(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058988
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】展示機能付き包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/52 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
B65D5/52 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168839
(22)【出願日】2021-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和3年9月9日 販売場所 Wismettacフーズ株式会社(東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号)
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】半田 雅之
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB15
3E060AB20
3E060BA24
3E060BB01
3E060CB02
3E060CB12
3E060CB16
3E060CB22
3E060DA30
(57)【要約】
【課題】身箱の後部を深い蓋の高い位置で支持し、身箱を蓋に落ち込まないように前傾させて商品を展示でき、高い訴求効果が得られる展示機能付き包装箱を提供する。
【解決手段】身箱1と蓋2とから成り、包装状態では、身箱1に蓋2を被せ、展示状態とするには、蓋2を身箱1から取り外して上下反転させ、蓋2により身箱1を前傾姿勢で支持する展示機能付き包装箱において、蓋2の前部内側のコーナー部に位置する支持片26には、閉蓋用支持縁26aと、閉蓋用支持縁26aからの切り欠きによる展示用支持縁26bと、これらの境界をなす段差26cとを形成する。展示状態では、身箱1の後部を蓋2の後部の側壁23に載せ、身箱1の前部を蓋2の支持片26の展示用支持縁26bに載せると、身箱1の前部の側壁12の外面が支持片26の段差26cに当接して、身箱1が蓋2の中に落ち込まないように支持される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身箱(1)と蓋(2)とから成り、前記身箱(1)は、底壁(11)の周囲に側壁(12,13,14,14)を備え、前記蓋(2)は、天壁(12)の周囲に側壁(22,23,24,24)を備えており、
包装状態では、前記身箱(1)の側壁(12,13,14,14)を前記蓋(2)の側壁(22,23,24,24)が外側から囲むように、前記身箱(1)に前記蓋(2)が被せられ、
展示状態とする際には、前記蓋(2)を前記身箱(1)から取り外して上下反転させ、前記蓋(2)により前記身箱(1)を前傾姿勢で支持する展示機能付き包装箱において、
前記蓋(2)の前部内側のコーナー部に位置する支持片(26)には、包装状態で前記身箱(1)の前部の側壁(12)の頂部に当接する閉蓋用支持縁(26a)と、前記閉蓋用支持縁(26a)からの切り欠きによる展示用支持縁(26b)と、これらの境界をなす段差(26c)とが形成され、
展示状態では、前記身箱(1)の後部を前記蓋(2)の後部の側壁(23)に載せ、前記身箱(1)の前部を前記蓋(2)の支持片(26)の展示用支持縁(26b)に載せると、前記身箱(1)の前部の側壁(12)の外面が前記支持片(26)の段差(26c)に当接して、前記身箱(1)が前記蓋(2)の中に落ち込まないように支持されることを特徴とする展示機能付き包装箱。
【請求項2】
前記支持片(26)の展示用支持縁(26b)は、展示状態における前記身箱(1)の底壁(11)の傾斜に対応して、前部が低く後部が高くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の展示機能付き包装箱。
【請求項3】
前記蓋(2)の前部の側壁(22)は、前記天壁(21)に順次連設された外側板(22a)及び内側板(22c)とが重なる二重構造とされ、前記内側板(22c)から前記支持片(26)が延出されて斜めに折れ曲がり、前記支持片(26)の先端がその側方の側壁(24)の内面に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の展示機能付き包装箱。
【請求項4】
前記身箱(1)は、前部の側壁(12)が低く、後部の側壁(13)が高く、両側部の側壁(14,14)の頂部が前後の側壁(12,13)に対応して傾斜した形状とされ、
前記蓋(2)の後部内側のコーナー部には、包装状態で前記身箱(1)の後部の側壁(13)の頂部に当接する支持片(27)が設けられ、前記蓋(2)の後部の支持片(27)は、前記蓋(2)の前部の支持片(26)よりも高さ方向に短くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の展示機能付き包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品の包装だけでなく、蓋を開けて身箱の内部に収納された商品を展示する用途に適した箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品の包装箱として、下記特許文献1には、
図9に示すように、浅い身箱51と深い蓋52とから成り、身箱51は、底壁53の周囲に各一対の側壁54,54,55,55を備え、蓋52は、天壁56の周囲に各一対の側壁57,57,58,58を備えており、蓋52の側壁57,58が隣り合うコーナー部の内側には、それぞれ支持片59が設けられたものが記載されている。
【0003】
このような包装箱では、身箱51に包装する商品を収納し、身箱51の各一対の側壁54,54,55,55を蓋52の各一対の側壁57,57,58,58が外側から囲むように、身箱51に蓋52を被せると、身箱51の側壁54,55の頂部に蓋52の支持片59が当接して、身箱51の上方に蓋52が支持される。
【0004】
これにより、高さのある商品の収納を可能としつつ、身箱51の製造に要する用紙の面積を削減できる。また、身箱51から蓋52を取り去ると、身箱51の上方に商品が大きく露出するので、商品を容易に取り出すことができる。
【0005】
また、下記特許文献2には、
図10(a)に示すように、商品を収納する身箱61に蓋62を被せれば包装状態となり、
図10(b)に示すように、蓋62を身箱61から取り外して上下反転させ、蓋62に身箱61を上方から挿入すれば展示状態となる展示機能付き包装箱が記載されている。
【0006】
この包装箱の身箱61は、包装状態で前側となる部分が深く、後側となる部分が浅くなるように、底壁63の前後の側壁64a,64bの高さに差が設けられて、両側の側壁65,65の頂部が傾斜した形状とされている。蓋62は、包装状態で前側となる部分が浅く、後方となる部分が深くなるように、天壁66の前後の側壁67a,67bの高さに差が設けられて、両側の側壁68,68の頂部が傾斜した形状とされている。そして、蓋62の両側の側壁68,68の後部寄りの内側に支持片69が突設されている。
【0007】
このような包装箱の包装状態では、身箱61の両側の側壁65の頂部に蓋62の支持片69が当接して、身箱61の上方に蓋62が支持される。一方、展示状態では、前後方向の向きを変えた身箱61の後部を支持片69に載せると、前部が浅くなった身箱61が手前に傾斜して、商品を前方から見やすくなるように展示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002―96826号公報
【特許文献2】実開昭52―1089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1に記載された包装箱では、蓋52を身箱51から取り外して上下反転させ、蓋52に身箱51を上方から挿入すると、身箱51が蓋52に沈み込んでしまうため、身箱51に収納した商品を見やすくなるように展示することができない。
【0010】
また、上記特許文献2に記載された包装箱では、展示状態で身箱61の前部を蓋62の天壁66に置き、身箱61の後部を蓋62の支持片69で支持し、前傾した身箱61を蓋62の前部の側壁67aに当接させて滑り止めするものであることから、身箱61に対して蓋62をあまり深くすることができず、高さのある商品の包装が不可能となり、展示状態で優れた訴求効果を得ることもできない。
【0011】
そこで、この発明は、身箱の後部を深い蓋の高い位置で支持し、身箱を蓋に落ち込まないように前傾させて商品を展示でき、高い訴求効果が得られる展示機能付き包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明は、身箱と蓋とから成り、前記身箱は、底壁の周囲に側壁を備え、前記蓋は、天壁の周囲に側壁を備えており、
包装状態では、前記身箱の側壁を前記蓋の側壁が外側から囲むように、前記身箱に前記蓋が被せられ、
展示状態とする際には、前記蓋を前記身箱から取り外して上下反転させ、前記蓋により前記身箱を前傾姿勢で支持する展示機能付き包装箱において、
前記蓋の前部内側のコーナー部に位置する支持片には、包装状態で前記身箱の前部の側壁の頂部に当接する閉蓋用支持縁と、前記閉蓋用支持縁からの切り欠きによる展示用支持縁と、これらの境界をなす段差とが形成され、
展示状態では、前記身箱の後部を前記蓋の後部の側壁に載せ、前記身箱の前部を前記蓋の支持片の展示用支持縁に載せると、前記身箱の前部の側壁の外面が前記支持片の段差に当接して、前記身箱が前記蓋の中に落ち込まないように支持されるものとしたのである。
【0013】
また、前記支持片の展示用支持縁は、展示状態における前記身箱の底壁の傾斜に対応して、前部が低く後部が高くなるように傾斜しているものとしたのである。
【0014】
また、前記蓋の前部の側壁は、前記天壁に順次連設された外側板及び内側板とが重なる二重構造とされ、前記内側板から前記支持片が延出されて斜めに折れ曲がり、前記支持片の先端がその側方の側壁の内面に当接しているものとしたのである。
【0015】
さらに、前記身箱は、前部の側壁が低く、後部の側壁が高く、両側部の側壁の頂部が前後の側壁に対応して傾斜した形状とされ、
前記蓋の後部内側のコーナー部には、包装状態で前記身箱の後部の側壁の頂部に当接する支持片が設けられ、前記蓋の後部の支持片は、前記蓋の前部の支持片よりも高さ方向に短くなっているものとしたのである。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る展示機能付き包装箱では、包装状態から展示状態とする際、身箱の後部を深い蓋の後部の側壁に載せ、身箱の前部を蓋の支持片の展示用支持縁に載せて、支持片の段差により身箱を滑り止めするので、身箱の後部を蓋の高い位置で支持し、身箱を蓋に落ち込まないように手前側へ大きく傾斜させて、商品を目立つように展示できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の実施形態に係る展示機能付き包装箱の包装過程における身箱と蓋の分離状態を示す斜視図
【
図2】同上の身箱に蓋を被せた包装状態を示す斜視図
【
図4】同上の蓋を身箱から分離して上下反転させた状態を示す斜視図
【
図5】同上の蓋により身箱を支持した展示状態を示す斜視図
【
図9】特許文献1に記載の包装箱の身箱と蓋の分離状態を示す斜視図
【
図10】特許文献2に記載の展示機能付き包装箱の(a)包装状態を示す斜視図、(b)展示状態を示す縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<概要>
図1に示すように、この展示機能付き包装箱は、身箱1と蓋2とから成り、身箱1は、底壁11の周囲に側壁12,13,14、14を備え、蓋2は、天壁21の周囲に側壁22,23,24,24を備えている。身箱1は、前部が後部よりも浅く、蓋2は、全体的に身箱1よりも相当深くなっている。
【0019】
この展示機能付き包装箱で商品を包装するには、
図2に示すように、身箱1に蓋2を被せて、身箱1の上方に蓋2を支持し、商品を展示する際には、
図5に示すように、身箱1から取り外して上下反転した蓋2により、身箱1を前傾姿勢で支持する。
【0020】
<ブランク>
(身箱のブランク)
身箱1は、
図7に示すような段ボールのブランクから形成される。このブランクでは、長方形の底壁11の前側となる短辺に側壁12が、後側となる短辺に側壁13がそれぞれ連設され、両側の長辺に側壁14,14がそれぞれ連設されている。
【0021】
前部の側壁12は、底壁11から順次連なる外側板12a,頂板12b及び内側板12cから構成されている。内側板12cの両側先端部には係止突起12dが設けられ、先端縁中央部には半円状の手掛用切欠12eが設けられている。
【0022】
後部の側壁13は、底壁11から順次連なる外側板13a,頂板13b及び内側板13cから構成されている。内側板13cの両側先端部には係止突起13dが設けられ、先端縁中央部には半円状の手掛用切欠13eが設けられている。
【0023】
両側部の側壁14は、底壁11から順次連なる外側板14a,頂板14b及び内側板14cから構成されている。内側板14cの先端には、押罫と切目とが交互に断続するリード罫を介して底重片14dが連設され、内側板14cと底重片14dの境界中央部には、底重片14dから内側板14cへの切り込みにより突当片14eが形成されている。
【0024】
内側板14cの前端及び後端には、それぞれ折曲片14f,14gが連設され、内側板14cの両側先端部には、係止切込14hが形成されている。係止切込14hは、折曲片14f、14gの折り曲げに連動してスロット状に開かれる。
【0025】
前部の側壁12の外側板12aと両側部の側壁14の外側板14aとは、折込片15を介して繋がれ、折込片15には、底壁11の角から45°の方向に延びる折目線15aが入れられている。折目線15aは、細かく切目が断続するミシン線とされている。
【0026】
後部の側壁13の外側板13aと両側部の側壁14の外側板14aとは、折込片16を介して繋がれ、折込片16には、底壁11の角から45°の方向に延びる折目線16aが入れられている。折目線16aは、細かく切目が断続するミシン線とされている。
【0027】
(蓋のブランク)
蓋2は、
図8に示すような段ボールのブランクから形成される。このブランクの中央に位置する天壁21は、身箱1の底壁11より一回り大きい長方形であり、天壁21の前側となる短辺には側壁22が、後側となる短辺には側壁23がそれぞれ連設され、両側の長辺には側壁24,24がそれぞれ連設されている。
【0028】
前部の側壁22は、天壁21から順次連なる外側板22a,頂板22b及び内側板22cから構成されている。内側板22cの先端には、押罫と切目とが交互に断続するリード罫を介して底重片22dが連設されている。
【0029】
後部の側壁23は、天壁21から順次連なる外側板23a,頂板23b及び内側板23cから構成されている。内側板23cの先端には、押罫と切目とが交互に断続するリード罫を介して底重片23dが連設されている。
【0030】
両側部の側壁24は、前部及び後部の側壁22,23の外側板22a,23aと組立時の高さが等しく、その先端縁中央部には半円状の手掛用切欠24aが設けられている。
【0031】
前部及び後部の側壁22,23の外側板22a,23aと両側部の側壁24とは、それぞれ折込片25を介して繋がれ、折込片25には、天壁21の角から45°の方向に延びる折目線25aが入れられている。折目線25aは、細かく切目が断続するミシン線とされている。
【0032】
前部の側壁22の内側板22cの両側には、内側へ少し切れ込んだ位置を根元として外側へ突出する支持片26が設けられ、支持片26は、包装状態での上端から身箱1の前部の高さに相当する位置まで比較的長く延びている。支持片26の根元の折目線は、押罫と切目とが交互に断続するリード罫とされている。
【0033】
支持片26には、包装状態で身箱1の前部の側壁12の頂板12bに当接する閉蓋用支持縁26aと、閉蓋用支持縁26aから切り欠かれた展示用支持縁26bと、これらの境界をなす段差26cとが形成されている。また、支持片26の底重片22dに近接する端縁には、僅かに突出する係止突起26dが形成されている。
【0034】
支持片26の閉蓋用支持縁26aは、包装状態における身箱1の側壁12の頂板12bの傾斜に対応して傾斜している(
図3参照)。また、展示用支持縁26bは、展示状態における身箱1の底壁11の傾斜に対応して傾斜し、段差26cは、展示状態における身箱1の側壁12の外側板12aの傾斜に対応して傾斜している(
図6参照)。
【0035】
後部の側壁23の内側板23cの両側には、内側へ少し切れ込んだ位置を根元として外側へ突出する支持片27が設けられ、支持片27は、包装状態での上端から身箱1の後部の高さに相当する位置まで、支持片26よりも高さ方向に短く延びている。支持片27の根元の折目線は、押罫と切目とが交互に断続するリード罫とされている。支持片27の底重片23dに近接する端縁には、僅かに突出する係止突起27aが形成されている。
【0036】
<ブランクからの組み立て>
(身箱の組み立て)
身箱1をブランクから組み立てるには、
図4に示すように、底壁11から両側部の側壁14,14の外側板14aを起立させ、頂板14bを内側へ、内側板14cを下方へ順次折り曲げ、底重片14dを内側へ折り曲げて底壁11の内面に重ねる。このとき、突当片14eが内側板14cから外向きに突出し、突当片14eの先端が外側板14aの内面に当接して、外側板14aと内側板14cの間隔が維持される。
【0037】
次に、折曲片14f,14gを内側へ折り曲げ、折込片15,16を折目線15a,16aに沿って二つ折りにする。
【0038】
その後、底壁11から前部及び後部の側壁12,13の外側板12a,13aを起立させ、頂板12b、13bを内側へ、内側板12c,13cを下方へ順次折り曲げ、折曲片14fと折込片15とを外側板12aと内側板12cの間に挟み込み、折曲片14gと折込片16とを外側板13aと内側板13cの間に挟み込んで、係止突起12d,13dをそれぞれ係止切込14h,14hに係合させる。
【0039】
(蓋の組み立て)
蓋2をブランクから組み立てるには、上下反転した状態で
図4に示すように、天壁21から両側部の側壁24,24を起立させ、各コーナー部の折込片25を折目線25aに沿ってそれぞれ二つ折りにする。
【0040】
続いて、天壁21から前部及び後部の側壁22,23の外側板22a,23aを起立させ、頂板22b,23bを内側へ、内側板22c,23cを下方へ順次折り曲げ、折込片25をそれぞれ外側板22a,23aと内側板22c,23cの間に挟み込み、底重片22d,23dを内側へ折り曲げて天壁21の内面に重ね、支持片26,27を根元から斜めに折り曲げて、支持片26,27の先端をその側方の側壁24の内面に突き当てる。
【0041】
このとき、支持片26,27の係止突起26d,27aが底重片22d,23dの先端縁に係合し、また天壁21の内面に当接するので、支持片26,27の反発による戻りが防止されて、折曲角度が安定するほか、蓋2の全体の保形性が高まる。
【0042】
<商品の包装>
上記のように組み立てた身箱1と蓋2を使用して商品を包装するには、身箱1に商品を収納し、
図1乃至
図3に示すように、蓋2を天壁21が上面となるように正立させ、身箱1の側壁12,13,14,14を蓋2の側壁22,23,24,24が外側から囲むように、身箱1に蓋2を被せる。
【0043】
このような包装状態では、蓋2の前部の支持片26の閉蓋用支持縁26aが身箱1の前部の側壁12の頂板12bに当接し、蓋2の後部の支持片27の下縁が身箱1の後部の側壁13の頂板13bに当接して、身箱1の上方に蓋2が支持されるので、身箱1が浅くても、高さのある商品を蓋2の天壁21に接触しないように包装することができる。
【0044】
<商品の展示>
上記のような包装状態から展示状態とするには、
図4に示すように、蓋2を身箱1から取り外して上下反転させ、身箱1と蓋2の上下関係を入れ替える。
【0045】
そして、
図5及び
図6に示すように、身箱1の後部を蓋2の後部の側壁23の頂板23bに載せ、身箱1の前部を蓋2の前部の支持片26の展示用支持縁26bに載せると、身箱1の前部の側壁12の外側板12aが蓋2の前部の支持片26の段差26cに当接し、身箱1が蓋2の中に落ち込まないように支持される。
【0046】
ここで、支持片26の段差26cは、閉蓋用支持縁26aと展示用支持縁26bの高低差を形成する部分を示していることから、身箱1の前部の側壁12が、段差26cの全長にわたって当接する必要はなく、段差26cの少なくとも一部に当接すれば、身箱1の蓋2の中への落ち込みが防止される。
【0047】
<効果>
上記のような展示機能付き包装箱では、包装状態から展示状態とする際、身箱1の後部を深い蓋2の後部の側壁23に載せ、身箱1の前部を蓋2の支持片26の展示用支持縁26bに載せて、支持片26の段差26cにより身箱1を滑り止めするので、身箱1の後部を蓋2の高い位置で支持し、身箱1を蓋2に落ち込まないように手前側へ大きく傾斜させて、商品を目立つように展示でき、高い訴求効果が得られる。
【0048】
<その他>
なお、上記実施形態では、蓋2の後部内側のコーナー部に、包装状態で身箱1の後部の側壁13の頂部に当接する支持片27が設けられているものを例示したが、蓋2が浅い場合には、支持片27を省略し、身箱1の後部の側壁13の頂部が蓋2の天壁21の内面に直接的に当接するものとしてもよい。
【0049】
また、身箱1として、前部が後部よりも浅くなっているものを例示したが、身箱1は、前後方向の全長にわたって同じ深さとされ、両側部の側壁14,14の頂部が水平になっているものとしてもよい。
【0050】
そのほか、支持片26に、製造工程での切り欠きにより、展示用支持縁26bと段差26cとが予め形成されているものを例示したが、展示用支持縁26bと段差26cとは、製造時に入れられた切目線に沿って、展示作業時に支持片26を切断することにより、事後的に形成されるようにしてもよい。
【0051】
また、支持片26が側壁22の内側板22cから延出されたものを例示したが、支持片26は、側壁22の外側板22aと側壁24とを繋ぐ折込片25に、折目線25aを中央として外側板22a及び側壁24に至る切り欠きを入れ、閉蓋用支持縁26a、展示用支持縁26b及び段差26cをなすように形成しておき、支持片26の部分を、側壁22の形成時に外側板22aと内側板22cの間に挟み込むことなく、蓋2の前部内側のコーナー部に突出させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 身箱
11 底壁
12 側壁(前部)
12a 外側板
12b 頂板
12c 内側板
12d 係止突起
12e 手掛用切欠
13 側壁(後部)
13a 外側板
13b 頂板
13c 内側板
13d 係止突起
13e 手掛用切欠
14 側壁(側部)
14a 外側板
14b 頂板
14c 内側板
14d 底重片
14e 突当片
14f,14g 折曲片
14h 係止切込
15,16 折込片
15a,16a 折目線
2 蓋
21 天壁
22 側壁(前部)
22a 外側板
22b 頂板
22c 内側板
22d 底重片
23 側壁(後部)
23a 外側板
23b 頂板
23c 内側板
23d 底重片
24 側壁(側部)
24a 手掛用切欠
25 折込片
25a 折目線
26 支持片
26a 閉蓋用支持縁
26b 展示用支持縁
26c 段差
26d 係止突起
27 支持片
27a 係止突起