(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059208
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、それに用いるゲームシステム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20230419BHJP
A63F 13/812 20140101ALI20230419BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20230419BHJP
A63F 13/42 20140101ALI20230419BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/812 B
A63F13/55
A63F13/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058761
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2021168530の分割
【原出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】中村 真喜
(72)【発明者】
【氏名】土谷 晋
(72)【発明者】
【氏名】尾島 正敏
(72)【発明者】
【氏名】熊川 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭太
(72)【発明者】
【氏名】山下 暁
(57)【要約】
【課題】自動制御の守備動作にユーザの技量差が生じる余地を増やすことができるコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータプログラムPGは、コントローラ6のL2ボタン15Lに継続的な押す操作が実行された場合にチャージ動作を守備側の選手PLに自動制御にて実行させるサッカーゲームを提供するゲーム装置2の制御ユニット21を次の手段として機能させる。すなわち、コンピュータプログラムPGは、チャージ動作の最中において守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いた後に操作の入力がコントローラ6に実行された場合にその結果を取得し、その操作がLスティック14Lへの操作と判別される場合に、その操作が守備側の選手PLのチャージ動作に反映されるように、守備側の選手PLにその操作の操作方向に攻撃側の選手PLを移動させる相手移動動作を守備側の選手PLに実行させる手段として制御ユニット21を機能させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手段、及び
前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手段として機能させるように構成された、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置と、ゲーム画面において守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置と、に接続され、複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに適用されるコンピュータプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置と、ゲーム画面において守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置と、に接続され、複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このような攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタとしてそれぞれ機能する複数の選手を含むサッカーゲームをゲームシステムのコンピュータに提供させるコンピュータプログラムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のサッカーゲームでは、タックルを指示する操作が実行されると、攻守にそれぞれ対応する二体のキャラクタ間の位置関係に応じて守備側のキャラクタにタックル動作が自動制御にて実行される。このタックル動作のために守備側のキャラクタは自動制御にて移動するが、その移動先(タックル先)は位置関係に応じて自動で設定される。この場合、タックル動作の精度(効果)として初心者から上級者まで一定以上の精度を担保することができる。しかし、その反面でユーザの技量が反映される余地は少ない。
【0005】
そこで、本発明は、自動制御の守備動作にユーザの技量差が生じる余地を増やすことができるコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンピュータプログラムは、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手段、及び前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手段として機能させるものである。
【0007】
一方、本発明のゲームシステムは、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステムであって、前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手段と、前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手段と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ、及び守備キャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手順と、前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示す図。
【
図2】コントローラの具体的な構成の一例を示す図。
【
図4】チャージ動作の一例を説明するための説明図。
【
図5】追加操作と相手移動動作との関係の一例を説明するための説明図。
【
図6】ゲーム装置の制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図7】チャージ処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図8】選手移動処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】ゲーム装置として携帯電話が利用される場合の追加操作の一例を説明するための説明図。
【
図10】ゲーム装置として携帯型ゲーム機が利用される場合の追加操作の一例を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムについて説明する。
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示している。ゲームシステム1は、クライアントとしての複数のゲーム装置2と、ゲーム装置2とネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されるサーバ3とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
【0011】
ゲーム装置2は、ユーザによるゲームのプレイに供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置の一種である。ゲーム装置2として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置が利用されてよい。例えば所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用のゲーム装置(所定の施設に設置される場合が多い)がゲーム装置2として利用されてもよいが、
図1の例ではユーザ端末装置がゲーム装置2として利用されている。
【0012】
ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、そのようなコンピュータ装置には、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯型ゲーム機、或いは携帯型タブレット端末装置といったモバイル端末装置が含まれる。このような各種のコンピュータ装置が適宜にゲーム装置2として利用されてよいが、
図1の例では据置型の家庭用ゲーム機が利用されている。このようなゲーム装置2は適宜に構成されてよいが、一例として据置型のゲーム機本体5と、そのゲーム機本体5に接続される入力装置の一例としてのコントローラ6と、出力装置の一例としてのモニタ7とを含んでいる。
【0013】
ゲーム機本体5は、ゲームの提供を主たる目的として構成され、コンシューマゲーム機あるいはゲームコンソールと呼ばれることもある。入力装置はコントローラ6に限定されず、例えばユーザのプレイ行為(各種の指示)としての動作を入力するためのカメラ、或いはタッチ位置に応じた信号を出力するタッチパネル等、各種のプレイ行為(指示、或いは操作)を入力するための適宜の入力装置であってよい。出力装置は、モニタ7に加えて、音声出力用のスピーカユニット等を含んでよいが、その図示は省略した。複数のモニタ7がゲーム機本体5に接続されてもよい。
【0014】
サーバ3は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてサーバ3が構成されてもよい。サーバ3は、ゲームに関連した各種のサービス、例えばゲームにて対戦すべきプレイヤ同士をマッチングするサービス、ゲーム装置2間で共有されるべきゲームの情報を中継するサービス等をゲーム装置2に提供する。なお、ゲームシステム1には、携帯電話、スマートフォン、業務用のゲーム機といった各種の情報通信端末装置が適宜に追加されてもよい。例えば、業務用のゲーム機は、ゲーム装置2にて提供されるゲームと連携したゲームを提供するクライアントとして利用されてもよい。
【0015】
図2は、コントローラ6の具体的な構成の一例を示している。コントローラ6は、ユーザが両手で持つことを前提として形状及びサイズが選定された本体ハウジング10を有している。本体ハウジング10は左右の手で把持するためのグリップ11L、11Rを備えている。左側のグリップ11Lの正面上部には4つの方向キー12が、右側のグリップ11Rの正面上部には4つの操作ボタン13がそれぞれ設けられ、グリップ11L、11Rの間には一対のスティック14L、14Rが設けられている。スティック14L、14Rは無操作状態を中立位置として、その中立位置から全方向、すなわち360°のいずれの方向にも操作可能である。さらに、左側のグリップ11Lの上方の端面には2つの操作ボタン15L1、15L2が、右側のグリップ11Rの上方の端面には2つの操作ボタン15R1、15R2が設けられている。以下において、左側のスティック14LをLスティック14Lと、右側のスティック14RをRスティック14Rと呼び、左側の操作ボタン15L1、15L2をコントローラ6の正面側から順にL1ボタン15L1、L2ボタン15L2と呼び、右側の操作ボタン15R1、15R2をコントローラ6の正面側から順にR1ボタン15R1、R2ボタン15R2と呼んで区別することがある。一方、スティック14L、14Rをスティック14と総称し、操作ボタン15L1、15L2、15R1、15R2を操作ボタン15と総称する場合もある。
【0016】
コントローラ6の方向キー12、操作ボタン13、スティック14、操作ボタン15のそれぞれは、入力装置の操作部の一例として機能する。コントローラ6には、これらの操作部を介して複数種類の操作(複数の操作)が適宜に入力される。これらの操作部のうち、少なくとも一部の操作部は、ユーザによる操作量が検出対象とされ、その操作量に応じて出力信号が変化する操作量検出型の操作部として設けられている。例えば、スティック14及び操作ボタン15がその種の操作部として設けられている。したがって、スティック14の操作に関しては、その操作方向及び操作量(中立位置から傾斜の角度)が検出されて出力信号に反映される。操作ボタン15の操作に関しては、その押し込み操作量が検出されて出力信号に反映される。一方、方向キー12及び操作ボタン13は、いずれも押し込み操作の有無が検出対象とされ、その操作の有無が出力信号に反映されるオンオフ型の操作部として設けられている。ただし、それらの区別は一例であって、適宜の設定が可能である。操作量検出型の操作部であっても、例えばユーザの設定により、操作の有無のみが検出対象とされるオンオフ型の操作部として機能するようにソフトウエア上で切り替え可能であってもよい。
【0017】
次に、
図3を参照して、ゲーム装置2を介して提供されるゲームについて説明する。本形態のゲームシステム1では、ゲーム装置2のユーザが対戦相手(対戦者)のユーザとサッカーを通じて対戦する対戦型のサッカーゲームが提供される。対戦相手は、いずれかのゲーム装置2を利用する実在のユーザであってもよいし、ゲーム装置2又はサーバ3のコンピュータによって制御される仮想的な存在であってもよい。対戦は1対1であることを必ずしも要しない。例えば、少なくとも一人のユーザを含んだグループが、他のグループと対戦するいわゆるグループ対戦の形式でサッカーがプレイされてもよい。
【0018】
図3は、全体画面の一例を模式的に示す図である。サッカーゲームでは各種のゲーム画面が適宜に使用され得るが、全体画面50はサッカーゲームのフィールド全体を表示するためのゲーム画面である。具体的には、サッカーゲームでは対戦の状況に応じて自動的に最適な位置に視点が切り替えられ、その視点に応じたゲーム画面がモニタ7に表示され得るが、全体画面50はフィールド全体の様子が収まる所定の視点から観察したものである。この場合、
図3に示すように、全体画面50は、選手(参照符号は一部の選手のみに付してある。)PL、ボールBI、及びフィールドFDを含んでいる。
【0019】
選手PL及びボールBIは、いずれもゲームの仮想的な空間内で動作するオブジェクトの一例であるが、選手PLはサッカーのチームを構成する各選手に対応する。各チームにはそれぞれ複数の選手PLが含まれ、ユーザに関連付けられるユーザチームと、対戦相手に関連付けられる対戦者チームとが形成される。このため、サッカーゲームはユーザチームと対戦者チームとの間で対戦するチーム対戦型のゲームとして構成される。
【0020】
一方、ボールBIは、サッカーにおけるボールに相当するオブジェクトであり、攻守のチーム間で奪い合う対象として機能する。ボールBIは、選手PLの動作に応じて移動等するように操作される。そして、サッカーゲームでは、ボールBIを操作する選手の有無に応じて二つのチーム間において攻守が切り替えられる。フィールドFDは、サッカーのフィールド(ピッチ)に対応する領域であり、選手PLの主な活動範囲である。フィールドFDはタッチライン、或いはゴールラインといった各種のラインで区切られる。選手PLは、これらのラインの外で活動する場合もあるが、多くの場合フィールドFDを活動範囲として利用する。そして、周知のように、サッカーゲームでは、ユーザ及び対戦相手のそれぞれの選手PLが仮想的なフィールドFD内で現実のサッカーと同様に行動することにより対戦が進行する。
【0021】
フィールドFDの選手の一部は、ユーザによる操作対象の選手PLとして設定される。一人のユーザに対して一の選手PLが操作対象として選定される。例えば、ユーザが攻撃側である場合は、ボールBIを支配すべき選手PLがそのユーザの操作対象として設定され、守備側のユーザに対しては、ボールBIを支配(操作)する選手PLに対する守備を担うべき選手PLが操作対象として設定される。また、操作対象の選手PLはユーザの操作(対象変更の指示)に応じて適宜に切り替えられる。操作対象の選手PLの操作には、適宜の操作部に対する各種の操作が含まれ得るが、一例としてLスティック14Lによる操作が含まれる。具体的には、操作対象の選手PLは全体画面50においてLスティック14Lが操作された方向に移動する。全体画面50において、操作対象の選手PLは、例えばカーソル52によって識別可能である。
【0022】
カーソル52は現在操作対象の選手PLにのみ表示されてもよいが、一例として現在操作対象の選手PL、及び対象変更の指示により次に操作対象に変化する予定の選手PLに表示される。これらのカーソル52は適宜に識別されてよいが、
図3の例では現在操作対象の選手PLのカーソル52が白塗りに、次に操作対象に変化予定の選手PLを示すカーソル52が黒塗りに表示されている。つまり、これらのカーソル52は配色の相違に識別可能に表示されている。また、操作対象の選手PLの名前等を示す情報部53が全体画面50に付加されてもよい。操作対象の選手PLは、コントローラ6に対するユーザの操作に基づいてその動作が制御される。一方、操作対象外の選手PLの動作は試合の状況に応じて自動的に制御される。
【0023】
また、全体画面50は、その他にも各種のオブジェクト、或いは情報を適宜に含んでいてよいが、
図3の例ではマップ54を含んでいる。マップ54は、フィールドFDの全体における選手PLの位置を示す画像(情報)である。マップ54は全体画面50の適宜の位置に配置されてよいが、
図3の例では下部中央に配置されている。さらに、全体画面50には、ユーザ及び対戦相手のチーム名、得点、経過時間といった対戦の状況を示す情報が適宜の位置に表示されてもよい。
【0024】
次に、
図4~
図5を参照して、守備側の選手PLが実行するチャージ動作について説明する。操作対象の選手PLは上述のとおり基本的にユーザのLスティック14Lへの操作に応じて移動するように動作する(以下、全体画面50においてLスティック14Lへの操作に応じて移動する動作を手動動作と呼ぶ場合がある)が、サッカーゲームには各選手PLが所定の規則に従って自動で動作するように制御される各種の自動動作も用意される。そのような自動動作には守備用の動作と攻撃用の動作とが含まれるが、チャージ動作は守備用の自動動作の一つである。チャージ動作は、現実のサッカーにおけるチャージに相当する動作である。現実のサッカーにおけるチャージは、守備側の選手が攻撃側の選手からボールを奪うための行動であるが、攻撃側の選手とボールとの間に自身の体を入れるために攻撃側の選手に肩等を当てて攻撃側の選手の位置を移動させる行動を伴う場合も多い。チャージ動作も同様の動作(行動)を含み得るように構成される。
【0025】
図4は、チャージ動作の一例を説明するための説明図である。チャージ動作はボールBIを奪うための適宜の動作として構成されてよいが、
図4の例は攻撃側の選手PLとその選手PLが操作するボールBIとの間に割り込んでボールBIを奪おうとする動作がチャージ動作として実行される場合を示している。また、自動動作はスティック14や操作ボタン15等、コントローラ6に設けられる各種操作部を通じて入力され得る複数の操作のうち特定の操作に基づいて実行されるが、一例としてチャージ動作にはそのような特定の操作としてL2ボタン15L2を押す操作が割り当て(関連付け)られる。より具体的には、L2ボタン15L2に継続的な押す操作(押し続ける操作)が実行されると、守備側の選手PLの動作がユーザの操作に基づく手動動作からチャージ動作(自動動作)に切り替わる。つまり、L2ボタン15L2を継続的に押す操作(特定の操作)が実行された場合に守備側の選手PLはチャージ動作を自動制御にて実行する。そして、その押す操作が継続される限り、チャージ動作が継続的に実行される。このようなL2ボタン15L2を押す操作は適宜の時期に実行され得るが、
図4の例は守備側の選手PLが攻撃側の選手PLから一定距離よりも離れた位置において実行される場合を示している。
図4の例は、このような場合の攻撃側の選手PL、及び守備側の選手PLを拡大して模式的に示している。
【0026】
図4に示すように、守備側の選手PLの位置は攻撃側の選手PLとの間の位置関係に応じて(1)非近距離、(2)近距離、及び(3)接触距離の三つを含み、それぞれにおいてチャージ動作の一部として異なる動作を順に実行する。なお、
図4の例の攻撃側の選手PL、及び守備側の選手PLは全体画面50とは別のチャージ動作用のゲーム画面等を通じて表示されてもよいが、一例として全体画面50に表示される。この例において守備側の選手PL、及び攻撃側(ボールBIを支配している方)の選手PLが、本発明の守備キャラクタ、及び攻撃キャラクタ(いずれも人型のキャラクタ)としてそれぞれ機能する。また、チャージ動作が、本発明の守備動作として機能する。
【0027】
非近距離は、守備側の選手PLが攻撃側の選手PLから一定距離を超えて離れている場合に該当する。守備側の選手PLの位置、及び攻撃側の選手PLの位置は適宜に特定されてよいが、一例として
図4の(1)に示すように第1基準位置RP1、及び第2基準位置RP2に基づいてそれぞれ特定される。つまり、守備側の選手PLは第1基準位置RP1に、攻撃側の選手PLは第2基準位置RP2に、それぞれ位置していると判別される。これらの第1基準位置RP1、及び第2基準位置RP2は各選手PLの体形等を基準に適宜に設定されてよいが、一例としていずれも全体画面50(仮想三次元空間)内における垂直方向の上方から選手PLの重心位置をフィールドFDに投影した位置に設定される。また、守備側の選手PLには第1基準位置RP1(守備側の選手PLの位置)を中心に一定距離を示す円状の判定範囲DRが設定される。判定範囲DRの半径(一定距離)は適宜に設定されてよいが、一例としてフィールドFD(仮想三次元空間)における2メートルに相当する距離に設定される。そして、第2基準位置RP2(攻撃側の選手PLの位置)がその判定範囲DR(一定距離)の外側に位置する(含まれる)場合に、守備側の選手PLの位置は非近距離に該当する。
【0028】
攻撃側の選手PLとボールBIとの間に割り込むためには攻撃側の選手PL(若しくはボールBI)の近くにいる必要がある。このため、非近距離では、まずチャージ動作として、第1基準位置RP1と第2基準位置RP2との間の距離が縮まるように攻撃側の選手PLに近づく動作が実行される。近づく動作は距離を縮めるために攻撃側の選手PLに向かって移動する動作であるが、現時点の位置(第2基準位置RP2)ではなく、攻撃側の選手PLの進行が考慮された所定位置に向かって移動するように実行される。つまり、上述のようにL2ボタン15L2に継続的な押す操作(押し続ける操作)が実行されると、手動動作からチャージ動作(自動動作)に切り替わり、チャージ動作が開始されるが、守備側の選手PLはチャージ動作として、まず近づく動作を実行する。なお、守備側の選手PLと攻撃側の選手PLとの間の距離が一定距離以内(十分に近いと判断される距離以内)の場合等、チャージ動作において近づく動作は適宜に省略されてもよい。
【0029】
近距離は、守備側の選手PLが攻撃側の選手PLから一定距離以内に位置する場合、つまり第2基準位置RP2(攻撃側の選手PLの位置)が判定範囲DRの内側に位置する(含まれる)場合に該当する。近距離では、ボールBIを奪うための各種の動作がチャージ動作の一部として適宜に実行され得るが、
図4の例では接触距離において実行される動作の予備的な動作として攻撃側の選手PLに向かって手を伸ばす動作が実行されている。接触距離において攻撃側の選手PLに肩をぶつける動作が実行される場合等、接触距離における動作に予備的な動作が不要な場合、或いは予備的な動作が必要な場合であっても表示の都合等に応じて適宜に手を伸ばす動作は省略されてもよいが、一例として実行される。具体的には、第2基準位置RP2(攻撃側の選手PLの位置)が判定範囲DRの内側に位置する(含まれる)場合、つまり、攻撃側の選手PLが2メートル以内に位置する場合に、守備側の選手PLは予備的な動作として攻撃側の選手PLに向かって手を伸ばし始める。
【0030】
接触距離は、攻撃側の選手PLが守備側の選手PLの手の届く(手が接触する)範囲に位置する場合に該当する。接触距離は近距離における予備的な動作の種類等に応じて適宜に設定されてよいが、予備的な動作として手を伸ばす動作が実行される場合、一例として守備側の選手PLの手の届く範囲に設定される。この範囲は手の届く範囲として設定される一律の範囲(距離)に全選手PLに共通に設定されてもよいが、一例として各選手PLに手の長さに関するパラメータが設定され、そのパラメータに応じて設定される。なお、説明の便宜のため
図4の例では(1)及び(2)において判定範囲DR、第1基準位置RP1、及び第2基準位置RP2が表示されているが、これらの表示は
図4の例の(3)で示すように実際の全体画面50では省略される。
【0031】
接触距離では、ボールBIを奪うために積極的に攻撃側の選手PLとボールBIとの間に割り込む動作がチャージ動作の一部として実行される。また、攻撃側の選手PLとボールBIとの間に割り込むためには、ボールBIとの位置関係において攻撃側の選手PLよりも優位な位置取りが要求される場合もある。このため、接触距離では、攻撃側の選手PLの位置を所定方向に移動させるための相手移動動作が割り込む動作の一部として追加的に実行される場合がある。相手移動動作は、接触距離において許容され、ユーザの操作に基づいて割り込み動作に追加可能な動作である。相手移動動作として、肩をぶつける動作(いわゆるショルダーチャージ)等の相手を移動させる(位置を変化させる)ための各種の動作が適宜に実行されてよいが、例えば攻撃側の選手PLに届いている(概念的に接触している)手を使って相手を移動させる動作が実行される。一例として、このようにチャージ動作は近づく動作、手を伸ばす動作、及び割り込む動作を含み、これらの動作が攻撃側の選手PLとの距離に応じてチャージ動作として順に実行される。
【0032】
図5を参照して、相手移動動作の詳細について更に説明する。相手移動動作は、守備側の選手PLと攻撃側の選手PLとの間の位置に関連する特別条件が満たされた場合に許容される。このような特別条件として、攻撃側の選手PLと守備側の選手PLとの間の単なる位置関係、ランダム、或いはゲーム状況といった各種の条件が利用されてよいが、一例として手を伸ばす動作によって守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いている場合に満たされる条件が利用される。つまり、特別条件は接触距離において満たされ、結果的に相手移動動作は上述のとおり接触距離において許容される。また、接触距離において相手移動動作が追加的に実行されるか否かは、やはり攻撃側の選手PLと守備側の選手PLの位置関係、ランダム、或いはゲーム状況といった各種の条件に応じて適宜に判別されてよいが、一例として相手移動動作に関連付けられる追加操作の有無に基づいて判別される。つまり、接触距離において更に追加操作が実行された場合に、チャージ動作の一部として相手移動動作が実際に実行される。
図5は、このような場合の追加操作と相手移動動作との関係の一例を説明するための説明図である。具体的には、
図5の例は、
図4の例の接触距離における攻撃側の選手PL(同図中の奥側の選手)、及び守備側の選手PL(同図中の手前側の選手)を拡大した部分と、そこで実行され得る相手移動動作に対応する追加操作が指示される場合のコントローラ6を示す部分と、を含んでいる。
【0033】
図5に示すように、追加操作はコントローラ6に設けられる各種操作部を通じて適宜に実現されてよく、例えば押す、引く等の特定の動作とそれぞれ関連付けられた操作ボタン13への押す操作によって実現されてもよいが、一例としてLスティック14Lへの操作により実現される。具体的には、Lスティック14Lの操作方向が攻撃側の選手PLを移動させる方向の指示として機能する。つまり、攻撃側の選手PLを移動させる所定方向としてLスティック14Lの操作方向が機能し、接触距離におけるL2ボタン15L2に対する押す操作の継続中(チャージ動作の指示中)にLスティック14Lが操作された場合にその操作方向に攻撃側の選手PLを移動させるように守備側の選手PLは相手移動動作を実行する。この例において相手移動動作が本発明の追加動作、及び移動動作として機能する。
【0034】
Lスティック14Lには全方向(360度)を対象とする操作方向の操作が実行され得るが、
図5の例ではそれらの操作方向のうち八方向(前後、左右、右斜め前、右斜め後ろ、左斜め前、及び左斜め後ろ)を示す方向矢印DAが示されている。これらの八方向に対応する操作方向の操作がLスティック14Lに実行された場合、その操作方向が攻撃側の選手PLを移動させる移動方向TDに反映されるように相手移動動作が実行される。つまり、L2ボタン15L2への押す操作の継続中(チャージ動作の指示中)にもコントローラ6には各種の操作が入力され得るが、その操作がLスティック14Lへの操作に該当する場合、その操作がチャージ動作における相手移動動作に反映される。結果として、相手移動動作の移動方向TDにも、Lスティック14Lへの操作方向に対応する八方向が生じる。
【0035】
具体的には、接触距離では守備側の選手PLの右手が攻撃側の選手PLに届いているが、Lスティック14Lへの操作の操作方向が左斜め前方向である場合、守備側の選手PLはその右手を通じて攻撃側の選手PLを左斜め前方向に移動させる(押す)ように相手移動動作を実行する。つまり、左斜め前方向への操作に伴い、移動方向TDを左斜め前方向とする相手移動動作が生じる。このような相手移動動作は守備側の選手PLと攻撃側の選手PLとの間の相対的な距離が維持されるように生じてもよいが、一例として相対的な距離を変化させるように生じる。前後方向、左方向、右斜め前方向、右斜め後ろ方向、左斜め前方向、及び左斜め後ろ方向の場合も同様である。つまり、Lスティック14Lの操作は操作方向を通じて移動方向TDに関連付けられ、例えば八方向への操作は同様の八方向への相手移動動作に対応する。この例において八方向へのLスティック14Lの操作が本発明の二以上の追加操作、及び複数の方向指示操作として機能する。また、それらに関連付けられる八方向への相手移動動作が本発明の二以上の追加動作として機能する。
【0036】
例えば、左斜め前方向への相手移動動作の場合、攻撃側の選手PLがバランスを崩す効果が期待される。結果として、ボールBIと攻撃側の選手PLとの間に体を割り込ませるための距離が広がり、ボールBIを奪う(ボールBIと攻撃側の選手PLとの間に体を割り込ませる)可能性の上昇も期待される。あるいは、Lスティック14Lに対する右斜め後ろ方向への操作が実行されると、守備側の選手PLは右手を通じて攻撃側の選手PLを右斜め後ろ方向に移動させる(引っ張る)ような相手移動動作を実行するが、この場合、攻撃側の選手PLを自己に近づけることになる。ただし、タイミングによってはやはりバランスを崩す効果ができるかもしれないし、そうでなくてもドリブルのスピードの低下を図ることができるかもしれない。一方で、ボールBIから離れている攻撃側の選手PLにボールBIに近づけるように相手移動動作が生じた場合、ドリブル等を助け、ボールBIの保持を補助する可能性もある。つまり、相手移動動作は必ずしもボールBIの奪取に有利に働くとは限らない。いずれにしても攻撃側の選手PLのプレイ(例えばドリブル)に影響が生じるため、ボールBIを奪う可能性にも変化が生じ得る。
【0037】
一方、相手移動動作に関するペナルティは設けられていなくてもよいが、一例として実際のサッカーゲームに準じるように設けられる。例えば、実際のサッカーゲームでも背後から相手にぶつかったり、或いは過度な押したり引っ張ったりする行為にはファールが与えられる。このため、相手移動動作にも同様のペナルティが設定される。具体的には、攻撃側の選手PLの後ろから相手移動動作が実行される場合、その相手移動動作には実際のサッカーゲームと同様にファールが与えられる。一例として、このように相手移動動作には追加操作の内容が反映される。結果として、ユーザの操作結果がチャージ動作に反映され、チャージ動作(自動動作)の結果にもユーザの腕前に応じた差が生じ得る。
【0038】
なお、ファール判定は、後ろからの相手移動動作に一律に適用されず、実際のサッカーゲームの場合と同様に、その相手移動動作に伴い有利な展開が生じたか否かが考慮されてよい。具体的には、その相手移動動作が攻撃側の選手PLに不利に働く場合にのみ適用され、必ずしも不利でない場合(例えばボールBIとの距離、双方の移動速度、或いは移動方向等に応じてボールBIをキープできそうと判別される場合)には適用されなくてもよい。
【0039】
次に、
図6を参照してゲーム装置2の制御系の要部を説明する。ゲーム装置2には、コンピュータとしての制御ユニット21と、記憶手段としての記憶部22とが設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPGとの組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、
図6の例では、マッチング部23、進行制御部24、及び表示制御部25が示されている。
【0040】
マッチング部23は、ユーザと対選相手との間のマッチングに関連する各種の処理を実行する論理的装置である。例えば、ユーザが他のゲーム装置2を使用してサッカーゲームをプレイする他のユーザ(対戦相手)と対戦する場合、サーバ3を介したマッチングが必要になるが、マッチング部23はそのマッチングに関連する各種の周知な処理を実行する。
【0041】
進行制御部24は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、サッカーゲームをプレイするための各種のゲーム画面を適宜に切り替えたり、各種の時間を計測したり、或いは各種ルール等(ファール等のペナルティを含む)の判定を実行したりする処理が含まれる。
【0042】
表示制御部25は、ゲーム画面に含まれる各種のオブジェクトの表示を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、例えば全体画面50においてユーザの操作結果に応じた動作をユーザの操作対象の選手PLに実行させたり、サーバ3を介して対戦相手の操作結果を取得してその操作結果に基づく動作を対戦相手の操作対象の選手PLに実行させたりする処理が含まれる。例えば、表示制御部25が実行する処理には、シュート等に対応する各種のボールBIの移動表示を実行したり、シュート等を実行するように選手PLを動作させたりする処理が含まれる。また、表示制御部25が実行する処理には、チャージ動作を実現するための処理も含まれる。表示制御部25は、このような処理の一例として、チャージ処理、及び選手移動処理を実行する。チャージ処理、及び選手移動処理の手順の詳細は後述する。
【0043】
記憶部22は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22には、上述したゲームプログラムPGとともに、各種のデータが記録されるが、
図6の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPGに従ってユーザにサッカーゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えばサッカーゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいてよいが、
図6の例では選手データGD1が示されている。
【0044】
選手データGD1は、サッカーゲームに含まれる各種のキャラクタを定義するためのデータである。このようなキャラクタには選手PLが含まれ、選手データGD1には一例として各選手PLを定義する各種のパラメータが記録される。また、そのようなパラメータには、例えば名前、画像、走力、キック力、或いは各種の身体的な特徴等が含まれる。
【0045】
記憶部22には、例えばその他にもプレイデータ、或いはIDデータといった各種のデータが適宜に記憶されていてよい。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。例えば、サッカーゲームの各選手PLがプレイ状況に応じて成長する場合、その成長分のパラメータの情報は、適宜に管理されてよいが、一例として過去の実績としてプレイデータによって管理される。この場合、各選手PLのパラメータはプレイデータ(変化分)、及び選手データGD1(初期値)との組合せにより再現される。IDデータは各種のIDを管理するためのデータである。このようなデータには、各ユーザを識別するためのユーザIDが含まれる。プレイデータはユーザIDを介して管理されるため、ユーザIDはプレイデータの生成、或いは取得等のために使用される。プレイデータ及びIDデータ等は適宜に記憶部22に記憶されてよいが、一例として必要な部分を含むようにサーバ3から提供される。
【0046】
制御ユニット21には各種の出力装置及び入力装置が適宜に接続され得るが、
図6の例では上述のコントローラ6、及びモニタ7が示されている。モニタ7は、全体画面50等のサッカーゲームのための各種のゲーム画面を表示するための周知の表示装置である。モニタ7は、制御ユニット21からの出力信号に従ってサッカーゲームを提供するための各種のゲーム画面(画像)を表示する。同様に、コントローラ6は、各種操作部が設けられた周知の入力装置である。コントローラ6は、各操作部への各種操作に応じた信号を制御ユニット21に出力する。
【0047】
次に、
図7~
図8を参照して、チャージ処理、及び選手移動処理について説明する。チャージ処理は、チャージ動作を実現するための処理である。表示制御部25は、所定時間以上、継続してL2ボタン15L2が押されると
図7のチャージ処理を開始し、まず近づく動作を守備側の選手PLに実行させる(ステップS101)。具体的には、表示制御部25は、近づく動作として所定位置に向かって移動する動作を実行するように守備側の選手PLの表示を制御する。
【0048】
続いて表示制御部25は、攻撃側の選手PLが守備側の選手PLの一定距離以内に位置しているか否か、つまり第2基準位置RP2が判定範囲DRに含まれるか否か判別する(ステップS102)。攻撃側の選手PLが守備側の選手PLの一定距離以内に位置していない場合(ステップS102:No)、つまり第2基準位置RP2が判定範囲DRに含まれていない場合、表示制御部25はステップS101に戻り、近づく動作が継続されるように再度ステップS101の処理を実行する。
【0049】
一方、攻撃側の選手PLが守備側の選手PLの一定距離以内に位置している場合(ステップS102:Yes)、つまり第2基準位置RP2が判定範囲DRに含まれている場合、表示制御部25は手を伸ばす動作を守備側の選手PLに実行させる(ステップS103)。具体的には、表示制御部25は、攻撃側の選手PLに向かって手を伸ばす動作を開始するように守備側の選手PLの表示を制御する。
【0050】
続いて表示制御部25は、相手移動動作を指示する追加操作の有無、つまり追加操作が実行されているかいなか判別する(ステップS104)。追加操作の一例として、上述のとおりLスティック14Lへの操作が採用される。このため、表示制御部25は、コントローラ6への入力結果を取得し、その入力結果に基づいて追加操作の有無としてLスティック14Lへの操作の有無を判別する。
【0051】
追加操作が実行されている場合(ステップS104:Yes)、つまりLスティック14Lが操作されている場合、表示制御部25は選手移動処理を実行する(ステップS105)。選手移動処理の手順の詳細は後述する。一方、追加操作が実行されていない場合(ステップS104:No)、つまりLスティック14Lが操作されていない場合、或いはステップS105の選手移動処理の後に、表示制御部25は、守備側の選手PLがボールBIと攻撃側の選手PLとの間に割り込んでいるか否か判別する(ステップS106)。
【0052】
守備側の選手PLがボールBIと攻撃側の選手PLとの間に割り込んでいない場合(ステップS106:No)、表示制御部25は、守備側の選手PLに割り込み動作を実行させる(ステップS107)。つまり、表示制御部25は、ボールBIと攻撃側の選手PLとの間に割り込む動作を実行するように守備側の選手PLの表示を制御する。そして、この制御(割り込み動作の実行)の後に、表示制御部25は今回のチャージ処理を終了する。なお、割り込み動作に伴い、ボールBIと攻撃側の選手PLとの間に実際に割り込めるか否かは、例えば相手のボールキープに関するパラメータ、或いは相手が攻撃用の自動動作を実行しているか否かといった各種の状況に基づいて適宜に判定されてよい。
【0053】
一方、守備側の選手PLがボールBIと攻撃側の選手PLとの間に割り込んでいる場合(ステップS106:No)、表示制御部25は、守備側の選手PLがボールBIに触れているか否か判別する(ステップS108)。守備側の選手PLがボールBIに触れている場合(ステップS108:Yes)、表示制御部25は守備側の選手PLをオフェンス、つまり攻撃側の選手PLに変更する(ステップS109)。そして、この変更の後に、表示制御部25は今回のチャージ処理を終了する。
【0054】
なお、攻撃用の自動動作と守備用の自動動作とは異なる操作に基づいて実行されてもよいが、一例としてLスティック14Lを継続的に押す操作にはチャージ動作だけでなく、攻撃用の自動動作も関連付け(割り当て)られる。このような動作として適宜の動作が採用されてよいが、一例としてシールディング動作が採用される。つまり、チャージ動作の実行のために継続されるLスティック14Lを押す操作が、守備側の選手PLがボールBIに触れた(を奪った)後には、そのまま攻撃用のシールディング動作の指示として機能する。このため、ボールBIを奪った場合、守備側の選手PLは攻撃側の選手PLに切り替わり、その切り替わった(変更された)後の攻撃側の選手PLによってそのままシールディング動作が開始される。シールディング動作はボールBIの支配を守ろうとする動作であるが、例えばボールBIと守備側の選手PLとの間に体を入れることによりボールBIを守る動作として実現される。
【0055】
一方、守備側の選手PLがボールBIに触れていない場合(ステップS108:No)、表示制御部25はボールBIを奪うための動作として守備側の選手PLをボールBIに向かって移動させる(ステップS110)。つまり、ボールBIに向かって近づく動作を実行するように守備側の選手PLの表示を制御する。そして、この制御(近づく動作)の後に、表示制御部25は今回のチャージ処理を終了する。これにより、チャージ動作が実現される。具体的には、攻撃側の選手PLとの間の距離に応じて近づく動作、手を伸ばす動作、及び割り込み動作が順に実行されるようにチャージ動作が実現される。
【0056】
選手移動処理は、相手移動動作を実現するための処理である。
図8の例は、守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いているときに相手移動動作が許容される(特別条件が満たされる)場合の選手移動処理を示している。この場合、表示制御部25は、
図7の例のステップS105において呼び出されると
図8の選手移動処理を開始し、まず守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いているか否か判別する(ステップS201)。守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いていない場合(ステップS201:No)、表示制御部25は以降の処理をスキップして今回の選手移動処理を終了する。そして、表示制御部25は
図7の例のチャージ処理においてステップS106に進む。
【0057】
一方、守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いている場合(ステップS201:Yes)、表示制御部25は追加操作の内容を判別する(ステップS202)。例えば上述のように相手移動動作の移動方向TDがLスティック14Lへの操作の操作方向に応じて変化する場合、表示制御部25はステップS202において追加操作の内容としてLスティック14Lへの操作の操作方向を判別する。
【0058】
続いて表示制御部25は、ステップS202の判別結果に基づいて、相手移動動作における移動方向TD、つまり攻撃側の選手PLを移動させるべき方向を判別する(ステップS203)。相手移動動作の移動方向TDは、上述のようにLスティック14Lへの操作の操作方向が右方向の場合は右方向といった具合にLスティック14Lの操作方向と対応している。このため、表示制御部25はLスティック14Lの操作方向を相手移動動作の移動方向TDとして判別する。
【0059】
次に表示制御部25は、ステップS203で判別した移動方向TDを反映した相手移動動作を守備側の選手PLに実行させる(ステップS204)。具体的には、表示制御部25は、ステップS203で判別した移動方向TDに攻撃側の選手PLを移動させる相手移動動作を実行するように、守備側の選手PLの表示を制御する。そして、この制御(相手移動動作)の後に、表示制御部25は今回の選手移動処理を終了する。これにより、相手移動動作が実現される。つまり、割り込み動作(チャージ動作)に相手移動動作が追加される。より具体的には、Lスティック14Lへの操作の操作方向を反映した相手移動動作、つまりLスティック14Lの操作方向に対応する移動方向TDに攻撃側の選手PLを移動させる相手移動動作が割り込み動作に追加されるように実行される。
【0060】
以上に説明したように、この形態によれば、自動制御によるチャージ動作の最中においてLスティック14Lへの操作が実行された場合に、その操作が守備側の選手PLの動作に反映され、守備側の選手PLは相手移動動作を実行する。具体的には、接触距離(特別条件を満たした状態、つまり守備側の選手PLの手が攻撃側の選手PLに届いている状態)においてLスティック14Lが操作された場合、その操作の操作方向に攻撃側の選手PLを移動させる相手移動動作を実行するように、守備側の選手PLのチャージ動作が制御される。一方で、Lスティック14Lが操作されない場合は、自動制御のチャージ動作が継続される。このため、そのようなLスティック14Lへの操作を利用して、自動制御のチャージ動作にユーザの技量差が生じる余地を増やすことができる。また、実際のサッカーゲームでも同様の割り込み動作が実行されるが、そこには良いポジショニングのために肩や手などを相手に接触させるチャージが伴われる場合が多い。このため、追加的な相手移動動作を利用して、このようなチャージに対応する動作を再現することができる。これにより、技量差が生じる余地の増加のみならず、リアリティの向上も図ることができる。
【0061】
以上の形態において、ゲーム装置2の表示制御部25が、
図7の手順のステップS104を実行することにより本発明の結果取得手段として機能する。また、ゲーム装置2の表示制御部25が、
図8の手順のステップS204を実行することにより本発明の動作制御手段として機能する。
【0062】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、Lスティック14Lへの操作の360°の操作方向が360°の移動方向TDの相手移動操作にそれぞれ関連付けられるように追加操作として利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、相手移動動作として攻撃側の選手PLを引っ張る動作、及び押す動作の二種類のみが用意され、それらの二種類の相手移動動作にそれぞれ対応するようにLスティック14Lへの操作方向は適宜の基準により二種類に区分されてもよい。二種類の区分は、例えば水平方向を基準に上側と下側との二種類等、適宜に実現されてよいが、一例として守備側の選手PLの進行方向と直交する方向を基準に進行方向側と逆方向側との二種類に区分される。この場合、押す動作の方向、及び引っ張る動作の方向は更に別の条件に基づいて決定されてもよいが、一例として押す動作の場合は進行方向に、引っ張る動作の場合はその逆方向に、それぞれ決定される。つまり、進行方向側か、逆方向側かの二種類の操作に応じて進行方向側に押す操作か、逆方向側に引っ張る動作かの二種類の相手移動動作が実行されてもよい。
【0063】
上述の形態では、ゲーム装置2は据置型のゲーム機として構成されている。しかし、本発明のゲーム装置2は、これに限定されず、上述のとおり各種のコンピュータ装置であってよい。そして、そのようなゲーム装置2に設けられ得る各種の入力装置、及びそこに入力される各種の操作が本発明の入力装置、及び追加操作として利用されてよい。
図9、及び
図10は、それぞれゲーム装置2として携帯電話(スマートフォン)が利用される場合の追加操作、及び携帯型ゲーム機が利用される場合の追加操作をそれぞれ説明するための説明図である。
【0064】
具体的には、
図9の例は、携帯電話のタッチパネルが入力装置として利用され、そこへのタッチ操作が追加操作として利用される場合を示している。また、
図9の例は、携帯電話のディスプレイがモニタ7として、携帯電話内部に設けられるCPU等が制御ユニット21(コンピュータ)として、それぞれ機能し、携帯電話のディスプレイとタッチパネルとは制御ユニット21に携帯電話の内部で接続される。また、
図9の例は、そのような携帯電話に表示されるタッチ操作用の全体画面50Aの一例を模式的に示している。
図9に示すように、
図3の例の全体画面50に比べて、タッチ操作用の全体画面50Aでは、第1指示ボタン56~第4指示ボタン59までの四つの指示ボタンが追加されている。なお、
図9の例では、情報部53、及びマップ54の表示が省略されているが、タッチ操作用の全体画面50Aはこれらを含んでいてもよい。
【0065】
第1指示ボタン56~第4指示ボタン59までの四つの指示ボタンは、いずれも選手PLに対する動作(行動)を指示するためのタッチ操作が実行されるべき領域である。第1指示ボタン56~第4指示ボタン59には各種の動作が適宜に割り当てられてよいが、一例としてチャージ動作は第1指示ボタン56に割り当てられる。このため、第1指示ボタン56は、コントローラ6のL2スボタン15L2に対応する操作部として機能する。さらに、第1指示ボタン56は、方向指示用の操作部としても機能する。具体的には、第1指示ボタン56へのタッチ操作を継続することで守備側の選手PLの動作が手動動作からチャージ動作(自動動作)に切り替わり、そのまま第1指示ボタン56に対して適宜の方向にスライド操作(タッチ操作を維持した状態でスライドさせる操作)が実行されると、そのスライド操作の方向に攻撃側の選手PLを移動させるような相手移動動作が実行される。つまり、第1指示ボタン56へのスライド操作が追加操作として機能し、そのスライド操作に応じた相手移動動作が実行される。このため、例えば上方にスライド操作が実行された場合には、奥側に攻撃側の選手PLを押すような相手移動動作が実行される。そして、
図5の例と同様に第1指示ボタン56に方向矢印DAで示す八方向のスライド操作が実行される場合、これらのそれぞれが追加操作として機能し、それらの八方向に対応する相手移動動作が実現される。なお、シールディング動作は第2指示ボタン57等の他の指示ボタンに割り当てられてもよいが、一例として同じ第1指示ボタン56に対するダブルタップ操作(二回連続してタップする操作)に割り当てられる。つまり、コントローラ6が入力装置として利用される場合と異なり、シールディング動作はチャージ動作とは異なる操作によって実現される。
【0066】
図10の例は、タッチパネルに対する
図9の例とは別のタッチ操作が追加操作として利用される場合を示している。また、
図10の例は、そのような変形例に係るタッチ操作用の全体画面50Bの一例を模式的に示している。
図10に示すように、
図9の例のタッチ操作用の全体画面50Aに比べて、変形例に係るタッチ操作用の全体画面50Bでは、第1指示ボタン56~第4指示ボタン59が省略される。なお、
図10の例でも、
図9の例と同様に情報部53、及びマップ54の表示が省略されているが、タッチ操作用の全体画面50Aはこれらを含んでいてもよい。
【0067】
一方で、変形例に係るタッチ操作用の全体画面50Bには、方向指示が実行されるべき領域、及び動作が指示されるべき領域の少なくとも二つの領域が形成される。このような二つの領域は適宜に形成されてよいが、
図10の例では略中央付記において左画面50B1、右画面50B2の二つに区分され、これらの左画面50B1、及び右画面50B2により二つの領域が形成されている。なお、
図10の例では説明の便宜のために左画面50B1、及び右画面50B2の二つの領域を示す境界線が表示されているが、このような境界線の表示は省略されてもよい。
【0068】
左画面50B1は、方向を指示するためのタッチ操作が実行されるべき領域である。左画面50B1はコントローラ6のLスティック14Lに対応する操作部として機能し、同様の方向に関する指示が入力される。具体的には、左画面50B1のいずれの場所に対してもスライド操作が許容され、その任意の場所に対するスライド操作が追加操作として機能する。一方、右画面50B2は、選手PLに対する動作(行動)を指示するためのタッチ操作が実行されるべき領域である。具体的には、右画面50B2はその全領域が
図9の例の第1指示ボタン56と同様に機能し、任意の場所におけるスライド操作(方向は不問)がチャージ動作の指示として機能する。このため、右画面50B2に対するスライド操作を維持した状態(スライド操作の終点においてタッチ操作を継続した状態)で左画面50B1の任意の場所でスライド操作が実行されると、その左画面50B1におけるスライド操作の方向に攻撃側の選手PLを移動させるような相手移動動作が実行される。つまり、左画面50B1へのスライド操作が追加操作として機能し、そのスライド操作に応じた相手移動動作が実行される。このため、
図5の例と同様に左画面50B1の任意の位置において方向矢印DAで示す八方向のスライド操作が実行される場合、これらのそれぞれが追加操作として機能し、それらの八方向に対応する相手移動動作が実現される。なお、シールディング動作は一例として左画面50B1の任意の位置へのダブルタップ操作により実現される。このため、シールディング動作はやはりチャージ動作とは異なる操作によって実現される。
【0069】
また、上述の形態では、ゲーム装置2が
図7~
図8の処理を実行している。結果として、ゲーム装置2の単体(あるいはゲーム装置2の制御ユニット21単体)が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム装置2の役割(例えば
図7~
図8の処理等)の全部或いは一部をサーバ3が実行してもよい。例えば
図7~
図8の処理の全部をサーバ3が実行する場合、サーバ3単体(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、その反対にサーバ3の役割の全部、又は一部をゲーム装置2が実行してもよい。この場合、サーバ3は省略されてもよい。
【0070】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0071】
本発明のコンピュータプログラムは、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ(PL)、及び守備キャラクタ(PL)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(7)と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置(6)と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステム(5)に組み込まれるコンピュータ(21)を、前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手段(25)、及び前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手段(25)として機能させるものである。
【0072】
本発明によれば、自動制御の守備動作の最中において守備キャラクタが攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に追加操作が実行された場合に、その追加操作が守備キャラクタの動作に反映され、守備キャラクタは追加動作を実行する。これにより、そのような追加操作を利用して、自動制御の守備動作にユーザの技量差が生じる余地を増やすことができる。
【0073】
ゲームシステムは、攻撃キャラクタ及び守備キャラクタを含む各種のゲームを適宜に提供してよい。例えば、ゲームシステムは、サッカーゲーム、バスケットボールゲーム、或いはボクシングゲームといったアクションゲーム(スポーツゲーム)を提供してもよい。そして、追加動作は、これらの各種のゲームにおいて守備キャラクタが実行可能な適宜の動作であってよい。例えば、バスケットボールゲームにおいてディフェンス選手(守備キャラクタ)がオフェンス選手(攻撃キャラクタ)に一定の距離を保ちつつ移動する守備動作が自動制御にて実行されている最中においてボールに手を伸ばす動作が追加動作として実行されてもよい。サッカーゲームにおいても同様である。あるいは、ボクシングゲームにおいて一方の選手(守備キャラクタ)が他方の選手(攻撃キャラクタ)から受ける連打を自動制御にてガードしている最中においてクリンチする動作、或いはパンチを出す動作が追加動作として実行されてもよい。このようにゲームの種類等に応じた各種の動作が適宜に追加動作として機能してよい。例えば、本発明のコンピュータプログラムの一態様において、前記動作制御手段は、前記攻撃キャラクタを所定方向に移動させるための移動動作を前記追加動作として前記守備キャラクタに実行させてもよい。
【0074】
また、追加動作として移動動作が採用される場合において、その移動動作に伴い攻撃キャラクタと守備キャラクタとの間の相対的な距離は変化してもしなくてもよい。つまり、移動動作は、攻撃キャラクタと守備キャラクタとの間の距離が遠くなったり近くなったりするように生じても、攻撃キャラクタと守備キャラクタとの間の距離が維持されるように攻撃キャラクタとともに守備キャラクタも移動するように生じてもよい。具体的には、例えば、追加動作として移動動作が実行される態様において、前記動作制御手段は、前記攻撃キャラクタと前記守備キャラクタとの間の相対的な距離を変化させる動作を前記移動動作として前記守備キャラクタに実行させてもよい。
【0075】
ゲームに用意される追加操作は、一種類であっても複数種類であってもよい。例えば、所定の追加動作に関連付けられる一つの押しボタンが設けられる場合に、その押しボタンへの押す操作が追加操作として機能し、その押しボタンが押された場合に所定の追加動作が実行されてもよい。あるいは、一つの押しボタンを一度押す操作と、二度連打する押す操作とは別種の操作としてそれぞれ別々の追加動作に関連付けられ、それらの一度押す操作、及び二度連打する押す操作のうち実行された操作に対応する追加動作が実行されてもよい。当然、複数の押しボタンが設けられ、それぞれの押しボタンを押す操作が別種の操作として別々の追加動作に関連付けられてもよい。また、入力装置は押す操作を入力する構成に限定されない。例えば、入力装置には方向指示型の操作部が設けられ、その操作部に指示可能な複数の方向のそれぞれに別々の追加操作が関連付けられてもよい。つまり、方向指示型の操作部に対する異なる方向の指示が別々の種類の追加操作として機能してもよい。あるいは、入力装置としてユーザの動作を検出するカメラ等の検出装置が利用され、右手を上げる動作、或いは左手を上げる動作といった各種の動作がそれぞれ別々の種類の追加操作として機能してよい。つまり、動作(表情や目の動きを含む)を含むユーザの指示を検出可能な各種の装置が入力措置として機能してよく、それらの装置に応じた適宜の操作が追加操作として利用されてよい。
【0076】
具体的には、例えば、追加動作として移動動作が実行される態様において、前記追加操作は、異なる方向にそれぞれ対応する二以上の追加操作を含み、前記移動動作は、前記二以上の追加操作にそれぞれ関連付けられる二以上の移動動作を含み、前記動作制御手段は、前記二以上の追加操作のうち実行された追加操作に応じて当該追加操作に対応する方向に前記攻撃キャラクタを移動させるように、当該追加操作に対応する移動動作を前記守備キャラクタに実行させてもよい。また、この態様において、前記複数の操作は、複数の方向をそれぞれ指示する複数の方向指示操作を含み、前記二以上の追加操作として、前記複数の方向指示操作が利用され、前記動作制御手段は、前記複数の方向指示操作のうち実行された方向指示操作に対応する方向に前記攻撃キャラクタを移動させるように、当該方向指示操作に対応する移動操作を前記守備キャラクタに実行させてもよい。
【0077】
守備キャラクタ、及び攻撃キャラクタは、ゲームシステムが提供するゲームに応じて車、或いは馬等の各種動物といった各種の物を含む適宜のオブジェクトであってよい。当然、人型のキャラクタが守備キャラクタ等として機能してもよい。特別条件は、これらのキャラクタの特性等に応じて適宜に設定されてよい。例えば、特別条件は、単に守備キャラクタと攻撃キャラクタとの間に特定の位置関係(距離を含む)が形成された場合に満たされてもよい。あるいは、守備キャラクタ等が位置関係に応じて所定の動作を実行してもよく、特別条件はその動作に基づいて満たされてもよい。例えば、守備キャラクタは、追加動作の実行前に追加動作のための適宜の予備的な動作(追加動作の実行を通知するための動作を含む)を実行してもよく、その予備的な動作が実行された場合に特別条件が満たされてもよい。つまり、予備的な動作の有無(開始及び完了の概念のある動作の場合、例えばその動作の完了時に予備的な動作ありと判断されてよい)が特別条件として利用されてよい。具体的には、例えば、追加動作として移動動作が実行される態様において、前記守備キャラクタ、及び前記攻撃キャラクタとして、いずれも人型のキャラクタ(PL)がそれぞれ利用され、前記守備動作は、前記守備キャラクタと前記攻撃キャラクタとの間の距離が一定距離以内において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタに向かって手を伸ばす動作を含み、前記特別条件は、前記手を伸ばす動作に伴い前記守備キャラクタの手が前記攻撃キャラクタに届いた場合に満たされ、前記動作制御手段は、前記守備キャラクタの手を使って前記攻撃キャラクタを移動させる動作を前記移動動作として前記守備キャラクタに実行させてもよい。
【0078】
また、例えば、本発明の一態様において、前記ゲーム画面は、前記攻撃キャラクタと前記守備キャラクタとの間で奪い合う対象として機能するボール(BI)を含み、前記ゲームとして、前記攻撃キャラクタ、及び前記守備キャラクタがそれぞれ属する二つのチーム間で前記ボールの有無に応じて攻守の役割が切り替えられるように対戦するサッカーゲームが提供されてもよい。さらに、この態様において、前記守備動作は、前記攻撃キャラクタと前記ボールとの間に割り込むように前記守備キャラクタを移動させる割り込み動作を含んでいてもよい。この場合、サッカーゲームにおいて自動制御で実行される割り込み動作にユーザの技量差が生じる余地を増やすことができる。実際のサッカーゲームでも同様の割り込み動作が実行されるが、そこには良いポジショニングのために肩や手などを相手に接触させるチャージが伴われる場合が多い。このため、特にサッカーゲームにおいて追加動作として移動動作が実行される場合には、このようなチャージに対応する動作を再現することができる。これにより、技量差が生じる余地の増加のみならず、リアリティの向上も図ることができる。
【0079】
一方、本発明のゲームシステムは、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ(PL)、及び守備キャラクタ(PL)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(7)と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置(6)と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステム(5)であって、前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手段(25)と、前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手段(25)と、を備えるものである。
【0080】
また、本発明の制御方法は、攻守の役割をそれぞれ担う攻撃キャラクタ(PL)、及び守備キャラクタ(PL)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(7)と、前記ゲーム画面において前記守備キャラクタを動作させるための操作としてユーザによって実行される複数の操作を入力する入力装置(6)と、に接続され、前記複数の操作のうち特定の操作が実行された場合に所定の守備動作を前記守備キャラクタに所定の規則に従って自動で実行させるゲームを提供するゲームシステム(5)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記守備動作の最中において前記守備キャラクタが前記攻撃キャラクタとの間の位置に関連する特別条件を満たした後に前記複数の操作のいずれかの操作の入力が前記入力装置に実行された場合に当該入力の結果を取得する結果取得手順と、前記入力の結果に基づいて前記操作が前記守備動作に追加可能な追加動作に関連付けられた追加操作と判別される場合に、当該追加操作が前記守備キャラクタの動作に反映されるように、前記守備キャラクタに前記追加動作を実行させる動作制御手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0081】
2 ゲーム装置
5 ゲーム機本体(ゲームシステム)
6 コントローラ(入力装置)
7 モニタ(表示装置)
21 制御ユニット(コンピュータ)
25 表示制御部(結果取得手段、動作制御手段)
50 全体画面(ゲーム画面)
BI ボール
PG ゲームプログラム(コンピュータプログラム)
PL 選手(攻撃キャラクタ、守備キャラクタ、人型のキャラクタ)