばね130に介在あるいは付着している汚泥を押し出すことができ、これにより、汚泥によって捻りコイルばね130の動作が制約されてしまう状態を解消することができる。総じて、汚泥の流動促進作用の維持や改善を図ることができる。
【0057】
また、仮に、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に汚泥が流入し、その汚泥によって配管本体部110内における配管回転部120の回転が阻害されるような状態になったとしても、回転促進機能部500によって配管回転部120を強制的に回転させることができる。これにより、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に汚泥が流入した状態においても、配管本体部110内における配管回転部120の回転を一層良好に行うことができる。
【0058】
また、給水栓511から供給される水が上流側周方向溝部510a内から溢れ出ることにより、あるいは、給水栓521から供給される水が下流側周方向溝部520a内から溢れ出ることにより、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に流入した汚泥を洗い流すことができる。これにより、配管本体部110の内周面と配管回転部120の外周面との間に形成されている僅かな隙間内に汚泥が流入したとしても、その汚泥を除去して、配管本体部110内において配管回転部120が良好に回転できる状態に復帰することができる。
【0059】
(その他の実施形態)
なお、本開示は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形や拡張を行うことができる。例えば、配管用流動促進装置100は、上述した複数の実施形態を適宜選択して組み合わせた構成としてもよい。
【0060】
また、傾斜翼部121の数は、3つに限られず、1つ、あるいは、2つであってもよいし、4つ以上の複数であってもよい。また、複数の傾斜翼部121は、配管回転部120の周方向において、等間隔で配置されていてもよいし、不等間隔で配置されていてもよい。
【0061】
また、複数の傾斜翼部121は、配管回転部120の軸心方向に沿う長さが同じ長さであってもよいし、異なる長さであってもよい。また、複数の傾斜翼部121は、配管回転部120の軸心方向に対する傾斜角度が同じ傾斜角度であってもよいし、異なる傾斜角度であってもよい。また、傾斜翼部121は、平板状であってもよいし、例えば航空機の翼を参考にしながら、その厚さや断面形状などを設定してもよい。
【0062】
また、配管回転部120の内周面からの傾斜翼部121の突出量は、適宜変更して実施することができる。この場合、複数の傾斜翼部121の突出量を、全て同じ突出量としてもよいし、異なる突出量としてもよい。その他、配管回転部120内において流体が流れる方向あるいは配管回転部120の軸心方向に対する傾斜翼部121の傾斜態様は、適宜変更して実施することできる。
【0063】
また、付勢部は、捻りコイルばね130に限られず、例えば、伸縮可能なゴム材、スプリング、いわゆるゼンマイ式のばね部材などで構成してもよい。即ち、付勢部は、矢印R1方向に回転した配管回転部120を矢印R2方向に付勢可能な構成であれば、種々の構成を適用することができる。また、例えば、想定される汚泥の粘度、流量、流速などを考慮して、必要な付勢力を発生可能な付勢部を適宜選択して採用することができる。
【0064】
また、流動促進装置100は、複数の軸心方向溝部210を備える構成であってもよい。また、流動促進装置100は、複数の周方向溝部220を備える構成であってもよい。また、流動促進装置100は、軸心方向溝部210の数と周方向溝部220の数が同じである構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。また、流動促進装置100は、軸心方向溝部210の幅寸法と周方向溝部220の幅寸法が同じである構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
【0065】
また、回転規制機能部300は、大溝部320aおよび小溝部320bによって配管回転部120の回転可能範囲を2段階で規制可能な構成に限られず、例えば、1段階で規制可能な構成であってもよいし、3段階以上の複数段階で規制可能な構成であってもよい。
【0066】
また、報知部は、発光によって視覚的に報知する構成に限られず、例えば、音や音声などによって聴覚的に報知する構成であってもよいし、振動などによって触覚的に報知する構成であってもよい。
【0067】
また、上流側溝部510および下流側溝部520は、円弧状に窪む複数の凹部が連続して設けられた構成でなくてもよく、例えば、配管回転部120の軸心方向に対して傾斜する単なる傾斜溝であってもよい。
【0068】
また、配管10および計測装置部対応配管21のフランジ11と配管本体部110のフランジ111との締結は、例えば、溶接によって接続してもよいし、フランジ11およびフランジ111の何れか一方を他方にねじ込むことによって接続してもよい。
【0069】
また、流動促進装置は、いわゆるスリーブ型伸縮継手とも称される伸縮継手の構造に似せた構造としてもよい。即ち、いわゆるスリーブ型伸縮継手において「スリーブ」と称される伸縮可能な部分を配管本体部110と配管回転部120で構成し、流動促進作用を備えた伸縮継手として流動促進装置を実現してもよい。
【0070】
また、流動促進装置100は、配管10の上流側から見て、反時計回り方向を第1方向とし、時計回り方向を第2方向とした構成であってもよい。
【0071】
また、本開示に係る複数の実施形態は、流体として汚泥を処理するシステムに限らず、汚泥以外の流体を処理するシステムにも適用することができる。
【0072】
以上、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
図面において、100は配管用流動促進装置、110は配管本体部、120は配管回転部、121は傾斜翼部(傾斜部)、130は捻りコイルばね(付勢部)、210は軸心方向溝部(第1溝部)、220は周方向溝部(第2溝部)、240は給水栓(給水部)、300は回転規制機能部(回転規制部)、400は発光機能部(報知部)、500は回転促進機能部(回転促進部)、を示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の配管本体部と、
前記配管本体部内において、周方向に沿う第1方向および第2方向に回転可能に設けられる円筒状の配管回転部と、
前記配管回転部の内周面に設けられ、当該配管回転部の軸心方向に対して傾斜する傾斜部と、
前記配管回転部を前記第2方向に付勢する付勢部と、
を備え、
前記配管回転部内を流れる流体が前記傾斜部を押圧することにより、前記配管本体部内において前記配管回転部が前記第1方向に回転する配管用流動促進装置。
【請求項2】
円筒状の配管本体部と、
前記配管本体部内において、周方向に沿う第1方向および第2方向に回転可能に設けられる円筒状の配管回転部と、
前記配管回転部の内周面に設けられ、当該配管回転部の軸心方向に対して傾斜する傾斜部と、
前記配管本体部内における前記配管回転部の回転を規制する回転規制部と、
を備え、
前記配管回転部内を流れる流体が前記傾斜部を押圧することにより、前記配管本体部内において前記配管回転部が前記第1方向に回転する配管用流動促進装置。
【請求項3】
前記配管回転部の外周面において、当該配管回転部の軸心方向に沿う第1溝部と、
前記配管回転部の外周面において、当該配管回転部の周方向に沿う第2溝部と、
前記第1溝部および前記第2溝部に水を供給する給水部と、
を備える請求項1または2に記載の配管用流動促進装置。
【請求項4】
前記回転規制部により前記配管回転部の回転が規制されていることを報知する報知部を備える請求項2に記載の配管用流動促進装置。
【請求項5】
前記配管本体部内における前記配管回転部の回転を促進する回転促進部を備える請求項1から4の何れか1項に記載の配管用流動促進装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本実施形態に係る配管用流動促進装置は、円筒状の配管本体部と、前記配管本体部内において、周方向に沿う第1方向および第2方向に回転可能に設けられる円筒状の配管回転部と、前記配管回転部の内周面に設けられ、当該配管回転部の軸心方向に対して傾斜する傾斜部と、を備え、前記配管回転部内を流れる流体が前記傾斜部を押圧することにより、前記配管本体部内において前記配管回転部が前記第1方向に回転する。さらに、本実施形態に係る配管用流動促進装置は、前記配管回転部を前記第2方向に付勢する付勢部、または、前記配管本体部内における前記配管回転部の回転を規制する回転規制部を備える。