(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059251
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】ソケット構造及び工具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B25B 23/10 20060101AFI20230419BHJP
B25B 21/00 20060101ALN20230419BHJP
【FI】
B25B23/10 B
B25B21/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022163606
(22)【出願日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】63/262,497
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】111131221
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511314186
【氏名又は名称】優鋼機械股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝 智慶
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA03
3C038AA04
3C038BB04
(57)【要約】
【課題】 ソケット構造及び工具アセンブリを提供する。
【解決手段】 本開示内容が提供するソケット構造は、ソケット本体と、歯状構造と、ストッパ構造と、弾性部材と、当接部材と、を含む。ソケット本体は中心軸を有し、且つ開口を含む。歯状構造はソケット本体の内壁に周設されており、且つ第1溝及び第2溝を含む。ストッパ構造はソケット本体の内壁に周設されており、且つストッパ構造は貫通孔及び環状内壁を含む。弾性部材は第1溝に設置され、且つ第1溝からやや突出しており、当接部材は第2溝に設置され、且つ第2溝から中心軸の方向に向かって突出している。弾性部材と当接部材の配置により、ソケット構造の挟持効果を高めることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット本体であって、中心軸を有し、
前記ソケット本体の一端に設けられた開口を含む、ソケット本体と、
歯状構造であって、前記ソケット本体外の内壁に周設されており、
前記歯状構造に周設された第1溝、及び、
前記歯状構造に周設された第2溝を含み、前記第1溝は前記第2溝よりも前記開口に近接している、歯状構造と、
ストッパ構造であって、前記ソケット本体の前記内壁に周設されており、且つ前記ストッパ構造は前記歯状構造よりも前記開口から離れており、前記ストッパ構造は、
前記開口に対応している貫通孔、
前記貫通孔が貫通している環状内壁、
前記第1溝に設置され、且つ前記第1溝からやや突出している弾性部材、及び、
前記第2溝に設置され、且つ前記第2溝から前記中心軸の方向に向かって突出している当接部材を含む、ストッパ構造と、を含むソケット構造。
【請求項2】
前記ソケット本体は、
前記ソケット本体の他端に設けられた駆動孔をさらに含む、請求項1に記載のソケット構造。
【請求項3】
前記弾性部材はC型リングである、請求項1に記載のソケット構造。
【請求項4】
前記当接部材は前記ソケット本体と一体成形される、請求項1に記載のソケット構造。
【請求項5】
工具アセンブリであって、
ソケット構造を含み、前記ソケット構造は、
ソケット本体であって、中心軸を有し、
前記ソケット本体の一端に設けられた開口を含む、ソケット本体と、
歯状構造であって、前記ソケット本体外の内壁に周設されており、
前記歯状構造に周設された第1溝、及び、
前記歯状構造に周設された第2溝を含み、前記第1溝は前記第2溝よりも前記開口に近接している、歯状構造と、
ストッパ構造であって、前記ソケット本体の前記内壁に周設されており、且つ前記ストッパ構造は前記歯状構造よりも前記開口から離れており、前記ストッパ構造は、
前記開口に対応している貫通孔、
厚さを有し、前記貫通孔が貫通している環状内壁、
前記第1溝に設置され、且つ前記第1溝からやや突出している弾性部材、及び、
前記第2溝に設置され、且つ前記第2溝から前記中心軸の方向に向かって突出している当接部材を含む、ストッパ構造と、を含み、
前記工具アセンブリはさらに、前記ソケット構造と結合される、締結要素を含み、前記締結要素は、
当接係合部を含み、前記当接係合部の形状は前記歯状構造の形状に対応しており、
前記当接係合部の当接係合幅はL1、前記当接係合部の当接係合厚さはL2であり、それらは0.1≦L2/L1≦0.63という条件を満たしている、工具アセンブリ。
【請求項6】
前記ソケット本体は、
前記ソケット本体の他端に設けられた駆動孔をさらに含む、請求項5に記載の工具アセンブリ。
【請求項7】
前記弾性部材はC型リングである、請求項5に記載の工具アセンブリ。
【請求項8】
前記当接部材は前記ソケット本体と一体成形される、請求項5に記載の工具アセンブリ。
【請求項9】
前記締結要素は、
受け部をさらに含み、前記受け部の形状は前記ストッパ構造の前記貫通孔の形状に対応している、請求項5に記載の工具アセンブリ。
【請求項10】
前記第1溝と前記第2溝との間の距離は、前記締結要素のサイズに応じて決める、請求項5に記載の工具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソケット構造を提供するものであり、特に締結要素を挟持可能なソケット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、使用者はボルトなどの締結要素を操作する際に、操作の利便性を高めるため、ソケットを組み合わせて締結要素と係合させるようになったが、ソケットを用いて締結要素に係合させるとき、使用者が力を入れすぎて締結要素がソケットから脱落し、時間を浪費してしまうことがよくあった。
【0003】
現在市場では、使用者が操作するのに便利なソケットが数多く発売されている。また、ソケットと締結要素が係合する安定度を高めるために、ソケットに組み合わせて使用するアタッチメントも数多く開発されている。しかし、それらは往々にして余分な製造コストを増やしてしまっていた。
【0004】
そのため、締結要素を挟持するソケットの挟持効果と安定性を向上させることが当業者の努力目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、弾性部材と当接部材の配置により、締結要素をソケット構造に挿入したとき、当接部材が締結要素を受け止めることができ、弾性部材は締結要素を安定して挟持することができ、これによりソケット構造の挟持効果を高める、ソケット構造及び工具アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施形態において提供されるソケット構造は、ソケット本体と、歯状構造と、ストッパ構造と、弾性部材と、当接部材と、を含む。ソケット本体は中心軸を有し、且つ開口を含み、開口はソケット本体の一端に設けられている。歯状構造はソケット本体の内壁に周設されており、且つ第1溝及び第2溝を含み、第1溝及び第2溝は歯状構造に周設され、第1溝は第2溝よりも開口に近接している。ストッパ構造はソケット本体の内壁に周設されており、且つストッパ構造は歯状構造よりも開口から離れており、ストッパ構造は貫通孔及び環状内壁を含み、貫通孔は開口に対応しており、且つ環状内壁を貫通している。弾性部材は第1溝に設置され、且つ第1溝からやや突出しており、当接部材は第2溝に設置され、且つ第2溝から中心軸の方向に向かって突出している。
【0007】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、ソケット本体は駆動孔をさらに含むことができ、駆動孔はソケット本体の他端に設けられる。
【0008】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、弾性部材はC型リングでよい。
【0009】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、当接部材はソケット本体と一体成形されてもよい。
【0010】
本発明の別の実施形態では工具アセンブリを提供するが、工具アセンブリは、ソケット構造と、締結要素と、を含む。ソケット構造は、ソケット本体と、歯状構造と、ストッパ構造と、弾性部材と、当接部材と、を含む。ソケット本体は中心軸を有し、且つ開口を含み、開口はソケット本体の一端に設けられている。歯状構造はソケット本体の内壁に周設されており、且つ第1溝及び第2溝を含み、第1溝及び第2溝は歯状構造に周設され、第1溝は第2溝よりも開口に近接している。ストッパ構造はソケット本体の内壁に周設されており、且つストッパ構造は歯状構造よりも開口から離れており、ストッパ構造は貫通孔及び環状内壁を含み、貫通孔は開口に対応しており、且つ環状内壁を貫通している。弾性部材は第1溝に設置され、且つ第1溝からやや突出しており、当接部材は第2溝に設置され、且つ第2溝から中心軸の方向に向かって突出している。締結要素は、ソケット構造と結合され、且つ当接係合部を含む。当接係合部の形状は歯状構造の形状に対応している。当接係合部の当接係合幅はL1、当接係合部の当接係合厚さはL2であり、それらは0.1≦L2/L1≦0.63という条件を満たしている。
【0011】
上述の実施形態に基づく工具アセンブリのうち、ソケット本体は駆動孔をさらに含むことができ、駆動孔はソケット本体の他端に設けられる。
【0012】
上述の実施形態に基づく工具アセンブリのうち、弾性部材はC型リングでよい。
【0013】
上述の実施形態に基づく工具アセンブリのうち、当接部材はソケット本体と一体成形されてもよい。
【0014】
上述の実施形態に基づく工具アセンブリのうち、締結要素は受け部をさらに含むことができ、受け部の形状はストッパ構造の貫通孔の形状に対応している。
【0015】
上述の実施形態に基づく工具アセンブリのうち、第1溝と第2溝との間の距離は、締結要素のサイズに応じて決めることができる。
【発明の効果】
【0016】
締結要素がソケット本体の開口からソケット構造に挿入されたとき、弾性部材が締結要素を安定して挟持することができ、当接部材も締結要素を受け止めることができ、これによって使用者がソケット構造を使用する際の安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の上述及び他の目的、特徴、優位点並びに実施例をより明解にするため、図面について以下の通り説明する。
【0018】
【
図1】本発明の1つの実施形態に基づくソケット構造の概念図である。
【
図2】
図1の実施形態に基づくソケット構造の断面図である。
【
図3】
図1の実施形態に基づくソケット構造の分解図である。
【
図4】本発明の別の実施形態に基づくソケット構造の断面図である。
【
図5】本発明のもう1つの実施形態に基づく工具アセンブリの断面分解図である。
【
図6】
図5の実施形態に基づく工具アセンブリの分解図である。
【
図7】
図5の実施形態に基づく工具アセンブリ中の締結要素の平面図である。
【
図8】
図5の実施形態に基づく工具アセンブリ中の締結要素の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の複数の実施例について説明する。明確に説明するため、以下の記述中では多くの実務上の詳細も併せて説明する。なお、それらの実務上の詳細は本発明を限定するものではないことを理解されたい。即ち、本発明の一部の実施例中、それらの実務上の詳細は不要である。また、図面を簡略化するため、公知慣用の構造及び構成要素は、図面中に簡単に概略する方法で示している。また、重複する構成要素は同じ符号で示されている場合がある。
【0020】
また、本明細書において、ある構成要素(又は機構若しくはモジュールなど)が別の構成要素に「接続される」、「設置される」又は「結合される」場合、その構成要素が別の構成要素に直接接続される、直接設置される又は直接結合されることを意味することもできるし、ある構成要素が別の構成要素に間接的に接続される、間接的に設置される又は間接的に結合されることを意味することもでき、即ち、その構成要素と別の構成要素との間に他の構成要素が介在することを意味する。しかし、ある構成要素が別の構成要素に「直接接続される」、「直接設置される」又は「直接結合される」と明示された場合には、その構成要素と別の構成要素との間に他の構成要素が介在しないことを示す。第1、第2、第3などの用語は、様々な構成要素や成分を説明するためのものに過ぎず、構成要素/成分自体を限定するものではないため、第1構成要素/成分は第2構成要素/成分と称することも可能である。本明細書における構成要素/成分/機構/モジュールの組み合わせは当該分野において一般に公知、常套又は既知の組み合わせではなく、構成要素/成分/機構/モジュール自体が既知か否かによってその組み合わせ関係が当業者によって容易に実施され得るか否かを判断することはできない。
【実施例0021】
図1、
図2及び
図3を参照されたい。
図1は本発明の1つの実施形態に基づくソケット構造100の概念図であり、
図2は
図1の実施形態に基づくソケット構造100の断面図であり、
図3は
図1の実施形態に基づくソケット構造100の分解図である。
図1、
図2及び
図3から分かるように、ソケット構造100は、ソケット本体110、歯状構造120、ストッパ構造130、弾性部材140及び当接部材150を含む。
【0022】
具体的には、ソケット本体110は中心軸Xを有し、且つ開口111を含み、開口111はソケット本体110の一端に設けられている。歯状構造120はソケット本体110の内壁112に周設されており、且つ第1溝121及び第2溝122を含み、第1溝121及び第2溝122はいずれも歯状構造120に周設され、第1溝121は第2溝122よりも開口111に近接している。ストッパ構造130はソケット本体110の内壁112に周設されており、且つストッパ構造130は歯状構造120よりも開口111から離れており、ストッパ構造130は貫通孔131及び環状内壁132を含み、貫通孔131は開口111に対応しており、且つ貫通孔131は環状内壁132を貫通している。弾性部材140は第1溝121に設置され、且つ第1溝121からやや突出しており、当接部材150は第2溝122に設置され、第2溝122から中心軸Xの方向に向かって突出している。これにより、締結要素(図示しない)が開口111からソケット構造100に挿入されたとき、ソケット構造100が弾性部材140によって締結要素を挟持せしめ、且つ当接部材150によってソケット構造100の内部空間に進入した締結要素を受け止めることができる。
【0023】
図2の実施形態中、ソケット本体110は、ソケット本体110の他端に設けられた駆動孔113をさらに含むことができ、開口111の直径は駆動孔113の直径よりも大きい。具体的には、駆動孔113は接続工具(図示しない)とソケット構造100の接続に供するためのものであり、接続工具はソケットレンチでよいが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
さらに、第1溝121とストッパ構造130との間の距離は、第1溝121とソケット本体110の開口111との間の距離よりも小さく、弾性部材140は締結要素を挟持するのに用いられるが、第1溝121とストッパ構造130との間の距離関係によって、弾性部材の挟持力を増加させることができる。また、弾性部材140は、限定するものではないがC型リングでよく、それは弾性部材140の締結要素を挟持する均一性を増加させることができ、弾性部材140の組み立てにも都合がよい。