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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059253
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】車両殺菌システムおよび殺菌方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/24 20060101AFI20230419BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230419BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20230419BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A61L2/24
H02J7/00 A
H02J1/00 308
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022163675
(22)【出願日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】63/255,536
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】ルーク,ホクサム ホレース
(72)【発明者】
【氏名】▲蔡▼ 竣任
(72)【発明者】
【氏名】陳 志源
(72)【発明者】
【氏名】倪 慶璋
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 文賢
【テーマコード(参考)】
4C058
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD13
4C058KK02
4C058KK22
5G165EA02
5G165GA09
5G165HA16
5G165KA01
5G165KA04
5G165LA07
5G503AA07
5G503AA08
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両殺菌システム用の殺菌方法および車両殺菌システムを提供する。
【解決手段】殺菌方法は、検出信号を受信し、検出信号の電圧レベルに従って車両のシートクッションがコンパートメントの空間を覆っているかどうかを決定することと、シートクッションがコンパートメントの空間を完全に覆っていないとき、電力供給を停止するように電源ユニットを制御することと、シートクッションがコンパートメントの空間を覆っているとき、殺菌装置に電力を供給するように電源ユニットを制御することとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両殺菌システム用の殺菌方法であって、
検出信号を受信し、前記検出信号の電圧レベルに従って車両のシートクッションがコンパートメントの空間を覆っているかどうかを決定することと、
前記シートクッションが前記コンパートメントの前記空間を完全に覆っていないとき、電力供給を停止するように電源ユニットを制御することと、
前記シートクッションが前記コンパートメントの前記空間を覆っているとき、殺菌装置に電力を供給するように前記電源ユニットを制御することと
を含む、殺菌方法。
【請求項2】
前記殺菌装置に電力を供給するように前記電源ユニットを制御することが、
前記殺菌装置を所定の時間駆動し、次いで、前記殺菌装置への電力供給を停止するように前記電源ユニットを制御すること
を含む、請求項1に記載の殺菌方法。
【請求項3】
前記車両が少なくとも1つの車輪の駆動を停止したとき、電気エネルギー回収装置によって、前記少なくとも1つの車輪によって生成された熱エネルギーまたは運動エネルギーを回収電気エネルギーに変換することと、
前記回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を前記殺菌装置に提供することと
をさらに含む、請求項1に記載の殺菌方法。
【請求項4】
前記回収電気エネルギーの前記少なくとも1つの部分を前記殺菌装置に提供することが、
前記回収電気エネルギーの第1の部分を前記殺菌装置に提供することと、
前記回収電気エネルギーの第2の部分を使用して前記電源ユニットを充電することと
を含む、請求項3に記載の殺菌方法。
【請求項5】
前記電源ユニット中の残存電力比を決定することと、
前記残存電力比が警告閾値よりも小さいとき、前記殺菌装置への前記回収電気エネルギーの供給を停止し、前記回収電気エネルギーを使用して前記電源ユニットを充電することと
をさらに含む、請求項3に記載の殺菌方法。
【請求項6】
センサによって、前記コンパートメント内の揮発性有機化合物の濃度を決定することと、
前記揮発性有機化合物の前記濃度が検出閾値よりも大きいとき、少なくとも所定の時間、前記殺菌装置に電力を供給するように前記電源ユニットを制御することと
をさらに含む、請求項1に記載の殺菌方法。
【請求項7】
前記殺菌装置が、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、前記殺菌方法は、
前記車両と携帯用電子機器との間の距離を決定することであって、前記車両が前記携帯用電子機器に通信可能に接続される、決定することと、
前記距離が距離閾値よりも大きいとき、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源に電力を供給するように前記電源ユニットを制御することと、
前記距離が前記距離閾値以下であるとき、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように前記電源ユニットを制御することと
をさらに含む、請求項1に記載の殺菌方法。
【請求項8】
前記殺菌装置が、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、前記殺菌方法は、
測位装置によって、前記車両の座標を取得することと、
前記車両または携帯用電子機器によって、クラウドサーバに接続することであって、前記車両が前記携帯用電子機器に通信可能に接続されることと、
前記座標が、前記クラウドサーバに記録されたマーク領域内に位置すると決定したとき、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源に電力を供給するように前記電源ユニットを制御することと、
前記座標が前記マーク領域の外部にあると決定したとき、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように前記電源ユニットを制御することと
をさらに含む、請求項1に記載の殺菌方法。
【請求項9】
前記殺菌装置が前記電源ユニットによって電力供給されないとき、バッテリによって前記殺菌装置を駆動することであって、前記バッテリが前記電源ユニットとは異なる、駆動すること
をさらに含む、請求項1に記載の殺菌方法。
【請求項10】
車両内に配置された電源ユニットであって、前記車両のコンパートメントがシートクッションを備える、電源ユニットと、
前記コンパートメント内に配置された殺菌装置と
を備える、車両殺菌システムであって、
前記シートクッションが前記コンパートメントの空間を完全に覆っていないとき、前記電源ユニットが電力供給を停止するように構成され、
前記シートクッションが前記コンパートメントの前記空間を覆っているとき、前記電源ユニットが前記殺菌装置に電力を供給するように構成される、
車両殺菌システム。
【請求項11】
前記殺菌装置を所定の時間駆動するように前記電源ユニットを制御するように構成された制御部であって、前記所定の時間の後に、前記制御部が、前記殺菌装置への電力供給を停止するように前記電源ユニットを制御するように構成される、制御部
をさらに備える、請求項10に記載の車両殺菌システム。
【請求項12】
前記殺菌装置を所定の時間駆動するように前記電源ユニットを制御するように構成された制御部と、
前記車両が少なくとも1つの車輪の駆動を停止したとき、前記少なくとも1つの車輪によって生成された熱エネルギーまたは運動エネルギーを回収電気エネルギーに変換するように構成された電気エネルギー回収装置であって、前記制御部が、前記回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を前記殺菌装置に提供するように構成される、電気エネルギー回収装置と
をさらに備える、請求項10に記載の車両殺菌システム。
【請求項13】
前記制御部が、前記回収電気エネルギーの第1の部分を前記殺菌装置に提供するように構成され、前記回収電気エネルギーの第2の部分を使用して前記電源ユニットを充電するように構成される、請求項12に記載の車両殺菌システム。
【請求項14】
前記制御部が、前記電源ユニット中の残存電力比を決定するように構成され、前記残存電力比が警告閾値よりも小さいとき、前記制御部が、前記殺菌装置への前記回収電気エネルギーの供給を停止するように構成され、前記回収電気エネルギーを使用して前記電源ユニットを充電するように構成される、請求項12に記載の車両殺菌システム。
【請求項15】
前記殺菌装置を所定の時間駆動するように前記電源ユニットを制御するように構成された制御部と、
前記制御部に結合され、前記コンパートメント内の揮発性有機化合物の濃度を決定するように構成されたセンサと
をさらに備え、
前記揮発性有機化合物の前記濃度が検出閾値よりも大きいとき、前記制御部が、少なくとも所定の時間、前記殺菌装置に電力を供給するように前記電源ユニットを制御するように構成される、
請求項10に記載の車両殺菌システム。
【請求項16】
前記殺菌装置が、少なくとも1つの流体生成素子と、少なくとも1つの紫外線光源と、少なくとも1つの光触媒素子とを備え、前記少なくとも1つの光触媒素子の位置が、前記少なくとも1つの紫外線光源に対応する、請求項10に記載の車両殺菌システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの紫外線光源が、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、
前記殺菌装置は、前記車両と携帯用電子機器との間の距離を決定するように構成された制御部であって、前記車両が前記携帯用電子機器に通信可能に接続される、制御部をさらに備え、
前記距離が距離閾値よりも大きいとき、前記制御部が、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源に電力を供給するように前記電源ユニットを制御するように構成され、
前記距離が前記距離閾値以下であるとき、前記制御部が、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように前記電源ユニットを制御するように構成される、
請求項16に記載の車両殺菌システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの紫外線光源が、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、
前記殺菌装置は、
前記殺菌装置を所定の時間駆動するように前記電源ユニットを制御するように構成された制御部と、
前記車両の座標を取得するように構成された測位装置と
をさらに備え、
前記座標が、クラウドサーバに記録されたマーク領域内に位置するとき、前記制御部が、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源に電力を供給するように前記電源ユニットを制御するように構成され、
前記座標が前記マーク領域の外部にあるとき、前記制御部が、前記第1の紫外線光源および前記第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように前記電源ユニットを制御するように構成される、
請求項16に記載の車両殺菌システム。
【請求項19】
前記殺菌装置は、
前記電源ユニットに結合され、回路基板および少なくとも1つの照明素子を備える照明回路であって、前記回路基板が、前記少なくとも1つの紫外線光源によって生成された紫外線が前記殺菌装置の外部に露出されるのを防止するために前記少なくとも1つの紫外線光源を覆うように構成される、照明回路
をさらに備える、請求項16に記載の車両殺菌システム。
【請求項20】
前記殺菌装置を所定の時間駆動するように前記電源ユニットを制御するように構成された制御部と、
前記殺菌装置に結合されたバッテリであって、前記殺菌装置が前記電源ユニットによって電力供給されないとき、前記制御部が、前記バッテリによって前記殺菌装置を駆動するように構成される、バッテリと
をさらに備える、請求項10に記載の車両殺菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両殺菌システムおよび殺菌方法に関し、特に、光触媒素子を使用することによってコンパートメントを殺菌するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々は環境衛生にますます注意を払っており、それに応じて様々な抗菌製品が開発されている。自動車またはオートバイなどの車両は、様々な乗客を乗せ、病院および駅などの(流行ホットゾーンとしても知られる)ハイリスク領域を通過し得るため、殺菌に対する需要が高まっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の一態様は、検出信号を受信し、検出信号の電圧レベルに従って車両のシートクッションがコンパートメントの空間を覆っているかどうかを決定することと、シートクッションがコンパートメントの空間を完全に覆っていないとき、電力供給を停止するように電源ユニットを制御することと、シートクッションがコンパートメントの空間を覆っているとき、殺菌装置に電力を供給するように電源ユニットを制御することとを含む、車両殺菌システム用の殺菌方法である。
【0004】
一実施形態では、殺菌装置に電力を供給するように電源ユニットを制御することは、殺菌装置を所定の時間駆動し、次いで、殺菌装置への電力供給を停止するように電源ユニットを制御することを含む。
【0005】
一実施形態では、殺菌方法は、車両が少なくとも1つの車輪の駆動を停止したとき、電気エネルギー回収装置によって、少なくとも1つの車輪によって生成された熱エネルギーまたは運動エネルギーを回収電気エネルギーに変換することと、回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を殺菌装置に提供することとをさらに含む。
【0006】
一実施形態では、回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を殺菌装置に提供することは、回収電気エネルギーの第1の部分を殺菌装置に提供することと、回収電気エネルギーの第2の部分を使用して電源ユニットを充電することとを含む。
【0007】
一実施形態では、殺菌方法は、電源ユニット中の残存電力比を決定することと、残存電力比が警告閾値よりも小さいとき、殺菌装置への回収電気エネルギーの供給を停止し、回収電気エネルギーを使用して電源ユニットを充電することとをさらに含む。
【0008】
一実施形態では、殺菌方法は、センサによって、コンパートメント内の揮発性有機化合物の濃度を決定することと、揮発性有機化合物の濃度が検出閾値よりも大きいとき、少なくとも所定の時間、殺菌装置に電力を供給するように電源ユニットを制御することとをさらに含む。
【0009】
一実施形態では、殺菌装置は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、殺菌方法は、車両と携帯用電子機器との間の距離を決定することであって、車両が携帯用電子機器に通信可能に接続される、決定することと、距離が距離閾値よりも大きいとき、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源に電力を供給するように電源ユニットを制御することと、距離が距離閾値以下であるとき、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように電源ユニットを制御することとをさらに含む。
【0010】
一実施形態では、殺菌装置は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、殺菌方法は、測位装置によって、車両の座標を取得することと、車両または携帯用電子機器によって、クラウドサーバに接続することであって、車両が携帯用電子機器に通信可能に接続される、接続することと、座標が、クラウドサーバに記録されたマーク領域内に位置すると決定したとき、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源に電力を供給するように電源ユニットを制御することと、座標がマーク領域の外部にあると決定したとき、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように電源ユニットを制御することとをさらに含む。
【0011】
一実施形態では、殺菌方法は、殺菌装置が電源ユニットによって電力供給されないとき、バッテリによって殺菌装置を駆動することであって、バッテリが電源ユニットとは異なる、駆動することをさらに含む。
【0012】
本開示の別の態様は、電源ユニットと殺菌装置とを備える車両殺菌システムである。電源ユニットは車両内に配置される。車両のコンパートメントはシートクッションを備える。殺菌装置はコンパートメント内に配置される。シートクッションがコンパートメントの空間を完全に覆っていないとき、電源ユニットは、電力供給を停止するように構成される。ここで、シートクッションがコンパートメントの空間を覆っているとき、電源ユニットは、殺菌装置に電力を供給するように構成される。
【0013】
一実施形態では、車両殺菌システムは、制御部をさらに備える。制御部は、殺菌装置を所定の時間駆動するように電源ユニットを制御するように構成される。所定の時間の後に、制御部は、殺菌装置への電力供給を停止するように電源ユニットを制御するように構成される。
【0014】
一実施形態では、車両殺菌システムは、制御部と電気エネルギー回収装置とをさらに備える。制御部は、殺菌装置を所定の時間駆動するように電源ユニットを制御するように構成される。電気エネルギー回収装置は、車両が少なくとも1つの車輪の駆動を停止したとき、少なくとも1つの車輪によって生成された熱エネルギーまたは運動エネルギーを回収電気エネルギーに変換するように構成される。制御部は、回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を殺菌装置に提供するように構成される。
【0015】
一実施形態では、制御部は、回収電気エネルギーの第1の部分を殺菌装置に提供するように構成され、回収電気エネルギーの第2の部分を使用して電源ユニットを充電するように構成される。
【0016】
一実施形態では、制御部は、電源ユニット中の残存電力比を決定するように構成される。残存電力比が警告閾値よりも小さいとき、制御部は、殺菌装置への回収電気エネルギーの供給を停止するように構成され、回収電気エネルギーを使用して電源ユニットを充電するように構成される。
【0017】
一実施形態では、車両殺菌システムは、制御部とセンサとをさらに備える。制御部は、殺菌装置を所定の時間駆動するように電源ユニットを制御するように構成される。センサは、制御部に結合され、コンパートメント内の揮発性有機化合物の濃度を決定するように構成される。揮発性有機化合物の濃度が検出閾値よりも大きいとき、制御部は、少なくとも所定の時間、殺菌装置に電力を供給するように電源ユニットを制御するように構成される。
【0018】
一実施形態では、殺菌装置は、少なくとも1つの流体生成素子と、少なくとも1つの紫外線光源と、少なくとも1つの光触媒素子とを備え、少なくとも1つの光触媒素子の位置は、少なくとも1つの紫外線光源に対応する。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの紫外線光源は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、殺菌装置は制御部をさらに備える。制御部は、車両と携帯用電子機器との間の距離を決定するように構成される。車両は、携帯用電子機器に通信可能に接続される。距離が距離閾値よりも大きいとき、制御部は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源に電力を供給するように電源ユニットを制御するように構成される。距離が距離閾値以下であるとき、制御部は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように電源ユニットを制御するように構成される。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つの紫外線光源は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源を備え、殺菌装置は、制御部と測位装置とをさらに備える。制御部は、殺菌装置を所定の時間駆動するように電源ユニットを制御するように構成される。測位装置は、車両の座標を取得するように構成される。座標が、クラウドサーバに記録されたマーク領域内に位置するとき、制御部は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源に電力を供給するように電源ユニットを制御するように構成される。座標がマーク領域の外部にあるとき、制御部は、第1の紫外線光源および第2の紫外線光源のうちの1つに電力を供給するように電源ユニットを制御するように構成される。
【0021】
一実施形態では、殺菌装置は照明回路をさらに備える。照明回路は、電源ユニットに結合され、回路基板および少なくとも1つの照明素子を備える。回路基板は、少なくとも1つの紫外線光源によって生成された紫外線が殺菌装置の外部に露出されるのを防止するために少なくとも1つの紫外線光源を覆うように構成される。
【0022】
一実施形態では、車両殺菌システムは、制御部とバッテリとをさらに備える。制御部は、殺菌装置を所定の時間駆動するように電源ユニットを制御するように構成される。バッテリは殺菌装置に結合される。殺菌装置が電源ユニットによって電力供給されないとき、制御部は、バッテリによって殺菌装置を駆動するように構成される。
【0023】
したがって、殺菌装置をコンパートメント内に配置し、シートクッションとコンパートメントとの間の配置関係により車両の状態を確認することによって、殺菌装置は、車両およびコンパートメント内の物品の清潔さを確保するために、自動的に車両を脱臭し、殺菌することができる。
【0024】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明とは、両方とも、例によるものであり、請求される開示のさらなる説明を提供するものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示は、添付の図面を参照しながら、実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解することができる。
【0026】
図1A】本開示のいくつかの実施形態における、車両および殺菌システムの概略図である。
【0027】
図1B】本開示のいくつかの実施形態における、車両および殺菌システムの概略図である。
【0028】
図2】本開示のいくつかの実施形態における、車両のコンパートメントおよび空間の概略図である。
【0029】
図3】本開示のいくつかの実施形態における、殺菌装置の概略図である。
【0030】
図4】本開示のいくつかの実施形態における、殺菌方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の実施形態は添付の図面とともに詳細に説明されるため、実施形態は、本開示の範囲を限定するために提供されない。さらに、説明される構造の動作は、実装の順序を限定するためのものではない。素子を再び組み合わせることによって形成される構造から作り出される、同等の機能を有する装置はすべて、本開示の範囲によってカバーされる。図面は、例示のみを目的としており、元のサイズに従って描かれていない。
【0032】
素子が「接続される」または「結合される」と言及されるとき、その素子が他の素子に直接接続または結合することができるか、あるいは介在素子が存在し得ることを理解されよう。対照的に、素子が別の素子に「直接接続される」または「直接結合される」と言及されるとき、介在素子は存在しない。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目、またはそれ以上のものの任意のおよびすべての組合せを含む。
【0033】
図1Aおよび図1Bは、本開示のいくつかの実施形態における、車両H10および車両殺菌システム100の概略図である。一実施形態では、車両殺菌システム100が適用される車両H10は自動二輪車であり、車両殺菌システム100は、車両H10のシートクッションH11の下のコンパートメントH12内の空間HSを殺菌するように構成される。ただし、本開示はこれに限定されず、別の実施形態では、車両殺菌システム100は、フロントガラス、トランク(図示せず)など、他の領域をも殺菌することができる。さらに、車両H10は、自動三輪車、電動自転車または他のタイプの乗り物でもあり得る。
【0034】
車両殺菌システム100は、電源ユニット110と、殺菌装置120とを含む。電源ユニット110は、車両H10のコンパートメントH12内に差込可能に配置されたバッテリを有するエネルギー貯蔵装置または電源回路であり得る。車両H10は、電気自動車に実装され得る。電源ユニット110は、車両H10の電力システムを駆動するために、車両H10に電気エネルギーを提供するように構成される。ただし、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、車両H10は、ガソリンを燃料として使用する車両に実装され得る。コンパートメントH12はシートクッションH11を備える。いくつかの実施形態では、シートクッションH11は、コンパートメントH12の上方に密接して配置されるように、車両H10の本体H13の一端に枢動可能に接続される。シートクッションH11は、コンパートメントH12内の空間HSを覆うか、または、コンパートメントH12から持ち上げられてコンパートメントH12内の空間HSを露出させる。図1Aおよび図1Bに示されている構成要素の位置は例示にすぎず、電源ユニット110の位置および殺菌装置120の位置は必要に応じて調整することができることが言及されるべきである。例えば、電源ユニット110は、コンパートメントH12の外部に位置し得る。別の実施形態では、電源ユニット110は、取り出すことができない内蔵バッテリであり得る。
【0035】
殺菌装置120は、コンパートメントH12内で電源ユニット110に隣接する位置において配置され、電源ユニット110に結合される。殺菌装置120と電源ユニット110との間の電気伝導関係は、駆動される電源ユニット110によって提供される電力を殺菌装置120が選択的に受け取ることができるように、検出信号によって制御される。殺菌装置120は、少なくとも1つの流体生成素子(例えば、ファン、または外部から流体を抽出することができる他の素子)と、少なくとも1つの紫外線光源と、光触媒素子とを含む。殺菌装置120は、紫外線光源を使用して光触媒素子を照射し、負の酸素イオン、水酸化物イオン、過酸化水素、および高い酸化能力を有する他の活性物質を生成するように構成される。殺菌装置120は、流体生成素子によって空気対流を生成して空間HS内に上記の活性物質を分配し、殺菌効果をもたらすように構成される。当業者は光触媒殺菌の原理を理解することができるので、それはここで繰り返されない。殺菌装置120の構造は、以下の段落で詳細に説明される。他の実施形態では、殺菌装置120は、活性物質の分散を促進し、空気循環を改善するために、複数の流体生成素子を含み得る。
【0036】
さらに、本実施形態では、光触媒素子は、殺菌用の紫外線光源とともに使用される。ただし、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、殺菌装置120は、殺菌のための他の技法を使用し得る。例えば、殺菌装置120は、紫外線殺菌灯またはオゾン殺菌器として実装され得る。言い換えれば、装置が殺菌機能を有する限り、その装置は、殺菌装置120として使用することができる。
【0037】
図2は、本開示のいくつかの実施形態における、コンパートメントH12および空間HSの概略図である。図1A図1Bおよび図2に示されているように、いくつかの実施形態では、電源ユニット110は、1つまたは複数の取り外し可能なバッテリ(図示せず)を含み、取り外し可能なバッテリは、各バッテリ内の電極を通して車両H10をそれぞれ連結するためにコンパートメントH12内のバッテリスロットH12a内に配置される。電源ユニット110の上部は空間HSに露出され、ユーザは、電源ユニット110を交換または修理するために電源ユニット110を容易に取り出すことができる。別の実施形態では、殺菌装置120は、コンパートメントH12内(すなわち、空間HS内)の壁面に、およびバッテリスロットH12aに隣接する位置において配置される。車両H10の電源回路は、バッテリスロットH12aの周囲に好都合に配置することができるので、電源ユニット110と殺菌装置120とが互いに結合される。代替的に、殺菌装置120はコンパートメントH12内の他の場所に配置されるが、本開示はこれを限定しない。
【0038】
いくつかの実施形態では、車両殺菌システム100は、制御部130をさらに含む。制御部130は、電源ユニット110によって提供される電気エネルギーによって車両H10の他の電子構成要素を駆動するように、電源ユニット110に結合される。いくつかの他の実施形態では、制御部130は、電源ユニット110内に配置することができる。言い換えれば、車両殺菌システム100は、互いに結合された複数の制御部を含み得る。例えば、車両H10は、車両H10の他の電子構成要素を駆動するように構成された電子制御ユニット(ECU)を含み、電源ユニット110は電源制御部を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、車両殺菌システム100は、状態検出回路140をさらに含む。状態検出回路140は、センサであり得、シートクッションH11がコンパートメントH12を完全に覆い、コンパートメントH12内の空間HSを完全に覆うかどうかを決定するように構成される。例えば、状態検出回路140は、シートクッションH11の回転角度が所定の範囲内にあるかどうかを決定する。回転角度が所定の範囲内にある場合、それは、シートクッションH11がコンパートメントH12内の空間HSを完全に覆っていることを意味する。
【0040】
他の実施形態では、状態検出回路140は、スイッチ回路に実装され得る。シートクッションH11の底部におけるU字フックが、コンパートメントH12内のスロット(例えば、バックル)に挿入されたとき、状態検出回路140はそれに応じてオンにされ、すなわち、状態検出回路140は、シートクッションH11がコンパートメントH12を完全に覆っていると決定することができる。
【0041】
上述のように、状態検出回路140は、シートクッションH11の状態に従って、対応する検出信号を生成する。図1Aに示されているように、シートクッションH11がコンパートメントH12内の空間HSを完全に覆っているとき、検出信号は、イネーブルレベル(例えば、低電圧)にある。図1Bに示されているように、シートクッションH11がコンパートメントH12を覆っていないとき、検出信号は、ディセーブルレベル(例えば、高電圧)にある。次いで、状態検出回路140は、検出信号を制御部130または電源ユニット110に出力する。
【0042】
車両殺菌システム100は、検出信号(すなわち、シートクッションH11の状態)に従って、電源ユニット110が電気エネルギーを殺菌装置120に出力するかどうかを自動的に変更または制御する。シートクッションH11がコンパートメントH12内の空間HSを完全に覆っているとき、制御部130は、殺菌を実施するために、イネーブルレベルにある検出信号に従って電力を殺菌装置120の流体生成素子および紫外線光源に自動的に出力/供給するように電源ユニット110を制御する。一方、シートクッションH11がコンパートメントH12内の空間HSを完全に覆っていない場合、制御部130は、ディセーブルレベルにある検出信号に従って殺菌装置120への電力供給を停止するように電源ユニット110を制御する。要するに、検出信号のレベルは、シートクッションH11の状態に基づいて自動的に切り替えることができるので、制御部130は、電源ユニット110と殺菌装置120との間の電気伝導関係を変更する。別の実施形態では、検出信号は電源ユニット110によって受信することができ、電源ユニット110は、検出信号のレベルに従って自動的に、電力を殺菌装置120に供給するかまたは殺菌装置120への電力供給を停止する。
【0043】
一実施形態では、制御部130は、所定の時間(例えば、10分、30分または60分)電気エネルギーを提供するように電源ユニット110を制御するように構成される。所定の時間の後に、制御部130は、殺菌装置120の流体生成素子および紫外線光源への電力供給を停止するように電源ユニット110を制御する。例えば、車両H10が電動バイクである場合、ユーザが車両H10に乗り始めたとき(このとき、シートクッションH11はコンパートメントH12に対して閉じられていなければならない)、殺菌装置120は、電源ユニット110から電力を受け取り、少なくとも1つの殺菌プロセスを実施する。殺菌プロセスに必要な時間は、コンパートメントH12のサイズおよび/または殺菌装置120の性能に依存する。殺菌プロセスを終了した後に、(電動バイクの電子制御ユニット、または電源ユニット110の電源制御部であり得る)制御部130は、殺菌装置120への電力供給を停止する。
【0044】
いくつかの実施形態では、車両殺菌システム100は、電気エネルギー回収装置150をさらに含む。電気エネルギー回収装置150は制御部130に結合され、車両H10が少なくとも1つの車輪への電力提供を停止した(ただし、車両H10が依然として惰走しており、車輪が回転し続けている)とき、電気エネルギー回収装置150は、車輪によって生成された熱エネルギーおよび/または運動エネルギーを回収電気エネルギーに変換するように構成される。制御部130は、殺菌装置120を駆動するために回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を電源ユニット110に提供するように構成されるか、または、回収電気エネルギーを殺菌装置120に直接供給するように構成される。電気エネルギー回収装置150の多くの方法および構造がある。当業者は電気エネルギー回収装置150の動作原理を理解することができるので、それはここで繰り返されない。
【0045】
さらに、一実施形態では、制御部130は、どのくらいの回収電気エネルギーが電気エネルギー回収装置150によって生成されたかを記録し、回収電気エネルギーを電源ユニット110および殺菌装置120にそれぞれ分配する。例えば、ユーザが車両H10に乗ったとき、制御部130は、回収電気エネルギーの第1の部分(例えば、50%)を殺菌装置120に提供するように電源ユニット110を制御し、回収電気エネルギーの第2の部分(例えば、別の50%)は、電源ユニット110を充電するために電源ユニット110中に保持される。
【0046】
他の実施形態では、回収電気エネルギーは、殺菌装置120に直接提供される。例えば、電気エネルギー回収装置150が回収電気エネルギーを生成したことを制御部130が検出したとき、制御部130は、回収電気エネルギーの少なくとも1つの部分を殺菌装置120に直接入力し、殺菌装置120への電力供給を一時的に停止するように電源ユニット110を制御する。したがって、殺菌装置120は、回収電気エネルギーが使い果たされるまでの時間期間、回収電気エネルギーのみで動作し得る。
【0047】
制御部130は、回収電気エネルギーの分配を動的に制御する。一実施形態では、制御部130は、回収電気エネルギーをどのように分配すべきかを決定するために、最大容量に対する電源ユニット110中の残存電力の比(残存電力比)を決定する。例えば、最大容量に対する電源ユニット110中の残存電力の比が警告閾値よりも小さい(例えば、現在の残存電力が10%よりも低い)と制御部130が決定した場合、制御部130は、殺菌装置120への回収電気エネルギーの提供を停止し、全回収電気エネルギーで電源ユニット110を充電する。
【0048】
別の実施形態では、車両殺菌システム100は、コンパートメントH12内の1つまたは複数の特定のガス分子の濃度に従って、殺菌装置120を駆動すべきかどうかを決定する。例えば、車両殺菌システム100はセンサ160を含み、センサ160は、コンパートメントH12または空間HS内に配置される。センサ160は、制御部130に結合され、コンパートメントH12内の揮発性有機化合物(VOC)の濃度を検出するように構成され、検出結果を制御部130に出力する。揮発性有機化合物の濃度が検出閾値(例えば、0.400mg/m3)よりも大きいとき、制御部130は、流体生成素子および紫外線光源に電力を供給するように電源ユニット110を能動的に制御する。
【0049】
図3は、本開示のいくつかの実施形態における、殺菌装置120の概略図である。殺菌装置120は、筐体121と、流体生成素子122と、第1の紫外線光源123と、第2の紫外線光源124と、光触媒素子125と、照明回路126とを含む。流体生成素子122、第1の紫外線光源123、第2の紫外線光源124および照明回路126は、電源ユニット110に結合され、電源ユニット110によって供給された電力を受け取るように構成される。本実施形態では、殺菌装置120は2つの紫外線光源のみを含む。ただし、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、殺菌装置120は、4つ以上の紫外線光源を含み得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、光触媒素子125は二酸化チタン・スチール・ウールを含む。二酸化チタン・スチール・ウールは、ごく少量の二酸化チタン粒子を噴霧されたスチールウールを使用することによって実装することができる。光触媒素子125の位置は、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124に対応するので、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124は、それぞれ、光触媒素子125の少なくとも一部を照射することができる。紫外線が光触媒素子125に照射されるとき、高い酸化能力を有する上記の活性物質が形成され得る。
【0051】
一実施形態では、光触媒素子125は、活性物質の生産を最大化するために、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124を取り囲み、覆う。図3に示されているように、光触媒素子125の断面はE字状であり、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124を覆うように構成される。ただし、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、光触媒素子125は他の形状であり得、唯一の要件は、光触媒素子125が第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124によって照射される必要があることである。同様に、本開示は、光触媒素子125の数を限定しない。他の実施形態では、殺菌装置120は、複数の光触媒素子を含み、光触媒素子は、それぞれ第1の紫外線光源123または第2の紫外線光源124の照射範囲内に配置される。
【0052】
筐体121は、吸気口および排気口を備える。殺菌装置120の内部および外部は、それぞれ吸気口および排気口を通して連通する。例えば、吸気口は流体生成素子122に隣接し、排気口は、流体生成素子122から離れた筐体121の端部に配置される。流体生成素子122が動作するとき、外気が吸気口を通して流体生成素子122によって吸引され、吸引された空気は、紫外線によって照射された光触媒素子125に流される。次いで、光触媒素子125によって生成された活性物質は、空気流に乗って排気口から流れ出る。活性物質は、コンパートメントH12およびコンパートメントH12内の物品を脱臭し、それらに菌が付くのを阻害するようにコンパートメントH12内で分配される。代替的に、コンパートメントH12内の空気品質が異常であるとき、流体生成素子122は、吸気口を通して汚れた空気を抽出し、この汚れた空気を浄化するために、汚れた空気を活性物質と相互作用させる。その後、浄化された空気は、排気口を通してコンパートメントH12に戻され、分配される。
【0053】
照明回路126は、回路基板Pと、少なくとも1つの照明素子L(例えば、LED)とを含む。一実施形態では、照明回路126の回路基板Pは、第1の紫外線光源123、第2の紫外線光源124および光触媒素子125の上方に設置され、紫外線が殺菌装置120の外部に照射することを防止して人間の目への害およびコンパートメントH12内の他の物質の酸化を回避するために、第1の紫外線光源123、第2の紫外線光源124を完全に覆う。
【0054】
さらに、車両殺菌システム100は、内臓バッテリ170をさらに含む。バッテリ170は、電源ユニット110とは異なり、車両H10の内部に配置され、空間HSに露出されないことがある。電源ユニット110が車両H10から取り外されたとき、制御部130は、依然として、バッテリ170を介して駆動することができる。一実施形態では、照明回路126は、バッテリ170に結合され得る。シートクッションH11がコンパートメントH12の空間HSを覆っていない(例えば、ユーザがシートクッションH11を開いた)とき、制御部130は、照明回路126の照明素子Lに電力を供給するようにバッテリ170を制御する。したがって、照明回路126が電源ユニット110によって電力供給されない(または、電源ユニット110によって提供される電力が照明回路126を動作させるのに十分でない)場合でも、照明回路126は、依然として、バッテリ170によって駆動し、自動的に点灯することができるので、ユーザは、コンパートメントH12内の物品をはっきりと見ることができる。例えば、車両H10が停止されるか、電源ユニット110に貯蔵された電力が枯渇するか、または電源ユニット110が車両H10から取り外されたとき、照明回路126は、依然として、バッテリ170によって電力供給されて動作することができる。
【0055】
さらに、殺菌装置120が電源ユニット110によって電力供給されない(または、電源ユニット110によって提供される電力が十分でない)とき、制御部130は、さらに、殺菌プロセスを実施するために殺菌装置120に電力を供給するようにバッテリ170を制御することができる。言い換えれば、ユーザが車両H10から降車したとき、電源ユニット110からの電力が遮断された場合でも、車両殺菌システム100は、依然として、殺菌のためにバッテリ170を介して殺菌装置120を駆動することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、車両殺菌システム100は、ユーザと車両H10との間の位置関係に従って、殺菌装置120の動作状態を選択的に変更する。例えば、ユーザの携帯用電子機器200(例えば、携帯電話)と車両H10の制御部130とは、任意の無線通信技術(例えば、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)またはWiFi)を通して通信することができ、制御部130は、車両H10と携帯用電子機器200との間の距離を決定する。例えば、距離は、受信信号強度表示(RSSI)に基づいて推定される。いくつかの実施形態では、「距離を推定する」動作は携帯用電子機器200によって実施することができ、携帯用電子機器200は、推定結果を制御部130に通知する。
【0057】
上述のように、推定された距離が距離閾値よりも大きい(例えば、10メートルを超える)とき、制御部130は、より強い第1の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を制御する。制御部130は、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124が光触媒素子125を照射するために同時に紫外線を生成するように、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124に電力を供給するように電源ユニット110を制御する。このとき、より多量の活性物質が光触媒素子125から生成される。一方、推定された距離が距離閾値以下である(例えば、距離が5~10メートルである)とき、制御部130は、より弱い第2の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を制御する。制御部130は、第1の紫外線光源123および第2の紫外線光源124のうちの1つのみに電力を供給するように電源ユニット110を制御する。例えば、電源ユニット110は、第1の紫外線光源123にのみ電力を供給し、第2の紫外線光源124に電力を供給しない。言い換えれば、車両H10と携帯用電子機器200との間の推定された距離が近すぎる場合、殺菌装置120は、ユーザが車両H10の近くにいるときの紫外線による潜在的な悪影響の発生を防止するために、より弱い殺菌状態で制御される。
【0058】
いくつかの他の実施形態では、車両殺菌システム100は、測位装置180(例えば、GPS信号送受信機)をさらに含む。測位装置180は、制御部130に結合され、車両H10の現在の座標を取得するように構成される。車両H10は、車両H10の現在のロケーションおよび領域を決定するために、クラウドサーバ(例えば、ネットワーク・マップ・サーバ)に直ちにまたは周期的に接続する。いくつかの実施形態では、車両H10は、携帯用電子機器200を通してクラウドサーバに接続する。クラウドサーバは、複数のマーク領域に関する情報(例えば、医療病院に隣接している、またはハイリスク領域内に位置する)を制御部130に提供する。現在の座標が、クラウドサーバに記録されたマーク領域のうちの1つ内に位置すると制御部130が決定したとき、制御部130は、直ちに殺菌プロセスを実施するために殺菌装置120に電力を供給するように電源ユニット110を自動的に制御する。
【0059】
上述のように、いくつかの他の実施形態では、殺菌プロセスはまた、クラウドサーバが車両殺菌システム100を遠隔制御することによって実施することができる。具体的には、制御部130が車両H10の現在の座標をクラウドサーバに出力した後に、クラウドサーバは、内蔵されている地図情報に従って、車両H10がマーク領域のうちの1つ内に位置するかどうかを決定する。車両H10が1つのマーク領域内に位置するとき、クラウドサーバは、制御部130が殺菌プロセスを実施するように殺菌装置120を駆動するように、制御部130に指令を送信する。逆の(車両H10がすべてのマーク領域の外部にある)場合、クラウドサーバは、殺菌プロセスを実施するように殺菌装置120を駆動しない。
【0060】
いくつかの他の実施形態では、車両H10は、さらに、現在の座標に従って殺菌装置120の殺菌状態を切り替える。具体的には、測位装置180を通して現在の座標を取得した後に、制御部130は、車両H10の現在のロケーションおよび領域を決定するためにクラウドサーバに接続する。現在の座標が、クラウドサーバに記録されたマーク領域のうちの1つ内に位置すると制御部130が決定したとき、制御部130は、より強い第1の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を駆動する。逆に、現在の座標が、クラウドサーバに記録されたすべてのマーク領域内に位置しない(すなわち、現在の座標がすべてのマーク領域の外部にある)と制御部130が決定したとき、制御部130は、より弱い第2の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を駆動する。したがって、殺菌装置120は、車両H10が流行のハイリスク領域において駐車または駆動されているとき、コンパートメントH12内でより徹底的に殺菌プロセスを実施することができる。車両H10が流行の非ハイリスク領域において停止または駆動するとき、殺菌装置120の電力消費量は低減され得る。
【0061】
例えば、車両H10は、殺菌装置120の殺菌状態を動的に切り替えるために、30分ごとにクラウドサーバに接続して現在の座標がマーク領域のうちの1つ内に位置するかどうかを確認する。車両H10の現在の座標がマーク領域外からマーク領域内に変化したとき、制御部130は、殺菌装置120を第1の殺菌状態に切り替える。このとき、制御部130は、さらに、殺菌装置120が殺菌プロセスを直ちに実施することを可能にすることができる。
【0062】
さらに、制御部130は、車両H10が電源オンにされたときに現在の座標を取得するように測位装置180を駆動し、次いで、殺菌装置120が第1の殺菌状態で動作するのか第2の殺菌状態で動作するのかを決定する。代替的に、車両H10が電源オフコマンドを受信した後に、制御部130は、電源ユニット110が電力供給を完全に停止する前の時間期間中に現在の座標を取得し、殺菌装置120の殺菌状態を決定するように、測位装置180を駆動することができる。したがって、ユーザが次に車両H10を電源オンにしたとき、制御部130は、前に決定された殺菌状態で殺菌装置120を制御することができる。
【0063】
上述のように、殺菌装置120の殺菌状態は、同様にクラウドサーバによって遠隔制御することができる。具体的には、制御部130が車両H10の現在の座標をクラウドサーバに出力した後に、クラウドサーバは、内蔵されている地図情報に従って、車両H10がマーク領域のうちの1つ内に位置するかどうかを決定する。車両H10がマーク領域のうちの1つ内に位置するとき、クラウドサーバは、状態制御信号を制御部130に出力し、次いで、制御部130は、第1の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を駆動する。逆の場合、クラウドサーバは、第2の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を遠隔制御する。
【0064】
図4は、本開示のいくつかの実施形態における、車両殺菌システム100に適用される殺菌方法を示すフローチャートである。ステップS401において、制御部130は、シートクッションH11がコンパートメントH12の空間HSを覆っているかどうかを決定する。ステップS402において、シートクッションH11がコンパートメントH12の空間HSを覆っていない場合、制御部130は、殺菌装置120への電力供給を停止するように電源ユニット110を制御する。逆に、シートクッションH11がコンパートメントH12の空間HSを覆っている場合、ステップS403において、制御部130は、殺菌装置の流体生成素子122および紫外線光源123、124に電力を供給するように電源ユニット110を制御する。いくつかの実施形態では、電源ユニット110は、自動的に、受信された検出信号のレベルに従って殺菌装置120に電力を供給するかまたは殺菌装置120への電力供給を停止することができる。
【0065】
ステップS404において、殺菌装置120が、電源ユニット110によって提供される電力に従って殺菌プロセスを実施するとき、制御部130は、殺菌装置120が所定の時間殺菌プロセスを実施した後に殺菌装置120への電力供給を停止するように電源ユニット110を制御する。
【0066】
さらに、車両H10が電源オンにされるプロセス中、制御部130は、さらに、異なる状態または条件に従って以下のステップを実施し得、すなわち、ステップS405において、車両H10が少なくとも1つの車輪の駆動を停止し、電気エネルギー回収装置150が、車輪によって生成された熱エネルギーおよび/または運動エネルギーを回収電気エネルギーに変換したとき、制御部130は、回収電気エネルギーを殺菌装置120に選択的に提供し、および/または回収電気エネルギーで電源ユニット110を充電する。
【0067】
ステップS406において、制御部130は、センサ160を通してコンパートメントH12内の1または複数の特定のガス分子(例えば、揮発性有機化合物)の濃度を取得する。1つまたは複数の特定のガス分子の濃度が検出閾値よりも大きいとき、制御部130は、殺菌プロセスを実施するために殺菌装置120に電力を供給するように電源ユニット110を制御する。
【0068】
ステップS407において、制御部130は、車両H10と携帯用電子機器200との間の距離が距離閾値よりも大きいかどうかを決定する。ステップS408において、車両H10と携帯用電子機器200との間の距離が距離閾値よりも大きいとき、制御部130は、第1の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を制御する。ステップS409において、車両H10と携帯用電子機器200との間の距離が距離閾値以下であるとき、制御部130は、第2の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を制御する。前の実施形態において説明されたように、第1の殺菌状態において有効にされる紫外線光源の数は、第2の殺菌状態において有効にされる紫外線光源の数よりも多い。第2の殺菌状態では、紫外線光源の一部のみが駆動される。
【0069】
ステップS410において、測位装置180を通して車両H10の現在の座標を取得した後に、殺菌装置120を駆動するか、または、車両H10の現在の座標とマーク領域との間の相対関係に従って殺菌装置120の殺菌状態を調整する。例えば、現在の座標がマーク領域のうちの1つ内に位置すると決定したとき、制御部130は、殺菌プロセスを実施するために殺菌装置120に電力を供給するように電源ユニット110を制御する。
【0070】
さらに、他の実施形態では、制御部130はまた、殺菌装置120の動作状態を調整するために現在の座標とマーク領域との間の距離を決定することができる。例えば、制御部130が、マーク領域のうちの1つ内に位置する現在の座標、または現在の座標とマーク領域のうちの1つの境界との間の距離が第1の範囲内(例えば、10メートル未満、または5~10メートル以内)にあると決定した場合、制御部130は、第1の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を制御する。一方、制御部130が、現在の座標とマーク領域のうちの1つの境界との間の距離が第2の範囲(例えば、10~20メートル)内にあると決定した場合、制御部130は、第2の殺菌状態で動作するように殺菌装置120を制御する。
【0071】
上記の実施形態では、車両殺菌システム100内の殺菌装置120、制御部130、状態検出回路140、電気エネルギー回収装置150、センサ160、バッテリ170および測位装置180も、車両H10の一部であり得る。さらに、上記の実施形態で説明されたように、前述のステップS401~S410における「制御部130」は、車両H10内の電子制御ユニットに限定されず、電源ユニット110に内蔵されたプロセッサまたは処理回路でもあり得る。
【0072】
上記の実施形態では、電源ユニット110と殺菌装置120との間の電源状態は、シートクッションH11とコンパートメントH12との間の相対関係に対応する。例えば、シートクッションH11がコンパートメントH12内の空間HSを完全に覆っているとき、検出信号はイネーブルレベルにあり、制御部130は、殺菌装置120に電力を供給するように電源ユニット110を自動的に制御する。逆に、シートクッションH11がコンパートメントH12内の空間HSを完全に覆っていないとき、検出信号はディセーブルレベルにあり、制御部130は、殺菌装置120への電力供給を停止するように電源ユニット110を自動的に制御する。言い換えれば、殺菌装置120は、電力を受動的に受け取り、駆動される。別の実施形態では、車両殺菌システム100は、電源ユニット110と殺菌装置120との間の電源状態を能動的に変更するために、シートクッションH11とコンパートメントH12との間の相対関係を周期的に決定し得る。
【0073】
前述の実施形態における素子、方法ステップ、または技術的特徴は、互いに組み合わされ得、本開示における明細書の説明の順序または図面の順序に限定されない。
【0074】
本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく本開示の構造に対して様々な修正および変形が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。上記に鑑みて、本開示は、本開示の修正および変形を、それらが以下の特許請求の範囲内に入るという条件で、包含することが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【外国語明細書】