(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059102
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/36 20200101AFI20230419BHJP
D06F 33/74 20200101ALI20230419BHJP
D06F 103/04 20200101ALN20230419BHJP
D06F 103/40 20200101ALN20230419BHJP
D06F 105/50 20200101ALN20230419BHJP
【FI】
D06F58/36
D06F33/74
D06F103:04
D06F103:40
D06F105:50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169017
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八田 聡
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA12
3B167AA24
3B167AB30
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA47
3B167BA69
3B167HA11
3B167HA31
3B167HA56
3B167JA03
3B167JA38
3B167JA41
3B167JA52
3B167KA02
3B167KA32
3B167KA84
3B167LA21
3B167LA38
3B167LC02
3B167LC14
3B167LC20
3B167LC25
3B167LD03
3B167LE07
3B167LF02
3B167LG08
3B167LG11
(57)【要約】
【課題】乾燥運転の開始後に乾燥対象物の収容量を減らした場合において乾燥性能及び使い勝手の向上を図れる乾燥機を提供する。
【解決手段】洗濯乾燥機1は、洗濯物Lを収容する収容槽5と、収容槽5内に熱風を供給する供給部9と、制御部20とを含む。制御部20は、収容槽5内における洗濯物Lの収容量を検出する。制御部20は、供給部9を制御することによって収容槽5内の洗濯物Lを乾燥させる乾燥運転を実行する。制御部20は、検出した収容量に基いて乾燥運転の運転条件を決定する。制御部20は、乾燥運転の開始後に検出した収容量が所定量を上回る場合に、表示操作部11によってエラーを報知する。エラーの報知開始の後に所定のイベントが発生した場合に、制御部20は、運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥対象物を収容する収容槽と、
前記収容槽内に熱風を供給する供給部と、
前記収容槽内における乾燥対象物の収容量を検出する収容量検出部と、
前記供給部を制御することによって前記収容槽内の乾燥対象物を乾燥させる乾燥運転を実行する制御部であって、前記収容量検出部が検出した収容量に基いて前記乾燥運転の運転条件を決定する制御部と、
前記乾燥運転の開始後に前記収容量検出部が検出した収容量が所定量を上回る場合に、エラーを報知する報知部と、
を含み、
前記報知部による報知開始の後に所定のイベントが発生した場合に、前記制御部は、前記運転条件を補正して、補正後の前記運転条件に基いて前記乾燥運転を継続する、乾燥機。
【請求項2】
前記所定のイベントは、前記乾燥運転が一時停止されることである、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記収容槽には、前記収容槽に対して乾燥対象物を出し入れするための出入口が設けられ、
前記出入口を開閉する扉と、
前記扉の開閉を検出する開閉検出部と、
を含み、
前記所定のイベントは、前記開閉検出部が前記扉の開閉を検出することである、請求項1又は2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記所定のイベントが発生した後に前記収容量検出部が再検出した収容量が前記所定量以下である場合に、前記制御部は、前記運転条件を補正して、補正後の前記運転条件に基いて前記乾燥運転を継続する、請求項1~3のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記運転条件は、前記乾燥運転の運転時間、又は、前記乾燥運転の終了についての判断基準温度である、請求項1~4のいずれか一項に記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の洗濯乾燥機は、ドア及び操作パネルが設けられた外箱と、外箱内に配置された外槽と、外槽内に回転可能に配置された内槽と、内槽内の洗濯物に温風を供給する温風供給装置とを含む。使用者が、洗濯物を内槽内に入れてドアを閉じてから、操作パネルを操作して乾燥運転の開始を指示すると、洗濯乾燥機は、内槽内の洗濯物の収容量を検知する。その結果、洗濯物の収容量が乾燥容量を超過するほど大量である場合には、その旨が、操作パネルにおける乾燥容量超過表示部に表示されることによって使用者に報知される。これに応じて、使用者が一部の洗濯物を内槽から取り出すことによって収容量を減らすと、収容量が乾燥容量以下になるので、乾燥運転において内槽内の洗濯物における乾燥ムラや乾燥不足を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載はないが、従来の乾燥機では、洗濯物などの乾燥対象物の収容量が検出されると、検出された収容量に基いて乾燥運転の運転条件が決定され、この運転条件に基いて乾燥運転が実行される。特許文献1に記載の洗濯乾燥機のように乾燥容量超過表示部による報知に応じて使用者が収容量を減らしても、運転条件が変わらなければ、減少前の収容量に応じた運転条件に基いて乾燥運転が継続される。これでは、乾燥対象物が乾燥し過ぎになることによって所望の乾燥性能を得られないおそれがある。かといって、乾燥運転の開始後に、運転条件を減少後の収容量に応じた内容に変更したい場合には、従来の乾燥機では、使用者が電源を入れ直してリセットするなどによって乾燥運転をやり直す必要があるので、使い勝手について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、乾燥運転の開始後に乾燥対象物の収容量を減らした場合において乾燥性能及び使い勝手の向上を図れる乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、乾燥対象物を収容する収容槽と、前記収容槽内に熱風を供給する供給部と、前記収容槽内における乾燥対象物の収容量を検出する収容量検出部と、前記供給部を制御することによって前記収容槽内の乾燥対象物を乾燥させる乾燥運転を実行する制御部であって、前記収容量検出部が検出した収容量に基いて前記乾燥運転の運転条件を決定する制御部と、前記乾燥運転の開始後に前記収容量検出部が検出した収容量が所定量を上回る場合に、エラーを報知する報知部と、を含む乾燥機であって、前記報知部による報知開始の後に所定のイベントが発生した場合に、前記制御部が、前記運転条件を補正して、補正後の前記運転条件に基いて前記乾燥運転を継続する、乾燥機である。
【0007】
また、本発明は、前記所定のイベントが、前記乾燥運転が一時停止されることであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記収容槽には、前記収容槽に対して乾燥対象物を出し入れするための出入口が設けられ、前記乾燥機が、前記出入口を開閉する扉と、前記扉の開閉を検出する開閉検出部と、を含み、前記所定のイベントが、前記開閉検出部が前記扉の開閉を検出することであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記所定のイベントが発生した後に前記収容量検出部が再検出した収容量が前記所定量以下である場合に、前記制御部が、前記運転条件を補正して、補正後の前記運転条件に基いて前記乾燥運転を継続することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記運転条件が、前記乾燥運転の運転時間、又は、前記乾燥運転の終了についての判断基準温度であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、乾燥機の収容槽内に乾燥対象物が収容されると、制御部は、収容量検出部が検出した乾燥対象物の収容量に基いて、乾燥運転の運転時間、又は、乾燥運転の終了についての判断基準温度といった運転条件を決定し、この運転条件に基いて乾燥運転を実行する。乾燥運転では、供給部が収容槽内に供給する熱風によって、収容槽内の乾燥対象物を乾燥させることができる。乾燥運転の開始後に収容量検出部が検出した収容量が所定量を上回る場合、つまり乾燥容量オーバーの場合には、報知部がエラーを報知する。そのため、使用者は、エラーの報知開始後に、一部の乾燥対象量を取り出すことによって収容量を所定量以下になるように減らすことができる。使用者が収容量を減らす行為に関連する所定のイベントが発生した場合には、制御部が、運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する。そのため、減少後の収容量に応じた運転条件に基いて乾燥運転が実行されることにより、収容槽内の乾燥対象物を適切に乾燥させることができるので、乾燥性能の向上を図れる。また、乾燥機の電源を入れ直して乾燥運転をやり直さなくても、運転条件を減少後の収容量に応じた内容に変更できるので、使い勝手の向上を図れる。
【0012】
また、本発明によれば、エラーの報知開始後に使用者が乾燥対象物の収容量を減らすために乾燥運転を一時停止した場合に、制御部が、前述した所定のイベントが発生したと判断して、運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続してもよい。
【0013】
また、本発明によれば、エラーの報知開始後に使用者が乾燥対象物の収容量を減らすために収容槽の扉を開閉したことが開閉検出部によって検出された場合に、制御部が、前述した所定のイベントが発生したと判断して、運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続してもよい。
【0014】
また、本発明によれば、使用者が乾燥対象物の収容量を減らすための所定のイベントが発生した場合であっても、収容量検出部が再検出した収容量が所定量以下に減少した場合にのみ、制御部が、運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の乾燥機の一実施形態に係る洗濯乾燥機の模式的な縦断面右側面図である。
【
図2】洗濯乾燥機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】洗濯乾燥機が実行する洗濯乾燥運転を示すフローチャートである。
【
図4】洗濯乾燥機が実行する乾燥運転を示すフローチャートである。
【
図5】変形例に係る乾燥運転を示すフローチャートである。
【
図6】乾燥運転における補正処理を示すフローチャートである。
【
図7】変形例に係る補正処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の乾燥機の一実施形態に係る洗濯乾燥機1の模式的な縦断面右側面図である。
【0017】
以下では、
図1の紙面に直交する方向を洗濯乾燥機1の左右方向Xといい、
図1における左右方向を洗濯乾燥機1の前後方向Yといい、
図1における上下方向を洗濯乾燥機1の上下方向Zという。左右方向Xのうち、
図1の紙面における奥側を左側X1といい、
図1の紙面における手前側を右側X2という。前後方向Yのうち、
図1における左側を前側Y1といい、
図1における右側を後側Y2という。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。左右方向X及び前後方向Yは、横方向に含まれる。横方向は、水平方向Hであってもよいし、水平方向Hに対して若干傾斜した略水平方向であってもよい。
【0018】
洗濯乾燥機1として、本実施形態ではドラム式の洗濯乾燥機を主な対象とするが、洗濯乾燥機1は、縦型の洗濯乾燥機であってもよい。また、本発明は、洗濯機能が省略されて乾燥運転だけを実行する乾燥機も対象とする。また、洗濯乾燥機1の乾燥対象物は、本実施形態では衣類などの洗濯物Lであるが、靴や食器などであってもよい。
【0019】
洗濯乾燥機1は、筐体2と、筐体2内に配置されて水槽3及び回転槽4を含む収容槽5と、水槽3に接続された給水路6及び排水路7と、回転槽4を回転させるモータ8と、収容槽5内に熱風を供給する供給部9とを含む。
【0020】
筐体2は、ボックス状に形成される。筐体2の前面2Aは、例えば垂直面である。前面2Aには、筐体2の内外を連通させる開口2Bが設けられる。前面2Aには、開口2Bを開閉する扉10と、開口2Bよりも上側Z1の領域に配置された表示操作部11とが設けられる。
【0021】
表示操作部11は、液晶などによる表示パネル11Aや、複数のボタン11Bなどで構成される。複数のボタン11Bは、電源ボタン11BAと、一時停止ボタン11BBとを少なくとも含む。
【0022】
水槽3は、筐体2の底壁から上側Z1へ延びるダンパ12によって支えられ、ばね(図示せず)によって吊り下げられる。これにより、水槽3を含む収容槽5の全体が、弾性支持される。水槽3は、水平方向Hに沿って前後方向Yに延びる軸線Jを中心とした円筒状の円周壁3Aと、円周壁3Aの中空部分を後側Y2から塞いだ円盤状の背面壁3Bと、円周壁3Aの前端縁につながったリング状の正面壁3Cとを有する。
【0023】
背面壁3Bの中心には、軸線Jに沿って背面壁3Bを前後方向Yに貫通した貫通穴3Dが形成される。正面壁3Cは、円周壁3Aの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の第1部3Eと、第1部3Eの内周縁から前側Y1へ突出した円筒状の第2部3Fと、第2部3Fの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の第3部3Gとを有する。第3部3Gの内側には、円周壁3Aの中空部分に前側Y1から連通した出入口3Hが設けられる。出入口3Hは、筐体2の開口2Bに対して後側Y2から対向して連通した状態にある。
【0024】
回転槽4は、軸線Jと一致した中心軸線を有する円筒体であって、水槽3よりも一回り小さい。回転槽4は、本実施形態では中心軸線が水平方向Hに沿うように水槽3内において水平に配置されるが、中心軸線が水平方向Hに対して傾斜するように斜めに配置されてもよい。
【0025】
回転槽4は、水槽3の円周壁3Aと同軸上に配置された円筒状の円周壁4Aと、円周壁4Aの中空部分を後側Y2から塞いだ円盤状の背面壁4Bと、円周壁4Aの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の環状壁4Cとを有する。円周壁4A及び背面壁4Bには、複数の貫通穴4Dが形成される。回転槽4の背面壁4Bの中心には、軸線Jに沿って後側Y2へ延びる支持軸13が設けられる。支持軸13の後端部は、水槽3の背面壁3Bの貫通穴3Dを通って背面壁3Bよりも後側Y2に配置される。
【0026】
環状壁4Cの内側には、円周壁4Aの中空部分に前側Y1から連通した出入口4Eが設けられる。出入口4Eは、水槽3の出入口3H及び筐体2の開口2Bに対して後側Y2から対向して連通した状態にある。出入口3H及び出入口4Eは、開口2Bとともに、扉10によって一括開閉される。洗濯乾燥機1の使用者は、開放された開口2B、出入口3H及び出入口4Eを介して、回転槽4内に洗濯物Lを出し入れする。扉10には、扉10が開口2B、出入口3H及び出入口4Eを閉じたときに水槽3の正面壁3Cの第3部3Gに密着するパッキン14が設けられる。
【0027】
給水路6は、蛇口(図示せず)に接続された一端(図示せず)と、筐体2内において水槽3の正面壁3Cの第2部3Fにおける例えば上部に接続された他端とを有し、この他端には、水槽3内に上側Z1から臨んだ給水口6Aが設けられる。給水時には、蛇口からの水道水が給水路6を通って給水口6Aから水槽3内に供給される。水槽3内には、水道水、又は、水道水に洗剤が溶けた洗剤水が溜められる。以下では、水道水及び洗剤水を「水」と略称することがある。水槽3内の水は、回転槽4の貫通穴4Dを介して、水槽3と回転槽4との間で行き来する。そのため、水槽3内の水位と回転槽4内の水位とは、一致する。
【0028】
洗濯乾燥機1は、開閉可能な給水弁15を含む。開状態の給水弁15は、給水路6を開くことにより、水槽3つまり収容槽5への給水を許容する。閉状態の給水弁15は、給水路6を閉じることにより、収容槽5への給水を停止する。
【0029】
排水路7は、水槽3の下端部、例えば円周壁3Aの下端部に接続される。収容槽5内の水は、排水路7から筐体2の外、つまり機外に排出される。洗濯乾燥機1は、排水路7の途中に設けられた開閉可能な排水弁16を含む。開状態の排水弁16は、排水路7を開くことにより、収容槽5の排水を許容する。閉状態の排水弁16は、排水路7を閉じることにより、排水を停止する。
【0030】
モータ8は、筐体2内において、水槽3の背面壁3Bの後側Y2に配置される。モータ8の一例として、DD(ダイレクトドライブ)モータを採用できる。モータ8は、回転槽4に設けられた支持軸13に連結される。モータ8が発生したトルクは、支持軸13に伝達され、回転槽4が、支持軸13を伴って軸線Jまわりに回転する。なお、モータ8と支持軸13と間には、モータ8のトルクを支持軸13に伝達したり遮断したりするクラッチ機構(図示せず)が設けられてもよい。
【0031】
供給部9は、水槽3内の空気を循環させるための循環路17及び送風部18と、循環する空気を加熱する加熱部19とを含む。
【0032】
循環路17は、筐体2内において、例えば水槽3の上側Z1に配置された流路である。循環路17は、前後方向Yに延びる途中部分17Aと、途中部分17Aの後端から下側Z2へ延びた後に前側Y1へ折れ曲がった後部分17Bと、途中部分17Aの前端から下側Z2へ延びる前部分17Cとを有する。
【0033】
後部分17Bの下端部の前端には、出口17Dが設けられる。出口17Dは、水槽3の背面壁3Bの下部に接続され、水槽3内に後側Y2から連通する。前部分17Cの下端には、入口17Eが設けられる。入口17Eは、水槽3の正面壁3Cの第2部3Fの上端部に接続され、水槽3内に上側Z1から連通する。
【0034】
送風部18は、いわゆるブロアであり、循環路17の途中部分17A内に配置された回転羽根18Aと、回転羽根18Aを回転させるモータ(図示せず)とを含む。回転羽根18Aが回転すると、収容槽5内の空気、つまり水槽3内及び回転槽4内の空気が、太い破線矢印で示すように、出口17Dから循環路17内に流出した後に、入口17Eから収容槽5内に流入する。これにより、収容槽5内の空気は、収容槽5と循環路17とを順に流れるように循環する。
【0035】
加熱部19は、ヒートポンプにおける熱交換器又は一般的なヒータなどであり、少なくとも一部が、循環路17内に設けられる。加熱部19において循環路17内に設けられた部分は、放熱部19Aを有する。放熱部19Aは、作動に応じて高温になるので、循環路17内を流れる空気は、放熱部19Aの周囲を通過する際に加熱されて熱風になってから収容槽5内に流入する。
【0036】
図2は、洗濯乾燥機1の電気的構成を示すブロック図である。洗濯乾燥機1は、制御部20と、扉10についてのロック解除部21と、扉10の開閉を検出する開閉検出部22と、循環する熱風の温度を検出する温度検出部23と、様々な情報を記憶する記憶部24とをさらに含む。
【0037】
制御部20は、例えば、CPUと、ROMやRAMなどのメモリと、計時用のタイマとを含むマイコンとして構成され、筐体2内に内蔵される(
図1参照)。制御部20には、モータ8、表示操作部11、給水弁15、排水弁16、送風部18、加熱部19、ロック解除部21、開閉検出部22、温度検出部23及び記憶部24のそれぞれが電気的に接続される。
【0038】
ロック解除部21は、例えば電磁ロックやソレノイドなどによって構成される。ロック解除部21は、開口2B、出入口3H及び出入口4Eを閉じた閉位置にある扉10をロックしたり、そのロックを解除したりすることができる。
【0039】
開閉検出部22は、例えばマグネットスイッチやマイクロスイッチなどによって構成される。開閉検出部22は、扉10が閉位置にあるか否かを検出する。閉位置にない扉10は、開口2B、出入口3H及び出入口4Eを開いた開位置にある。開閉検出部22の検出結果は、リアルタイムで制御部20に入力される。
【0040】
温度検出部23は、サーミスタなどの公知の温度センサによって構成される。温度検出部23は、本実施形態では複数設けられる。複数の温度検出部23は、収容槽5内の空気の温度を「槽内温度」として検出する槽内温度検出部23Aと、循環路17の出口17Dにおける空気の温度を「出口温度」として検出する出口温度検出部23Bと、循環路17の入口17Eにおける空気の温度を「入口温度」として検出する入口温度検出部23Cとを含む(
図1参照)。各温度検出部23の検出値は、リアルタイムで制御部20に入力される。
【0041】
制御部20は、モータ8、表示操作部11、給水弁15、排水弁16、送風部18、加熱部19及びロック解除部21のそれぞれを制御することによって洗濯乾燥運転を実行する。
図3は、洗濯乾燥運転を示すフローチャートである。洗濯乾燥運転は、序盤の洗い工程と、洗い工程後に1回又は複数回実行されるすすぎ工程と、少なくとも最後のすすぎ工程後に実行される脱水工程と、終盤の乾燥工程とを含む。これらの工程のそれぞれは、独立した運転であってもよく、その場合、例えば、洗い工程は洗い運転であり、乾燥工程は、乾燥運転である。
【0042】
洗濯乾燥運転が始まると、制御部20は、モータ8を作動させて回転槽4を正回転させたり逆回転させたりし、その際のモータ8の電流値に基いて、回転槽4内において乾燥状態にある洗濯物Lによる負荷量を検出する(ステップS1)。負荷量は、回転槽4、つまり収容槽5内に収容された洗濯物Lの収容量に相当する。そのため、制御部20は、収容槽5内における洗濯物Lの収容量を検出する収容量検出部の一例として機能する。なお、モータ8の電流値を測定する電流計(図示せず)も収容量検出部の一例とみなしてもよい。洗濯物Lの収容量の一例は、洗濯物Lの重量であり、その場合の単位はkgである。
【0043】
制御部20は、検出した負荷量に基いて、必要な洗剤量と、洗い工程における収容槽5内の目標水位とを決定する。負荷量毎の洗剤量及び目標水位は、予め定められて記憶部24に記憶される。制御部20は、決定した洗剤量の情報を、表示操作部11の表示パネル11Aに表示する。そして、制御部20は、洗い工程を実行する(ステップS2)。
【0044】
なお、負荷量について、その上限量が洗濯容量として予め定められ、記憶部24に記憶される。負荷量が洗濯容量を上回る場合には、制御部20は、対応するエラーコードを表示パネル11Aに表示するなどによってエラーを使用者に報知する。その際、制御部20は、筐体2に内蔵されたブザー(図示せず)を鳴らしてもよい。エラーが報知された使用者は、扉10を開いて収容槽5内の洗濯物Lの一部を取り出すことによって、収容槽5内の洗濯物Lの収容量を減らす。
【0045】
洗い工程では、制御部20は、まず、排水弁16を閉じた状態で給水弁15を開くことによって給水処理を実行する。これにより、給水路6からの水道水が、給水口6Aから収容槽5内に流入して溜まるので、収容槽5内の水位が上昇する。収容槽5内の水位が目標水位まで上昇すると、制御部20は、給水弁15を閉じることによって給水処理を終了する。なお、収容槽5内の水位は、水位検出部(図示せず)によって検出されて制御部20に入力される。
【0046】
給水処理の前後に、洗剤が、使用者によって回転槽4内に手動投入されたり、自動投入されたりする。これにより、洗剤が水道水に溶けることによって生成された洗剤水が、収容槽5内に溜まる。
【0047】
制御部20は、給水処理後の洗い処理として、モータ8によって回転槽4を回転させる。これにより、回転槽4内の洗濯物Lが、たたき洗いされる。たたき洗いでは、洗濯物Lがある程度持ち上げられてから水面に自然落下するというタンブリングが繰り返される。タンブリングによる衝撃や、回転槽4に溜まった洗剤水に含まれる洗剤成分によって、洗濯物Lから汚れが取り除かれる。タンブリングの開始から所定時間が経過した後に、制御部20が排水弁16を開いて排水すると、洗い工程が終了する。
【0048】
次に、制御部20は、脱水工程を実行する(ステップS3)。洗い工程の後の脱水工程は、中間脱水工程である。制御部20は、中間脱水工程では、排水弁16を開いた状態で、回転槽4を脱水回転させる。回転槽4の脱水回転により生じた遠心力によって、回転槽4内の洗濯物Lが脱水される。脱水により洗濯物Lから染み出た水は、排水路7から機外に排出される。
【0049】
次に、制御部20は、すすぎ工程を実行する(ステップS4)。制御部20は、すすぎ工程では、排水弁16を閉じた状態で、少なくとも給水弁15を所定時間開いて水槽3に水道水を溜めてから、モータ8によって回転槽4を回転させる。すると、前述したタンブリングが繰り返されるので、洗濯物Lが回転槽4内の水道水によってすすがれる。タンブリングの開始から所定時間が経過した後に、制御部20が排水すると、すすぎ工程が終了する。
【0050】
次に、制御部20は、最後の脱水工程である最終脱水工程を実行する(ステップS5)。制御部20は、最終脱水工程では、中間脱水工程と同様に、排水弁16を開いた状態で、回転槽4を脱水回転させる。なお、最終脱水工程と中間脱水工程とでは、回転槽4の回転数や回転時間などに違いがあってもよい。
【0051】
最後に、制御部20は、送風部18及び加熱部19、つまり供給部9を制御することによって乾燥工程を実行する(ステップS6)。以下の説明では、便宜上、乾燥工程を乾燥運転と呼ぶ。
【0052】
洗い工程の開始前の洗濯物Lは、前述したように乾燥状態にあるが、乾燥運転の開始時の洗濯物Lは濡れた状態にある。そのため、洗濯物Lの負荷量は、洗い工程の開始前と乾燥運転の開始時とでは異なり、具体的には、乾燥運転の開始時における負荷量は、洗い工程の開始前(ステップS1)における負荷量よりも大きい。また、乾燥運転における負荷量について、その上限に相当する所定量が乾燥容量として予め定められ、記憶部24に記憶される。乾燥容量は、前述した洗濯容量よりも小さい。このよう洗濯物Lの状態が洗濯運転中に変わるうえに乾燥容量と洗濯容量とが異なるので、洗濯物Lの負荷量が乾燥容量を上回るか否かを洗い工程の開始前の段階で判断することは困難である。
【0053】
図4は、乾燥運転を示すフローチャートである。乾燥運転が開始すると、制御部20は、ステップS1と同様に、回転槽4内の洗濯物の負荷量を検出する(ステップS11)。そして、制御部20は、このように乾燥運転の開始後に検出した負荷量に基いて、乾燥運転の運転条件を決定する(ステップS12)。なお、負荷量の検出(ステップS11)及び運転条件の決定(ステップS12)は、最終脱水工程の終盤に実行されてもよい。制御部20は、決定した運転条件を記憶部24に一時記憶する。
【0054】
運転条件は、乾燥運転の運転時間、又は、乾燥運転の終了についての判断基準温度である。負荷量毎の運転時間や判断基準温度は、予め定められて記憶部24に記憶される。通常の運転時間は、4~5時間である。判断基準温度の一例は、槽内温度検出部23Aが検出する槽内温度についての乾燥運転中における最高値であり、以下では「ハイリミッタ温度」という。乾燥運転が終盤になって洗濯物Lが十分に乾燥すると、槽内温度はハイリミッタ温度まで上昇する。
【0055】
判断基準温度の別の例は、出口温度検出部23Bが検出する循環路17の出口温度と入口温度検出部23Cが検出する循環路17の入口温度との差についての乾燥運転中における最低値であり、以下では「温度差判定値」という。乾燥運転が終盤になると、出口温度と入口温度との差は、温度差判定値まで小さくなる。
【0056】
制御部20は、決定した運転条件から運転時間の残時間を算出して、表示操作部11の表示パネル11Aに表示する。そして、制御部20は、供給部9を作動させて、熱風を収容槽5内に供給する。これにより、収容槽5内の洗濯物Lが乾燥し始める。
【0057】
そして、制御部20は、検出した負荷量と乾燥容量とを比較する(ステップS13)。負荷量が乾燥容量以下である場合には(ステップS13でNO)、制御部20は、引き続き供給部9を作動させることによって乾燥運転を継続する(ステップS14)。そして、収容槽5内の温度がハイリミッタ温度まで上昇したり、出口温度と入口温度との差が温度差判定値まで小さくなったりすることによって乾燥運転の終了条件が満たされると(ステップS15でYES)、制御部20は、供給部9を停止させることによって乾燥運転を終了する。
【0058】
負荷量が乾燥容量を上回ることによって乾燥容量オーバーである場合には(ステップS13でYES)、制御部20は、対応するエラーコードを表示操作部11の表示パネル11Aに表示するなどによってエラーを使用者に報知するとともに、乾燥運転を継続する(ステップS16)。このように、乾燥運転の開始後に制御部20が検出した負荷量(ステップS11)が乾燥容量を上回る場合に(ステップS13でYES)、表示操作部11及び制御部20は、ステップS16でエラーを報知する報知部の一例として機能する。
【0059】
エラーを報知した制御部20は、その後、使用者が表示操作部11の一時停止ボタン11BBを押したか否かを監視する(ステップS17)。エラー報知から所定時間が経過しても使用者が表示操作部11の一時停止ボタン11BBを一度も押さない場合には(ステップS17でNO)、制御部20は、ステップS12で決定した当初の運転条件に基いて乾燥容量オーバーのまま乾燥運転を継続する(ステップS18)。その後、乾燥運転の終了条件が満たされると(ステップS15でYES)、制御部20は、乾燥運転を終了する。
【0060】
エラーの報知開始後に、使用者が一時停止ボタン11BBを押した場合には(ステップS17でYES)、制御部20は、ステップS12で決定した当初の運転条件を補正する補正処理を実行する(ステップS19)。
【0061】
具体的には、使用者が一時停止ボタン11BBを一度押すと、制御部20は、供給部9を一時停止させることによって乾燥運転を一時停止させた後に、ロック解除部21によって扉10のロックを解除する。これにより、使用者は、扉10を開いて収容槽5内の洗濯物Lの一部を取り出すことによって、収容槽5内の洗濯物Lの収容量を乾燥容量以下になるように減らすことができる。その後、使用者が扉10を閉じて一時停止ボタン11BBをもう一度押すと、制御部20は、ロック解除部21によって扉10を閉位置でロックする。制御部20が補正処理を開始するタイミングは、使用者が一時停止ボタン11BBを一度目に押したタイミングでもよいし、使用者が一時停止ボタン11BBを二度目に押したタイミングでもよい。補正処理の詳細については、追って説明する。
【0062】
補正処理において運転条件が補正された場合には、制御部20は、供給部9を再び作動させることによって一時停止を解除して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する(ステップS20)。つまり、ステップS16でのエラー報知開始の後に、乾燥運転の一時停止という所定のイベントが発生した場合に、制御部20は、ステップS19において運転条件を補正して、ステップS20では、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する。乾燥運転の継続中に、乾燥運転の終了条件が満たされると(ステップS15でYES)、制御部20は、乾燥運転を終了する。
【0063】
図5は、変形例に係る乾燥運転を示すフローチャートである。
図5では、
図4の処理ステップと同じ処理ステップには、
図4と同じステップ番号を付し、その処理ステップについての詳細な説明を省略する。変形例に係る乾燥運転では、前述した所定のイベントは、開閉検出部22が扉10の開閉を検出することである。この場合、エラー報知後に使用者が一時停止ボタン11BBを押しても(ステップS17でYES)、制御部20は、すぐに補正処理(ステップS19)を開始せずに、開閉検出部22が扉10の開閉を検出したか否かを監視する(ステップS21)。
【0064】
エラー報知から所定時間が経過しても開閉検出部22が扉10の開閉を検出しない場合には(ステップS21でNO)、制御部20は、ステップS12で決定した当初の運転条件に基いて乾燥容量オーバーのまま乾燥運転を継続する(ステップS18)。その後、乾燥運転の終了条件が満たされると(ステップS15でYES)、制御部20は、乾燥運転を終了する。
【0065】
使用者が扉10を開いて収容槽5内の洗濯物Lの収容量を減らしてから扉10を閉じると、開閉検出部22が扉10の開閉を検出する。その場合には(ステップS21でYES)、制御部20は、補正処理を実行する(ステップS19)。補正処理において運転条件が補正された場合には、制御部20は、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する(ステップS20)。その後、乾燥運転の終了条件が満たされると(ステップS15でYES)、制御部20は、乾燥運転を終了する。
【0066】
図6は、補正処理を示すフローチャートである。制御部20は、ステップS19の補正処理を開始すると、まず、ステップS11と同様の手順で、回転槽4内の洗濯物の負荷量を再検出する(ステップS31)。そして、制御部20は、再検出した負荷量と乾燥容量とを比較する(ステップS32)。
【0067】
比較の結果、引き続き乾燥容量オーバーである場合には(ステップS32でYES)、制御部20は、ステップS16と同様にエラーを使用者に報知して(ステップS33)、補正処理を終了する。この場合には、運転条件の補正は行われないので、制御部20は、ステップS12で決定した当初の運転条件に基いて乾燥容量オーバーのまま乾燥運転を継続する(ステップS20)。乾燥運転の継続後に乾燥運転の終了条件が満たされると(ステップS15でYES)、制御部20は、乾燥運転を終了する。
【0068】
一方、負荷量が乾燥容量以下である場合には(ステップS32でNO)、制御部20は、運転条件の一例である運転時間を最新の負荷量に基いて補正する(ステップS34)。最新の負荷量は、ステップS11で検出した乾燥運転開始時の負荷量よりも少ないので、補正後の運転時間は、短縮される。そのため、補正後の運転時間は、ステップS12で決定された運転時間よりも短い。
【0069】
制御部20は、補正した運転時間から現時点までの乾燥運転の経過時間を差し引くことによって乾燥運転の残時間を更新し、更新後の残時間を表示パネル11Aに表示する(ステップS35)。これにより、補正処理が終了する。
【0070】
そして、前述したように、制御部20は、補正処理後のステップS20では、補正後の運転条件、つまり減少後の収容量に応じた運転条件に基いて運転時間が短縮されるように乾燥運転を継続する。これにより、収容量が減少した洗濯物Lを、乾燥し過ぎにならないように適切に乾燥させることができるので、乾燥性能の向上を図れる。また、使用者が電源ボタン11BAを押すことによって洗濯乾燥機1の電源を入れ直して乾燥運転をやり直さなくても、運転条件を減少後の収容量に応じた内容に自動変更できるので、使い勝手の向上を図れる。
【0071】
以上のように、一時停止(ステップS17)や扉10の開閉検出(ステップS21)といった所定のイベントが発生した後に制御部20が再検出した負荷量が乾燥容量以下である場合に(ステップS32でNO)、制御部20は、減少後の負荷量に応じて運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する(ステップS20)。つまり、使用者が洗濯物Lの収容量を減らしたと推定できる所定のイベントが発生した場合であっても、制御部20が再検出した収容量が所定量以下に減少した場合にのみ、制御部20が、運転条件を補正して、補正後の運転条件に基いて乾燥運転を継続する。
【0072】
図7は、変形例に係る補正処理を示すフローチャートである。
図7では、
図6の処理ステップと同じ処理ステップには、
図6と同じステップ番号を付し、その処理ステップについての詳細な説明を省略する。変形例に係る補正処理では、再検出した負荷量が乾燥容量以下である場合には(ステップS32でNO)、制御部20は、運転条件の一例である判断基準温度を最新の負荷量に基いて補正する(ステップS36)。
【0073】
判断基準温度がハイリミッタ温度である場合、制御部20は、ステップS12で決定されたハイリミッタ温度から所定の補正値を差し引くことによって、ハイリミッタ温度を補正する。補正後のハイリミッタ温度は、ステップS12で決定されたハイリミッタ温度よりも低いので、運転時間が実質的に短縮される。補正値は、乾燥運転の経過時間に応じて変動するように予め定められて記憶部24に記憶される。
【0074】
経過時間が増加すると洗濯物Lの乾燥が進んだ状態にあるので、これに応じて補正値は小さくなるように設定される。例えば、経過時間が1時間以内である乾燥運転開始直後のタイミングにおける補正値は5度に設定され、その後に経過時間が1時間ずつ増加する度に補正値は1度ずつ小さくなるように設定される。
【0075】
判断基準温度が温度差判定値である場合、制御部30は、ステップS12で決定された温度差判定値から所定の補正値を差し引くことによって、温度差判定値を補正する。補正後の温度差判定値は、ステップS12で決定された温度差判定値よりも小さいので、運転時間が実質的に短縮される。補正値は、ハイリミッタ温度の補正値と同様に経過時間に応じて変動するように予め定められて記憶部24に記憶される。
【0076】
制御部20は、補正前後の判断基準温度に基いて乾燥運転の残時間を更新し、更新後の残時間を表示パネル11Aに表示する(ステップS35)。これにより、補正処理が終了する。この場合も、制御部20は、補正処理後のステップS20では、補正後の運転条件に基いて運転時間が短縮されるように乾燥運転を継続する。
【0077】
本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。また、以上に説明した様々な特徴は、取捨選択のうえ、必要に応じて適宜組み合わせてもよい。例えば、前述した変形例同士を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 洗濯乾燥機
3H 出入口
4E 出入口
5 収容槽
9 供給部
10 扉
11 表示操作部
20 制御部
22 開閉検出部
L 洗濯物