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  • 特開-流量計の製造方法 図1A
  • 特開-流量計の製造方法 図1B
  • 特開-流量計の製造方法 図1C
  • 特開-流量計の製造方法 図1D
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059046
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】流量計の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/684 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
G01F1/684 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168921
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】湯山 まゆみ
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035EA05
2F035EA08
(57)【要約】
【課題】センサチップを位置がばらつくことなく流路内に設置する。
【解決手段】センサチップ101は、位置合わせマーク104を備え、センサチップ101を配置する流路106の認識マーク107に、位置合わせマーク104を合わせて、流路106にセンサチップ101を配置する。例えば、位置合わせマーク104は、センサチップ101の流路の上流側に形成された第1マーク104aと、センサチップ101の流路の下流側に形成された第2マーク104bとを備え、認識マーク107は、第1マーク104aに対応する第1認識マーク107aと、第2マーク104bに対応する第2認識マーク107bとを備える。
【選択図】 図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の流体を加熱するヒータおよび前記流体の温度を測定する温度センサを備えて位置合わせマークが形成された、熱式流量測定のためのセンサチップを用意する第1工程と、
前記センサチップを配置する流路の認識マークに前記位置合わせマークを合わせて前記流路に前記センサチップを配置する第2工程と
を備える流量計の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の流量計の製造方法において、
前記位置合わせマークは、前記センサチップの前記流路の上流側に形成された第1マークと、前記センサチップの前記流路の下流側に形成された第2マークとを備え、
前記認識マークは、前記第1マークに対応する第1認識マークと、前記第2マークに対応する第2認識マークとを備え、
前記第1マークと前記第2マークとを結ぶ仮想の直線は、前記流路の流れの方向に平行とされていることを特徴とする流量計の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の流量計の製造方法において、
前記位置合わせマークは、前記流路の流れの方向に平行な直線の形状とされ、
前記認識マークは、前記流路の内壁と前記センサチップとが重なる箇所に形成されていることを特徴とする流量計の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の流量計の製造方法において、
前記ヒータおよび前記温度センサは、前記センサチップの中央部に配置され、
前記位置合わせマークは、前記センサチップの周辺部に配置されている
ことを特徴とする流量計の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱式流量計として、センサチップを流路内に配置する構成がある(特許文献1)。この技術では、センサチップを流路の内壁面(底面)と面一になるように設置している。流路には流速分布が存在するため、流量が一定の状態で同じ流速となる場所で計測することが重要であり、センサチップは流路の幅方向において中央に設置することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3302444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、センサチップは、ダイボンドや流路への固定などの複数の製造工程を経るため、それぞれの公差影響により製品毎に設置位置にばらつきが生じやすい。
【0005】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、センサチップを位置がばらつくことなく流路内に設置できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る流量計の製造方法は、測定対象の流体を加熱するヒータおよび流体の温度を測定する温度センサを備えて位置合わせマークが形成された、熱式流量測定のためのセンサチップを用意する第1工程と、センサチップを配置する流路の認識マークに位置合わせマークを合わせて流路にセンサチップを配置する第2工程とを備える。
【0007】
上記流量計の製造方法の一構成例において、位置合わせマークは、センサチップの流路の上流側に形成された第1マークと、センサチップの流路の下流側に形成された第2マークとを備え、認識マークは、第1マークに対応する第1認識マークと、第2マークに対応する第2認識マークとを備え、第1マークと第2マークとを結ぶ仮想の直線は、流路の流れの方向に平行とされている。
【0008】
上記流量計の製造方法の一構成例において、位置合わせマークは、流路の流れの方向に平行な直線の形状とされ、認識マークは、流路の内壁とセンサチップとが重なる箇所に形成されている。
【0009】
上記流量計の製造方法の一構成例において、ヒータおよび温度センサは、センサチップの中央部に配置され、位置合わせマークは、センサチップの周辺部に配置されている。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、位置合わせマークおよび認識マークを用いるので、センサチップを位置がばらつくことなく流路内に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、本発明の実施の形態に係る流量計の製造方法の途中工程における流量計の状態を示す平面図である。
図1B図1Bは、本発明の実施の形態に係る流量計の製造方法の途中工程における流量計の状態を示す平面図である。
図1C図1Cは、本発明の実施の形態に係る流量計の製造方法の途中工程における流量計の状態を示す平面図である。
図1D図1Dは、本発明の実施の形態に係る流量計の製造方法の途中工程における流量計の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る流量計の製造方法について図1A図1Bを参照して説明する。
【0013】
まず、図1Aに示すように、センサチップ101を用意する(第1工程)。センサチップ101は、熱式流量測定のための熱式流量計を構成するものであり、測定対象の流体を加熱するヒータ102および流体の温度を測定する温度センサ103を備える。ヒータ102および温度センサ103は、センサチップ101の中央部の測定領域111に配置されている。
【0014】
熱式流量計は、測定対象の流体を加熱するヒータを備え、ヒータ102の温度とヒータ102の熱影響を受けない位置における流体の温度との差が設定されている設定温度差となるようにヒータ102を駆動しているときの、ヒータ102に加熱された流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値をもとに、流体の流量を算出する。
【0015】
また、実施の形態において、センサチップ101は、位置合わせマーク104を備える。位置合わせマーク104は、センサチップ101の周辺部に配置されている。この例では、位置合わせマーク104は、センサチップ101の流路の上流側に形成された第1マーク104aと、センサチップ101の流路の下流側に形成された第2マーク104bとを備える。第1マーク104aと第2マーク104bとを結ぶ仮想の直線は、流路106の流れの方向に平行とされている。
【0016】
次に、図1Bに示すように、センサチップ101を配置する流路106の認識マーク107に、位置合わせマーク104を合わせて、流路106にセンサチップ101を配置する(第2工程)。この例では、認識マーク107は、第1マーク104aに対応する第1認識マーク107aと、第2マーク104bに対応する第2認識マーク107bとを備える。
【0017】
実施の形態によれば、位置合わせマーク104および認識マーク107を用いるので、センサチップ101の配置位置が容易に認識できる。また、上述したように、流路106の流れの方向に平行な仮想の直線の上に、第1マーク104aおよび第2マーク104bを配置することで、流路106の流れの方向に対するセンサチップ101の平行度が容易に確認できる。これらの結果、センサチップ101の取り付け位置の検査が、簡易になる。なお、上述した位置合わせのマークは、流路106の幅方向の中央に配置した方が認識しやすいが、マークの凹凸により流れに乱れを引き起こす可能性があるため、各マークは、測定領域111から離れたセンサチップ101の流路壁側の周辺部に配置することが望ましい。
【0018】
また、図1Cに示すように、流路106の流れの方向に平行な直線の形状とした位置合わせマーク104を用いることができる。この場合、認識マーク107は、例えば、図1C図1Dに示すように、流路106の内壁112とセンサチップ101とが重なる箇所に形成することができる。
【0019】
なお、流路内の中央にセンサチップを配置することが望ましいが、同じ流速分布となる所にセンサチップを配置すればよいので、センサチップの配置位置は中央に限るものではない。
【0020】
以上に説明したように、本発明によれば、位置合わせマークおよび認識マークを用いるので、センサチップを位置がばらつくことなく流路内に設置できるようになる。熱式流量計は、熱分布が非対称となっている場合、感度低下やゼロ点再現性が悪くなる。また、センサチップが流路幅に対して非対称な位置にある場合、流速分布が非対称となるためゼロ点やスパンの感度が悪くなり器差要因となる。これらの理由から、熱式流量計の清掃においては、センサチップ設置位置を確認することが望ましいが、センサチップの位置の計測をしていると、確認に時間がかかるためコストアップの要因となる。これに対し、本発明によれば、センサチップの設置位置が容易に確認でき、検査などを簡易実施することが可能となる。
【0021】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0022】
101…センサチップ、102…ヒータ、103…温度センサ、104…位置合わせマーク、104a…第1マーク、104b…第2マーク、106…流路、107…認識マーク、107a…第1認識マーク、107b…第2認識マーク、111…測定領域。
図1A
図1B
図1C
図1D