(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059042
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】部品圧着装置及び部品圧着装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
H01L21/60 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168916
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】幾島 大貴
(72)【発明者】
【氏名】児玉 開
(72)【発明者】
【氏名】関口 聡
(72)【発明者】
【氏名】辻澤 孝文
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK03
5F044LL09
5F044MM43
5F044NN05
5F044NN17
5F044PP11
(57)【要約】
【課題】除電部の性能劣化を早期に検出できる部品圧着装置等を提供する。
【解決手段】部品圧着装置100は、基板200に部品300を圧着する部品圧着装置である。部品圧着装置100は、部品圧着装置100内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定部140と、当該所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電部150と、帯電量測定部140により測定された測定量に基づき、除電部150の異常の有無を判定する判定部160と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を圧着する部品圧着装置であって、
前記部品圧着装置内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定部と、
前記所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電部と、
前記帯電量測定部により測定された測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する判定部と、を備える、
部品圧着装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記基板に前記部品を圧着するために前記部品圧着装置が行う動作シーケンスにおける所定のタイミングに、前記帯電量測定部により測定された前記測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する、
請求項1に記載の部品圧着装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記部品圧着装置により繰り返し行われる前記動作シーケンスのそれぞれにおける前記所定のタイミングに、前記帯電量測定部により測定された複数の前記測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する、
請求項2に記載の部品圧着装置。
【請求項4】
前記所定のタイミングは、前記帯電量測定部と前記所定の領域との間に前記基板が位置していない時である、
請求項2又は3に記載の部品圧着装置。
【請求項5】
前記基板に載置された前記部品を、保護シートを介して押圧する圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドと前記部品との間に保護シートを供給する保護シート供給部と、をさらに備え、
前記所定の領域は、前記保護シートの一部である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の部品圧着装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記除電部から供給される前記エアの風量が所定の風量である時に前記帯電量測定部により測定された測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の部品圧着装置。
【請求項7】
前記判定部により前記除電部に異常が有ると判定された場合に、前記除電部の異常を報知する報知部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の部品圧着装置。
【請求項8】
基板に部品を圧着する部品圧着装置の制御方法であって、
前記部品圧着装置内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定ステップと、
除電部によって、前記所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電ステップと、
前記帯電量測定ステップで測定された測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する判定ステップと、を含む、
部品圧着装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品圧着装置及び部品圧着装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を圧着する部品圧着装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている部品圧着装置の一例であるボンディング装置は、キャリアテープ等の帯電量を測定する帯電量測定装置と、当該キャリアテープ等の静電気を除去するための静電気除去装置(除電部)とを備える。特許文献1に開示されているボンディング装置は、例えば、帯電量測定装置の帯電量の測定結果に応じて、ボンディング装置のボンディング動作等を停止する。
【0003】
これによれば、除電部がキャリアテープ等の静電気を適切に除去できていなくても、静電気による部品等の破壊を生じさせる前に、ボンディング動作が停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除電部の性能劣化は、上記の通り静電気による部品等の破壊を生じさせることになるため、早期に検出されることが望まれている。
【0006】
本発明は、除電部の性能劣化を早期に検出できる部品圧着装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る部品圧着装置は、基板に部品を圧着する部品圧着装置であって、前記部品圧着装置内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定部と、前記所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電部と、前記帯電量測定部により測定された測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する判定部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る部品圧着装置の制御方法は、基板に部品を圧着する部品圧着装置の制御方法であって、前記部品圧着装置内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定ステップと、除電部によって、前記所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電ステップと、前記帯電量測定ステップで測定された測定値に基づき、前記除電部の異常の有無を判定する判定ステップと、を含む。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、除電部の性能劣化を早期に検出できる部品圧着装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る部品圧着装置を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る部品圧着装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る帯電量測定部による測定値の測定結果の具体例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る部品圧着装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施の形態に係る部品圧着装置等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る部品圧着装置の構成について説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係る部品圧着装置100の概略図である。
【0016】
なお、
図1においては、コンピュータ90を機能的なブロックとして図示している。
【0017】
部品圧着装置100は、基板200に部品300を圧着する装置である。部品圧着装置100は、例えば、ディスプレイパネル等を生産するための部品実装システムの一部である。当該部品実装システムでは、例えば、図示しない貼着装置が基板200に設けられた電極部にACF(Anisotropic Conductive Film)を貼付け、図示しない仮圧着装置によってACFを介して基板200と部品300とを仮圧着させる。部品圧着装置100は、例えば、図示しない基板搬送装置によって上流側の装置(例えば、仮圧着装置)から搬送された、部品300が配置(載置)された基板200に部品300を圧着する。部品300が圧着された基板200は、例えば、当該基板搬送装置によって部品圧着装置100の下流側に搬送される。
【0018】
基板200としては、樹脂等により形成されたフィルム状のフレキシブル基板、又は、ガラス基板等のリジッドな基板が例示される。
【0019】
部品300としては、IC(Integrated Circuit)、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuits)等の電子部品が例示される。
【0020】
図1に示すように、部品圧着装置100は、シート保持部20と、送りローラ21と、圧着ヘッド50と、モータ51と、ガイド52と、ステージ70と、バックアップステージ80と、帯電量測定部140と、除電部150と、を備える。
【0021】
なお、図示しないが、これらの構成要素は、ガイド、モータ等の構成要素を駆動(移動)させるための駆動機構、位置を固定する支持部材等によって支持されている。
【0022】
また、これらの構成要素、及び、これらの構成要素を駆動するための駆動機構は、部品圧着装置100が備えるコンピュータ90と無線又は制御線等によって通信可能に接続されており、コンピュータ90によって制御されることで所定の作業を実行する。
【0023】
コンピュータ90は、部品圧着装置100が備える各構成要素を制御するコンピュータである。コンピュータ90は、例えば、部品圧着装置100が備える各構成要素と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等で実現される。
【0024】
シート保持部20は、保護シート400を収容し、収容している保護シート400を供給するためのリールである。保護シート400は、送りローラ21が回動することで巻き取られて圧着ヘッド50の下方に供給される。
【0025】
なお、保護シート400が供給されるとは、圧着ヘッド50の下方に位置する保護シート400の位置が変わることも意味する。例えば、保護シート400は、圧着ヘッド50によって部品300が基板200に圧着される度に、位置が移動される。つまり、圧着ヘッド50によって部品300が基板200に圧着される度に、保護シート400は供給される。
【0026】
シート保持部20は、保護シート400を支持する支持部材である。本実施の形態では、シート保持部20では、保護シート400は、ロール状に巻かれた状態(巻回された状態)で保持されている。保護シート400は、送りローラ21によって引き出されることで、圧着ヘッド50の下方に供給される。
【0027】
なお、保護シート400は、ロール状に巻かれた状態でシート保持部20に保持されていなくてもよく、例えば、シート保持部20に折りたたまれて重ねられた状態で保持されていてもよい。
【0028】
送りローラ21は、回動することでシート保持部20に保持された保護シート400をシート保持部20から引き出して圧着ヘッド50の下方に保護シート400を供給する駆動機構である。
【0029】
圧着ヘッド50は、基板200に載置された部品300を、保護シート400を介して押圧することで、部品300を基板200に圧着するヘッドである。例えば、圧着ヘッド50は、ガイド52に取り付けられており、モータ51がコンピュータ90によって駆動されて上下動することで、保護シート400を介して部品300を押圧することで、部品300を基板200に圧着する。
【0030】
ステージ70は、部品が配置された基板200が載置される基台である。具体的には、ステージ70は、基板200の縁部と上面視で重ならない状態(つまり、基板200の端部がはみ出した状態)で基板200を保持する。ステージ70は、例えば、コンピュータ90によって制御されてXYZ方向に移動可能な3軸ステージである。
【0031】
バックアップステージ80は、ステージ70に載置された基板200の縁部を支持する基台である。バックアップステージ80は、例えば、コンピュータ90によって制御されてZ方向に移動可能な1軸ステージである。
【0032】
帯電量測定部140は、部品圧着装置100内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う、つまり、帯電量に関する物理量の測定を行う装置である。部品圧着装置100内とは、例えば、部品圧着装置100が備える各構成要素を収容する筐体内、部品圧着装置100が備える各構成要素、部品圧着装置100が取り扱う部品300、基板200及び保護シート400等の部材、並びに、部品圧着装置100が備える各構成要素に囲まれた空間の少なくともいずれかを意味する。本実施の形態では、所定の領域は、保護シート400の一部である。具体的には、所定の領域は、例えば、保護シート400における、
図1に示す破線の楕円で囲まれた領域である。つまり、本実施の形態では、帯電量測定部140は、保護シート400について帯電量に関する測定を行う。帯電量測定部140は、例えば、シート保持部20から引き出された保護シート400を測定する。本実施の形態では、帯電量測定部140は、シート保持部20から引き出された後の位置であって、且つ、圧着ヘッド50により押圧される位置よりシート保持部20側の位置を測定する。
【0033】
なお、帯電量測定部140は、シート保持部20に保持されている保護シート400を測定してもよいし、圧着ヘッド50により押圧される位置に対してシート保持部20とは反対側の位置を測定してもよい。
【0034】
また、帯電量測定部140は、所定の領域の帯電量に関する測定を行うことができればよく、接触式のセンサでもよいし、非接触式のセンサでもよい。本実施の形態では、帯電量測定部140として、保護シート400に非接触の状態で保護シート400を測定できる非接触式のセンサが採用されている。
【0035】
また、帯電量測定部140は、帯電量に関する測定として、表面電位を測定してもよいし、帯電量そのものを測定してもよい。つまり、帯電量測定部140は、例えば、所定の領域の表面電位又は帯電量を測定値として測定する。帯電量測定部140は、例えば、表面電位計である。
【0036】
除電部150は、所定の領域にイオン化されたエアを供給するイオナイザである。本実施の形態では、除電部150は、イオン化されたエアを噴出することにより保護シート400の帯電量を低減する。具体的には、除電部150は、保護シート400における、
図1に示す破線の楕円で囲まれた領域に向けてエアを噴出する。
【0037】
除電部150は、例えば、コロナ放電を発生させることでイオンを生成し、生成したイオンを含むエアを保護シート400に向けて噴出する。より具体的には、除電部150は、例えば、保護シート400における圧着ヘッド50が押圧する位置に向けてエアを噴出する。例えば、除電部150は、保護シート400の下方に配置され、保護シート400における圧着ヘッド50が押圧する上面と対向する位置の下面に向けてエアを噴出する。
【0038】
続いて、以上のようなハードウェア構成を備える部品圧着装置100の特徴的な機能構成について説明する。
【0039】
図2は、実施の形態に係る部品圧着装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0040】
部品圧着装置100は、基板支持部110と、保護シート供給部120と、圧着ツール130と、帯電量測定部140と、除電部150と、判定部160と、報知部170と、制御部180と、記憶部190と、を備える。
【0041】
基板支持部110は、基板200を支持する基台である。具体的には、基板支持部110は、部品300が配置された基板200を支持する。基板支持部110は、例えば、ステージ70及びバックアップステージ80により実現される。
【0042】
保護シート供給部120は、圧着ヘッド50と部品300との間に保護シート400を供給する装置である。具体的には、保護シート供給部120は、圧着ツール130(より具体的には、圧着ヘッド50)と基板支持部110に載置された基板200に配置された部品300との間に保護シート400を供給する。具体的には、保護シート供給部120は、部品300が配置された基板200が圧着位置(例えば、
図1に示す基板200の位置であって、基板200の縁部の下方がバックアップステージ80に支持されている状態)に位置しているときに、圧着ツール130が備える圧着ヘッド50の下方であって、且つ、基板支持部110に載置された基板200に配置された部品300の上方に保護シート400を供給する。保護シート供給部120は、例えば、圧着ツール130が保護シート400とともに部品300を基板200に押圧することで部品300を基板200に圧着する度に、保護シート400の位置をずらすことで保護シート400を供給する。
【0043】
保護シート400は、例えば、ロール状に巻かれた状態で保護シート供給部120(より具体的には、保護シート供給部120が備えるシート保持部20)に保持される。保護シート供給部120(より具体的には、保護シート供給部120が備える送りローラ21)は、例えば、シート保持部20にロール状に巻かれて保持された保護シート400を引き出すことにより、圧着ツール130(より具体的には、圧着ツール130が備える圧着ヘッド50)と部品300との間に保護シート400を供給する。
【0044】
保護シート供給部120は、例えば、シート保持部20、送りローラ21及び送りローラ21を回動させる図示しないモータによって実現される。
【0045】
圧着ツール130は、基板支持部110により支持された基板200に部品300を圧着するための機構である。具体的には、圧着ツール130は、保護シート供給部120により供給された保護シート400とともに部品300を基板200に押圧させることにより、基板200に部品300を圧着させる。圧着ツール130は、例えば、圧着ヘッド50、モータ51及びガイド52により実現される。
【0046】
判定部160は、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する処理部である。測定値とは、帯電量測定部140が測定する帯電量に関する物理量、つまり、帯電量を算出するための物理量、又は、帯電量そのものである。測定値は、例えば、所定の領域における表面電位又は帯電量である。例えば、判定部160は、基板200に部品300を圧着するために部品圧着装置100が行う動作シーケンスにおける所定のタイミングに、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。
【0047】
動作シーケンスとは、例えば、後述する
図4に示すフローの処理のように、部品圧着装置100が繰り返し実行する、基板200に部品300を圧着する一連の処理である。
【0048】
所定のタイミングとは、例えば、後述する
図4に示すフローの各処理と同時又は各処理間のように、部品圧着装置100が繰り返し実行する、基板200に部品300を圧着する一連の処理中である。例えば、所定のタイミングは、帯電量測定部140と所定の領域との間に基板200が位置していない時である。本実施の形態では、部品300が圧着された基板200が部品圧着装置100の下流に搬送されて、保護シート400が移動された後であり、且つ、ステージ70に載置された基板200の端部がバックアップステージ80に支持される位置に移動が開始される前である。
【0049】
図3は、実施の形態に係る帯電量測定部140による測定値に関する測定結果の具体例を示す図である。具体的には、
図3は、部品圧着装置100が基板200に部品300を圧着した処理数(累積処理枚数/単位:枚)に対する、所定の領域の表面電位(単位:V)のグラフを示す図である。つまり、本例では、帯電量測定部140が測定する測定値は、表面電位である。なお、
図3では、丸が測定値を示し、菱形が平均値を示す。例えば、判定部160は、帯電量測定部140によって測定されたタイミングが新しい順に10個の測定結果(直近の10枚の測定結果)を用いて平均値(つまり、移動平均値)を算出する。なお、判定部160は、測定結果が10に到達していない場合には、測定結果を全て用いて平均値を算出している。
【0050】
図3に示すように、平均値は、累積処理枚数が50枚程度まで(例えば、累積処理枚数が0枚から
図3に示す破線まで)、変動が小さく安定している。これは、除電部150の性能(除電性能)が安定していることを示す。
【0051】
一方、平均値は、累積処理枚数が50枚程度以降(例えば、
図3に示す破線の累積処理枚数以降)では、徐々に表面電位が増加している。これは、除電部150が適切に除電できなくなってきている、つまり、除電部150が劣化してきていることを示す。
【0052】
判定部160は、例えば、平均値が第1閾値(
図3に一点鎖線で示す除電部150劣化の判定閾値)以上の場合に、除電部150に異常が有ると判定し、平均値が第1閾値未満の場合に、除電部150に異常が無いと判定する。
【0053】
測定された各表面電位は、ある程度のばらつきが見られる。一方、平均値は、測定された各表面電位と比較して、ばらつきが小さい。そのため、判定部160は、除電部150の異常の有無の判定に平均値を用いることで、測定された各測定値のばらつきの影響を抑制して、除電部150の異常の有無を適切に判定できる。このように、例えば、判定部160は、部品圧着装置100により繰り返し行われる動作シーケンスのそれぞれにおける所定のタイミングに、帯電量測定部140により測定された複数の測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。例えば、判定部160は、帯電量測定部140により基板200に部品300を実装する度に繰り返し測定された複数の測定値の平均値(例えば、上記した移動平均値)に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。
【0054】
もちろん、判定部160は、帯電量測定部140により測定された1つの測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定してもよい。
【0055】
また、上記した通り、測定された各測定値には、ある程度のばらつきが見られるものの、測定値が大きすぎると、つまり、帯電量が大きすぎると、基板200又は部品300に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、例えば、判定部160は、測定値が第2閾値(
図3に二点鎖線で示す帯電異常の判定閾値)以上の場合には、測定値が異常であると判定し、測定値が第2閾値未満の場合には、測定値が異常ではないと判定してもよい。
【0056】
制御部180は、例えば、判定部160の判定結果に基づいて、報知部170に当該判定結果を報知させたり、部品圧着装置100が実行する処理を停止させたりする。例えば、制御部180は、判定部160が除電部150に異常が有ると判定した場合には、報知部170に当該判定結果を報知させ、且つ、部品圧着装置100が実行する処理を実行させ続ける。一方、例えば、制御部180は、判定部160が測定値に異常が有ると判定した場合には、報知部170に当該判定結果を報知させ、且つ、部品圧着装置100が実行する処理を停止させる。
【0057】
なお、第1閾値及び第2閾値は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。第1閾値及び第2閾値を示す閾値情報は、例えば、記憶部190に予め記憶されている。
【0058】
また、判定部160が平均値の算出に用いる測定値の測定結果の数は、10でなくてもよく、例えば、5でもよいし、20でもよいし、50でもよいし、測定結果全てでもよく、任意に設定されてよい。
【0059】
また、例えば、判定部160は、除電部150から供給されるエアの風量が所定の風量である時に帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。つまり、帯電量測定部140が測定値を繰り返し測定する各タイミングでは、エアの風量が同じになっている。
【0060】
なお、所定の風量は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。また、除電部150は、帯電量測定部140により測定値が測定されるタイミング以外においては、供給するエアの風量を適宜変更してもよい。
【0061】
報知部170は、判定部160により除電部150に異常が有ると判定された場合に、除電部150に異常が有ることを示す情報をユーザに報知する装置である。報知部170は、例えば、音を出力するスピーカ等を有する音響機器、及び/又は、画像を表示する表示装置等により実現される。報知部170は、音及び/又は画像等を出力することで、除電部150に異常が有ることを示す情報をユーザに報知する。例えば、制御部180は、判定部160により除電部150に異常が有ると判定された場合に、報知部170を制御することで、除電部150に異常が有ることを示す情報をユーザに対して報知部170に報知させる。除電部150に異常が有ることを示す音情報及び/又は画像情報は、例えば、記憶部190に予め記憶されている。
【0062】
なお、報知部170は、判定部160により除電部150に異常が無いと判定された場合に、除電部150の異常が無いことを示す情報をユーザに報知してもよい。
【0063】
制御部180は、基板支持部110、保護シート供給部120、圧着ツール130、帯電量測定部140、除電部150、及び、報知部170等の部品圧着装置100が備える各構成要素の動作、動作タイミング等を制御する処理部である。
【0064】
例えば、制御部180は、判定部160の判定結果に基づいて、基板支持部110、保護シート供給部120、圧着ツール130、帯電量測定部140、除電部150、及び、報知部170を制御する。
【0065】
また、例えば、制御部180は、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、保護シート供給部120による保護シート400の供給を制御する。例えば、制御部180は、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、保護シート供給部120がシート保持部20に保持された保護シート400を引き出す際の引き出し速度を制御することで、保護シート供給部120による保護シート400の供給を制御する。例えば、制御部180は、帯電量測定部140により測定された測定値が第3閾値より大きい場合に、保護シート供給部120がシート保持部20に保持された保護シート400を引き出す際の引き出し速度を下げる。引き出し速度が高いと、保護シート400は、帯電しやすくなる。そのため、引き出し速度を下げることで、保護シート400の帯電量を低下させることができる。
【0066】
なお、第3閾値は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。第3閾値を示す閾値情報は、例えば、予め記憶部190に記憶される。
【0067】
なお、制御部180が、保護シート供給部120を制御することで保護シート400を供給し続ける時間及び保護シート400の供給を停止し続ける時間は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。これらの時間は、同じでもよいし、異なっていてもよい。これらの時間を示す情報は、記憶部190に予め記憶されていてもよい。
【0068】
また、制御部180が、保護シート供給部120を制御することで保護シート400の供給を停止し続ける時間は、停止を開始する時点で予め定められていなくてもよい。例えば、制御部180は、保護シート400の供給が停止されている間に行われる圧着ツール130による圧着が完了した時に停止を解除してもよい。
【0069】
また、制御部180は、保護シート供給部120を制御することで、保護シート400の供給を停止させてから圧着ツール130による圧着が行われるまでの間に、保護シート400を弛ませてもよい。保護シート400を弛ませることにより、圧着ツール130による圧着動作が保護シート400により阻害されることを抑制できる。
【0070】
或いは、制御部180は、例えば、保護シート供給部120がシート保持部20に保持された保護シート400を引き出す処理を停止している時間(所定の時間)を制御することで、保護シート供給部120による保護シート400の供給を制御する。
【0071】
制御部180は、圧着ツール130に、上記のように制御した保護シート供給部120により供給された保護シート400とともに部品300を基板200に押圧させることにより、基板200に部品300を圧着させる。
【0072】
また、例えば、制御部180は、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150から噴出させるエアの風量を変更する。例えば、制御部180は、帯電量測定部140により測定された測定値が第4閾値より大きい場合に、エアの風量を上げる。これにより、所定の領域の帯電量を低下させやすくできる。
【0073】
なお、第4閾値は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。第3閾値を示す閾値情報は、例えば、予め記憶部190に記憶される。
【0074】
また、除電部150は、例えば、保護シート400における特定の位置(例えば、圧着ツール130に押圧される位置)にエアを吹き付ける位置が固定されている。そのため、除電部150がエアを保護シート400に不要に吹き付けることを抑制するために、例えば、保護シート400の供給が停止されている状態(言い換えると、圧着ツール130により圧着が行われている状態)においては、風量を少なくしてもよい。
【0075】
判定部160及び制御部180は、例えば、コンピュータ90が有する、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、当該プロセッサが実行する、コンピュータ90が有するメモリ等に記憶された制御プログラム、及び、基板支持部110、保護シート供給部120、圧着ツール130等と通信するための通信インターフェース等で実現される。
【0076】
記憶部190は、基板200、部品300及び保護シート400のそれぞれのサイズ等の種類を示す情報、圧着位置、圧着方向、各構成要素の動作、当該動作のタイミング、基板200を部品圧着装置100の後段に位置する部品圧着装置等に移送するタイミング等を示す各種データ、判定部160及び制御部180等が実行する制御プログラム等を記憶する記憶装置である。記憶部190は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等により実現される。
【0077】
[処理手順]
続いて、実施の形態に係る部品圧着装置100の処理手順について詳細に説明する。
【0078】
図4は、実施の形態に係る部品圧着装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
まず、制御部180は、保護シート供給部120を制御することで保護シート400の供給を開始する(S101)。例えば、制御部180は、帯電量測定部140が前回測定した保護シート400の帯電量に関する測定値に基づき、保護シート400の供給を制御する。例えば、制御部180は、帯電量測定部140が前回測定した保護シート400の帯電量に関する測定値に基づき、送りローラ21による保護シート400の供給速度を制御する。或いは、例えば、制御部180は、帯電量測定部140が前回測定した保護シート400の帯電量に関する測定値に基づき、保護シート400を供給するタイミング(より具体的には、保護シート400の供給の停止時間である所定の時間)を決定し、決定したタイミングで送りローラ21を回動させることで、シート保持部20に保持されている保護シート400を移動させる。
【0080】
なお、制御部180は、例えば、部品圧着装置100が起動された直後等、帯電量測定部140が前回測定した保護シート400の帯電量に関する測定値が存在しない場合、記憶部190に予め記憶された所定のシート供給速度又はシート供給タイミングを示すシート供給情報に基づいて、保護シート400の供給を制御してもよい。また、制御部180は、例えば、部品圧着装置100が停止される際には、帯電量測定部140が最後に測定した保護シート400の帯電量に関する測定値を示す帯電量情報を記憶部190に記憶させてもよい。この場合、例えば、制御部180は、部品圧着装置100が起動された直後等に、帯電量情報に基づいて、保護シート400の供給を制御してもよい。
【0081】
次に、帯電量測定部140は、所定の領域(本実施の形態では、保護シート400)の帯電量に関する測定を行う(S102)。例えば、帯電量測定部140は、所定の領域の表面電位の測定を行う。このとき、ステージ70は、
図1に示されている位置よりもバックアップステージ80に対して離間した位置にある。そのため、帯電量測定部140は、ステージ70及びステージ70に保持される基板200に遮られることなく保護シート400を測定することができる。判定部160は、帯電量測定部140が測定した測定値を示す情報を取得する。
【0082】
なお、帯電量測定部140が測定するタイミングで、保護シート400は、保護シート供給部120によって移動されていてもよいし、停止されていてもよい。
【0083】
次に、判定部160は、帯電量測定部140が測定した測定値に基づいて、除電部150の異常の有無を判定する(S103)。
【0084】
判定部160が、除電部150に異常が有ると判定した場合(S103でYes)、報知部170は、除電部150に異常が有る旨を示す情報をユーザに報知する(S104)。
【0085】
判定部160が、除電部150に異常が無いと判定した場合(S103でNo)、又は、ステップS104の次に、制御部180は、部品300が配置された基板200をステージ70に支持させる(S105)。例えば、制御部180は、基板200を搬送する図示しない基板搬送部を制御することで、基板200をステージ70に保持させる。
【0086】
次に、制御部180は、基板支持部110に支持された基板200の位置を調整する(S106)。具体的には、制御部180は、基板支持部110(より具体的には、ステージ70)を制御することで、基板200の縁部がバックアップステージ80に載置されるように、つまり、圧着ツール130(より具体的には、圧着ヘッド50)の下方に位置するように基板200を移動させる。
【0087】
次に、制御部180は、所定の領域(本実施の形態では、保護シート400)に除電部150からイオン化されたエアを供給させる(S107)。例えば、制御部180は、例えば、帯電量測定部140が前回測定した保護シート400の測定値に基づき、除電部150から噴出させるエアの風量を制御する。
【0088】
なお、制御部180は、例えば、部品圧着装置100が起動された直後等、帯電量測定部140が前回測定した保護シート400の測定値が存在しない場合、除電部150から噴出させるエアの風量を、記憶部190に予め記憶された所定の風量を示す風量情報に基づいて制御してもよい。また、制御部180は、例えば、部品圧着装置100が停止される際には、帯電量測定部140が最後に測定した保護シート400の測定値を示す帯電量情報を記憶部190に記憶させてもよい。この場合、例えば、制御部180は、部品圧着装置100が起動された直後等に、帯電量情報に基づいて、除電部150から噴出させるエアの風量を制御してもよい。
【0089】
次に、制御部180は、圧着ツール130を制御することで、保護シート供給部120により供給された保護シート400とともに部品300を基板200に押圧させることにより、基板200に部品300を圧着させる(S108)。具体的には、制御部180は、保護シート供給部120を制御することで保護シート400の供給を停止させ、保護シート400の供給を停止させた状態で、圧着ヘッド50を下降させることにより、保護シート400を介して部品300を押圧することにより、部品300を基板200に圧着させる。
【0090】
ステップS108以降では、部品300が圧着された基板200がステージ70から搬出され、再びステップS101に処理が戻り、
図4に示すフローが繰り返し実行される。そのため、ステップS107で実行された除電部150による除電の結果が、次に
図4に示すフローが実行された場合におけるステップS102で実行される帯電量測定部140の測定結果に反映される。
【0091】
なお、ステップS107は、ステップS105とステップS106との間で実行されてもよいし、ステップS108の後に実行されてもよい。或いは、除電部150によるエアの供給は、常時行われていてもよい。
【0092】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る部品圧着装置100は、部品圧着装置100は、基板200に部品300を圧着する部品圧着装置である。部品圧着装置100は、部品圧着装置100内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定部140と、当該所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電部150と、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する判定部160と、を備える。
【0093】
これによれば、帯電量測定部140の測定結果に基づいて、除電部150によって所定の領域が適切に除電できているか否かが分かる。つまり、これによれば、帯電量測定部140の測定結果に基づいて、除電部150の性能が劣化しているか否か、つまり、除電部150の異常の有無が判定部160によって適切に判定される。従来、除電部150は、例えば、除電性能が劣化しているか否かを判定する自己診断機能を有する場合がある。しかしながら、従来の除電部150が有する自己診断機能では、本当に除電できているか否かが分からなかった。そこで、部品圧着装置100では、帯電量測定部140によって実際の帯電量に関する測定を行う。そのため、部品圧着装置100によれば、従来の除電部150が有する自己診断機能では、除電性能が劣化していないと判定されるような状態であっても、ユーザが所望する除電性能が発揮できていなければ、そのことを早期に検出できる。つまり、部品圧着装置100によれば、除電部150の性能劣化を早期に検出できる。そのため、例えば、判定部160によって除電部150に異常が有ると判定された場合に、報知部170等によって除電部150に異常が有ることをユーザに直ちに報知することで、ユーザは、基板200又は部品300等に悪影響が与えられる前に早期に除電部150のメンテナンス等を行うことができる。
【0094】
また、例えば、判定部160は、基板200に部品300を圧着するために部品圧着装置100が行う動作シーケンスにおける所定のタイミングに、帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。
【0095】
これによれば、所定のタイミングが適切に設定されることで、例えば、所定の領域が保護シート400である場合に、帯電量測定部140と保護シート400との間に基板200等が位置することにより帯電量測定部140が測定を適切に行えない等の不具合の発生が抑制される。
【0096】
また、例えば、判定部160は、部品圧着装置100により繰り返し行われる動作シーケンスのそれぞれにおける所定のタイミングに、帯電量測定部140により測定された複数の測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。
【0097】
これによれば、例えば、判定部160は、複数の測定値(例えば、表面電位又は帯電量等の測定結果)の平均値を算出し、除電部150の異常の有無の判定に算出した平均値を用いることで、測定された各測定値のばらつきの影響を抑制して、除電部150の異常の有無を適切に判定できる。
【0098】
また、例えば、所定のタイミングは、帯電量測定部140と所定の領域との間に基板200が位置していない時である。
【0099】
部品圧着装置100が備える各構成要素のサイズ及び機能等を考慮すると、帯電量測定部140は、例えば、
図1に示すように、基板200に部品300を圧着するタイミングでは、帯電量測定部140と所定の領域との間に基板200が位置し、且つ、基板200に部品300を圧着しないタイミングでは、帯電量測定部140と所定の領域との間に基板200が位置しない配置であるとよい。そこで、このような位置に帯電量測定部140が配置されたとしても、所定のタイミングが帯電量測定部140と所定の領域との間に基板200が位置していない時とされることで、帯電量測定部140は、帯電量に関する測定を適切に行うことができる。
【0100】
また、例えば、部品圧着装置100は、基板200に載置された部品300を、保護シート400を介して押圧する圧着ヘッド50と、圧着ヘッド50と部品300との間に保護シート400を供給する保護シート供給部120と、をさらに備える。この場合、例えば、所定の領域は、保護シート400の一部である。
【0101】
また、例えば、判定部160は、除電部150から供給されるエアの風量が所定の風量である時に帯電量測定部140により測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する。
【0102】
これによれば、エアの風量の変化による帯電量測定部140の測定精度の低下が抑制される。
【0103】
また、例えば、部品圧着装置100は、判定部160により除電部150に異常が有ると判定された場合に、除電部150の異常を報知する報知部170をさらに備える。
【0104】
これによれば、除電部150に異常が有ることをユーザに直ちに報知できる。
【0105】
また、実施の形態に係る部品圧着装置の制御方法は、基板200に部品300を圧着する部品圧着装置100の制御方法である。部品圧着装置100の制御方法は、部品圧着装置100内における所定の領域の帯電量に関する測定を行う帯電量測定ステップ(S103)と、除電部150によって、所定の領域にイオン化されたエアを供給する除電ステップ(S107)と、帯電量測定ステップで測定された測定値に基づき、除電部150の異常の有無を判定する判定ステップ(S104)と、を含む。
【0106】
これによれば、部品圧着装置100と同様の効果を奏する。
【0107】
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る部品圧着装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0108】
例えば、上記実施の形態では、所定の領域は、保護シートの一部の領域であったが、部品、基板、ステージ、バックアップステージ等、保護シートでなくてもよい。
【0109】
また、例えば、部品圧着装置が備える判定部及び制御部等の処理部の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0110】
また、部品圧着装置が備える処理部の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0111】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0112】
なお、本発明は、部品圧着装置として実現できるだけでなく、部品圧着装置の各構成要素が行う処理をステップとして含むプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体として実現することもできる。つまり、上述した包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0113】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明に係る部品圧着装置は、ディスプレイパネル等の基板に部品を圧着する部品圧着装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
20 シート保持部
21 送りローラ
50 圧着ヘッド
51 モータ
52 ガイド
70 ステージ
80 バックアップステージ
90 コンピュータ
100 部品圧着装置
110 基板支持部
120 保護シート供給部
130 圧着ツール
140 帯電量測定部
150 除電部
160 判定部
170 報知部
180 制御部
190 記憶部
200 基板
300 部品
400 保護シート