(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059192
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】留め具
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20230419BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20230419BHJP
F16B 2/26 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A45C13/30 B
A45C7/00 A
F16B2/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169191
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】305020974
【氏名又は名称】楢原 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】楢原 寛
【テーマコード(参考)】
3B045
3J022
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CE07
3J022DA11
3J022EA41
3J022EB20
3J022EC04
3J022FA04
3J022FB12
3J022FB17
3J022GA30
3J022GB90
(57)【要約】
【課題】 風呂敷の対向する二辺を重ね合わせるように二つ折りにし、対向する隅部を重ねた状態で二枚重ねのまま取っ手Tに固定してバッグを形成するものであったので、バッグの口を閉じる機能がなく、当該バッグの中身が見えたり、こぼれたりすること。
【解決手段】 風呂敷の四角A、B、C、Dをそれぞれ前記6個のリング1~6で固定された前記2本の紐401,402の間a、b、c、dに通している。第一紐4010を引くと風呂敷バッグの口を内側から絞り、前記6個のリング1~6を介して第二紐4020をバッグの口の中央に引き寄せ、結果として風呂敷バッグの4角A、B、C、Dを外側から引き寄せ、バッグの口を閉じることができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風呂敷など四辺形のシートをバッグとして用いる際に使用するものであって、2本の紐(10,20)と6個のリング(1~6)と2個の紐ストッパー(30,31)で構成され、前記2本の紐(10,20)は、それぞれループ状にし且つ前記6個のリング(1~6)に貫通させた留め具(100)。
【請求項2】
風呂敷など四辺形のシートをバッグに用いる際に使用するものであって、2本の紐(401、402)と、片端に4つのパイプ状筒(420a、420b、420c、420d)を付属する略長方形の筒(410)と、略長方形で短辺の両端部に各々2つ(合計4つ)の貫通穴(g(j)、h(i)、k(m)、l(n))と中央に貫通穴(e(f))有する2個のプレート(3(4))とで構成され、前記2個のプレート(3(4))は、前記4つのパイプ状の筒(420)の対向する2つのパイプ状の筒(420b、420d)の中にそれぞれ収納され、前記2本の紐(401,402)は、両端をそれぞれ前記プレート(3(4))の貫通穴(g(i)、h(j))で接続され、ループ状にして前記パイプ状の筒内に収納されているプレート(4(3))の貫通穴(m(k)、n(l))に貫通させ、同プレートの中央の貫通穴(f(e))より外に引きだされている留め具
【請求項3】
前記略長方形の筒(410)が袋状になっている請求項2の留め具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂敷をバッグにする際に用いる留め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に記載されているような取っ手が知られている。この取っ手は、バンドの両端に環を二個づつ設け、この環に袋状に整えた風呂敷の端部を挿通して係止し、全体としてバッグとして用いるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該取っ手によればバッグ状にした場合に上部が開口するので、この開口を簡単に閉じることができる構造が求められていた。本発明は、かかる要望を満たすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る留め具は、風呂敷など四辺形のシートをバッグとして用いる際に使用するものであって、2本の紐(10,20)と6個のリング(1~6)と2個の紐ストッパー(30,31)で構成され、前記2本の紐(10,20)は、それぞれループ状にし且つ前記6個のリング(1~6)に貫通させたものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る留め具を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る留め具を示す右側面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る留め具を示す平面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る留め具を示す底面図である。
【
図7】風呂敷を本発明の留め具を用いて風呂敷バッグにする例を示す説明図である。
【
図8】風呂敷バッグを形成した状態を示す説明図である。
【
図9】風呂敷バッグへの荷物の出し入れ時の状態を示す説明図である。
【
図10】風呂敷バッグに荷物を入れて留め具を閉じた状態を示す説明図である。
【
図11】風呂敷バッグに荷物を入れて留め具を閉じた状態を示す説明図である。 なお、背面図は
図1(正面図)と同一に現れる。左側面図は
図2(右側面図)と対称に現れる。
【
図12】本発明の実施の形態2に係る留め具を示す正面図である。
【
図13】本発明の実施の形態2に係る留め具を示す背面図である。
【
図14】本発明の実施の形態2に係る留め具を示す右側面図である。
【
図15】本発明の実施の形態2に係る留め具を示す平面図である。
【
図16】本発明の実施の形態2に係る留め具を示す底面図である。
【
図19】風呂敷を本発明の留め具を用いて風呂敷バッグにする例を示す説明図である。
【
図20】留め具を風呂敷に装着し取っ手を取り付けて風呂敷バッグを形成した状態を示す説明図である。
【
図21】風呂敷バッグへの荷物の出し入れの状態を示す説明図である。
【
図22】風呂敷バッグに荷物を入れた状態で留め具を閉じた状態を示す説明図である。
【
図23】風呂敷バッグに荷物を入れた状態で留め具の紐を絞り紐ストッパーで固定した状態を示す説明図である。なお、左側面図は
図14(右側面図)と対称に現れる。
【
図24】本発明の実施の形態3に係る留め具を示す正面図である。
【
図25】本発明の実施の形態3に係る留め具を示す右側面図である。
【
図26】本発明の実施の形態3に係る留め具を示す平面図である。
【
図27】本発明の実施の形態3に係る留め具を示す底面図である。
【
図31】パイプ状の絞り部の構造を示す説明図である。
【
図32】実施の形態3に係る留め具の使用方法を示す説明図である。
【
図33】実施の形態3に係る留め具の使用方法を示す説明図である。
【
図34】実施の形態3に係る留め具の使用方法を示す説明図である。
【
図35】実施の形態3に係る留め具の使用方法を示す説明図である。
【
図36】風呂敷バッグに荷物を入れて風呂敷バッグの口を閉じ二つの取っ手Tを一括で持ち上げた時の状態を示す斜視図である。
【
図37】スーパーに常設されている買い物かごに当該風呂敷バッグをセットし買った荷物を入れた状態図である。
【
図38】買った荷物を入れ終えた後に買い物かごから当該風呂敷バッグを外した状態図である。
【
図39】風呂敷バッグの紐を引いて紐ストッパーで止めた状態を示す説明図である。
【
図40】風呂敷バッグを持ち帰って紐ストッパーを解除し、紐を緩め荷物を取り出す時の状態の説明図である。
【
図41】バッグインナーを外側に使った時の吊り下げた状態の説明図である。なお、背面図は
図24(正面図)と同一に現れる。左側面図は
図25(右側面図)と同一に現れる。
【
図42】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図43】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図44】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図45】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図46】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図47】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図48】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図49】本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。
【
図50】パイプ状の絞り部の構造を示す説明図である。
【
図52】本発明の実施の形態4に係る留め具の使用状態を示す説明図である。
【
図53】本発明の実施の形態4に係る留め具の使用状態を示す説明図である。
【
図54】本発明の実施の形態4に係る留め具の使用状態を示す説明図である。
【
図55】本発明の実施の形態4に係る留め具の使用状態を示す説明図である。
【
図56】バッグに荷物を入れてバッグの口を閉じ二つの取っ手Tを一括で持ち上げた時の使用状態を示す全体姿図である。
【
図57】スーパーマーケット等で買い物をする際に、当該バッグを使用する使用例を示す説明図である。
【
図58】スーパーマーケット等で買い物をする際に、当該バッグを使用する使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施の形態1)
図1乃至
図6に示すように、この留め具100は、風呂敷など四辺形のシートを風呂敷バッグとして用いる際に使用するものであって、2本の紐10,20と6個のリング1~6と2個の紐ストッパー30,31で構成される。前記2本の紐10,20は、それぞれループ状にし且つ前記6個のリング1~6に貫通させている。一本目の紐10は、リング1から通し始めてリング2,3、4,5を経由し、リング6に通された後、入側出側まとめて紐ストッパー30で止められる。二本目の紐20は、リング4から通され始めてリング5,6,1,2を経由し、リング3に通された後、入側出側まとめて紐ストッパー31で止められている。
【0008】
図7は、風呂敷を本発明の留め具を用いて風呂敷バッグにする例を示す説明図である。風呂敷の四角A、B、C、Dをそれぞれ前記6個のリング1~6で固定された前記2本の紐10,20の間a、b、c、dに通している。これにより留め具100が風呂敷に装着される。
【0009】
第一紐10は、前記6つのリング1~6に通しながら風呂敷バッグの口の内側でループ状になり、当該第一紐10の両端は、リング1とリング6の間から外側に引き出され、一括して紐ストッパー30に通され、紐エンドストッパー32で止められている。第二紐20は、前記6つのリング1~6に通されながら風呂敷バッグの四角A、B、C、Dのそれぞれの外側をループ状に通り、第二紐20の両端はリング3とリング4の間から外側に引き出され、一括して紐ストッパー31を通され、紐エンドストッパー33で止められている。第一紐10を引くと風呂敷バッグの口が内側から絞られ、前記6個のリング1~6を介して第二紐20がバッグの口の中央に引き寄せられ、結果として風呂敷バッグの4角A、B、C、Dが外側から引き寄せられて、バッグの口が閉じることになる。
【0010】
その後、紐ストッパー30を固定することにより、風呂敷バッグの口を閉じた状態で保持できる。風呂敷バッグの口を開くときは、第一紐10の紐ストッパー30を紐エンドストッパー32まで開放し、第一紐10の風呂敷バッグ内のループを手で広げると第一紐10と第二紐20のループの大きさの制約の範囲で風呂敷バッグの口を開くことができる。第二紐20のループの長さは、風呂敷バッグに使用する風呂敷の大きさにより最適な長さに紐ストッパー31で調整するものとし、通常は固定して使用する。また、紐ストッパー31により風呂敷バッグの中に入れる荷物の大きさや量に応じた最適なループ長さに調整することもできる。
【0011】
図8は、風呂敷バッグを形成した状態を示す説明図である。前記風呂敷に留め具100を装着した後、風呂敷の四角のうち角AとD、角BとCをそれぞれ一括にして取っ手Tの両端に接続し、取っ手Tを持ち上げると風呂敷バッグが形成される。
図9は、風呂敷バッグへの荷物の出し入れ時の状態を示す説明図である。紐ストッパー30を開放し、第一紐10のループを広げると風呂敷バッグの口が開き荷物の出し入れが可能になる。
【0012】
図10及び
図11は、風呂敷バッグに荷物を入れてテーブルなどに置いた状態を示す説明図である。
図10に示すように、風呂敷バッグの中の荷物の圧力により上部口の開こうとする力に対し、留め具100が風呂敷バッグの四角を固定しているため、口が開くことなく安定して置くことができる。
図11に示すように、風呂敷バッグに荷物を入れた状態で留め具100の第一紐10を絞った後に更に第二紐20を引き、紐ストッパー31で止めると、風呂敷バッグの口が完全に閉まり、風呂敷バッグ内に一杯に荷物を詰め込んだ場合でも完全に荷物全体を包み込むことができる。このように、留め具100は風呂敷バッグの上部開口部を開閉する機能を持つ。
【0013】
従来の風呂敷バッグでは、風呂敷の対向する二辺を重ね合わせるように二つ折りにし、対向する隅部を重ねた状態で二枚重ねのまま取っ手に固定してバッグを形成するものであったので、バッグの口を閉じる機能がなく、当該バッグの中身が見えたり、こぼれたりするという問題があり、当該風呂敷バッグをテーブル等に置いた時にそれが顕著に生じていた。特に、スーパーマーケット等で形状の異なる多くの荷物を入れた際に荷物がばらけやすいことから、スーパーマーケット等でレジ袋代わりに使うためにはこの問題を解決する必要があった。
【0014】
この留め具100は、従来の風呂敷バッグの問題点を解消しつつレジ袋の代替えバッグとしてより使いやすくするために開発したものであり、いつでもどこでも風呂敷と取っ手を持っていれば簡単に組み立てて使用できる風呂敷バッグとしての機能性と、風呂敷のもつ多様な柄やデザインを楽しむことができる等風呂敷バッグの持つ長所とを維持しつつ、風呂敷バッグの口を確実に開閉する機能を付加することができ、風呂敷バッグをより使いやすく且つレジ袋に限らず活用の幅をアップさせることを可能にするものである。
【0015】
(実施の形態2)
この留め具200は、風呂敷など四辺形のシートを用いた風呂敷バッグに用いるものであって、5個のリング51~55と、一本の紐61と、1個の紐ストッパー62により構成される。また、中央に一つのリング紐63が前記5個のリング51~55を貫通した状態で配置されている。前記紐61は、リング51から通し始められリング52,53,54を経由してリング55に通された後、入側出側まとめて紐ストッパー62で止められている。
【0016】
図19は、風呂敷を留め具を用いて風呂敷バッグを構成する例を示す説明図である。風呂敷の中央に留め具200を置き、当該風呂敷の四角を外周の紐61の内側に通す。具体的には、風呂敷の四角A、B、C、Dをそれぞれ前記紐61とリング紐63との間a、b、c、dに通す。これにより留め具200が風呂敷に装着される。
【0017】
紐61は、前記5個のリングに通されながら風呂敷バッグの四角A、B、C、Dのそれぞれの外側をループ状に通され、当該紐61の両端はリング51とリング55の間から外側に引き出され、一括して紐ストッパー62を通し紐エンドストッパー64で止められる。紐61を引くと、風呂敷の4角A、B、C、Dが外側から前記5個のリングを介してバッグの口の中央に引き寄せられ、結果として風呂敷バッグの口が閉じられる。その後、紐ストッパー62を固定することにより、風呂敷バッグの口を閉じた状態にキープできる。
【0018】
図20は、留め具を風呂敷に装着し取っ手を取り付けて風呂敷バッグを形成した状態を示す説明図である。風呂敷に留め具200を装着した後、風呂敷の四角のうち角Aと角D、角Bと角Cにそれぞれ一括にして取っ手Tの両端に接続し、取っ手Tを持ち上げると風呂敷バッグが形成される。
図21は、風呂敷バッグへの荷物の出し入れの状態を示す説明図である。取っ手Tを持ち上げた状態で留め具200を取っ手T側に持ち上げると、風呂敷バッグの上部開口部が開いて容易に荷物の出し入れが可能になる。風呂敷バッグに荷物を入れた後、留め具200を上から押し下げ、紐61の紐ストッパー62を引くと、
図20に示した状態に戻り、風呂敷バッグの口が閉まった状態になる。
【0019】
図22は、風呂敷バッグに荷物を入れた状態で留め具を閉じた状態を示す説明図である。風呂敷バッグの中の荷物の圧力により上部の口に開こうとする力が働くところ、留め具200がバッグの四角を固定しているため、当該口が開くことなく安定して置くことができる。
図23は、風呂敷バッグに荷物を入れた状態で留め具の紐61を絞り紐ストッパー62で固定した状態を示す説明図である。このように留め具200により風呂敷バッグの口が完全に閉まり、バッグ内に一杯に荷物を詰め込んだ場合でも完全に荷物全体を包み込むことができる。また、留め具200は風呂敷バッグの口を開閉する機能を持つものでもある。
【0020】
従来の風呂敷バッグでは、風呂敷の対向する二辺を重ね合わせるように二つ折りにし、対向する隅部を重ねた状態で二枚重ねのまま取っ手に固定してバッグを形成するものであったので、バッグの口を閉じる機能がなく、当該バッグの中身が見えたり、こぼれたりするという問題があり、当該風呂敷バッグをテーブル等に置いた時にそれが顕著に生じていた。特に、スーパーマーケット等で形状の異なる多くの荷物を入れた際に荷物がばらけやすいことから、スーパーマーケット等でレジ袋代わりに使うためにはこの問題を解決する必要があった。
【0021】
この留め具200は、この従来の風呂敷バッグの問題点を解消しつつレジ袋の代替えバッグとしてより使いやすくするために開発したものであり、いつでもどこでも風呂敷と取っ手を持っていれば簡単に組み立てて使用できる風呂敷バッグとしての機能性と、風呂敷のもつ多様な柄やデザインを楽しむことができる等の長所とを維持しつつ、風呂敷バッグの口を確実に開閉する機能を付加することができ、風呂敷バッグをより使いやすく且つレジ袋に限らず活用の幅をアップさせることが可能とするものである。
【0022】
(実施の形態3)
図24乃至
図30に示すように、このバッグインナー300は、風呂敷など四辺形のシートを用いた風呂敷バッグに用いる付属物であって、布やビニールなどのシート材で構成された袋部301と、同袋部301の上部の口周縁部に当該周縁部を絞ることで袋部301の口を絞る紐302を内蔵するパイプ状の絞り部303とで構成される。なお、バッグインナー300は、別の観点から、風呂敷バッグの開口部付近を閉じる留め具としても機能するものである。前記絞り部303は袋部301の口周縁部の全周を折り込んでパイプ状に縫い且つ4つの部分に分割されている。この4分割されたそれぞれのパイプ状の絞り部303は略長方形の4つの辺を成しており、各辺のコーナー部では内挿した紐302が露出している。略長方形の対向する2つの短辺の中央部にはそれぞれパイプ内部の紐302を引き出す穴304が設けられており、絞り部303内からそれぞれ2本の紐302が外へ引き出され、紐ストッパー305で固定されている。また、前記長方形の対向する二つの長辺中央部には、それぞれ絞り部303内に通した2本の紐302の端部が適当な間隔をもって固定されている。
【0023】
図31は、前記パイプ状の絞り部の構造を示す説明図である。絞り部303に内蔵されている紐302aは、一端を長辺パイプ内e点で固定され、同紐302aの他端は長辺パイプ内を経由したコーナーa点で一旦絞り部303の外に出た後、短辺パイプ内をa点からj点に向けて挿通され、j点から引き出される。紐302bについても同様に一端をf点で固定し、コーナーb点を経由してi点で引き出される。紐302c、302dについても同様である。短辺中央の穴i点から引き出された紐302aと紐302dは2本一括で紐ストッパー305aにより固定され、短辺中央付近の穴j点から引き出された紐302bと紐302cも同様に紐ストッパー305bで固定される。
【0024】
このバッグインナー300の使い方は、
図32に示すように、風呂敷を広げてその中央にバッグインナー300を置く第一工程と、
図33に示すように、風呂敷のコーナーA、B、C、Dをそれぞれ、バッグインナー300の長方形のコーナー切り欠き部a点、b点、c点、d点から出ている紐302の内側に通し、風呂敷とバッグインナー300を固定する第二工程と、
図34に示すように、バッグインナー300の一方の長辺側に固定された風呂敷のコーナーA、Bに取っ手Tを取り付け、バッグインナー300のもう一方の長辺側に固定された風呂敷のコーナーC、Dに取っ手Tを取り付ける第三工程とからなる。
【0025】
第一工程から第三工程を行うことによりバッグインナー300と風呂敷バッグがバッグインナー300のコーナーa点、b点、c点、d点の4か所で結合し、かつ、バッグインナー300の袋部301に荷物を詰めて、紐302を引いて紐ストッパー305で止めると、
図35に示すように、絞り部303のa点-e点、f点-b点、b点-c点、c点-g点、h点-d点、d点-a点間が蛇腹状に縮まり、バッグインナー300の口が閉じると同時にバッグインナー300と風呂敷とのa点とd点、およびb点とc点の間隔が無くなり、a点とb点及びc点とd点の間隔は紐302の通っていないe点-f点、g点-h点の間隔分だけ離れた間隔になる。
【0026】
図36は、風呂敷バッグに荷物を入れて風呂敷バッグの口を閉じ、二つの取っ手Tを一括で持ち上げた時の状態を示す斜視図である。荷物はバッグインナー300の中に納まり、風呂敷バッグの口が閉まった状態で風呂敷がバッグインナー300を包み込み、バッグインナー300と風呂敷とのa点、b点、c点、d点から出た風呂敷の4つのコーナー部で全体を吊り下げている。このときa点とd点、およびb点とc点が近接し風呂敷バッグの口を閉じる効果をもたらすと同時に、a点とb点及びc点とd点の間隔は取っ手Tを吊り下げたときの手の握り幅を適当な幅とする。
【0027】
図37乃至
図40は、スーパーマーケット等で買い物をする際の使用方法の一例を示す説明図である。具体的には、
図37は、スーパーに常設されている買い物かごに当該風呂敷バッグをセットし買った荷物を入れた状態図を、
図38は、買った荷物を入れ終えた後に買い物かごから当該風呂敷バッグを外した状態図を、
図39は、風呂敷バッグの紐を引いて紐ストッパーで止めた状態図を示す。
【0028】
なお、上記の状態から二つの取っ手Tを一括で持ち上げた状態は、
図36に示すものとなる。
図40は、風呂敷バッグを持ち帰って紐ストッパーを解除し、紐を緩め荷物を取り出す時の状態の説明図である。紐302を緩める位置を調整することにより、当該風呂敷バッグの口を取り出しやすい大きさに調整することができる。
【0029】
図41は、バッグインナーを外側に使った時の吊り下げた状態の説明図である。このとき、バッグインナー300は当該風呂敷バッグの口を開閉する機能と、風呂敷バッグの外側をカバーする機能の2つの機能を持つ。
【0030】
従来の風呂敷バッグでは、風呂敷の対向する二辺を重ね合わせるように二つ折りにし、対向する隅部を重ねた状態で二枚重ねのまま取っ手に固定して風呂敷バッグを形成するものであったので、風呂敷バッグの口を閉じる機能がなく、当該風呂敷バッグを置いた時に荷物がばらけて飛び出すという欠点があった。特に形状の異なる多くの荷物を入れた時その欠点が顕著で、スーパーマーケット等でレジ袋代わりに使うのには適さなかった。
【0031】
このバッグインナー300を用いた風呂敷バッグは、従来の風呂敷バッグの欠点を解消しつつレジ袋の代替え風呂敷バッグとしてより使いやすくするために開発したものであり、いつでもどこでも風呂敷と取っ手Tを持っていればどこでも簡単に組み立てて使用できる風呂敷バッグとしての機能性と風呂敷の有効活用性等の長所を維持しつつ、風呂敷バッグの口を確実に閉め風呂敷バッグを置いた時の荷物のバラケ防止機能と、当該バッグインナー300に防水性や保温性を持たせた素材を使用することにより、水気を持った物品や保温の必要な物品を運ぶ時の風呂敷の濡れ防止機能と保温機能を持たせることができる。また、当該風呂敷バッグを風呂敷バッグの外側に使うことにより、風呂敷バッグを雨から守る防水機能も持たせることができる。
【0032】
(実施の形態4)
図42乃至
図49は、本発明の実施の形態4に係る留め具を示す説明図である。この留め具400は、風呂敷など四辺形のシートを用いた簡易バッグに用いる留め具400であって、布やビニールなどのシート材で構成された筒部410と、当該筒部410の上部開口周縁部に同周縁部を絞って前記筒部410の上部を絞る紐401,402を内蔵するパイプ状の絞り部420とで構成される。なお、当該筒部410は、筒軸方向の寸法が短い環状体の形態となることもある。
【0033】
前記絞り部420は、前記筒部410の上部開口周縁部全周を折り込んでパイプ状に縫い、且つ4つに分割している。この4分割されたそれぞれのパイプ状の絞り部420は、略長方形の4つの辺を形成し、各辺のコーナー部430から内蔵した紐401,402が露出している。前記略長方形の対向する2つの短辺の中央部にはそれぞれパイプ内部の紐401,402を引き出す穴440が設けられており、当該穴440から前記パイプ内に通している紐401,402がループ状に外に引き出されている。
【0034】
また、前記2つの短辺のパイプ内部には、適当な長さと巾を持つプラスチックや金属等剛性のある素材のプレート453,454が内蔵されている。
図50は、前記パイプ状の絞り部420の構造を示す説明図である。前記パイプ状の絞り部420に内蔵されている紐401,402は、両端を短辺パイプ内部に内蔵されているプレート453のg点、h点で固定され、長辺パイプ内を通り、プレート454の両端貫通穴m、nを経由し当該プレート中央の貫通穴fでループ状に外に引き出されている。同様に、紐402は、両端をプレート454のi点、j点で固定され、長辺パイプ内を通りプレート453の両端貫通穴k点、l点を通り同プレート中央のe点貫通穴からループ状に外に引き出されている。
【0035】
前記紐401,402は、それぞれ前記絞り部420に内蔵されたプレート453,454を介して絞り部420のパイプ内部でリングを形成する。
図51は、プレート453,454の構造例を示す説明図である。なお、同図中の参照符号の括弧内は、一対となる片方のプレート454の部位を示す参照符号である。当該プレート453,454は、短冊形状の本体の両端が略直角に折れ曲がった形状である。中央には紐401,402を通す穴が設けられ、両端近傍にも紐401,402を通す穴が設けられる。当該プレートによれば紐を通しやすくまた外部より紐の具合を調整しやすい。特に、パイプ内部にプレートが配置された際に外側から紐をつまんで詳細に調整することもできる。なお、図示しないが、当該プレート453,454に代えてパイプ状のものとしても良い。その際は、中央の穴を上記同様に設けるものとする。
【0036】
風呂敷バッグ用の当該留め具400の使い方は、
図52の使用状態図に示すように、風呂敷を広げてその中央に留め具400を置く第一工程と、
図53の使用状態図に示すように、風呂敷のコーナーA、B、C、Dをそれぞれ当該留め具400の略長方形のコーナー切り欠き部a、b、c、dの露出している紐401と紐402との間に通して前記風呂敷と留め具400とを固定する第二工程と、
図54の使用状態図に示すように、留め具400に固定された風呂敷のコーナーA、Dと風呂敷のコーナーB、Cにそれぞれ取っ手Tを取り付ける第三工程と、からなる。
【0037】
前記第一工程から第三工程を行うことにより、留め具400と風呂敷とが当該留め具400のコーナーa、b、c、dの4か所で結合し、風呂敷の4隅A、B、C、Dに取っ手Tが付いたバッグが完成する。留め具400の袋の部分に荷物を詰めて、紐401,402のループ状に引き出されているe、f部を引くと、
図55の使用状態図を示すように、前記パイプ状の絞り部420点a-b、c-d間が蛇腹状に縮まり、絞り部420の短辺側に内蔵されたプレート453,454間の間隔が縮まり、結果として留め具400の口が閉じる。
【0038】
このとき前記留め具400と風呂敷との固定点a-d、b-c間はそれぞれ短辺のパイプ部に内蔵されたプレート453、454の長さ相当分の間隔を保持し、取っ手Tを持ち上げた時に当該取っ手Tの握り巾に相当する適当な巾に保持される。その後、ループ状に引き出された紐401,402を一括で結び固定することにより、留め具400の口を閉じた状態に保持することができる。
【0039】
図56は、前記バッグに荷物を入れてバッグの口を閉じ二つの取っ手Tを一括で持ち上げた時の使用状態を示す全体姿図である。荷物は留め具400の中に納まり、バッグの口が閉まった状態で風呂敷が留め具400を包み込み、留め具400と風呂敷との固定点a、b、c、dから出た風呂敷の4つのコーナー部430のA、B、C、Dで全体を吊り下げている。この時、固定点aとb、およびcとdが近接しバッグの口を閉じると同時に、固定点aとd及びbとcの間隔は取っ手Tを吊り下げた時の手の握り幅に相当する適当な幅になっている。
【0040】
図57及び
図58は、スーパーマーケット等で買い物をする際に、当該バッグを使用する使用例を示す説明図であり、
図57は、スーパーに常設されている買い物かごに当該バッグをセットし買った荷物を入れた状態図を示し、
図58は、買った荷物を入れ終えた後買い物かごから当該バッグを外し、同バッグの紐401,402を引いて留め具400を閉じる状態を示す。なお、引き出された紐401,402を一括で結び、口を閉じた状態を保持させた後、二つの取っ手Tを一括で持ち上げた状態は、
図56に示した通りである。
【0041】
また、図示しないが、前記バッグを持ち帰り、紐の結び目をほどいて前記プレート453,454を広げると、当該留め具400の口が開き、荷物を取り出せる状態になる。また、前記プレート453,454の広げ巾を調整することにより、バッグの口を取り出しやすい大きさに調整できる。また、
図55に示す通り、片手で紐401,402を一括で持ち上げ、もう一方の手で留め具400のプレート453,454の部分を押さえて紐を引くと、留め具400の口の部分が持ち上がりバッグ内の荷物を包み込ながら且つバッグの口を閉める一連の動作をワンモーションで行うことができる。更に、左右それぞれの手でプレート453,454の部分を持ち横に引くと風呂敷バッグの口を開くことができる。このように、この留め具400では、ワンモーションの簡単な操作で風呂敷バッグの口の開閉ができる。
【0042】
従来の風呂敷バッグでは、風呂敷の対向する二辺を重ね合わせるように二つ折りにし、対向する隅部を重ねた状態で二枚重ねのまま取っ手Tに固定することから、バッグの口を閉じる機能がない為、当該バッグの中身が見えたりこぼれたりするという問題があり、当該バッグをテーブル等に置いた時にそれが顕著に生じていた。特に、スーパーマーケット等で形状の異なる多くの荷物を入れた際に荷物がばらけやすいことから、スーパーマーケット等でレジ袋代わりに使うためにはこの問題を解決する必要があった。
【0043】
本発明に係る留め具400は、従来の風呂敷バッグの問題点を解消しつつレジ袋の代替えバッグとしてより使い易くするために創作したものであり、いつでもどこでも風呂敷と取っ手Tを持っていれば簡単に組み立てて使用できる簡易バッグとしての機能性と、風呂敷の持つ多様な柄やデザインを楽しむことができる等風呂敷バッグの持つ長所を維持しつつ、風呂敷バッグの口を確実に開閉する機能を付加することができ、風呂敷バッグをより使い易く且つレジ袋に限らず活用の巾を広げることを可能にするものである。なお、前記筒部410は、
図24に示したような有底の袋状体としてもよい(図示省略)。この場合、筒部410の筒軸方向が長くなりその端部に底が設けられる形になる。
【符号の説明】
【0044】
100 留め具
10,20 紐
1~6 リング
30,31 紐ストッパー