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特開2023-59242熱輸送流体冷却回路を装備した電子システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059242
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】熱輸送流体冷却回路を装備した電子システム
(51)【国際特許分類】
   H01J 23/00 20060101AFI20230419BHJP
   H01J 25/00 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
H01J23/00 B
H01J25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022155998
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】2110917
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・レッジエリ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・ルグラン
(72)【発明者】
【氏名】ロドルフ・マルシュザン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーア・アッリオ
(72)【発明者】
【氏名】ローザ・ディフォンツォ
(72)【発明者】
【氏名】ラウラ・サルボディ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱輸送流体冷却回路を装備した電子システムを提供する。
【解決手段】電子システムであって、-外部ジャケット(11)と、-冷却すべき内部キャビティ(13)の壁(12)と、-冷却すべき内部キャビティ(13)の外壁(12)を外部ジャケットに固定する少なくとも1つの固定接続と、-内部キャビティ(13)の壁(12)の外面(16)上に溝(15)と、内部キャビティ(13)の外壁(12)の外面(16)と同一平面に位置し、それにより、上記溝(15)との小管(19)を形成する可撓性部(18)を備えるスリーブ(17)とを備える、熱輸送流体冷却回路(14)と、-スリーブ(17)を所定位置に保持することを意図した接続点を作り出す内部キャビティ(13)の壁(12)の周方向延長部と、-スリーブ(17)の可撓性部(18)における外部ジャケット(11)とスリーブ(17)との間の空間(20)と、を備える電子システム。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子システムであって、
-外部ジャケット(11)と、
-冷却すべき内部キャビティ(13)の壁(12)と、
-冷却すべき前記内部キャビティ(13)の前記外壁(12)を前記外部ジャケット(11)に固定する少なくとも1つの固定接続と、
-前記内部キャビティ(13)の前記壁(12)の外面(16)上に溝(15)と、前記内部キャビティ(13)の前記外壁(12)の前記外面(16)と同一平面に位置し、それにより、前記溝(15)との小管(19)を形成する可撓性部(18)を備え、非ゼロ縦方向構成要素を有するスリーブ(17)とを備え、前記可撓性部(18)は、前記可撓性部(18)の連続した第2の部分の第2の厚さよりも大きな第1の厚さの第1の端部分(18a)を備え、前記第2の部分(18b)は、前記第1及び第2の厚さよりも大きな第3の厚さを有する前記スリーブ(17)の第3の部分(17c)と連続し、前記外部ジャケット(11)の外部に位置するジャケット(23)と接触する、熱輸送流体冷却回路(14)と、
-前記スリーブ(17)を所定位置に保持するように構成された接続点(20a)を作り出す前記内部キャビティ(13)の前記壁(12)の少なくとも1つの周方向延長部と、
-前記スリーブ(17)の前記可撓性部(18)における前記内部キャビティ(13)の前記外壁(12)と前記スリーブ(17)との間の空間(20)と、
を備える電子システム。
【請求項2】
前記第1の厚さは前記第2の厚さの少なくとも2倍であり、前記第3の厚さは前記第2の厚さの少なくとも2倍である、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
縦方向並進に関して、前記スリーブ(17)及び前記内部キャビティ(13)の前記壁(12)を接続する少なくとも3つの接続点(20a)を備える、請求項1又は2に記載の電子システム。
【請求項4】
接続点(20a)は、ロウ付け、溶接、且つ/又は熱収縮接続を含む、請求項3に記載の電子システム。
【請求項5】
前記外部ジャケット(11)に拡張可能ベロー(21)を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項6】
入口(25)から前記小管(19)への熱輸送流体の経路が最大化されるように、前記外部ジャケットの開口部に、前記外部ジャケット(11)と前記スリーブ(17)との間の前記空間への前記冷却回路(14)の少なくとも1つの前記入口(25)を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項7】
小管(19)は直線又は湾曲である、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項8】
小管(19)は円形、半円形、又は矩形の断面を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項9】
前記外部ジャケット(11)の前記外部に位置する前記ジャケット(23)を備えた熱輸送流体分配器(22)を備え、それにより、前記外部ジャケット(11)と前記スリーブ(17)との間の前記空間への前記外部ジャケット(11)の開口部への幾つかの入口(25)の上に位置する熱輸送流体チャンバ(24)を形成する、請求項4と組み合わせた請求項1~8のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項10】
前記熱輸送流体分配器(22)の前記入口(25)は、前記外部ジャケット(11)上に円形に配置される、請求項9に記載の電子システム。
【請求項11】
前記入口(25)は、矩形、円形、正方形、及び/又は半円形である、請求項10に記載の電子システム。
【請求項12】
小管(19)を形成する溝(15)は多孔性媒体を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項13】
前記外部ジャケット(11)は、セラミック系又は金属系の多孔性材料の層を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項14】
前記内部キャビティ(13)の前記壁(12)は、セラミックアルミナ粒子と混合された銅を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項15】
前記スリーブ(17)は、銅又はセラミックアルミナ粒子と混合された銅を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の電子システム。
【請求項16】
共振キャビティ、電子真空管、又はジャイロトロンである、請求項1~15のいずれか1項に記載の電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱輸送流体冷却回路を装備した電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が適用される技術分野は電子デバイス技術である。本発明は、高熱条件を受ける要素の高性能冷却システム、特にジャイロトロンの共振キャビティを冷却する高性能冷却システムの必要性を満たす。
【0003】
真空管の共振キャビティとの臨界レベルに加熱された電子デバイスの要素の熱膨張を制限するために、低熱膨張の合金が、そのような要素の作製に使用される。最も大きく影響を受けるデバイスは、メガワットのオーダの電力レベルでミリ波を使用して動作するジャイロトロン及びサイクロトロン自動共振メーザ(CARM)である。
【0004】
これには数kW/cmの熱負荷の管理が付随する。加熱された壁と熱輸送冷却流体流との間の距離は、冷却を改善するに当たり重要な役割を果たす:この距離が小さいほど、ホットスポットの温度が下がる程度が大きい。逆に、最小許容厚は、真空気密度tvを提供する厚さである。最も有効な既存の冷却解決策は、ラシヒリング、略してRR及び多孔性媒体熱交換、略してPHに基づく、
【0005】
これらの技術は、熱応力と周方向膨張との間の極めて重要な妥協及び温度の方位不均質性によって制限される。多孔性媒体の可撓性は、設計者に除熱と機械的安定性との間の妥協に達するように強いる:冷却される要素の壁が薄すぎる場合、その熱膨張は大きすぎることがあり、その機械的安定性はひどく悪影響を受ける。壁が厚すぎる場合、熱交換は、加熱面と熱輸送流体流との間の厚い壁の存在によって制限される:この態様は熱伝達を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、過酷な熱条件を受ける要素の高性能冷却システムを開発することを目的とする。
【0007】
提案される本発明は、熱機械的変形を最小化するために、増大し続ける冷却能力を要求するリアル電子及び電気サブシステム、システム、及びデバイスの高効率冷却要件を満たす。冷却される物体の内面のそのような変形は、動作周波数の変動及び電子デバイスの出力の潜在的低下に繋がる。
【0008】
電子デバイスの極めて重要なサブ組立体では、有効な冷却がアノード(格子付き管)、コレクタ(クライストロン及びTWT)、及びキャビティ(ジャイロトロン及びCARM)に適用される必要がある。最良性能の真の熱交換器は現在、多くの場合は水である流体を使用して動作する。
【0009】
熱輸送流体の目的は、加熱された表面の温度を下げることである。熱は流体を加熱し、冷却回路にこの流体を流すことによって除去される。これは、加熱された要素と熱輸送流体との間の熱伝導の効率を上げ、それと同時に加熱された表面に熱輸送流体を可能な限り近い状態に保つことによって達成することができる。
【0010】
小管を使用して、これらの欠点を部分的に軽減することが特に知られた実施であるが、これらは大きな機械的応力を生じさせる。
【0011】
小管を使用した既知の冷却解決策は幾つかの欠点による影響を受け、幾つかの欠点は、材料が塑性変形及びひび割れを受ける傾向が高くなる許容限度をはるかに超えた、キャビティに誘導される機械的応力に関して大きな機械的問題を生じさせる。
【0012】
これらの解決策は多くの場合、一般に異なる材料から作られる2つ以上の要素を採用する:外部要素で囲まれた内部要素。文献で提案されている実際の小管回路は、生成される場合、小管が材料の1つのブロックにおける直線の管として実施されるか、又は2つの別個のブロックのうちの一方に穿孔されると仮定している。
【0013】
図1]に模式的に示すように、材料の単一ブロックの場合、単一ブロック2に生成された網状になった直線小管1を採用することが既知の実施である。このブロック2は多くの場合、軸方向座標に沿って3つの異なるゾーンに2つの異なる外径を有する中空円筒体で形成される中空軸対称構造で作られる:側方ゾーンではより小さな外径及び小管1を含む中央ゾーンではより大きな直径。
【0014】
この構成において、小管1と冷却される加熱された壁との間には特定の距離が必要とされ、その理由は、軸方向座標に沿った管の経路の湾曲が許されないためである。この距離は大きな熱抵抗を生じさせ得る。
【0015】
管をフライス加工し穿孔する動作には直線機械加工経路が関わるため、冷却される要素が非円筒形内部形状を有する場合(例えばジャイロトロンキャビティは円錐形である)、小管1を加熱された壁から一定距離(長さに沿って)に配置することができず、その理由は、傾斜する要素上の直線小管は、小管に沿った種々のポイントでキャビティから異なる距離にあるためである。その結果、非均一な冷却が生じる。
【0016】
加熱された壁と熱輸送流体流との間の距離は、要素の作成に必要とされる中間材料の存在によって制限され、この距離は、真空気密度tvによって制限される厚さまで短縮することができない。
【0017】
複数のブロックの場合、これらのブロックを一緒にロウ付け又は接合することによって別個の要素を組み立てることによって採用される他の解決策が知られている。多くの場合、必要とされるのは2つのブロックのみである。内部ブロックは一般に、熱せられる表面を有し、外部ブロックが内部ブロックを囲む。2つのブロックを使用すると、以下の欠点が関わる傾向が高まる。
【0018】
図2]に示すように、ブロック3と4との間の接触不完全性が、熱インピーダンスとして作用する。ロウ付け材料又は接着材料5が、例えばロウ付け材料又は接着材料の円形延在の使用を通して、限られた領域に配置される場合、2つ(又は3つ以上)のブロック3と4との間の残りの部分の接触は不完全な接触を生じさせ、したがって、回避不可能な接触熱抵抗に繋がる。
【0019】
図3]に示すように、これらのブロック3と4との間に介在するロウ付け材料6の存在は以下の2つの欠点を示す。合金が小管1の下に平面全体にわたって存在する場合、エッジ効果が境界で生じ、熱抵抗のように作用して熱除去を制限する。さらに、ブロック3と4との間のロウ付け材料6の存在は、特定の小管1を詰まらせる製造リスクをもたらし、このリスクを下げるために、小管1の数の制限が促される。
【0020】
ロウ付けのこれら2つの事例の両方で、これらの回路は、特に単一の要素を穿孔することにより又は小管を閉じる同軸外部要素内部に挿入される同軸内部要素の外面をフライス加工することにより、材料の閉じられた領域において実施される必要がある。したがって、機械加工の限界により、曲線等の複雑な形状を有する小管1を生成することは可能ではない。付加製造技法は、湾曲外形という問題を解消することができるが、従来技術では、付加製造技法を使用して堆積した材料は、問題となっている要素が熱せられると、寸法に課された所望の設計許容範囲を基準にして、熱膨張の特定の応力に耐えることができない。そうでなければ、大きな熱膨張を示し得、又は粗度要件及び導電性要件を満たすことができないことがある。したがって、高温条件下で、この付加製造技法は使用できない。
【0021】
いずれの場合でも、小管1を囲む構造4は、内部ブロックの熱膨張に逆らう機械的応力を及ぼし、機械的応力を生じさせる。
【0022】
小管と、直接熱せられる壁との間の最小距離は、冷却される要素の機械的安定性を制限し得、熱抵抗を下げるために、冷却流は、加熱された壁の可能な限り近くを循環する必要がある。その場合、小管と冷却される壁との間の材料の最小厚は、必要な剛性を提供することができず、望ましくない変形が生じる恐れがある。小管が、冷却される壁に徐々に近づくにつれて、材料のブロックのサイズは低下し、システム全体に機械的剛性の欠如及び安定性の欠如を生じさせる。機械的安定性を保証する最小距離tMが、熱せられる壁と冷却される壁との間に介在する必要がある。したがって、真空気密度tvによって制限される厚さを達成することができず、熱伝導が低下する。
【0023】
小管は、冷却される円筒形物体の全長に沿って延在し、軸方向分布において非常に顕著なスパイクを示す熱負荷の場合、軸方向温度プロファイルの不均質性を生じさせる。これは、急な軸方向温度勾配の結果として、構造に機械的応力を生じさせる。
【0024】
小管の直線外形は、流体流と熱せられる表面との間に一定の距離を生じさせる。小管に沿って均一ではない熱負荷が存在する場合、熱せられる表面上の温度スパイクを最小化することは可能ではない。
【0025】
図4]は、内部キャビティ9及びスリーブ10の壁8の外面上の溝7によって形成される小管1の従来技術を示す。
【0026】
図5]及び[図6]も[図4]の実施形態の他の図を示す。
【0027】
全ての場合において、冷却される要素9の両端部に接続された構造10は、内部要素9の熱膨張に逆らう機械的応力を軸方向において及ぼし、機械的応力を生じさせる。
【0028】
全ての場合において、特定の位置に配置された単一の熱輸送流体入口は、入口自体の近傍で熱輸送流体を高速化させる。熱輸送流体の速度は、入口から離れるにつれて下がる。その結果、熱輸送流体入口から離れた熱の交換は低下し、冷却される要素の温度は方位不均質である。
【0029】
本発明の目的は、上記問題を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
提案される本発明は、適用することができる要素の冷却及び熱機械的堅牢性を改善しようとする。例えば、この解決策は、キャビティ、コレクタ、及び冷却されるあらゆる要素に適用することができる。
【0031】
あらゆるジオメトリックレイアウトの冷却される要素が、提案される本発明から恩恵を受け得、円柱形、正方形、又は円錐形ジオメトリ、及び円錐台形ジオメトリが、小管がルーティングされた冷却回路を適用することができる物体を形成し得る。
【0032】
この解決策は、電子管又は固体状態及び受動素子の両方での粒子加速器に等しく適用することができる。本発明が特に適用可能なデバイスはジャイロトロンである。
【0033】
本発明の一態様は、電子システムであって、
-外部ジャケットと、
-冷却すべき内部キャビティの壁と、
-冷却すべき内部キャビティの外壁を外部ジャケットに固定する少なくとも1つの固定接続と、
-内部キャビティの壁の外面上に溝と、内部キャビティの外壁の外面と同一平面に位置し、それにより、上記溝との小管を形成する可撓性部を備え、非ゼロ縦方向構成要素を有するスリーブとを備え、可撓性部は、可撓性部の連続した第2の部分の第2の厚さよりも大きな第1の厚さの第1の端部分を備え、第2の部分は、第1及び第2の厚さよりも大きな第3の厚さを有するスリーブの第3の部分と連続し、外部ジャケットの外部に位置するジャケットと接触する、熱輸送流体冷却回路と、
-スリーブを所定位置に保持することを意図した接続点を作り出す内部キャビティの壁の少なくとも1つの周方向延長部と、
-スリーブの可撓性部における内部キャビティの外壁とスリーブとの間の空間と、
を備える電子システムを提案する。
【0034】
一実施形態によれば、第1の厚さは第2の厚さの少なくとも2倍であり、第3の厚さは第2の厚さの少なくとも2倍である。
【0035】
一実施形態において、本システムは、縦方向並進に関して、スリーブ及び内部キャビティの壁を接続する少なくとも3つの接続点を備える。
【0036】
一実施形態によれば、接続点は、ロウ付け、溶接、且つ/又は熱収縮接続を含む。
【0037】
一実施形態において、本システムは外部ジャケットに拡張可能ベローを備える。
【0038】
一実施形態によれば、本システムは上記入口から小管への熱輸送流体の経路が最大化されて均質性を上記空間中の流体の軸方向速度に導入するように、外部ジャケットの開口部に、外部ジャケットとスリーブとの間の空間への冷却回路の少なくとも1つの入口を備える。
【0039】
一実施形態において、小管は直線又は湾曲である。
【0040】
一実施形態によれば、小管は円形、半円形、又は矩形の断面を有する。
【0041】
一実施形態において、本システムは、外部ジャケットの外部に位置するジャケットを備えた熱輸送流体分配器を備え、それにより、外部ジャケットとスリーブとの間の空間への外部ジャケットの開口部への幾つかの入口の上に位置する熱輸送流体チャンバを形成する。
【0042】
一実施形態によれば、熱輸送流体分配器の上記入口は、外部ジャケット上に円形に配置される。
【0043】
一実施形態において、入口は、矩形、円形、正方形、及び/又は半円形である。
【0044】
一実施形態によれば、小管を形成する溝は多孔性媒体を含む。
【0045】
一実施形態によれば、外部ジャケットは、セラミック系又は金属系の多孔性材料(例えばタングステン若しくはレニウム発泡体又はultramet(登録商標))の層を含む。
【0046】
一実施形態において、内部キャビティの壁は、セラミックアルミナ粒子と混合された銅、特にGlidcop(登録商標)を含む。
【0047】
一実施形態によれば、本システムは共振キャビティ、電子真空管、又はジャイロトロンである。
【0048】
本発明は、全体的に非限定的な例によって説明され、添付図面によって示される幾つかの実施形態を研究することからよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】従来技術からの小管によって冷却される電子システムを模式的に示す。
図2】従来技術からの小管によって冷却される電子システムを模式的に示す。
図3】従来技術からの小管によって冷却される電子システムを模式的に示す。
図4】従来技術による、内部キャビティ及びスリーブの壁の外面上の溝によって形成される小管を有する電子システムを模式的に示す。
図5】従来技術による[図4]のシステムの別の図を模式的に示す。
図6】従来技術による[図4]のシステムの別の図を模式的に示す。
図7】本発明の一態様による、内部キャビティ及びスリーブの壁の外面上の溝によって形成される小管を有する電子システムを模式的に示す。
図8】本発明の一態様による[図7]のシステムの別の図を模式的に示す。
図9】本発明の一態様による[図7]のシステムの別の図を模式的に示す。
図10】本発明の一態様による、横断面における小管の経路の例を模式的に示す。
図11】本発明の一態様による小管の断面の例を模式的に示す。
図12】本発明の一態様による熱輸送流体分配器の存在を模式的に示す。
図13】本発明の一態様による小管の細部を模式的に示す。
図14】本発明の一態様による小管の断面を模式的に示す。
図15】本発明の一態様による熱輸送流体分配器の例示的な一実施形態を模式的に示す。
図16】本発明の一態様による[図15]の分配器の断面図を模式的に示す。
図17】本発明の一態様による[図15]の分配器の内部の図を模式的に示す。
図18】本発明の一態様による熱負荷スパイクの進化を模式的に示す。
図19】本発明の一態様による熱負荷の縦方向効果を模式的に示す。
図20】本発明の一態様による熱負荷の横断方向効果を模式的に示す。
図21】本発明の一態様による熱負荷の横断方向効果を模式的に示す。
図22】本発明の一態様による小管における多孔性媒体の存在を模式的に示す。
図23】本発明の一態様による、小管における多孔性媒体の存在がある状態及びない状態の実施形態間の違いを模式的に示す。
図24】本発明の一態様によるシステムの一実施形態を模式的に示す。
図25】本発明の一態様によるシステムの一実施形態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図の全てにわたり、同一の参照番号を有する要素は同様である。
【0051】
図7]、[図8]、及び[図9]に示すように、提案される電子システムは、
-外部ジャケット11と、
-冷却すべき内部キャビティ13の壁12と、
-冷却すべき内部キャビティ13の外壁12を外部ジャケット11に固定する少なくとも1つの固定接続5と、
-内部キャビティ13の外壁12の外面16上に溝15と、内部キャビティ13の外壁12の外面16と同一平面に位置し、それにより、上記溝15との小管19を形成する可撓性部18を備え、非ゼロ縦方向構成要素を有するスリーブ17とを備え、可撓性部18は、可撓性部18の連続した第2の部分の第2の厚さよりも大きな第1の厚さの第1の端部分18aを備え、第2の部分18bは、第1及び第2の厚さよりも大きな第3の厚さを有するスリーブ17の第3の部分17cと連続し、外部ジャケット11の外部に位置するジャケット23と接触する、熱輸送流体冷却回路14と、
-スリーブ17を所定位置に保持することを意図した接続点を作り出す内部キャビティ13の壁12の少なくとも1つの周方向延長部と、
-スリーブ17の可撓性部18における内部キャビティ13の外壁12とスリーブ17との間の空間20と、
を備える。
【0052】
スリーブは圧入される円筒形構成要素である。
【0053】
好ましくは、第1の厚さは第2の厚さの少なくとも2倍であり、第3の厚さは第2の厚さの少なくとも2倍である。
【0054】
電子システムは、縦方向並進に関して、スリーブ17及び内部キャビティ13の壁12を接続する少なくとも3つの接続点又は1つの連続接続を備える。接続点20a又は連続接続は、ロウ付け、溶接、且つ/又は熱収縮接続を含み得る。例えば、周方向延長部は、ピン、例えば4つのピン20aを使用して又は開口部を含む連続周方向延長部を用いて生成し得る。
【0055】
電子システムは、外部ジャケット11に拡張可能ベロー21を備え得る.熱輸送流体は水、空気、又は油を含み得る。
【0056】
小管19を有する冷却回路は、円形の場合、典型的には直径0.2mm~2mmであり、又は断面積π/100mm~πmmの網状になった小型の小管19を含み、それを通って、内部キャビティ13の冷却に使用される熱輸送流体が循環する。熱輸送流体流と内部キャビティの壁との間の距離は、真空気密度tvを保証する最小距離まで最小化することができる。
【0057】
小管19の短い長さは、管への入口に起因し、入口は、熱負荷スパイクに対応して配置する必要がある。これにより、小管19への非常に高速の入口が可能になり、結果として、熱輸送係数は、厳密にはピークが必要とされるゾーン(最大熱負荷が存在するゾーン)における熱輸送流体の経路の残りの部分に対応する、小管の残りの部分よりも高くなる。この設計の結果として、温度プロファイルは軸方向座標に沿って平ら又は一定になり、その理由は、冷たい流体のジェットが熱負荷の最大に向けられるためである。その結果、よりよい冷却により、材料の熱膨張を低くすることができ、材料がスリーブ17に対して付与する膨張力は低く、したがって、スリーブ17が受ける機械的応力が低くなる。短い小管の別の利点は、小管の長さにわたって分布する圧力降下の有意な低下であり、したがって、回路における全体総圧力降下が低下し、特に従来技術と比較して圧力降下は半分になる(約45~55l/分の流体流量で5~6バールの代わりに2~3バール)。
【0058】
これらの小管は2つの異なる要素間に生成される:恐らくは異なる2つの材料で作られる:典型的には16μm/m.K~17μm/m.Kの(一般にセラミックアルミナ粒子と混合された銅で作られる)低熱膨張係数を有する内部キャビティ13及び典型的には17.5μm/m.K~18μm/m.Kの(一般に銅で作られる)高熱伝導率のスリーブ17。
【0059】
同軸外部要素又はスリーブ17は、同軸内部要素又は内部キャビティ13の熱膨張を伴う空の可撓性外部構造の形態で実施され、構造に誘導され得る機械的応力を低下させる。
【0060】
典型的には、0.1mm~1mmの厚さの溝15を有する内部キャビティ13の壁12の部分について、図8に示すように、可撓性部18の第2の部分18bの厚さは典型的には0.3mm~3mmである。
【0061】
端部の第1の部分18a、第2の部分18b、及び部分17cの間の厚さの比率により、内部キャビティ13の壁12は、特に、スリーブ17が、内部キャビティ13の壁12の熱膨張の効果下で直径の増加と共に拡大できるようにする可撓性部18のおかげで、大きな機械的応力なしで、むしろ熱応力と同等の応力で膨張することができる。したがって、壁12と可撓性部18との間の境界における機械的応力のレベルは、仮に可撓性部18が存在しない場合又は仮にラシヒリングがその場所に存在した場合、壁12の外面に印加されたであろう熱応力以下である。
【0062】
さらに、スリーブ17の特に可撓性部18は、小管19を通る水の流量の効果下で、その直径の増大と共に拡大することができる。スリーブ17の特に可撓性部18は、水流の効果下で、その直径の低下と共に収縮することもできる。
【0063】
「可撓性」という用語は本明細書において、先に述べたこれらの2つの特性を示すスリーブの能力を特徴付けるために使用される。
【0064】
熱輸送流体分配器22は、熱輸送流体の注入部26と、外部ジャケット11の外側に位置するジャケット23とを備えて、外部ジャケット11とスリーブ17との間の空間への外部ジャケット11の開口部への幾つかの入口25の上に位置する熱輸送流体チャンバ24を形成する。
【0065】
スリーブ17は、熱輸送流体の速度をより均質化する流体分配器としても作用する。
【0066】
小管19は少なくとも1つの曲線を備え得る。そのような曲線は、小管19が熱せられる壁12により近づけるようにし、該当する場合、ロウ付け材料のスポットがキャビティの両端部に存在するとき、ロウ付け接合を解消する。湾曲小管19は、内部キャビティ13の壁12の材料に(より深く)達し、熱輸送流体流を、最も加熱される内部キャビティ13に最も近い壁12の部分と直接接触させることができる。それにより、熱負荷スパイクを特徴とするゾーンにおいてのみ熱伝導を改善することが可能になり、より均質な軸方向温度プロファイルになり、それにより、機械的応力が回避される。
【0067】
熱輸送流体の方向を横断する(即ち、キャビティが円柱形である場合、キャビティの軸を実質的に横断する)平面における小管19の経路は、[図10]に示すように、直線、傾斜、又はくの字形であり得る。
【0068】
小管19の断面は、円形、半円形、正方形、又は矩形等の無制限にあらゆる幾何学的形状を有し得、[図11]はこの幾つかの例を示している。力を解放するために、アーチを含む形状が好ましい。
【0069】
小管19を有する冷却回路14は、冷却すべき任意の幾何学的構成(円柱形、正方形、円錐形等)の内部キャビティ13の壁12を用いて実施し得る。
【0070】
拡張可能な可撓性ベロー21は、接続された他の要素によって付加されるであろう応力をなくしながら、冷却すべき壁12が膨張できるようにする。
【0071】
冷却回路14は、経時進化する動的システムである:小管19の断面及び位置は、加熱されるシステムの軸方向及び周方向長尺化のおかげで、安定状態に達するまで、加熱プロセス中、変化する。システムの動的移動は温度制御される。
【0072】
図12]は特に、拡張可能ベロー21を含まない一実施形態における熱輸送流体分配器22の一実施形態を示す。
【0073】
本発明は、壁12の冷却すべき表面と熱輸送流体との間の熱抵抗が低く、それと同時に機械的安定性及び材料の完全性を保証して、熱膨張によって誘導される変形を制限し、それと同時に、機械的応力及び熱応力を制御し続ける冷却回路14を作成できるようにする(種々の要素のロウ付け、溶接、又は熱収縮接合接続を使用して)。
【0074】
本発明は、小管19の最適化された断面及び最適化された位置によって熱管理を改善する。
【0075】
熱の伝導は、真空気密度に安全マージンを提供しながら、それと同時に、熱輸送流体と熱せられる内壁12との間の距離を最小化することによって最大化される。この距離は、真空気密度tvによって制限される厚さまで最小化することができる。
【0076】
熱伝導は改善され、温度の相当な低下及びそれに対応する熱応力の制限を可能にする。
【0077】
熱輸送流体流は、いかなる介在要素又はいかなるロウ/溶接合金もない状態で、冷却される要素(壁12)と直接接触する。
【0078】
熱輸送流体流の方向における管の断面は湾曲することができ、それにより、冷却すべき加熱された壁12に深さ方向で可能な限り近づく。
【0079】
ジャイロトロンキャビティの場合、冷却は、小管の下で0.1mm~1mmの範囲の最小厚を用いて実施することができ、管の数は50個~200個であり、小管の断面は2つのゾーンで構成される:概ね0.1mm~1mmの範囲の直径を有する半円形断面のゾーン及び概ね0.1mm~1mmの範囲の辺長を有する矩形断面のゾーン。
【0080】
例えば、100GHz~200GHzのジャイロトロンのキャビティの場合、冷却は、小管下0.8mm~1mmの最小厚を使用して実施し得、管の数は50個~90個であり、小管の断面は2つのゾーンで構成される:概ね1mmの直径を有する半円形断面のゾーン及び概ね0.5mm~0.7mmの辺を有する矩形断面のゾーン、管間の周方向間隔は、管の周方向幅と同様である。
【0081】
本発明は熱膨張及び応力の管理を改善する。
【0082】
そのようなシステムは、ほどほどの(従来技術の小管回路と比較して)機械的応力を同軸内部キャビティ13の壁12に付与する外部ジャケット11によって熱膨張を制限する。
【0083】
最大対流熱伝導が観測される、小管19への入口は、可能な限り熱負荷スパイクの近くに配置される。これにより、熱せられる表面上の温度スパイクを最小化することができ、「より平ら」な温度プロファイルを得ることが可能になり、熱応力の低下に繋がる。
【0084】
材料が膨張しない可能性により、高機械的応力を生み出さないことが可能になる。応力レベルは、熱伝導をかなり改善しながら、それと同時にラシヒリングの実際のキャビティと同じレベルに維持される。
【0085】
同軸外部要素は、[図13]に示すように、熱の影響下で膨張するにつれて、同軸内部要素、即ち内部キャビティ13の壁12にほどほどの機械的応力を付加するスリーブ17と呼ばれる中空の可撓性構造の形態で生成される。
【0086】
小管19の断面は、アーチの典型的な力解放原理を利用するために、アーチ形要素を含み得る。[図14]に示すように、小管19と交互になったより厚い壁は機械的安定性を提供する。
【0087】
本発明は、2段階熱輸送流体分配器22によって実施されるホモジナイザにより、熱均質性を改善し、感知できる異方性変形を制限する。分配器22の例示的な一実施形態を[図15]、「図16」、及び[図17]に詳細に示す。
【0088】
熱輸送流体供給は外部ジャケット11の周囲に配置され、狭い入口25又は穴が熱輸送流体の注入部26の近くに配置され、より大きな穴が、熱輸送流体の注入部から離れて配置され、一方、中間サイズの他の穴は、注入部と対向する側(注入部近くで分かれる周方向速度の2つの構成要素が再び合流する側)に配置される。分配器22は、熱輸送流体の速度が、異なる位置及び流体注入点26から異なる距離で一定である複数の入口25の集まりのように作用する。その結果、熱輸送流体の軸方向速度は、方位方向において一定である。
【0089】
二次分配チャンバ24がスリーブ17によって作成されて、[図9]に示すように、小管19に入る方向において熱輸送流体の速度を最終的に均質化する。熱輸送流体が、均質な周方向速度影響でスリーブ17の壁に到達すると、熱輸送流体は小管19の入口に向かって偏向する。
【0090】
小管19の入口は、高速の熱輸送流体によって生じる高熱伝導係数を利用するために、熱負荷スパイクの近くに配置される。平衡状態に達する前、熱負荷スパイクの位置は、内面の熱変形の結果として、[図18]及び[図19]に示すように、軸方向座標に沿って右に移動する。提案される本発明は、経時進化し、加熱及び冷却されるにつれてそのジオメトリが変化する動的システムとして冷却回路を作成することによってこの問題に対処し、熱伝導(並びに熱輸送流体の速度及び圧力降下)は温度制御される。
【0091】
熱輸送流体分配器22の同軸ジャケットの軸方向位置は、キャビティ13の温度によって制御される(その軸方向熱膨張を介して):安定位置に達するまで、過渡加熱状況が進化するにつれて圧力スパイクの位置に従う。
【0092】
このために、同軸内部要素(キャビティ13)の軸方向熱膨張に対応する軸方向移動が、同軸外部要素(熱輸送流体分配器22のジャケット)に適用される。
【0093】
同軸外部要素(熱輸送流体分配器22のジャケット)は、キャビティ13の自由セクションに接続される。安定状態条件下で、熱負荷スパイクは特定の位置に向かって(ジャイロトロンでは上向き円錐に向かって)動く。本発明は、キャビティ13が加熱されている間、熱輸送流体のジェットを熱負荷スパイクに可能な限り近づけて向けられるようにする。キャビティ13の熱膨張を使用して、スリーブ17を移動させる:流体が小管19に入る熱輸送流体入口の位置はキャビティ13の熱膨張によって制御される:キャビティ13が膨張するにつれて、スリーブ17が移動し、小管19の入口に熱負荷スパイクの位置の進化を辿らせる。
【0094】
図20]及び[図21]に示すように、小管19の断面は温度制御される:スペースがキャビティ13の外壁12(溝)とスリーブ17の内壁との間に残され、冷たく保たれ、したがって、加熱が開始されるとき、迂回が存在し、定常状態に達するまで、迂回のサイズは徐々に低下し、定常状態に達すると、小管19の断面は公称形状に達する。キャビティ13の過渡加熱の開始時、キャビティとスリーブ17、ひいては小管の開口部との間に迂回路が存在する。キャビティ13が周方向に膨張するにつれて、小管19はアクティブ化される。定常状態において、小管19は最終断面に達する。
【0095】
流体分配の第3のレベルは、最初のレベルと同様に、シャフト周囲の出口に配置し得る:狭い穴が流体抽出の近くに位置し、大きい穴が離れて位置する。この構造により、1組の複数の出口が生成される。効果は、出口における圧力分布の方位均質性を上げることである。ThalesTH1507Uジャイロトロンのジオメトリに基づく数値計算によって実証されるように、これは、管中の流体速度のよりよい方位分布に繋がり、したがって、温度のより均質な方位分布に繋がる。
【0096】
一変形として、[図22]及び[図23]に示すように、多孔性媒体熱交換器の原理の利点を利用することが可能である。
【0097】
熱の交換を改善するために、小管19は、小管19内部に配置された多孔性媒体の存在を含み得る。この構成の効果は主に、熱交換に利用できる表面積が増大し、壁付近の層流サブ層が低下し、流体の混合が促進されることである。小管19が機械加工されると、媒体が作られる発泡体を小管19に堆積させ得る。固化後、外形に合うように同軸内部要素を再加工することができる。
【0098】
小管19における多孔性媒体の存在により、小管19の数は、小管19が空である解決策と比較して増やすことができ、小管の間隔は、小管の周方向間隔の1/10に下げることができる。多孔性媒体の存在が特定の機械的堅牢性を導入するため、これは可能である。
【0099】
従来の多孔性媒体熱交換器と比較して、この解決策は機械的安定性の改善を提供し、2段階流体分配器を組み込み、ジオメトリの温度制御の動的経時変化を利用する。
【0100】
図24]及び[図25]に示すように、本発明は、フライス加工し、そしてロウ付け、溶接、又は熱収縮接合によって2つの要素を一緒に接合することにより、銅電鋳により、又は第1の要素上に第2の要素を3D付加製造することにより達成することができる。
【0101】
機械加工プロセスは比較的単純であり、従来技術の製造手順に準拠する。
【0102】
図24]は、フライス加工/ロウ付けを使用した製造方法の簡易図であり、この方法では、同軸内部要素が、管の後面に穿孔するように機械加工され、[図25]に示すように、同軸外部要素が挿入され、次いで小管から離れてロウ付け、溶接、又は接合される。
【0103】
銅電鋳が関わる方法を使用することも可能である:同軸内部要素上の小管19の外形は、従来の機械加工手順を使用して穿孔され、外部材料と共有される小管19の先端部の外形は、ロストワックスの堆積によって生成され、管のネガティブ型を得るために適切な量のワックスが適用され、従来の穿孔手順を使用して適合され、同軸外部要素は銅電鋳によって製造され、ワックスは熱プロセスによって除去され、最後に同軸外部要素の外形は、従来の穿孔方法を使用して合うように調整される。
【0104】
付加製造によって生成される材料が、考慮される用途に必要とされる熱伝導性、表面粗度、弾性限界、及び破壊応力の要件を満たす場合、外部要素の付加製造により、同じ方法を得ることができる(最も考慮される用途はジャイロトロンである)。
【0105】
この解決策は、全ての電子管及び電子デバイス並びに冷却される必要がある半導体又は受動素子を含むデバイスに適用することができる。
【0106】
任意のジオメトリ配置の冷却すべき要素が、提案される本発明から恩恵を受け得る:円筒形、正方形、又は円錐形、及び円錐台形等のジオメトリが、小管を含む冷却回路の適用を受け得る。
【0107】
ジャイロトロンのキャビティの冷却は、提案される本発明の特に有利な一用途である。
【符号の説明】
【0108】
5 固定接続
11 外部ジャケット
12 壁
13 内部キャビティ
14 熱輸送流体冷却回路
15 溝
16 外面
17 スリーブ
17c 第3の部分
18 可撓性部
18a 第1の部分
18b 第2の部分
19 小管
20 空間
20a 接続点
21 拡張可能ベロー
22 熱輸送流体分配器
23 ジャケット
24 熱輸送流体チャンバ
25 入口
26 注入点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【外国語明細書】