(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059002
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】オンライン発表提供装置、オンライン発表提供方法、およびオンライン発表提供プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20230419BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20230419BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
H04N7/15 150
H04N21/431
H04M3/56 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168860
(22)【出願日】2021-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名 日刊工業新聞 刊行物名 機械設計2021年10月号 発行年月日 令和3年9月10日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 VR教育を含む今後の展望について考えるワークショップ(オンライン) 開催日 令和3年2月10日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 第73回日本細胞生物学会大会(JSCB)(オンライン) 開催日 令和3年6月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 理科大筑波大合同リトリート(オンライン) 開催日 令和2年11月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 電力中央研究所(オンライン) 開催日 令和3年6月3日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 第2回医薬系研究交流サロン(オンライン) 開催日 令和3年4月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日 令和3年9月14日 掲載アドレス https://gakkai.online/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 国際珪藻学会(オンライン) 開催日 令和3年8月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 免疫ふしぎ未来(オンライン) 開催日 令和3年8月21日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日 令和3年4月16日 掲載アドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000039438.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 第43回日本生物学的精神医学会・第51回日本神経精神薬理学会合同年会(BPNP2021)(オンライン) 開催日 令和3年7月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日 令和3年4月16日 掲載アドレス https://agri-smile.com/news/%e3%83%97%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%92%e9%85%8d%e4%bf%a1%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f-2-2/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 神経科学コースリトリート(京都大学)(オンライン) 開催日 令和3年1月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 日本インターフェロン・サイトカイン学会学術集会(JSICR)(オンライン) 開催日 令和3年5月21日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 第50回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会(オンライン) 開催日 令和2年12月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 日本免疫学会サマースクール(MSS)(オンライン) 開催日 令和3年9月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 京都リサーチパークセンター(オンライン) 開催日 令和3年7月2日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 第42回日本炎症・再生医学会(オンライン) 開催日 令和3年7月7日
(71)【出願人】
【識別番号】521233231
【氏名又は名称】株式会社AGRI SMILE
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100134511
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】中道 貴也
(72)【発明者】
【氏名】新田 龍生
(72)【発明者】
【氏名】林 大祐
【テーマコード(参考)】
5C164
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164TB31S
5C164UB88P
5C164VA07P
5C164VA12P
5K201AA05
5K201BB10
5K201CA06
5K201CA07
5K201CC01
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】 発表と意見交流を行なうことができるオンライン発表提供装置、オンライン発表提供方法、およびオンライン発表提供プログラムを提供する。
【解決手段】 オンライン発表提供装置は、発表の内容の表示画面を生成する表示画面生成部と、前記表示画面生成部が生成した表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する送信部と、を備え、前記表示画面生成部は、予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含めることを特徴とする。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発表の内容の表示画面を生成する表示画面生成部と、
前記表示画面生成部が生成した前記表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する送信部と、を備え、
前記表示画面生成部は、予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含めることを特徴とするオンライン発表提供装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記時間内以前から、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から要求があった場合に、前記表示画面を当該端末に送信することを特徴とする請求項1に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項3】
前記表示画面生成部は、前記時間内以前から、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から要求があった場合に、前記発表に関する動画を前記表示画面内で再生することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項4】
前記表示画面生成部は、前記聴講者が自身の端末を用いて入力した投稿質問を前記表示画面に追加することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項5】
前記発表は複数あり、
前記表示画面生成部は、それぞれの前記発表に、前記表示画面を個別に生成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項6】
前記複数の発表のビデオ通話のタイムテーブルを生成するタイムテーブル生成部を備え、
前記送信部は、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から要求があった場合に、前記タイムテーブルを当該端末に送信することを特徴とする請求項5に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項7】
前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から検索条件が入力された場合に、前記検索条件に応じた発表を前記複数の発表から検索する検索部を備え、
前記送信部は、前記検索部の検索結果を当該端末に送信することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項8】
前記表示画面生成部は、前記表示画面の一部に、他の発表の発表内容を含めることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項9】
前記複数の発表のそれぞれにIDを付して格納するデータベースを備え、
前記複数の発表のそれぞれについての情報は、前記データベースに格納されることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のオンライン発表提供装置。
【請求項10】
発表の内容の表示画面を生成する処理と、
生成された前記表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する処理と、
予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含める処理と、コンピュータが実行することを特徴とするオンライン発表提供方法。
【請求項11】
コンピュータに、
発表の内容の表示画面を生成する処理と、
生成された前記表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する処理と、
予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含める処理と、を実行させることを特徴とするオンライン発表提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン発表提供装置、オンライン発表提供方法、およびオンライン発表提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学生、教授、研究員といった学問研究者等は、国内外を中心として学問研究に関する情報を交換して研究活動を行っている。このような学問研究者による発表は、学術会議(以下、学会と称する)にて行われている。従来の学会での発表は、対面式で行なわれてきた。一方、対面式の学会では、学会への参加者が学会開催地へ移動しなければならない。そこで、オンラインでの発表を提供する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、対面式のポスターセッションが行われる場合、その周辺では、井戸端会議のような意見交流が行われていた。これは、従来の学会の運営において規定されたものではなく、自然発生的に起こっていたものである。ポスターセッションをオンラインで行なうための技術が開発されてきているが、このような意見交流場については、学会の運営において規定されていないため、検討されてきていない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、発表と意見交流を行なうことができるオンライン発表提供装置、オンライン発表提供方法、およびオンライン発表提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るオンライン発表提供装置は、発表の内容の表示画面を生成する表示画面生成部と、前記表示画面生成部が生成した前記表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する送信部と、を備え、前記表示画面生成部は、予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含めることを特徴とする。
【0007】
上記オンライン発表提供装置において、前記送信部は、前記時間内以前から、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から要求があった場合に、前記表示画面を当該端末に送信してもよい。
【0008】
上記オンライン発表提供装置において、前記表示画面生成部は、前記時間内以前から、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から要求があった場合に、前記発表に関する動画を前記表示画面内で再生してもよい。
【0009】
上記オンライン発表提供装置において、前記表示画面生成部は、前記聴講者が自身の端末を用いて入力した投稿質問を前記表示画面に追加してもよい。
【0010】
上記オンライン発表提供装置において、前記発表は複数あり、前記表示画面生成部は、それぞれの前記発表に、前記表示画面を個別に生成してもよい。
【0011】
上記オンライン発表提供装置は、前記複数の発表のビデオ通話のタイムテーブルを生成するタイムテーブル生成部を備え、前記送信部は、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から要求があった場合に、前記タイムテーブルを当該端末に送信してもよい。
【0012】
上記オンライン発表提供装置は、前記発表者および前記聴講者の少なくともいずれかの端末から検索条件が入力された場合に、前記検索条件に応じた発表を前記複数の発表から検索する検索部を備え、前記送信部は、前記検索部の検索結果を当該端末に送信してもよい。
【0013】
上記オンライン発表提供装置において、前記表示画面生成部は、前記表示画面の一部に、他の発表の発表内容を含めてもよい。
【0014】
上記オンライン発表提供装置は、前記複数の発表のそれぞれにIDを付して格納するデータベースを備え、前記複数の発表のそれぞれについての情報は、前記データベースに格納されてもよい。
【0015】
本発明に係るオンライン発表提供方法は、発表の内容の表示画面を生成する処理と、生成された前記表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する処理と、予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含める処理と、コンピュータが実行することを特徴とする。
【0016】
本発明に係るオンライン発表提供プログラムは、コンピュータに、発表の内容の表示画面を生成する処理と、生成された前記表示画面を発表者および聴講者の端末に送信する処理と、予め定められた時間内に前記発表者と前記聴講者とが参加するビデオ通話の表示を、前記表示画面内に含める処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発表と意見交流を行なうことができるオンライン発表提供装置、オンライン発表提供方法、およびオンライン発表提供プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係るオンライン発表提供システムのブロック図である。
【
図2】(a)は参加者端末およびオンライン発表提供装置のブロック図であり、(b)は、オンライン発表提供装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】オンライン発表の発表資料が参加者に公開されるまでの手順を表すフロー図である。
【
図4】運営者によって作成され、格納部に格納される参加者データベースを例示する図である。
【
図5】運営者によって作成され、格納部に格納される発表データベースを例示する図である。
【
図7】送信部が実行する処理を表したフローチャートを例示する図である。
【
図9】送信部が実行する処理を表したフローチャートを例示する図である。
【
図11】送信部が実行する処理を表したフローチャートを例示する図である。
【
図12】参加者端末の表示装置にポスター表示画面が表示されている間に実行されるフローチャートである。
【
図13】意見交流場を含むポスター表示画面を例示する図である。
【
図14】表示装置にポスター表示画面が表示されており、かつ当該発表の意見交流の日付の時間帯に実行されるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の説明の前に、従来の対面式の学会運営について説明する。総じて、学会の運営は過度に複雑な業務であった。例えば、従来では参加者の登録項目および発表情報の登録項目に標準的なものがなく、参加者や発表情報の同一性が人力で担保されていた。
【0020】
また、従来は、タイムテーブルと発表とが独立していた。これは、タイムテーブルの確定が、発表者による発表内容の確定より時間的にかなり前になされていたことに起因する。タイムテーブルと発表とが独立していたために、タイムテーブル上の各項目と実際の発表内容とを関連付けることが困難であった。
【0021】
対面式の学会において、慣習的に、ポスターセッションの場、およびその周辺では、井戸端会議のような意見交流が行われていた。これは、従来の学会の運営において規定されたものではなく、自然発生的に起こっていたものである。ポスターセッションをオンラインで行なうための技術が開発されてきているが、このような意見交流場については、学会の運営において規定されたものではないため、検討されてきていない。なお、ウェブ上で意見交流の場を設けようとすると、発表ごとに意見交流の部屋を設ける必要があり、部屋の数だけ運営者の端末や人が必要となり、実現が困難であった。
【0022】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
【0023】
図1は、実施形態に係るオンライン発表提供システム100のブロック図である。
図1で例示するように、オンライン発表提供システム100は、複数の参加者端末10がインターネットなどの電気通信回線30を介してオンライン発表提供装置20と接続された構成を有する。参加者とは、オンライン発表への参加者であって、発表者および聴講者の両方を含んでいる。発表者は、参加者端末10を用いて、ポスターセッション形式のオンライン発表を行なう者である。聴講者は、参加者端末10を用いて、ポスターセッション形式のオンライン発表を聴講する者である。
【0024】
参加者端末10は、電気通信回線30を介して、オンライン発表提供装置20との間で情報を送受信する。参加者端末10は、デスクトップPC、ノートPCなどの端末であってもよく、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。オンライン発表提供装置20は、学会運営者が使用するサーバなどである。電気通信回線30は、有線と無線とが混在した構成を有していてもよい。
【0025】
図2(a)は、参加者端末10およびオンライン発表提供装置20のブロック図である。
図2(a)で例示するように、参加者端末10は、入力装置11、表示装置12、出力装置13などを備えている。入力装置11は、キーボード、マウス、マイク、撮像装置、タッチパネルなどである。表示装置12は、液晶ディスプレイなどである。出力装置13は、スピーカなどである。オンライン発表提供装置20は、格納部21、認証部22、タイムテーブル生成部23、検索部24、表示画面生成部25、交流場生成部26、送信部27などを備える。
【0026】
図2(b)は、オンライン発表提供装置20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図2(b)で例示するように、オンライン発表提供装置20は、CPU101、RAM102、記憶装置103、通信装置104、入力機器105などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。記憶装置103に記憶されているオンライン発表提供プログラムをCPU101が実行することによって、オンライン発表提供装置20の各部の機能が実現される。なお、オンライン発表提供装置20の各部の機能は、それぞれ専用の回路等によって構成されていてもよい。通信装置104は、電気通信回線30に対するインタフェースである。入力機器105は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置である。
【0027】
図3は、オンライン発表の発表資料が参加者に公開されるまでの手順を表すフロー図である。
図3で例示するように、まず、オンライン発表への発表希望者が、発表案を応募する。次に、運営者や学会が、どの発表を採用するか決定し、決定された発表が全て実施されるようにタイムテーブルを作成する。次に、運営者は、発表案が採用された発表者に、採用されたことを通知する。次に、運営者は、あらためて、採用された各発表者から発表資料を受け取り、受け取った発表資料についてチェックを行なう。次に、運営者は、発表者、発表題目、タイムテーブルなどを公開する。
【0028】
図4は、運営者によって作成され、格納部21に格納される参加者データベースを例示する図である。
図4で例示するように、各参加者に対して、ID(以下、参加者ID)が付されている。この参加者IDに、参加者情報を関連付けて格納できるようになっている。参加者情報には、「氏名」、「所属」、「職位」、「メールアドレス」、「学会員番号」、「利用言語」、「役割(聴講者または発表者)」などが含まれる。各参加者は、自身に求められる参加費用の決済を行ない、参加者端末10から自身の参加者情報を送信する。運営者は、入力機器105を用いて、参加者データベースに各参加者情報を格納する。または、参加者が送信してきた参加者情報が、参加者データベースに自動で格納されてもよい。
【0029】
図5は、運営者によって作成され、格納部21に格納される発表データベースを例示する図である。
図5で例示するように、各発表に対して、ID(以下、発表ID)が付されている。この発表IDに、「意見交流の日付」、「意見交流の時間帯」、「参加者ID」、「発表のタイトル」、「発表の要旨」、「ポスターデータ」、「発表動画データ」、「発表内容のキーワード」などを関連付けて格納できるようになっている。
図5における「参加者ID」とは、発表者の参加者IDのことであって、参加者データベースとリンクしている。まずは、運営者は、入力機器105を用いて、「意見交流の日付」、「意見交流の時間帯」、および「参加者ID」を発表データベースに格納する。なお、同じ日付の同じ時間帯に、複数の意見交流が行われてもよい。
【0030】
発表者の参加者端末10から発表資料がオンライン発表提供装置20に送られてくると、運営者は、格納部21の発表データベースに当該発表資料を格納する。発表資料には、「発表のタイトル」、「発表の要旨」、「ポスターデータ」、「発表動画データ」、「発表内容のキーワード」などが含まれている。これらの発表資料は、
図5の発表データベースにおいて、対応する発表IDに関連付けて格納される。なお、「発表内容のキーワード」は、運営者が発表資料の内容に基づいて作成してもよく、運営者が用意したキーワード一覧から発表者が選択してもよい。
【0031】
認証部22は、参加者が参加者端末10を用いてログインを要求してきた場合に、認証を行なう。この場合の認証には、公知の技術を用いることができる。認証に成功した参加者は、オンライン発表の各サービスを利用できるようになる。認証に成功した参加者は、例えば以下で説明するように、参加者端末10を用いて、タイムテーブルの確認が可能であり、発表の検索が可能であり、ポスター表示画面を表示することができ、意見交流場への入室が可能である。
【0032】
タイムテーブル生成部23は、格納部21に格納されている発表データベースを参照し、各発表を並べたタイムテーブルを生成する。
図6は、タイムテーブルを例示する図である。
図6の例では、一例として、意見交流の日時ごとに、「意見交流の日付」、「意見交流の時間帯」、「発表のタイトル」、「氏名」、「発表の要旨」、「発表内容のキーワード」の各組み合わせが並べられている。このタイムテーブルは、ログインに成功した参加者端末10からの要求により、送信部27が当該参加者端末10に送信する。それにより、当該参加者端末10の表示装置12にタイムテーブルが表示される。表示装置12にタイムテーブルが表示されることで、参加者は、どのような発表が行われるか把握することができ、各発表の意見交流の日時を確認することができる。
【0033】
図7は、送信部27が実行する処理を表したフローチャートを例示する図である。
図7で例示するように、送信部27は、ログインに成功したいずれかの参加者端末10から、タイムテーブルの表示の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1で「No」と判定された場合、所定時間後にステップS1から再度実行される。ステップS1で「Yes」と判定された場合、送信部27は、当該参加者端末10に、タイムテーブル生成部23が生成したタイムテーブルを送信する(ステップS2)。その後、所定時間後に、ステップS1から再度実行される。
【0034】
検索部24は、検索画面を生成する。
図8は、検索画面を例示する図である。検索画面は、ログインに成功した参加者端末10からの要求により表示装置12に表示される。検索部24は、格納部21に格納されている発表データベースを参照し、参加者が入力した日付、時刻、キーワードなどに合致する発表を検索する。送信部27は、検索部24が検索した検索結果と、検索された発表の詳細情報を当該参加者端末10に送信する。その際に、検索済みの発表の履歴を当該参加者端末10に送信してもよい。このようにすることで、参加者が後で見返したい発表を再検索する手間を省くことができる。また、検索部24は、同じキーワードを有する他の発表の情報を検索してもよい。このようにすることで、他の発表を推薦することができるようになる。
【0035】
図9は、送信部27が実行する処理を表したフローチャートを例示する図である。
図9で例示するように、送信部27は、いずれかの参加者端末10から、発表の検索に必要な情報が入力されたか否かを判定する(ステップS11)。必要な情報とは、上述したように、日付、時間帯、キーワードなどである。ステップS11で「No」と判定された場合、所定時間後にステップS11から再度実行される。ステップS11で「Yes」と判定された場合、送信部27は、参加者が入力した日付、時間帯、キーワードなどに基づく検索部24の検索結果を当該参加者端末10に送信する(ステップS12)。その後、所定時間後に、ステップS11から再度実行される。
【0036】
参加者は、タイムテーブルに掲載されているいずれかの発表、または検索された発表をクリックすることで、当該発表のポスター表示画面にアクセスすることができる。表示画面生成部25は、発表IDが付されている発表のそれぞれについて、ポスター表示画面を生成する。
図10は、ポスター表示画面を例示する図である。表示画面生成部25は、発表の内容(発表IDに関連付けられているポスターデータの内容)をポスターエリア31に配置する。また、表示画面生成部25は、発表IDに関連付けられている動画を動画エリア32に配置し、参加者の要求により再生することができるようにする。
【0037】
聴講者は、ポスターエリア31を閲覧することで、発表内容を把握することができる。また、動画エリア32の動画データを再生することで、発表者が口頭で説明する発表内容を把握することができる。このポスター表示画面は、意見交流の日時以前から閲覧することができる。したがって、聴講者は、意見交流の前に、発表内容を把握しておくことができる。また、聴講者が予め動画を再生しておくことで、発表者は、何度も同じ発表を行なう必要がなくなる。また、ポスターデータの内容をPDF形式などで表示することで、参加者端末10へのダウンロードが不要になるとともに、データの改ざんやデータの流用などを防止することができる。
【0038】
また、聴講者は、ポスターエリア31を閲覧し、動画エリア32の動画データを再生したうえで、入力装置11を用いて、質問を投稿することができる。表示画面生成部25は、ポスター表示画面の質問エリア33に、各質問を表示する。このように、意見交流の前に質問が投稿されることで、発表者は、あらかじめ質問を把握することができる。
【0039】
また、表示画面生成部25は、ポスター表示画面に、意見交流場への入室するためのボタンを表示する。ポスター表示画面を閲覧している各参加者は、当該発表に関連付けられている意見交流の日時に当該ボタンをクリックすることで、当該発表の意見交流場に入室できるようになる。
【0040】
図11は、送信部27が実行する処理を表したフローチャートを例示する図である。
図11で例示するように、送信部27は、いずれかの参加者端末10から、いずれかの発表へのアクセスが要求されたか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21で「No」と判定された場合、所定時間後にステップS21から再度実行される。
【0041】
ステップS21で「Yes」と判定された場合、送信部27は、アクセスが要求された発表について表示画面生成部25が生成したポスター表示画面を、当該参加者端末10に送信する(ステップS22)。その後、所定時間後に、ステップS21から再度実行される。
【0042】
図12は、参加者端末10の表示装置12にポスター表示画面が表示されている間に実行されるフローチャートである。表示画面生成部25は、動画の再生ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31で「Yes」と判定された場合、表示画面生成部25は、当該発表の動画データをポスター表示画面で再生する(ステップS32)。次に、表示画面生成部25は、質問が投稿されたか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33で「Yes」と判定された場合、表示画面生成部25は、投稿された質問をポスター表示画面に追加して表示する(ステップS34)。ステップS33で「No」と判定された場合、所定時間後にステップS31から再度実行される。
【0043】
交流場生成部26は、各発表IDについて、関連付けられている発表日時に、ビデオ通話を可能とする意見交流場を生成する。交流場生成部26は、発表IDに関連付けられている発表者の参加者端末10の入力装置11から入力された映像を、発表者の映像として受信する。交流場生成部26は、各聴講者の参加者端末10の入力装置11から入力された映像を、聴講者の映像として受信する。
図13で例示するように、表示画面生成部25は、交流場生成部26が生成した意見交流場をポスター表示画面に表示する。例えば、表示画面生成部25は、ポスター表示画面内で、発表者の映像および発表者名を発表者エリア34に表示し、聴講者の映像および聴講者名を聴講者エリア35に表示する。また、交流場生成部26は、意見交流場に入室している参加者の参加者端末10の入力装置11から入力された音声を他の参加者端末10に送信する。意見交流場に入室している参加者の参加者端末10の出力装置13によって音声が出力される。それにより、各参加者の音声を共有することができる。
【0044】
このように、発表ごとに、予め定められた日時に、発表者および聴講者が意見交流場に入室することができる。発表内容とビデオ通話とがポスター表示画面という1ページ上で実現されていることから、他のツールに画面を移動させることなく、発表内容を閲覧しながらビデオ通話に参加することができる。発表者は、聴講者からの質問に答えることができる。聴講者は、発表者からの回答を聴くことができる。また、発表者は、リアルタイムで聴講者からの質問を受け付けることもできる。また、参加者同士で議論することもできるようになる。なお、聴講者は、自身の表示装置12の設定によって画面を拡大および縮小することができるため、ビデオ通話の画面共有とは異なり、自分の望むタイミングで発表内容を自由に閲覧することができる。また、ビデオ通話の画面共有では発表者の説明順に画面が切り替わっていくため、途中参加者は発明内容を理解しにくかったが、本実施形態では発表内容がポスター表示画面に表示されたままである。
【0045】
図14は、参加者端末10の表示装置12にポスター表示画面が表示されており、かつ当該発表の意見交流の日付の時間帯に実行されるフローチャートである。表示画面生成部25は、当該発表に関連付けられている意見交流の日時に、意見交流場への入室するためのボタンが押されたか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41で「No」と判定された場合、所定時間後にステップS41から再度実行される。ステップS41で「Yes」と判定された場合、表示画面生成部25は、交流場生成部26が生成した意見交流場をポスター表示画面に表示する(ステップS42)。この場合において、ボタンを押した者が発表者であれば、表示画面生成部25は、当該発表者の参加者端末10から受信した映像を発表者エリア34に表示する。ボタンを押した者が聴講者であれば、表示画面生成部25は、当該聴講者の映像を聴講者エリア35に表示する。
【0046】
本実施形態によれば、表示画面生成部25によって発表の内容の表示画面が生成され、送信部27によって表示画面が発表者および聴講者の端末に送信される。さらに、予め定められた時間内に発表者と聴講者とが参加するビデオ通話が、表示画面で表示される。この構成によれば、発表と意見交流を行うことができ、従来の対面式発表で自然発生的に行われていた井戸端会議的な議論が可能となる。
【0047】
なお、本実施形態によれば、
図4の参加者データベースおよび
図5の発表データベースを用いることにより、発表希望者からの発表の応募から、運営側による発表の審査、タイムテーブルへの公開、そして参加者に閲覧されるまで、一貫したデータとして発表情報を保持することによって、タイムテーブルと発表内容に一貫性が保証されるようになる。すわなち、タイムテーブルに掲載のある発表は必ず実際の発表内容が存在し、タイムテーブルに掲載される発表タイトルと実際の発表タイトルが異なる、というような不整合が起こらない。
図3のフローが実行されていく過程において、常に同じ(変容はするが同一性の担保された)データが参照されるため、誰が(運営側/発表者側)いつ変更したとしても発表情報としての一貫性が保たれることになるのである。手動でのデータの共有が行われなくなり、個人情報の流出のリスクが低減される。また、オンライン上で運営も発表者側も発表情報を編集できるため、直前であっても発表内容の修正が可能といったメリットも発生する。
【0048】
運営者からすると、本実施形態に係るオンライン発表提供システム100を用いることで、一貫して1つのシステム上で学術大会運営業務が行うことができる。管理の煩雑さが減り、本来参加すべき人が参加できない、発表情報があるべきものとは異なっている、等の人的ミス起因のインシデントが起こりにくくなっている。また、複数のシステムを組み合わせる場合に起こっていた、システム間での情報共有のためのセキュアでない情報の受け渡しがなくなるため、情報漏洩のリスクが低減している。
【0049】
参加者からすると、オンラインで発表ごとの議論の場が設けられることによって、よりスコープを絞った学術的な意見の交流が可能になる。発表者と意見を交流することができることにより、聴講者にとって、より理解を深めやすくなっている。タイムテーブルと発表画面の行き来、発表画面から発表画面への移動によって、自分が見たい発表にたどり着きやすくなっている。
【0050】
なお、表示画面生成部25は、意見交流前も意見交流中も、発表者が自身の参加者端末10で、ポスターエリア31で同じ内容を閲覧可能であり、動画エリア32では同じ動画を閲覧可能となるように設定していてもよい。また、表示画面生成部25は、意見交流中に、発表者が自身の参加者端末10で、ポスター表示画面を拡大・縮小することを可能とし、その操作内容を聴講者の参加者端末10には表示させないように設定していてもよい。また、表示画面生成部25は、発表者が自身のタイミングで動画エリア32の動画を再生・停止可能とし、その操作内容を聴講者の参加者端末10には表示させないように設定していてもよい。また、表示画面生成部25は、発表者の画面共有を禁止し、発表者による操作内容を聴講者の参加者端末10には表示させないように設定していてもよい。
【0051】
また、表示画面生成部25は、意見交流前も意見交流中も、聴講者が自身の参加者端末10で、ポスターエリア31で同じ内容を閲覧可能であり、動画エリア32では同じ動画を閲覧可能となるように設定していてもよい。また、表示画面生成部25は、聴講者が意見交流前にポスターエリア31の内容を閲覧している状態から、別のサイトや別のアプリケーションに移動することなく、意見交流場に入室できるように設定していてもよい。また、表示画面生成部25は、意見交流中に、聴講者が自身の参加者端末10で、ポスター表示画面を拡大・縮小することができるように設定していてもよい。また、表示画面生成部25は、聴講者が自身のタイミングで動画エリア32の動画を再生・停止可能としてもよい。また、表示画面生成部25は、聴講者の画面共有を禁止し、聴講者による操作内容を他の参加者の参加者端末10には表示させないように設定していてもよい。
【0052】
なお、
図15で例示するように、ポスター表示画面の端の隣接エリア36に、他の発表のポスター表示画面の一部が表示されてもよい。他の発表とは、特段の関連性の無い発表であってもよく、同じ日時に意見交流が行われる他の発表であってもよく、同じキーワードの発表などであってもよい。この他の発表をクリックすることで、当該他の発表の表示画面が表示されてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 参加者端末
11 入力装置
12 表示装置
13 出力装置
20 オンライン発表提供装置
21 格納部
22 認証部
23 タイムテーブル生成部
24 検索部
25 表示画面生成部
26 交流場生成部
27 送信部
30 電気通信回線
31 ポスターエリア
32 動画エリア
33 質問エリア
34 発表者エリア
35 聴講者エリア
36 隣接エリア
100 オンライン発表提供システム