(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059303
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】ナッツペースト組成物及びナッツペースト組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 25/00 20160101AFI20230420BHJP
A23L 33/00 20160101ALI20230420BHJP
【FI】
A23L25/00
A23L33/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169216
(22)【出願日】2021-10-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】592008310
【氏名又は名称】株式会社ワールドナッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100170025
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 一
(72)【発明者】
【氏名】河田 豊文
【テーマコード(参考)】
4B018
4B036
【Fターム(参考)】
4B018LE04
4B018MD15
4B018MD18
4B018MD27
4B018MD57
4B018ME14
4B018MF07
4B036LC06
4B036LE02
4B036LH05
4B036LH10
4B036LH13
4B036LH28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的なナッツペースト組成物、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ナッツペースト組成物は、セラミドを含むセラミド粉体と、前記セラミド粉体を溶かした、ココナッツオイルを含む液状植物性油脂と、前記液状植物性油脂を混合させたナッツペーストと、を含有し、セラミド粉体は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01~10.00重量%の範囲内であり、液状植物性油脂は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00~25.00重量%の範囲内であり、セラミド粉体と液状植物性油脂との重量比率は、1:2~1:300の範囲内であり、液状植物性油脂とナッツペーストとの重量比率は、1:1~1:200の範囲内である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミドを含むセラミド粉体と、
前記セラミド粉体を溶かした、ココナッツオイルを含む液状植物性油脂と、
前記液状植物性油脂を混合させたナッツペーストと、
を含有し、
前記セラミド粉体の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01重量%~10.00重量%の範囲内であり、
前記液状植物性油脂の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00重量%~25.00重量%の範囲内であり、
前記セラミド粉体と前記液状植物性油脂との重量比率は、1:2~1:300の範囲内であり、
前記液状植物性油脂と前記ナッツペーストとの重量比率は、1:1~1:200の範囲内である、
ナッツペースト組成物。
【請求項2】
破砕後の小片のクルミを更に含有する、
請求項1に記載のナッツペースト組成物。
【請求項3】
液糖を更に含有する、
請求項1又は2に記載のナッツペースト組成物。
【請求項4】
セラミドを含むセラミド粉体を、ココナッツオイルを含む液状植物性油脂に溶解させる溶解工程と、
前記セラミド粉体を溶かした液状植物性油脂をナッツペーストに混合して、ナッツペースト組成物を製造する混合工程と、
を備え、
前記セラミド粉体の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01重量%~10.00重量%の範囲内であり、
前記液状植物性油脂の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00重量%~25.00重量%の範囲内であり、
前記セラミド粉体と前記液状植物性油脂との重量比率は、1:2~1:300の範囲内であり、
前記液状植物性油脂と前記ナッツペーストとの重量比率は、1:1~1:200の範囲内である、
ナッツペースト組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナッツペースト組成物及びナッツペースト組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は、神経細胞死やシナプスの機能障害の結果生じる進行性の神経変性疾患であり、アルツハイマー病の病理学的特徴として、老人斑や神経原繊維変化といった異常構造物の脳内への蓄積が挙げられる。現在、認知症を引き起こす原因の過半数がアルツハイマー病だと言われており、その予防又は治療方策の早期確立が望まれている。
【0003】
ここで、アルツハイマー病は、長年にわたって脳内にアミロイドβ(タンパク質)が蓄積することにより発症するとされている。アルツハイマー病を予防するためには、認知症等の症状が現れるよりも前から、継続的にアミロイドβを抑制することが重要になる。
【0004】
そこで、昨今、長期にわたって摂取することで継続的にアミロイドβの蓄積を抑制するアルツハイマー病の予防剤の研究開発が進められている。
【0005】
例えば、国際公開第2019/078005号(特許文献1)には、セラミドを有効成分とする、アルツハイマー病の予防又は改善剤が開示されている。このセラミドは、こんにゃく芋由来のグルコシルセラミドである。これにより、食経験等がある安全な素材を用いてアミロイドβの蓄積を効果的に抑制でき、かつ自発的交替行動変化率を改善できるとしている。
【0006】
一方、本出願人は、長年、アーモンド(Almond)やピスタチオ、ピーナッツ等のナッツに関する食品を製造販売しており、様々なアーモンドのペースト組成物を開発している。
【0007】
例えば、特開2020-61958号公報(特許文献2)には、焙煎後のアーモンド仁を粗砕及び磨砕して得られたアーモンドペーストと、液糖と、天然物由来のベンズアルデヒドと、デキストリンとを含有するアーモンドペースト組成物が開示されている。このアーモンドペースト組成物は、デキストリンにより、ベンズアルデヒドの芳香性を抑制させ、良分散性を有する。これにより、食べ易く、且つ、健康増進に寄与するアーモンドペースト組成物を提供することが可能となるとしている。
【0008】
又、特開2020-178611号公報(特許文献3)には、融点が常温よりも高い植物性油脂であって、ココナッツオイル又はパーム油の植物性油脂を、本ナッツ類の全体に対して5重量%~30重量%の範囲内で含有したナッツ類と、ナッツ類の表面の全部に形成され、植物性油脂と同一の植物性油脂の粉体で構成された粉体層と、を備えた良食感ナッツ類が開示されている。この良食感ナッツ類の酸価は、1.0以下である。これにより、長期保存性に優れ、且つ、半固体や液体の中で長期間浸漬させたとしても、ナッツ類の特有なカリカリ感の食感を維持させることが可能となるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2019/078005号
【特許文献2】特開2020-61958号公報
【特許文献3】特開2020-178611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、上述のように、セラミドは、継続的に摂取可能であり、且つ、アルツハイマー病の予防になることが期待されているが、しかしながら、セラミド(特に、こんにゃく芋由来のグルコシルセラミド)は、基本的に油性固形物であり、食品に混ざり難く、舌触りが悪い。ここでの舌触りの悪さは、例えば、口の中が砂でも噛んだようにじゃりじゃりする感じを意味する。つまり、そのままだと、継続して摂取し難いという課題がある。このような課題を、上述の特許文献1-3に記載の技術では解決することは出来ない。
【0011】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的となるナッツペースト組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るナッツペースト組成物は、セラミドを含むセラミド粉体と、前記セラミド粉体を溶かした、ココナッツオイルを含む液状植物性油脂と、前記液状植物性油脂を混合させたナッツペーストと、を含有し、前記セラミド粉体の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01重量%~10.00重量%の範囲内であり、前記液状植物性油脂の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00重量%~25.00重量%の範囲内であり、前記セラミド粉体と前記液状植物性油脂との重量比率は、1:2~1:300の範囲内であり、前記液状植物性油脂と前記ナッツペーストとの重量比率は、1:1~1:200の範囲内である。
【0013】
又、本発明に係るナッツペースト組成物の製造方法は、セラミドを含むセラミド粉体を、ココナッツオイルを含む液状植物性油脂に溶解させる溶解工程と、前記セラミド粉体を溶かした液状植物性油脂をナッツペーストに混合して、ナッツペースト組成物を製造する混合工程と、を備え、前記セラミド粉体の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01重量%~10.00重量%の範囲内であり、前記液状植物性油脂の濃度は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00重量%~25重量.00%の範囲内であり、前記セラミド粉体と前記液状植物性油脂との重量比率は、1:2~1:300の範囲内であり、前記液状植物性油脂と前記ナッツペーストとの重量比率は、1:1~1:200の範囲内である。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るナッツペースト組成物の製造方法の実行手順を示すフローチャートである。
【
図2】実施例1-12と比較例1-2のナッツペースト組成物の成分と配合を示す表である。
【
図3】実施例1-12と比較例1-2のナッツペースト組成物の各重量比率と評価結果の表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0017】
本発明に係るナッツペースト組成物は、セラミドを含むセラミド粉体と、前記セラミド粉体を溶かした、ココナッツオイルを含む液状植物性油脂と、前記液状植物性油脂を混合させたナッツペーストと、を含有する。
【0018】
又、本発明に係るナッツペースト組成物では、セラミド粉体は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01重量%~5.00重量%の範囲内であり、液状植物性油脂は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00重量%~25.00重量%の範囲内である。又、セラミド粉体と液状植物性油脂との重量比率は、1:2~1:300の範囲内であり、液状植物性油脂とナッツペーストとの重量比率は、1:1~1:200の範囲内である。
【0019】
これにより、舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的となる。即ち、油性固形物のセラミド粉体をそのままナッツペーストに混ぜると、セラミド粉体が油性固形物としてそのままナッツペーストに残ることになり、ダマを形成したり、舌触りを悪くしたりする。そこで、本発明は、セラミド粉体を液状植物性油脂に溶かした上で、その混合物をナッツペーストに混ぜた構成としている。つまり、本発明では、セラミド粉体が液状植物性油脂に溶けた上でナッツペーストに混合されているため、セラミド粉体を均一に混ぜた構成である。又、セラミド粉体と液状植物性油脂の濃度は、それぞれ所定の範囲内にしている。
【0020】
そのため、セラミド粉体が油性固形物としてナッツペーストに残ることなく、ダマの形成や舌触りの悪化を防止し、ナッツペーストの食感を保つことが出来る。又、セラミド粉体と液状植物性油脂をナッツペーストに均一に混ぜることが可能となり、違和感無く、ナッツペーストを継続して摂取することが可能となる。又、本発明では、アルツハイマー病等の認知症予防に寄与するセラミド粉体を含有しているため、認知症予防に効果的となる。
【0021】
ここで、セラミドの種類に特に限定は無いが、例えば、植物由来のセラミドを挙げることが出来る。植物に特に限定は無いが、例えば、例えば、アーモンド、アオサ、アオノリ、アカザ、アカシア、アカネ、アカブドウ、アカマツ(松ヤニ、琥珀、コーパルを含む。以下マツ類については同じ)、アガリクス、アキノノゲシ、アケビ、アサガオ、アザレア、アジサイ、アシタバ、アズキ、アスパラガス、アセロラ、アセンヤク、アニス、アボガド、アマクサ、アマチャ、アマチャヅル、アマナツ、アマリリス、アルテア、アルニカ、アロエ、アンジェリカ、アンズ、アンコール、アンソッコウ、イグサ、イザヨイバラ、イチイ、イチジク、イチョウ、イヨカン、イランイラン、ウイキョウ、ウーロン茶、ウコン、ウスベニアオイ、ウツボグサ、ウド、ウメ、ウラジロガシ、温州ミカン、エイジツ、エシャロット、エゾウコギ、エニシダ、エノキタケ、エルダーフラワー、エンドウ、オーキッド、オウゴンカン、オオバコ、オオヒレアザミ、オオムギ、オケラ、オスマンサス、オトギリソウ、オドリコソウ、オニドコロ、オリーブ、オレガノ、オレンジ(オレンジピールを含む)、カーネーション、カカオ、カキ、カキドオシ、カクテルフルーツ、カッコン、カシワ、カタクリ、カボチャ、カミツレ、カムカム、カモミール、カラスウリ、カラマツ、カラマンダリン、カリン、ガルシニア、カルダモン、カワチバンカン、カンペイ、キイチゴ、キウイ、キキョウ、キャベツ(ケールを含む)、キャラウェイ、キュウリ、キヨミ、キンカン、ギンナン、グァバ、クコ、クズ、クチナシ、クミン、クランベリー、クルミ、グレープフルーツ、クレメンタイン、クローブ、クロマツ、クロマメ、クロレラ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、コケモモ、コショウ、コスモス、ゴボウ、コムギ(小麦胚芽を含む)、ゴマ、コマツナ、コメ(米糠を含む)、コリアンダー、こんにゃく(こんにゃく芋)(こんにゃくトビ粉を含む)、コンブ、サーモンベリー、サイプレス、ザクロ、サツマ芋、サト芋、サトウキビ、サトウダイコン、サフラン、ザボン、サンザシ、サンショウ、シイタケ、シクラメン、シソ、シメジ、ジャガ芋、シャクヤク、ジャスミン、ジュズダマ、シュンギク、ショウガ、ショウブ、シラカシ、ジンチョウゲ、シンナモン、スイカ、スイトピー、スイートスプリング、スギナ、スターアニス、スターアップル、スダチ、ステビア、スモモ、セージ(サルビア)、セトカ、ゼニアオイ、セミノール、セロリ、センキュウ、センブリ、ソバ、ソラマメ、ダイコン、ダイズ(おからを含む)、ダイダイ、タイム、タケノコ、タマネギ、タラゴン、タロイモ、タンカン、タンゴール、タンジン、タンゼロ、タンポポ、チコリ、ツキミソウ、ツクシ、ツバキ、ツボクサ、ツメクサ、ツルクサ、ツルナ、ツワブキ、ディル、デコポン、テンジクアオイ(ゼラニウム)、トウガ、トウガラシ、トウキ、トウチュウカソウ、トウモロコシ、ドクダミ、トコン、トチュウ、トネリコ、ナガイモ、ナズナ、ナツミ、ナツミカン、ナツメグ、ナンテン、ニガウリ、ニガヨモギ、ニラ、ニンジン、ニンニク、ネギ、ノコギリソウ、ノコギリヤシ、ノビル、バーベナ、パーム、パイナップル、ハイビスカス、ハコベ、バジル、パセリ、ハダカムギ、ハッサク、ハッカ、ハトムギ、バナナ、バナバ、バニラ、パプリカ、ハマメリス、ハルカ、ハルミ、ハレヒメ、バンペイユ、ビート、ピーマン、ヒガンバナ、ヒシ、ヒジキ、ピスタチオ、ヒソップ(ヤナギハッカ)、ヒナギク、ヒナゲシ、ヒノキ、ヒバ、ヒマシ、ヒマワリ、ヒメノツキ、ヒュウガナツ、ビワ、ファレノプシス、フェネグリーク、フキノトウ、ブラックベリー、プラム、ブルーベリー(ビルベリーを含む)、プルーン、ブンタン、ヘチマ、ベニバナ、ベニマドンナ、ベラドンナ、ベルガモット、ホウセンカ、ホウレンソウ、ホオズキ、ボダイジュ、ボタン、ホップ、ホホバ、ポンカン、マイタケ、マオウ、マカ、マカデミアンナッツ、マーコット、マタタビ、マリーゴールド、マリヒメ、マンゴー、ミツバ、ミネオラ、ミモザ、ミョウガ、ミルラ、ムラサキ、メース、メリッサ、メリロート、メロン、メン(綿実油粕を含む)、モヤシ、ヤグルマソウ、ヤマ芋、ヤマユリ、ヤマヨモギ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユリ、ヨクイニン、ヨメナ(アスター)、ヨモギ、ライム、ライムギ、ライラック、ラズベリー、ラッカセイ、ラッキョウ、リンゴ(アップルファイバーを含む)、リンドウ、レイコウ、レイシ、レタス、レモン、レンゲソウ、レンコン、ローズヒップ、ローズマリー、ローリエ、ワケギ、ワサビ(セイヨウワサビを含む)等を挙げることが出来る。
【0022】
又、植物がこんにゃく芋の場合、セラミドは、例えば、こんにゃく芋由来のセラミド、こんにゃく芋由来のグルコシルセラミドを挙げることが出来る。又、セラミドが、こんにゃく芋由来のセラミド又はこんにゃく芋由来のグルコシルセラミドの場合、セラミド粉体は、例えば、こんにゃくの原料となる精粉、副産物となるとび粉等を挙げることが出来る。尚、セラミド粉体には、セラミドを安定化させるためにサイクロデキストリンが含有されていても構わない。
【0023】
又、液状植物性油脂の種類に特に限定は無いが、例えば、ココナッツオイル(ヤシ油)、パーム油等を挙げることが出来る。ココナッツオイルには、ラウリン酸が豊富に含有されており、認知症予防の効果があるため、セラミド粉体との相乗効果を得ることが出来る。
【0024】
又、セラミド粉体を液状植物性油脂に溶かす方法に特に限定は無いが、例えば、セラミド粉体を液状植物性油脂に添加して混合する方法を挙げることが出来る。尚、セラミド粉体は、油性固形物であるため、元来、液状植物性油脂に馴染みやすく、セラミド粉体を液状植物性油脂に添加して棒で掻き混ぜるだけで、セラミド粉体を液状植物性油脂に容易に溶かすことが出来る。
【0025】
又、ナッツペーストの原料となるナッツの種類に特に限定は無いが、例えば、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、ラッカセイ、クルミ、マカデミアナッツ、ヘーゼルナッツ、ピカン、松の実、ブラジルナッツ等を挙げることが出来る。特に、ナッツの種類がアーモンドの場合、アーモンドの皮には、ポリフェノールが含有されており、このポリフェノールが、脳へのアミロイドβの沈着を防止し、認知症予防の効果があるため、セラミド粉体との相乗効果を得ることが出来る。
【0026】
又、ナッツペーストの平均粒径に特に限定は無いが、例えば、100μm~300μmの範囲内であると、セラミド粉体を溶かした液状植物性油脂に溶け易く、液状植物性油脂がナッツペースト内に均一に分散し易くなるため、好ましい。尚、所望の平均粒径のナッツペーストを得る方法は、例えば、焙煎後のナッツの仁を粗砕し、その粗砕物を50~150メッシュの篩で磨砕すれば良い。篩は、例えば、70~80メッシュであると好ましい。
【0027】
又、液状植物性油脂をナッツペーストに混合する方法に特に限定は無いが、液状植物性油脂をナッツペーストに添加して混合する方法を挙げることが出来る。尚、液状植物性油脂は、ナッツとの相性が良いため、液状植物性油脂をナッツペーストに添加して棒で掻き混ぜるだけで、液状植物性油脂をナッツペーストに容易に混合させることが出来る。
【0028】
又、セラミド粉体は、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.01重量%~10.00重量%の範囲内であると好ましいが、液状植物性油脂への溶解性を考慮すると、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.05重量%~5.00重量%の範囲内であると好ましい。
【0029】
又、液状植物性油脂は、全ナッツペースト組成物の重量に対して5.00重量%~25.00重量%の範囲内であると好ましいが、セラミド粉体への溶解性とナッツペーストへの混合性を考慮すると、全ナッツペースト組成物の重量に対して10.00重量%~20.00重量%の範囲内の範囲内であると好ましい。
【0030】
又、セラミド粉体と液状植物性油脂との重量比率は、例えば、1:2~1:300の範囲内であると好ましいが、セラミド粉体と液状植物性油脂との溶解性を考慮すると、1:4~1:100の範囲内であると好ましく、1:4~1:50の範囲内であると更に好ましく、1:4~1:30の範囲内であると更に好ましい。
【0031】
又、ナッツペーストは、全ナッツペースト組成物の重量に対して20.00重量%~94.99重量%の範囲内であると好ましいが、液状植物性油脂への混合性を考慮すると、全ナッツペースト組成物の重量に対して20.00重量%~90.00重量%の範囲内の範囲内であると好ましい。
【0032】
又、液状植物性油脂とナッツペーストとの重量比率は、例えば、1:1~1:200の範囲内であると好ましいが、液状植物性油脂とナッツペーストとの混合性を考慮すると、1:1~1:30の範囲内であると好ましく、1:1~1:20の範囲内であると更に好ましく、1:1~1:10の範囲内であると更に好ましい。
【0033】
又、ナッツペースト組成物の粘度に特に限定は無いが、例えば、1Pa・s(1000cP)~10Pa・s(10000cP)の範囲内であると、均一に分散し、食感も良く、食品として継続して摂取し易くなるため、好ましい。
【0034】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、破砕後の小片のクルミを添加しても良い。ナッツペースト組成物にクルミを添加することで、クルミの柔らかい食感をナッツペースト組成物に与えることが可能であり、ナッツペースト組成物に歯ごたえを与え、食べ易くすることが可能となる。又、クルミには、α-リノレン酸が豊富に含まれており、認知症予防の効果があるため、セラミド粉体との相乗効果を得ることが出来る。
【0035】
ここで、クルミのサイズに特に限定は無いが、例えば、長径が、1mm~10mmの範囲内であると、ナッツペースト組成物に適度な食感を与えるため、好ましい。又、クルミの濃度に特に限定は無いが、例えば、全ナッツペースト組成物の重量に対して1.00重量%~20.00重量%の範囲内であると好ましく、1.00重量%~10.00重量%の範囲内であると好ましい。これにより、ナッツペースト組成物に適度な食感を与えることが出来る。
【0036】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、液糖を添加しても良い。ナッツペースト組成物に液糖を添加することで、ナッツペースト組成物に甘みを付け、食べ易くすることが可能となる。
【0037】
ここで、液糖の種類に特に限定は無いが、例えば、ショ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、転化型液糖、還元水あめ等を採用することが出来る。液糖の濃度に特に限定は無いが、例えば、全ナッツペースト組成物の重量に対して10.00重量%~50.00重量%の範囲内であると好ましく、20.00重量%~40.00重量%の範囲内であると好ましい。これにより、ナッツペースト組成物に適度に甘みを付けることが出来る。
【0038】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、カカオを添加しても良い。ナッツペースト組成物にカカオを添加することで、カカオの苦みをナッツペースト組成物に与えることが可能であり、良い味にすることが出来る。又、カカオには、ポリフェノールが豊富に含まれており、認知症予防の効果があるため、セラミド粉体との相乗効果を得ることが出来る。
【0039】
ここで、カカオの種類に特に限定は無いが、例えば、カカオ豆、カカオニブ、カカオマスのいずれかを粉体化したカカオペーストを挙げることが出来る。カカオペーストの平均粒径に特に限定は無いが、例えば、ナッツペーストの平均粒径と同等か近接する平均粒径を有すると、ナッツペーストとカカオペーストとが邑なく混ざり合うため、好ましい。即ち、カカオペーストの平均粒径は、例えば、100μm~300μmの範囲内であると、好ましく、150μm~250μmの範囲内であると、更に好ましい。カカオペーストを得る方法は、例えば、カカオ豆、カカオニブ、カカオマスのいずれかを粗砕し、その粗砕物を50~150メッシュの篩で磨砕すれば良い。篩は、例えば、70~80メッシュであると好ましい。
【0040】
又、カカオの濃度に特に限定は無いが、例えば、全ナッツペースト組成物の重量に対して1.00重量%~10.00重量%の範囲内であると好ましく、1.00重量%~5.00重量%の範囲内であると好ましい。これにより、ナッツペースト組成物に適度なカカオの苦みを与えることが出来る。
【0041】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、上述した液状植物性油脂以外の食用油脂を添加しても良い。ナッツペースト組成物に食用油脂を添加することで、食用油脂の滑らかさをナッツペースト組成物に与えることが可能であり、口当たりを良くすることが出来る。
【0042】
ここで、食用油脂の種類に特に限定は無いが、例えば、ごま油、菜種油、大豆油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、香味油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、サラダ油、キャノーラ油、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油、乳脂、ギー等を挙げることが出来る。又、食用油脂の濃度に特に限定は無いが、例えば、全ナッツペースト組成物の重量に対して1重量%~10重量%の範囲内であると好ましく、1重量%~5重量%の範囲内であると好ましい。これにより、ナッツペースト組成物に適度な口当たりを与えることが出来る。
【0043】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、酸化防止剤を添加しても良い。ナッツペースト組成物に酸化防止剤を添加することで、ナッツペースト組成物の酸化を防止し、食品賞味期限を延長させることが出来る。
【0044】
ここで、酸化防止剤の種類に特に限定は無いが、例えば、ビタミンC、ビタミンE等を挙げることが出来る。又、酸化防止剤の濃度に特に限定は無いが、例えば、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.001重量%~0.100重量%の範囲内であると好ましく、0.001重量%~0.010重量%の範囲内であると好ましい。
【0045】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、食塩を添加しても良い。ナッツペースト組成物に食塩を添加することで、ナッツペースト組成物の味を引き締め、良い味にすることが出来る。
【0046】
ここで、食塩の種類に特に限定は無い。又、食塩の濃度に特に限定は無いが、例えば、全ナッツペースト組成物の重量に対して0.001重量%~0.100重量%の範囲内であると好ましく、0.001重量%~0.010重量%の範囲内であると好ましい。
【0047】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、果実類を含有させても良い。果実類の種類に特に限定は無いが、例えば、イチジク、桃、梅、サクランボ、杏等の核果類果実、リンゴ、梨、カリン、マルメロ等の仁果類果実、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、ミカン、カボス、すだち、シークワシャー、キンカン等の柑橘類果実、巨峰、マスカット等のブドウ類、パイナップル、バナナ、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ等の熱帯果実、苺、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー等のベリー類、メロン、スイカ等の雑果実等を挙げることが出来る。
【0048】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、野菜類を含有させても良い。野菜類の種類に特に限定は無いが、例えば、例えば、ナス、トマト、ピーマン、かぼちゃ、きゅうり、唐辛子等の果菜類、キャベツ、ケール、セロリ、ニラ、白菜、パセリ、ほうれん草、レタス等の葉菜類、アスパラガス、たけのこ、ニンニク、ネギ、タマネギ等の茎菜類、大根、カブ、わさび、ゴボウ、生姜、ニンジン、レンコン等の根菜類、もやし、ブロッコリー、アロエ、サボテン等の雑野菜等を挙げることが出来る。
【0049】
又、果実類や野菜類の形態に特に限定は無いが、例えば、破砕や粉砕した形態、果汁や野菜汁等の搾汁やペーストの形態、乾燥、加熱、加圧等の加工を施した形態等を挙げることが出来る。
【0050】
又、ナッツペースト組成物には、添加物として、穀類、イモ類、豆類、種実類、キノコ類のいずれか又はこれらの組み合わせを含有させても良い。穀類の種類に特に限定は無いが、例えば、玄米、精白米、大麦、小麦、ソバ等を挙げることが出来る。イモ類の種類に特に限定は無いが、例えば、サツマイモ、ジャガイモ等を挙げることが出来る。豆類の種類に特に限定は無いが、小豆、エンドウ、大豆、インゲン豆等を挙げることが出来る。種実類の種類に特に限定は無いが、例えば、栗、ココナッツ、ゴマ、落花生等を挙げることが出来る。キノコ類の種類に特に限定は無いが、例えば、シイタケ、マッシュルーム、シメジ、マイタケ等を挙げることが出来る。
【0051】
さて、本発明に係るナッツペースト組成物の製造方法について、
図1を参照しながら、具体的に説明する。先ず、製造者は、セラミド粉体(例えば、こんにゃく芋のとび粉)と液状植物性油脂(例えば、ココナッツオイル)を用意する。
【0052】
次に、製造者は、容器に液状植物性油脂を貯め、その中にセラミド粉体を添加して混合することで、セラミド粉体を液状植物性油脂に溶かす(
図1:S101)。尚、セラミド粉体は、常温の液状植物性油脂でも容易に溶解する。
【0053】
セラミド粉体の溶解が完了すると、製造者は、セラミド粉体を溶かした液状植物性油脂を、予め作成したナッツペーストに添加して混合して、ナッツペースト組成物を製造する(
図1:S102)。尚、液状植物性油脂は、ナッツペーストに容易に混合する。
【0054】
これで、ナッツペースト組成物が出来上がるが、その後、好みに応じて、ナッツペースト組成物に添加物を添加して混合する。例えば、添加物が、クルミ、液糖、カカオ、食用油脂、酸化防止剤、食塩の場合、全ての添加物をナッツペースト組成物にそのまま添加して混合すれば良い。
【0055】
さて、ナッツペースト組成物の使用方法は、例えば、そのまま食したり、パンに塗って食したり、ヨーグルトに混ぜたり、調味料として利用したりしても良い。又、ナッツペースト組成物をアイスクリームに上から塗ったり、チョコレート等に混ぜたりして食しても良い。
【実施例0056】
以下、実施例等によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0057】
図2の表に示すように、各成分を配合して、実施例1-12と比較例1-2のナッツペースト組成物を製造した。表中の数値は、濃度(重量%)を示す。
【0058】
実施例1-6について、セラミド粉体としてこんにゃく芋のとび粉と、液状植物性油脂としてココナッツオイルとを混合槽に入れて混合して、こんにゃく芋のとび粉をココナッツオイルに溶かした。次に、こんにゃく芋のとび粉を溶かしたココナッツオイルに、ナッツペーストとしてアーモンドペーストを添加して混合して、ナッツペースト組成物を製造した。アーモンドペーストは、焙煎後のアーモンド仁を粗砕し、その粗砕物を80メッシュの篩で磨砕して、平均孔径を約180μmとしたアーモンドペーストを用いた。
【0059】
実施例1-6では、
図1に示すように、セラミド粉体の濃度と液状植物性油脂の濃度とナッツペーストの濃度とを変更した。
【0060】
次に、実施例7について、実施例1-6の製造方法で製造したナッツペースト組成物にクルミを添加して混合して、最終的なナッツペースト組成物を製造した。クルミは、破砕後の小片であり、長径が、1mm~10mmの範囲内のものを利用した。
【0061】
又、実施例8について、実施例7の製造方法で製造したナッツペースト組成物に液糖を添加して混合して、最終的なナッツペースト組成物を製造した。液糖は、ブドウ糖果糖液糖を利用した。
【0062】
又、実施例9について、実施例8の製造方法で製造したナッツペースト組成物にカカオを添加して混合して、最終的なナッツペースト組成物を製造した。カカオは、カカオ豆を粗砕し、その粗砕物を50~150メッシュの篩で磨砕したものを利用した。
【0063】
又、実施例10について、実施例9の製造方法で製造したナッツペースト組成物に食用油脂を添加して混合して、最終的なナッツペースト組成物を製造した。
【0064】
又、実施例11について、実施例10の製造方法で製造したナッツペースト組成物に酸化防止剤を添加して混合して、最終的なナッツペースト組成物を製造した。酸化防止剤は、ビタミンCを利用した。
【0065】
又、実施例12について、実施例11の製造方法で製造したナッツペースト組成物に食塩を添加して混合して、最終的なナッツペースト組成物を製造した。
【0066】
一方、比較例1-2では、液状植物性油脂を添加せずに、セラミド粉体とナッツペーストを直接混合して、ナッツペースト組成物を製造した。
<評価方法>
【0067】
実施例1-12と比較例1-2のナッツペースト組成物は、舌触り、分散性、認知テスト、歯ごたえ、味の観点で評価した。先ず、舌触りは、製造後のナッツペースト組成物を一口取って口に入れて舌触りが良いかどうかを舌の食感で評価した。当該評価は、下記に示す3段階で行った。ここで、不快な舌触りは、口の中が砂でも噛んだようにじゃりじゃりする感じを意味する。
【0068】
〇:ざらつきが無く、良好な舌触りである。
△:一部ざらつきがある。
×:ざらつきが有り、不快な舌触りである。
【0069】
次に、分散性は、製造後のナッツペースト組成物を小皿に取り、ナッツペースト組成物にダマが生じていないか、成分が均一かどうかを目視観察で評価した。当該評価は、下記に示す3段階で行った。
【0070】
〇:ダマが無く、均一な分散状態である。
△:一部ダマが存在する。
×:ダマが存在し、不均一な分散状態である。
【0071】
次に、認知テストは、製造後のナッツペースト組成物を3人の70歳以上の被験者に毎日、朝、昼、晩の3回、スプーン一杯(5g-10g)を継続して食してもらう。それを3カ月間続けてもらった後、認知テストとして長谷川式認知症スケールを行ってもらい、点数を付けて認知機能を評価した。当該評価は、下記で示す3段階で行った。
【0072】
〇:20点以上である。
△:10点-19点の間である。
×:9点以下である。
【0073】
次に、歯ごたえは、製造後のナッツペースト組成物を一口取って口に入れて咀嚼し、歯ごたえがあるかどうかを口の食感で評価した。当該評価は、下記に示す3段階で行った。
【0074】
〇:歯ごたえが有り、食べ易い。
△:一部歯ごたえがある。
×:歯ごたえが無く、食べ難い。
【0075】
最後に、味は、製造後のナッツペースト組成物を一口取って口に入れて咀嚼し、味が良いかどうかを味覚で評価した。当該評価は、下記に示す3段階で行った。
【0076】
〇:しっかりした味があって、食べ易い。
△:一部味がある。
×:味が無く、食べ難い。
<評価結果>
【0077】
図3は、実施例1-12と比較例1-2のナッツペースト組成物の各重量比率と評価結果の表を示す。
図3に示す重量比率について、セラミド粉体に対する液状植物性油脂の重量比率は、セラミド粉体を1とした場合の液状植物性油脂の重量比率であり、液状植物性油脂に対するナッツペーストの重量比率は、液状植物性油脂を1とした場合のナッツペーストの重量比率である。
図3に示すように、実施例1-6では、舌触りも分散性も認知テストも良好であり、舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的と判断した。一方、比較例1-2では、舌触りも分散性も悪かったため、認知テストは実施しなかった。
【0078】
例えば、
図4は、実施例1の製造手順に従った写真を示す。
図4では、実施例1の一部を示している。
図4に示すように、セラミド粉体を液状植物性油脂に添加して混合すると、セラミド粉体が液状植物性油脂に容易に溶けていることが理解される。このセラミド粉体を溶かした液状植物性油脂をナッツペーストに添加して混合すると、液状植物性油脂がナッツペーストに容易に馴染み、均一に分散していることが理解される。
【0079】
一方、
図5は、比較例1の製造手順に従った写真を示す。
図5では、比較例1の一部を示している。
図5に示すように、セラミド粉体をナッツペーストに直接添加して混合すると、セラミド粉体が油性固形物としてナッツペーストに存在することから、セラミド粉体のダマが生じていることが理解される。この状態で食すると、セラミド粉体の油性固形物が舌触りを悪化させる原因となり、ざらつきが生じ、不快な舌触りとなる。更に、ダマが存在し、不均一な分散状態になるため、食品価値を下げ、保存性等も損なう原因になる。
【0080】
又、
図3に示すように、実施例7では、クルミを入れることで、クルミがナッツペースト組成物の中で一定の歯ごたえを生じさせ、食べ易くなったことが理解される。そして、実施例8では、液糖を入れることで、ナッツペースト組成物に甘みが付き、しっかりした味になって、食べ易くなったことが理解される。更に、実施例9では、カカオを入れることで、ナッツペースト組成物に渋みが付いた。
【0081】
又、実施例10では、食用油脂を入れることで、ナッツペースト組成物に滑らかさが付いた。そして、実施例11では、酸化防止剤を入れることで、ナッツペースト組成物の酸化を防止出来た。更に、実施例12では、食塩を入れることで、しっかりした味が付いた。
【0082】
実施例1におけるナッツペースト組成物を上述の3人の試験者に毎日、朝、昼、晩の3回、スプーン一杯(5g-10g)を3カ月間続けてもらった後、健康状態を確認したところ、試験者から、「頭がすっきりした。」、「頭が冴えるようになった。」、「頭痛が無くなった。」、「よだれが出なくなった。」等の健康増進の声を聴くことが出来た。又、実施例1におけるナッツペースト組成物を食することで、健康被害の声は全くなかった。
【0083】
従って、本発明では、舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的となる。
以上のように、本発明に係るナッツペースト組成物は、機能性食品として有用であり、舌触りが良く、継続的に摂取することが可能であり、且つ、アルツハイマー病等の認知症予防に効果的なナッツペースト組成物として有効である。