(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059061
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/242 20180101AFI20230419BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20230419BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20230419BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20230419BHJP
【FI】
F21S43/242
F21S43/241
F21S43/14
F21W103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168943
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(71)【出願人】
【識別番号】506139048
【氏名又は名称】新傑燈光科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】施 仁傑
(57)【要約】
【課題】面発光の均一性を高める。
【解決手段】車両用灯具は、発光体(LEDモジュール231)と、一端側縁部から入射した発光体からの光を他端側縁部に向けて導光するとともに、一端側縁部と他端側縁部との間の表面側の面部から出射させる導光板240と、導光板240から出射した光を拡散させる拡散板250とを備え、拡散板250は、導光板240の表面側の面部に沿って配置される第1拡散部251と、第1拡散部251との間の距離が、導光板240の一端側縁部から他端側縁部に向けて短くなるように配置される第2拡散部252とを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具であって、
発光体と、
透明な材料から形成され、一端側縁部から入射した発光体からの光を他端側縁部に向けて導光するとともに、上記一端側縁部と他端側縁部との間の表面側の面部から出射させる導光板と、
乳白色の材料から形成され、上記導光板から出射した光を拡散させる拡散板と、
を備え、
上記拡散板は、
導光板の上記表面側の面部に沿って配置される第1拡散部と、
上記第1拡散部との間の距離が、導光板の上記一端側縁部から他端側縁部に向けて短くなるように配置される第2拡散部と
を有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
請求項1の車両用灯具であって、
上記導光板の背面側に、凹凸部が形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
請求項2の車両用灯具であって、
さらに、上記導光板の表面側に、凹凸部が形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】
請求項3の車両用灯具であって、
上記導光板の表面側における、上記一端側縁部側部分が凹凸状に形成される一方、上記他端側縁部側部分に平坦部が形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうち何れか1項の車両用灯具であって、
さらに、上記導光板の背面側に反射板が設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうち何れか1項の車両用灯具であって、
上記第1拡散部と、第2拡散部とは、一体的に形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項7】
請求項1から請求項5のうち何れか1項の車両用灯具であって、
上記第1拡散部と、第2拡散部とは、別体として形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうち何れか1項の車両用灯具であって、
上記導光板は、上記一端側縁部から上記他端側縁部に向けて、厚さが薄く形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体などに取り付けられて、面状に発光する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ランプとして用いられる面発光モジュールとして、一端にLED光源が設けられた導光板と、拡散フィルムと、プリズムフィルムとが設けられて、面発光の均一性を向上させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように一端にLED光源が設けられた導光板を用いる場合、拡散フィルムやプリズムフィルムが用いられたとしても、LED光源からの距離に係わらず高い均一性の発光状態を得ることは容易ではない。
【0005】
また、高い均一性の発光状態を得るために、導光体の代わりにリフレクターを用いた場合、奥行き、巾方向で大型化してしまう。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、省スペースで、面発光の均一性を容易に高められるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、
本発明は、
車両用灯具であって、
発光体と、
透明な材料から形成され、一端側縁部から入射した発光体からの光を他端側縁部に向けて導光するとともに、上記一端側縁部と他端側縁部との間の表面側の面部から出射させる導光板と、
乳白色の材料から形成され、上記導光板から出射した光を拡散させる拡散板と、
を備え、
上記拡散板は、
導光板の上記表面側の面部に沿って配置される第1拡散部と、
上記第1拡散部との間の距離が、導光板の上記一端側縁部から他端側縁部に向けて短くなるように配置される第2拡散部と
を有することを特徴とする。
【0008】
これにより、導光板から出射した光は、第1拡散部によって拡散された後、発光体に近いほど長い距離の空間を通過し、第2拡散部によってさらに拡散されることにより、良好な均一性を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、省スペースで、面発光の均一性を容易に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】車両用灯具が用いられる車両の例を示す要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
車両用灯具200は、例えば、
図1に示すように、自動車100におけるフロントグリル101の左右両側付近に設けられ、それぞれ、4つの発光領域201で面状に発光するようになっている。
【0012】
上記車両用灯具200は、より詳しくは、
図2、
図3に示すように、アウターレンズ210とハウジング220との間に、配線基板230、導光板240、拡散板250、およびベゼル260が設けられて成っている。
【0013】
アウターレンズ210は、透明な樹脂から形成され、各発光領域201に対応した4つの凸状のレンズ部211が設けられている。
【0014】
ハウジング220は、例えば図示しないねじによって自動車100の車体に固定されることにより、車両用灯具200全体が車体に固定されるようになっている。
【0015】
配線基板230は、プリント基板の表面にLEDモジュール231が実装されて成り、配線基板230の表面に垂直な方向を光軸として、例えば白色光を出射させるようになっている。上記配線基板230は、例えば図示しないねじによって導光板240の縁部に固定されている。
【0016】
導光板240は、透明な樹脂から形成され、一端側縁部から入射したLEDモジュール231からの、いわゆるサイド発光の光を他端側縁部に向けて導光するとともに、拡散板250が設けられている表面側(おもてめんがわ)から出射させるようになっている。より詳しくは、導光板240は、例えば
図4、
図5に示すように、一端側縁部の厚さが他端側縁部の厚さよりも厚く形成された楔形の断面形状を有するとともに、背面側の表面が、LEDモジュール231から出射する光の後軸に対して傾斜するように設けられ、背面側の表面(内面)で反射された光が表面側から出射するようになっている。なお、必須ではないが、導光板240の背面側に別途反射板が設けられてもよい。
【0017】
ここで、導光板240の背面側の表面は平坦に形成されてもよいが、
図4、
図5に示すように上下方向に筋状の背面側凹凸部241が形成されて、LEDモジュール231から入射した光が散乱されながら反射されるようにしてもよい。また、背面側凹凸部241の深さが、一端側縁部および他端側縁部付近よりも中央部付近の方が浅くなるようにして、反射効率や均一性を高めやすくするようにしてもよい。
【0018】
また、導光板240の表面側の表面にも、上下方向に筋状の表面側凹凸部242が形成されるようにして、導光板240から出射する光の散乱性が高められるようにしてもよい。上記のような表面側凹凸部242の具体的な断面形状としては、例えば複数の円弧状の凹部が連続する形状にされてもよいが、これに限らず、複数の円弧状の凸部が連続する形状など、光の導光、散乱状態に応じて種々設定されてもよい。さらに、導光板240の表面側の表面における他端側縁部付近には表面側平坦部243が形成されるようにして、出射効率を高めやすいようにしてもよい。特に、導光板240における一端側縁部と他端側縁部との距離、すなわち導光距離が導光板240の上部と下部とで異なる場合には、導光距離が長い方(本例では上方)ほど広い範囲に表面側平坦部243が形成されるようにしてもよい。
【0019】
拡散板250は、例えば乳白色の樹脂から形成され、導光板240の表面側の面部に沿って配置される第1拡散部251と、上記第1拡散部251との間の距離が、導光板240の一端側縁部から他端側縁部に向けて短くなるように配置される第2拡散部252とを有している。すなわち、第1拡散部251と第2拡散部252とが、V字形に配置された形状に形成されている。ここで、
図4、
図5の例では、第1拡散部251よりも第2拡散部252の方が厚く形成されている例を示すが、これに限らず、種々設定して光の拡散程度を調整し得るようにしてもよい。拡散板250における上下方向の適宜位置、すなわち上下方向に配列される発光領域201の間で発光に影響しない位置には、リブ253が設けられている。これによって、上記V字形の形状精度が確保されやすいようになっている。
【0020】
ここで、上記第1拡散部251と第2拡散部252とは、一体的に形成されるようにして部材点数を低減し得るようにしてもよいし、別体として形成されるようにして、射出成型をより容易にし得るようにしてもよい。別体とされる場合には、第1拡散部251と第2拡散部252とで乳白色の程度(濃さ)を異ならせて拡散程度をより調整しやすくすることなども容易にできる。
【0021】
ベゼル260は、発光領域201に対応する位置に開口部261が形成され、上記導光板240と拡散板250をハウジング220との間に保持するようになっている。
【0022】
上記のように、サイド発光されて導光板240で導光、反射、散乱された光をV字形に配置された第1拡散部251と第2拡散部252と、および両者の間の空間を介して出射させることにより、車両用灯具200の薄型化を図りつつ、面発光の均一性を高めることが容易にできる。
【0023】
前記実施形態では、フロントググリルの左右両側に用いられる車両用灯具について説明したが、本発明の車両用灯具はこれに限らず、フロントバンパーやリアバンパー等に設定することも可能である。
【0024】
前記実施形態では、LEDモジュールをプリント基板の表面に実装し、配線基板の表面に垂直な方向を光軸として白色光を出射させたが、プリズムカットされたライドガイドを導光体240の縁部に配置し、LEDモジュールが、ライトガイドの端部へ白色光を出射させる構成も可能である。この場合、白色光は、LEDモジュールから出射し、ライトガイドの端部から入射され、ライトガイドを通って、導光体240の縁部に入射する。
【符号の説明】
【0025】
100 自動車
101 フロントグリル
200 車両用灯具
201 発光領域
210 アウターレンズ
211 レンズ部
220 ハウジング
230 配線基板
231 LEDモジュール
240 導光板
241 背面側凹凸部
242 表面側凹凸部
243 表面側平坦部
250 拡散板
251 第1拡散部
252 第2拡散部
253 リブ
260 ベゼル
261 開口部